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Oracle Advanced Pricingインプリメンテーション・マニュアル
リリース12
E05612-01
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概要

この章では次のトピックについて説明します。

Oracle Advanced Pricingの概要

Oracle Advanced Pricingはルールベースのアプリケーションで、エンジン・コンポーネントを使用して、顧客との取引の価格を設定するOracle Applicationsの価格設定要件を処理します。Oracle Advanced Pricingを使用することにより、価格設定エンジンが取引に適用する価格表、基本契約、算式およびモディファイアなどの価格設定処理を設定できます。

また、価格設定処理を取引に適用する方法や時期を正確に制御するための価格設定ルールのセット(およびそのルールと組み合せて使用できる価格設定管理)も定義できます。

価格設定エンジンはOracle Advanced Pricingのソフトウェア・コンポーネントであり、価格設定処理を取引に適用するためにOracle Order ManagementやiStoreなどのアプリケーションによって呼び出されます。各種のアプリケーションは、取引に価格設定サービスが必要な場合や取引の価格を設定する必要があるときに価格設定エンジンを呼び出します。

呼出し側アプリケーションは、価格を設定する製品や顧客に関する情報を価格設定エンジンに提供する必要があります。この情報は、価格設定要求構造と呼ばれる内部書式で構成されています。価格設定エンジンは、その表から、設定されている適用可能な価格設定ルール、価格設定処理および管理情報を抽出します。次に、適切な処理を選択し、その結果を計算します。この情報は、エンジンによって呼出し側アプリケーションに戻されます。

Oracle Advanced Pricingは、オープンAPI呼出しを使用して価格設定エンジンにこれらの機能を提供します。これらのAPIおよびその他のAPIについては、『Oracle Order Management Open Interfaces, API, & Electronic Messaging Guide』を参照してください。

Oracle Advanced Pricingと基本価格設定の相違点

基本価格設定という用語は、Oracle Advanced Pricingがインストールされていない場合に価格設定機能を提供する、Oracle Order Managementのコンポーネントを表します。Oracle Advanced Pricingと基本価格設定には共通のソフトウェア・コンポーネントがありますが、Oracle Advanced Pricingでは基本価格設定の機能が拡張されています。

実行する適切なモードを判別するために、価格設定システムのソフトウェア・コンポーネントは、インストール・タイプ(「全て」または「共有」)を検証します。基本価格設定のユーザーは「共有」としてインストールされ、Oracle Advanced Pricingの機能を使用するためのライセンスは与えられません。基本モードの場合、価格設定システムのソフトウェア・コンポーネントによって、設定ウィンドウでのOracle Advanced Pricing機能の表示が制限されます。基本モードで実行している価格設定実装では、Oracle Advanced Pricingの機能の動作に必要な情報を設定できないため、Oracle Advanced Pricingの機能の使用も抑制されます。

Oracle Advanced Pricingのライセンスを取得しているユーザーは、「全て」でインストールされます。価格設定の設定ウィンドウでは、Oracle Advanced Pricingが提供する機能の動作に必要なすべての情報の設定が可能です。

次の表に、Oracle Advanced Pricingの機能と、Oracle Order Managementに組み込まれている基本価格設定の機能の主な相違点を示します。

価格設定の機能 Oracle Order Managementの基本価格設定 Oracle Advanced Pricing
価格設定エンティティのアーカイブおよびパージ Advanced Pricingと同じです。 現行の操作で不要になった価格表とモディファイア・リストの明細データの削除がサポートされます。
価格設定セキュリティ
(権限)
Advanced Pricingと同じです。 価格設定セキュリティ管理者職責は、次の価格設定エンティティ・タイプに対してアクセス権限を付与できます。
  • 標準価格表



  • モディファイア



  • 基本契約価格表

価格設定セキュリティ
(エンティティ・セット)
エンティティ・セットは基本価格設定では使用できません。 価格設定管理者は、「エンティティ・セット」ページを使用して、アクセス役割を付与可能な価格表セットなどの価格設定オブジェクト・セットを作成できます。
価格設定セキュリティ
(アクセス・レベル)
次のアクセス・レベルは、サイト・レベルのプロファイル設定によってサポートされます。
  • 表示専用



  • 保守

基本価格設定と同じアクセス・レベルおよび権限です。
価格設定セキュリティ
(権限)
次の被付与者タイプに対してアクセス権限を付与できます。
  • グローバル



  • 営業単位


価格設定セキュリティでは、価格設定データの作成、保守および表示を行う承認ロールがサポートされます。セキュリティ権限は、HTMLユーザー・インタフェースで設定および管理されます。
基本価格設定におけるこれらの権限に加えて、「職責」および「ユーザー」の被付与者タイプに対してアクセス権限を付与できます。
価格表 次を設定できます。
  • 価格表のヘッダーおよび明細



  • リストごとに1つの通貨



  • リストでの有効日



  • 端数処理ファクタ



  • 支払条件



  • 運送条件



  • 運送業者



  • サービス品目のパーセント価格



  • サービス価格



  • 有効フラグ



  • モバイル・ダウンロード



  • セキュリティ機能をサポートするグローバル・フラグ



  • セキュリティ・ルールのチェックは有効です。

Advanced Pricingには基本的な価格表機能がすべて含まれており、さらに、価格表に点と範囲の価格分岐を定義する機能が加えられています。現行のリリースでは、すべての価格分岐が連続しています。つまり、ある分岐の最大値が次の分岐の最小値になります。
価格表の価格設定属性 基本価格設定では、コンテキストと呼ばれるデータ・ソースを受注明細ごとに1つ使用できます。コンテキストごとに100の属性を設定できます。 Advanced Pricingには、複数のコンテキストをサポートする機能が追加されます。シード済値を使用したり、独自のコンテキストを定義できます。コンテキストごとに設定できる属性は100個に限定されます。
第2価格表 第2価格表は1つサポートされます。 Advanced Pricingには、第2価格表を無制限に定義および使用できる機能が追加されます。第2価格表のチェーン化はサポートされません。
プロファイル・オプションを使用すると、第2価格表のクオリファイア・チェックを有効化できます。
クオリファイア: 価格表 クオリファイアは、基本価格設定の価格表ではサポートされません。Oracle Order Managementでは、価格表を受注ヘッダーまたは受注明細にいつデフォルト設定するかを定義(および認定)する、デフォルトのルールを作成できます。たとえば、価格表の認定は、Order Managementの受注タイプ、顧客およびその他の属性に基づいて行うことができます。 クオリファイアは、Advanced Pricingの価格表で、次のように完全にサポートされています。
  • 価格表に対してクオリファイア・グループを関連付けたり、クオリファイアを入力できます。



  • Advanced Pricingのすべてのシード済コンテキスト値およびユーザー定義のクオリファイア(属性マッピングが必要)がサポートされます。



  • 優先は「コンテキスト設定」ウィンドウの「優先番号」フィールドから導出され、ユーザーがAdvanced Pricingで構成できます。



  • クオリファイア間のAND/OR関連を使用した複数クオリファイアが可能です。



  • クオリファイアによって、品目に対する価格表を無制限に定義できます。



  • 注意: 受注額をクオリファイアとして定義することはできません。

製品階層の価格表ノート 基本価格設定では、平坦化されたカテゴリのみがサポートされます。 Advanced Pricingでは、階層的カテゴリおよび平坦化されたカテゴリがサポートされます。
価格表の価格分岐 基本価格設定ではサポートされていません。 Advanced Pricingでは、次の数量の尺度を使用して価格表に価格分岐を設定できます。
  • 数量



  • 金額(品目金額を除く)



  • 重量



  • その他のユーザー定義の属性



    単価およびパーセント価格の適用方法では、次の分岐タイプがサポートされます。



  • 点分岐



  • 範囲分岐

価格に価格表の分岐が含まれる、ブロック価格設定 基本価格設定ではサポートされていません。 ブロック価格設定(ブロック価格の適用方法)を使用して、ブロック・セット全体の価格を定義します。
  • ブロック価格設定は既存の設定で使用できます(点分岐および範囲分岐)。

複数通貨換算リスト 基本価格設定には、複数通貨換算リストは含まれません。 1つの基準通貨を使用して単一リストで価格を保守したり、複数の通貨換算レートおよび通貨固有のマークアップおよびマークダウン計算式を定義します。
「複数通貨換算」ウィンドウを使用して、通貨換算基準を定義できます。
シード済換算タイプは、固定、算式、ユーザー定義、直物、EMU固定、取引および法人です。

  • これらのシード済換算タイプの中には、Oracle General Ledgerのインストールを必要とするものがあります。



  • 通貨の定義ごとにマークアップ基準を定義できます。



  • コンカレント・プログラム「複数通貨換算基準で価格表の更新」が用意されています。

算式 基本価格設定を使用して、静的算式を定義できます。静的算式を使用するには、コンカレント・マネージャ・プログラムを実行して「価格表」ウィンドウに定価列を挿入して、エンジン呼出しで価格設定を使用できるようにする必要があります。
基本価格設定では、算式を価格表に添付できます。これらの算式には、算術演算子、数値オペランドおよびMIN/MAXなどのPL/SQLファンクションを埋め込むことができます。
16のシード済算式が含まれます(これらの算式は更新できます)。
  • 費用から手数料への8つの算式



  • 費用から手数料への8つのマークアップ算式

Advanced Pricingには、その他に次の機能があります。
  • 算式をモディファイアおよび価格表に添付できます。ただし、静的算式を生成できるのは、Advanced Pricingの価格表のみです。



  • 動的算式拡張: 動的拡張により、価格設定エンジンは、実行時に使用可能な様々な値に基づいて算式価格を動的に計算できます。動的に拡張された算式は、価格表とモディファイアのどちらにも添付できます。



    注意: コンポーネント・タイプがモディファイア値である動的算式を持つ価格表は、価格表明細に添付できません。

算式コンポーネント コンポーネント・タイプは、次のとおりです。
  • 数値



  • ファクタ・リスト



  • 属性を100個まで設定できる、算式全体で1つの価格設定コンテキスト。コンテキストは、算式が添付されている価格表明細のコンテキストと一致する必要があります。

    調整ファクタ(ファクタ・リスト): 基本価格設定では、複数のファクタがサポートされます。ただし、基本価格設定では、属性を100個まで設定できる価格設定属性コンテキストが算式全体で1つという制限があります。シード済コンテキストを使用する必要があります。

Advanced Pricingには、基本価格設定で使用可能なすべての算式コンポーネントが含まれます。その他に、次のコンポーネント・タイプがあります。
  • 特定の価格表(製品およびサービス)の価格設定属性の品目の定価



  • モディファイア値は、モディファイア明細の「モディファイア設定」ウィンドウの「モディファイア値」フィールドで算式のコンポーネントとして入力します。



  • Advanced PricingのAPI Get_Custom_Priceを呼び出すFUNCTIONタイプ



  • 調整ファクタ: Advanced Pricingでは、複数の調整ファクタがサポートされます。両方のコンテキスト(シード済コンテキストとユーザー定義コンテキスト)および属性を調整ファクタとして使用できます。



  • 価格設定属性の複数の価格設定コンテキスト

価格表保守 基本価格設定では使用できません。 Advanced Pricingには、単一の価格表または複数の価格表を対象とした検索および保守機能が用意されています。
一括変更機能で一括更新を行うか、価格表明細を個別に更新します。
価格表明細の次の各項目を更新できます。


  • 静的および動的算式



  • 価格表明細の有効日



    価格表保守はHTMLユーザー・インタフェースを介して実行できます。詳細は、『Oracle Advanced Pricingユーザーズ・ガイド』の価格表保守機能の使用に関する項を参照してください。

価格表の一括インポート 基本価格設定:
  • インタフェース表を介して大容量の価格表をインポートします。



  • ビジネス・オブジェクトAPIを使用する場合よりもパフォーマンスが向上します。

基本価格設定と同じです。
価格表のコピー 基本価格設定にはこの機能が用意されています。 基本価格設定と同じです。
価格表の調整 基本価格設定にはこの機能が用意されています。 基本価格設定と同じです。
価格表への品目追加 サポートされています。(ユーザーは品目の追加に対する保守アクセス権限を持っている必要があります。) 基本価格設定と同じです。(ユーザーは品目の追加に対する保守アクセス権限を持っている必要があります。)
GSA価格設定 サポートされています。 基本価格設定と同じです。
モディファイア・リスト・タイプ 基本価格設定では、次のモディファイア・リスト・タイプがサポートされます。
  • 値引



  • 追加料金



  • 運送費および特別手数料

Advanced Pricingには、基本価格設定で使用可能なすべてのモディファイア・リスト・タイプが含まれます。その他に、次のモディファイア・リスト・タイプがあります。
  • 販促品



  • 取引

モディファイアの適用方法 基本価格設定では、次のモディファイア適用方法がサポートされます。
  • 手動



  • 自動



  • 上書き可能

基本価格設定と同じです。その他に、販促/取引の要求を使用できます。
モディファイア・ヘッダーの有効ボックス 基本価格設定では無効です。 Advanced Pricingでは有効です。
モディファイアのレベルおよびレベル・コード 受注、受注明細レベル。 基本価格設定のレベル・コード。明細グループが追加されます。
モディファイア・ヘッダー・クオリファイアおよび属性 基本価格設定には、次を含むシード済クオリファイア・コンテキストがあります。
  • 顧客



  • 価格表



  • 無制限の価格表(新規OM機能)



  • コンテキスト内のシード済属性。顧客コンテキストに含まれる属性は、顧客区分(RA顧客で定義)、サイト、顧客名です。



    注意: モディファイア・リスト・タイプ「運送および特別手数料」では、追加のモディファイア・ヘッダー・クオリファイアおよび属性がサポートされます。



    セキュリティ・ルールのチェックは有効です。

基本価格設定機能が含まれ、その他にAdvanced Pricingには、次の機能が追加されます。
  • 優先に関するユーザー割当ておよび上書きが有効です。



  • クオリファイアは、シード済コンテキストとユーザー定義コンテキストの両方で使用できます。



  • ユーザー定義のコンテキストを使用して属性を定義できます。コンテキストごとに最大100個の属性を定義でき、ユーザーが定義できるコンテキストの数には制限がありません。



  • シード済クオリファイア属性は、属性マッピング機能を使用してその他のデータ・ソースに転送できます(属性マッピングのトピックを参照してください)。



  • ユーザーはクオリファイア優先を制御できます。



  • 入力済コンテキスト(シード済コンテキスト)があり、ユーザー定義が可能です。



  • 属性優先に関するユーザー管理が可能です。



  • クオリファイア・グループをモディファイア・ヘッダーに添付できます。

モディファイア: 明細タイプ 使用可能なタイプは、次のとおりです。
  • 値引: 定額、パーセント、新価格



  • 追加料金: 定額、パーセント、新価格



  • 運送費: 定額、パーセント、総額



  • 価格分岐

Advanced Pricingには、基本価格設定タイプが含まれます。その他に、次のタイプがあります。
  • クーポン発行



  • 品目アップグレード



  • 他の品目値引



  • 条件代替



  • 販促品

モディファイア: 明細クオリファイアおよび属性 基本価格設定には、次を含む固定クオリファイアがあります。
  • 基本契約名



  • 基本契約タイプ



  • 受注タイプ



  • 顧客PO


使用可能な製品属性は、次のとおりです。
  • 品目



  • 品目カテゴリ



  • 全品目


使用可能な価格設定属性は、次のとおりです。
製品属性が全品目である場合、1つのコンテキストに制限されます。

注意: モディファイア明細タイプ「運送および特別手数料」では、追加のモディファイア明細クオリファイアおよび属性がサポートされます。

Advanced Pricingには、基本価格設定で使用可能な明細レベル・クオリファイアが含まれます。その他に、次の明細レベル・クオリファイアがあります。
  • 必要な数だけクオリファイアを定義できます。



  • クオリファイア・グループをクオリファイアとして添付できます。



  • シード済コンテキストを使用し、追加のコンテキストを定義できます。



  • ユーザー定義コンテキストが有効です。



  • AND/OR条件を使用した複数のクオリファイアを作成できます。



    Advanced Pricingの製品属性には、基本価格設定で定義されている属性が含まれます。その他に、ユーザー定義の製品属性を使用できます。



    Advanced Pricingでは、価格設定属性を必要な数だけ作成できます。ユーザーは優先を変更できます。

モディファイア: 手動モディファイアのバケット 基本価格設定にはこの機能はありません。 明細および明細グループ・レベルの手動モディファイアのバケットは、次のモディファイア・タイプについてサポートされています。
  • 値引



  • 追加料金



  • 価格分岐



  • 運送費および特別手数料

モディファイア: オプション通貨 すべての取引の通貨でモディファイアが使用できるようになります。
  • LOVから選択したオプション通貨。



  • パーセント、金額、新価格、総額。



  • 通貨換算は適用されません。



  • 取引の通貨単位にはモディファイア設定数値が常に適用されます。



  • 使用制限はありません。このため、ユーザーが慎重に判断して適切に使用する必要があります。

Advanced Pricingには、基本価格設定と同じ機能が用意されています。
モディファイア: 価格分岐 基本価格設定の明細レベルの価格分岐は、次のとおりです。
  • パーセント



  • 金額



  • 固定価格



  • 等価演算子



  • 分岐タイプコード: 点タイプのみに制限されています。



  • ボリューム・タイプ(品目金額、品目数量)

Advanced Pricingの明細レベルの価格分岐には、基本価格設定のすべての価格分岐機能が含まれます。その他に、次の機能があります。
  • 算術演算子の「=」、「BETWEEN」



  • 点と範囲



  • コンテキスト(シード済およびユーザー定義)



  • 定型



    明細および明細グループ・レベルのネット金額に基づいて自動で連続する価格分岐を定義します。



    分岐計算の開始ポイントとして使用される累積値に基づいて累積範囲価格分岐を定義します。容積コンテキストがある通常の未使用価格設定属性は、モディファイアの範囲分岐の累積属性として割り当てることができます。累積属性のソースは、属性管理の2つの方法を使用してエンジンから指定できます。



  • 属性マッピング



  • ランタイム・ソース

モディファイア: 運送費および特別手数料 サポートされているヘッダー・クオリファイア
  • 運送条件



  • 受注額



  • 明細重量



  • 受注重量



  • 明細容積



  • 受注容積


サポートされている明細クオリファイア
  • 受注容積



  • オーダー・タイプ



  • 受注カテゴリ



  • 明細タイプ



  • 明細カテゴリ



  • 出荷優先度コード



  • 出荷済フラグ



  • 出荷可能フラグ



  • 運送費タイプ

Advanced Pricingには、基本価格設定と同じ機能が用意されています。
有効日管理 有効日: 受注日のみです。 Advanced Pricingには受注日が含まれます。その他に、次があります。
  • 出荷日



  • 受注日と出荷日



    Oracle Advanced Pricingでは、販促品バージョン、親販促品および親バージョンのフィールドも追加されます。

販促限度 基本価格設定にはこの機能はありません。 Advanced Pricingには、この機能が含まれます。次を基準にして販促限度を定義できます。
  • 総収益



  • 使用料



  • 累計値引額



  • 品目数量



  • ポイント単位

次の範囲で限度を設定できます。

  • 現行取引内



  • すべての取引を対象

次に対して限度を適用できます。

  • 顧客属性



  • 製品階層

限度のタイプは、次のとおりです。

  • ソフト限度(限度を超えると、全特典を適用します)



  • ハード限度(限度を超えると、特典を調整または拒否します)

ハード限度の強制

  • 保留



  • 保留なし



    セキュリティ・ルールのチェックは有効です。

モディファイア明細の複製 基本価格設定では、プロファイル・オプション「QP: モディファイアの重複許可」が「Yes」に設定されている場合、モディファイア明細の複製がサポートされます。 Advanced Pricingでは、モディファイア・リスト内のモディファイア明細を複製できます。
モディファイアのコピー 基本価格設定にはこの機能はありません。 既存のモディファイアをコピーして、新しいモディファイアを作成できます。
価格設定オーガナイザ: モディファイア 基本価格設定にはこの機能はありません。 Advanced Pricingにはこの機能があります。この機能を使用して、モディファイアの設定を問い合せることができます。
  • モディファイア・リスト



  • モディファイア明細



  • 製品(除外製品を含む)



  • 価格設定属性



  • クオリファイア


問合せ基準は、個人フォルダまたは共有フォルダに保存できます。モディファイアは、オーガナイザ要約からオープンできます。セキュリティ・ルールのチェックは有効です。
価格設定エンジン要求ビューワ 基本価格設定機能には、次の価格設定要求情報を表示する機能があります。
  • 価格設定エンジン要求



  • 価格設定エンジン要求明細



    - 定価



    - 販売価格



    - サービス品目とサービス可能品目



    - 価格設定エンジンによって評価および削除された価格表明細とモディファイア明細



  • 価格設定エンジン要求明細詳細



    - 価格設定エンジンによって評価および削除された価格表明細とモディファイア明細



    - 呼出し側アプリケーションから価格設定エンジンに送信された属性



    - 価格設定エンジンによって価格設定に使用された属性



  • デバッグ・ログ



    注意: 受注パッドの「ツール」メニューからアクセス可能


セキュリティ・ルールのチェックは有効です。
基本価格設定と同じです。その他に、モディファイア・タイプの販促品と他の品目値引の明細間の関連を表示できます。
価格設定マネージャ職責からもアクセスできます。
基本契約 基本価格設定の基本契約機能を使用して、次を行うことができます。
  • 支払条件の設定: 請求書ルールおよび会計基準



  • 運送条件の設定: 運送業者



  • 標準および基本契約価格表の作成



  • 顧客部品番号の使用方法の定義



  • 当初条件の改訂



  • 明細レベルのみでの改訂の番号、日付および事由の入力



  • 有効日の設定



  • ボリューム分岐の作成

基本価格設定と同じです。
HTML価格設定: ホーム・ページ 基本価格設定にはこの機能はありません。 Advanced Pricingユーザーは、Oracle Pricingユーザー職責を使用して、ホーム・ページのAdvanced Pricing HTML価格設定の設定で次のタスクを実行できます。
  • 価格表およびモディファイア・リストの検索



  • 価格表、モディファイア・リストおよび価格表保守を作成するためのショートカット・リンク



  • 最近作成した価格表およびモディファイア・リストの表示

HTML価格設定: 価格表 基本価格設定にはこの機能はありません。 Advanced Pricingユーザーは、Oracle Pricingユーザー職責を使用して、Advanced Pricing HTML価格設定で次のタスクを実行できます。
  • 価格表の作成



  • 価格設定属性がある価格表明細の作成



  • 価格設定属性がある価格分岐明細の作成



  • 価格表と価格表明細の更新



  • 価格表明細の削除



  • 価格表保守機能へのアクセス



  • BSA関連フィールドはHTMLユーザー・インタフェースでは使用できません。

HTML価格設定: モディファイア 基本価格設定にはこの機能はありません。 Advanced Pricingユーザーは、Oracle Pricingユーザー職責を使用して、モディファイア用のAdvanced Pricing HTML価格設定で次のタスクを実行できます。
  • モディファイア・リストの作成(値引、追加料金、取引、販促品リスト)



  • 値引、追加料金、価格分岐、販促品のモディファイア明細の作成(追加購買製品はサポートされていません)



  • モディファイア・リストおよびサポートされているタイプのモディファイア明細の更新



  • 除外製品

価格台帳
  • すべての価格台帳の作成



  • 次の公開オプションがサポートされています。



    - プリンタに送信



    - Eメール



    - 文書の表示(PDF、Excel、RTF)



  • 価格台帳の削除



  • 「価格計算基準」の属性は、基本価格設定の属性に制限されます。



  • Oracle Pricingユーザー職責からアクセス可能

  • 価格台帳を作成および公開するための機能が追加されます。



    - デルタ価格台帳の作成



    - Get_Catalog XMLメッセージ



  • 追加の公開オプション:



    - XMLメッセージ送信



  • 拡張可能な追加の属性が「価格計算基準」に使用されます。



  • Oracle Pricingユーザー職責からアクセス可能

属性マッピング(拡張機能) 基本価格設定にはこの機能はありません。 属性マッピングを使用して、価格設定を多様な非標準ソースに拡張し、価格設定を実行できます。これらのデータ・ソースは、Oracle Applications内にある場合と、Oracle Applications以外にある場合があります。
Get_Custom_Price API(拡張機能) 基本価格設定にはこの機能はありません。 Advanced Pricingには、この機能があります。Get_Custom_Price APIを使用すると、独自のコードをAdvanced Pricingエンジンの実行サイクルの一部として実行できます。
クオリファイアおよびグループ 基本価格設定では使用できません。価格表およびモディファイアに関するデフォルト設定は使用できます。 基本価格設定に対するデフォルト設定の他に、この機能が組み込まれています。
モディファイアのその他の相違点 使用可能な単一のバケット(バケット1)にデフォルト設定されます。基本価格設定では、非互換機能に関するユーザー管理は無効です。フェーズ/イベント・マッピングに関するユーザー管理は無効です。 Oracle Advanced Pricingで追加される機能は、複数バケット、シード済またはユーザー定義バケット、フェーズ・イベント・マッピングに関するユーザー管理、非互換/排他モディファイア管理機能に関するユーザー管理、最善価格または優先の選択設定による非互換性解決方法に関するユーザー管理、ポイント機能、モディファイア機能における算式、およびアクティブな品目の除外(製品属性)です。
Oracle Order Managementと価格設定との統合 Order Managementと基本価格設定との統合によって、調整の表示機能および次の機能がサポートされます。
  • 手動価格上書き



  • 手動値引上書き



  • 事由コード



  • モディファイア日付



  • クオリファイア属性の表示および価格設定属性の表示(UI上のボタン)



  • 1つの価格設定属性コンテキスト



  • 1コンテキストに100属性まで使用可能



  • 「処理」>「受注の価格設定」を使用可能



  • 「処理」>「明細の価格設定」を使用可能



  • 価格計算固定フラグを設定可能



  • 営業基本契約受注のサポート: 「営業基本契約」ウィンドウから簡単な価格表を作成



    セキュリティ・ルールのチェックは有効です。グローバル・フラグおよびセキュリティ・ルールが強制されます。価格表、モディファイアまたは基本契約価格表で「グローバル」ボックスが選択されている場合、作成元の営業単位とは関係なく「価格設定」ウィンドウを使用できます。

Advanced Pricingと統合されている場合、Order Managementは基本価格設定でサポートされているすべての機能を使用できます。その他に、次の機能を使用できます。
  • 調整の表示: 関連ボタン、品目アップグレード、条件代替



  • クーポン入力



  • 販促要求



  • ユーザー入力の属性: 複数の属性コンテキストを使用可能



  • 1コンテキストごとに最大100個の属性



  • 販促限度の保留:



    - 違反した場合の保留



    - 保留の適用なし



    - 任意の違反が発生した場合の受注の保留

Oracle Order Managementと価格設定との統合: 営業基本契約 「営業基本契約」ウィンドウから簡単なインライン価格表およびモディファイア・リストを作成します。その他のタブには追加情報が表示されます。
  • 価格表およびモディファイア・リストのソース文書番号のリスト(営業基本契約番号)とソース・コードのリストは、自動的に入力されます。



  • 価格表明細とモディファイアのヘッダーおよび明細のクオリファイアとして営業基本契約を自動作成



  • 価格表の顧客品目、所在地、所在地カテゴリ用の各フィールド



  • 入力された顧客名と顧客番号

リリース全体で累積した営業基本契約管理に基づいて価格分岐範囲タイプのモディファイアを作成します。ここでは、価格台帳は連続的です。
容積累積属性は、営業基本契約用としてのみシードされています。モディファイアを設定する場合、次の累積属性を選択できます。
  • 営業基本契約金額



  • 営業基本契約明細数量



  • 営業基本契約明細金額

価格設定エンジン 基本価格設定では、価格設定エンジンは、Oracle Advanced Pricingのモディファイアまたは機能を呼出し側アプリケーションに戻しません。
セキュリティ・ルールのチェックは有効です。「グローバル」ボックスおよびセキュリティ・ルールが使用されます。
Oracle Advanced Pricingでは、価格設定エンジンは、すべての拡張機能を戻すことができます。
レポート 基本価格設定のレポートは、次のとおりです。
  • 受注値引詳細レポート



  • 受注値引要約レポート



  • 価格表明細詳細の診断



  • パフォーマンス分析の診断



    すべてのレポートに対してセキュリティ・ルールのチェックは有効です。

Advanced Pricingには、その他に次のレポートがあります。
  • ポイント詳細レポート



  • 属性マッピング・ルール・エラー・レポート



  • クロス受注ボリューム・レポート



  • モディファイア詳細レポート



  • 価格表詳細レポート(複数通貨がインストールされている場合、「複数通貨」フィールドが含まれます)



  • 価格設定算式レポート



  • クオリファイア・グループ化レポート

コンカレント・プログラム 基本価格設定では使用できません。 Advanced Pricingには、その他に次のコンカレント・プログラムがあります。
  • 属性マッピング・ルールのビルド



  • 算式パッケージのビルド



  • クロス受注ボリューム・ロード



  • 価格設定エンジン要求のパージ



  • QP: 価格表の一括インポート



  • QP: QPクオリファイアの非正規化データの保守



  • 複数通貨換算基準での価格表の更新



  • 販促限度残高の更新

TCAパーティ階層のサポート この機能はAdvanced Pricingでのみ使用できます。 この機能はAdvanced Pricingでのみ使用できます。
  • 「パーティ階層に適用」チェック・ボックスは、基本価格設定の価格表およびモディファイアのクオリファイアに表示されません。



  • 「パーティ階層使用可」チェック・ボックスは、基本価格設定の属性UIに表示されません。

パブリックAPI 基本価格設定では使用できません。 Advanced Pricingには、いくつかのパブリックAPIが用意されています。詳細は、『Oracle Order Management Open Interfaces, API, & Electronic Messaging Guide』を参照してください。

用語

呼出し側アプリケーション

価格設定呼出しを取得するために、Oracle Advanced Pricingエンジンを呼び出すアプリケーションです。たとえば、Oracle Order ManagementおよびiStoreは、顧客取引に価格設定を適用するためにOracle Advanced Pricingエンジンを呼び出します。

顧客属性

Oracle Advanced Pricingでは、シード済のクオリファイア属性に顧客コンテキスト(顧客属性とも呼ぶ)が提供されます。前述の属性を使用するには、モディファイアまたは価格表のいずれかのオブジェクトに対して、それらの属性をクオリファイアとして参照します。詳細は、「実装に関する主な決定事項: Oracleの顧客表のシード済コンテキスト値が、顧客属性を含めるのに十分かどうかの確認」を参照してください。

価格設定エンジン

価格設定エンジンは、Oracle Advanced Pricingのプログラム・モジュールです。価格の設定を必要とする取引が処理されるときに、価格設定エンジンは、呼出し側アプリケーション(Oracle Order Managementなど)によって呼び出されます。

価格設定要求

価格設定要求は、呼出し側アプリケーションが価格設定エンジンを呼び出した際に、価格設定エンジンに提供する特定の情報です。通常、価格設定要求に含まれるのは、対象となる顧客、製品、価格設定エンジンが使用する顧客または製品に関連付けられている属性、価格設定日、および価格設定エンジンが必要とするその他の価格設定データ属性です。

製品階層

Oracle Advanced Pricingの製品階層には、(Oracle Applicationsの品目マスターであるMTL_SYSTEM_ITEMS表を基に)品目コンテキストが事前にシードされています。このコンテキストは、次の2項目で構成される2レベルの製品階層を提供します。

Oracle Advanced Pricingは、この階層を拡張する2つの追加機能を提供します。

価格表およびモディファイアの操作を管理するためのデフォルトとして、品目、品目と価格設定属性、または品目カテゴリを使用できます。

製品階層の追加レベルの機能は、Oracle Advanced Pricingで定義できます。たとえば、追加の顧客グループを格納するフレックスフィールドを顧客表に定義することもできます。

前述の階層は、Oracle Inventoryの品目マスターを使用して構築されます。Oracle Advanced PricingがOracle Order Managementとともにインストールされない場合、または存在している標準の品目マスター表とともにインストールされない場合、リストされているシード済品目属性は使用できません。この場合、製品階層が存在する代替の表体系の位置(コンテキスト)と、その中に含まれる属性を定義する必要があります。代替の製品階層体系をサポートする表体系は、必ずしもOracle Applications内に存在する必要はありません。

代替の製品階層のマッピングは、属性マッピングを使用して実行できます。属性マッピングの詳細は、「属性管理の概要」を参照してください。

Oracle Advanced Pricingの機能

次のリストには、Oracle ApplicationsでサポートされるOracle Advanced Pricingの機能が要約されています。

クオリファイア

クオリファイアは、価格または特典に対する適格者を判別します。クオリファイアとクオリファイア・グループを価格表およびモディファイアにリンクすると、特定の価格、値引、販促品または特典を受けることができる対象者に関するルールを定義できます。値引および販促品を次の項目に割り当てることができます。

次にクオリファイアの例を示します。

ブール演算子ANDおよびOR関連でまとめて評価される、複数のクオリファイアで構成される複雑なクオリファイア・セットを構築できます。

クオリファイア・グループ

クオリファイア・グループを使用すると、価格表またはモディファイアのいずれかとの関連付けの準備として、複数クオリファイアの関連を定義できます。これらのクオリファイア・グループを保存し、1つ以上の価格表およびモディファイアにコピーできます。

価格表

価格表は、価格表を製品に関連付けます。(定価は、関連する値引および調整が適用される前の開始価格です。)価格表には、1つ以上の価格表明細、価格分岐、価格設定属性、クオリファイアおよび第2価格表が含まれます。価格表の情報には、価格表名、有効日、通貨、価格設定管理、端数処理ファクタ、および運送条件や運送業者などの出荷に関するデフォルト値が含まれています。価格表の設定および使用方法は、『Oracle Advanced Pricingユーザーズ・ガイド』の価格表に関する章を参照してください。

価格設定エンジンを使用して、クオリファイア・ルールに基づいて価格表を選択できます。ただし、価格表のクオリファイアを使用するかわりに、次のいずれかに基づいて受注にデフォルトの価格表を設定できます。

デフォルト設定は、Oracle Order Entry/Shippingリリース10.7および11.0の価格表デフォルト設定と同等の機能を提供します。クオリファイア・ルールで参照できる同じ要素の一部をデフォルトで設定できます。デフォルト設定は、価格表に対してのみ使用可能です。価格表で使用できるデフォルトは1つのみで、AND/OR関連を使用してデフォルトを結合することはできません。

注意: 複数の価格表を定義できます。あるいは、受注ヘッダーに、または受注明細レベルで特定の価格表を入力することもできます。各価格表に対して、エンジンが主要価格表で品目を見つけることができなかったときに検索する第2価格表の指定もできます。各主要価格表に対して、複数の第2価格表を検索できます。つまり、主要価格表に対する第2価格表として、複数の価格表を定義できます。複数レベルの第2価格表は定義できません。

価格表は様々な通貨で指定できます。受注入力時に、受注に通貨を入力すると、価格設定エンジンは、受注に入力された通貨と一致する通貨で指定された価格表を選択します。

複数通貨価格表

複数通貨価格表を使用すると、品目に対して基準通貨による単一価格に基づいた価格設定計画を採用しているビジネスでは、換算レートまたは算式を使用してその価格を受注通貨に変換できます。エンジンの実行時に、価格設定エンジンは受注から通貨を取得し、この通貨と照合する基準通貨(換算通貨)で価格表を検索します。価格設定エンジンは、設定されている換算ルールに基づいて、基準通貨から価格を変換し、受注通貨を計算します。

価格表保守

Oracle Advanced Pricingには、価格表保守機能があります。この機能を使用して、価格表および価格表情報の検索、複数の価格表を対象とした一括変更の実行、または個々の価格表明細の更新を行うことができます。

価格表保守はHTMLユーザー・インタフェースを介して実行できます。詳細は、『Oracle Advanced Pricingユーザーズ・ガイド』の価格表保守機能の使用に関する項を参照してください。

価格設定属性

価格設定属性は、品目識別子に加えて使用されるデータ要素です。これらの属性によって、価格表またはモディファイアで価格設定される対象が管理されます。Oracle Advanced Pricingには、シード済の価格設定属性が用意されています。Oracle Advanced Pricingのシード済属性は、基本価格設定のシード済属性と同じです。詳細は、「シード済属性」を参照してください。

状況によっては、品目識別子では、価格を割り当てることができるレベルまで、製品が識別されない場合があります。価格設定属性を使用すると、異なる条件での製品の価格設定が必要な場合に、製品に対して別々の条件を定義できます。価格設定属性は、品目をさらに限定するために使用する条件です。

次の例は、価格に影響を与える製品またはサービスの条件を指定するための価格設定属性の使用方法について示します。これらの例は、価格表に適していますが、同じ概念がモディファイアにも当てはまります。価格設定属性は、算式とともに使用することもできます。

価格設定属性は、互いに組み合せて使用でき、実行時に価格設定エンジンに渡されます。次の図は、時間帯と地域という2つの属性の定義方法の例を示しています。これらの属性は両方とも、呼出し側アプリケーションによって取得され、実行時に価格設定エンジンに渡される必要があります。価格設定エンジンは、製品IDと、価格設定属性によって定義された条件の組合せに対して一致する属性を使用します。

価格設定属性定義

本文の説明内容に関するイメージ

属性マッピング

属性マッピングは、価格表、モディファイア、基本契約、クオリファイアおよび算式で使用するために、配布済の製品にシードされていないデータ(他のアプリケーションまたはシステムの)をOracle Advanced Pricingに渡すのに使用される処理です。

価格表の保守

次のいずれかの機能を使用して価格表を保守できます。

これらの機能はOracle Pricingマネージャ職責から使用することが可能で、ステップごとにコンカレント・マネージャのジョブが発行されます。

価格表保守機能(HTMLユーザー・インタフェースから使用可能)を使用して、単一の価格表または複数の価格表を対象として価格表および価格表明細を変更できます。詳細は、『Oracle Advanced Pricingユーザーズ・ガイド』の価格表保守機能の使用に関する項を参照してください。

基本契約

基本契約を使用すると、特定の顧客と交渉した価格、支払条件および運送条件を定義できます。次のことができます。

GSA価格設定

GSA価格設定を使用すると、GSA顧客に対してGSA価格表を定義できます。GSA価格表は、実際にはモディファイア・ウィンドウを使用し、新価格を使用します。ユーザーは、品目の基準価格をGSA価格に調整するための値引を作成します。

算式

価格表およびモディファイアの両方に使用可能な算式を使用すると、他の変数との代数的関連に従って定価を調整できます。Oracle Advanced Pricingでは、実行時に、価格設定属性を変数として算式処理に渡すことができます。算式を使用すると、価格設定エンジンが品目の定価を判別するために使用する数式を定義できます。算術演算子、数値オペランドをすべて使用できます。次に算式の例を示します。

距離は、価格設定属性として実行時に価格設定エンジンに渡される数値です。調整ファクタは、サービスの区分に基づいたファクタ表の値の結果です。サービスの区分は、実行時にエンジンに渡される価格設定属性です。

価格表について: 算式の処理時に、価格設定エンジンは、最初に算式にリンクされている価格表明細を探します。次に、数式を適用して最終的な定価を生成します。Oracle Advanced Pricingでは、算式は静的な場合があります。つまり、算式を使用するには、コンカレント・マネージャのジョブを実行することによって、算式の変数にデータが事前に設定されている必要があります。Oracle Advanced Pricingでは、動的モードの算式操作が提供されます。動的算式では、算式変数に置換される必要なデータが、価格設定エンジンによって実行時に収集されます。

モディファイア

モディファイアは、取引への適用時に、販売価格の割増しまたは値引を調整する価格設定処理です。モディファイアが実行する特定の処理は、そのタイプによって定義されます。Oracle Advanced Pricingのモディファイアには、リスト・タイプと明細タイプという2つの機能レベルがあり、その処理を定義します。モディファイアのリスト・タイプを使用すると、すべての明細に共通の動作特性を定義でき、いくつかの異なる明細に関してモディファイアを定義して、各明細で特定の価格設定処理を示すことができます。

Oracle Advanced Pricingで作成できるモディファイアのリスト・タイプは、次のとおりです。

定義するリスト・タイプごとに、特定の明細タイプを関連付けることができます。使用可能な明細タイプは、次のとおりです。

すべての明細タイプをすべてのリスト・タイプで使用できるわけではありません。有効なモディファイア・リストと明細タイプの組合せは、『Oracle Advanced Pricingユーザーズ・ガイド』を参照してください。

価格設定エンジンが自動的に適用するモディファイアを定義するか、またはモディファイアを手動で入力できます。適切に設定すると、モディファイアは手動または上書き可能として定義されます。

モディファイアは、価格分岐の計算に使用できます。パーセント、金額または固定価格として計算される分岐を明細レベルで定義できます。点分岐と範囲分岐の両方がサポートされます。

運送費および特別手数料

Oracle Order Managementの運送費および特別手数料の機能を使用すると、出荷、受注、コンテナまたは搬送に関連付けられた費用を取得、格納、更新および表示できます。受注に対するこのような手数料は、明細で示すかまたは要約することができます。この機能には、顧客の手数料情報を請求のためにOracle Receivablesに渡す機能も含まれます。

運送費および特別手数料を使用すると、次のことができます。

運送費および特別手数料を使用するときは、運送および特別手数料を価格設定モディファイアとして設定します。価格設定エンジンは、適格な運送費および特別手数料を受注明細に適用します。受注への運送費および特別手数料の適用を表示できます。Oracle Order Managementは出荷時に費用を取得し、それを手数料に変換します。運送費および特別手数料は請求書に表示されます。

Oracle Advanced Pricingでは、クオリファイア・ルールの全機能を使用して、どの受注に運送費やロジスティクス手数料を適用するかを判別したり、特定の受注を手数料の適用対象から除外できます。また、算式を使用して、運送費を受注に設定する前に割増しまたは値引のマークを付けることができます。

価格設定セキュリティ

Oracle Advanced Pricingには、既存の機能セキュリティを向上させるために価格設定セキュリティと呼ばれる追加のセキュリティ・レベルが用意されています。価格設定セキュリティを使用すると、価格設定エンティティの更新や表示などの価格設定アクティビティを、特定のアクセス権限が付与されたユーザーに制限できます。

Get_Custom_Price API

Oracle Advanced Pricingは、価格を価格表または算式に格納するかわりに、価格設定エンジンがユーザー指定のコードを実行して価格を取得できるAPIを提供します。これにより、Oracle Advanced Pricingの表の外部にあるソースから開始の定価を取得できますが、ユーザーが作成するコードにもアクセスできます。

Get_Custom_Priceは、ファンクション・タイプの算式明細(ステップ)が含まれた算式の評価時に、価格設定エンジンによって呼び出されます。

このAPIを使用するために必要な技術情報は、『Oracle Order Management Open Interfaces, API, & Electronic Messaging Guide』を参照してください。

実装の処理フロー

Oracle Advanced Pricing実装の処理フローは、Oracle Order Managementを含むOracle Applicationsが正常にインストールされていること、Oracle Advanced Pricingが「共有」でインストールされていること、および必要なすべてのパッチが適用済であることを前提としています。

新規インストールからの実装

次の表に、Oracle Advanced Pricingの新規インストール(Oracle Order Entry/Shippingの以前の実装が存在していない場合)を実装するための推奨ステップをリストします。

# 処理ステップ ステップの説明
1 ビジネスの価格設定使用例の分析と理解 Oracle Advanced Pricingの実装を開始する前に、価格設定に関するビジネス要件を十分に理解しておく必要があります。詳細は、第3章「実装方法」を参照してください。
2 製品および顧客階層の定義に必要なデータ・ソースと列の判別 Oracle Advanced Pricingには、シード済値が用意されています。追加のレベルまたは代替のデータ・ソースの定義が必要になる場合があります。詳細は、第3章「実装方法」を参照してください。
3 論理的な価格設定モデル・ソリューションの開発 価格設定の各使用例に対して、Oracle Advanced Pricingの使用方法を計画します。詳細は、第3章「実装方法」を参照してください。
4 プロトタイプ価格設定ソリューションの設定とテスト 本番システムの実装前に、識別したすべての価格設定使用例に対してOracle Advanced Pricingのプロトタイプ・ソリューションを設定し、テスト受注を入力して、正しく処理されることを確認する必要があります。(ソフトウェアに同梱されているVision Sampleデータベースを使用すると、このプロセスを実行できます。)
5 デフォルトの決定 これらの決定は、製品の設定前に行う必要があります。詳細は、第3章「実装方法」を参照してください。
6 Oracle Advanced Pricing製品の設定タスクの実行 このステップでは、ステップ1〜4の結果を考慮し、Oracle Advanced Pricingが計画どおりに動作するように、価格設定システム表にエントリを作成します。
7 設定時のシステムのバックアップ このステップには、設定時のシステムのバックアップの作成が含まれます。
8 本番前システム機能の実行およびテストのロード 本番開始前に、システム・テストを実行する必要があります。このテストでは、実装前の計画で定義したすべての価格設定使用例を対象とすることによって、すべての製品設定をテストする必要があります。本番操作時に発生するのと同じレベルまでシステムに負荷をかけるために十分な量がテストに含まれていることを検証してください。