Oracle Financial Consolidation Hubユーザーズ・ガイド リリース11i B25734-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
連結ルールは、連結処理中の連結入力作成の自動化を可能にするユーザー定義メカニズムです。連結ルールにより生成される入力の代表例を次に示します。
少数株主持ち分
持ち分会計
連結ルールの設定用に選択済のユーザー・インタフェース要素を次に示します。
連結ルールは、そのルールの実行時期と結果の書込み先を決定するカテゴリに割り当てられます。同じカテゴリに含まれる連結ルールは、すべて同時に実行されます。連結ルールは、「取得および処分」、「少数株主持ち分」および「ユーザー定義」カテゴリに適用できます。
カテゴリの設定の詳細は、「カテゴリ定義」を参照してください。
使用不可の連結ルールは、連結処理中に実行されません。
連結ルールは連結方法に割り当てられます。連結方法の詳細は、「概要」および「連結方法の設定用に選択済のユーザー・インタフェース要素」を参照してください。
連結ルールが「取得および処分」カテゴリに属している場合は、当初連結方法と新規連結方法を指定する必要があります。取得および処分の詳細は、「連結入力の作成」を参照してください。
連結ルールには、1つ以上の連結ルール・ステップが含まれています。連結ルール・ステップは、算式と算式の範囲で構成されます。
注意: ルール・ステップの順序は処理に影響しません。
算式は、連結入力の残高計算に使用されるトークンと算術演算子の組合せです。トークンは、連結処理中に連結階層に基づいて値が解決される変数です。算式を作成するには、加算(+)、減算(-)、乗算(*)、除算(/)およびカッコ[( )]算術演算子を使用して計算と変数をグループ化します。
財務連結ハブには、11個の変数が用意されています。連結ルールに使用可能な変数は、ルールが割り当てられているカテゴリにより決定されます。次の表に、使用可能な変数とそれを使用するカテゴリを示します。
変数 | 説明 | カテゴリ |
---|---|---|
ELIMTB | 消去エンティティ残高 |
|
CHILDTB | 子エンティティ残高 |
|
%OWN | 連結の所有権(%) |
|
%MI | 少数株主持ち分の所有権(%) |
|
算式の有効範囲では、算式のソース勘定科目とターゲット勘定科目を識別します。
オプションでソース値をディメンションで制限できます。全候補値のリストまたは階層から有効な値を指定できます。ソース要件を満たす各勘定科目が計算に使用されます。
連結入力の書込み先となる勘定科目のディメンション値を指定します。ディメンションごとに特定の値を指定します。値を指定しなければ、システムではソース勘定科目と同じ値が使用されます。
いずれかのターゲット値にソース・オプションと同じ値を指定しなかった場合は、必要に応じて相殺勘定科目を指定できます。相殺勘定科目を指定すると、ルール・ステップで作成される連結入力の貸借を一致させるために、相殺残高が相殺勘定科目に書き込まれます。
各連結ルールがチェックされ、貸借一致の仕訳が生成されるかどうかが確認されます。貸借一致用の連結入力を設計するか、オプションでオフセット機能を使用して連結ルールの貸借を自動的に一致させることができます。連結ルールの貸借が一致しない場合、財務連結ハブでは適用可能な連結階層に対して定義された仮勘定処理が使用されます。連結階層の詳細は、「連結階層の設定」および「連結階層構造の作成」を参照してください。
この項の例は、連結処理中に連結ルールがどのように適用されるかを示しています。次の図に、この例に使用する階層を示します。
サンプル連結階層
Vision: 北アメリカ・グループとVision: カナダの関連について、少数株主持ち分をバックアウトする必要があるとします。関連は「完全連結」タイプであるため、Vision: カナダの残高は100%がVision: 北アメリカ・グループに集計されます。ただし、Vision: 北アメリカ・グループはVision: カナダの80.6%しか所有していないため、Vision: カナダの残高のうち19.4%を削除する結果入力が必要です。
少数株主持ち分連結ルールが含まれる「少数株主持ち分」カテゴリでは、「各子を個別に追跡」機能が有効化されており、消去エンティティへの書込みが可能であるとします。また、このルールが次のように設定されているとします。
少数株主持ち分連結ルール
この少数株主持ち分連結ルールでは、明細項目が4100-収益または5200-経費であるソースおよび消去エンティティに残高が検出され、その残高で「少数株主持ち分の所有権」を乗算した積と等しい連結入力が作成されます。この連結入力は消去エンティティ内の指定の勘定科目組合せに書き込まれ、連結入力の貸借を一致させるために相殺入力が書き込まれます。
Vision: カナダに会社コスト・センター組織11.100が割り当てられており、残高が次のとおりであるとします。
会社コスト・センター組織 | 明細項目 | 残高 |
---|---|---|
11.100 | 1100-現金 | 500 |
11.100 | 2100-負債 | -200 |
11.100 | 3100-株主持ち分 | -100 |
11.100 | 4100-収益 | -500 |
11.100 | 5200-経費 | 300 |
連結中に、連結ルールにより次の入力が生成されます。
会社コスト・センター組織 | 明細項目 | 残高 |
---|---|---|
11.100 | 3600-MI(貸借対照表) | -38.8 |
11.100 | 5300-MI(損益) | 38.8 |
連結ルールでは、明細項目4100-収益および5200-経費を持つ残高がソース残高として識別されます。Vision: カナダの他の残高は、明細項目が連結ルールの算式の有効範囲に含まれていないため、ソースとして識別されません。連結ルールでは、明細項目3600-MI(貸借対照表)を持つ連結入力がソース用に生成され、その値は0.194 * (-500 + 300) = -38.8となります。また、連結入力の貸借を一致させるために、明細項目5300-MI(損益)を持つ相殺入力が生成されます。