Oracle Daily Business Intelligenceインプリメンテーション・ガイド リリース12 E06050-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
DBI for Quotingによって、営業担当の役員やマネージャは、見積から受注までのライフ・サイクルを分析できます。見積の変換と承認プロセスの効率に関する情報が、価格調整(値引または追加料金)が見積変換レートに与える影響とともに提供されます。この情報は、一連のキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)、レポートおよびグラフで表されます。
「見積管理」ダッシュボードには、見積処理の様々な側面に関する情報が一連のKPI、表およびグラフを使用して表示されます。このダッシュボードには、見積操作に関する様々なレポートからの情報が読みやすく連結されて表示されます。ダッシュボードとレポートのすべてのKPIはOracle E-Business Suite Quotingのトランザクション・システムから導出されます。
Daily Business Intelligence for Quotingでは、次の職責が用意されています。
Daily Quoting Intelligence: DBI for Quotingにアクセスするには、この職責を使用してSelf Serviceアプリケーションにログインする必要があります。ユーザーにはその営業グループの「マネージャ」または「管理者」のロールが割り当てられている必要があり、「メンバー」のロールではアクセスが許可されません。
関連項目
インテリジェンス領域別のすべての職責とダッシュボードの全リストは、「職責とダッシュボードのマトリックス」を参照してください。
Daily Business Intelligence for Quotingでは、次の一意のディメンションを使用します。
時間
営業グループ
品目
通貨
関連項目
共通ディメンションの詳細は、「共通ディメンション」を参照してください。
Daily Business Intelligence for Quotingでは、次のKPIを使用します。
KPI | 計算 |
---|---|
合計見積 | 現行の見積のステータスに関係なく、レポート期間中に受注に変換される可能性のあったすべての見積(件数および金額)を示します。見積の値は、最新バージョンの見積に基づきます。 |
変換済見積 | 変換済見積(件数と金額)は、レポート期間中に受注に変換された最新バージョンのすべての見積です。具体的には、レポート期間に受注日があり、ステータスが「オーダー発行済」の見積です。 範囲の開始/終了日は、その範囲内に含まれることに注意してください。たとえば、レポート期間が2003年 1月/1日から2003年 1月/31日とします。見積の最新バージョンが2003年 1月/1日または2003年 1月/31日に受注に変換された場合、その変換はこのレポート期間に算入されます。 |
オープン見積 | レポート期間中に失効していない、または受注に変換されていないすべての見積(件数と金額)を示します。 |
変換済金額% | 変換済見積値を合計見積値に対する比率で示します。 |
平均変換日数 | 最初のバージョンの見積の作成から、受注に変換する最新バージョンの見積までに要した平均日数を示します。 |
全発行 | 承認のために発行され、その承認期間の一部または全体がレポート期間内に含まれるすべての見積の件数を示します。 |
完了済発行 | 承認のステータスに関係なく、承認プロセスが完了したすべての承認発行の件数を示します。 |
全発行の承認済% | 各承認プロセスに対して発行された見積の承認比率。次のように計算されます。ステータスが「承認済」の見積の件数÷承認のために発行済の見積の件数× 100。 |
完了済発行の承認済% | 承認ステータスが「承認済」のすべての承認発行の件数を、承認プロセスが完了した全発行件数に対する比率で示します。 |
平均承認日数 | 承認のステータスに関係なく、見積が承認のために発行された日から見積の最終承認者に承認されるまでの、承認発行の承認に要した平均日数を示します。 |
平均承認者数 | 承認のステータスに関係なく、承認発行の承認に必要な承認者の平均人数を示します。 |
DBI for Quotingでは、Oracle Resource Managerの営業グループ・セキュリティ・モデル設定を使用して、コンテンツのアクセスと制限を実行します。このロール・ベースのセキュリティ・モデルでユーザーが表示できるのは、特定の営業グループ情報のみです。次に、アクセスを管理するルールについて説明します。
許可されるロール
DBI for Quotingへのアクセスは、次のOracle Resource Managerのいずれかの役割が割り当てられているユーザーに制限されます。
マネージャ
管理者
営業グループ・アクセス
ユーザー・アクセスは、次の営業グループまたは営業担当の情報の表示に制限されます(これらのグループ/営業担当は、営業グループ・パラメータに表示されます)。
ユーザーが所有する営業グループ
ユーザーが所有する営業グループの下位の営業グループと営業担当(営業グループ階層の現行のビューの定義に基づく)
ユーザーは、同位の営業グループ情報を表示できません。ユーザーは、営業グループ階層をその最下位レベルまでドリルダウンできます。
Oracle Quotingアプリケーションの設定はDBI for Quotingの実装前に済ましておく必要があります。Oracle Approvals ManagementアプリケーションもDBI for Quotingに情報を提供するため実装前に設定することをお薦めしますが必須ではありません。どちらのアプリケーションもOracle E-Business Suiteに含まれます。
次の表に、「見積管理」ダッシュボードおよび関連レポートの実装に必要な手順を示します。
このチェックリストに示す設定を取引アプリケーションの設定中または他のダッシュボードの設定中に完了している場合、設定を繰り返す必要はありません。
手順 | 職責 |
---|---|
Daily Business Intelligenceフレームワークの設定 |
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「実装に関する考慮事項」に記載されたアプリケーションのインストール |
|
バケット・セットのカスタマイズ設定(「Daily Business Intelligenceの設定」の章のバケット・セットのカスタマイズに関する項を参照)。「値引別見積要約」レポートではカスタマイズ可能なバケット・セット「見積値引バケット」を使用して値引範囲を定義。 | Daily Business Intelligence管理者 |
機能通貨を変換する場合は、プロファイル・オプション「BIS: Treasuryレート・タイプ」を設定します。このプロファイル・オプションの詳細は、このマニュアルの「Daily Business Intelligenceの実装」の章を参照してください。 |
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設定後の手順 |
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この項では、DBI for Quotingのマテリアライズド・ビューについて説明します。
リソース・グループに関連するマテリアライズド・ビュー
次のビューは上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せには使用しないでください。
ASO_BI_TOP_RSG_MV: このマテリアライズド・ビューには、使用可能な一意の営業グループに関する情報が格納されます。
ASO_BI_RSG_PRNT_MV: このマテリアライズド・ビューには、使用可能な一意の全営業グループの上位グループに関する情報が格納されます。最上位レベルの営業グループの場合は、上位グループIDとしてNULLが格納されます。
製品カテゴリの要約に関連するマテリアライズド・ビュー
ASO_BI_QLIN_L1_MV: このマテリアライズド・ビューには、製品カテゴリの要約に関する情報が格納されます。このレベル1のマテリアライズド・ビューでは、見積明細の製品カテゴリIDが取得され、1日単位で集計されます。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せには使用しないでください。
ASO_BI_QLIN_L2_MV: このマテリアライズド・ビューには、製品カテゴリの要約に関する情報が格納されます。このレベル2のマテリアライズド・ビューは、オープン、新規、および結合から変換した製品カテゴリのメジャーを提供します。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せには使用しないでください。
ASO_BI_QLIN_PC_MV: このマテリアライズド・ビューには、製品カテゴリの要約に関する情報が格納されます。このマテリアライズド・ビューでは、製品カテゴリ別、営業グループ別および時間別に見積明細情報が積み上げられます。これは、最上位レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せに使用できます。
営業グループの要約に関連するマテリアライズド・ビュー
ASO_BI_QOT_L1_MV: このマテリアライズド・ビューには、見積要約に関する情報が営業グループ別および製品カテゴリ別に格納されます。これは、基礎となるASOマテリアライズド・ビュー(ASO_BI_QUOTE_HEADERS_ALL)の結合から作成されたレベル 1のマテリアライズド・ビューです。
ASO_BI_QUOTE_HEADERS_ALL: このマテリアライズド・ビューには、新規、変換済、オープンなど、異なるメジャーに関するすべての部分の結合があります。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せには使用しないでください。
ASO_BI_QOT_SG_MV: このマテリアライズド・ビューには、見積要約に関する情報が営業グループ別に格納されます。これは、レベル2のマテリアライズド・ビューで、時間別と営業グループ別に積み上げられます。このマテリアライズド・ビューでは、合計、変換済、変換所要日数などの異なるメジャーが提供されます。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せには使用しないでください。
上位見積に関連するマテリアライズド・ビュー
ASO_BI_TOP_QOTB_MV: このマテリアライズド・ビューには、現期間のオープン見積および変換済見積が格納されます。このマテリアライズド・ビューでは、情報が見積ヘッダーおよび見積承認取引表から直接抽出されます。このマテリアライズド・ビューは、常に完全にリフレッシュされます。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せには使用しないでください。
ASO_BI_TOP_QOT_MV: このマテリアライズド・ビューには、営業グループ別に積み上げられた上位25ランクの見積が格納されます。このマテリアライズド・ビューは、ASO_BI_TOP_QOTB_MVに基づいています。
調整価格に関連するマテリアライズド・ビュー
ASO_BI_DISC_BUK_MV: このマテリアライズド・ビューには、見積要約に関する情報が調整価格レポート別に格納されます。これは、レベル1のマテリアライズド・ビューで、範囲の詳細は、カスタマイズ・データとシード・データの両方が格納されるbucket_customizations表から取得されます。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せには使用しないでください。
ASO_BI_QOT_DISCB_MV: このマテリアライズド・ビューには、見積要約に関する情報が調整価格レポート別に格納されます。これは、レベル2のマテリアライズド・ビューで、バケットIDを使用して見積が適格化されます。また、結合によって、オープン、新規および変換済のメジャーが提供されます。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せには使用しないでください。
ASO_BI_QOT_DISC_MV: このマテリアライズド・ビューには、調整価格レポートに関する情報が格納されます。このマテリアライズド・ビューは、営業グループ別と時間別に積み上げられ、合計や変換済のメジャーを提供します。これは、最上位レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せに使用できます。
承認に関連するマテリアライズド・ビュー
ASO_BI_QOT_APRB_MV: このマテリアライズド・ビューには、見積に関する集計済の承認情報が営業グループ別および時間別に格納されます。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せには使用しないでください。
ASO_BI_QOT_APR_MV: このマテリアライズド・ビューには、ASO_BI_QOT_APRB_MVから積み上げられた情報が営業グループ別および時間別に格納されます。これは、承認レポートで使用される最上位レベルのマテリアライズド・ビューです。
承認ルールに関連するマテリアライズド・ビュー
ASO_BI_QOT_RULB_MV: このマテリアライズド・ビューには、見積に関する集計済の承認ルール情報が営業グループ別および時間別に格納されます。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューであるため、実行時の問合せには使用しないでください。
ASO_BI_QOT_RUL_MV: このマテリアライズド・ビューは、承認ルール用の最上位レベルのマテリアライズド・ビューです。このマテリアライズド・ビューには、ASO_BI_QOT_RULB_MVからの承認ルール情報が営業グループ・ディメンション別および時間ディメンション別に積み上げられます。これは、承認ルール・レポートで使用される最上位レベルのマテリアライズド・ビューです。
営業グループ値リストが空白で表示されます。
営業組織の資源マネージャが正しく設定されているかどうか確認してください。
DBI for Quotingのユーザーが「マネージャ」ロールを持っていることを確認してください。
DBI for Quotingのレポートにアクセスした後で営業グループの設定を変更していないかどうか確認してください。変更している場合は、営業グループのデータが以前にキャッシュされている可能性があります。データをリフレッシュするにはDBI管理者でログインして「デバッグ・ユーティリティ」->「ダッシュボードのリフレッシュ」の順にナビゲートし、リフレッシュしたいダッシュボードのページ名を次の表を参照して入力します。
ページ名 | ダッシュボード |
---|---|
ASO_BI_QUOTE_MGMT_PAGE | 見積管理 |
製品カテゴリ値リストがDBI for SalesやOracle Quotingと一致しません。
これは設計にもとづいています。限定的でなくすべてのDBI製品に一貫するのはDBI for Salesが使用する製品カテゴリ値リストです。Oracle Quotingが使用する製品カテゴリ値リストはユーザーの営業単位の在庫組織に限定されたものです。