| Oracle Advanced Pricingインプリメンテーション・マニュアル リリース12 E05612-01 | 目次 | 前へ | 次へ |
この章では次のトピックについて説明します。
Oracle Advanced Pricingはルールベースのアプリケーションで、エンジン・コンポーネントを使用して、顧客との取引の価格を設定するOracle Applicationsの価格設定要件を処理します。Oracle Advanced Pricingを使用することにより、価格設定エンジンが取引に適用する価格表、基本契約、算式およびモディファイアなどの価格設定処理を設定できます。
また、価格設定処理を取引に適用する方法や時期を正確に制御するための価格設定ルールのセット(およびそのルールと組み合せて使用できる価格設定管理)も定義できます。
価格設定エンジンはOracle Advanced Pricingのソフトウェア・コンポーネントであり、価格設定処理を取引に適用するためにOracle Order ManagementやiStoreなどのアプリケーションによって呼び出されます。各種のアプリケーションは、取引に価格設定サービスが必要な場合や取引の価格を設定する必要があるときに価格設定エンジンを呼び出します。
呼出し側アプリケーションは、価格を設定する製品や顧客に関する情報を価格設定エンジンに提供する必要があります。この情報は、価格設定要求構造と呼ばれる内部書式で構成されています。価格設定エンジンは、その表から、設定されている適用可能な価格設定ルール、価格設定処理および管理情報を抽出します。次に、適切な処理を選択し、その結果を計算します。この情報は、エンジンによって呼出し側アプリケーションに戻されます。
Oracle Advanced Pricingは、オープンAPI呼出しを使用して価格設定エンジンにこれらの機能を提供します。これらのAPIおよびその他のAPIについては、『Oracle Order Management Open Interfaces, API, & Electronic Messaging Guide』を参照してください。
基本価格設定という用語は、Oracle Advanced Pricingがインストールされていない場合に価格設定機能を提供する、Oracle Order Managementのコンポーネントを表します。Oracle Advanced Pricingと基本価格設定には共通のソフトウェア・コンポーネントがありますが、Oracle Advanced Pricingでは基本価格設定の機能が拡張されています。
実行する適切なモードを判別するために、価格設定システムのソフトウェア・コンポーネントは、インストール・タイプ(「全て」または「共有」)を検証します。基本価格設定のユーザーは「共有」としてインストールされ、Oracle Advanced Pricingの機能を使用するためのライセンスは与えられません。基本モードの場合、価格設定システムのソフトウェア・コンポーネントによって、設定ウィンドウでのOracle Advanced Pricing機能の表示が制限されます。基本モードで実行している価格設定実装では、Oracle Advanced Pricingの機能の動作に必要な情報を設定できないため、Oracle Advanced Pricingの機能の使用も抑制されます。
Oracle Advanced Pricingのライセンスを取得しているユーザーは、「全て」でインストールされます。価格設定の設定ウィンドウでは、Oracle Advanced Pricingが提供する機能の動作に必要なすべての情報の設定が可能です。
次の表に、Oracle Advanced Pricingの機能と、Oracle Order Managementに組み込まれている基本価格設定の機能の主な相違点を示します。
呼出し側アプリケーション
価格設定呼出しを取得するために、Oracle Advanced Pricingエンジンを呼び出すアプリケーションです。たとえば、Oracle Order ManagementおよびiStoreは、顧客取引に価格設定を適用するためにOracle Advanced Pricingエンジンを呼び出します。
顧客属性
Oracle Advanced Pricingでは、シード済のクオリファイア属性に顧客コンテキスト(顧客属性とも呼ぶ)が提供されます。前述の属性を使用するには、モディファイアまたは価格表のいずれかのオブジェクトに対して、それらの属性をクオリファイアとして参照します。詳細は、「実装に関する主な決定事項: Oracleの顧客表のシード済コンテキスト値が、顧客属性を含めるのに十分かどうかの確認」を参照してください。
価格設定エンジン
価格設定エンジンは、Oracle Advanced Pricingのプログラム・モジュールです。価格の設定を必要とする取引が処理されるときに、価格設定エンジンは、呼出し側アプリケーション(Oracle Order Managementなど)によって呼び出されます。
価格設定要求
価格設定要求は、呼出し側アプリケーションが価格設定エンジンを呼び出した際に、価格設定エンジンに提供する特定の情報です。通常、価格設定要求に含まれるのは、対象となる顧客、製品、価格設定エンジンが使用する顧客または製品に関連付けられている属性、価格設定日、および価格設定エンジンが必要とするその他の価格設定データ属性です。
製品階層
Oracle Advanced Pricingの製品階層には、(Oracle Applicationsの品目マスターであるMTL_SYSTEM_ITEMS表を基に)品目コンテキストが事前にシードされています。このコンテキストは、次の2項目で構成される2レベルの製品階層を提供します。
品目番号
品目カテゴリ
Oracle Advanced Pricingは、この階層を拡張する2つの追加機能を提供します。
価格表で価格設定属性を使用することによって、製品階層レベルを品目より詳細に定義できます。これによって、品目の下位の製品階層レベルを提供します。
Oracle Advanced Pricingは、品目ALLと呼ばれる品目のスーパー・カテゴリを認識します。品目ALLは、価格表内のすべての品目で構成されます。
価格表およびモディファイアの操作を管理するためのデフォルトとして、品目、品目と価格設定属性、または品目カテゴリを使用できます。
製品階層の追加レベルの機能は、Oracle Advanced Pricingで定義できます。たとえば、追加の顧客グループを格納するフレックスフィールドを顧客表に定義することもできます。
前述の階層は、Oracle Inventoryの品目マスターを使用して構築されます。Oracle Advanced PricingがOracle Order Managementとともにインストールされない場合、または存在している標準の品目マスター表とともにインストールされない場合、リストされているシード済品目属性は使用できません。この場合、製品階層が存在する代替の表体系の位置(コンテキスト)と、その中に含まれる属性を定義する必要があります。代替の製品階層体系をサポートする表体系は、必ずしもOracle Applications内に存在する必要はありません。
代替の製品階層のマッピングは、属性マッピングを使用して実行できます。属性マッピングの詳細は、「属性管理の概要」を参照してください。
次のリストには、Oracle ApplicationsでサポートされるOracle Advanced Pricingの機能が要約されています。
クオリファイア
クオリファイアは、価格または特典に対する適格者を判別します。クオリファイアとクオリファイア・グループを価格表およびモディファイアにリンクすると、特定の価格、値引、販促品または特典を受けることができる対象者に関するルールを定義できます。値引および販促品を次の項目に割り当てることができます。
特定の顧客
顧客グループ
受注タイプ
受注額
次にクオリファイアの例を示します。
顧客区分=VIP
受注タイプ=特別
ブール演算子ANDおよびOR関連でまとめて評価される、複数のクオリファイアで構成される複雑なクオリファイア・セットを構築できます。
クオリファイア・グループ
クオリファイア・グループを使用すると、価格表またはモディファイアのいずれかとの関連付けの準備として、複数クオリファイアの関連を定義できます。これらのクオリファイア・グループを保存し、1つ以上の価格表およびモディファイアにコピーできます。
価格表
価格表は、価格表を製品に関連付けます。(定価は、関連する値引および調整が適用される前の開始価格です。)価格表には、1つ以上の価格表明細、価格分岐、価格設定属性、クオリファイアおよび第2価格表が含まれます。価格表の情報には、価格表名、有効日、通貨、価格設定管理、端数処理ファクタ、および運送条件や運送業者などの出荷に関するデフォルト値が含まれています。価格表の設定および使用方法は、『Oracle Advanced Pricingユーザーズ・ガイド』の価格表に関する章を参照してください。
価格設定エンジンを使用して、クオリファイア・ルールに基づいて価格表を選択できます。ただし、価格表のクオリファイアを使用するかわりに、次のいずれかに基づいて受注にデフォルトの価格表を設定できます。
販売先顧客
出荷先顧客
請求先顧客
受注タイプ
基本契約
デフォルト設定は、Oracle Order Entry/Shippingリリース10.7および11.0の価格表デフォルト設定と同等の機能を提供します。クオリファイア・ルールで参照できる同じ要素の一部をデフォルトで設定できます。デフォルト設定は、価格表に対してのみ使用可能です。価格表で使用できるデフォルトは1つのみで、AND/OR関連を使用してデフォルトを結合することはできません。
注意: 複数の価格表を定義できます。あるいは、受注ヘッダーに、または受注明細レベルで特定の価格表を入力することもできます。各価格表に対して、エンジンが主要価格表で品目を見つけることができなかったときに検索する第2価格表の指定もできます。各主要価格表に対して、複数の第2価格表を検索できます。つまり、主要価格表に対する第2価格表として、複数の価格表を定義できます。複数レベルの第2価格表は定義できません。
価格表は様々な通貨で指定できます。受注入力時に、受注に通貨を入力すると、価格設定エンジンは、受注に入力された通貨と一致する通貨で指定された価格表を選択します。
複数通貨価格表
複数通貨価格表を使用すると、品目に対して基準通貨による単一価格に基づいた価格設定計画を採用しているビジネスでは、換算レートまたは算式を使用してその価格を受注通貨に変換できます。エンジンの実行時に、価格設定エンジンは受注から通貨を取得し、この通貨と照合する基準通貨(換算通貨)で価格表を検索します。価格設定エンジンは、設定されている換算ルールに基づいて、基準通貨から価格を変換し、受注通貨を計算します。
価格表保守
Oracle Advanced Pricingには、価格表保守機能があります。この機能を使用して、価格表および価格表情報の検索、複数の価格表を対象とした一括変更の実行、または個々の価格表明細の更新を行うことができます。
価格表保守はHTMLユーザー・インタフェースを介して実行できます。詳細は、『Oracle Advanced Pricingユーザーズ・ガイド』の価格表保守機能の使用に関する項を参照してください。
価格設定属性
価格設定属性は、品目識別子に加えて使用されるデータ要素です。これらの属性によって、価格表またはモディファイアで価格設定される対象が管理されます。Oracle Advanced Pricingには、シード済の価格設定属性が用意されています。Oracle Advanced Pricingのシード済属性は、基本価格設定のシード済属性と同じです。詳細は、「シード済属性」を参照してください。
状況によっては、品目識別子では、価格を割り当てることができるレベルまで、製品が識別されない場合があります。価格設定属性を使用すると、異なる条件での製品の価格設定が必要な場合に、製品に対して別々の条件を定義できます。価格設定属性は、品目をさらに限定するために使用する条件です。
次の例は、価格に影響を与える製品またはサービスの条件を指定するための価格設定属性の使用方法について示します。これらの例は、価格表に適していますが、同じ概念がモディファイアにも当てはまります。価格設定属性は、算式とともに使用することもできます。
製品ID = HMOプラン15、価格設定属性 = 州 = コネチカット、定価 = 200.00ドル/月
製品 = HMOプラン15、価格設定属性 = 州 = ニューヨーク、定価 = 250.00ドル/月
製品ID = モーター・オイル、価格設定属性 = グレード = レギュラー、定価 = 3.50ドル/クォート
製品ID = モーター・オイル、価格設定属性 = グレード = プレミアム、定価 = 4.25ドル/クォート
製品ID = 使用、価格設定属性 = 時間帯 = 夜(7:00pm 〜 11:00pm)、定価 = 0.08/分
製品ID = 使用、価格設定属性 = 時間帯 = 深夜(6:00am 〜 5:30am)、定価 = 0.05/分
価格設定属性は、互いに組み合せて使用でき、実行時に価格設定エンジンに渡されます。次の図は、時間帯と地域という2つの属性の定義方法の例を示しています。これらの属性は両方とも、呼出し側アプリケーションによって取得され、実行時に価格設定エンジンに渡される必要があります。価格設定エンジンは、製品IDと、価格設定属性によって定義された条件の組合せに対して一致する属性を使用します。
価格設定属性定義

属性マッピング
属性マッピングは、価格表、モディファイア、基本契約、クオリファイアおよび算式で使用するために、配布済の製品にシードされていないデータ(他のアプリケーションまたはシステムの)をOracle Advanced Pricingに渡すのに使用される処理です。
価格表の保守
次のいずれかの機能を使用して価格表を保守できます。
価格表のコピー
価格表の調整
価格表への品目追加
これらの機能はOracle Pricingマネージャ職責から使用することが可能で、ステップごとにコンカレント・マネージャのジョブが発行されます。
価格表保守機能(HTMLユーザー・インタフェースから使用可能)を使用して、単一の価格表または複数の価格表を対象として価格表および価格表明細を変更できます。詳細は、『Oracle Advanced Pricingユーザーズ・ガイド』の価格表保守機能の使用に関する項を参照してください。
基本契約
基本契約を使用すると、特定の顧客と交渉した価格、支払条件および運送条件を定義できます。次のことができます。
顧客部品番号および在庫品目番号を使用して基本契約を定義できます。
当初条件を改訂し、これらの変更とその事由を個々の改訂番号で保守できます。
基本契約に既存の価格表を添付するか、または新価格を定義できます。
数量別にオプション価格分岐を割り当てることができます。
基本契約条件の有効日を設定できます。
請求書ルールや会計基準などの支払条件を設定できます。
運送業者などの運送条件を設定できます。
基本契約条件を参照基本契約ごとに受注に適用できます。
GSA価格設定
GSA価格設定を使用すると、GSA顧客に対してGSA価格表を定義できます。GSA価格表は、実際にはモディファイア・ウィンドウを使用し、新価格を使用します。ユーザーは、品目の基準価格をGSA価格に調整するための値引を作成します。
算式
価格表およびモディファイアの両方に使用可能な算式を使用すると、他の変数との代数的関連に従って定価を調整できます。Oracle Advanced Pricingでは、実行時に、価格設定属性を変数として算式処理に渡すことができます。算式を使用すると、価格設定エンジンが品目の定価を判別するために使用する数式を定義できます。算術演算子、数値オペランドをすべて使用できます。次に算式の例を示します。
サービス・コールの定価 = (価格表の価格×距離) + 調整ファクタ
距離は、価格設定属性として実行時に価格設定エンジンに渡される数値です。調整ファクタは、サービスの区分に基づいたファクタ表の値の結果です。サービスの区分は、実行時にエンジンに渡される価格設定属性です。
価格表について: 算式の処理時に、価格設定エンジンは、最初に算式にリンクされている価格表明細を探します。次に、数式を適用して最終的な定価を生成します。Oracle Advanced Pricingでは、算式は静的な場合があります。つまり、算式を使用するには、コンカレント・マネージャのジョブを実行することによって、算式の変数にデータが事前に設定されている必要があります。Oracle Advanced Pricingでは、動的モードの算式操作が提供されます。動的算式では、算式変数に置換される必要なデータが、価格設定エンジンによって実行時に収集されます。
モディファイア
モディファイアは、取引への適用時に、販売価格の割増しまたは値引を調整する価格設定処理です。モディファイアが実行する特定の処理は、そのタイプによって定義されます。Oracle Advanced Pricingのモディファイアには、リスト・タイプと明細タイプという2つの機能レベルがあり、その処理を定義します。モディファイアのリスト・タイプを使用すると、すべての明細に共通の動作特性を定義でき、いくつかの異なる明細に関してモディファイアを定義して、各明細で特定の価格設定処理を示すことができます。
Oracle Advanced Pricingで作成できるモディファイアのリスト・タイプは、次のとおりです。
取引
値引
運送費/特別手数料
販促品
追加料金
定義するリスト・タイプごとに、特定の明細タイプを関連付けることができます。使用可能な明細タイプは、次のとおりです。
クーポン発行: 顧客の発注に対してクーポンを発行し、将来の注文で価格調整を行うか特典を与えるために使用します。
値引: 負の価格調整を作成します。
運送費: 運送費を作成します。
品目アップグレード: 受注した特定の品目を別の品目に同じ価格で置換します。
他の品目値引: 顧客が同一の発注で他の品目を1つ以上注文した場合に、発注の指定品目に対して価格調整を行うか特典を与えます。
価格分岐: 分岐タイプの適合条件に基づいて、各種値引または追加料金による価格調整を価格設定要求に適用します。点と範囲の両方の分岐タイプを使用できます。
販促品: 顧客が同一の発注で他の品目を1つ以上注文した場合に、価格調整を行うか特典を与える新規品目を追加します。
追加料金: 正の価格調整を作成します。
条件代替: 運送費、出荷費用および支払条件をさらに有利な内容に置換します。
すべての明細タイプをすべてのリスト・タイプで使用できるわけではありません。有効なモディファイア・リストと明細タイプの組合せは、『Oracle Advanced Pricingユーザーズ・ガイド』を参照してください。
価格設定エンジンが自動的に適用するモディファイアを定義するか、またはモディファイアを手動で入力できます。適切に設定すると、モディファイアは手動または上書き可能として定義されます。
モディファイアは、価格分岐の計算に使用できます。パーセント、金額または固定価格として計算される分岐を明細レベルで定義できます。点分岐と範囲分岐の両方がサポートされます。
運送費および特別手数料
Oracle Order Managementの運送費および特別手数料の機能を使用すると、出荷、受注、コンテナまたは搬送に関連付けられた費用を取得、格納、更新および表示できます。受注に対するこのような手数料は、明細で示すかまたは要約することができます。この機能には、顧客の手数料情報を請求のためにOracle Receivablesに渡す機能も含まれます。
運送費および特別手数料を使用すると、次のことができます。
手数料を受注の一部として適用できます。
特定の基準を満たす受注に対する手数料の適用を制限できます。
出荷確認/請求の時点まで手数料を適用できます。
手数料をいつでも検証できます。
多数の手数料タイプ(税金、取扱い、運送)を作成できます。
受注または明細レベルで手数料をサポートできます。
運送費および特別手数料を使用するときは、運送および特別手数料を価格設定モディファイアとして設定します。価格設定エンジンは、適格な運送費および特別手数料を受注明細に適用します。受注への運送費および特別手数料の適用を表示できます。Oracle Order Managementは出荷時に費用を取得し、それを手数料に変換します。運送費および特別手数料は請求書に表示されます。
Oracle Advanced Pricingでは、クオリファイア・ルールの全機能を使用して、どの受注に運送費やロジスティクス手数料を適用するかを判別したり、特定の受注を手数料の適用対象から除外できます。また、算式を使用して、運送費を受注に設定する前に割増しまたは値引のマークを付けることができます。
価格設定セキュリティ
Oracle Advanced Pricingには、既存の機能セキュリティを向上させるために価格設定セキュリティと呼ばれる追加のセキュリティ・レベルが用意されています。価格設定セキュリティを使用すると、価格設定エンティティの更新や表示などの価格設定アクティビティを、特定のアクセス権限が付与されたユーザーに制限できます。
Get_Custom_Price API
Oracle Advanced Pricingは、価格を価格表または算式に格納するかわりに、価格設定エンジンがユーザー指定のコードを実行して価格を取得できるAPIを提供します。これにより、Oracle Advanced Pricingの表の外部にあるソースから開始の定価を取得できますが、ユーザーが作成するコードにもアクセスできます。
Get_Custom_Priceは、ファンクション・タイプの算式明細(ステップ)が含まれた算式の評価時に、価格設定エンジンによって呼び出されます。
このAPIを使用するために必要な技術情報は、『Oracle Order Management Open Interfaces, API, & Electronic Messaging Guide』を参照してください。
Oracle Advanced Pricing実装の処理フローは、Oracle Order Managementを含むOracle Applicationsが正常にインストールされていること、Oracle Advanced Pricingが「共有」でインストールされていること、および必要なすべてのパッチが適用済であることを前提としています。
次の表に、Oracle Advanced Pricingの新規インストール(Oracle Order Entry/Shippingの以前の実装が存在していない場合)を実装するための推奨ステップをリストします。
| # | 処理ステップ | ステップの説明 |
|---|---|---|
| 1 | ビジネスの価格設定使用例の分析と理解 | Oracle Advanced Pricingの実装を開始する前に、価格設定に関するビジネス要件を十分に理解しておく必要があります。詳細は、第3章「実装方法」を参照してください。 |
| 2 | 製品および顧客階層の定義に必要なデータ・ソースと列の判別 | Oracle Advanced Pricingには、シード済値が用意されています。追加のレベルまたは代替のデータ・ソースの定義が必要になる場合があります。詳細は、第3章「実装方法」を参照してください。 |
| 3 | 論理的な価格設定モデル・ソリューションの開発 | 価格設定の各使用例に対して、Oracle Advanced Pricingの使用方法を計画します。詳細は、第3章「実装方法」を参照してください。 |
| 4 | プロトタイプ価格設定ソリューションの設定とテスト | 本番システムの実装前に、識別したすべての価格設定使用例に対してOracle Advanced Pricingのプロトタイプ・ソリューションを設定し、テスト受注を入力して、正しく処理されることを確認する必要があります。(ソフトウェアに同梱されているVision Sampleデータベースを使用すると、このプロセスを実行できます。) |
| 5 | デフォルトの決定 | これらの決定は、製品の設定前に行う必要があります。詳細は、第3章「実装方法」を参照してください。 |
| 6 | Oracle Advanced Pricing製品の設定タスクの実行 | このステップでは、ステップ1〜4の結果を考慮し、Oracle Advanced Pricingが計画どおりに動作するように、価格設定システム表にエントリを作成します。 |
| 7 | 設定時のシステムのバックアップ | このステップには、設定時のシステムのバックアップの作成が含まれます。 |
| 8 | 本番前システム機能の実行およびテストのロード | 本番開始前に、システム・テストを実行する必要があります。このテストでは、実装前の計画で定義したすべての価格設定使用例を対象とすることによって、すべての製品設定をテストする必要があります。本番操作時に発生するのと同じレベルまでシステムに負荷をかけるために十分な量がテストに含まれていることを検証してください。 |