次の手順では、「ジョブを管理」タスクと agent-update.bin 実行可能ファイルを使用して、エージェント更新イメージからエージェントをインストールまたは更新する方法を説明します。また、es-inst -a コマンドを使用してエージェント専用インストールイメージをインストールする方法についても説明します。
JumpStart ソフトウェアを使用して Solaris オペレーティング環境とエージェントをインストールする方法については、「JumpStart によるエージェントのインストール」を参照してください。
Sun Management Center 3.6.1 エージェントをアップグレードする場合は、agent-update.bin 実行可能ファイルを使用してエージェント更新イメージを適用します (「agent-update.bin を使用して、エージェント更新イメージからエージェントをインストールまたは更新する」 を参照)。「ジョブを管理」タスクは、既存の Sun Management Center 4.0 エージェントをアップグレードする際に使用します。
次のどちらかのイメージツールを使用して、エージェント更新イメージを作成します。
es-gui-imagetool を使用してエージェント更新イメージを作成する場合は、「es-gui-imagetool でエージェント更新イメージを作成する」の手順に従います。
es-imagetool を使用してエージェント更新イメージを作成する場合は、「 es-imagetool でエージェント更新イメージを作成する」の手順に従います。
Sun Management Center コンソールを起動し、正当な権限を持つ Sun Management Center ユーザーとしてコンソールにログインします。
「Solaris プラットフォームでコンソールを起動する」を参照してください。
「ツール」-> 「ジョブの管理」を選択します。
「ジョブを管理」ウィンドウが表示されます。
「ジョブを管理」ウィンドウを使用すると、複数のホストにエージェントを同時に伝播できます。「ジョブの管理」機能の詳細は、『Sun Management Center 3.6.1 User’s Guide』を参照してください。
マルチエージェントアップグレードタスクを作成します。
対象ホストに Sun Management Center エージェントがインストールされていて、動作していることを確認します。
アップグレードの対象ホストを選択し、続いてグループを作成します。
タスクタイプとして「エージェント更新」を選択します。
アップグレード操作の対象となる適切なイメージ名を選択します。この名前は、es-imagetool または es-gui-imagetool を使用して作成したイメージの名前にする必要があります。
詳細は、「To Create an Agent Update Task」 in 『Sun Management Center 3.6.1 User’s Guide』を参照してください。
「ジョブを管理」ウィンドウには、ジョブの状態として、ジョブ全体の成功または失敗だけが表示されます。このため、エージェントのアップグレードが 1 つでも失敗すると、グループ内の残りのエージェントのアップグレードがすべて成功しても、「失敗」と表示されます。ジョブ一覧の横にある「ログを表示」をクリックすると、個々のアップグレードの状態をチェックできます。
ジョブの進行中にアップグレードの途中の状態を表示するには、「ログ表示」タブをクリックして、InstallServer.log をクリックします。
次に示すように、対象マシンの /tmp ディレクトリのディスク容量要件は、更新イメージの内容によって異なります。
ベースエージェントのみ - 115 〜 125M バイトの範囲
ベースエージェントとアドオン - 200 〜 210M バイトの範囲
アドオンまたはパッチのみ - 100M バイト未満
seed-file を使用して、セキュリティーシードおよび SNMP コミュニティー文字列を自動的に指定する場合、seed-file は次の形式である必要があります。
ES_SECURITY_SEED=seed ES_SNMPV1_STRING=string |
seed および string は、Sun Management Center サーバーをインストールしたときに実際に指定されたシードとコミュニティー文字列です。ES_SNMPV1_STRING の値を省略した場合は、デフォルトの SNMP 値が使用されます。この場合、ファイルは次のようになります。
ES_SECURITY_SEED=seed ES_SNMPV1_STRING=string |
Sun Management Center サーバーマシンに root としてログインします。
次のどちらかのイメージツールを使用して、エージェント更新イメージを作成します。
es-gui-imagetool を使用してエージェント更新イメージを作成する場合は、「es-gui-imagetool でエージェント更新イメージを作成する」の手順に従います。
es-imagetoolを使用してエージェント更新イメージを作成する場合は、「 es-imagetool でエージェント更新イメージを作成する」の手順に従います。
Sun Management Center サーバーから各対象マシンのルートディレクトリに、該当する agent-update.bin をダウンロードします。
(SPARC の場合) /opt/SUNWsymon/base/bin/sparc-sun-solaris/agent-update.bin
(x86 の場合) /opt/SUNWsymon/base/bin/i386-sun-solaris/agent-update.bin
(Linux の 場合) /opt/SUNWsymon/base/bin/i686-sun-Linux/agent-update.bin
Sun Management Center を /opt 以外のディレクトリにインストールした場合は、上記のパス中の /opt の部分を installdir で置き換えます。installdir は、上記で指定したディレクトリです。この手順は対象マシンごとに行う必要があります。
agent-update.bin を各対象マシンにダウンロードし終ったら、対象マシンごとにログインして、次の 4 つの手順を繰り返す必要があります。
対象マシンに root としてログインします。
ダウンロードした agent-update.bin が存在するディレクトリに移動します。
次のコマンドを入力します。
./agent-update.bin -s server -r http-port -p image-name [-f seed-file] |
次に、各引数について説明します。
server は、手順 1 でログインしたサーバーです。
http-port は、Sun Management Center Web サーバーのポートです。
image-name は、手順 2 で作成したエージェント専用イメージの名前です。
seed-file は、セキュリティーシードと SNMP 文字列を含むファイルです。このオプションを利用することによって、コマンドの実行後にエージェントのインストールが自動的に行われるようにすることができます。seed-file はスーパーユーザーの所有で、セキュリティー対策として、スーパーユーザーにのみ読み取り/書き込みアクセスが許可されている必要があります。ファイルがこれらの要件を満たしていない場合、スクリプトは終了します。
たとえば Sun Management Center サーバー名が Production1 で、Web サーバーポートが 8080、エージェント更新イメージの名前が sparc-baseagent であると仮定します。この場合は、次のように入力します。
# ./agent-update.bin -s Production1 -r 8080 -p sparc-baseagent |
セキュリティーシードと SNMPv1 コミュニティー文字列を指定します。
エージェント更新プロセスによって、セキュリティーシードと SNMPv1 コミュニティー文字列の入力を求めるメッセージが表示されます。
このセキュリティーシードは、Sun Management Center のサーバーとエージェントをセットアップするときに指定したものと同じである必要があります。
「Sun Management Center のセットアップ」の手順 b で指定したセキュリティーシードとパスワードを入力します。パスワードを再入力して、確認します。
この SNMPv1 コミュニティー文字列は、Sun Management Center のサーバーとエージェントをセットアップするときに指定したものと同じである必要があります。
独自のコミュニティー文字列を指定していた場合、必ず、「Sun Management Center のセットアップ」の手順 c で指定した文字列と同じ文字列を入力してください。デフォルトコミュニティー文字列の public を使用した場合は、Return キーを押します。
以上で情報の入力が終了し、マシンに対して更新が適用されます。
更新プロセスが完了したら、対象マシンの /var/opt/SUNWsymon/log/agent-update.log ファイルを調べて、更新の状態をチェックします。
エージェント専用のインストールイメージを作成します (「es-makeagent でエージェント専用インストールイメージを作成する」を参照)。
エージェントをインストールするマシンに root としてログインします。
エージェント専用インストールイメージがある disk1/sbin ディレクトリに移動します。
たとえば、 appserver というマシンのディレクトリ /export/agentsource にエージェント専用インストールイメージを作成した場合は、次のように入力します。
# cd /net/appserver/export/agentsource/disk1/sbin |
./es-inst -a コマンドを入力して、Sun Management Center エージェントをインストールします。
ターゲットディレクトリの指定を求めるメッセージが表示されます。
Sun Management Center をインストールするディレクトリの名前を入力します。
デフォルトの場所は /opt です。
Sun Management Center ソフトウェアは、必要となる最小のディスク容量が確保できれば、システム上の任意の場所にインストールできます。デフォルトの場所の /opt を使用する場合は、Return キーを押します。/opt 以外のディレクトリにインストールする場合は、そのディレクトリ名を入力します。
マシン上の各ファイルシステムの使用済み容量と空き容量は、コマンド df -ak で表示できます。
使用可能なアドオンの有無がチェックされます。
Sun Management Center アドオン製品を選択します。
各アドオン製品の名前が表示され、その製品をインストールするかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。
インストールされるのは、選択されたアドオンのエージェントコンポーネントだけです。
その製品をインストールする場合は y、インストールしない場合は n を入力します。
アドオン製品を 1 つも選択しなかった場合は、継続するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。y を入力して操作を続けます。ディスク容量がチェックされます。手順 8 に進みます。
アドオンを選択した場合は、その選択内容が表示されます。
選択した内容を確認します。
継続する場合は y、選択を繰り返す場合は n を入力します。
ディスク容量がチェックされます。
ディスク容量を確認します。
インストールプロセスは、選択されたアドオンのエージェントとエージェントコンポーネントをインストールするのに十分なディスク容量があるかどうかをチェックします。
十分な容量がある場合は、エージェントがインストールされ、セットアップを実行するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。手順 10 に進みます。
ディスク容量が十分でない場合は、代わりのファイルシステムを指定するように求められます。空き容量と必要となる容量が表示されます。
十分なディスク容量のある別のファイルシステムの名前を指定します。
別のファイルシステムの入力を求めるプロンプトで、空き領域を十分に確保できるファイルシステムとディレクトリの名前を入力します。
マシン上の各ファイルシステムの使用済み容量と空き容量を表示するには、Sun Management Center をインストールするマシンの端末ウィンドウで、df -ak と入力してください。
ディスク容量が再度チェックされます。十分な容量がある場合は、エージェントがインストールされ、セットアップを実行するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。
エージェントをセットアップするかどうかを決定します。
選択した Sun Management Center エージェントとそのアドオン製品のセットアップに進む場合は、y を入力します。この場合は、「Sun Management Center をセットアップする」の手順に従ってください。
あとでセットアップを実行することを選択した場合、そのマシンのエージェントはセットアップするまで実行できません。エージェントのセットアップには、 es-guisetup または es-setup を使用します。
es-guisetup を使用してエージェントをセットアップする場合は、「Sun Management Center をセットアップする」の手順に従います。
es-setup を使用してエージェントをセットアップする場合は、「 es-setup による Sun Management Center 4.0 のセットアップ」の手順に従います。