Oracle Approvals Managementインプリメンテーション・ガイド リリース12 E06007-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
ルールとルール使用の作成は、AME実装プロセスの主要なステップです。トランザクション・タイプに事前定義されているルールと組織のビジネス・ルールが一致することはまれです。そのため、文書化したビジネス・ルールをユーザー自身でAMEルールに変換する必要があります。
ルールは、if-then文で1つ以上の条件を承認に関連付けます。ルールを作成する前に、使用するルールの条件を作成する必要があります。複数のカスタム属性または承認(あるいはその両方)をユーザーが作成したり、システム管理者に作成を依頼することが必要になる場合があります。また、複数の承認者グループを作成する必要がある場合もあります。したがって、ルールの作成は最終的な目的であり、AMEの設定時に実行する最後の処理でもあります。
AMEには、8つのルール・タイプがあります。そのうちの7つは、トランザクションの承認者リストの生成に関連するルールを提供するもので、これらは承認者生成ルール・タイプです。8番目のルール・タイプは作業を生成します。
リスト作成ルール
リスト作成例外
リスト変更ルール
代替
承認グループ前リスト・ルール
承認グループ後リスト・ルール
組合せルール
作業ルール
ルール・タイプに応じて、使用する条件と処理タイプが異なり、トランザクションの承認者リストに与える影響も異なります。
リスト作成ルールは権限チェーンを生成します。このルールでは、1つ以上の権限チェーンを生成するために組織階層をさかのぼる処理タイプが使用されます。通常、必要属性によって各チェーンの最初の承認者が識別され、特定の処理によって各チェーン内の承認者数が判断されます。
リスト作成ルールでは、次のいずれかの処理タイプを使用できます。
絶対役職レベル
相対役職レベル
権限デュアル・チェーン
最終承認者のみ
マネージャ、次に最終承認者(相対役職レベル)
管理レベル
承認者グループ権限チェーン
明細項目役職レベル権限チェーン
HR職階
職階レベル
各処理タイプの説明は、「事前定義の処理タイプ」を参照してください。
次に、リスト作成ルールの例を示します。
ルールA
TRANSACTION_AMOUNTが1000 USD未満の場合、最小で役職レベル2までの承認が必要です。
ルールAには、TRANSACTION_AMOUNT属性に対する条件が1つあります。承認は、絶対役職レベル・タイプです。このため、所定のトランザクションに対してこの条件がtrueの場合、AMEでは、トランザクションの権限チェーンを、トランザクション依頼元の管理者から管理階層内の最小で役職レベル2を持つ最初の承認者まで延長します。
同じ処理タイプの複数のリスト作成ルールがトランザクションに適用された場合、AMEでは、それらのルールに必要な最も厳密な承認を実施します。たとえば、2つの絶対役職レベル・ルールがトランザクションに適用され、第1のルールでは最小で役職レベル2までの承認が必要で、第2のルールでは最小で役職レベル3までの承認が必要な場合、AMEでは、権限チェーンを最小で役職レベル3の最初の承認者まで延長します。そのため、リスト作成ルールの例外を作成し、その例外にリスト作成ルールと同じタイプの承認権限の追加が必要な場合は、例外自体を別のリスト作成ルールにする必要があります。
リスト作成例外も権限チェーンを生成します。リスト作成ルールとリスト作成例外の相違は、例外は選択したリスト作成ルールを抑制する点です。
リスト作成ルールで要求される承認権限のレベルを下げたり承認権限のタイプを変更する、リスト作成ルールの例外を作成する必要がある場合があります。この場合は、リスト作成例外(単に例外ともいいます)の作成が必要です。例外には、承認とともに1つ以上の一般条件と1つ以上の例外条件が含まれます(条件タイプについては、「条件」を参照)。例外では、リスト作成ルールで使用可能な承認タイプを使用できます。
例外がリスト作成ルールより優先される状況では、多少の注意を要します。2つのルールに同じ一般条件を設定する必要はありません。ただし、両方のルールの一般条件を同じ属性に対して定義し、両方のルールの条件(例外の例外条件を含む)がすべてtrueである必要があります。この場合は、リスト作成ルールが無視され、例外によってリスト作成ルールが抑制されます。
例外に、その例外の抑制対象となるリスト作成ルールと同じ一般条件を設定する必要がない理由はいくつかあります。第1に、1つの例外が複数のリスト作成ルールを抑制するように設計する場合があります。この場合、例外の一般条件の範囲は、その例外の抑制対象となる各リスト作成ルールの一般条件を包含できるように十分広くする必要があります。第2に、リスト作成ルールより絞り込まれたケースのセットに対して例外を適用するように設計する場合があります。第3に、例外または例外の抑制対象となるリスト作成ルールのいずれか一方の範囲を調整し、もう一方の範囲を同時に調整しないことが望ましい場合があります。
次に、ルールAを抑制する例外の例を示します。
ルールB
TRANSACTION_AMOUNTが500 USD未満で、例外としてCOST_CENTERが{0743}の場合、最小で役職レベル1までの承認が必要です。
(ルールBでは、1つ目の条件が一般条件で、2つ目の条件が例外条件です。)一般条件はルールAの条件と同じ属性(TRANSACTION_AMOUNT)に対して定義されていますが、2つの条件は異なることに注意してください。ルールBでは、特定のコスト・センターに対する合計が500 USドル未満のトランザクションを対象として、ルールAの例外を切り分けています。例外は、この絞り込まれたケースについて、ルールAがそれ以外のケースで要求する承認権限より低い(絶対役職レベル・タイプの)承認権限を要求しています。これが、このルールがリスト作成ルールではなく例外である理由です。
注意: リスト作成ルールとリスト作成例外ルールは、まとめて権限チェーン・ルール・タイプと呼ばれます。
特定の種類のトランザクションに対して必要な承認権限ではなく、特定の承認者に付与された承認権限に関する例外を作成する必要がある場合があります。この例外を作成するには、リスト変更ルールが必要です。AMEでは、リスト変更ルールを適用して、適用可能なすべてのリスト作成ルールとリスト作成例外ルールによって生成されたデフォルト権限チェーンを変更します。リスト変更ルールには一般条件を設定してもしなくてもかまいません。ただし、リスト変更条件を正確に1つ設定する必要があります(条件タイプについては、「条件」を参照)。
リスト変更ルールには、承認者の署名権限の削減と承認者の署名権限の延長という一般的な2つの使用方法があります。前者は、リスト作成ルールによって効率的に付与された、所定の役職レベルを持つマネージャに対する特定レベルの署名権限を、必要な役職レベルを持つマネージャであるにもかかわらず、特定のマネージャに付与しないようにする場合です。これを実行するには、非最終権限承認タイプと役職レベル処理タイプのみを使用して、そのマネージャの後の権限チェーンを延長するようにAMEに指示します。後者は逆のケースです。リスト作成ルールでは所定の役職レベルを超える承認が要求されていても、その所定の役職レベルの特定マネージャに署名権限を付与する場合です。これを実行するには、最終権限承認タイプを使用して、そのマネージャの後の権限チェーンを切り捨てるようにAMEに指示します。両方のケースで、リスト変更の範囲を一般条件の広いまたは狭いセットに制限できます。
次に、リスト変更ルールの考えられる例を示します。
ルールC
PURCHASE_TYPEが{OFFICE FURNISHINGS, OFFICE SUPPLIES}で、承認者がKathy Mawsonの場合、承認者最終権限を付与します。(ルールCでは、3つ目の条件がリスト変更条件です。)ルールCでは、購買タイプの狭い範囲に対してKathy Mawsonに最終権限を付与します。
ルールD
TRANSACTION_AMOUNTが1000 USDを超過し、かつ最終承認者がKathy Mawsonの場合、最小で1レベル上の承認が必要です。
(ルールDでは、2つ目の条件がリスト変更条件です。)ルールDでは、広い範囲のトランザクション金額に対してKathy Mawsonの署名権限を取り消します。
ある承認者の権限を別の承認者に委任する必要がある場合があります。これを実行するには、代替ルールが必要です。AMEでは、適用可能なリスト変更ルールの適用によって変更した権限チェーンに対して、代替ルールを適用します。リスト変更ルールと同様に、代替ルールには一般条件を設定してもしなくてもかまいません。ただし、リスト変更条件を正確に1つ設定する必要があります。したがって、代替ルールがリスト変更ルールと異なる点は、代替承認タイプを使用することのみです。
次に、代替ルールの例を示します。
ルールE
TRANSACTION_AMOUNTが500 USD未満かつCATEGORYが{MISCELLANEOUS OFFICE EXENSES}で、承認者がJohn Doeの場合、 Jane Smithを承認者の代替とします。
(ルールEでは、3つ目の条件がリスト変更条件です。)ルールEでは、ルールの一般条件で定義されているトランザクション区分について、John Doeの権限をJane Smithに委任します。
前述の4つのルール・タイプは、トランザクションの権限チェーンを生成します。権限チェーンでの承認の前または後に、1つ以上の専門家のグループがトランザクションを承認する必要がある場合があります。このような場合は、承認グループ前リスト・ルールと承認グループ後リスト・ルールが必要です。承認グループ・ルールには1つ以上の一般条件を設定し、権限チェーン前承認または権限チェーン後承認の承認タイプを使用する必要があります。次に例を示します。
ルールF
TRANSACTION_AMOUNTが1000 USD未満かつCATEGORY_NAMEが{Marketing Event}の場合、マーケティング承認グループからの前承認が必要です。
組合せルールは、許可された異なるルール・タイプの処理タイプから処理を組み合せます。組合せルールには2種類あります。1つの種類では、リスト作成ルール、リスト作成例外、作業ルール、権限チェーン前ルールおよび権限チェーン後ルールの処理タイプを使用できます。もう1つの種類では、リスト変更ルールと代替ルールの処理タイプを使用できます。組合せルールは、同じケースに対して複数のビジネス・ルールを適用する場合に使用します。そのためには、便宜上、ビジネス・ケースを単一のルールに収集します。これによって、実行時パフォーマンスのオーバーヘッドも軽減されます。
作業ルールは、統合アプリケーションに作業を出力します。各統合アプリケーションでは、独自の方法で作業を使用します。アプリケーションで使用するAME作業(使用する場合)については、統合アプリケーションのマニュアルを参照してください。
ルールには、次のプロパティがあります。
処理
各ルールには、1つ以上の処理が必要です。通常、ルールのタイプによって、ルールが使用できる処理タイプが決まります。次の3つの例外があります。
作業ルールで使用できるのは、作業処理タイプのみです。
承認者を生成するすべてのルール・タイプで作業処理を使用できます。これらのルールによって生成される作業は、承認者レベルの作業です。
組合せルールでは、異なるルール・タイプの処理を組み合せます。
開始日と終了日
ルールの開始日と終了日によって、ルールの有効範囲(そのルールを使用できる期間)が決まります。ルールの開始日として現在の日付を選択すると、開始日に現在の時刻も設定されます。先日付の開始日または終了日を選択すると、その日付の午前12時(1日の開始時刻)に設定されます。
ルールの開始日と終了日は、そのルールに対するルール使用の開始日と終了日と同じではありません。ルール使用の有効範囲は、ルールの有効範囲ではなく、そのルールがルール使用のトランザクション・タイプに対して有効になる日時を決定します。ルールの有効範囲は、ルールが使用可能になる日時を単に決定します。ルールを先日付の期間でのみ使用する場合は、ルールに先日付の開始日を指定します。ルールを無期限に使用する場合は、ルールの開始日の後に、終了日「31-DEC-4712」を指定します。
注意: 過去の日付でルールを作成することはできません。
摘要
ルールの摘要は100バイト以内です。摘要は、ルールを使用するすべてのトランザクション・タイプで理解しやすい程度に汎用的である必要があります。
項目区分
トランザクション・タイプで使用するルールは、ルールの項目区分内の項目の承認者リストに影響を与えます。ヘッダー・レベルのルールには、最大で1つの下位項目区分に属する属性に対する条件が含まれ、下位項目区分のルールには、ヘッダー・レベルの条件が含まれることに注意してください。次に例を示します。
TRANSACTION_TOTALが1000 USD未満かつCOST_CENTERが{481, 6012}の場合、絶対役職レベル4までの承認が必要です。
このルールは、ヘッダー・レベルのルールまたはコスト・センター・レベルのルールとなります。ヘッダー・レベルのルールでは、ヘッダー項目に対する役職レベル4までの権限チェーンが生成されます。コスト・センター・レベルのルールでは、ヘッダー・レベルの条件が満たされた場合に、コスト・センター481と6012の承認者リストに対する権限チェーンが生成されます。ルールに複数の項目区分に対する条件がある場合は、該当する項目区分に割り当てられているルールを使用することに注意してください。
ルール優先順位の目的は、トランザクション・タイプのルールに優先順位を指定し、実行時に、優先順位が不十分な(それ以外の状況ではトランザクションに適用される)ルールをルール・セットから削除することです。ルール優先順位は、トランザクション・タイプ内のルールに関連付けられているプラスの整数です(ルールを使用する各トランザクション・タイプでは、ルールに個別の優先順位を割り当てることができます)。
注意: 優先順位の値(数値)が小さいほど優先順位は高くなります。つまり、2は3より優先されます。
(所定のトランザクション・タイプ内の)所定のルール・タイプに対してルール優先順位を有効にすると、「ルール」タブおよびルール詳細ページにルールの優先順位が表示され、「ルール」タブではルールの優先順位を編集でき、ルール詳細ページでは、他のルール・プロパティを編集できます。優先順位を無効にすると、これらのタブやページの表示、編集はできません。
管理者ダッシュボードとビジネス・アナリスト・ダッシュボードには、rulePriorityModes構成変数の値を編集するための特別なページがあります。値には、ルール・タイプごとの優先順位モードとしきい値が含まれます。優先順位モードには、絶対、相対および使用不可の3つのモードがあります。しきい値はプラスの整数で、最初の2つの優先順位モード値に対してのみ有効です。各モードの詳細は、「構成変数」を参照してください。
次に、ルール優先順位処理の例を示します。
要件
限定選択されたコスト・センターのトランザクションは特定の承認者グループに経路指定され、それ以外のトランザクションはデフォルト・グループに経路指定される必要があります。たとえば、次の要件があるとします。
トランザクションのコスト・センターが1234の場合は、承認者グループAからの後承認が必要です。
トランザクションのコスト・センターがABCDの場合は、承認者グループBからの後承認が必要で、それ以外の場合は、承認者グループZからの後承認が必要です。
解決策
構成変数のルール優先順位モードで、承認者グループ後リスト・ルール・タイプに対して絶対優先順位モードを有効にし、ルール優先順位のしきい値を1に設定します。コスト・センター承認者グループが存在する各ルールについて、ルールに優先順位1を割り当てます。例外ルールについては、ルールに優先順位2を割り当てます。
例
ルール1: コスト・センター = 1234、Aからの後承認が必要、ルール優先順位1
ルール2: コスト・センター = ABCD、Bからの後承認が必要、ルール優先順位1
ルール3: Zからの後承認が必要、ルール優先順位2
相対ルール優先順位を1に設定すると、各優先順位値の有効なルール数が判断され、構成設定の範囲外のルールが破棄されます。したがって、優先順位1のルールが有効である場合は、このルールが使用されて、非限定的なケースのZが破棄され、グループAまたはBが選択されます。優先順位1のルールが有効でない場合は、非限定的なルールが破棄されないため、承認者グループZに通知されます。
ルールの配置はルール使用によって決まります。1つのルールに対して、特定のデータ範囲にわたって存在できる複数の使用を設定できるため、ルールでは、必要に応じてその使用を切り替えることができます。
ルール使用は、複数のトランザクション・タイプにわたって存在することもできるため、トランザクション・タイプ間で複数のルールを効率的に共有できます。いずれの場合も、このような使用は、UIでマークが付けられ、先日付のルール使用またはトランザクション・タイプ間で共有されるルール使用であることが示されます。
作成したルールは、すべてのトランザクション・タイプで使用できます。ルール使用によって、所定のトランザクション・タイプが所定のルールを所定の有効範囲で使用する必要があることがAMEに指示されます。ルール使用には、次の情報が関連します。
トランザクション・タイプ
ルール使用は、常にAMEユーザー・インタフェースで現行のトランザクション・タイプ内に作成します。そのトランザクション・タイプが、ルール使用が割り当てられるトランザクション・タイプとなります。
ルール
ルール使用は2つの方法で作成できます。1つは、ルールの作成時にそのルールに対する使用を作成できます。もう1つは、以前作成したルールに対する使用を作成できます。後者の場合、現行のトランザクション・タイプですでに使用されているルール(有効範囲が、現行のトランザクション・タイプの同じルールに対する既存の使用の有効範囲と重複しない場合)、または別のトランザクション・タイプで使用されているルールに対する使用を作成できます。
開始日と終了日
ルール使用の開始日と終了日によって、ルールは、その使用のトランザクション・タイプの有効範囲で有効になります。ルールの開始日と終了日について、現在の日付をルール使用の開始日として選択すると、開始日に現在の時刻も設定されます。先日付の開始日または終了日を選択すると、その日付の午前12時(1日の開始時刻)に設定されます。新規ルール使用を作成する場合は、その有効範囲が、現行のトランザクション・タイプの同じルールに対する別の使用の有効範囲と重複していないことを確認してください。
優先順位
現行のトランザクション・タイプで、ルール使用のルール・タイプに対するルール優先順位を有効にしている場合、その使用では、ルールに対する優先順位を定義する必要があります(ルール優先順位の有効化については、「構成変数」のrulePiorityModes構成変数に関する説明を参照)。優先順位は自然数(プラスの整数)である必要があります。
各トランザクション・タイプでは、rulePriorityModes構成変数を使用して、各ルール・タイプのルール優先順位を有効または無効にできます。この変数で所定のトランザクション・タイプとルール・タイプに対する優先順位を有効にする場合は、構成変数の値として、絶対または相対の優先順位値を指定します。構成変数にはしきい値も指定します。優先順位モードが絶対か相対かに応じて、実行時にしきい値が解析されます。
絶対優先順位が有効な場合、しきい値より高い(大きい)数値の優先順位が指定されたすべてのルール使用は抑制されます。たとえば、次の場合を考えてみます。
リスト作成ルールのしきい値は1です。
優先順位モードは絶対です。
2つのリスト作成ルールの条件が満たされています。
満たされているルールの使用には、それぞれ1と2の優先順位が指定されています。
この場合は、最初のルール(使用の優先順位が1)のみが適用されます。2番目のルール(使用の優先順位が2)は抑制されます。
相対優先順位が有効な場合、しきい値がtとすると、tは、関連するルール・タイプのルール(別の状況では適用される)全体で最も低い(最小の)数値の優先順位の集合と判断されます。最も低い優先順位値の集合より高い(大きい)数値の優先順位が指定されたこのタイプのすべてのルールは抑制されます。たとえば、次の場合を考えてみます。
リスト作成ルールのしきい値は2です。
優先順位モードは相対です。
4つのリスト作成ルールの条件が満たされています。
満たされているルールの使用には、それぞれ3、4、3、7の優先順位が指定されています。
この場合、最初の3つのルール(これら3つのルール使用には最も低い2つの優先順位値のいずれかが指定されている)が適用されます。4番目のルール(使用の優先順位値が7であり、最も低い2つの優先順位値のいずれでもない)は抑制されます。
承認者カテゴリ
参考情報(FYI)通知が所定のトランザクション・タイプに対して有効な場合、そのトランザクション・タイプのルール使用では、承認者を生成するすべてのルール・タイプについて承認者カテゴリ(FYIまたは承認)を指定する必要があります。承認者カテゴリは、その使用のルールによって生成された各承認者に割り当てられます。これによって、ルールは、あるトランザクション・タイプには承認の承認者を、別のトランザクション・タイプにはFYI通知の受信者を生成します。
異なるタイプの複数のルールで構成された承認では、所定の承認者をトランザクションの承認者リスト内の複数の場所に出現させる必要がある場合があります。AMEは、一人の承認者が1つのトランザクションを承認する必要があるのは1回のみと判断するため、どのルールの要求を優先するかを決定する必要があります。この問題に関する2つの一般的なケースがあります。ここでは、各ケースについて簡単に説明し、AMEでのそれらの処理方法を説明します。
リスト作成、例外、リスト変更または代替の各ルールに権限チェーンの承認者が含まれ、前承認または後承認ルールでは、その承認者の前承認または後承認を要求します。この場合、AMEは、権限チェーンの承認者のみを含めます。これは、権限チェーンの承認者を省略すると、権限チェーン内のその承認者に続く承認者のIDが変更される可能性があるためです。AMEは、権限チェーンの保持がデフォルトの承認者オーダーの保持より重要であると判断します。
2つの承認グループ・ルールに異なる承認者グループ(前または後)の承認者が含まれています。この場合、AMEは、承認者リストにある最初の承認者グループの承認者を含めます。ここで、AMEは、承認者が最早の機会に承認する必要があると判断します。
合計が5000 USD未満の購買依頼に対しては、最小で役職レベル6のマネージャまで管理承認を要求するルールがすでにあるとします。このルールに対して、購買依頼がコンピュータ機器である場合は、最小で役職レベル4までの承認のみを要求する例外を作成する必要があります。この場合は、必要な承認権限のレベルを下げるための例外タイプ(リスト作成タイプではなく)のルールが必要となります。したがって、次のステップに従ってこのルールを作成します。
通常のケースの既存のリスト作成ルールには、必要なTRANSACTION_AMOUNT通貨属性と、その属性に対する条件が定義されています。ただし、購買依頼トランザクション・タイプには、トランザクションのカテゴリに適した事前定義の属性が含まれていない場合があります。適した属性がないと仮定して、「CATEGORY」という文字列属性を作成します。(この属性名がすでに存在している場合は、属性名を共有します。存在しない場合は作成し、その属性名を共有する他のトランザクション・タイプに対して汎用的な摘要を入力します。これは、この属性名自体が、それを使用する複数のトランザクション・タイプに対して汎用的であるためです。)属性には、適切な表またはビューから購買依頼のカテゴリを選択する(動的)使用を入力します。
CATEGORY属性に対して、「COMPUTER EQUIPMENT」という唯一の許容値を保持するの例外条件を作成します。
これで、ルール自体を作成できます。
摘要に「5000 USDまでのコンピュータ機器」と入力します。
リスト作成例外ルール・タイプを選択します。
開始日はデフォルトの本日の日付とします。
終了日は、ルールを無期限に実施するために空白のままにします。
絶対役職レベル承認タイプを選択します。
承認の「最小で役職レベル4までの承認が必要」を選択します。
一般条件属性の「TRANSACTION_AMOUNT」を選択します。
一般条件の「0 <= TRANSACTION_AMOUNT < 5000」を選択します。
例外条件属性の「CATEGORY」を選択します。
例外条件の「COMPUTER EQUIPMENT」を選択します。
ルール作成のプロセスで、ルールの使用を必ず作成する必要があります。
ルールを作成する手順は、次のとおりです。
「新規ルールの作成」ページを使用します。
「ルール」タブをクリックして「ルール」ページを表示します。ビジネス・ダッシュボードからナビゲートしている場合は、ビジネス・ダッシュボードにある「承認プロセス設定」で、必要なトランザクション・タイプを選択し、「ルール」リンクをクリックします。
「作成」をクリックして「新規ルールの作成」ページをオープンします。
ルール詳細を入力します。入力する必要のある情報は、選択するルール・タイプによって異なります。
注意: 作業ルールを作成するには、その前に次の処理が必要です。
productionFunctionality構成変数に適切な値を選択して、トランザクション・タイプの作業を許可します。関連項目: 構成変数
トランザクション・タイプの作業処理タイプを含めます。関連項目: 事前定義の処理タイプ
必要に応じて、作業処理を追加します。関連項目: 処理の作成
リスト作成、リスト作成例外、承認者グループ前リスト、承認者グループ後リストの各ルールの組合せでリスト作成ルールを作成する場合は、次の情報を指定します。
ルール名を入力します。ルール名には必要な承認処理を含めることをお薦めします。
ルール・タイプを選択して、AMEがトランザクションの承認リストまたは作業を生成できるようにします。
項目区分を選択して、ルールがそのルールの項目区分内の項目の承認リストを生成できるようにします。
所定のトランザクション・タイプに対して参考情報通知を有効にしている場合は、承認者カテゴリを選択します。この承認者カテゴリは、そのルール使用のルールによって生成された各承認者に割り当てられます。これによって、ルールは、あるトランザクション・タイプには承認の承認者を、別のトランザクション・タイプには参考情報(FYI)通知の受信者を生成します。
注意: この機能を使用できるのは、統合アプリケーションにFYI通知が実装されている場合です。関連項目: 構成変数
ルール優先順位を有効にしている場合は、優先順位を入力します。AMEでは、承認者リストまたは作業を生成するときに、ルール優先順位を使用してトランザクション・タイプのルールに優先順位が指定されます。
ルールの開始日と終了日を選択して、その有効範囲を決定し、そのルールを使用できる期間を指定します。
リスト変更ルールおよび代替ルールの場合、項目区分と承認者カテゴリ詳細は不要です。
「次へ」をクリックして、条件を追加します。
「条件の追加」をクリックして、使用可能な条件を表示します。
必要な条件を選択して「続行」をクリックし、条件をルールに追加します。
注意: 新規条件を作成するには「作成」を使用し、既存の条件を更新するには「更新」アイコンを使用します。既存の条件に対する変更は、この条件が使用されるすべての場所に適用されます。
「次へ」をクリックして、処理を追加します。
処理タイプと処理を選択します。
注意: 作業ルールの場合は、作業処理タイプと作業処理を選択してください。
「次へ」をクリックして、ルール詳細を確認します。
「終了」をクリックして、使用するトランザクション・タイプでルールを使用したり、すべてのトランザクション・タイプでも使用できるようにします。
別のトランザクション・タイプのルールを現行のトランザクション・タイプで使用する手順は、次のとおりです。
「ルール」タブをクリックします。
「既存ルールの使用」をクリックして「既存ルールの使用: 使用方法の作成」ページをオープンします。
必要なルールをすでに使用しているトランザクション・タイプを問い合せます。
開始日と終了日を選択して、ルール使用の有効範囲を決定します。
注意: 新規使用の有効範囲が、前述のステップ2で確認した有効範囲と重複していないことを確認してください。
ルールでFYI通知が有効な場合は、その使用の承認者カテゴリを選択します。
ルールで使用優先順位が有効な場合は、その使用の優先順位を入力します。
「終了」をクリックして、ルール使用を現行のトランザクション・タイプに追加します。
既存のルールを現行のトランザクション・タイプで再利用する手順は、次のとおりです。
「ルール」タブをクリックして、現行のトランザクション・タイプの現在または先日付のルールを表示します。
必要な既存ルールの「複製」アイコンをクリックします。
新規使用の有効範囲、承認者カテゴリおよび優先順位を選択します。
「適用」をクリックして、新規ルール使用を現行のトランザクション・タイプに追加します。
ルールとその使用を編集する手順は、次のとおりです。
「ルールの更新」ページを使用します。
「ルール」タブをクリックして、現行のトランザクション・タイプの現在または先日付のルールを表示します。
編集するルールの「更新」アイコンをクリックします。
目的のルール・プロパティを変更します。
注意: 条件または処理を追加する場合は、「条件の追加」または「処理の追加」をクリックし、必要な詳細を入力します。
ルール使用の有効範囲、承認者カテゴリおよび優先順位を変更し、「適用」をクリックします。
ルールを削除するには、そのルールがすべてのトランザクション・タイプで使用されていないことを確認する必要があります。ルールがトランザクション・タイプで使用されていない場合は、AMEによってルールが自動的に削除されます。
ルール使用を削除する手順は、次のとおりです。
「ルール」ページを使用します。
「ルール」タブをクリックします。
削除する特定のルール使用の「削除」アイコンをクリックします。
プロンプトに従って削除を確認します。
無効なルールを元に戻して、トランザクション・タイプで使用できます。
無効なルールを元に戻す手順は、次のとおりです。
「既存ルールの使用」ページを使用します。
「ルール」ページで「既存ルールの使用」をクリックして、「既存ルールの使用」ページをオープンします。
必要なトランザクション・タイプを問い合せます。
そのトランザクション・タイプ内の無効なルールを問い合せます。
無効なルールを選択して「続行」をクリックします。
ルールの有効範囲の詳細を入力して「終了」をクリックし、そのトランザクション・タイプのルールを再度有効化します。