Oracle Advanced Supply Chain Planningインプリメンテーションおよびユーザーズ・ガイド リリース12 E06012-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
この項では、搬送計画の設定の必須ステップの概要を説明します。最初に、Oracle Advanced Supply Chain Planningの計画タイプと同じように、組織、出荷方法、出荷レーンおよびカレンダを設定します。その後、次の項目を定義します。
配分計画品目と主要属性
安全在庫レベル、ターゲット在庫レベルおよび最大在庫レベル
キッティング用部品構成表
需要優先度ルール
レーン別の出荷方法のトリップ制限
品目に対するソース・ルールと供給割付ルールの割当
組織および顧客選択リスト
物流計画の作業環境
この項で詳細を示した設定ステップは物流計画に固有であり、ユーザーが通常のソース・インスタンス設定タスク(Oracle Bills of Material、Oracle Work in Process、Oracle Order ManagementおよびOracle Purchasingの有効化など)をすべて完了していることを前提としています。
搬送計画を実行するには、次の前提条件が必須です。
組織および組織間の関連を定義します。
受入組織を出荷組織の顧客として関連付ける必要があります。
運送業者を定義して出荷方法に関連付けます。
これにより、組織間出荷をリリースできるようになります。
組織間出荷レーンを定義します。
出荷ネットワークを定義して出荷方法を割当てる必要があります。
出荷、受入および搬送カレンダを定義します。
詳細は、「出荷、受入、搬送および仕入先生産能力カレンダの設定」を参照してください。
これらの手順は、MRP、MPSおよびMPPなど、他のOracle Advanced Supply Chain Planning計画タイプと同じです。
搬送計画を設定する場合、最初に実行する必要があるのは、搬送計画に含める品目を定義することです。
品目を配分計画済として定義
「MPS/MRP品目属性」タブで「配分計画済」チェック・ボックスを選択します。
搬送計画では、計画品目に対する次の計画オプションに基づいて、対象となる品目が選択されます。
計画品目 | 説明 |
---|---|
全計画品目 | すべての配分計画済品目が含まれます。 |
需要計画品目のみ | 搬送計画には、需要計画内の配分計画済品目のみが含まれます。 |
供給計画品目のみ | 搬送計画には、供給計画内の配分計画済品目のみが含まれます。 |
需要および供給計画品目 | 搬送計画には、需要および供給計画内の配分計画済品目のみが含まれます。 |
需要計画および製造部品 | 搬送計画には、「MSC: DPPショップ型製造オーダー期限ウィンドウ(日数)」プロファイル・オプションで定義した、需要計画とWIP製造オーダーにある配分計画済品目が含まれます。 |
需要計画品目および全受注 | 搬送計画には、需要計画と全受注にある配分計画済品目のみが含まれます。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | 搬送計画には、需要計画、全受注および全WIP製造オーダーにある配分計画済品目のみが含まれます。 |
いずれの場合も、対象となる2つの配分計画済品目の間にある品目も対象となります。
Oracle Bills of Materialを使用して、キット部品構成表を定義します。搬送計画では、MPS/MRP/MPPにより部品構成表が展開されて下位レベル構成部品が計画されるのと同じ方法で、キット計画オーダーの構成部品が計画されます。工順と生産資源は搬送計画で考慮されず、キット組立品は構成部品可用性により制約されます。
ショップ型製造オーダーの計画時に、搬送計画では品目-組織の固定リード・タイム属性に基づいて開始時間と完了時間が計算されます。
可変リード・タイムは考慮されません。
開始日、完了日および継続期間の計算では、有効な稼働日とシフトについて組織の製造カレンダが考慮されます。
すべての構成部品は製造オーダー開始時に必要です。
日付5の午前10:00を期限とする24単位の供給があり、固定リード・タイムが1日で、24時間の1シフトであれば、製造オーダー開始時間は日付4の午前10:00となります。
ショップ型製造オーダーの場合、計画オーダーのサイズは品目属性「固定ロット乗数」の値です。この属性がNULLの場合、オーダー・サイズ・モディファイアは適用されず、各ショップ型製造オーダーは関連する需要のサイズとなります。品目属性「固定ロット乗数」、「端数処理管理」および「固定リード・タイム」は、データ設定中に一括して考慮する必要があります。
搬送計画では、ショップ型製造オーダーに対する計画オーダーをOracle Work in Processにリリースできます。代替構成部品が選択されると、これらがリリースされてWIP製造オーダーに構成部品所要量として表示されます。代替構成部品が選択されなければ、計画オーダー・ヘッダーがリリースされます。WIP製造オーダーでは、部品構成表と工順に基づいて構成部品および生産資源所要量が展開されて作成されます。計画オーダー・ヘッダーには、完了日と主または代替部品構成表/工順の指定が含まれています。ソース・インスタンスに工順が存在する場合、リリースされるWIP製造オーダーの開始日が搬送計画での開始日とは異なる可能性があります。
搬送計画では需要タイプの優先度が考慮され、各需要タイプの需要区分に基づいて優先度を設定できます。次の6つの需要タイプがあります。
受注
消込超過受注(この受注は予測数量以外の数量を表します。)
需要予測
安全在庫レベル需要
ターゲット在庫レベル需要
超過需要(オーダー・モディファイアが原因)
最初の3つの需要タイプを使用すると、需要区分別に優先度を追加定義できます。需要区分が関連付けられている受注または予測は、需要区分の優先度を取得します。ただし、これは需要タイプ内にのみ該当します。安全在庫、ターゲットおよび超過の優先度は、常にこの順序で最下位の3つの優先度にデフォルト設定されます。
需要優先度ルールの定義
ナビゲータから、「搬送計画」->「設定」->「需要優先度」を選択します。
「優先度ルールの定義」ウィンドウが表示されます。
「名称」と「摘要」に、新しい需要優先度ルールの情報を入力します。
需要優先度ルールを有効化するには、「使用可能」チェック・ボックスを選択します。需要優先度ルールをデフォルトとして設定するには、「デフォルト」チェック・ボックスを選択します。
ルールは、有効化する前に完全に定義しておく必要があります。
「指定優先度」ドロップダウン・リストからレベルを選択し、需要優先度を指定します。
「需要タイプ」フィールドに次のいずれかを入力します。
受注
消込超過受注
需要予測
この優先度は、需要区分または需要タイプと需要区分を指定しないかぎり、入力した需要タイプの全需要に適用されます。このフィールドへの入力は必須です。
「需要区分」フィールドに需要区分を入力します。この優先度は、各需要タイプ内の需要をランク付けするために使用されます。需要区分を指定しなければ、需要タイプ内で最下位の優先度に設定されます。「他の全需要区分」を選択して、この優先度を直接設定することもできます。このフィールドへの入力は必須です。
「優先度」フィールドに数値を入力します。
「保存」ボタンをクリックします。
フォームを保存すると、フォームの読取り専用の「計算需要優先度」領域に需要優先度の計算結果が移入されます。需要タイプと需要区分の組合せごとに1行が作成され、需要タイプと他のすべての需要用にさらに1行が作成されます。
前述の需要優先度ルールを使用する搬送計画での需要の場合、特定の需要区分を持つ全受注明細は、その優先度に設定されます。たとえば、需要区分RS-Bの受注明細の優先度は2に設定されます。
トラック積荷(TL)出荷方法の場合、搬送計画にはトリップ制限の概念が使用されます。トリップ制限とは、最大重量または最大容積、あるいはその両方です。出荷レーンごとに、TL出荷方法のトリップ制限を定義する必要があります。ユーザーが計画サーバー上でトリップ制限にアクセスできるように、事前にソース・インスタンス内で出荷ネットワークを定義しておく必要があります。
トリップ制限を定義するには、「移動時間」ウィンドウの「出荷限度」領域で重量と容積のトリップ制限を設定します。ナビゲータから、「移動時間」にアクセスするには、「移動時間」フォームで「設定」->「移動時間」を選択します。
組織間のトリップを計画する際に、搬送計画では次のことが実行されます。
移動元組織と移動先組織の各ペア間で組織間トリップに使用する出荷方法が選択されます。
選択された出荷方法について、トリップの最大重量または容積の制約が考慮されるか、違反がレポートされます。
トリップを計画する必要があり、計画の稼働率ターゲットに基づいてTL出荷方法の制約を下回るトリップが許可される場合は、LTLおよび区画出荷方法を使用する必要があります。ランク1の出荷方法を使用するソーシングをTLとして定義し、TL以外の下位ランクの出荷方法を定義していることが前提となります。
編集できるのは「最大 トリップ 重量」および「最大 トリップ 容積」のみで、出荷方法モードが「TL」の場合のみです。他の出荷方法の場合、「出荷限度」フィールドは編集できません。搬送計画では、出荷内容、出荷時期および出荷の連結方法を決定する際に、次のルールが使用されます。
安全在庫レベル: 搬送計画では、安全在庫需要を満たすために、使用可能供給を常に納期どおりに出荷します。最小トリップ容量に対する違反が発生する場合があります。
ターゲット・レベル: 搬送計画では、トリップ容量に違反せずに供給を追加できるトリップがある場合は、ターゲット在庫レベルを満たすために、トリップ連結時に使用可能供給のみが納期どおりに出荷されます。
トリップ連結時にターゲット在庫レベルを満たすための供給移動に使用可能なトリップがなければ、これらの供給はソース内で使用可能でも出荷されません。
出荷方法に制限がなければ、トリップ連結ウィンドウ内ではターゲット供給は出荷されません。このアプローチのため、トリップ連結ウィンドウの終了直後に、ターゲット在庫レベルに対する多数の供給出荷が検出されることがあります。これらの計画出荷は確定またはリリースできません。搬送計画の次回実行時に効率的に移動できるトリップがあれば、これらの供給をプルできます。
ソース・ルール、構成表または配分、あるいは在庫配分ルールで出荷方法を使用する場合、出荷方法を計画出力で制約として使用できます。出荷方法により次の制約が作成されます。
移動中時間: 移動中リード・タイムがNULLでない場合は、選択した出荷方法の移動中リード・タイムが制約となります。
NULLでない場合、トリップ・サイズ制限は出荷方法の最大トリップ重量および容積の制約に基づきます。
搬送計画では、各出荷方法に対する最小および最大重量および容積制限が考慮されます。物流計画 の場合は、次のトリップ制限について新規の制約計画オプションを指定できます。
最大トリップ 稼働率 %: このパラメータは、トラック積載の上限です。たとえば、このパラメータを90%に設定すると、すべてのトラックの積載量は最大重量能力および最大容積能力の90%以内となります。NULLの場合は、100%が使用されます。
最小トリップ 稼働率 %: 計画エンジンでは、様々なレベルの生産能力稼働率を使用して様々なTLトリップが生成されます。搬送計画では、生産能力稼働率が最小TL稼働率よりも大きいトリップの作成が試行されます。NULLの場合は0(ゼロ)が使用されます。
搬送計画では、計画オプションの「稼働率ターゲット」が出荷方法の最大トリップ制限と併用されます。
最大トリップ重量 = 最大トリップ稼働率 * 最大トリップ重量
最大トリップ容積 = 最大トリップ稼働率 * 最大トリップ容積
最小トリップ重量 = 最小トリップ稼働率 * 最大トリップ重量
最小トリップ容積 = 最小トリップ稼働率 * 最大トリップ容積
NULLでない場合は、最大と最小の重量および容積が考慮されます。最大重量と最大容積の両方がNULLの場合、出荷方法はTL以外として処理されます。
搬送計画では、ターゲット値と最小値が次のように使用されます。
トリップが最大トリップ重量または容積を超えて積載されることはありません。
トリップは、最大トリップ重量または最大トリップ容積まで積載されます。
トリップは最小トリップ重量または最小トリップ容積を超えて積載されます。最小トリップ重量または最大トリップ容積を満たせない場合、トリップは他の出荷方法で計画されます。内部移動がターゲット在庫レベルの需要以外の需要にペグされている場合は、LTLまたは区画出荷方法が使用されます。LTL出荷方法がなければ、トリップはTL出荷方法で計画されますが、最小トリップ重量と最小トリップ容積に違反する可能性があります。トリップが計画済トリップで、工順または工順と内容が確定していれば、トリップが最小トリップ重量および最小トリップ容積を下回ることができます。
ソース・ルールの定義は、MRP/MPS/MPPの場合と同じです。組織間ソース関係を定義し、出荷方法を選択します。比率の異なる同じ供給ソースに対して複数の出荷方法を指定できますが、出荷方法の異なる同一供給ソースの場合は比率が考慮されない場合があります。
グローバル・ソース・ルールの場合、出荷方法は指定できますが、出荷レーンが不明なため移動時間は指定しません。
計画時には、グローバル・ソース・ルールで出荷方法が指定されていなければ、「出荷方法」フォームからのデフォルト出荷方法が使用されます。
「出荷方法」フォームでデフォルトとしてマーク付けされている出荷方法がなければ、出荷方法は選択されず、移動中リード・タイムは0(ゼロ)となります。
ローカル・ソース・ルールの場合、特定のソース組織の出荷方法を指定することもできます。出荷方法を指定しなければ、「組織間の関連」フォームからのデフォルト出荷方法が使用されます。ソース・ルールまたは物流構成表では、各出荷方法に異なるランクを指定し、同じソース組織に対して複数の出荷方法を指定できます。
ソース・ルールまたは物流構成表では、各出荷方法に同じランクと異なる比率を指定して、複数の出荷方法を指定できます。決定ルールが使用されない場合、ランク1の出荷方法の要求インバウンド出荷では出荷方法による比率が考慮されます。ただし、搬送計画ではランク1の出荷方法から最善の出荷方法が選択されるため、最終的な計画出力では比率が考慮されない場合があります。これは、原価、リード・タイムまたは最大トリップ制限の異なる2つの出荷方法を指定でき、それらはトリップの日付とサイズに基づいて考慮されることを意味します。
詳細は、「出荷方法選択」を参照してください。
搬送計画では、次の3つの値を使用して品目の在庫範囲が作成されます。
安全在庫
ターゲット在庫レベル
最大在庫レベル
在庫レベルを安全在庫レベルに保つために必要な日付以前に移動する経済的トリップのタイミングに応じて、在庫レベルがこの3つの値の間で変動します。
搬送計画では、Oracle Advanced Supply Chain Planningの安全在庫プロセスと同じプロファイル・オプションを使用します。 「安全在庫」を参照してください。
安全在庫平滑機能がオフになっていても、搬送計画では割付バケットの最終日の安全在庫レベルがバケット全体の安全レベルとして使用されます。割付バケットが週次以上の場合、これにより出力に平滑な外観をもたらします。平滑機能を選択しなくても、搬送計画の割付では割付バケットの最終日の安全在庫のみが考慮されるため、割付バケット全体にわたって一定の安全在庫レベルが表示されます。
平滑化は、次のように2段階で発生します。
割付バケット内の平滑化: プロファイル・オプション「MSC: 安全在庫変更間隔 」および「MSC: 平滑方法 」で管理します。
割付バケット間の平滑化: プロファイル・オプション「MSC: 安全在庫値の最大変動率」および「MSC: 安全在庫値の最小変動率」で管理します。
計画エンジンでは、プロファイル・オプション「MSC: 安全在庫変更間隔 (日数)」が次のように使用されます。
値がNULLまたは0の場合: 搬送計画は割付バケット内で平滑化されません。
値 > 0(実際の値に関係なく): 搬送計画は割付バケット内で平滑化されます。
割付バケット内の平滑化方法では、プロファイル・オプション「MSC: 変更間隔内の安全在庫を計算する平滑方法」が次のように考慮されます。
最小: 安全在庫はバケット内で検出された最小値に設定されます。
最大: 安全在庫はバケット内で検出された最大値に設定されます。
平均: 安全在庫はバケット内の(稼働日数に基づく)平均値に設定されます。
NULL: デフォルトで「平均」方法が使用されます。
他のプロファイル・オプションでは、割付バケット間の安全在庫平滑動作を管理します。
MSC: 安全在庫値の最大変動率
MSC: 安全在庫値の最小変動率
割付バケット間の平滑機能をオフにするには、プロファイル・オプションを次のように設定します。
MSC: 安全在庫値の最大変動率 = NULL
MSC: 安全在庫値の最小変動率 = 0
搬送計画では、計画オーダーの作成時に一時的な安全在庫レベルとそうでない安全在庫レベルが区別されません。この概念は、Oracle Advanced Supply Chain Planningでペギングに使用されますが、搬送計画には適用されません。
ターゲット在庫レベルおよび最大在庫レベルの情報を、次のフォームに入力します。
Oracle Inventoryの「品目」フォーム、「MPS/MRP計画」タブ: 「供給のターゲット在庫日数」、「ターゲット在庫ウィンドウ」、「供給の最大在庫日数」、「最大在庫ウィンドウ」に入力します。
「搬送計画設定メニュー」の「在庫レベルの入力」フォーム: 「ターゲット」領域と「最大」領域があります。どちらのレベルでも、供給数量または供給日数を入力できます。
「プロファイル・オプション」フォーム: 最大在庫レベルとターゲット在庫レベルを安全在庫のパーセントにデフォルト設定する場合は、「プロファイル・オプション」フォームでプロファイル・オプション「MSO: 安全在庫のターゲット在庫レベル %」および「MSO: 安全在庫の最大在庫レベル %」にパーセント値を入力します。
「品目」フォーム
最初に使用されるものから最後に使用されるものへと順番に、ターゲット在庫レベルと最大在庫レベルのデフォルト設定階層は次のとおりです。
Oracle Inventory Optimizationの「在庫レベルの入力」フォームのエントリ。供給日を入力すると、その日付がOracle Inventoryの「品目」フォームの「MPS/MRP計画」タブの「ターゲット在庫ウィンドウ」および「最大在庫ウィンドウ」フィールドの値になります。
Oracle Inventoryの「品目」フォームの「MPS/MRP計画」タブのエントリ。「固定基準 日数」と「ウィンドウ」の両方に入力する必要があります。
ターゲット在庫レベルの場合は、「MSO: 安全在庫のターゲット在庫レベル %」プロファイル・オプション。最大在庫レベルの場合は、「MSO: 安全在庫の最大在庫レベル %」プロファイル・オプション。
ターゲット在庫レベルの場合は、安全在庫の在庫レベルを使用します。最大在庫レベルの場合は、品目組織属性「仕入先管理の最大在庫」を使用します。
在庫レベルを制約として使用しないでください。
計画エンジンでは、安全在庫レベルを平滑化する場合と同じ方法で、ターゲット在庫レベルと最大在庫レベルが平滑化されます。
ターゲット在庫レベルの場合
「ターゲット在庫レベル供給日数」と「ターゲット在庫レベル」ウィンドウに値を入力します。
各日のターゲット在庫レベル = ターゲット在庫レベル供給日数 * 平均日次所要量
平均日次所要量 = ターゲット在庫レベル・ウィンドウ内の次の日数に対する総所要量 / ターゲット在庫レベル・ウィンドウ
最大在庫レベルの場合
「最大在庫レベル供給日数」と「最大在庫レベル」ウィンドウに値を入力します。
各日の最大在庫レベル = 最大在庫レベル供給日数 * 平均日次所要量
平均日次所要量 = 最大在庫レベル・ウィンドウ内の次の日数に対する総所要量 / 最大在庫レベル・ウィンドウ
計画エンジンでは両方の在庫レベルが毎日計算されるため、どちらの在庫レベルも需要がない日に変化します。
どちらの在庫レベルの場合も、日数のカウントは現在日付から始まります。現在日付が稼働日でない場合は、翌稼働日から始まります。
週次計画バケットの場合、計画エンジンでは、ターゲット在庫レベル・ウィンドウまたは最大在庫レベル・ウィンドウに達するまで、バケット内の需要が加算されます。どちらのレベルでも、バケットの途中でウィンドウの終わりに達すると、そのバケットの需要が按分され、より平滑な在庫レベル・プロファイルが計算されます(バケット内の需要の位置には影響されません)。
例:
ターゲット在庫レベル供給日数 = 10
ターゲット在庫レベル・ウィンドウ = 10
それぞれ7日間の週次バケット4個
第22週の需要 = 700
第23週の需要 = 350
第24週の需要 = 525
第25週(計画の最終週)の需要 = 700
第22週のターゲット在庫レベルは、600 [(700 / 7) + 350 + ((525 / 7) * 2)]です。これは、第22週の第1日の需要、第23週の7日間すべての需要および第24週の2日間の需要です。
第23週のターゲット在庫レベルは、775 [(350 / 7) + 525 + ((700 /7) * 2))]です。
第24週のターゲット在庫レベルは、 875 [(525 / 7) + 700 + ((1400 / 28) * 2)]です。
第25週のターゲット在庫レベルは、70 [700 / 7]です。
物流所要量計画では、品目の出荷時期が決定される際に補充ウィンドウが考慮されます。計画では、最大、ターゲットおよび安全在庫の各在庫レベルに基づき、経済的トリップ・サイズのためにトリップを柔軟に加速または遅延させることができます。これらは、ペギング関連または在庫引当を考慮せずに予定有効在庫に適用されます。
計画エンジンでは、需要と供給が該当する時間に計算されます。安全在庫レベルとターゲット在庫レベルは日次でのみ計算されますが、ペギング・エンジンは在庫残高を常に安全在庫レベルとターゲット在庫レベルに維持しようとします。たとえば、受注の出荷期限が午前11時の場合、計画エンジンでは、受注出荷後に安全在庫レベルまたはターゲット在庫レベルを維持するために、期限が午前11時の計画オーダーが作成されます。
最大在庫レベルは、強制的な制約です。需要が最大を超える場合、計画エンジンでは実績需要ではなく最大在庫レベルを満たすように計画されます。
計画エンジンでは、次のルールを使用して出荷内容、出荷時期および出荷の連結方法が決定されます。
安全在庫レベル: 計画エンジンでは、最小トリップ能力に違反する場合も、安全在庫レベルを満たすために常に納期どおりの出荷が推奨されます。
ターゲット・レベル: トリップの連結中、計画エンジンでは、トリップ能力違反にならない場合にのみ、ターゲット在庫レベルを満たすために納期どおりの出荷が推奨されます。ロード連結では、トリップのスペースが使用可能な場合は早期に出荷し、トリップが計画されていない場合はターゲット需要の出荷を遅延させることで、ターゲット在庫レベルの需要を使用してトリップ稼働率全体を向上させます。出荷方法に制限がなければ、トリップ連結中のウィンドウではターゲット供給の出荷が推奨されません。したがって、トリップ連結ウィンドウの終了直後に、ターゲット在庫レベルに対する多数の出荷が検出されることがあります。これらの計画出荷を確定またはリリースしない場合、搬送計画の次回実行時に、早期移動に使用可能なトリップがあれば、これらの供給がプルされます。
早期出荷の場合は、次のようになります。
使用可能な出荷能力を使用するために、計画エンジンでは安全在庫レベルまたはターゲット在庫レベルにトラック積荷出荷方法を使用して早期出荷を推奨できます。これらの供給は、出荷の最後に順序付けされます。
計画エンジンでは、出荷、移動または受入カレンダにより納期出荷できない場合に、ターゲット・レベルより高い優先度を持つ需要を満たすために早期出荷を推奨できます。これは、最大在庫レベル違反になる場合があります。
トラック積荷以外の出荷方法の場合は、次のようになります。
計画エンジンでは、出荷、移動中または受入カレンダにより納期出荷できない場合を除き、トラック積荷未満の出荷方法を使用して早期出荷が推奨されることはありません。
計画エンジンでトラック積荷未満の出荷方法が推奨されるのは、組織の手持が安全在庫を下回ることが予想される場合のみです。この場合、より高コストの方法を使用するのは妥当ではないとみなされるため、ターゲット在庫方法を満たすためにトラック積荷未満の出荷方法が推奨されることはありません。
計画エンジンでは、使用可能なトリップを満たすために次のルールを使用して連結が解除されます。
1つの供給を早期出荷する必要がある場合: 2つの供給に同一の出荷能力があり、最大在庫数量および納期が同じ場合は、優先度の高い需要にペグされた供給の早期出荷が推奨されます。
1つの供給を遅延出荷する必要がある場合: 2つの供給に同一の出荷能力があり、最大在庫数量および納期が同じ場合は、優先度の低い需要にペグされた供給の遅延出荷が推奨されます。
例1
Oracle Inventory Optimizationにより安全在庫レベルが計算され、2つの安全在庫率プロファイル・オプションの値が300%と200%であるとします。次の表に、最大、ターゲットおよび安全在庫レベルと予定使用可能残高の例を示します。
エンティティ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最大 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 21 | 21 | 21 | 21 | 21 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 |
ターゲット | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 14 | 14 | 14 | 14 | 14 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 |
安全在庫 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 |
予定使用可能残高 | 10 | 10 | 10 | 15 | 15 | 14 | 14 | 14 | 14 | 7 | 10 | 10 | 20 | 20 | 30 |
予定使用可能残高 +/- ターゲット | - | - | - | 5 | 5 | - | - | - | - | -7 | -10 | -10 | - | - | 10 |
予定使用可能残高 +/- 安全在庫 | 5 | 5 | 5 | 10 | 10 | 7 | 7 | 7 | 7 | - | - | - | 10 | 10 | 20 |
ターゲットのパーセントが安全在庫の150%の場合、ターゲット在庫レベルは10.5 [150% * 7]となります。端数処理管理を有効化する品目属性が選択されている場合は、計画エンジンによりターゲット在庫レベルと最大在庫レベルの値が切り上げられます。
搬送計画で出荷能力の最適使用を考慮する必要がなく、十分な供給がある場合は、在庫レベルがターゲット・レベルと等しくなるように維持されます。指定の期間中、施設に移動する出荷が複数存在するために出荷能力の使用を最適化する機会がある場合は、実績在庫数量が最大数量と安全在庫の範囲内で変動し、ターゲット・レベルに達することがあります。オーダー・モディファイアも、安全在庫と最大数量の間で在庫レベルが変動する原因となることがあります。この例では、次のようになります。
予定使用可能残高は、第4日と第5日にターゲットを上回ります。これは、おそらくオーダー・モディファイアが原因で5単位の早期出荷が計画されたことを示します。表に示したレベルは宛先組織に関するものです。ソース組織で最大在庫が定義されており、ソースでの供給が最大数量を超える場合も、早期出荷が発生することがあります。宛先の最大在庫数量に違反しないかぎり、ソース組織での在庫違反を回避するために供給が早期出荷されます。
第6日の予定使用可能残高は、ターゲット・レベルです。
第10日、第11日および第12日の予定使用可能残高は、ターゲット在庫レベルのために数単位の遅延出荷が計画されたが、安全在庫レベル違反ではないことを示しています。
例2
この例はより複雑で、安全在庫は実際には需要に比べて極端に少数です。例1から、第10日に100単位の需要があるとします。指定のプロファイル・オプションを使用して1日でも早期に100単位の供給を到着させることはできません。ユーザーは、安全在庫の最大変動率のプロファイル・オプションを、はるかに大きい値に設定する必要があります。
この場合と同様に、計画エンジンで供給の早期出荷を推奨できるように、品目属性で方法を選択し、より柔軟な最大率を設定する方がよい場合があります。
この例では、安全在庫レベルは同じです。次の値を入力します。
最大在庫レベル供給日数: 1
「最大在庫レベル」ウィンドウ: 2
ターゲット在庫レベル供給日数および「ターゲット在庫レベル」ウィンドウ: <NULL>
MSO: 安全在庫のターゲット在庫レベル %: 200%
第16日の需要も400単位です。「最大在庫レベル供給日数」と「最大在庫レベル」ウィンドウの値により、需要は搬送先に1日早期に到着可能です。
エンティティ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
需要 | 70 | 70 | 80 | 80 | 100 | 100 | 100 | 150 | 100 | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 | 400 |
最大 | 70 | 75 | 80 | 90 | 100 | 100 | 125 | 125 | 150 | 200 | 200 | 200 | 200 | 300 | 400 |
ターゲット | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 14 | 14 | 14 | 14 | 14 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 |
安全在庫 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 |
予定使用可能残高 | 10 | 10 | 80 | 50 | 50 | 7 | 14 | 14 | 150 | 200 | 75 | 10 | 10 | 400 | 400 |
+/-安全在庫 | - | - | 70 | 40 | 40 | -7 | - | - | 136 | 186 | 55 | -10 | -10 | 380 | 380 |
第1日の最大値は70で、第1日と第2日の需要の平均は[(70 + 70) / 2]となります。
最大在庫レベルは、安全在庫レベルとあまり類似していません。かわりに、最大在庫レベルが次の2日の供給の平均に基づいて変動できるように選択しています。つまり、倉庫に早期に到着できる在庫の数量は、2日間の平均需要となります。
早期に使用可能な供給が存在する場合、計画エンジンではその供給を早期に出荷するように決定できます。
搬送計画の算入ロジックが使用されます。このロジックでは、割付バケットと需要優先度が考慮されます。需要(受注、予測および安全在庫レベル)とすべての有効供給数量(希望受入を含む)に基づいて供給が再計画され、計画オーダーが作成されます。
すべての供給は需要または超過にペグされます。
在庫レベルは最大レベルを超過できないため、宛先組織の最大在庫レベルにより早期供給の出荷方法に制限が適用されます。ただし、宛先組織が物流ネットワークの途中にあると、この組織で最大レベル違反になる場合があります。
例:
組織2は、リード・タイムなしで組織1から調達します。
組織1は、1日のリード・タイムで組織0から調達します。
組織2には、第3日に数量100の需要があります。
このため、第3日に組織1でアウトバウンド需要が発生し、第2日に組織0からのアウトバウンド出荷が要求されます。
組織1が出荷できるのは週に1度のみ(第3日と第10日など)ですが、受入日に制限はありません。
組織0の需要は、第4日に遅延充足され、第4日に出荷されます。
組織1が第5日に組織0からの出荷を受け入れる場合は、この在庫を組織2への出荷日である第10日まで保有する必要があります。組織2の最大在庫レベルが100を下回ると、この計画取引は違反となります。
搬送計画エンジンでは、供給の早期出荷方法が最大在庫レベルに基づいて決定されます。次に、トリップ連結制約および「MSC: 搬送計画出荷日」プロファイル・オプションを考慮して、品目を早期出荷するかどうかが決定されます。
2つの異なるソースから使用可能な供給が存在し、その両方が早期に使用可能な場合があります。最大在庫レベルによって両方が宛先組織に早期に到着できないが、一方の供給が早期に到着可能な場合は、次のようになります。
ソース組織の最大在庫レベルに違反する場合、計画エンジンではその組織からの出荷が推奨されます。
それ以外の場合は、移動中の資材数量を最小限に抑えるため、移動中時間が最短の供給の出荷が推奨されます。
在庫再残高計算は、ある組織の予測される不足を、物流計画を使用して関連組織間で在庫の移動を計画する場合に使用します。たとえば、地理的に近接する2つの地域搬送センターがあるとします。一方の搬送センターに不足がある場合、計画エンジンは、他方の組織を供給ソースとして使用するように計画します。計画エンジンは、在庫の頻繁なサイト間往復を回避するために、同じバケット内または時間的に接近している複数のバケット間での双方向移動は作成しません。
在庫再残高計算関連を指定するには、両方の組織のソース・ルールと物流構成表を使用します。在庫再残高計算関連を示すには、「在庫再残高計算」を選択します。ソース・ルールと物流構成表は「物流プランナ」職責で使用する必要があります。Oracle Purchasingのソース・ルールと物流構成表には、「在庫再残高計算」フィールドがありません。
次の例では、東部組織(R2)と中部組織(R1)間の再残高計算設定を示します。在庫再残高計算関連を設定するには、R2とR1間の在庫再残高計算関連をR2ローカル・ソース・ルールとR2ローカル・ソース・ルールにそれぞれ指定する必要があります。 どちらの搬送センターも、通常は中央搬送センターD2から調達します。
次の表に、R1東部組織のソース・ルールを示します。
タイプ | 組織 | 仕入先 | 仕入先サイト | 在庫再残高計算 | 割付% | ランク | 出荷方法 | 移動時間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
移動元 | D2 | - | - | 選択解除 | 100 | 1 | トラック | 2 |
移動元 | R2 | - | - | 選択 | - | <空白> | Acme | 2 |
次の表に、R2中部組織のソース・ルールを示します。
タイプ | 組織 | 仕入先 | 仕入先サイト | 在庫再残高計算 | 割付% | ランク | 出荷方法 | 移動時間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
移動元 | D2 | - | - | 選択解除 | 100 | 1 | トラック | 2 |
移動元 | R1 | - | - | 選択 | - | <空白> | Ace | 2 |
次は、在庫再残高計算関連の指定に適用されるルールです。
在庫再残高計算関連を指定するには、グローバル・ソース・ルールではなく、ローカル・ソース・ルールおよび物流構成表を使用します。
「ランク」と「割付 %」のデフォルトは空白です。これらの設定は変更できません。「ランク」または「割付 %」に値が含まれている場合は、「在庫再残高計算」を選択できません。
出荷方法が空白の場合は、デフォルトの出荷方法が使用されます。
複数の在庫再残高計算ソースを指定できます。「在庫再残高計算 ランク」フィールドを使用して、計画エンジンによる調達の順序を制御します。最初は最高ランク・ソース(最小番号のランク)から調達されます。
ソース・ルールの各在庫再残高計算関連または各物流構成表エントリに対して、使用可能な出荷方法は1つのみです。選択した在庫再残高計算および同じ組織で、複数のソース・ルールまたは物流構成表明細は設定できません。
MPP、MPSおよびMRPの各計画では、在庫再残高計算関連は使用できません。
双方向の在庫再残高計算関連は、両方向に指定する必要があります。指定しないと、双方向の在庫再残高計算関連は完了しません。
在庫再残高計算ソースの1つに品目の供給計画がある場合、在庫再残高計算はその品目のいずれの方向にも実行されません。計画エンジンでは、供給計画がある組織品目の計画オーダーは作成できません。
次の例では、東部組織(R1)、中部組織(R2)および西部組織(R3)間の再残高計算設定を示します。在庫再残高計算関連を設定するには、R1、R2およびR3間の在庫再残高計算関連をR1ローカル・ソース・ルール、R2ローカル・ソース・ルールおよびR3ローカル・ソース・ルールにそれぞれ指定する必要があります。少なくとも1回、各ペアを指定する必要があります。
次の表に、R1東部組織のソース・ルールを示します。
タイプ | 組織 | 仕入先 | 仕入先サイト | 在庫再残高計算 | 割付 % | ランク | 在庫再残高計算 ランク | 出荷方法 | 移動時間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
移動元 | D2 | - | - | 選択解除 | 100 | 1 | <空白> | トラック | 2 |
移動元 | R2 | - | - | 選択 | - | <空白> | 0 | Acme | 2 |
移動元 | R3 | - | - | 選択 | - | <空白> | 1 | トラック | 2 |
次の表に、R2中部組織のソース・ルールを示します。
タイプ | 組織 | 仕入先 | 仕入先サイト | 在庫再残高計算 | 割付 % | ランク | 在庫再残高計算 ランク | 出荷方法 | 移動時間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
移動元 | D2 | - | - | 選択解除 | 100 | 1 | <空白> | トラック | 2 |
移動元 | R1 | - | - | 選択 | - | <空白> | 0 | Ace | 2 |
移動元 | R3 | - | - | 選択 | - | <空白> | 1 | トラック | 2 |
次の表に、R3西部組織のソース・ルールを示します。
タイプ | 組織 | 仕入先 | 仕入先サイト | 在庫再残高計算 | 割付 % | ランク | 在庫再残高計算 ランク | 出荷方法 | 移動時間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
移動元 | D2 | - | - | 選択解除 | 100 | 1 | <空白> | トラック | 2 |
移動元 | R1 | - | - | 選択 | - | <空白> | 0 | トラック | 2 |
移動元 | R2 | - | - | 選択 | - | <空白> | 1 | トラック | 2 |
在庫再残高計算関連では、最初に使い切り関連が作成されます。つまり、他の事業所から追加の供給が調達される前に、在庫再残高計算関連内の供給が最初に使用されます。たとえば、搬送センターDC1には、搬送センターDC2との在庫再残高計算関連と、在庫再残高計算以外の関連(製造施設M1との移動元関連)の両方があります。計画エンジンは、DC1で予測される不足をM1からの在庫で解決することを試みる前に、DC2からの予定在庫で解決することを試みます。
在庫再残高計算ロジックでは、需要優先度が考慮されます。在庫再残高計算が組織DC1と組織DC2間に指定されている場合、計画エンジンでは、供給を必要とするDC1の需要よりも優先度の高いDC2の需要には割当てる必要がない供給の一部のみを、DC2からDC1に移動するように計画します。そのために、計画エンジンでは、剰余予定使用可能残高とそれが存在する必要のある日数という概念が考慮されるのみです。
計画エンジンが在庫再残高計算で考慮する供給ソースは、次のとおりです。
確定供給: 手持、確定計画受入および確定計画オーダー。
剰余予定使用可能残高: これは、プロファイル・オプション「MSC: 在庫再残高計算剰余在庫ベース」の値に応じて、ターゲット在庫レベルまたは安全在庫の在庫レベルよりも高い予定使用可能残高の数量です。
在庫再残高計算関連では、ロード連結は実行されず、トリップは作成されません。社内購買依頼および社内受注は作成してリリースできます。
計画オプション「在庫再残高計算剰余日」を使用して、剰余を在庫再残高計算の需要に対する供給として使用する前に、剰余を使用可能な状態で維持する必要がある追加日数を指定します。これによって、翌日需要に対して必要となる可能性のある剰余が1日で使用されることが回避されます。この日数が0(ゼロ)の場合、剰余は各日の終了時にのみ存在している必要があります。次の表に、在庫再残高計算を使用する品目の在庫、供給および需要の位置関係の例を示します。
計画オプション「在庫再残高計算剰余日数」 = 3日間およびプロファイル・オプション「MSC: 在庫再残高計算剰余在庫ベース」 = 「安全在庫」
日付3に、3単位の剰余供給があります。日付6以降には剰余供給がありません。これは、日付9に需要があるためです。
エンティティ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
需要 | - | - | 3 | 5 | - | - | - | - | 15 | - |
供給 | - | 1 | - | 4 | 7 | - | - | 5 | - | 10 |
予定使用可能残高 | 16 | 17 | 14 | 13 | 20 | 20 | 20 | 25 | 10 | 20 |
安全在庫 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 |
剰余 | 3 | 3 | 3 | 3 | 10 | - | - | - | - | - |
トリップ連結のために、現在の計画の実行前に在庫の早期出荷が計画および確定されている場合は、現在の計画の実行によって、宛先組織に剰余が作成される場合があります。
在庫再残高計算は、短期的な在庫不足を解決するように設計されており、継続的な供給不足の解決を意図したものではありません。在庫再残高計算ソースは、需要がある最初の計画バケット内で考慮されます。最初の需要が組織Aで第2日にあると、第2日の需要を充足するために、在庫再残高計算による移動が推奨される場合があります。ただし、在庫再残高計算では、第2日の需要が第3日までに充足されるものと想定され、第3日の新規需要のみが考慮されます。つまり、在庫再残高計算では、あるバケットから次のバケットに未充足需要が繰り越されることはなく、全体の不足合計の充足は試行されません。
在庫再残高計算では、日次計画バケットと週次計画バケットの両方が考慮されます。「在庫再残高計算剰余日数」の値で計算された日付が、ソース組織の週末以外の日である場合は、計画エンジンによって保守的な方法が採用され、日付はその週次計画バケットの終了時まで延長されます。次に例を示します。
宛先組織は、金曜と土曜は稼働しません。
剰余日数は5日間です。
宛先組織での需要の期限は水曜です。
在庫再残高計算剰余の日付は、次の水曜です(需要期限の水曜 + 木曜、日曜、月曜、火曜、水曜)。
次の水曜が、金曜に終了するバケット内にある場合、計画エンジンは、在庫再残高計算剰余の日付を次の水曜から次の金曜に移動します。
週次バケットの在庫再残高計算結果を評価する際に、在庫再残高計算時には過去納期需要が繰り越されないため、通常は計画水平の後半にある週次バケットには在庫再残高計算が役立たない場合があります。
供給割付ルール
競合する在庫再残高計算の需要間での在庫割付には使用されません。
在庫再残高計算による移動に、オーダー・モディファイアを適用するために使用されます。物流計画では、品目属性であるオーダー・モディファイア「固定ロット乗数」および「オーダー数量端数処理」のみを使用します。
オーダー・モディファイアは、供給割付ルールに定義されている在庫再残高計算に対して使用され、オーダー・モディファイアがNULLの場合は、品目属性であるオーダー・モディファイア「固定ロット乗数」が使用されます。在庫再残高計算関連に対して供給割付ルールを定義すると、オーダー・モディファイアのみが需要優先度上書きとして定義され、フェア・シェア割付の選択は計画エンジンによって無視されます。
在庫再残高計算ルールでは、最終品目代替関連は考慮されません。
「供給割付ルール」フォームを使用して、単一出荷組織から複数の搬送先への割付を定義し、より中央に近い事業所からの供給割付方法を指定します。供給割付ルールは既存の割当セット内の品目と組織に割当てます。割当対象は組織のみで、顧客サイトには割当てません。定義内容は、次のとおりです。
タイムバケット内で供給不足になる場合に競合する需要間で供給を割り付ける方法
組織間需要の需要優先度を上書きする方法
ナビゲータから、「搬送計画」->「ソース」->「供給割付ルール」を選択します。
「供給割付ルール」フォームが表示されます。
供給割付ルールの名称と摘要を入力します。この情報を別の供給割付ルールからインポートするには、「コピー元」ボタンをクリックします。
「組織」フィールドに組織を1つ以上入力します。このフィールドに入力した組織は、その組織について「需要優先度 上書き」または「フェア・シェア割付」ゾーンで値を指定しなくても、両方について考慮されます。
「固定ロット乗数」に0より大きい整数を入力して、供給割付プロセスで使用する固定ロット乗数を設定します。固定ロット乗数は、割当済組織品目のオーダー・モディファイアとして使用されます。
この手順はオプションで、組織間移動にのみ使用されます。供給割付ルールで固定ロット乗数を定義しなければ、搬送計画では移動オーダーのサイズ設定に宛先組織の固定ロット乗数が使用されます。
「フェア・シェア割付」方法を次のいずれかに設定します。
現在の需要: 供給のフェア・シェアは、割付バケット内の需要の比率に基づきます。1つ以上の組織について比率を入力することもできます。入力した比率により、その組織の安全在庫率が上書きされ、残りの組織には需要率に基づいて残りの比率が比例配分されます。
安全在庫率: 組織のフェア・シェアは次のように計算されます。
フェア・シェア率 = 組織の安全在庫 / 全組織の安全在庫レベルの合計
1つ以上の組織について比率を入力することもできます。入力した比率により、その組織の安全在庫率が上書きされ、残りの組織には需要率に基づいて残りの比率が比例配分されます。
固定パーセント: 供給の固定パーセントが各宛先組織に割り付けられます。
入力したパーセントが割付処理中に使用され、使用可能な供給のうち組織が受け入れる必要のある最小数量が定義されます。割付中には、最大パーセントの組織が最初に考慮され、供給がそのパーセントまで割り付けられてから、次の組織が考慮されます。パーセントを定義済の組織がすべて考慮された後、残っている供給があれば先入れ先出し方式で割り付けられます。
オーダー・サイズ方法: フェア・シェアはオーダー・サイズ別に割り付けられます。
なし: フェア・シェアはなく、供給は先入れ先出し方式で需要に割り付けられます。
フェア・シェア割付方法は、「割当セット」フォームで割当てます。
詳細は、「フェア・シェア割付」を参照してください。
「パーセント」に、選択したフェア・シェア割付方法に必須の値を入力します。このフォームでは、選択したフェア・シェア割付方法に応じてパーセントが次のように検証されます。
「固定パーセント方法」: 組織ごとにパーセントを入力できます。
安全在庫率方法: 組織ごとにパーセントを入力できます。
現在の需要率方法: 組織ごとにパーセントを入力できます。
「オーダー・サイズ方法」: 「パーセント」は使用不可です。
なし: 「パーセント」は使用不可です。
「需要優先度 上書き」を設定して組織別の優先度を設定することもできます。ドロップダウンから「組織の選択」を選択し、各宛先組織の優先度を指定します。
割当セットの設定
ナビゲータから、「搬送計画」->「ソース」->「ソース・ルールの割当」を選択します。
ソース・ルールと物流構成表を割当てます。
組織、組織カテゴリまたは組織-品目レベルで供給割付ルールを割当てます。
供給割付ルールは出荷組織に割当てられ、供給不足の際の出荷組織による割付方法を指定します。
供給割付ルールの「割当先」値リストには、次の値が表示されます。
組織
カテゴリ-組織
品目-組織
供給割付ルールを品目レベルまたはグローバル・レベルで割当てることはできません。コンテキストは常に出荷組織またはソース組織固有です。供給割付ルールの出荷組織コンテキストになる組織を入力する必要があります。