Oracle Daily Business Intelligenceインプリメンテーション・ガイド リリース12 E06050-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
Daily Business Intelligence (DBI) for Customer Supportは顧客からのサポート要求に対して組織がどのように対応したかに関する簡潔で包括的な情報を提供します。顧客サポート・マネージャは「顧客サポート管理」ダッシュボードから、バックログ、アクティビティ、解決、クローズに関するメトリックを参照できます。レポートを参照して当期のデータを前期と比較でき、時間、製品、要求タイプ、割当てグループ、顧客、重要度などの多様なディメンションに基づくデータの分析が可能です。ダッシュボードの冒頭に配置されたキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)には、重要な情報を一目で確認できるようなキー・メトリックの要約が表示されます。
データはOracle TeleServiceから取得します。
関連項目
『Oracle Daily Business Intelligenceユーザー・ガイド』
DBI for Customer Supportには、次のタイプのレポートが用意されています。
バックログ: バックログ・レポートには、オープン・サービス要求に関する情報が表示されます。このレポートでは、オープン・サービス要求の件数、サービス要求の平均経過期間、エスカレート済または未所有のオープン・サービス要求の比率、およびサービス要求の総件数に対するオープン・サービス要求の件数の比率がメトリックとして示されます。未解決のバックログ・サービス要求に関して同じ情報を表示するには、「解決ステータス」パラメータを「未解決」に設定します。詳細レポートには、要求番号別にサービス要求が表示されます。このレポートから、選択したサービス要求に関する追加詳細にアクセスできます。
活動: 活動レポートには、サービス要求に対して実行された処理に関する情報が表示されます。このレポートでは、期間内で最初にオープン、再オープンおよびクローズしたサービス要求の件数、およびオープン済対クローズ済比率がメトリックとして示されます。
解決: 解決レポートには、解決済サービス要求に関する情報が表示されます。このレポートでは、解決されて解決済のままのサービス要求の件数、サービス要求の解決までの平均日数、および解決済サービス要求の経過期間バケット別の件数と比率の内訳がメトリックとして示されます。詳細レポートには、要求番号別にサービス要求が表示されます。このレポートから、選択したサービス要求に関する追加詳細にアクセスできます。
クローズ: クローズ・レポートには、クローズ済サービス要求に関する情報が表示されます。このレポートでは、クローズ済サービス要求の件数、サービス要求をクローズするまでに必要な平均日数、およびクローズ済サービス要求の経過期間バケット別の件数と比率の内訳がメトリックとして示されます。詳細レポートには、要求番号別にサービス要求が表示されます。このレポートから、選択したサービス要求に関する追加詳細にアクセスできます。
DBI for Customer Supportに用意されているバックログ、活動、解決およびクローズのレポートの詳細は、『Oracle Daily Business Intelligenceユーザー・ガイド』を参照してください。
「顧客サポート管理」ダッシュボードは、顧客サポート・マネージャの機能役割を持つユーザー向けに設計されています。この役割を持つユーザーの職責は、次のいずれかになります。
「Daily Customer Support Intelligence」職責: 「顧客サポート管理」ダッシュボードのみにアクセスできます。
「顧客サポート・マネージャ」職責: 「顧客サポート管理」、「HR管理 - 概要」および「費用管理」の各ダッシュボードにアクセスできます。「HR管理 - 概要」および「費用管理」ダッシュボードの詳細は、「Daily Business Intelligence for Human Resources」および「Daily Business Intelligence for Financials」の各章を参照してください。
関連項目
インテリジェンス領域別のすべての職責とダッシュボードの全リストは、付録A「職責とダッシュボードのマトリックス」を参照してください。
DBI for Customer Supportでは次のディメンションが使用されます。一部のディメンションはDaily Business Intelligence全体に共通しています。すべてのサービス要求は、Oracle TeleServiceで作成されたサービス要求を指します。
この日付ディメンションは、ほとんどのレポートで、参照する日付を選択して情報を表示する際に使用されます。サービス要求バックログ経過期間の各レポートでは、指定日付ではなく最新の収集日が使用されます。詳細は、「Daily Business Intelligenceの設定」の章にある「実装に関する考慮事項」を参照してください。
期間ディメンションは、レポートで期間内の集計情報を表示する際に使用されます。選択オプションは「日」、「週」、「月」、「四半期」および「年」で、ロール期間は 7、30、90および 365日です。ロール期間とは、指定した日付からロールバックする日数です。たとえば、ロール期間が 30日間で、指定した日付が 1月 30日の場合は、1月1日から1月30日が対象期間になります。
比較ディメンションは、データの比較方法を提示するために使用されます。選択オプションは「前年度」および「前期間」です。
このディメンションはレポートの要求タイプ・パラメータとして表示されます。これはOracle TeleServiceに定義されたサービス要求タイプに対応します。これはダッシュボードとすべてのレポートのセキュリティで使用されるディメンションでもあります。
製品カテゴリ・ディメンションは製品カテゴリと製品の階層構造です。製品カテゴリの設定は製品レポート機能領域のデフォルト・カタログの中で定義されます。品目ディメンション・レポートを参照してください。
製品ディメンションはサービス対象の品目を示します。これは、サービス要求の製品に対応しています。製品はマスター組織レベルに存在します。サービス要求で製品が指定されていない場合、値は「指定されていない製品」と表示されます。
サービス要求に表示されている顧客です。
このディメンションはレポート内に「重要度」パラメータとして表示されます。サービス要求の重要度を示します。これらのオプションはOracle TeleServiceに定義されています。重要度のレベルは各重要度の相対的な重要性をランク付けするのに使用されます。
サービス要求が割り当てられるリソース・グループを示します。Oracle TeleServiceでリソース・グループが割り当てられていない場合、この値はリソース・グループに対して「未割当」と表示されます。
このディメンションはレポート内に「ステータス」パラメータとして表示されます。サービス要求のステータスを示します。ステータスはOracle TeleServiceで定義されています。
このディメンションはレポート内の「解決」ステータスとして表示されます。サービス要求が解決と未解決のどちらであるかを定義します。
このディメンションはバックログの経過期間バケット(たとえば0-5日、6-10日など)を示します。このディメンションの値は「顧客サポート管理 - バックログ経過期間」バケット・セットの中から選択されています。バケット・セットの詳細は、「バケット・セットのカスタマイズ」を参照してください。
このディメンションはレポート内に「チャネル」パラメータとして表示されます。サービス要求を生成するときに顧客との連絡チャネルとして参照されます。
このディメンションはレポート内の「バックログ・タイプ」パラメータとして表示されます。バックログにおけるサービス要求のタイプ(たとえば「エスカレート済」、「未所有」など)を定義します。
このディメンションは解決までの時間を示すバケット値(たとえば0-5日、6-10日など)をまとめたものです。サービス要求は要求を解決するまでにかかった時間に応じたバケットに分類されます。このディメンションの値は「サービス要求 - 解決実績」のバケット・セットから選択されます。詳細は、「バケット・セットのカスタマイズ」を参照してください。
このディメンションはクローズまでの時間を示すバケット値(たとえば 0-5日、6-10日など)をまとめたものです。サービス要求は要求をクローズするまでにかかった時間に応じたバケットに分類されます。このディメンションの値は「顧客サポート管理 - クローズ・サイクル時間」のバケット・セットから選択されます。詳細は、「バケット・セットのカスタマイズ」を参照してください。
関連項目
共通ディメンションの詳細は、「共通ディメンション」を参照してください。
DBI for Customer Supportでは次に示すKPIを提供します。
「顧客サポート管理KPI」の目的は、顧客サポート組織のキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)の最新ステータスを迅速に参照できるようにすることです。このリージョンには、「サービス要求バックログ」、「サービス要求活動」およびサービス要求解決およびクローズ実績の各レポートに関する要約情報が表示されます。
KPIに関する追加情報を参照するには、表内の行項目をクリックしてレポート全体を表示します。または、「サービス要求バックログ」、「サービス要求活動」または「サービス要求解決」および「クローズ実績」の各レポートにスクロール・ダウンします。
KPI表には、次の列が表示されます。
KPIの名称。
表にデータが集計される期間。この期間は「期間」パラメータに基づきます。
選択した期間と、「比較」パラメータに指定した比較期間との増減。各メトリックは次のように計算されます。
パーセント: 件数を表す数値の場合、増減はパーセントで表示され、次のように計算されます。
(現行のメジャー - 比較期間のメジャー)/比較期間のメジャーの絶対値 * 100
増減: 日数、パーセントまたは率を表す数値の場合、増減は次のように計算されます。
現行のメジャー - 比較期間のメジャー
これは、ダッシュボードの上部のドロップダウン・リストに表示される要求タイプに対応しています。要求タイプは、最も望ましくない要求タイプから順に、左から右へリストされます。表示されるのは、ユーザーの職責でアクセス可能な要求タイプのみです。
この項では、KPIリージョンのメトリック、およびその計算方法について説明します。
サービス要求バックログ: 選択した日付の時点でオープンになっているサービス要求の件数です。このKPIは、「サービス要求バックログ」レポートにリンクしています。
未解決のサービス要求バックログ: 選択した日付の時点で未解決のオープン・サービス要求の件数です。このKPIは、「サービス要求バックログ」レポートにリンクしています。
未解決のエスカレート済バックログ%: 未解決のエスカレート済バックログ・サービス要求の件数 / 未解決のバックログ・サービス要求の件数 * 100
選択した日付時点で未解決のバックログ・サービス要求の件数に対する、未解決のエスカレート済サービス要求の件数の比率です。このKPIは、「サービス要求バックログ分布」レポートにリンクしています。
未解決未所有バックログ%: 未解決未所有のバックログ・サービス要求の件数 / 未解決のバックログ・サービス要求の件数 * 100
選択した日付時点で未解決のバックログ・サービス要求の件数に対する、未解決未所有サービス要求の件数の比率です。このKPIは、「サービス要求バックログ分布」レポートにリンクしています。
サービス要求オープン済活動: オープンされたサービス要求の件数です。最初にオープン済、および再オープン済のサービス要求が含まれます。オープン済活動は、選択した日付と期間に基づく累計メジャーです。このKPIは、「サービス要求活動」レポートにリンクしています。
サービス要求クローズ済活動: クローズされたサービス要求の件数です。クローズ済活動は、選択した日付と期間に基づく累計メジャーです。このKPIは、「サービス要求活動」レポートにリンクしています。
解決までの平均時間(日数): サービス要求の解決までに要した時間の合計 / 解決したサービス要求の最新件数
ある期間中に解決したサービス要求の解決までの平均時間です。このKPIは、「サービス要求解決要約」レポートにリンクしています。
次に示すKPIも使用可能ですが、これらを使用するにはDaily Business Intelligenceデザイナの職責を用いてダッシュボードに追加する必要があります。
サービス要求クローズ時間: サービス要求のクローズまでに要した時間の合計 / クローズしたサービス要求の最新件数
ある期間中にクローズしたサービス要求の解決までの平均時間です。このKPIは、「サービス要求クローズ要約」レポートにリンクしています。
サービス要求未所有バックログ・パーセント: 未所有バックログ・サービス要求の件数 / バックログ・サービス要求の総件数 * 100
バックログ・サービス要求の総件数に対する、未所有バックログ・サービス要求の件数の比率です。このKPIは、「サービス要求バックログ分布」レポートにリンクしています。
サービス要求エスカレート済バックログ・パーセント: エスカレート済バックログ・サービス要求の件数 / バックログ・サービス要求の総件数 * 100
バックログ・サービス要求の総件数に対する、エスカレート済バックログ・サービス要求の件数の比率です。このKPIは、「サービス要求バックログ分布」レポートにリンクしています。
Oracle TeleServiceでは必要に応じてセキュリティが提供されます。これは、職責に基づいてユーザーが参照できるサービス要求タイプを管理することによって行われます。「顧客サポート管理」ダッシュボードと関連のレポートでは、現行の職責に基づいてユーザーがアクセスできるサービス要求タイプに対応したデータのみを戻すことによって、同じセキュリティを維持します。セキュリティが無効な場合、ユーザーはすべてのサービス要求にアクセスできます。
Oracle Daily Business Intelligenceを実装した後、Oracle TeleServiceを開いてサービス要求タイプを新しい職責にマッピングすることによりセキュリティを使用可能にします。サービス要求タイプの設定方法の詳細は、『Oracle TeleService Implementation Guide』を参照してください。
関連項目
セキュリティの詳細は、「Daily Business Intelligenceのセキュリティ管理」を参照してください。
DBI for Customer Supportを実装する際は、次の事項を考慮してください。
Oracle TeleService
詳細は、「ハードウェアとソフトウェアの前提条件の確認」を参照してください。
この製品階層は製品レポート機能領域のデフォルト・カタログに定義されています。各品目は製品カテゴリに割り当てられ、割り当てられていない品目はレポートに「未割当」と表示されます。
この階層の設定方法の詳細は、「品目ディメンション・レポート」を参照してください。
詳細は、「データの保護」を参照してください。
「顧客サポート・マネージャ」職責を持つユーザーには、次のダッシュボードへのアクセス権があります。
HR管理 - 概要
費用管理
「顧客サポート管理」ダッシュボードを実装するためにこれらのダッシュボードを使用可能にする必要はありません。これらを実装する場合は、「HR管理 - 概要」と「費用管理」の各ダッシュボードのデータが管理階層のマネージャに対してのみ表示されるように注意してください。これらのダッシュボードを有効化するには、「Daily Business Intelligence for Human Resources」と「Daily Business Intelligence for Financials」の各章を参照してください。
「HR管理 - 概要」および「費用管理」の各ダッシュボードに特定のユーザーがリンクしないようにするには、そのユーザーに「Daily Customer Support Intelligence」職責を割り当ててください。この職責では、これらのダッシュボードへのリンクが表示されません。
DBI for Customer Supportの職責の詳細は、この章の「職責」を参照してください。
次の表に、「顧客サポート管理」ダッシュボードおよび関連レポートの実装に必要な手順を示します。
このチェックリストに示す設定を取引アプリケーションの設定中または他のダッシュボードの設定中に完了している場合、設定を繰り返す必要はありません。
特に明記しないかぎり、同時に複数の設定を実行できます。
手順 | 職責 |
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サービス監査表履歴のアップグレード | サービス |
Daily Business Intelligenceフレームワークの設定 |
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品目ディメンション・レポートの設定 DBI for Customer Supportでは、この処理は製品ディメンションの作成を含みます。 |
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設定後の手順 |
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DBI for Customer Supportを最初にインストールして設定し、Oracle Applicationsリリース11.5.10より前のバージョンからOracle TeleServiceデータをアップグレードする場合は、サービス監査表履歴をアップグレードする必要があります。サービス監査表履歴をアップグレードするには、「サービス: 監査データを再フォーマットするプロセス」コンカレント・プログラムを実行します。サービス要求監査機能で使用する監査書式は、以前のリリースの書式と異なっています。このコンカレント・プログラムでは、既存のサービス要求監査レコードを処理し、新しい書式に適合させます。
このコンカレント・プログラムはライブ・インスタンスで実行でき、ロックの問題は発生しません。コンカレント・プログラムでは、すでに処理されているデータを再処理しません。このコンカレント・プログラムで受け取るパラメータは次のとおりです。
プロセス停止日: コンカレント・プログラムで処理されるのは、この停止日より後に更新されたサービス要求の監査レコードのみです。監査レコードが数百万にもおよぶ場合は、監査レコードをバッチ処理すると処理時間を短縮できます。たとえば、最初のバッチで最近6か月間に更新されたサービス要求の監査レコードを処理し、次のバッチでは、最初のバッチより6か月遡った期間の監査レコードを処理できます。
ワーカー数: コンカレント・プログラムは、パラレル・ワーカーを使用して実行するように設計されています。プログラムでは、このパラメータの値と同じ数のパラレル・ワーカーを実行します。1回のバッチ処理に含まれる監査レコードの数が数千におよぶ場合は、パラレル・ワーカーを使用すると便利です。ただし、パラレル・ワーカー数が多すぎると、アプリケーションのパフォーマンスが低下する可能性があることに注意してください。
このコンカレント・プログラムは、「サービス」職責を持つユーザーが使用できます。このプログラムの詳細は、『Oracle TeleService Implementation Guide』を参照してください。
品目ディメンションを設定することで、DBI for Customer Supportの製品ディメンションが作成されます。DBI for Customer Support内のすべての品目はOracle Inventoryの品目マスターのものです。Oracle Inventory内の販売対象品目だけがDBI for Customer Supportの製品とみなされます。
必要に応じて、品目を製品カテゴリにグループ化したり、階層的に構造化できます。DBIレポートに表示するすべての品目が製品カテゴリに関連付けられていることを確認してください。関連付けられていない品目は、レポートの「未割当」カテゴリに表示されます。品目ディメンション、製品カテゴリおよび製品階層の設定方法は、「品目ディメンション・レポート」を参照してください。
関連項目
設定が完了した後は、次の保守タスクと管理タスクを実行する必要があります。
Oracle Serviceからのサービス要求をパージした場合、レポート内に不正確なデータが表示されたりデータの不整合が生じるのを避けるために初期要求セットを実行する必要があります。
初期要求セットの「全要約の消去およびロード」オプションを選択しておく必要があります。要求セットの詳細は、「初期および増分要求セットの作成」を参照してください。
この項では、DBI for Customer Supportの実装時に発生する可能性がある問題の解決方法について説明します。
ロード要求の発行時に、「表領域を拡張できません」というエラーが発生した場合の対処方法
データベース管理者に連絡して問題の解決を依頼してください。
「顧客サポート管理」ダッシュボードをロードしてもデータが表示されない場合の対処方法
サービス要求を表示するためにOracle TeleServiceで設定されたセキュリティ・レベルを確認してください。Oracle TeleServiceでは、オプションでユーザーの職責に基づくセキュリティを提供しています。「要求タイプ」ディメンションをチェックすることで、セキュリティに関する問題があるかどうかを確認できます。「要求タイプ」ディメンションの選択オプションとして「全て」のみが表示される場合は、セキュリティに関する問題が発生しています。詳細は、「データの保護」を参照してください。
解決日がないサービス要求の場合に解決までの時間を計算する方法
クローズ済サービス要求はすべて解決済とみなされます。したがって、サービス要求に解決日がない場合、解決までの時間はクローズ日を解決日として計算されます。