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Oracle E-Business Suiteメンテナンス・ガイド
リリース12.2
E51768-01
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パッチ適用ユーティリティ

Oracle Patch Application Assistant

手動のステップがあるパッチの場合、パッチのREADMEファイルで、admsi.plスクリプトを実行してOracle Patch Application Assistant(PAA)を使用するように指示されています。マージ・パッチの場合、PAAによって個々のパッチREADMEファイルの内容が自動的にマージされます。

Oracle Patch Application Assistantのインタフェース

Patch Application Assistantはコマンドラインから起動され、グラフィカル・ユーザー・インタフェースでの入力を収集します。

Oracle Patch Application Assistantの実行

Patch Application Assistantの実行に使用するステップの要約は次のとおりです。すべてのステップの詳細は、「PAAを使用したパッチ適用のためのカスタマイズされた手順の作成」を参照してください。

ステップ1: 環境の設定

環境を設定して、システムを定義する構成パラメータを適用する必要があります。このタスクは、多くのADユーティリティで共通です。

ステップ2: パッチのUnzip

パッチ・トップ・ディレクトリがない場合は作成します。パッチ・トップ・ディレクトリにパッチをダウンロードし、Unzipします。

ステップ3: READMEファイルの情報の確認

パッチをUnzipしたディレクトリで、README.txtファイルとREADME.htmlファイルを探します。このいずれかのファイルで、パッチに関する情報と、Oracle Patch Application Assistantを使用して対象のシステム用にカスタマイズされた手順を生成する手順を確認します。

ステップ4: Oracle Patch Application Assistantの実行

PAA(admsi.pl)を実行して、対象のシステム用にカスタマイズされた手順を生成します。カスタマイズされた手順内のステップを実行して、パッチ適用プロセスを完了します。

adopユーティリティ

パッチをOracle E-Business Suiteファイル・システムまたはデータベースに適用するには、adop(AD Online Patching)ユーティリティを使用します。パッチの適用に必要な情報の入力を求めるプロンプトが表示されるようにすることも、プロンプトなしで情報を入力することもできます。どちらの方法を選択した場合も、adopによってパッチの適用に必要なタスクが実行されます。

adopに関する次の重要な点に注意してください。

adopのパラメータ

adopはコマンドラインから実行され、多くのパラメータを受け入れます。必須のパラメータとオプションのパラメータがあります。他のパラメータを上書きするパラメータや、他のパラメータより優先度の高いパラメータもあります。すべてのパラメータはname=valueのペアで入力する必要があります。

adopのパラメータ
パラメータ 目的 コメント
phase 実行するフェーズをadopに指示するために使用します。
  • prepare

  • apply

  • cutover

  • cleanup

  • finalize

  • actualize_all

  • fs_clone

  • abort

カンマ区切りのリストを使用して、複数のフェーズを指定できます。たとえば、phase=prepare,applyです。

注意: abortフェーズとfs_cloneフェーズをそれ以外のフェーズとともに指定することはできません。


リストにないフェーズを指定した場合、後に示す使用方法の説明が出力され、adopは終了します。
loglevel adopの操作実行中に記録および表示される情報の量を指定するために使用します。
  • STATEMENT

  • PROCEDURE

  • EVENT

  • WARNING

  • ERROR

  • UNEXPECTED

  • STATEMENTは、デバッグ目的でのみ使用します。

  • PROCEDUREは、高レベルのプロシージャをデバッグする目的でのみ使用します。

  • EVENTは、通常の処理における情報メッセージを表示する場合に使用します。これがデフォルト値です。

  • WARNINGは、システムにより処理される、処理に影響しない内部エラーを示す場合に使用します。

  • ERRORは、処理が異常終了し、ユーザーがそれを確認する必要があるが、システムは処理を続行できたことを示します。

  • UNEXPECTEDは、リカバリ不能なエラーが発生して処理が中止され、処理を続行するためにユーザーの操作が必要であることを示します。

cleanup_mode クリーン・アップ処理管理を提供します。
  • full

  • quick

cleanup_mode=fullでは、最大クリーン・アップが実行され、対象オブジェクトと未使用の列が削除されます。
cleanup_mode=quickでは、最小クリーン・アップが実行されるため、処理時間は最短になります。これがデフォルトです。
finalize_mode finalizeフェーズまたはcutoverフェーズをfullモードかquickモードのどちらで実行するかを指定するために使用します。
  • full

  • quick

finalize_mode=fullでは、パフォーマンスの向上に役立つ統計が収集されます。このモードを指定した場合、確定は約1時間長くかかります。
finalize_mode=quickでは統計は収集されないため、短時間で完了します。これがデフォルトです。
input_file adopに渡すinput_fileの名前を指定するために使用します。 ユーザー指定 絶対ファイル・パスを指定する必要があります。
runcontextfile adopに渡す実行コンテキスト・ファイルを指定するために使用します。 ユーザー指定 絶対ファイル・パスを指定する必要があります。
patchcontextfile adopに渡すパッチ・コンテキスト・ファイルを指定するために使用します。 ユーザー指定 絶対ファイル・パスを指定する必要があります。
patches adopにより適用するパッチを指定するために使用します。 ユーザー指定
2つのカテゴリがあります。
  • 数字のみ: ほとんどのパッチはこのカテゴリに属します。

    たとえば、パッチ番号111はpatches=111として指定します。ディレクトリおよびドライバ・ファイルはこの番号から推測されます。

  • コロンを含む: HRMS国別仕様データ・パッチ(hrglobal.drv)、オンライン・ヘルプのパッチ、言語固有のパッチ、および数字以外が含まれるその他のパッチに対しては、これを使用する必要があります。

    たとえば、パッチ222の韓国語版はpatches=222_KO:u222.drvとして指定します。この場合、ディレクトリは222_KOで、適用するドライバ・ファイルはu222.drvです。

カンマ区切りのリストを使用して、同じパッチ適用操作で複数のパッチを適用することを指定できます。数字のみのカテゴリとコロンを含むカテゴリを組み合せることができます。
たとえば、パッチ番号111とパッチ222の韓国語版はpatches=111,222_KO:u222.drvとして指定します。
workers 採用するパラレル・ワーカー数を指定するために使用します。 ユーザー指定の整数 workers引数を省略した場合は、適切なワーカー数が自動的に選択されます。
マシンの処理能力を超えるワーカー数を指定した場合、adopはエラーで終了します。
defaultsfile カスタムadopデフォルト・ファイルのパスを指定するために使用します。 ユーザー指定(デフォルト値あり。次の列を参照) 絶対ファイル・パスを指定する必要があります。ユーザーが指定しない場合は、デフォルトの$TWO_TASKが設定されます。
patchtop パッチをアンロードする場所を指定するために使用します。 ユーザー指定(デフォルト値あり。次の列を参照) 絶対ファイル・パスを指定する必要があります。ユーザーが指定しない場合は、デフォルトの$APPL_TOP_NE/EBSapps/patchが設定されます。
merge 複数のパッチをマージするために使用します。統合ドライバ・ファイルを1つのドライバ・ファイルにマージしてadopに渡すことができます。 yes/no デフォルト値はnoです。
abandon adopの前回の実行を再開するかどうかを指定するために使用します。前回の処理にエラーがあった場合に役立ちます。

注意: 前回の実行でエラーがあった場合、abandonがyesに設定されていると、異常終了した実行で使用されたパラメータと同じパラメータが再利用されます。

yes/no restartパラメータに値を指定する場合、このパラメータとは異なる値を指定してください。
restart adopの前回の実行を再開するかどうかを指定するために使用します。前回の処理にエラーがあった場合に役立ちます。 yes/no abandonパラメータに値を指定する場合、このパラメータとは異なる値を指定してください。
action データベース処理を実行するかどうかを指定するために使用します。 db
nodb
action=nodb: データベース処理をオフにするために使用します。複数ノード環境において、adopによってデータベースがすでに更新されたが、他のノードでまだファイル・システムを更新する必要がある場合に、このことが役立ちます。
action=db: 複数ノード環境でallnodes=yesを指定した場合は、これを指定する必要があります。
autoskip 非対話型のパッチ適用において処理のスキップに関するメッセージをユーザーに表示するかどうかを制御するために使用します。ユーザー操作なしで操作を続行できます。adopをリモート起動するとユーザーに対するプロンプトを表示できなくなる複数ノード・システムにおいて、特に役立ちます。 yes/no デフォルト値はyesです。finalizeフェーズでレポートADZDPATCHSTAT.sqlに、特定のセッションで適用されたパッチのステータス(SUCCESS、SKIPPEDおよびSUCCESS、またはSKIPPEDおよびFAILED)が示されます。
skipsyncerror prepareフェーズの同期化エラーを後続のパッチで実行される同期化で自動的に修正することをユーザーが指定できるようにします。 yes/no このパラメータの値をyesとして渡すと、最初に同期されるパッチは、autoskipフラグが設定されて実行されます。
ユーザーは、後続のapplyフェーズのログ・ファイルをチェックして、エラーがあれば修正する必要があります。
allnodes adopをすべてのノードで実行するか、1つのノードのみで実行するかを指定するために使用します。 yes/no 複数ノード環境に関連します。
mtrestart カットオーバー後にアプリケーション層サービスを再起動するかどうかを指定するために使用します。 yes/no デフォルト値はyesです。noを指定した場合、サービスは後からadstrtalユーティリティを使用して再起動できます。
allowcoredump adopがクラッシュした場合にコア・ダンプを生成するかどうかを指定するために使用します。 yes/no デフォルト値はnoです。yesの値は、診断情報を収集する必要がある場合にのみ指定してください。
analytics 特定のタイプの問題のデバッグに役立つレポートを生成するために使用します。adopのapplyフェーズ、finalizeフェーズ、cutoverフェーズおよびcleanupフェーズで使用できます。 yes/no デフォルト値はnoです。yesの値は、追加の処理が必要となるため、レポートを特に生成する必要がある場合にのみ指定してください。

オンライン・ヘルプ

基本的なadop操作に関するヘルプを表示するには、次のコマンドを入力します。

adop -help

これにより、次のテキストが表示されます。

Applications DBA Online Patching Tool (adop)
Usage: adop [phase=<phase,phase,...>] [patches=<patch#,patch#,...>]
[<parameter>=<value> ...] [input_file=<filename>]
Enter adop -examples for a detailed list of parameters and their usage.
See Oracle E-Business Suite Maintenance Guide for a full description of
adop features, operation, and usage.
The phase parameter specifies the parts (phases) of the online
patching cycle to be executed. The five standard phases are executed
in the order shown below.
Standard phases:
prepare       - Prepare the instance for patch application.
apply         - Apply patches (to the patch edition).
finalize      - Ready the instance for cutover.
cutover       - Make the patch edition the new run edition.
cleanup       - Drop obsolete objects and data from old editions.
There are also three special phases, for use when needed.

Special phases:
  abort         - Abort the current patching cycle.
  actualize_all - Create new copies of all code objects in the patch
                  edition.
  fs_clone      - Copy the run file system to the patch file system.

Phase-specific parameters control operation of a particular phase:

  Apply parameters:
    patches=<patch#>[,<patch#>...]
        A single patch or comma-separated list of patches to apply.
        This parameter is required when executing the apply phase.
        For language patches, you must also specify the driver file:
        patches=10124646_AR:10124646.drv,10124646_KO:10124645.drv
    restart=(yes|no)  [default: no]
        Resume a failed apply action where processing left off.
    abandon=(yes|no)  [default: no]
        Re-apply a failed patch from the beginning.

  Finalize parameters:
    finalize_mode=(full|quick)  [default: quick]
	Quick mode will provide the shortest execution time, by
	skipping non-essential additional actions.
	Full mode performs additional actions such as gathering
	statistics, which may improve performance after cutover.

  Cutover parameters:
    mtrestart=(yes|no)  [default: yes].
        Specifies whether to restart application tier servers after
        cutover. Leave at default unless performing manual steps
        during downtime.

  Cleanup parameters:
    cleanup_mode=(full|quick)  [default: quick]
	Quick mode provides the shortest execution time, by
	skipping non-essential additional actions.
	Full mode performs additional processing to remove all
	unused code, data, and old editions. May take a long time.

General parameters apply to all phases:

    workers=<number> [default: computed]
        Number of parallel workers used to execute tasks.
        Default value is computed principally according to number of
        available CPU cores.
        
    input_file=<file_name>
	As well as being entered directly on the command line,
	adop parameters can be specified in a text file, with
	one <parameter>=<value> on each line of the file.
	Examples:
	    phase=prepare,apply,finalize,cutover,cleanup
	    patches=123456
	    workers=4
	Command line parameters override input file parameters.

    loglevel=(statement|procedure|event|warning|error|unexpected) 
        [default: event]
        Controls the level of diagnostic log detail displayed.
        
    allnodes=(yes|no) [default: yes]
        Specifies whether actions should be executed on all
        application tier nodes of a multi-node system.
        
    action=(db|nodb)  [default: db]
        Specifies whether to execute database actions (as well as
        file system actions).
        
    -status [<session_id>]
        Display status of the latest adop session, or a specified
        session.
        
    -help
        This help screen.
        
    -examples
        Additional help information with common usage examples.

Three examples (use adop -examples for more examples):

  Complete patching cycle, running each phase separately:
    adop phase=prepare
    adop phase=apply patches=12345,67890 workers=4
    adop phase=finalize workers=4
    adop phase=cutover workers=4
    adop phase=cleanup

  Complete patching cycle, running all phases in a single adop command:
    adop phase=prepare,apply,finalize,cutover,cleanup patches=12345

  Complete patching cycle, specifying all parameters in an input_file:
    adop input_file=adop2013_05_13.txt


adop exiting with status = 0

このヘルプ使用方法の説明は、adopコマンドラインで無効なパラメータを指定した場合にも表示されます。

オプションで、次のコマンドを入力して、各種adopパラメータの例を表示することもできます。

adop -examples

これにより、次のテキストが表示されます。

Applications DBA Online Patching Tool (adop)

Enter adop -help for usage syntax and an overview of phases and parameters.

See Oracle E-Business Suite Maintenance Guide for a full description of adop
parameters and options. 

Parameters relevant to all phases:

workers        : Specifies number of parallel workers used to execute tasks.
                 Default value is computed, principally on the basis of 
                 available CPU cores.
                 If required, the number of workers can be specified explicitly.
                 Example:
                        adop phase=prepare workers=8

input_file     : As well as being entered directly on the command line, adop
                 parameters can be specified in a text file, with one 
                 <parameter>=<value> on each line of the file.
                 Example:
                      phase=prepare,apply,finalize,cutover,cleanup
                      patches=123456
                      workers=4
                 Command line parameters override input file parameters.

loglevel       : Controls the level of detail displayed from the diagnostic log
                 file on the console.
                 Takes values 
                 (statement|procedure|event|warning|error|unexpected) 
                 [default: event]
                 Examples:
                     	 adop phase=prepare loglevel=statement
                 Displays full details from the log file.
                         adop phase=prepare loglevel=error
                 Displays only errors from the log file.

defaultsfile   : Path of the custom defaults file for use by adop.
                 Example:
                        adop phase=apply defaultsfile=adcustomdefaults.txt
                 The defaultsfile should be in the $APPL_TOP/admin/$TWO_TASK
                 directory on the patch file system, unless adop is being run
                 in hotpatch mode. In this case, it should be in the same
                 location on the run file system.

allowcoredump  : Specifies whether adop should create a core dump if it crashes.
                 Takes values 'yes' or 'no' [default: no].
                 Example:
                        adop phase=cutover allowcoredump=yes
                 Only needs to be specified when debugging is required.

analytics      : Takes values 'yes' or 'no' [default: no].
                 Example:
                        adop phase=finalize analytics=no [default]
                        adop phase=finalize analytics=yes
                 If analytics=yes, reports will be generated for the specified
                 phase.

autoskip       : Specifies whether adop should skip prompts and proceed further.
                 Takes values 'yes' or 'no'. [default: no]

maxworkers     : Specifies the maximum number of workers to be used to apply
                 patches. The greater of the value specified and the computed 
                 value will be used.
                 This parameter can only be specified in an input file. It 
                 cannot be specified on the command line.


Parameters relevant to prepare phase:

cleanup_mode   : Specifies the mode for the cleanup that is implicitly executed
                 as part of prepare.
                 Quick cleanup performs minimum required processing for the
                 patching cycle.
                 Example:
                        adop phase=prepare 
                        (same as adop phase=prepare cleanup_mode=quick)
                 Full mode performs additional processing to remove all unused
                 code, data, and old editions, but may take a long time.
                 Example:
                        adop phase=prepare cleanup_mode=full


skipsyncerror  : Specifies whether synchronization of the first patch should be
                 called with autoskip flag.
                 Takes values 'yes' or 'no' [default: no].
                 Example:
                        adop phase=prepare skipsyncerror=yes


Parameters relevant to apply phase:

If the list of patches to be applied are provided to the apply phase of adop,
adpatch will be invoked in non-interactive mode. Adpatch can be invoked
interactively with the command
                        adop phase=apply

To invoke adpatch non-interactively
                        adop phase=apply patches=1234,5678 <other options>

patchtop       : Path to the user-specified directory (on the non-editioned file
                 system) where patches are unzipped.
                 Example:
                        adop phase=apply patchtop=$APPL_TOP_NE/../patch

hotpatch       : Apply patches in hotpatch mode. Takes values 'yes' or 'no'
                 [default: no].
                 Example:
                        adop phase=apply input_file=adopsession20130513.txt
                        hotpatch=yes

merge          : Merge patches before applying. Takes values 'yes' or 'no'
                 [default: no].
                 This replaces AD Merge Patch. Patches can be merged and
                 applied to save time if the patches have some common files
                 and actions.
                 Examples:
                    	 adop phase=apply patches=1234,5678 merge=yes
                         adop phase=apply patches=1234,5678 merge=no [default]

abandon        : Abandon a patching session. Takes values 'yes' or 'no' 
                 [default:none].

restart        : Restart a patching session. Takes values 'yes' or 'no'.
                 The abandon and restart parameters should be specified together,
                 with one specified as 'no' and the other specified as 'yes'.
                 Example of resuming a previous adop session, using the same
                 parameter values:
                        adop phase=apply abandon=no restart=yes
                 Example of ignoring the previous failed adop session and 
                 starting a new one:
                        adop phase=apply abandon=yes restart=no <other options>

options        : Options that can be specified as a comma-separated list are as
                 follows.
                 Note that these options can be prefixed with "no", e.g.
                 "nocheckfile".

            checkfile       - Skip running exec, SQL, and exectier
                              commands if they are recorded as already run
                              [default: checkfile].

            compiledb       - Compile invalid objects in the database
                              after running actions in the database driver
                              [default: compiledb].

            compilejsp      - Sompile out-of-date JSP files, if the patch
                              has copy actions for at least one JSP file
                              [default: compilejsp].

            copyportion     - Run commands found in a copy driver
                              [default: copyportion].

            databaseportion - Run commands found in a database driver
                              [default: databaseportion].

            generateportion - Run commands found in a generate driver
                              [default: generateportion].

            integrity       - Perform patch integrity checking 
                              [default: nointegrity].

            autoconfig      - Run AutoConfig [default: autoconfig].

            actiondetails   - Turn off display of action details 
                              [default: actiondetails].

            parallel        - Run actions that update the database or
		                      actions that generate files in parallel
                              [default: parallel].

            prereq          - Perform prerequisite patch checking prior to 
                              running patch driver files
                              [default: noprereq].

            validate        - Connect to all registered Oracle E-Business
                              Suite schemas at the start of patch application
                              [default: novalidate].

            phtofile        - Save patch history to file 
                              [default: nophtofile].

            forceapply      - Reapply a patch that has already been applied.
                              Useful in combination with "nocheckfile" option
                              to rerun files that have already been executed.

Examples:
adop phase=apply options=checkfile
This command shows an option that is the default, and therefore does not have 
to be specified.

adop phase=apply options=nocheckfile
This command can be used to execute sql, exec and exectier actions even if they
have already been executed.

adop phase=apply options=forceapply,nodatabaseportion
This command shows the use of multiple options.

flags          : Flags that can be specified as a comma-seperated list are as
                 follows.
                 Note that these flags can be prefixed with "no", e.g.
                 "nologging".

            hidepw          - To omit the "HIDEPW:" comments in the log file.
                              Default - hidepw. 
            trace           - To log all database operations to a trace file.
                              Default - notrace. 
            logging         - To create indexes in LOGGING or NOLOGGING mode.
                              Default - nologging. 
            autoskip        - To proceed with adpatch execution even if some 
                              driver actions failed. 
                              In non-interactive mode [default - autoskip]
                              In interactive mode     [default - noautoskip]
							  
                 The parameter can only be specified from the input file.
				 
Example in input file:

flags=noautoskip,hidepw
This can be used to skip any failing driver actions and omit the hidepw
comments in the log file.

Parameters relevant to finalize phase:

finalize_mode  : Specifies mode for finalize phase. Takes values 'quick' and
                 'full'.
                 Quick mode provides the shortest execution time, by skipping
                 non-essential additional actions.
                 Full mode performs additional actions such as gathering
                 statistics, which may improve performance after cutover.
                 Examples:
                         adop phase=finalize (assumes finalize_mode=quick)
                         adop phase=finalize finalize_mode=quick [default]
                         adop phase=finalize finalize_mode=full


Parameters relevant to cutover phase:

finalize_mode  : Specifies the mode for the finalize that is implicitly 
                 performed during cutover.
                 Example of performing the minimum necessary actions:
                         adop phase=cutover
                         (same as adop phase=cutover finalize_mode=quick)
                 Example of using full mode to perform additional actions such
                 as gathering statistics:
                         adop phase=cutover finalize_mode=full
                 Full mode may improve performance after cutover.

mtrestart      : Takes values 'yes' or 'no' [Default: no]
                 Whether to restart middle tier application servers after 
                 cutover. Leave at default unless performing manual steps 
                 during downtime.
                 Example:
                 If the user desires to perform some manual steps
                 during downtime the sequence of events would be
                        adop phase=cutover mtrestart=no
                        <Perform downtime steps>
                        <Bring up services manually>


Parameters relevant to cleanup phase:

cleanup_mode   : Specifies the mode for the cleanup.
                 Quick cleanup performs minimum required processing for the
                 patching cycle.
                 Example:
                        adop phase=cleanup 
                        (same as adop phase=cleanup cleanup_mode=quick)
                 Full mode performs additional processing to remove all unused
                 code, data, and old editions, but may take a long time.
                 Example:
                        adop phase=cleanup cleanup_mode=full


Parameters relevant to multinode instances:

allnodes       : Takes values 'yes' or 'no' [default: no].
                 Can be used to perform actions in specific nodes in a mutinode
                 instance
                 Example showing prepare actions on the current node only:
                        adop phase=prepare allnodes=no

action         : Takes values 'db' or 'nodb' [default: db].
                 Example showing only file system actions being run in prepare
                 phase:
                        adop phase=prepare action=nodb

Example:

In a non-shared file system multi-node environment where tasks are to be 
performed on different nodes separately:

On the first node to be patched, run the command:
  adop phase=prepare allnodes=no
On all other nodes, run the command:
  adop phase=prepare allnodes=no action=nodb

The same principle applies to the apply and cutover phases.

The other major phases (including cleanup, actualize_all, and finalize) all
perform database actions.
Therefore, these phases only need to be performed on one node.


adop exiting with status = 0

入力ファイル

adopは入力ファイル内のパラメータも受け入れます。コマンドラインから、パラメータinput_file=<myinput.txt>(myinput.txtは入力ファイルの名前)を使用して入力ファイルを指定します。

入力ファイルのパラメータ

注意: 必ず入力ファイルのフル・パスを指定してください。

重要な入力ファイル・パラメータは次のとおりです。

patches
phase
patchtop
merge
defaultsfile
abandon
restart
workers

これらのパラメータを使用するには、name=valueのペアで指定する必要があります。たとえば、phase=prepare,apply patches=12345,67890 workers=4のように指定します。

注意: 入力ファイルにパラメータを2回指定した場合(たとえば、workersを入力ファイルの行2と行5の両方に定義した場合)、最後の定義(この例では行5)が使用されます。

前述のリストのその他の引数は、options=<other_arguments>を使用して定義できます。other_argumentsはカンマ区切りのリストにする必要があります。次の引数を任意に組み合せて使用できます。

たとえば、options=nodatabaseportion,nogenerateportionのように指定します。

デフォルト・ファイル

パラメータは、デフォルト・ファイルを介してadopに渡すこともできます。コマンドラインから、パラメータdefaultsfile=<mydefaults.txt>(mydefaults.txtはファイルの名前)を使用してデフォルト・ファイルを指定できます。

独自のデフォルト・ファイルの内容の妥当性がチェックされ、問題が見つかった場合はエラーが発生します。カスタム・デフォルト・ファイルを指定しない場合、adopでは、システムにより(AutoConfigを使用して)自動生成されたファイルが使用されます。

adopをhotpatchモードで実行する場合、独自のデフォルト・ファイルを実行ファイル・システムの$APPL_TOP/admin/$TWO_TASKに配置する必要があります。それ以外の場合、デフォルト・ファイルはパッチ・ファイル・システムの同じ場所に配置する必要があります。

注意: 一般的に、独自のデフォルト・ファイルを使用するのではなく、コマンドラインから、または入力ファイルに独自のパラメータを指定することをお薦めします。これらのいずれかの方法で指定したパラメータは、デフォルト・ファイル内のパラメータよりも優先されます。

デフォルト・ファイル内のパラメータ

現在、デフォルト・ファイル内に定義できるのは、patchtopパラメータ1つのみです。このパラメータは、パッチがアンロードされる場所を指定するために使用します。デフォルトのpatchtopディレクトリは、未編集のファイル・システムの$APPL_TOP_NE/EBSapps/patchにあります。

デフォルト・ファイルに指定したpatchtopを使用するには、コマンドラインから、または入力ファイルにデフォルト・ファイルをパラメータとして指定する必要があります。これらの2つのいずれかの場所でデフォルト・ファイルを指定しない場合、ファイルは読み取られず、デフォルト・ファイルpatchtopは使用されません。

パラメータの順序

前述のように、ほとんどのパラメータは少なくとも2つの場所で定義でき、patchtopは3つの異なる場所で定義できます。複数の異なる定義が指定されている場合、次の順序が使用されます。

  1. コマンドライン: コマンドラインで指定されたadopパラメータは、他のすべてに優先されます。

  2. 入力ファイル: ここに指定されたadopパラメータは、コマンドラインで指定されたパラメータの次に優先されます。

  3. デフォルト・ファイル: ここに定義されたパラメータの優先度レベルは最も低くなります。ここに定義されたパラメータを使用する必要がある場合、同時に入力ファイルやコマンドラインで指定しないでください。

重要: コマンドラインおよび入力ファイルで優先度の高いパラメータを指定できるため、どのような場合もデフォルト・ファイルを編集する必要はありません。

パッチを適用するシステムの準備

パッチ適用サイクルを開始する前に、いくつかの重要なタスクを完了しておく必要があります。

リリース12.2では、1つのパッチ適用操作ではなくパッチ適用サイクルとして考えると、より適切です。オンライン・パッチ適用サイクルは、多数のフェーズで構成されます。

  1. 準備

  2. 適用

  3. 確定

  4. カットオーバー

  5. クリーン・アップ

まず、実行ファイル・システム環境ファイルを実行(ソーシング)して、環境を設定する必要があります。

$ source <run APPL_TOP path>/APPS<CONTEXT_NAME>.env

詳細は、「ADユーティリティの実行」の「環境の設定」を参照してください。

これで、実行するフェーズを指定してadopユーティリティを起動する準備ができました。これらのフェーズで実行される処理の詳細は、Oracle E-Business Suite概要を参照してください。その説明およびこのマニュアルの次の章で、使用可能なオプションについて詳しく説明されています。

基本的なパッチ適用操作の要約

パッチ適用は、複数のフェーズで実行されます。これらは次のようにadopコマンドラインで指定します。

adop phase=<phase_name>

準備フェーズ: 次の例は、入力を求めるプロンプトが表示される対話型モードを示しています。

$ adop phase=prepare 

適用フェーズ: 次の例は、input_fileを使用する非対話型モードを示しています。

$ adop phase=apply input_file=<yourfilename>.txt

input_fileを使用して次のような引数が渡されます。

patches=<patch number>
patchtop=<location where the patches were downloaded and unzipped>
workers=<number of workers>

確定フェーズ: 次の例はfinalizeコマンドを示しています。

$ adop phase=finalize

カットオーバー・フェーズ: 次の例はcutoverコマンドを示しています。

$ adop phase=cutover

クリーン・アップ・フェーズ: 次の例はcleanupコマンドを示しています。

$ adop phase=cleanup

中止フェーズ: 次の例はabortコマンドを示しています。

$ adop phase=abort

重要: 中止フェーズを実行できるのは、準備フェーズまたは適用フェーズが実行されてからカットオーバー・フェーズが実行されるまでです。

adopフェーズについては、「パッチ適用の手順」の章の「オンライン・パッチ適用サイクル」の項で詳細に説明されています。

パッチ・ログ・ファイル

パッチ適用操作の後は、関連するログ・ファイルを確認することをお薦めします。adopログ・ファイルは、未編集のファイル・システム(fs_ne)の次の場所にあります。

s_ne_base/EBSapps/log/adop/<adop_session_id>/<phase>_<date>_<time>/<context_name>/log

たとえば、s_ne_baseが/u01/R122_EBS/fs_ne、セッションIDが15、<CONTEXT_NAME>がpatch01_testsysである場合、2013年6月9日からのadopログ・ファイルのパスは次のようになります。

/u01/R122_EBS/fs_ne/EBSapps/log/adop/15/apply_20130609_112226/patch01_testsys/log

パッチ・ログ・ファイルのディレクトリ構造

本文の説明内容に関するイメージ

注意: s_ne_baseの環境変数はありません。最も似ているのは$APPL_TOP_NEであり、/u01/R122_EBS/fs_ne/EBSapps/applなどの値を持ちます。

その他のログ・ファイルは、特別の目的で(たとえば、パラレル・ワーカーに関連付けられたすべての処理を記録するために)作成されます。これらのワーカー・ログ・ファイルは未編集のファイル・システムのEBSapps/log/adop/<adop_session_id>/<phase_timestamp>に書き込まれます。たとえば、/u01/R122_EBS/fs_ne/EBSapps/log/adopなどです。パッチ適用セッションが完了したら、これらのファイルを確認してください。

次の表に、その他のADログ・ファイルを示します。

adop以外のADログ・ファイル
ログ・ファイル 用途
adrelink.log 再リンク
adlibin.log Cオブジェクト・ファイルの、製品のCライブラリへの移動
adlibout.log Cオブジェクト・ファイルの、製品のCライブラリからの移動
adworkxxx.log パラレルで実行されるデータベース操作
<language>_<filename>_ldt.log シード・データ・ローダー・ファイル

ある処理がadopによって実行されない場合、そのタイプの処理に関連付けられたログ・ファイルは生成されません。

注意: OAMTiming Reportsの「View Log Files」機能を使用してログ・ファイルを確認することもできます。「View Log Files」を参照してください。

JARファイル・リスト

adopでは、オンライン・パッチ適用サイクルの適用フェーズでjarlist.txtというファイルが作成されます。このファイルは、非常にセキュリティの高い証明書を使用して独自のJARファイル署名を実行する場合のために用意されています。このような場合は、adopコマンドライン・パラメータoption=nojarsigningを指定し、標準的なJARファイル署名アクティビティ(この指定がないとADによって実行される)をバイパスする必要があります。

jarlist.txtファイルは、パッチ・ログ・ファイルと同じディレクトリに格納されています。次の例は、ID=14: $APPL_TOP_NE/../log/adop/14/apply_20130515_125116/testenv_sys3220410/13358502/log/jarlist.txtのパッチ適用セッション中に適用されたパッチ13358502のjarlist.txtです。

プロンプト

ほとんどのADユーティリティに共通する標準的なプロンプトの他に、adopでは、パッチ適用プロセスに固有の情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。ユーザーは、実行するドライバごとにすべてのプロンプトに応答する必要があります。

重要: 一度に実行できるadopセッションは1つのみです。

必要なパスワード

adopを対話型で実行すると、Oracle Application Object Library(APPS)、SYSTEMおよびWLSADMINのパスワードの入力を求められます。

注意: この動作は、options=validateをinput_fileに追加することにより変更できます。「コマンドライン引数」を参照してください。

パッチ・ディレクトリ(Patchtop)

対話型のパッチ適用では、adopによって、パッチファイルがUnzipされたディレクトリを指定するように求められます。これはpatchtopと呼ばれることもあります。デフォルトは、adopを起動したディレクトリです。

自分でディレクトリを指定する場合、フル・パスを指定する必要があります。また、adopを実行しているオペレーティング・システム・ユーザーは、そのディレクトリへの書込み権限を持っている必要があります。

注意: (未編集のファイル・システムの)fs_ne/EBSapps/patchをpatchtopディレクトリとして使用することをお薦めします。たとえば、/u01/R122_EBS/fs_ne/EBSapps/patchなどです。

複数ノード環境の場合、パッチを個別のノード(の$APPL_TOP_NE/EBSapps/patch)にダウンロードしてUnzipする必要があります。

パッチの適用前にパッチをマージする場合、個々のパッチをすべて、マージ・ドライバ・ファイルと同じ場所にダウンロードしてUnzipする必要があります。たとえば、(AD Merge Patchを使用して)パッチ111、222および333をマージする場合、マージ・パッチ・ドライバ・ファイルの場所が$APPL_TOP_NE/EBSapps/patch/mergetest/mergetest.drvであれば、個々のパッチを$APPL_TOP_NE/EBSapps/patch/mergetest/111、$APPL_TOP_NE/EBSapps/patch/mergetest/222および$APPL_TOP_NE/EBSapps/patch/mergetest/333にダウンロードしてUnzipする必要があります。

パッチ・ドライバ・ファイル

adopは、パッチ・ドライバ・ファイル名をプロンプトで要求します。デフォルトでは、パッチの整合性(ドライバ・ファイルのコピー処理で参照される各ファイルのバージョンが、パッチ内にあるバージョンと一致しているどうか)はチェックされません。これは、Oracle E-Business Suiteのパッチには正しいファイルが含まれていることが常にリリース前のテストで確認されているためです。

u<patchnum>.drvという名前の統合ドライバには、ファイルおよびデータベース・オブジェクトを変更し、新しいオブジェクトを生成するために必要なコマンドが含まれています。これには、コピー、データベースおよび生成の各部分が含まれ、コピー、データベースおよび生成の処理が指定の順序で実行されます。通常は、統合ドライバをすべてのAPPL_TOPで実行し、adopでは現在のAPPL_TOPに必要な処理のみが実行されます。ただし、ドライバの該当部分のみを実行する場合もあります。

統合ドライバのコピー部分

統合ドライバのコピー部分を実行すると、次の処理が実行されます。

統合ドライバのデータベース部分

ドライバのデータベース部分を実行すると、adopによって次の処理が実行されます。

注意: リリース12では、個別のMRCスキーマは不要なため、(以前のリリースに含まれていた)実行者権限の処理は削除されました。

統合ドライバの生成部分

統合ドライバの生成部分を、パッチにより生成される1つ以上のファイルを含むすべてのAPPL_TOPディレクトリに適用します。ドライバの生成部分が実行されると、adopによって次の処理が実行されます。

パラレル・ワーカー数

デフォルトでは、adopによってデータベース更新コマンドとファイル生成コマンドがパラレルで実行され、ワーカー数の入力を求めるプロンプトが表示されます。タスクが各ワーカーに割り当てられ、そのワーカーがタスクを完了すると、新しいタスクが割り当てられます。

ワーカー数のデフォルト値は、adopを実行したノードのCPU数の2倍です。ワーカー数を指定すると、adopではOracle E-Business Suite製品の更新の開始時に次のようなメッセージが表示されます。

Performing version checking for driver files...
Copying driver files into installation area...
Determining valid on-site files...
Screening out files not valid for this installation...
Extracting object modules from product libraries...
Performing version checking...
Determining what executables to link...
Determining what Oracle Forms files to generate...
Determining what Oracle Reports libraries to generate...
Determining what Oracle Reports files to generate...

adopでは、すべてのデータベース処理がフェーズ順序に基づいて実行されます。これは、パッチのデータベース部分の処理をグループ化したもので、依存性を最小限にします。この順序は、必ずしもパッチ・ドライバのデータベース部分にリストされているコマンドの順序ではありません。

注意: 詳細は、このマニュアルのメンテナンスの項にある「パラレル処理の使用」を参照してください。

カスタマイズ・ファイル

adopでは、AD_FILES表を確認して、パッチによって置き換えられるカスタマイズ・ファイル(Register Flagged Files)があるかどうかが判別されます。ある場合は、置換えの対象となるカスタマイズ・ファイルがリストされたメッセージが表示されます。

注意: 詳細は、カスタマイズ標準、Oracle E-Business Suite開発者ガイドおよび「Register Flagged Files」を参照してください。

NLS

適用するパッチにNLS関連バージョンがあり、ユーザーがNLSの顧客の場合、続行する前に、パッチのNLS関連バージョンを要求するプロンプトが表示されます。

非対話型のパッチ適用の準備

非対話型のパッチ適用は、プロンプトの一部を回避してパッチ適用プロセスを自動化することにより、時間を節約する方法の1つです。これは、adopの主要なフェーズすべて(適用フェーズを含む)で使用できます。リリース12.2で指定できるようになった新しいパラメータは、patchtopのみです。

input_fileの場所を引数として指定することにより、非対話型で実行するようにadopに指示します。input_fileは、(自動的に生成される)デフォルト・ファイルと、以前のリリースのadpatchコマンドに配置されていたその他のオプションを指定します。

パッチ適用処理の完了後、パッチのREADMEファイルにリストされているパッチ適用後のステップを実行します。「非対話型パッチ適用の実行」を参照してください。

メッセージ

adopでは、様々な種類のメッセージが生成されます。各メッセージは、ログ・ファイルに記録されます。メッセージのリストと説明は、「ログ・ファイル」を参照してください。

情報メッセージ

情報メッセージは、情報メッセージ・ファイルに書き込まれます。このログ・ファイルでは、adopのメイン・ログ・ファイルと同じファイル名が使用されますが、拡張子は.logではなく.lgiとなります。たとえば、adopログ・ファイルの名前がu1234567.logの場合、adop情報ログ・ファイルの名前はu1234567.lgiとなります。

たとえば、adopにより、情報ログ・ファイル内のファイルが最新であるため更新されなかったファイルに関する情報が書き込まれます。

File will not be copied to destination.

Version check:
/slot03/appmgr/prodappl/ad/12.2/xml/oam/patch/history/SearchFiles.uix
version is equal to or lower than
/slot03/appmgr/prodcomn/html/oam/patch/history/SearchFiles.uix.
File will not be copied to destination.

Version check:
/slot03/appmgr/prodappl/ad/12.2/xml/oam/patch/history/SearchFilesCriteriaAdvanced.uix
version is equal to or lower than

/slot03/appmgr/prodcomn/html/oam/patch/history/SearchFilesCriteriaAdvanced.uix

エラー・メッセージ

adopでパラレル処理の使用中にエラーが発生すると、ジョブは異常終了します。adopのメイン・ログ・ファイルとadworkxxx.logファイルを確認してエラーの原因を特定し、問題を解決してから続行します。adctrlコマンドを使用してadopを再起動します。

注意: adctrlコマンドの使用方法の詳細は、「パラレル処理のモニターおよび制御」を参照してください。

問題を解決できない場合は、次を確認してください。

ワーカーのジョブが異常終了したことを示すメッセージが表示された場合、マネージャの実行中であれば、問題を解決してワーカーを再起動できます。異常終了した一部のジョブは、マネージャによって遅延されます(ただちに再割当てされません)。これらのジョブによって、マネージャや他のワーカーが停止することはありません。

このマニュアルの「ワーカー・プロセスの管理」を参照してください。

正常終了メッセージ

adopでは、処理の完了時に次のようなメッセージが表示されます。完了メッセージが表示されない場合は、原因を調べて特定する必要があります。

A job timing report has been generated for the current session.
You should check the file
    /slot03/appmgr/prodappl/admin/PROD/out/adt323790.lst
for details.


Purging timing information for prior sessions.

sqlplus -s APPS/***** @/slot03/appmgr/prodappl/ad/12.0.0/sql/adtpurge.sql 10 1000

Done purging timing information for prior sessions.

adop is complete.

adop may have written informational messages to the file
/slot03/appmgr/prodappl/admin/PROD/log/adpatch.lgi

Errors and warnings are listed in the log file
/slot03/appmgr/prodappl/admin/PROD/log/adpatch.log

and in other log files in the same directory.

バックアップ・ディレクトリ

adopを実行すると、パッチをUnzipしたディレクトリにバックアップ・ディレクトリが作成されます。パッチによって更新される各ファイルの古いバージョンが、バックアップ・ディレクトリにコピーされます。大量のパッチ(リリース更新パック、製品ファミリRUP、事前アップグレード・パッチなど)を適用する場合は、パッチをUnzipするシステムに十分なディスク領域があることを確認してください。ディスク領域が不足していると、パッチ適用プロセスが失敗する可能性があります。Unzipされたパッチ・ファイルの2倍以上のディスク領域を用意することをお薦めします。

ヒント: パッチ適用サイクルが実行されていない間は、必要に応じてバックアップ・ディレクトリ内のファイルを削除して領域を解放できます。

adopのモード

adopでは、事前インストールとテストの2種類のモードでパッチを適用できます。どのような場合にどちらのモードを使用するかは、パッチのREADMEファイルに記載されています。

事前インストール・モード

事前インストール・モードは、ADユーティリティの更新、事前アップグレード・パッチの適用、その他パッチ適用上の問題への対処を行うために、アップグレード・プロセスで一般的に使用されます。adopでは、データベース関連の質問を除く起動時のすべての質問が表示されます。

警告: adopを事前インストール・モードで実行するのは、パッチのREADMEファイルにそのように指示されている場合のみにしてください。

adopを事前インストール・モードで実行するには、adopのコマンドラインにpreinstall=yを指定します。このモードでは、次の処理が実行されます。

事前インストール・モードではドライバ・ファイルが読み取られないため、パッチ内のすべての製品ファイルがAPPL_TOPディレクトリにコピーされます。また、パッチ内のファイルがAPPL_TOPと別のディレクトリ($OA_HTMLなど)の両方に存在していても、ファイルはAPPL_TOPにのみコピーされます。

事前インストール・モードでは、コードレベルがファイルPreinstall_Codelevel_AD.txtおよびPreinstall_Codelevel_MP.txtに対して検証されます。これらのファイルは$APPL_TOP/adminディレクトリにあり、ADおよびデータベース表に登録されている他の製品に関するコードレベル情報が含まれています。

事前インストール・モードではデータベース接続が使用できないため、adopでは、次のようにして、コードレベル情報に基づいて現在のパッチを適用する必要があるかどうかが検証されます。

事前インストール・モードでパッチを適用する際は、次の制限事項に注意してください。

テスト・モード

テスト・モードでは、adopによってパッチは適用されません。コピー、再リンク、実行または生成の対象となった各ファイルがリストされ、実際にパッチを適用したときに実行される処理がそのとおりに示されます。また、テスト・モードでAutoConfigが実行されて、構成ファイルに近い将来加えられる変更内容が判断されます。これにより、本番システムに対するパッチの影響を、適用前に確認できます。

adopをテスト・モードで実行するには、input_fileにapply=noを組み込みます。この場合、adopは実際にパッチが適用するわけではありませんが、パッチを適用する場合と同じように動作します。次の処理のみが実行されます。

「適用前のパッチのテスト」を参照してください。

引数

現在、adopの動作は、input_fileに修飾子を追加することで調整できます。これは、非対話型のパッチ適用でコマンドライン引数としてadopに指定します。

$ adop phase=apply input_file=<input_file.txt> 

重要: (コマンドadop phase=applyを使用して)非対話型のパッチ適用を行う場合、フラグなどの従来のコマンドライン引数は現在サポートされていません。これらはinput_fileを介して渡す必要があります。

input_fileに追加する引数またはオプションは、token=valueという形式で指定します(tokenは修飾子の名前)。token部分は小文字に変換されますが、valueは変換されないため、引数と値はどちらも小文字で入力することをお薦めします。

次に例を示します。

LOGLEVEL=WARNING

トークン(LOGLEVEL)は小文字に変換されますが、値(WARNING)はユーティリティによって認識されません。このコマンドの正しい入力方法は、次のとおりです。

loglevel=warning

単一のコマンドラインに複数のtoken=value引数を入力するには、次の例のように、これらの引数をスペース1つで区切ります。

printdebug=y flags=hidepw

1つのトークンに対して複数の値を含めることもできます。この場合は、複数の値をスペースではなくカンマで区切ります。次に例を示します。

flags=nohidepw,trace

は有効ですが、

flags=nohidepw, trace

は無効です。

次の引数はadopに固有であり、adopの動作を変更および調整するために使用できます。値を指定しない場合は、デフォルト値が使用されます。

重要: これらの引数は、コマンドラインで指定するinput_fileに入力してadopに渡す必要があります。これは以前のリリースとは異なります。以前はコマンドラインでadpatchに直接渡していました。

adopの引数
引数 説明
apply 目的: テスト・モードで実行するかどうかをadopに指示します。
値: yの場合、adopはテスト・モードで実行されません。nの場合、adopはテスト・モードで実行されます。
デフォルト: y
例: apply=n
driver 目的: パッチ・ドライバ・ファイルの名前をadopに通知します。これは、通常、非対話型処理で使用されます。patchtopオプションとともに使用されている場合のみ有効です。
値: ドライバ・ファイル名、またはパッチ・ドライバ・ファイル名のカンマ区切りリスト。
デフォルト: なし。adopでは、パッチ・ドライバ・ファイル名の入力を要求するプロンプトが表示されます。
例: patchtop=/d01/prodappl/patches/1234567 driver=u1234567.drv
patchtop 目的: パッチがアンロードされた場所をadopに通知します。
値: 未編集のファイル・システムの完全修飾ディレクトリ名。
デフォルト: $APPL_TOP_NE/EBS apps/patch
preinstall 目的: 事前インストール・モードで実行するかどうかをadopに指示します。事前インストール・モードは、アップグレードの前にADユーティリティを更新して、事前アップグレード・パッチを適用する場合に使用します。
値: yの場合、adopは事前インストール・モードで実行されます。nの場合、adopは事前インストール・モードでは実行されません。
デフォルト: n
例: preinstall=y
uploadph 目的: ($APPL_TOP/admin/$TWO_TASK内の)パッチ情報ファイルからデータベースにパッチ履歴情報をアップロードするようにadopに指示します。adopは、パッチ履歴情報のアップロード後に終了します。
値: yの場合、adopはパッチ履歴情報をアップロードします。nの場合、adopはパッチ履歴情報をアップロードしません。
デフォルト: なし
例: ploadph=y

adopのオプション

options=引数を使用して、汎用的なオプションをadopに渡します。この引数は、カンマ区切りのリスト形式で指定します。1つのオプションまたはカンマで区切られたオプションのリストを入力します。たとえば、adop options=nocopyportion,nogenerateportionのように指定します。

注意: adopの引数の場合と同様に、カンマの後にはスペースを入れないでください。

adopのオプション
オプション 説明
actiondetails 目的: パッチ適用操作で実行する処理の詳細を出力するようにadopに指示します。
デフォルト: actiondetails
詳細を出力しない場合は、options=noactiondetailsを指定します。
コメント: 一般的に、adop操作の理解と問題の診断に処理の詳細が役立つことがあるため、デフォルトを受け入れることをお薦めします。
autoconfig 目的: AutoConfigを自動的に実行するようにadopに指示します。
デフォルト: autoconfig
多数のパッチを順に適用する際に、最後のパッチを適用した後でAutoConfigを1回実行する場合は、options=noautoconfigを使用します。
コメント: リリース12.2のデュアル・ファイル・システムでは、AutoConfigの実行前にアプリケーション層サービスを停止する必要がありません。
checkfile 目的: EXEC、SQLおよびEXECTIERの各コマンドがすでに実行済として記録されている場合、これらのコマンドの実行をスキップするか、または実行後に実行済として記録するかをadopに指示します。
デフォルト: checkfile
チェックファイル機能をオフにするには、options=nocheckfileを使用します。
コメント: checkfileを使用すると、パフォーマンスが大幅に向上します。
options=nocheckfileを指定してパッチを再適用する場合、パッチにシード表アップグレード(AD_ZD_SEED.UPGRADE)のコールが含まれていると、「ORA-20001: Cannot upgrade existing table from Patch Edition」というエラー・メッセージが表示されることがあります。表に列ZD_EDITION_NAMEがすでに含まれている場合、このメッセージは無視してもかまいません。
compiledb 目的: 通常はドライバのデータベース部分にある処理の実行後に、データベース内の無効なオブジェクトを自動的にコンパイルするようにadopに指示します。
デフォルト: 標準パッチの場合はcompiledb。標準パッチ変換、ドキュメント・パッチおよびドキュメント・パッチ変換の場合はnocompiledb。
options=nocompiledbは、マージされていない複数のパッチを同じパッチ適用操作で適用する際の時間を短縮するために使用します。
コメント: 通常は、複数のパッチをマージして、マージされた1つのパッチを適用する方法をお薦めします。
compilejsp 目的: 古いJSPファイルを自動的にコンパイルするかどうかをadopに指示します。少なくとも1つのJSPファイルについてパッチにコピー処理が含まれる場合にのみ、JSPファイルがコンパイルされます。
デフォルト: 標準パッチの場合はcompilejsp。標準パッチ変換、ドキュメント・パッチおよびドキュメント・パッチ変換の場合はnocompilejsp。
options=nocompilejspは、マージされていない複数のパッチをメンテナンス・ウィンドウで適用する際の時間を短縮するために使用します。
コメント: 通常は、複数のパッチをマージして、マージされた1つのパッチを適用する方法をお薦めします。
copyportion 目的: 通常はドライバのコピー部分にあるコマンドを実行するかどうかをadopに指示します。
デフォルト: copyportion
コメント: ドライバのコピー処理を実行しないようにadopに指示する場合は、options=nocopyportionを使用します。
databaseportion 目的: 通常はドライバのデータベース部分にあるコマンドを実行するかどうかをadopに指示します。
デフォルト: databaseportion
コメント: データベース関連のドライバ処理を実行しないようにadopに指示する場合は、options=nodatabaseportionを使用します。
forceapply 目的: すでに適用されたパッチを再適用するようにadopに指示します。
デフォルト: noforceapply
コメント: すでに実行された可能性のあるファイルを再実行する場合は、nocheckfileオプションをforceapplyとともに使用します。
すでに適用されたパッチを適用しようとする場合に、forceapplyパラメータを指定しないと、adopでは次のようなエラーが表示されます。
 [WARNING] Skipping the application of patch
14125999_AR since it has been already applied
[WARNING]  Hint: Patches can be applied again by
specifying options=forceapply when invoking adop 
generateportion 目的: 通常はドライバの生成部分にあるコマンドを実行するかどうかをadopに指示します。
デフォルト: generateportion
ドライバの生成処理を実行しないようにadopに指示する場合は、options=nogenerateportionを使用します。
hotpatch 目的: hotpatchモードで実行するようにadopに指示します。
デフォルト: nohotpatch
コメント: 適用フェーズでのみ指定できます。次に例を示します。
adop phase=apply hotpatch=yes

確定、カットオーバーおよびクリーン・アップの各フェーズは自動的に実行されます。

警告: hotpatchオプションは、明示的なサポートを提供するパッチを適用する目的でのみ使用できます。パッチのREADMEにそうであるかどうかが明記されます。

詳細は、Oracle E-Business Suite概要の、「パッチ適用および管理ツールのhotpatchモードの制限事項」を参照してください。

integrity 目的: コピー処理で参照される各ファイルのバージョンがパッチ内にあるバージョンと一致していることを確認するかどうかをadopに指示します。
デフォルト: nointegrity
コメント: options=nointegrityの使用は安全であり、adopのオーバーヘッドが一部回避されます。
parallel 目的: (SQLのように)データベースをパラレルで更新する処理、および(genformのように)ファイルをパラレルで生成する処理を実行するかどうかをadopに指示します。
デフォルト: parallel
コメント: Oracle E-Business Suiteのパッチはこのオプションを使用して十分にテストされているため、デフォルトを変更することはお薦めしません。
phtofile 目的: パッチの適用後にパッチ履歴情報を格納する場所をadopに指示します。
デフォルト: nophtofile
パッチ履歴情報をデータベースにアップロードせずにファイル・システムのパッチ情報ファイル($APPL_TOP/admin/$TWO_TASK)に書き込むようにadopに指示する場合は、options=phtofileを使用します。
コメント: phtofileを使用すると、システムの停止時間が終わるまで、データベースへのパッチ履歴情報のアップロードを遅延できます。
validate 目的: パッチの開始時に、登録済のすべてのOracle E-Business Suiteスキーマに接続するかどうかをadopに指示します。
デフォルト: novalidate
すべてのOracle E-Business Suiteスキーマのパスワード情報を検証する場合は、options=validateを使用します。
コメント: 誤って登録されたOracle E-Business Suiteスキーマ、または無効なパスワードを含むスキーマに関する問題を検索する場合に便利です。

adopのインタフェース

adopはコマンドラインから実行します。必要な情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。

adopの実行

adopの実行に使用するステップの要約を次に示します。すべてのステップの手順の詳細は、「PAAを使用したパッチ適用のためのカスタマイズされた手順の作成」を参照してください。

ステップ1: 環境の設定

環境を設定して、システムを定義する構成パラメータを適用する必要があります。このタスクは、多くのADユーティリティで共通です。

ステップ2: パッチのUnzip

パッチ・トップ・ディレクトリがない場合は作成します。パッチ・トップ・ディレクトリにパッチをダウンロードし、Unzipします。

ステップ3: READMEファイルの情報の確認

パッチをUnzipしたディレクトリで、README.txtファイルとREADME.htmlファイルを探します。いずれかのREADMEファイルで、パッチに関する情報と、Oracle Patch Application Assistant(PAA)を使用して対象のシステム用にカスタマイズされた手順を生成する手順を確認します。

ステップ4: Oracle Patch Application Assistantの実行

PAA(admsi.pl)を実行して、対象のシステム用にカスタマイズされた手順を生成します。カスタマイズされた手順内のステップを実行して、パッチ適用プロセスを開始します。

ステップ5: adopの実行

PAAにより生成されたカスタマイズされた手順に、adopコマンドを使用してadopを実行する方法について説明されています。

注意: コマンドラインで引数を追加すると、adopの実行方法を調整できます。「adopのモード」および「コマンドライン引数」を参照してください。

ステータスのモニター

次のコマンドを実行して、現在のパッチ適用セッションの要約レポートを取得できます。

$adop -status

これにより、完了したフェーズとかかった時間を含む情報が表示されます。下の例では、現在のパッチ適用セッションIDは5です。

Current Patching Session ID: 5
Node Name       Node Type       Phase       Status          Started          
              Finished                       Elapsed
 --------------- --------------- ----------- ---------------
 ------------------------------ ------------------------------ ------------
 patchtest1      master          PREPARE     COMPLETED       06-MAY-13
 11:31:38 -07:00      07-MAY-13 12:27:51 -07:00      0:56:13
                                 APPLY       COMPLETED       07-MAY-13
 04:19:17 -07:00      07-MAY-13 04:43:12 -07:00      0:23:55
                                 CUTOVER     COMPLETED       07-MAY-13
 05:54:03 -07:00      07-MAY-13 05:57:57 -07:00      0:03:54
                                 CLEANUP     COMPLETED       07-MAY-13
 09:14:33 -07:00      07-MAY-13 09:22:46 -07:00      0:08:13

また、出力は/u01/R122_EBS/fs_ne/EBSapps/log/status_<YYYYMMDD>_<HHMMSS>/adzdshowstatus.outという名前のログ・ファイルにも記録されます。たとえば、/u01/R122_EBS/fs_ne/EBSapps/log/status_20130507_111647/adzdshowstatus.outなどです。

このコマンドに関連する2つの追加コマンドは次のとおりです。

adopの停止

次のコマンドを使用して、パッチ適用サイクルを中止できます。

$ adop phase=abort

重要: 中止できるのは、オンライン・パッチ適用サイクルの準備フェーズまたは適用フェーズのみです。したがって、カット・オーバー・フェーズの実行後に中止フェーズを実行することはできません。

adopの再起動

ワーカーを停止したり、処理の実行中にadopが終了した場合は、その時点までに完了したすべての処理が再起動ファイルに保存されます。障害の原因となった問題を調べて解決してから、adopを再起動します。adopを再起動した後、前回のセッション(処理が停止した時点)を継続するか、新規セッションを開始するかを尋ねるプロンプトが表示されます。

注意: adpatchと異なる点は、adopの再起動動作は、適用フェーズでadopコマンドに渡すことができるinput_file内のabort=Y/Nおよびrestart=Y/Nオプションにより制御されるということです。

このマニュアルの「ユーティリティの再起動」を参照してください。

AD Merge Patch

重要: AD Merge Patchの機能はadopツールに組み込まれました。adopでパッチをマージする場合は、adopの起動時にmerge=yesを明示的に指定する必要があります。ただし、現在もAD Merge Patchはサポートされているため、この項ではその使用方法について説明します。

パッチを個別に適用する場合、プロンプトへの応答や実行ファイルのリンクなどのタスクは、パッチごとに個別に実行する必要があります。これには時間がかかり、エラーも発生しやすくなります。

AD Merge Patchを使用しない方法もあります。このユーティリティでは複数のパッチが1つのパッチにマージされるため、個々のパッチごとにタスクを実行する必要がなく、パッチ適用時間を短縮できます。

互換性のあるパッチをマージする際に、AD Merge Patchはメタデータに基づいてその処理を実行し、ドライバのデータベース部分から重複するドライバ行を削除します。手動ステップが含まれる2つ以上のパッチをマージする場合、両方のパッチのステップとREADMEファイルもマージされます。

ソース・ディレクトリと宛先ディレクトリ

マージ対象のパッチはソース・ディレクトリから抽出します。宛先ディレクトリは、マージ・パッチが作成されるディレクトリです。AD Merge Patchによって、ソース・ディレクトリ内の各パッチのパッチ・ドライバ・ファイルが読み取られてマージされ、宛先ディレクトリ内にパッチ・ドライバ・ファイルが作成されます。1つのファイルが複数のソース・パスに存在する場合、そのファイルの最上位改訂のみが宛先ディレクトリにコピーされます。

ソース・ディレクトリと宛先ディレクトリは、同じ親ディレクトリ内に作成する必要があります。たとえば、親ディレクトリの名前が<top>の場合、ソース・ディレクトリと宛先ディレクトリはどちらも<top>のサブディレクトリである必要があります。ソース・ディレクトリと宛先ディレクトリを互いの子ディレクトリまたは親ディレクトリにすることはできません。

ソース・ディレクトリと宛先ディレクトリのディレクトリ構造: 基本的な例

本文の説明内容に関するイメージ

ソース・ディレクトリは、マージするすべてのパッチを直下のディレクトリとして保持している必要があります。それよりも下位のディレクトリをパッチ・ディレクトリに指定することはできません。たとえば、4つのパッチをマージするディレクトリ構造は、次のようになります。

ソース・ディレクトリと宛先ディレクトリのディレクトリ構造: 4つのパッチのマージ

本文の説明内容に関するイメージ

マージ・パッチ名の指定

コマンドラインで-merge_nameオプションを使用して、マージ・パッチにわかりやすい名前を付ける必要があります。このオプションを使用しない場合、パッチにはmergedというデフォルトの名前が付けられます。

Zipされたパッチのマージ

マニフェスト・ファイルは、パッチZipファイルの場所と名前を記載したテキスト・ファイルです。マニフェスト・ファイルの内容は、次の例に類似しています。

/d01/prodappl/patches/p3903945_12_GENERIC.zip
/d01/prodappl/patches/p3892799_12_GENERIC.zip
/d01/prodappl/patches/p3874740_12_LINUX.zip

マニフェスト・ファイルを作成するには、-manifestオプションを使用できます。AD Merge Patchによってこのファイルが参照され、リストされたパッチがUnzipされます。次に、Unzipされたファイルがソース・ディレクトリにコピーされ、ソース・ディレクトリ内の他のファイルと一緒にマージ・パッチに挿入されます。

AD Merge Patchのインタフェース

AD Merge Patchの実行および必要な情報の指定は、コマンドラインから行います。メニューや入力画面はありません。

AD Merge Patchの実行

AD Merge Patchは、AD_TOP/binディレクトリにありますが、ソース・ディレクトリの親ディレクトリ(<top>)から実行します。AD Merge Patchの実行に使用するステップの要約は次のとおりです。

ステップ1: 環境の設定

環境を設定して、システムを定義する構成パラメータの位置を示す必要があります。このタスクは、多くのADユーティリティで共通です。

ステップ2: AD Merge Patchの実行

親ディレクトリ(<top>)から、admrgpchコマンドを使用してAD Merge Patchを実行します。