Oracle Financial Consolidation Hubユーザーズ・ガイド リリース11i B25734-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
「データ発行」により、営業エンティティの残高試算表を発行できます。エンティティのソース・システムに応じて、残高の発行方法は次のようになります。
Oracleエンティティ: Oracle General Ledgerをソースとする営業エンティティです。この種のエンティティについては、Oracle General Ledgerから財務連結ハブに財務データを自動的に発行できます。
外部エンティティ: Oracle以外のソース・システムを使用する営業エンティティです。この種のシステムから財務連結ハブのスプレッドシート・ローダーに残高試算表をコピーして貼り付けることができます。オプションで、必要に応じて変換ルールを適用し、外部ソース・システムからのデータを財務連結ハブで使用するフォーマットに変換できます。
「データ発行」オンライン・インタフェースでは、データ発行を実行して表示できます。
関連項目
各Oracleエンティティに残高ルールを割り当てる必要があります。残高ルールにより、Oracle General LedgerとEnterprise Performance Foundation(EPF)の間の情報の流れが管理されます。残高ルールはディメンション・ルールと連動して、Oracle General Ledgerからの残高を同期化します。ディメンション統合の詳細は、「Oracle General LedgerとEnterprise Performance Foundationの併用」を参照してください。
ここでは、財務連結ハブの残高ルールの推奨設定について説明します。
「Enterprise Performance Foundation管理者」職責で残高ルールを設定するには、「データ・ルール」>「Oracleデータ・ソース」の順にナビゲートします。
残高の取込み元となる元帳を選択します。元帳ごとに1つずつ残高ルールを作成することをお薦めします。
「実績」オプションを選択します。
元帳に平均残高が含まれる場合は、連結可能な平均残高を含めるかどうかを選択できます。
四半期別残高を保守しないことをお薦めします。保守しない場合も、財務連結ハブの分析レポートで四半期累計残高をレポートできます。
出力データセットとして「デフォルト」を指定することをお薦めします。
注意: データ発行には実行モードを使用することをお薦めします。
増分モードでは、指定した期間に複数のデータ発行を実行できます。スナップショット・モードは、指定した期間と通貨についてデータ発行を1回実行することを意図しています。この2つの実行モードについては、「スナップショット・モード」および「増分モード」を参照してください。
連結対象とする貸借一致セグメント値をすべて含めます。
同期化する残高のタイプを選択します。
累積機能: すべての通貨間で合計された勘定残高合計を機能通貨で表した値。
入力済および機能同等: 勘定残高が通貨別に区切られます。通貨ごとに、その通貨建ての金額と機能通貨に変換済の金額が含まれます。
換算済のみ: オプションで換算済通貨のみを同期化できます。
「換算済のみ」を選択した場合は、同期化する換算済残高を選択します。
Oracleエンティティの場合は、指定したエンティティと期間のデータ発行を実行します。Oracleエンティティのデータ発行を実行すると、割当済の残高ルールを使用してOracle General Ledger内の該当する残高がアクセスされます。
注意: データ発行にはスナップショット・モードを使用しないことをお薦めします。
残高ルールでスナップショット・モードが使用されるエンティティのデータ発行を実行すると、それと同じ元帳をソースとする全エンティティのデータ発行が自動的に実行されます。指定した期間と通貨について別のデータ発行を実行する場合は、最初に前回のデータ発行を元に戻す必要があります。
前回のデータ発行を元に戻すには、「Enterprise Performance Foundation管理者」職責で「プロセス管理」>「要求」>「要求の発行」の順にナビゲートします。「実行済ルール削除」プログラムを選択し、「データ発行」ページに記録されているデータ発行の要求IDを指定します。
指定したエンティティと期間のデータを初めて発行すると、残高ルールは指定した実行モードに関係なくスナップショット・モードで実行されます。同じエンティティと期間に対して追加発行できます。これにより、そのエンティティのみがOracle General Ledgerと同期化されます。
データ発行に失敗すると、エラー・ステータスが表示されます。「データ発行」ページで要求ログを表示してエラーを診断できます。
データ・ロードの再発行が必要で、残高ルールでスナップショットのみがサポートされている場合は、同期化済の現行のデータ・セットを元に戻す必要があります。また、残高ルールの変更が必要な場合は、データ・ロードをすべて元に戻して適切な変更を行う必要があります。データを元に戻すには、「実行済ルール削除」コンカレント・プロセスを実行します。このプログラムでは、当初ロードのrequest_idをパラメータとして指定する必要があります。フォルダとして「デフォルト・フォルダ」を指定します。
外部エンティティのデータ発行には、スプレッドシート・ローダーを使用します。エンティティに変換ルール・セットと検証ルール・セットを割り当てて、このデータを変換および検証するためのルールを定義できます。変換および検証ルール・セットの割当てについては、「変換ルール・セット」および「検証ルール・セット」を参照してください。
変換ルール・セットを使用して、発行済データを標準化された勘定体系に変換できます。変換ルール・セットの詳細は、『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』のインタフェース・データ・トランスフォーマ(IDT)の設定に関する項を参照してください。
検証ルール・セットを使用すると、発行済データをアップロード前に検証できます。検証ルール・セットは、変換ルール・セットの後に実行されます。検証ルール・セットは、ロード済データの各行に適用される検証ルールで構成されます。
検証ルールには、次のタイプがあります。
条件
参照表
PL/SQLファンクション
無効なデータ行があると、データは発行されません。
条件ルールでは、残高試算表が無効であることを示す条件セットを定義します。
参照表ルールでは、指定したディメンションに有効なディメンション・メンバー値の表を定義します。参照表で比較対象の列を複数選択し、これらの列がロード済データの1列と一致するか固定値と一致するかを指定できます。残高試算表のディメンション・メンバー値が参照表にない場合は、データ発行に失敗します。
データ検証に参照表ルールを使用するには、そのルールを作成して登録しておく必要があります。参照表の登録については、『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』のメタデータ構造での参照表の登録に関する項を参照してください。
PL/SQLファンクション・ルールでは、残高試算表の各行の妥当性を評価します。PL/SQLファンクションは入力パラメータとしてROWIDを取り、データ発行を進行できるように各行についてSUCCESSを戻す必要があります。
データ検証にPL/SQLファンクション・ルールを使用するには、そのルールを作成して登録しておく必要があります。PL/SQLファンクションの登録については、『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』のメタデータ構造でのPL/SQLファンクションの登録に関する項を参照してください。
外部エンティティの場合は、エンティティ、期間、通貨および残高タイプを指定してデータを発行します。外部エンティティのデータ発行には、「データ発行」ページからアクセスできるスプレッドシート・ローダーを使用します。
1つの期間とエンティティについて複数のデータ発行を実行できます。
スプレッドシート・ローダーは、エンティティの残高データ入力に使用できるWeb ADIスプレッドシートです。変換ルール・セットが割り当てられているエンティティのデータを発行すると、スプレッドシートは変換前のフォーマットで表示されます。それ以外の場合、スプレッドシートは標準フォーマットで表示されます。どちらのフォーマットでも、スプレッドシートの各行にディメンション・メンバーの一意の組合せを入力します。
注意: スプレッドシートにさらに行を追加する場合は、最初に保護を解除する必要があります。
標準スプレッドシート・フォーマットのスプレッドシート・ローダーでは、外部システムから残高試算表をコピーして貼り付けることができます。このフォーマットを使用できるのは、残高試算表が連結ディメンションに対応しているため、変換ルールを適用する必要がない場合です。残高試算表を貼り付けた後、Oracleメニューで「アップロード」オプションを選択してスプレッドシートをアップロードします。スプレッドシートがアップロードされる前に、システムにより各ディメンション・メンバーが有効でエンティティの貸借が一致しているかどうかが検証されます。
変換前スプレッドシート・フォーマットのスプレッドシート・ローダーでは、外部システムから残高試算表をコピーして貼り付けることができます。このフォーマットを使用できるのは、残高試算表が連結ディメンションと一致しないため、変換ルールを適用する必要がある場合です。残高試算表を貼り付けた後、Oracleメニューで「アップロード」オプションを選択してスプレッドシートをアップロードします。スプレッドシートがアップロードされる前に、システムによりエンティティの貸借が一致しているかどうかが検証されます。ただし、変換ルールが適用されるため、財務連結ハブではディメンション・メンバーの妥当性は強制されません。
一般的なエラー原因は、行に無効なディメンション値が含まれていること、または割当済の検証ルール・セットでディメンション・メンバーの無効な組合せが検出されたことなどです。
データ発行に失敗すると、「データ発行」ページにエンティティのエラー・ステータスが表示されます。発行しようとしたデータは発行の失敗原因となったエラーでマーク付けされており、確認できます。
データ発行のアップロード・ステータスが「完了」となっている場合は、そのエンティティ、期間、通貨および残高タイプのデータをロックできます。エンティティのデータをロックすると、そのエンティティ、期間、通貨および残高タイプの組合せについては、誰もデータをアップロードできなくなります。
Oracleエンティティのソースとして、Oracle General Ledgerにある元帳の貸借一致セグメント値の任意の組合せを使用できます。たとえば、次のサンプル階層では、Vision: USAとVision: メキシコは、どちらもVision: アメリカの元帳からの残高を使用するOracleエンティティであるとします。
サンプル連結階層
Vision: アメリカの元帳の貸借一致セグメント値が次のとおりであるとします。
16: アメリカ東部
17: アメリカ西部
18: メキシコ
19: レポート用調整
貸借一致セグメント値16、17および18を含む増分残高ルールを作成します。連結結果にレポート用調整は不要なため、19は含めません。Vision: USAに会社16および17を割り当て、Vision: メキシコに会社18を割り当てます。また、両方のエンティティに増分残高ルールを割り当てます。
2月に初めてVision: USAとVision: メキシコの残高の同期化が必要になるとします。「データ発行」ページから、Vision: USAのデータ発行を実行します。これがこの期間の初回発行のため、残高ルールはスナップショット・モードで実行され、Vision: USAとVision: メキシコの両方が同期化されます。
前述の発行後、2月に新規の仕訳が会社16に転記されます。「データ発行」ページには、Vision: USAについて「影響」ステータスが表示されます。Vision: メキシコのステータスは変わりません。この新規データを連結に統合するために、Vision: USAのデータ発行を実行します。今回は残高ルールが増分モードで実行され、会社16および17の変更にアクセスします。これにより、会社16の変更がVision: USAに同期化されます。
エンティティと期間のデータを発行します。オプションで、発行の完了時にエンティティの直近の親またはすべての上位エンティティに通知できます。
この項では、外部エンティティのデータ発行用に選択済のユーザー・インタフェース要素について説明します。
データ発行用に実績残高または平均残高を発行できます。
外部エンティティの場合は、「借方および貸方」または「正味」を使用して残高を発行します。ソース・システムから出力される残高試算表で借方と貸方が個別の列になっている場合は、「借方および貸方」オプションを選択します。残高試算表にディメンション・メンバーの組合せごとに正味残高が1つのみ含まれる場合は、「正味」を選択します。この場合、財務連結ハブでは、借方残高をプラスの数値、貸方残高をマイナスの数値として入力するものとみなされます。
注意: 正味は、借方から貸方を差し引いた値です。
「機能通貨のみ」オプションを選択した場合は、「通貨」フィールドで機能通貨を指定する必要があります。スプレッドシート・ローダーでは、残高試算表をその通貨で入力します。
「取引通貨」オプションを選択した場合は、スプレッドシート・ローダーに各勘定の取引通貨、取引金額および機能通貨換算額を入力する必要があります。
データは、次のいずれかのモードでシステムに発行されます。
増分: ロード済残高は、そのエンティティ、期間、通貨および残高タイプの前回のアップロード済残高データに集計されます。
置換: 既存のディメンション組合せが最新のアップロードにも含まれている行が置換され、2組がオーバーラップしない新規行が挿入されますが、最新セットに表示されない以前のアップロードからの行は削除されません。
「金額タイプ」ドロップダウン・リストで、期間発生額と終了残高のどちらをロードするかを指定します。終了残高を選択すると対応する期間発生額が自動的に計算され、期間発生額を選択すると対応する終了残高が自動的に計算されます。
データを発行する前に、「データの発行: パラメータ」ページに適用可能な注釈を入力できます。データの発行後は、「データ発行」ページで「ステ-タス」アイコンをクリックすると、入力した注釈がこのページに表示されます。
関連項目