Oracle Complex Maintenance, Repair, and Overhaulユーザー・ガイド リリース12.2 部品番号: B72356-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Complex Maintenance, Repair, and Overhaul(CMRO)は、複雑な機器保守組織向けに作成された統合型のWeb対応ソフトウェア・アプリケーション・スイートです。計画的および非計画的な保守訪問、構成部品のモニタリング、ジョブの計画とルーティング、作業時間の収集、費用の収集、在庫の管理、保守文書の管理などの、一般的な保守プロセスをサポートします。
保守活動の改善機会および車両準備の改善機会がわかります。このアプリケーションは、電気機械システムのモデルを提供し、ユニット組立てのルールを定義します。ユニット固有の情報を記録でき、製品構成部品の保守履歴に簡単にアクセスできます。保守組織には、運用コストを削減して収益性を高めるための手段が提供されます。
Oracle CMROを使用すると、保守組織は、顧客の期待に応え、機器の運用準備状態を改善することで最大限の利益を得ることができます。主な機能は次のとおりです。
CMRO車両保守プログラムの主要な機能は次のとおりです。
保守要件作成機能により、保守担当者は、要件を一意に定義する属性を備えた保守要件を作成できます。
保守ルートの関連付けでは、ルート管理モジュールで作成された適切なルートを保守要件に関連付けます。
保守文書の関連付けでは、文書索引から適切な文書を保守要件に関連付けます。
発効設定定義は、データベース内の特定の物理ユニットに適用可能な保守要件に関して、担当者が自動的に通知を受けられるようにします。
間隔および基準値の定義では、ユニットに対する保守要件の期日になるまでカウントダウンされるようにスケジュールを設定できます。
保守要件および依存関係の管理では、親の保守要件完了に子が含まれる単純な親子構成要素に対して、グループ関係を使用できます。
影響を受ける品目のリストでは、保守要件の発効設定の対象となる品目を包括的に確認できます。
CRMO文書索引モジュールの主要な機能は次のとおりです。
文書の受入れと登録。
電子文書のアップロードと改訂。
供給元情報記録および購読ステータス追跡による文書購読管理。
最新で正確な情報を保証する文書改訂管理。
保守作業の間に複数のレベルから文書のバージョンを検証できる文書ステータス参照。
文書を受け取る(文書を要求した)個人の権限を保証する文書配布管理。
CRMO Enigma統合の主要な機能は次のとおりです。
航空機保守マニュアル(AMM)タスクのルート管理への関連付け。
Enigma構成情報のマスター構成への関連付け。
Enigma構成情報のユニット構成への関連付け。
作業計画モジュールでのEnigmaの表示と印刷。
マスター構成モジュールの主要な機能は次のとおりです。
複合組立品を構成する追跡対象または必須の構成部品のポジションを表す、組立品ツリー構造。
組立品認定では、特定の仕様を満たすために必要な構成部品を識別します。
追跡対象部品の配置。
組立品内の構成部品間の親子関係の定義。
車両ユニットの一般的な特性をモデル化するユニット構成用の構成テンプレート。
組立品のモジュールごとに保守費用を分割できる費用積上げ構造。
組立品内の各構成部品ポジションに対して許される代替部品の定義。
マスター構成階層内のポジション間のカウンタ更新で使用するためのポジション計算比率の定義。
マスター構成ポジションに対する保守文書の関連付け。
ユニット構成モジュールの主要な機能は次のとおりです。
ユニット内での部品の階層ポジションに関する情報を提供するユニット構成。
部品の物理的な場所の追跡。
子ユニットの親組立品への取付けおよび親組立品からの取外しの記録。
部品の使用状況に関する様々なパラメータおよび部品に影響を与えるイベントに基づく、組立品内の部品の使用状況または使用期間の記録。
使用状況を受け取る他の部品または親ユニットへの関連付けの結果としての構成部品の経過期間を特定できる、親から子への使用状況の移入。
以前に完了したすべての保守要件レコードによるユニット保守履歴の追跡。
所有権の変更によるビジネス手順への影響を分析できる、機器の所有権履歴の追跡。
取得したユニット内の部品に一時的なシリアル番号を割り当てることができる、一時的な部品の識別。
製品分類モジュールの主要な機能は次のとおりです。
階層ベースの製品分類の作成と保守。
保守プログラムに新しい製品を追加するときに必要な管理を軽減するための、ツリー構造を使用した、製品分類の任意のレベルへの保守要件と文書の関連付け。
複数のレベルに対応する論理的な製品のグループ化。
複数の観点で部品とユニットをグループ化できる、主分類と補助分類のサポート。
ユニット保守計画モジュールの主要な機能は次のとおりです。
車両の各ユニットに対して該当する時間ベースの単位での使用状況予測を提供する使用状況予測保守。
時間、サイクル、マイレージなどの適切な単位(UOM)で表された親ユニットおよびすべての子ユニットに対するユニット表示のサービス可能な時間単位。
保守要件の各オカレンスに対するUOM残存を提供するユーザー定義の期間についての繰返し保守要件モデリング。
指定された固定期日がない場合の、使用状況予測と保守頻度に基づく保守要件の期日計算。
訪問への保守要件グループの関連付け。
訪問作業パッケージ・モジュールの主要な機能は次のとおりです。
機器品目をタスクのブロック、場所、期間と結び付けることができる機器ベースの保守訪問定義。
保守計画担当が機器のユニット保守計画にアクセスすることなく現場訪問計画を作成できるようにする、保守訪問テンプレートの定義。
計画担当が訪問場所、訪問開始日、説明などの属性値をテンプレート定義に追加してテンプレートを訪問オブジェクトにコピーできる、テンプレートからの訪問作成。
訪問オブジェクトまたは訪問ヘッダーと、作業パッケージを構成するすべての関連タスクを訪問テンプレートに変換できる、訪問およびタスクの構造のテンプレートへの変換。
保守計画担当が有効日の範囲に基づいて機器ユニットへの切迫した保守要件を選択できる、切迫した保守要件と訪問の結合。
まだルートと関連付けられていない一時的なタスクを関連付けることができる、訪問への一時的修理タスクの追加。
保守訪問の間に発生する作業、部品、資材の費用を計算できる、訪問タスクのWBSの定義。
保守施設訪問を構成するすべてのタスクの完了順序を正確に定義できる、訪問タスク順序の定義。
訪問定義の完了時に、同等のタスクを含むプロジェクト・レコードとして、訪問オブジェクト全体をOracle Projectsにエクスポートできる、Oracle Projectsへの訪問作業パッケージのエクスポート。
資材マーシャリング・モジュールの主要な機能は次のとおりです。
ユニットおよび関連付けられた訪問を検索し、各訪問の進捗とステータスを表示します。
訪問の資材所要量を表示します。この表示では、訪問の関連する構成およびポジションでの関連ごとに資材所要量が整理されます。
訪問の保管場所および保管棚が作業指示の資材所要量に対応できない場合、必要な資材を他の保管場所から出庫します。
CMRO長期計画モジュールの主要な機能は次のとおりです。
既知の作業負荷に対してバランスが取られた、スキル別の使用可能な作業者、使用可能なツールと機械装置、使用可能な資材、事業所の機能(事業所がサポートできるユニットと機器のリストなど)の保守ベースの作業負荷キャパシティ分析の評価。
長期および短期のキャパシティ計画のためにイベントをグループ化し、保守ベースに対するスケジュールを容易にするための訪問の作成。
訪問の保守要件とルートのユニット、スキル別工数要件、必要なツール、必要な資材、期間、必要な完了時間に基づく、訪問のリソース要件の定義。
保守ベース・リソース予測および訪問要件に基づく訪問の約束の作成。
計画と効率性保証を目的としてキャパシティと作業負荷要件のバランスを取ったリソース。
最善のリソース・キャパシティ計画を識別できる、異なるシミュレーション計画でのリソース均一化。
管理モジュールの主要な機能は次のとおりです。
検査と修理を実行する部門作業者のシフト・スケジュールを保守計画担当が選択できる、部門作業シフト・スケジュール定義。
空間および空間不可用性の計算。
CMRO作業計画モジュールの主要な機能は次のとおりです。
計画保守、未計画保守、便宜保守の訪問タスクからのジョブ作成。
報告された問題を追跡するためのサービス要求作成。
作業定義および追跡のための非定例ジョブ作成に対する工程。
スケジュールのステータス、完了、開始日および終了日の調整によるジョブ保守。
追加、削除、資源およびリソース要件の更新、費用把握、リソース割当てレビューによる工程保守。
ルート管理を使用する品質保守。
外部処理モジュールの主要な機能は次のとおりです。
サードパーティ・サービスに作業ジョブを割り当てます。
既存のOSP作業指示の作業ジョブを追加または削除します。
供給元に部品を出荷する方法と時期を決定します。
発注を作成および承認します。
OSPオーダーの購買依頼を作成します。
OSPオーダーに対する出荷を受け取ります。
Oracle CMROの車両保守プログラムを使用すると、保守組織は保守要件を記録、整理、計画できます。保守計画担当は、保守要件レコードを作成し、属性をレコードに関連付けることができます。レコードに関連付けられた属性により、保守計画と、要件実行時の作業効率の向上が可能になります。保守計画担当は次のことができます。
参照または編集を目的として、データベースで特定の保守要件を検索します。
データベースに保守要件レコードを作成します。
文書、保守ルート、処理、発効設定、保守要件関連をレコードに関連付けます。
完了した保守要件の改訂を作成します。
保守要件によって影響を受ける品目を表示します。
保守担当者は次の操作を実行できます。
参照または編集を目的として、データベースで特定の工程を検索します。
保守タスクを実行するための工程を作成するか、指示を定義します。
ルート情報の参照または編集を目的として、保守ルートを検索します。
保守ルートを作成します。
システムの主ゾーンとサブゾーンを製品タイプに関連付けて、複雑な電気機械システムでの保守工程の追跡を容易にします。
Oracle CMROのユーザー・インタフェースは、保守担当者が作業でのニーズを可能なかぎり簡単かつすばやく処理できるように作成されています。
Oracle CMROの文書索引モジュールは、すべての保守文書を集中的に管理する場所です。保守担当者は、保守、修理および精密検査の工程で使用されるオンライン文書カタログにアクセスできます。文書索引により、担当者は技術文書の改訂を受け取り、配布し、管理できます。保守担当者は次の操作を実行できます。
データベースを検索して文書をすばやく検索します。
新しい文書または文書の改訂を作成します。
簡単に識別できるようにサブタイプを文書タイプに関連付けます。
電子文書をアップロードします。
保守文書の管理には、文書および関連する改訂の追跡、複数レベルの保守工程からの文書参照の検証、保守担当者が文書に簡単にアクセスできるようにすることが含まれます。
最小機器リストおよび構成標準外リストの機能は、構成品目とは対照的に、航空機で動作不良であるか欠落していても航空機が飛行能力を維持できる機器を示します。これには、無線、座席、照明、空調、暖房、インジケータなどが含まれます。付帯品と呼ばれるこれらの品目は、特定の条件下では動作しなくてもかまいません。航空機の使用方法に関して制限が必要な場合があります。たとえば、氷の状態、夜間飛行、高度制限などに関して制限されることがあります。検査の間に非定例保守要件が見つかった場合は、サービス要求を作成し、MELまたはCDLの指示を使用して後の訪問に要件を延期する必要があるかどうかを決定できます。
MELは欠陥のある機器に対応し、CDLは航空機に欠落している部品に対処します。この機能には次のものが含まれます。
リストの定義はAir Transport Association of America(ATA)の仕様コードに基づきます。MELおよびCDLの指示は製品の分類に関連付けられます。該当するATAコードは、対応する修理時間、設置品質、必要な最低数量とともに定義されます。これらのATAコードと最低数量は、対応するマスター構成でのATAコード定義に基づいて、ユニットに対するMELおよびCDL延期の適格性を識別するために使用されます。
問題は操縦士、乗員、または技術者が記録でき、MELまたはCDLの可能性がある品目として指定されます。システムは、関連する構成ポジションに基づいて、該当するMELおよびCDLの指示を自動的に識別します。
保守要件は、関連するMELおよびCDLの指示に委ねられます。要件がMELまたはCDLに対して延期されると、適用可能な保守(M)および工程(O)プロシージャが保守訪問に自動的に追加されます。これらの手順は保守要件としてエンジニアリングにおいて定義され、適用性は発効設定の定義および定義されているATAコードに基づいて決定されます。
「最小機器リスト(MEL)と構成標準外リスト(CDL)の設定」を参照。
Oracle CMROは他のOracleアプリケーションのモジュールを使用します。
組織は電気機械システムに対して保守作業を実行し、資産の耐用年数を最大にします。保守作業では、システムまたはその構成構成部品の耐用年数を測定する必要があります。ここでは、タイマーおよびカウンタが重要になります。たとえば、自動車の走行距離計はカウンタです。航空機や船舶の動力装置の運転時間の記録に使用されるメーターはタイマーです。通常、保守は経過した運転時間に基づいて定期的に行われます。Oracle CMROは、Oracle Countersアプリケーションとの統合によりこれらのニーズを満たします。
Oracle CMROユーザーは、Oracle Countersインスタンスを使用して、システム構成のモデルを定義するときにタイマーを表します。構成部品の耐用年数はその構成部品の役割の特性に従って測定され、耐用年数の測定は障害モード分析によって選択されます。腐食状態の可能性があると時間経過とともに損傷が発生するので、カレンダ時間が重要です。カウンタ・インスタンスは十分に柔軟であり、Oracle CMROユーザーは構成部品に関連付けられた適切な単位を使用してカウンタを定義できます。
保守組織は、電気機械システム組立品および個別の車両ユニットのテンプレートをモデル化することによって多くのメリットが得られます。Oracle CMROユーザーがマスター構成の定義を完了した後であれば、組立てのエンジニアリング・ルールを含むシステムの一般的特性が記述されているフレームワークが存在します。その後、ユーザーはユニット構成を作成できます。
Oracle CMROは、Install Baseのメソッドを呼び出して、電気機械システムの動作時構成またはユニット構成を表すトランザクションをデータベースに設定します。
保守組織は、資材所要量を計画することによって作業効率を大幅に高めることができます。Oracle CMROのマスター構成モジュールは、電気機械システムの構造のテンプレートを提供し、システム構成の異なるポジションで使用できる構成部品をリストします。ユニット構成モジュールは、特定の車両ユニットの導入状態での構成を記述します。これにより、車両ユニットを使用可能な状態に維持するための資材所要量の概算値を予測できます。
Oracle CMROユーザーは、電気機械システムのマスター構成で許容部品を定義するとき、およびユニット構成において構成部品を記述するときに、Oracle Inventoryをのインスタンスを使用します。
Oracle CMROは、Oracle Qualityのルート管理およびシステム・プロファイルのオプションの設定を使用して、保守組織が工程、ジョブ、延期、スクラップ管理に対する高品質の要素、およびカウンタ値のスナップショットを取得できるようにします。この機能は、信頼性の高い製品を維持するために必要な柔軟な統合を保守施設に提供します。Oracle CMROは、ルート、工程、ジョブ延期、MRB処分およびカウンタ読取り値取得に対してシード済の計画テンプレートを提供します。これらのテンプレートは、そのまま使用することも、品質要素を追加して調整することもできます。ただし、カウンタ読取り値テンプレートだけは、CMROがバックグラウンドで使用するものであり、変更できません。
Oracle CMROは、サプライ・チェーン管理のためにOracle Advanced Planning and Scheduling(APS)アプリケーションと統合します。Advanced Supply Chain Planning(ASCP)は、保守訪問から必要な資材を計画するために使用されます。Available to Promise(ATP)は、資材可用性の問合せおよびASCPによる計画に使用されます。Demand Planning(DP)は、ユニット保守計画モジュールで予測された要件からのグローバル需要、保守訪問に対して計画された要件からの計画需要、特定の施設で実行された保守からの履歴非定例(および定例)需要という3つのソースから資材需要を作成するために使用されます。さらに、完全なサプライ・チェーン計画のためにはOracle APS Inventory Optimization(IO)アプリケーションが必要です。
Oracle CMROは、購買担当、承認、購入オプション、受入れオプション、財務オプション、オープン会計期間を設定するためにOracle Purchasingと統合します。Oracle PurchasingはCMROのOSPモジュールと直接統合し、外部ベンダー・サービスが必要なときに購買依頼または発注を作成できるようにします。
Oracle CMROは、プロジェクト・タスクの費用階層を定義し、親プロジェクトに訪問を追加し、訪問とプロジェクト・タスクの期日を同期するために、Oracle Projectsと統合します。さらに、サービス・タイプがOracle Projectsにおいて定義され、定例および非定例の保守活動を示すためにCMROで使用されます。
Oracle Warehouse Managementは、ステータスまたは条件によって在庫を管理し、保管場所を部門と関連付けるための機能を、保守組織に提供します。
Oracle CMROは、処理の制約を設定し、顧客を作成するために、Oracle Order Managementと統合します。Oracle Order Managementは、CMROの外部サービス処理モジュールと直接統合し、外部ベンダー・サービスで必要なときに、品目の出荷および受取りのために、出荷明細を含むサービス・オーダーを作成できるようにします。
Oracle CMROは、Oracle Enterprise Asset Management(eAM)と同じ作業指示システムを使用します。また、Oracle eAMの機能を使用して工程を完了します。Oracle CMROは、Oracle eAMおよびOracle Costingとの統合を活用します。
Oracle Supportは、保守組織においてサービス要件を作成および更新するための機能をOracle CMROに提供します。サービス要求を訪問タスクおよび作業ジョブと関連付けることにより、保守組織は、サービスの困難さ(非定例)を、関連付けられている進捗または保守担当者によって実行される解決まで追跡できます。
Oracle CMROとEnigma 3C ®の統合により、構成管理やエンジニアリングから保守計画および保守組織に対する実行までの、保守工程全体を管理するための機能が提供されます。
Enigma 3C ®は、保守、部品、診断の情報の動的なサービス索引を提供します。これは、工程に関する専門知識を取得し、サービスとサポートのワークフローを管理および最適化するために不可欠な企業システムに結び付けます。
Oracle CMROとEnigma 3Cの統合により、技術者は、CMROの構成管理、エンジニアリング、保守計画のための一連のツールと、Enigma 3Cの文書中心の保守実行システムのすべてを、ワイヤレス環境で使用できます。
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