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Oracle Financial Consolidation Hubユーザーズ・ガイド
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B25734-01
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連結階層の設定

概要

連結階層は、連結中に処理されるエンティティの親子関連を表す、有効日を使用したユーザー定義構造です。連結階層を処理のために発行すると、処理対象期間の終了日以前に有効な階層関連構造が使用されます。

法定、U.S. GAAP、ローカルGAAP、税処理、What-Ifおよびその他のレポートに使用する階層など、様々な連結ニーズを満たすように複数の連結階層を定義できます。同じエンティティを複数の連結階層に使用することもできます。エンティティについて発行済のデータは、そのエンティティが使用されている全階層で使用可能です。

連結階層構造

連結階層構造は、連結エンティティ、消去エンティティおよび営業エンティティで構成されます。最上位エンティティを除く各エンティティは、1つ以上の親との関連付けの性質を定義する関連属性を持ちます。

連結階層の設定

この項では、連結階層の設定に関連するタスクについて説明します。

連結階層属性の定義

連結階層を作成する際の最初のステップは、階層全体に適用する連結階層属性を定義することです。連結階層属性を定義するときに、次のことを指定します。

セキュリティ・オプションの指定

「ロールによる保護」設定を使用すると、階層へのアクセスを制限できます。連結階層の保護の詳細は、「連結階層の保護」を参照してください。

会社間オプションの指定

「会社間照合キー」ドロップダウン・リストで、会社間残高の照合方法を指定します。照合の詳細は、「照合」を参照してください。

貸借一致オプションの指定

デフォルトのエンティティ貸借一致に加えて、オプションで組織別の貸借一致、または製品、地理、顧客、チャネルのように最大1つの追加ディメンション別の貸借一致を指定できます。貸借一致は連結中に強制されます。アップロード前に、階層設定で調整の貸借を一致させる必要があります。連結ルール・ベースの入力の場合は、階層の仮勘定ディメンションを使用することで常に貸借が一致します。

エンティティは、複数の連結階層に関与できます。したがって、発行済データに必要となるのはエンティティ別の貸借一致のみです。階層設定は、「データ準備」中に入力の貸借を一致させるために使用されます。

注意: 会社内連結入力と会社間連結入力の貸借一致はエンティティ別にのみ行われるため、この種の入力に貸借一致オプションは適用されません。

留保利益の指定

留保利益のディメンション・メンバーは、年度末に損益発生額を留保利益勘定へクローズするために使用されます。この処理は「変換」カテゴリで年度末境界にまたがる定型入力および調整について発生します。また、「会社間」および「会社内」を除くユーザー定義カテゴリも、入力を留保利益へクローズするように設定できます。留保利益の詳細は、「年度末の正味留保利益」を参照してください。

仮勘定処理の指定

仮勘定処理の通知と警告に使用するしきい金額と通貨を指定できます。貸借一致エンティティの書込み先となる仮勘定を指定するには、適切なディメンション・メンバーを選択します。

連結階層構造の作成

連結階層を作成するには、次の属性を使用してエンティティ間の関連を定義します。

初期作成時に、連結階層構造をユーザー・インタフェースで手動で定義するか、スプレッドシートから情報をアップロードして定義できます。

階層構造のアップロード

階層構造は、スプレッドシート階層ローダーを使用して作成できます。

階層ローダーには、次のルールが適用されます。

警告: 作成中の階層の既存の構造は、アップロードしたスプレッドシートで置き換えられます。

階層ローダーのエラー

階層構造は、発行後に検証されてから、受け入れられて使用可能になります。エラーがあると、エラー・メッセージが表示され、構造全体の受入れが拒否されます。スプレッドシートをダウンロードすると、アップロード・エラーを確認できます。無効なスプレッドシート・セルは赤でマークされ、エラーの説明がスプレッドシートのエラー・メッセージ列に書き込まれています。エラーの修正後に、スプレッドシートを再発行できます。正常にアップロードされた階層は、「連結階層の作成: 構造の定義」ページに表示されます。

連結階層の更新

階層内のエンティティを追加または削除すると、関連属性が更新されるため有効日が設定されます。「連結階層の更新」ページの「有効日」フィールドでは、指定した日付現在の階層を表示できます。また、有効日により、入力した変更が有効になる日付も決定されます。

注意: 階層に変更を入力する場合は、ページ上部で正しい有効日を指定してください。

連結階層を更新した場合に発生する影響は、「連結処理」ページで特別なアイコンを介して確認でき、適切なエンティティの担当に通知を送信するように構成することもできます。影響を受ける連結処理の詳細は、「プロセス・ステータス」を参照してください。

階層の変更は追跡され、「取得および処分」タブを介してアクセス可能な監査証跡が提供されます。また、取得または処分の会計仕訳を作成して変更に関連付けるためのオプションも用意されています。取得および処分取引に対する消去の作成については、「連結入力の作成」を参照してください。

注意: 階層の更新には、階層ローダーを使用できません。

再表示およびWhat-If分析に使用する階層の複製

「連結階層」ページでは、階層を複製できます。階層の複製には、再表示やWhat-Ifシナリオの作成など、様々な目的があります。階層を複製すると、「連結階層の複製」ページの「階層のコピー日付」フィールドで指定した日付現在の階層のスナップショットが作成されます。ソース階層の変更履歴は、複製にはコピーされません。

「連結階層の複製: 属性の定義」ページでは、複製の作成前に階層属性を変更できます。この処理中に、「日付:自」フィールドを変更して階層スナップショットの日付を前後に移動できます。複製階層では、作成元となったソース階層へのリンクは共有されません。また、一方を変更しても他方には影響しません。したがって、必要な数の複製階層を作成し、様々な方法で変更して各種のWhat-Ifシナリオを反映させることができます。

再表示は、複製階層の活用例の1つです。たとえば、大規模な年度末合併後に、2つの会社が年度全体で単一企業として運営されていたかのように連結結果のビューを提供するために、財務情報の再表示が必要になる場合があります。したがって、年度末現在の複製を作成し、構造の日付を年度開始日へと移動できます。この階層の連結を12か月全体にわたって処理することで、年度末現在の階層構造を使用して年度の全期間に関する連結結果が得られます。

異なる会計処理基準に基づく連結階層

異なる会計処理基準を使用している結果を連結するために、個別の連結階層を作成して、様々な会計処理基準を使用した元帳からの営業エンティティを含めることができます。たとえば、Vision: ブラジルが結果を会社01ではローカルGAAPで計上し、調整会社02を含めてU.S. GAAPでも申告しているとします。

ローカルGAAPとU.S. GAAPの両方を使用して連結結果を作成するために、会社01をベースとするエンティティがローカルGAAP階層に含まれます。会社01および02をベースとする別の営業エンティティは、U.S. GAAP階層に含まれます。各階層の連結を発行すると、異なる会計処理基準に従った結果が得られます。エンティティの設定の詳細は、「会社値」を参照してください。