Oracle Daily Business Intelligenceインプリメンテーション・ガイド リリース12 E06050-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
Daily Business Intelligenceは、設定が容易なレポートの作成と分析の統合アプリケーションです。これによって、上級マネージャと役員は、セルフサービス・ダッシュボードを使用して、それぞれに関連した正確でタイムリな情報を表示できます。
「損益」ダッシュボード
各Daily Business Intelligenceダッシュボードは、特定の職務の管理職責用に設計されています。マネージャは、各ダッシュボードの要約情報から、基礎となるアプリケーションの詳細レポートまたは特定取引にドリルできます。
たとえば、「損益」ダッシュボードは利益センター・マネージャ用に設計されています。このダッシュボードには、収益、経費、営業利益のキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)を使用した損益情報が要約されています。マネージャは、ダッシュボード内で、「収益」リージョンにある要約情報から「収益」レポートなどの詳細レポートにドリルダウンしたり、Oracle Receivablesの特定取引にドリルダウンできます。
ユーザーがDaily Business Intelligenceにログインすると、ダッシュボードに表示される情報は、そのユーザーに割り当てられている職責とそのユーザーのOracle Applicationsセキュリティ・レベルに応じて変化します。このようにして、各マネージャには、各自の管理領域に関連するダッシュボードと情報のみが表示されます。たとえば、Oracle Purchasingで商品マネージャに表示されるのは、そのマネージャにアクセス権がある商品のみであり、Oracle Inventoryで在庫マネージャに表示されるのは、そのマネージャにアクセス権がある倉庫のみです。また、Oracle Human Resourcesでマネージャに表示されるのは、管理者階層に従ってそのマネージャの部下となっている従業員のみです。
Daily Business Intelligence固有の統一されたアーキテクチャによって、レポートの作成処理が簡略化され、マネージャは最も正確で、かつ最新のデータを表示できます。Daily Business IntelligenceはOracle E-Business Suiteの一部であり、単一のデータベースで実行されるため、レポート・データを取引インスタンスから別のレポート・インスタンスに複製する必要がありません。たとえば、Oracle Receivablesで請求書を記帳した場合、その請求書の「損益」ダッシュボードへの反映は、そのダッシュボードに対する初期または増分要求セットの次回実行時に行われます。データを更新するための追加処理は必要ありません。
Daily Business Intelligenceの統一されたアーキテクチャの他の一部分はディメンションです。時間、マネージャ、営業グループなどの共通ディメンションは、複数のダッシュボードや製品領域にわたって使用されます。ユーザーはこのディメンションを使用し、構成された階層で取引データを表示できます。たとえば、時間ディメンションを使用すると、週、月、会計期間、年などの異なる期間でデータを表示できます(使用できる期間はDaily Business Intelligenceのエンタープライズ・カレンダに基づきます)。さらに、インテリジェンス製品固有のディメンションもあり、これによって、財務カテゴリやプロジェクト・タイプなど、他の特定階層で取引データを表示できます。これらの階層は、ダッシュボードがリフレッシュされるたびに自動的に更新されるため、ダッシュボードの内容は、常にE-Business Suite内の現行の体系と同期化されています。
また、Daily Business Intelligenceの統一されたアーキテクチャでは、Oracle 9i リリース2以上のマテリアライズド・ビューと増分リフレッシュ機能を使用して、パフォーマンスが最適化されます。これによって、Daily Business Intelligenceでは大量のデータを効率的に要約できます。増分リフレッシュ機能を使用してDaily Business Intelligenceで更新されるのは、前回のリフレッシュ以降に変更されたデータのみです。さらに、Daily Business Intelligenceでは、データを日付単位で要約できるため、マネージャは日付ベースの真の比較を実行できます。たとえば、以前マネージャは、 2002年12月 12日の期中結果と 2001年12月の期末結果を比較できるのみでしたが、Daily Business Intelligenceでは、2002年12月12日の月累計結果と2001年12月12日の月累計結果を比較できます。
Daily Business Intelligenceを効率的に使用するには、次の用語を理解しておく必要があります。
ダッシュボード: Daily Business Intelligenceにおけるダッシュボードとは、特定職責のニーズを満たすために設計された要約データが格納されたポータルです。
ディメンション: ディメンションは、ダッシュボードまたはレポート内でデータを使用できる要約レベルを定義します。ディメンションは、フラット(都市の一覧など、オブジェクトの単純なリスト)または階層(グローバルな営業グループに対する地域営業グループなど、親子関係を持つオブジェクトのリスト)にできます。
機能領域: 機能領域は、ダッシュボード、レポートおよびKPIを論理カテゴリ単位で編成するために使用します。各機能領域は会計、サプライ・チェーン、営業などの1つのインテリジェンス領域にマップします。各機能領域はコンテンツのサブセットの所有者です。たとえば、「損益」や「費用管理」ダッシュボード、関連レポートおよびKPIなど、Daily Business Intelligence for Financialsのコンテンツの所有者は、会計機能領域です。カスタム・ダッシュボードおよびレポートを作成すると、顧客定義の機能領域にカスタム・コンテンツを割り当てることができます。これにより、事前シード済のコンテンツとカスタム・コンテンツを容易に区別できます。
パラメータ: パラメータは各ダッシュボードの上部に表示されます。パラメータによって、ダッシュボードに表示するデータを制御できます。パラメータはディメンションとも呼ばれますが、パラメータはダッシュボードまたはレポートのコンテキスト内でのディメンションです。各パラメータには、ダッシュボードまたはレポートのコンテキストに応じて異なるディメンション・オブジェクトを格納できます。
レポート: レポートとは、データをグラフ形式や表形式に要約したトランザクション表示です。
職責: 特定業務機能、または費用管理マネージャなどのユーザー用に設計されたOracle Applications職責。職責はインテリジェンス領域別に用意され、ダッシュボードへのアクセスを提供します。また、一部の職責は、複数のダッシュボードにまたがる複数機能を備えている場合があります。
リージョン: リージョンは、ダッシュボード上の固有の情報セットです。表、グラフ、パラメータ、KPI、シミュレーション・ビュー、RSSフィード、カスタム・スコアカードおよびリンクの8つのリージョン・タイプがあります。パラメータ・リージョンを除くすべてのリージョンから、さらに詳細なレポートやOracle Applicationsの取引詳細にドリルダウンできます。
注意: カスタム・スコアカード・ビューを使用できるのは、Oracle Balanced Scorecardをインストール済の場合のみです。
KPI: KPIは、レポートの作成に使用する収益や営業利益などのキー・パフォーマンス・インディケータまたは戦略的なビジネス・メトリックです。マネージャは、複数のKPIを使用して各自のパフォーマンスを比較および判断できます。
このマニュアルでは、Daily Business Intelligenceの様々なコンポーネントについて説明します。また、Daily Business Intelligenceレポートに対するOracle Applicationsの前提条件や、Daily Business Intelligenceの機能とダッシュボードの設定方法についても説明します。このマニュアルの対象読者は、Daily Business Intelligenceの実装計画を担当する機能ユーザーと技術ユーザー、およびDaily Business Intelligenceレポートをよく理解する必要のあるユーザーです。実装を開始する前に、このマニュアルを通読されることをお薦めします。
提供されるダッシュボードとレポートの詳細は、『Oracle Daily Business Intelligenceユーザー・ガイド』を参照してください。
Daily Business Intelligenceのレポート作成と分析フレームワークは、次のインテリジェンス領域で利用されています。
顧客サポート
デポ修理
フィールド・サービス
会計
人事管理
顧客対応センター
iStore/Web分析
保守
マーケティングおよび引合
買掛/未払金
製品ライフサイクル管理
プロジェクト
調達
見積
売掛/未収金
規制準拠
販売
サービス契約
サプライ・チェーン
各インテリジェンス領域は、Daily Business Intelligenceの機能領域にマップされています。
Daily Business Intelligence固有の統一されたアーキテクチャによって、企業全体での日々のレポート作成および分析が可能になります。次の各項では、このアーキテクチャがDaily Business Intelligenceをどのようにサポートしているかについて詳しく説明します。
Daily Business Intelligenceでは、Oracle単一インスタンスおよびOracle E-Business Suiteのアーキテクチャを使用しています。次の図は、Daily Business Intelligenceの様々な技術コンポーネントおよびそれらのコンポーネントが相互に動作する様子を示しています。
アーキテクチャの概要
この図については、後続の各項で詳しく説明します。
Daily Business Intelligenceのアーキテクチャの最も顕著な特徴は、Daily Business Intelligenceが取引システムと同じインスタンスである単一インスタンスに配置されることです。この単一インスタンス・アーキテクチャによって、別の保守管理チームが不要になり、レポート作成のパフォーマンスが最適化されます。
Oracle 9i リリース2以上のインスタンスのマテリアライズド・ビューと増分リフレッシュ機能によって、Daily Business Intelligenceでは大量のデータを効率的に要約できます。増分リフレッシュ機能により、初期ロードの完了後、Daily Business Intelligenceで更新されるのは、前回のリフレッシュ以降に変更されたデータのみとなります。増分要求セットは、毎日、毎時間または必要な頻度で実行されるように設定できます。
データを頻繁にリフレッシュする機能により、Daily Business Intelligenceでデータを日付単位で要約できるため、日付ベースの真の比較を実行できます。以前のリリースのインテリジェンス製品では、現期間の累計結果と前期間の期末結果との比較のみが可能でした。たとえば、以前のリリースでは、2003年12月12日の損益データと前年度の同日の損益データの比較はできませんでした。かわりに、2003年12月12日の結果と2002年12月の期末結果を比較する必要がありました。今回のリリースから、現期間である2003年12月12日の月累計結果と、前期間である2002年12月12日の月累計結果を正確に比較できるようになりました。
増分要求セットを実行すると、E-Business Suiteの表における変更がDaily Business Intelligenceに反映されます。
E-Business Suiteのアーキテクチャを使用して、Daily Business Intelligenceでは、標準のOracleレポートで使用できないエンタープライズにまたがる機能を使用できます。たとえば、Daily Business Intelligenceのマネージャ・レポートを使用すると、Oracle Human Resourcesに定義されている管理者階層をOracle General Ledgerに定義されているコスト・センター階層に関連付けることができるため、コスト・センターではなくマネージャ別に財務データを表示できます。
ベース要約表とマテリアライズド・ビューは、E-Business Suiteの表の上部に配置され、要約済のDaily Business Intelligenceデータを格納するために使用されます。各インテリジェンス製品には、各ダッシュボードのデータ・ソースとして使用されるベース要約表とマテリアライズド・ビューの固有のセットが付属しています。
メタデータ層は、ベース要約表とマテリアライズド・ビューの上部に配置され、ディメンション、職責、メニュー、要求セット、KPI、ダッシュボードおよびレポート間の複雑な関係を定義するために使用されます。メタデータはOracleで事前定義されており、変更できません。メタデータと基礎となる表およびビューとの関係は、「KPIの表示」および「ディメンション・オブジェクトの依存関係」レポートを使用して表示できます。
レンダリング・テクノロジは、メタデータ層の上部に配置され、ベース要約表、マテリアライズド・ビューおよびメタデータ層で定義されたデータに基づいて、ダッシュボードとレポートをレンダリングするために使用されます。ダッシュボードとレポートの共通機能については、『Oracle Daily Business Intelligenceユーザー・ガイド』を参照してください。
「要求セット・ジェネレータ」は、ダッシュボードまたはレポートに対して初期および増分要求セットを生成するツールです。要求セットには、ダッシュボードまたはレポートのロードまたはリフレッシュに必要なコンカレント・プログラムがすべて含まれています。そのため、データのロードやリフレッシュに関する問題(中途レコードなど)は発生しません。
要求セット・ジェネレータ
初期および増分要求セットは、要求セット・ジェネレータによって生成され、ダッシュボードおよびレポートをロードまたはリフレッシュするために使用されます。
関連項目
ディメンションによってデータ間の階層関係が定義されます。たとえば、時間ディメンションでは、カレンダ内の異なる期間の階層関係が定義されます。
各ディメンションには、ディメンション・オブジェクトが1つ以上含まれます。各ディメンション・オブジェクトは要約データの値リストを表します。たとえば、時間ディメンションには、それぞれが個別のディメンション・オブジェクトである複数のカレンダが含まれます。あるカレンダでデータを年次、四半期別、期間別、月次、週次または日次で要約し、別のカレンダではローリング期間別に要約できます。
ディメンションには、フラット・ディメンションと再帰型ディメンションがあります。
フラット・ディメンション: 階層型にできますが、項目間の階層は表示されません。
再帰型ディメンション: 項目間の階層が表示されます。
ダッシュボードまたはレポートでは、各ディメンションがパラメータ・リージョンに表示され、パラメータとして認識されます。各ダッシュボードまたはレポートには、時間や通貨のような一連の共通ディメンションが含まれています。また、プライマリ・ディメンションもあります。プライマリ・ディメンションは、KPIリージョンで比較する値を決めるディメンションです。プライマリ・ディメンションはダッシュボード・パラメータとして表示され、各ダッシュボードで異なります。
次のディメンションは、Daily Business Intelligence全体に共通しています。
一部のダッシュボードでは、他のディメンションも使用できます。このマニュアルには、どのダッシュボードでどのディメンションを使用するかに関する情報が記載されています。
通貨ディメンションは、財務データをすべての営業単位にわたって共通の通貨で表示できるようにするフラット・ディメンションです。このディメンションは、Oracle General Ledgerで定義される通貨と日次換算レート、およびDaily Business Intelligenceに対して設定した第1通貨または第2通貨に基づいて移入されます。
「グローバル・パラメータの設定」を参照してください。
顧客分類ディメンションは、顧客または他のパーティの分類に使用されるフラット・ディメンションです。このディメンションは、「パーティ・マーケット分類タイプ」グローバル・パラメータを定義するときに選択した分類に基づいて移入されます。パーティ・マーケット分類はOracle Trading Community Architectureで定義されます。
詳細は、『Oracle Customers Online User Guide』を参照してください。
在庫組織ディメンションは、倉庫または他の在庫組織間の階層関係を定義するフラット・ディメンションです。
在庫組織は、職責レベルで設定でき、Oracle Inventoryの「組織アクセス」ウィンドウで保護されます。
品目ディメンションは、品目間の階層関係を定義する再帰型ディメンションです。品目ディメンションには、「品目」、「カタログ」、「iProcurementカタログ」または「製品カタログ」などのディメンション・オブジェクトが含まれます。
品目ディメンションは、「製品管理 - 設計」などのダッシュボードで使用されます。
「品目ディメンション・レポート」を参照してください。
営業単位ディメンションは、企業内の営業単位の階層関係を定義する再帰型ディメンションです。
「営業単位セキュリティの設定」を参照してください。
営業単位階層
組織ディメンションは、企業内の組織間の階層関係を定義するフラット・ディメンションです。たとえば、会社、その子会社、プラント、各子会社に関連付けられた事業所間の関係を定義します。このディメンションは、複数のダッシュボードのコンテンツを構築するために使用されますが、ダッシュボードのプライマリ・ディメンションとして表示されることはありません。
個人ディメンションは、企業内のマネージャ間の階層関係を定義する再帰型ディメンションです。このディメンションは、Oracle Human Resourcesで定義されている管理者階層に基づいています。マネージャが参照できるのは、管理者階層内で下位のデータのみです。
営業グループ・ディメンションは、企業内の営業グループ間の階層関係を定義します。このディメンションは、Oracle Sales Onlineでの資源グループの設定方法に基づいています。
追加情報
営業担当が複数の営業グループに属している場合は、次のルールによってその担当の営業グループが選択されます。
その営業担当が、階層内の異なるレベルにある2つ以上の営業グループのメンバーである場合:
すべてのグループが有効で、同じ種別であると想定した場合、その営業担当は、階層内の上位グループに関連付けられます。「営業グループ階層の設定」にある図のApt, Peter M.は、「USA営業」と「業種別アカウント」の両方の営業グループに属しています。ただし、レポートでは、Apt, Peter M.は「USA営業」に表示されます。これは、「USA営業」が上位グループであるためです。
有効日の範囲外のグループは階層から除外されます。たとえば、「営業グループ階層の設定」の「USA営業」が失効している場合、レポートでは、Apt, Peter M.は「業種別アカウント」営業グループに表示されます。
種別が「営業およびテレセールス」以外のグループは階層から除外されます。たとえば、「営業グループ階層の設定」の「アフリカ営業」の種別が「営業報酬」で、「USA営業」の種別が「営業およびテレセールス」であるとします。この場合、レポートでは、Sprague, Helenaは「USA営業」グループに表示されます。
その営業担当が、階層内の同じレベルにある2つ以上の営業グループのメンバーである場合:
すべてのグループが有効で、同じ種別であると想定した場合は、営業担当が「営業」ロール・タイプに割り当てられているグループが、それ以外のロールに割り当てられているグループより優先して選択されます。
営業担当が、複数のグループで「営業」ロール・タイプを使用している場合は、「リソース」ウィンドウにある「グループ」タブ・リージョンの「グループ・メンバー役割」セクションがチェックされます。たとえば、あるグループでは営業担当に「営業マネージャ」のロールが割り当てられ、別のグループでは「サービス・マネージャ」のロールが割り当てられている場合、その営業担当には「営業マネージャ」のロールが割り当てられているグループが使用されます。
有効日の範囲外のグループは階層から除外されます。たとえば、「営業グループ階層の設定」にある「ヨーロッパ営業」グループが失効していて、「中東営業」グループは有効である場合、レポートでは、Mubarak, Mr. Taqiは「中東営業」グループに表示されます。
種別が「営業およびテレセールス」以外のグループは階層から除外されます。たとえば、「営業グループ階層の設定」の「アフリカ営業」の種別が「営業報酬」で、「USA営業」の種別が「営業およびテレセールス」であるとします。この場合、レポートでは、Sprague, Helenaは「USA営業」グループに表示されます。
時間ディメンションは、エンタープライズ・カレンダおよびグローバル開始日に基づいて、時間単位間の階層関係を定義します。エンタープライズ・カレンダおよびグローバル開始日は、Daily Business Intelligenceでグローバル・パラメータを設定する際に定義されます。
時間ディメンションでは、次のカレンダがサポートされています。
グレゴリオ暦階層: このカレンダを使用すると、標準の日次カレンダに基づいてデータを分析できます。グレゴリオ暦では、1年が12か月、4四半期、52週および365日で構成されています(グレゴリオ暦の日数は、その年がうるう年であるかどうかによって変わります)。年ごとに1つのレコードが作成されます。四半期は3か月として定義されます。たとえば、第1四半期には、1月、2月および3月が含まれます。他の四半期も同様に定義されます。このカレンダを使用している場合は、週または日のレベルにドリルダウンできません。データを週単位で分析する場合は、期間445カレンダまたは会計カレンダを使用する必要があります。
期間445階層: このカレンダを使用すると、データを週単位または期間4-4-5単位で分析できます。
エンタープライズ・カレンダ階層: このカレンダを使用すると、異なるアプリケーションにまたがってデータを分析できます。グレゴリオ暦と同じ基本構造が使用されます。
会計カレンダ階層: このカレンダを使用すると、複数の会計カレンダでデータを分析できます。このカレンダでは、データを日単位で分析できません。会計カレンダを使用している場合に分析できるのは、週レベルまでのデータのみです。
カレンダにおいて1年の期間が完全に定義されていない場合(365日の範囲から±14日のずれがある場合)、ディメンション・プログラムはエラーを生成します。
Daily Business Intelligenceでは、職責を使用してコンテンツおよび機能へのユーザー・アクセスを制限します。
職責は、Oracle Applicationsにおける権限のレベルを示します。この職責によって、ユーザーは、組織でのロールに応じた機能およびデータにアクセスできます。
Daily Business Intelligenceとそのインテリジェンス製品で提供される職責では、次の機能にアクセスできます。
特定のダッシュボードまたはダッシュボードのセット。たとえば、Daily Financials Intelligence職責に割り当てられたユーザーは、損益に関するダッシュボードおよび「費用管理マネージャ」ダッシュボードにアクセスできます。
その職責が実行できるコマンドや操作に簡単にナビゲートできるメニュー。
システム管理者は、適切な職責を各ユーザーに割り当てます。各職責を複数のユーザーに割り当てることも、各ユーザーを複数の職責に割り当てることもできます。
Daily Business Intelligenceには、次の職責が用意されています。
「Daily Business Intelligence管理者」職責: この職責を使用すると、Daily Business Intelligenceのすべての設定ウィンドウにアクセスできます。また、要求セット・ジェネレータなどの他のDaily Business Intelligenceツールにもアクセスできます。
「Daily Business Intelligenceデザイナ」職責: この職責を使用すると、カスタム・ダッシュボード、KPI、ディメンションおよびレポートを作成するためのすべてのツールにアクセスできます。
「スコアリング・マネージャ」職責: この職責を使用すると、加重KPIの加重およびスコアリング機能にアクセスできます。
各インテリジェンス領域には、ダッシュボードおよびレポートにアクセスできる一連の追加職責が用意されています。Daily Business Intelligenceで提供される職責の全リストは、「職責とダッシュボードのマトリックス」を参照してください。
必要に応じて新しい職責を定義し、選択した一連のダッシュボードとレポートへのアクセスを提供することもできます。
注意: 職責を定義する場合は、Oracle Self Service Web Applicationsに対して「使用可能 自」属性を設定します。
関連項目
『Oracle Applicationsシステム管理者ガイド - セキュリティ』の職責の定義に関する説明
ダッシュボード、リージョンおよびレポートの要約情報は、リレーショナルな要約表とマテリアライズド・ビューに基づいて作成されます。
Daily Business Intelligenceでは、「ベース要約表」という用語が使用されます。この表は、OLTP取引表から導出された集計データを格納するデータベース表です。
マテリアライズド・ビューは、問合せ結果を格納するデータベース・オブジェクトです。ユーザーは、マテリアライズド・ビューを使用して集計データを効率的に管理できます。
注意: マテリアライズド・ビューはOracle内部でのみ使用され、予告なしに変更される場合があります。
Daily Business Intelligenceで使用されるベース要約表とマテリアライズド・ビューの詳細は、Oracle Electronic Technical Reference Manual (eTRM)を参照してください。このマニュアルは、OracleMetaLink(Note: 150230.1)から入手できます。eTRMには、これらのオブジェクトのロードとリフレッシュに使用される要約フローを示すエンティティ関係図も記載されています。
特定のダッシュボードまたはレポートで使用されるベース要約表およびマテリアライズド・ビューを確認するには、「オブジェクト依存関係の表示」ユーティリティを使用してください。
生成ソース・レポートの場合、マテリアライズド・ビューのかわりにマルチディメンション構造を持つ分析ワークスペースを使用して、集計データを格納することもできます。
生成データ・ソース・レポートにおけるデータ要約の詳細は、『Oracle Balanced Scorecard管理者ガイド』を参照してください。
関連項目
Oracle MetaLink のeTRM(Note: 150230.1)
Daily Business Intelligenceの機能は、Oracle Applicationsの標準の機能セキュリティを使用して保護されます。職責を割り当てられたユーザーは、その職責のメニューにあるすべての機能にアクセスできます。
さらに、Daily Business Intelligenceのデータは、ユーザー・ベースと職責ベースのデータおよび機能セキュリティの組合せを使用して保護されます。この追加のセキュリティ層によって、次のパラメータへのアクセスが制限されます。
共通パラメータ
ダッシュボード固有のパラメータ
次のダッシュボードは、在庫組織別に保護されます。
顧客履行管理
在庫管理
製造管理
計画管理
出荷管理
倉庫管理
在庫組織(倉庫)は、職責レベルで設定でき、Oracle Inventoryの「組織アクセス」ウィンドウで保護されます。
職責別に権限が付与されている場合でも、特定のユーザーのダッシュボードには、そのユーザーの全職責にわたって承認されたすべての組織に基づいて、常に同じ在庫組織リストが表示されます。在庫組織のセキュリティ設定は、そのユーザーがアクセス可能な全職責に固有のものです。たとえば、ユーザーに3つの職責があり、各職責に異なる3つの在庫組織へのアクセス権がある場合、そのユーザーのダッシュボードには、合計9つの在庫組織が表示されます。つまり、特定ユーザーの全職責から全在庫組織が検出されます。
注意: Daily Business Intelligenceでは、Oracle Process Manufacturingの組織セキュリティは使用しません。営業単位と在庫組織へのアクセス権は、Oracle Applicationsにおける標準の営業単位と在庫組織のセキュリティ設定によって決まります。
関連項目
『Oracle Inventoryユーザーズ・ガイド』の組織アクセスの定義に関する項
次のダッシュボードは、営業単位別に保護されます。
商品費用管理
商品仕入先管理
買掛管理
買掛ステータス
調達管理
売掛管理
売掛金ステータス
サイト管理
サイト上位活動
サイト上位販売活動
営業単位は、セキュリティ・プロファイルをユーザーIDまたは職責に関連付けることで保護されます。同様に、セキュリティ・プロファイルは組織階層にも関連付けられます。
関連項目
『Oracle HRMSインプリメンテーション・ガイド』のセキュリティ・プロファイルに関する項
次のダッシュボードは、営業グループ別に保護されます。
営業管理
サービス契約管理
サービス更改管理
営業グループは、ログインしたユーザーの営業グループの職責(マネージャまたは管理者)に基づいて保護されます。ログインしたユーザーには、割り当てられている営業グループおよび下位の営業グループに対するアクセス権があります。
関連項目
『Oracle Sales Implementation Guide』
次のダッシュボードは、商品と営業単位の組合せ別に保護されます。
商品仕入先管理
商品費用管理
商品はOracle Purchasingに対して設定され、すべての組織および品目マスター全体でそれらの商品に割り当てられている商品マネージャに表示されます。特定の商品について他のマネージャがこれらのダッシュボードにアクセスできるように、任意の数の商品マネージャを割り当てることができます。
関連項目
次のダッシュボードは、地区別に保護されます。
フィールド・サービス管理
地区は、ログインしたユーザーの職責(マネージャまたは管理者)に基づいて保護されます。ログインしたユーザーには、割り当てられている地区および下位の地区に対するアクセス権があります。
関連項目
地区の設定については、「営業グループおよび地区階層の更新」を参照してください。
次のダッシュボードは、会社およびコスト・センターのディメンションの組合せによって保護されます。
損益分析
費用分析
資金管理
ユーザーは、会社とコスト・センターのセキュリティ設定で会社とコスト・センターの両方でアクセスを認められた情報に対してアクセスできます。
関連項目
損益分析、費用分析、資金管理のダッシュボードへのセキュリティの実装
次のダッシュボードは、「マネージャ」パラメータによって保護されます。
損益
マネージャ別損益
費用管理
「マネージャ」(コスト・センター)パラメータは、Daily Business Intelligenceのマネージャ・レポートを実装すると設定されます。マネージャがコスト・センターの管理を担当する場合は、このパラメータによって、ログインしたマネージャおよびマネージャの直接レポートのアクセスを制御します。
関連項目
次のダッシュボードは、マネージャ別に保護されます。
派遣就業者管理
HR管理 - 概要
HR管理 - 回転率
HR管理 - 人数
要員予算計画管理
これらのダッシュボードでは、「マネージャ」パラメータによって、ログインしたマネージャおよびマネージャの直接レポートへのアクセスが制御されます。マネージャは自身の部下を任意に選択できます。マネージャの階層は、Oracle Human Resourcesで管理者階層を設定すると定義されます。
関連項目
『Oracle HRMSインプリメンテーション・ガイド』
次のダッシュボードは、プロジェクト組織別に保護されます。
プロジェクト要約
プロジェクト組織ディメンションは、「PJI: 組織セキュリティ・プロファイル」を定義している場合に保護されます。このパラメータは、ログインしたユーザーがアクセスできるプロジェクト組織へのアクセスを制限し、ユーザー・レベルまたは職責レベルで設定できます。
関連項目
次のダッシュボードは、要求タイプ別に保護されます。
顧客サポート管理
このパラメータは、ログインしたユーザーの職責に付与されている要求タイプへのアクセスを制限します。
関連項目
『Oracle TeleService Implementation and User Guide』のサービス要求タイプに関する項
次のダッシュボードは、サイトと営業単位の組合せ別に保護されます。
サイト管理
Oracle iStore/Web分析で定義されているように、ユーザーは、ストアーに関連付けられている全営業単位に対してアクセス権がある場合にのみ、特定のストアーにアクセスできます。
関連項目
『Oracle Web Analytics Implementation and Administration Guide』