Oracle Daily Business Intelligenceインプリメンテーション・ガイド リリース12 E06050-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでは、キー・パフォーマンス・インディケータおよび詳細レポートを通じて、構想から廃止までの製品のライフサイクル全体にわたって、製品の 360度ビューが提供されます。この結果、企業は、開発中、製造時および市場で、製品の実績を計画、監視および最適化できます。
次の各ダッシュボードで情報が提供されます。
製品管理
製品管理 - 設計
「製品管理」ダッシュボードでは、製品の360度ビューが提供され、いくつかのキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)を通じて、製品の実績を監視できます。
このダッシュボードには、次のアプリケーションの情報が要約されます。
Oracle General Ledger
Oracle Inventory
Oracle Order Management
Oracle Receivables
Oracle Sales
Oracle Service
「製品管理 - 設計」ダッシュボードを使用すると、主要な設計指標を表示して、管理している品目に関する貴重な情報を取得できます。
このダッシュボードには、次のアプリケーションの情報が要約されます。
Oracle Engineering
Oracle Bills of Material
Oracle Cost Management
Oracle Product Lifecycle Management
次のアプリケーションの品目レベルの詳細が表示されます。
Oracle Product Lifecycle Management
Oracle Inventory
関連項目
『Oracle Daily Business Intelligenceユーザー・ガイド』
Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementが提供するダッシュボードは次のとおりです。
「製品管理」ダッシュボードでは、製品管理サイクルの360度ビューが提供されます。含まれるKPIは次のとおりです。
記帳値
バックログ額
売上原価
在庫価額
その他費用
製品利益
収益
販売予測
オープン商談
オープン引合
有効なサービス契約残高
新規サービス要求
このダッシュボードにアクセスするには、「Daily Product Intelligence」職責または「製品マネージャ」職責を使用します。
「製品管理 - 設計」ダッシュボードを使用すると、製品の設計および製造プロセスを監視できるため、迅速で的確な設計上の判断が可能になります。含まれるキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)は次のとおりです。
BOMレベル
変更オーダー・サイクル時間(日数)
製造手順
新規変更オーダー
オープン変更オーダー
部品数量
品目は部品数量と製造手順によってその複雑度を測定するように設計されており、その品目に対して作成された変更オーダーの件数と、遅延している変更オーダーの件数を確認できます。
このダッシュボードにアクセスするには、「Daily Product Intelligence」職責、「設計マネージャ」職責または「製品マネージャ」職責を使用します。
Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementが提供するロールと職責は次のとおりです。
Daily Product Intelligence : 「製品管理 - 設計」ダッシュボードと「製品管理」ダッシュボードへのアクセスが提供されます。
設計マネージャ: 「製品管理 - 設計」ダッシュボードへのアクセスが提供されます。「HR管理」ダッシュボードと「費用管理」ダッシュボードへのリンクも提供されます。
製品マネージャ: 「製品管理」と「製品管理 - 設計」ダッシュボードへのアクセスが提供されます。「HR管理」ダッシュボードと「費用管理」ダッシュボードへのリンクも提供されます。
関連項目
インテリジェンス領域別のすべての職責とダッシュボードの全リストは、付録A「職責とダッシュボードのマトリックス」を参照してください。
Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementが使用する共通ディメンションは次のとおりです。
時間
通貨
品目
組織
営業グループ
顧客
変更オーダー・タイプ
変更オーダー優先度
変更オーダー・ステータス
変更オーダー事由
ライン・オブ・ビジネス
返品事由
関連項目
共通ディメンションの詳細は、「共通ディメンション」を参照してください。
このダッシュボードに表示されるキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)は次のとおりです。
BOMレベル: 品目の基本部品構成表に定義された最大レベル数。組立ての深度を表します。
変更オーダー・サイクル時間 (日数): 変更オーダーの実施までに要する平均時間。この計算で考慮されるのは、個別の変更オーダー・ヘッダー、明細レベルの品目関連および改訂品目のみです。変更オーダーの要素(優先度、実施日、希望入手日、作成日、ステータス)はすべてヘッダー・レベルから取得されます。変更オーダーの詳細は、『Oracle Engineeringユーザーズ・ガイド』の設計変更に関する項を参照してください。
製造手順: 製品の製造に必要な工程連番の数。品目の基本工順で定義されます。最終組立に対して定義されていて、現在日時点で有効な工程連番のみが考慮されます。基本工順の詳細は、『Oracle Bills of Materialユーザーズ・ガイド』の工順に関する項を参照してください。
新規変更オーダー: 現期間にこの製品に対して生成または発生した変更オーダーの合計数。
オープン変更オーダー: 現在日時点で実施日または取消日が設定されていない変更オーダーの合計数。選択した日付より後の実施日または取消日が設定されている変更オーダーも含まれます。
部品数量: 品目の基本部品構成表における最終レベルの構成部品の数量。それぞれの構成部品の量は関係なく、製品の基本部品構成表の個々の構成部品がすべて集計されます。現在日時点で有効な構成部品のみがこの値に含まれます。
たとえば、次の図は、3つの構成部品(B、DおよびE)がある製品を示しています。部品Cは、別個の構成部品DとEで構成されているため、部品数量には含まれません。また、各部品の量も考慮されません(B=3、D=1、E=2)。
製品Aの部品構成表
異なる方法で計算される品目もあります。オプション品目は、標準、受注組立(ATO)、およびKIT品目タイプの場合は計算に含まれます。受注ピック(PTO)品目タイプのオプション品目は計算から除外されます。
部品数量の詳細は、『Oracle Bills of Materialユーザーズ・ガイド』を参照してください。
単位原価: 選択した品目の原価。原価要素(資材、間接材料費、リソース、アウトソーシングおよび間接費)別に単位原価が示されます。組織の評価対象原価タイプのみがこの原価に含まれます(例: 標準原価)。
このダッシュボードには、次のメジャーが表示されます。このダッシュボードのKPIはすべて、子組織のトランザクションがすべて考慮された後で、マスター品目レベル(販売可能製品)で集計および表示されます。
記帳済額: 記帳されている顧客(外部)受注明細の品目の合計額。これらの受注は履行済の場合と未履行の場合があり、記帳日に基づいて集計されます。社内受注は除外されます。
記帳済額 = (記帳済数量 * 販売価格)
バックログ額: 記帳された後、まだ履行されていない顧客(外部)受注明細の品目の合計額。APICS定義の「オープン受注」と同じです。
売上原価: 出荷製品に関連付けられた品目原価の合計。売上原価は、Oracle Shippingで売原勘定科目に記帳されたときの出荷原価です。
在庫価額: 期末在庫の原価合計。手持在庫、移動中在庫、仕掛(WIP)在庫が含まれ、経費品目、経費保管場所内の資産品目、およびOracle Process Manufacturing非在庫品目は除外されます。
その他費用: 選択した期間内の選択した製品カテゴリに対する、いずれかの財務カテゴリに属するすべての費用(売上原価を除く)。たとえば、マーケティング費用や一般管理などで、通常はライン・オブ・ビジネスに従います。
製品利益: 選択した期間内の選択した製品カテゴリに対する費用を考慮した後で、製品によって生成される純利益。
製品利益 = (収益 – (売上原価 + その他費用) /収益) * 100
収益: 選択した期間に製品によって生成された収益。Oracle Order Managementで販売および処理された全品目の売上。これは、Oracle Receivablesの最終請求から取得される、製品に直接起因する収益です。
販売予測: 選択した営業グループの下位のマネージャが最後に発行した予測。
オープン商談: すべてのオープン商談の営業実績額の合計。
オープン引合: 「現在日」に基づいて選択された期間に、クローズされていない、商談に変換されていない、または終了のマークが付けられていない引合の件数。
有効なサービス契約残高: 「現在日」時点で「有効」ステータスであるすべてのサービス契約明細の合計額。
新規サービス要求: 選択した期間にオープンされたすべての新規サービス要求の件数。
「製品管理」ダッシュボードは、基本的なOracle Daily Business Intelligenceのセキュリティ・モデルのみを使用します。
基本的なOracle Daily Business Intelligenceセキュリティ・モデルに加えて、Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでは、「製品管理 - 設計」ダッシュボードでどのユーザーがどの組織にアクセスできるかを判別するために、組織セキュリティが使用されます。組織セキュリティの詳細は、「営業単位セキュリティの設定」を参照してください。
関連項目
セキュリティの詳細は、「Daily Business Intelligenceのセキュリティ管理」を参照してください。
Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementの設定を始める前に共通して考慮すべき項目を説明します。
Oracle Inventory(品目)
Oracle Product Lifecycle Management
Oracle Bills of Material(部品構成表と工順)
Oracle Cost Management(単位原価)
Oracle Order Management
Oracle Engineering
「製品管理」ダッシュボードについて、次の実装に関する考慮事項があります。
使用する職責にサービス・プロバイダの分類があり、すべての要求タイプに対するアクセス権があることが必要です。サービス・セキュリティの詳細は、Daily Business Intelligence for Serviceに関する項を参照してください。
職責に、営業グループ階層の最上位ノードに対する管理者アクセス権があることが必要です。営業セキュリティの詳細は、「Daily Business Intelligence for Sales」の章を参照してください。
製品費用のレポート作成を可能にするには、次の手順を実行します。
財務ディメンション階層マネージャを使用して、勘定科目を対応する財務カテゴリにマップします。
勘定体系の範囲を製品カテゴリにマップします。
ライン・オブ・ビジネスをコスト・センターにマップします。
製品費用の設定方法の詳細は、「Daily Business Intelligence for Financials」の章を参照してください。
Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementの各ダッシュボードとレポートに、履行、返品および在庫価額を表示するには、サプライ・インテリジェンスの設定を完了します。「Daily Business Intelligence for Supply Chain Intelligence」の章を参照してください。
「製品管理 - 設計」ダッシュボードについて、次の実装に関する考慮事項があります。
レポートする品目をOracle InventoryまたはOracle Product Lifecycle Managementで設定していることを確認します。
レポートするすべての変更オーダーの属性が、Oracle Product Lifecycle Management(例: ステータス)またはOracle Engineeringで定義されていることを確認します。
レポートする各品目に、Oracle Bill of Materialで定義されている基本部品構成表があることを確認します。Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでは、有効な構成部品のみがレポートされます。有効日がすぎている構成部品は含まれません。
要約でカウントされる部品は、「BOM展開レベルの設定」パラメータによって限定されます。このパラメータは組織ごとに 1回設定されます。その結果、パラメータが1に設定されている場合は、要約によって1レベルのBOMにのみ要約されます。このパラメータの最大設定は60です。
部品数量
たとえばこのパラメータが2に設定してあるときに前述の図に示す部品数量が定義されている場合、Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementの要約では、A、BおよびCがレポートされ、DとEは要約から除外されます。したがって、合計部品数量は 3になります。
レポートする各品目に、Oracle Bill of Materialで定義されている工順があることを確認します。Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでレポートされるのは基本工順の工程であり、選択した日付時点で有効な工程のみです。有効日がすぎている工程は含まれません。
Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでは、組織に対するデフォルトの原価方法に関連付けられている評価対象原価のみがレポートされます。レポートするすべての原価が評価対象原価として定義されていることを確認してください。原価は、最終組立レベルで計算されます。
「製品管理 - 設計」と「製品管理」の各ダッシュボードとその関連レポートを実装するには、次の表にまとめた手順を実行する必要があります。
このチェックリストに示す設定を取引アプリケーションの設定中または他のダッシュボードの設定中に完了している場合、設定を繰り返す必要はありません。
特に明記しないかぎり、同時に複数の設定を実行できます。
手順 | 職責 |
---|---|
Daily Business Intelligenceフレームワークの設定 |
|
マネージャ・レポートの作成 |
|
品目ディメンション・レポートの設定 |
|
設定後の手順 |
|
設定が完了した後は、次の保守タスクと管理タスクを実行する必要があります。
単価の変更
変更オーダー
部品構成表の部品数量の変更
工順の製造手順の変更
財務ディメンションのマッピングの変更
通常、ソース・データまたはOracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementの設定を変更するたびに、増分要求セットを再実行してデータをリフレッシュする必要があります。
標準原価タイプ以外の原価タイプの場合、Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementで単価の変更がレポートされるのは、単価が取引レベルで変更された場合(例: 「その他取引」ウィンドウで変更された場合)のみです。
標準原価タイプの場合、Oracle Daily Business Intelligence for Product Lifecycle Managementでレポートされるのは確定原価のみです。確定原価の変更は「単位原価」ウィンドウで行う必要があります。変更は原価の更新プロセスの実行後にレポートに反映されます。
すべての変更は、増分要求セットの実行後にダッシュボードとレポートに反映されます。
増分要求セットを実行して、変更を反映します。
基本部品構成表の変更は、増分要求セットの実行後に反映されます。
組織のリストは、初期要求セットの実行時に移入されます。増分要求セットの実行時には、一時表が参照されて最終リフレッシュ後に変更された組織が特定され、これらの組織のみが更新されます。
基本工順のすべての変更は、増分要求セットの実行後に反映されます。
財務カテゴリ(収益など)、製品またはライン・オブ・ビジネスのマッピングについて、財務ディメンションのマッピングを変更した場合は、「製品管理」ダッシュボードに対して増分要求セットを再実行する必要があります。