Oracle Financialsインプリメンテーション・ガイド リリース12 E05604-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この付録の内容は、次のとおりです。
この付録では、会計設定マネージャ(ASM)を使用して作成できる様々な会計環境タイプの包括的な例を示します。これら例は、E-Business Suiteを実装し、米国を拠点に衣料の小売業を展開するOutdoor Outfittersという会社に関連しています。各例は、Outdoor Outfitters社が米国のみでの小売事業を、カナダ、ヨーロッパ、ブラジルに拡大するにつれて変化するビジネス・ニーズに対応しています。
各会計設定の例では、元帳の数、貸借一致セグメント値割当に関する問題、セキュリティに関する問題、連結に関する問題などに対して推奨される実装オプションを説明します。
米国を拠点に衣料の小売業を展開するOutdoor Outfitters社では、Oracle Applicationsの単一インスタンスを使用する必要があります。この会社には、米国東部と米国西部の2つの法的エンティティがあります。両方の法的エンティティは、税金と文書連番に関する厳格な規則が規定されていない米国内で事業を展開しています。また、両方の法的エンティティは、同じ勘定体系、会計カレンダ(1月31日が会計年度末)、通貨、補助元帳会計処理基準および元帳処理オプションを共有できます。
この項の内容は、次のとおりです。
この例には、次の要件が適用されます。
Outdoor Outfitters社は、サード・パーティのシステムとOracleの財務アプリケーションの組合せを使用します。
Outdoor Outfitters社では、社内の勘定体系に対して、次の表で説明する5つのセグメントの勘定体系構造を使用する必要があります。
セグメント番号 | セグメント名 | セグメント・クオリファイア |
---|---|---|
1 | 法的エンティティ | 貸借一致セグメント |
2 | 部門 | コスト・センター |
3 | 勘定科目 | 勘定科目 |
4 | 製品 | |
5 | 将来使用 |
次の表に、米国の各法的エンティティに対する元帳要件の概要を示します。
法的エンティティ | 勘定体系 | カレンダ | 主要通貨 | 補助元帳会計処理基準 | 元帳処理オプション |
---|---|---|---|---|---|
米国東部 | 社内 | 社内 | USD | 標準見越 | 2つの法的エンティティは、同じ元帳処理オプションを共有できます。 |
米国西部 | 社内 | 社内 | USD | 標準見越 |
2つの法的エンティティは、同じ主要元帳属性を共有できます。
どちらの法的エンティティにも、他方のエンティティから独立して会計期間をオープンおよびクローズするための特別な要件はありません。
2つの法的エンティティは、会社間会計を使用します。
月末における連結の目的から、Outdoor Outfitters社では、連結の修正と消去入力を、それぞれの法的エンティティで発生する日常の取引から完全に分離する必要があります。
各法的エンティティは、データ・セキュリティに対して高い関心があります。
米国東部と米国西部は、互いに会計情報の共有を望んでいません。また、それぞれのユーザーが、他方の法的エンティティに関する会計情報を入力したり、表示できることを望んでいません。
Outdoor Outfitters社は、米国の両方の法的エンティティを同じ会計設定に割り当てることができます。これによって、両方の法的エンティティは同じ主要元帳を共有できます。これが可能なのは、両方の法的エンティティが同じ会計環境で事業を展開し、同じ主要元帳属性を共有できるためです。
次の表で、米国の法的エンティティの会計設定を説明します。
パラメータ | 説明 |
---|---|
法的エンティティ | 米国東部: 「割り当てられた貸借一致セグメント値」: 01 米国西部: 「割り当てられた貸借一致セグメント値」: 11
注意: 各法的エンティティには、指定貸借一致セグメント値を割り当てる必要があります。この割当は、両方の法的エンティティが同じ元帳を共有するため特に重要です。ユーザーは、データの入力時とレポートの作成時に各法的エンティティの取引を識別できます。また、会社間会計など、法的エンティティのすべての機能を利用することもできます。 |
主要元帳 | Outdoor Outfitters(USD) 「勘定体系」: 「社内」 「会計カレンダ」: 「社内」 「通貨」: USD 「補助元帳会計処理基準」: 「標準見越」 |
次の表で、推奨される主要元帳の設定ステップを説明します。
設定ステップ | 説明 |
---|---|
元帳オプション | 元帳定義を完了するために必要です。 |
貸借一致セグメント値割当 | 「貸借一致セグメント値」: 91 Outdoor Outfitters社では、連結の修正と消去入力を、それぞれの法的エンティティで発生する日常の取引から完全に分離する必要があるため、元帳に対して指定貸借一致セグメント値を割り当てる必要があります。 |
補助元帳会計オプション | Outdoor Outfitters社はOracleの財務補助元帳を使用するため、標準見越の補助元帳会計処理基準に対して補助元帳会計オプションを定義する必要があります。 |
会社間勘定 | 会社間勘定は、会社間会計機能を使用するために定義する必要があります。 |
Outdoor Outfitters(USD)の会計設定の完了に、他の設定ステップは不要です。次の会計オプションは、今後、ビジネス・ニーズが変化した場合に使用できます。
「報告通貨」: Outdoor Outfitters社が自社の主要元帳の通貨表示を追加保守する必要がある場合は、報告通貨をいつでも割り当てることができます。
「副元帳」: Outdoor Outfitters社が自社の法的エンティティの取引について会計表示を追加保守する場合は、副元帳をいつでも追加できます。
Outdoor Outfitters社では、両方の法的エンティティの会計データを同じ元帳で保守しているため、連結は不要です。連結レポートの作成には、財務諸表生成プログラムを使用できます。使用できるのは、米国の法的エンティティの連結要件が非常に簡単であるためです。連結ニーズが今後変化した場合は、Oracle Financial Consolidation Hubを使用して複雑な連結要件に対応できます。
連結修正を日常の取引から切り離して月末の連結に対応するには、追加の貸借一致セグメント値を使用して消去会社を表す必要があります。次の例では、すべての連結修正と消去の入力に、元帳に割り当てられた貸借一致セグメント値91が使用されています。
各法的エンティティの結果および連結修正の結果を含めた連結レポートを作成するには、親値の「U.S.」を使用します。親の「U.S.」には、「01」米国東部、「11」米国西部および「91」米国消去の各子値が含まれています。次の図に、ここで提示した貸借一致セグメント値階層を示します。この階層では、財務諸表生成プログラム・レポートで親値「U.S.」を使用して、連結結果を取得します。
同じ元帳内の2つの異なる法的エンティティの取引は、異なる貸借一致セグメント値によって表されるため、各法的エンティティに関するデータへのアクセスを保護する唯一の方法は、貸借一致セグメント値「アクセス・セット・タイプ」を使用するデータ・アクセス・セットを作成することです。
各法的エンティティに関するデータを保護するには、少なくとも2つの異なるデータ・アクセス・セットを作成し、1つは米国西部職責に、もう1つは米国東部職責に割り当てる必要があります。
次の表で、2つのデータ・アクセス・セットの例を説明します。これらのデータ・アクセス・セットは、各法的エンティティに取引を入力する職責ごとに作成する必要があります。
パラメータ | データ・アクセス・セット#1の値 | データ・アクセス・セット#2の値 |
---|---|---|
データ・アクセス・セット | 米国東部へのアクセス | 米国西部へのアクセス |
摘要 | 米国東部へのアクセスのみ | 米国西部へのアクセスのみ |
勘定体系 | 社内 | 社内 |
カレンダ/期間タイプ | 社内/月次 | 社内/月次 |
元帳 | Outdoor Outfitters(USD) | Outdoor Outfitters(USD) |
アクセス・セット・タイプ | 貸借一致セグメント値 | 貸借一致セグメント値 |
貸借一致セグメント値 | 01 | 11 |
権限 | 読取りおよび書込み | 読取りおよび書込み |
管理部長には、元帳に対する完全な読取りおよび書込みアクセス権を備えた別のデータ・アクセス・セットが必要です。これによって、管理部長は、単一の職責から両方の法的エンティティの会計情報を表示したり、元帳への完全なアクセスが必要な期間のオープンとクローズ、予算や要約勘定科目の作成などの特定の操作を実行できます。管理部長は、貸借一致セグメント値91を使用して連結修正を入力することもできます。
次の表で、追加のデータ・アクセス・セットを説明します。
パラメータ | 値 |
---|---|
データ・アクセス・セット#3 | 米国への完全アクセス |
摘要 | 米国オペレーションへの完全アクセス |
勘定体系 | 社内 |
カレンダ/期間タイプ | 社内/月次 |
元帳 | Outdoor Outfitters(USD) |
アクセス・セット・タイプ | 全元帳 |
権限 | 読取りおよび書込み |
注意: 組織で使用される様々な職責と役職ロールの数に応じて、元帳または貸借一致セグメント値(あるいはその両方)へのアクセスを制限または緩和するデータ・アクセス・セットの追加定義が必要になる場合があります。
両方の法的エンティティは、同じ元帳を共有しているため互いの定義にアクセスできます。たとえば、米国西部の法的エンティティは、米国東部の定型仕訳やFSGレポート定義などの定義にアクセスできます。
同じ元帳を共有している法的エンティティで使用している定義を、他の法的エンティティが、使用、表示または変更するのを防ぐには、定義アクセス・セットを使用して各法的エンティティの職責に割り当てる必要があります。
米国を拠点にした小売業者であるOutdoor Outfitters社は、Oracle Applicationsの単一インスタンスを使用しています。この会社には、米国内に2つの既存の法的エンティティがあり、それぞれが同じ会計設定に割り当てられています。各法的エンティティは、指定貸借一致セグメント値で識別されます。次の表で、Outdoor Outfitters社の主要元帳を説明します。
パラメータ | 値 |
---|---|
元帳名 | Outdoor Outfitters(USD) |
法的エンティティおよび貸借一致セグメント | 米国東部: 01 |
法的エンティティおよび貸借一致セグメント割当 | 米国西部: 11 |
勘定体系 | 社内 |
会計カレンダ | 社内 |
通貨 | USD |
補助元帳会計処理基準 | 標準見越 |
参照: 「複数の法的エンティティが割り当てられている会計設定: 米国オペレーションのみ」
Outdoor Outfitters社はビジネス拡大のために、Credit Services Group(CSG)というカナダのクレジット・カード会社の取得を決定しました。これによって、Outdoor Outfitters社は、自社小売事業部門に関する独自のクレジット・プログラムに、クレジット処理、回収および他のサービスを整備できるようになりました。Outdoor Outfitters社では、新たに取得した金融サービス・ビジネスを既存のE-Business Suiteソリューションに組み込む必要があります。
米国とカナダでは、類似した会計環境で事業が展開されており、どちらの国でも厳格な法令順守の規定はありません。ただし、2つの国は異なる通貨を使用し、カナダでは、金融サービス業に関する特別な規制要件を満たす必要があります。米国の法的エンティティはUSD通貨を使用し、カナダの法的エンティティはCAD通貨を使用します。また、Credit Services Group社は金融サービス業であるため、日次平均残高を保守する必要があります。これらの相違のため、カナダでは、国内の法的エンティティ取引を独自の主要元帳で保守する必要があります。
次の表に、米国とカナダの両方の主要元帳要件の比較を示します。
パラメータ | 米国の主要元帳値 | カナダの主要元帳値 |
---|---|---|
名称 | Outdoor Outfitters(USD) | Credit Services Group(CAD) |
勘定体系 | 社内 | 社内 |
会計カレンダ | 社内 | 社内 |
通貨 | USD | CAD |
会計処理基準 | 標準見越 | 標準見越 |
特別な元帳オプション | なし | 平均残高の保守 |
この項の内容は、次のとおりです。
Credit Services Group社は、Oracleの財務アプリケーションを使用します。
次の図と表に、Credit Services Group社の元帳要件全体の概要を示します。
元帳属性 | 主要元帳 | 副元帳(修正のみ) |
---|---|---|
名称 | Credit Services Group(CAD) | CSG規制 |
勘定体系 | 社内 | 社内 |
会計カレンダ | 社内 | 社内 |
通貨 | CAD | CAD |
会計処理基準 | 標準見越 | N/A |
報告通貨 | 残高レベル報告通貨 | N/A |
名称 | Credit Services Group(USD) | N/A |
通貨 | USD | N/A |
Credit Services Group社では、2つの会計表示(1つは社内の会計ニーズ用、もう1つは規制報告用)を保守する必要があります。
社内会計元帳: 主要元帳は、米国の親と同じ勘定体系、会計カレンダおよび補助元帳会計処理基準を使用する社内表示として使用されます。この元帳では、独自の現地通貨を使用する必要があります。
規制報告元帳: Credit Services Group社は、規制対象の金融サービス業で事業を展開しており、特定タイプの取引については、特定の規制要件に準拠する必要があります。このため、Credit Services Group社では、規制機関への報告に使用する別の表示を保守する必要があります。規制表示全体を保守する必要はないため、同社では修正のみの副元帳を使用し、規制の修正を反映するために必要な手動による入力は少数の仕訳に限定することを望んでいます。
残高レベル報告通貨: エンティティの全体報告を簡略化するには、残高レベル報告通貨を主要元帳に割り当てて換算済USD残高を表示します。この残高レベル報告通貨は、米国の法的エンティティの主要元帳と組み合せることによって、簡単な連結要件に対応できます。
Outdoor Outfitters社は、カナダの法的エンティティについて別の会計設定を定義する必要があります。
次の各表に、CSG Canadaの会計設定と、推奨される元帳の設定ステップの概要を示します。
パラメータ | 説明 |
---|---|
法的エンティティ | 「法的エンティティ」: CSG Canada 「割り当てられた貸借一致セグメント値」: 21 この会計設定に割り当てられている法的エンティティは1つのみですが、この法的エンティティには、指定貸借一致セグメント値を割り当てる必要があります。この法的エンティティは、米国の法的エンティティと同じ勘定体系を共有し、貸借一致セグメント値については同じ値セットを自動的に共有します。 この法的エンティティに指定貸借一致セグメント値を割り当てることで、取引の処理中および仕訳中に、ユーザーが他の法的エンティティ専用の値を誤って使用することを防ぎます。 CSG社では、会社間会計などの他の機能を利用することもできます。この会社間会計では、指定貸借一致セグメント値がすべての法的エンティティに割り当てられている必要があります。 |
設定ステップ | 説明 |
---|---|
主要元帳 | Credit Services Group(CAD) |
元帳オプション | 元帳定義を完了し、平均残高処理を使用可能にするために必要です。 |
貸借一致セグメント値割当 | N/A 貸借一致セグメント値は、非法的エンティティ関連取引に対する値の引当がないかぎり、元帳に直接割り当てる必要はありません。貸借一致セグメント値は元帳にいつもで割り当てることができます。 |
補助元帳会計オプション | Oracleの財務補助元帳のデータを正常に統合するために、標準見越の会計処理基準に対して補助元帳会計オプションを定義します。 |
報告通貨 | 「名称」: Credit Services Group(USD) 「通貨」: USD 「通貨換算レベル」: 「残高」 このUSD残高レベル報告通貨は、連結目的で使用される換算済USD残高を表します。 |
主要元帳では、他の設定ステップは不要です。次の会計オプションは、今後、ビジネス・ニーズが変化した場合に設定できます。
会社間勘定: 会社間勘定は、会社間会計を使用可能にするためにいつでも定義できます。
次の表に、推奨される副元帳の設定ステップの概要を示します。
設定ステップ | 説明 |
---|---|
副元帳: 修正のみ | CSG規制。 |
元帳オプション | 主要元帳との一貫性を保持するために、副元帳に対して平均残高処理を使用可能にできます。
注意: 補助元帳会計処理基準は、補助元帳会計を使用してOracleの取引ソースから修正仕訳を作成する予定がないかぎり、修正のみの副元帳に割り当てないでください。 補助元帳会計処理基準は、いつでも割り当てることができます。 |
注意: 修正のみの副元帳に対しては、他の設定ステップを実行する必要はありません。
修正のみの副元帳自体には、規制の修正のみが保持されます。法定表示全体を取得するには、修正のみの副元帳の結果を、元帳セットを使用して日常の取引を保持する主要元帳と組み合せる必要があります。
参照: 「元帳セット」
親エンティティであるOutdoor Outfitters社の連結結果を取得するために、残高転送連結を実行する必要はありません。
主要元帳に割り当てられているCSG社の残高レベル報告通貨には、親エンティティであるOutdoor Outfitters社と同じ勘定体系、会計カレンダと会計期間タイプの組合せおよび通貨を使用します。
連結結果は、残高レベル報告通貨と親エンティティの主要元帳を組み合せた別の元帳セットを作成することで、連結を実行せずに取得されます。
次の図に、2つの会計設定の構成を示します。この構成では、元帳セットを使用して異なる会計設定の元帳を組み合せています。
月末のクローズ時に、Credit Services Group社は、残高レベル報告通貨の換算済残高を更新するために換算を実行する必要があります。これによって、親エンティティは、連結目的の元帳セットを参照して連結残高をレポートする財務諸表生成プログラム・レポートを実行できます。
注意: 連結要件が複雑な場合、連結目的で元帳セットを使用することはお薦めしません。たとえば、所属している組織が取得、処分と組織改編を頻繁に実行する場合や部分所有子会社が多数ある場合は、連結のニーズに対応したOracle Financial Consolidation Hubを使用する必要があります。
参照: 『Oracle Financial Consolidation Hub User's Guide』を参照してください。
CSG社の会計情報は独自の元帳に含まれており、他の元帳エンティティとは分離されています。これによって、Outdoor Outfitters社の他の法的エンティティとの間に自然境界が作成されます。したがって、CSG社の元帳に対する表示アクセス権を明示的に付与しないかぎり、他の法的エンティティはCSG社の財務情報を表示できません。CSG社は、米国の他の法的エンティティと同じ勘定体系を共有しているため、FSGレポートや一括配賦などの勘定体系レベルの多くの定義は、すべての法的エンティティ間で共有できます。カナダと米国の法的エンティティが一部の定義の共有を望まない場合は、定義アクセス・セットを使用して、特定の定義に対するアクセス権の使用、表示または変更を保護できます。
たとえば、CSG社で特定のユーザーがFSGレポート定義を変更できないようにする場合、CSG社は、定義アクセス・セットを使用してそれらのレポートを保護できます。
米国を拠点にした小売業者のOutdoor Outfitters社は、現在、米国とカナダの両方で事業を展開しており、Oracle Applicationsの単一インスタンスを使用しています。次の図に、Outdoor Outfitters社の既存の会計設定を示します。
Outdoor Outfitters社は、国際的なビジネス拡大のために、現在、英国で事業を展開している英国拠点の小売業者であるLondon Rain社を取得しました。
複数の法的エンティティが割り当てられている会計設定: 北米の会社
この項の内容は、次のとおりです。
参照: このエンティティの連結の詳細は、「法的エンティティが割り当てられていない会計設定: 連結の例」を参照してください。
London Rain社は、Oracleの財務アプリケーションを使用します。
London Rain社は、現地通貨のGBPを使用し、英国のGAAP会計基準に従う必要があります。
London Rain社では、会計の対象を英国内の法的エンティティのみとし、他の法的エンティティとは完全に分離する必要があります。
London Rain U.K.には、法定報告要件があり、VATを適切な課税当局に報告する必要があります。また、2つの会計表示(1つは法定報告用、もう1つは社内の会計ニーズ用)を保守する必要があります。
社内会計元帳: 主要元帳は、親エンティティと同じ勘定体系、会計カレンダおよび補助元帳会計処理基準を使用する社内表示として使用されます。通貨は異なり、現地通貨のGBPを使用します。
法定報告元帳: 法定の勘定体系および英国のGAAP会計処理基準を使用する法定表示には、補助元帳レベルの副元帳が使用されます。補助元帳取引を入力するたびに、Subledger Accountingによって、適切な補助元帳仕訳が主要元帳と副元帳の両方に作成されるため、両方の表示を同時に保守できます。
残高レベル報告通貨: London Rain社(英国)の親会社は、米国を拠点にした会社であるOutdoor Outfitters社です。連結を簡略化するために、残高レベル報告通貨を社内会計元帳(主要元帳)に割り当て、換算済USD残高を表示します。この換算済残高は、連結目的で期間ごとに親エンティティであるOutdoor Outfitters社に転送されます。
次の図と表に、London Rain社(英国)の元帳要件全体の概要を示します。
元帳属性 | 主要元帳 | 副元帳(補助元帳レベル) |
---|---|---|
名称 | London Rain Corporate(GBP) | London Rain U.K.(GBP) |
勘定体系 | 社内 | 会計 |
会計カレンダ | 社内 | 会計 |
通貨 | GBP | GBP |
会計処理基準 | 標準見越 | 英国のGAAP |
報告通貨 | 残高レベル報告通貨 | N/A |
名称 | London Rain Corporate(USD) | N/A |
通貨 | USD | N/A |
次の表では、London Rain社(英国)に対して法的エンティティが1つのみの会計設定が定義されています。
パラメータ | 説明 |
---|---|
法的エンティティ | 「法的エンティティ」: London Rain U.K. 「貸借一致 セグメント値」: 31
注意: この会計設定には、1つの法的エンティティのみが割り当てられますが、その法的エンティティには、指定貸借一致セグメント値を割り当てる必要があります。この法的エンティティは、米国とカナダの法的エンティティと同じ勘定体系を共有し、貸借一致セグメントについて同じ値セットを自動的に共有します。London Rain社は、会社間会計などの他の機能を利用することもできます。この会社間会計では、指定貸借一致セグメント値がすべての法的エンティティに割り当てられている必要があります。 |
設定ステップ | 説明 |
---|---|
主要元帳 | London Rain Corporate(GBP) |
元帳オプション | 元帳定義を完了するために必要です。 |
補助元帳会計オプション | London Rain U.K.はOracleの財務補助元帳を使用するため、標準見越の補助元帳会計処理基準に対して補助元帳会計オプションを定義する必要があります。 |
報告通貨 | 「通貨換算レベル」: 「残高」 「名称」: London Rain(USD) 「通貨」: USD この残高レベル報告通貨は、主要元帳の換算済USD残高を保持します。 この報告通貨は、連結目的でOutdoor Outfitters社への連結時に使用されます。 |
会社間勘定 | 会社間勘定は、会社間会計機能を使用するために定義する必要があります。 |
主要元帳では、他の設定ステップは不要です。次の会計オプションは、今後、ビジネス・ニーズが変化した場合に設定できます。
元帳貸借一致セグメント値割当: 貸借一致セグメント値は、修正などの非法的エンティティ取引を表すために、必要に応じて元帳に割り当てることができます。
設定ステップ | 説明 |
---|---|
副元帳: 補助元帳レベル | London Rain U.K.(GBP) |
元帳オプション | 元帳定義を完了するために必要です。 |
主要元帳対副元帳マッピング | 主要元帳と副元帳の両方は異なる勘定体系を使用するため、勘定体系マッピングを割り当てます。 仕訳換算ルールを指定し、副元帳に自動転送する仕訳をGL転記で選択します。 |
補助元帳会計オプション | London Rain U.K.は、補助元帳レベルで法定会計表示を保守する必要があるため、英国のGAAP会計処理基準に対して補助元帳会計オプションを定義する必要があります。 |
London Rain社のビジネス・ニーズに変化がないかぎり、副元帳に対する他の設定ステップは不要です。
米国を拠点にした小売業者のOutdoor Outfitters社は、現在、米国、カナダおよび英国で事業を展開しており、Oracle Applications社の単一インスタンスを使用しています。次の図に、Outdoor Outfitters社の既存の会計設定を示します。
Outdoor Outfitters社は、ビジネスを中南米に拡大するために、Outdoor Outfitters Brazilという会社をブラジルに設立します。
この項の内容は、次のとおりです。
参照: このエンティティの連結の詳細は、「法的エンティティが割り当てられていない会計設定: 連結の例」を参照してください。
ブラジルの複雑な法的および財務的ルールに対応するために、ブラジルの子会社には、Oracle Applicationsのローカライズ・バージョンが必要です。
ブラジルで事業を展開する会社は、Complemento Estatutario Brasileiro(ブラジルの法定補足)で規定されている多くの法的要件に従う必要があります。要件には、法定の勘定体系の使用、カレンダ年(1月から12月)に基づいたカレンダの使用、現地通貨のブラジル・レアルの使用があります。
Outdoor Outfitters Brazilでは、2つの会計表示(1つは社内の会計ニーズ用、もう1つは法定報告用)を保守する必要があります。
社内会計元帳: 主要元帳は、米国の親と同じ勘定体系、会計カレンダおよび補助元帳会計処理基準を使用する社内表示として使用されます。通貨は現地通貨です。
法定報告元帳: ブラジルには、補助元帳の売掛/未収金や買掛/未払金などの取引に関して税務当局への報告を作成する法定要件があるため、副元帳が補助元帳レベルで使用されます。この補助元帳レベルの副元帳には、法定勘定体系、カレンダ、補助元帳会計処理基準および現地通貨が使用されます。主要元帳に補助元帳取引を入力するたびに、Subledger Accountingによって、補助元帳仕訳が主要元帳と副元帳の両方に同時に作成されます。これによって、法定報告は、副元帳から直接生成できます。
補助元帳レベル報告通貨: ブラジルでの事業展開は、インフレ率の高い経済情勢のもとで実行されます。このため、USDなどの安定した通貨を使用して主要元帳の通貨表示全体を保守するには、補助元帳レベルの報告通貨を使用する必要があります。
次の図と表に、ブラジルの元帳要件の概要を示します。
元帳属性 | 主要元帳 | 副元帳(補助元帳レベル) |
---|---|---|
名称 | Outdoor Outfitters Brazil Corporation(BRL) | Outdoor Outfitters Brazil法定 |
勘定体系 | 社内 | ブラジル法定 |
会計カレンダ | 社内 | ブラジル法定 |
通貨 | BRL | BRL |
会計処理基準 | 標準見越 | ブラジルのGAAP |
報告通貨 | 補助元帳レベル報告通貨 | N/A |
名称 | Outdoor Outfitters Brazil Corporation(USD) | N/A |
通貨 | USD | N/A |
ブラジルの場合は、法的エンティティが1つの会計設定を定義する必要があります。ブラジルの法的エンティティは、厳格な法定要件のある国で事業を展開します。また、ブラジルには、会計設定に割り当てられている法的エンティティが1つのみの場合に実行できる固有の文書連番要件があります。
次の表に、排他的な法的環境と、推奨される元帳の設定ステップの概要を示します。
パラメータ | 説明 |
---|---|
割り当てられた法的エンティティ | 「法的エンティティ」: Outdoor Outfitters Brazil 「貸借一致セグメント値」: 41
注意: この会計設定には、1つの法的エンティティのみが割り当てられますが、その法的エンティティには、指定貸借一致セグメント値を割り当てる必要があります。この法的エンティティは、他のすべての法的エンティティと同じ勘定体系を共有し、貸借一致セグメント値について同じ値セットを自動的に共有します。Outdoor Outfitters Brazilは、会社間会計などの他の機能を利用することもできます。この会社間会計では、指定貸借一致セグメント値がすべての法的エンティティに割り当てられている必要があります。 |
設定ステップ | 説明 |
---|---|
主要元帳 | Outdoor Outfitters Brazil Corporation(BRL) |
元帳オプション | 元帳定義を完了するために必要です。 |
報告通貨 | 「名称」: Outdoor Outfitters Brazil Corporation(USD) 「通貨」: USD 「通貨換算レベル」: 「補助元帳」 安定したUSDなどの通貨を使用してブラジルの主要会計取引を保持するニーズに対応するには、補助元帳レベルで報告通貨を使用します。この報告通貨は、ブラジルの主要元帳に割り当てられ、ブラジルの取引の追加通貨表示として機能します。これによって、ブラジルでは、1つはブラジル・レアル、もう1つは米ドルの2つの通貨表示全体を同時に保守できます。 |
補助元帳会計オプション | Outdoor Outfitters BrazilはOracleの財務補助元帳を使用するため、補助元帳会計処理基準に対して補助元帳会計オプションを定義する必要があります。 |
設定ステップ | 説明 |
---|---|
副元帳: 補助元帳レベル | Outdoor Outfitters Brazil法定 法定表示全体を保守するために、補助元帳レベルの副元帳が使用されます。 |
元帳オプション | 元帳定義を完了するために必要です。 |
主要元帳対副元帳マッピング | 主要元帳と副元帳の両方は異なる勘定体系を使用するため、勘定体系マッピングを割り当てます。 仕訳換算ルールを指定し、副元帳に自動転送する仕訳をGL転記で選択します。 |
補助元帳会計オプション | 副元帳は主要元帳とは異なる補助元帳会計処理基準を使用するため、補助元帳会計オプションを指定して、補助元帳取引を別々に計上する方法を指定します。 |
主要元帳または副元帳では、他の設定ステップは不要です。次の会計オプションは、今後、ビジネス・ニーズが変化した場合に設定できます。
元帳貸借一致セグメント値割当: 貸借一致セグメント値は、修正などの非法的エンティティ取引を表すために、必要に応じて各元帳に割り当てることができます。
会社間勘定: 会社間勘定は、会社間会計を使用するために定義できます。
米国を拠点にした小売業者であるOutdoor Outfitters社は、Oracle Applicationsの単一インスタンスを使用しています。この会社には、次の法的エンティティと会計設定タイプが定義されています。
米国内にあり、同じ会計設定が割り当てられた米国東部と米国西部の2つの法的エンティティ
独自の会計設定が割り当てられたカナダの法的エンティティ
独自の会計設定が割り当てられた英国の法的エンティティ
独自の会計設定が割り当てられたブラジルの法的エンティティ
Outdoor Outfitters社は、異なる会計設定内の複数の法的エンティティ間でデータを連結するために、個別の連結元帳を使用することを決定しています。これによって、同社は、各法的エンティティの日常の取引から連結修正を完全に分離できます。
次の図と表に、Outdoor Outfitters社のすべての法的エンティティの個別会計設定を示します。
法的エンティティ | 米国東部/米国西部 | カナダ | 英国 | ブラジル |
---|---|---|---|---|
勘定体系 | 社内 | 社内 | 社内 | 社内 |
カレンダ | 社内 | 社内 | 社内 | 社内 |
通貨 | USD | CAD | GBP | BRL |
会計処理基準 | 標準見越 | 標準見越 | 標準見越 | 標準見越 |
法的エンティティ | 米国東部/米国西部 | カナダ(残高レベル) | 英国(残高レベル) | ブラジル(補助元帳レベル) |
---|---|---|---|---|
通貨 | N/A | USD | USD | USD |
法的エンティティ | 米国東部/米国西部 | カナダ(修正のみ) | 英国(補助元帳レベル) | ブラジル(補助元帳レベル) |
---|---|---|---|---|
勘定体系 | N/A | 社内 | 会計 | ブラジル法定 |
カレンダ | N/A | 社内 | 会計 | ブラジル法定 |
通貨 | N/A | CAD | GBP | BRL |
会計処理基準 | N/A | N/A | 英国のGAAP | ブラジルのGAAP |
法的エンティティが割り当てられていない会計設定を定義する必要があります。主要元帳は、親エンティティと同じ勘定体系、会計カレンダ、通貨など、同じ元帳属性を共有します。
次の表に、その他の会計設定で推奨される主要元帳の設定ステップの概要を示します。
設定ステップ | 説明 |
---|---|
主要元帳 | 連結元帳
注意: この元帳は単独の元帳となるため、補助元帳会計処理基準は不要です。この元帳はOracleの補助元帳とは統合しません。 |
元帳オプション | 元帳定義を完了するために必要です。 |
主要元帳に対して、他の設定ステップは不要です。元帳に、任意の貸借一致セグメント値を割り当てないことで、その元帳では、すべての貸借一致セグメント値を使用できます。
ステップ1: 次の法的エンティティの残高を換算して、残高を現地通貨から親エンティティの通貨である米ドルに換算します。
カナダ
英国
注意: ブラジルの法的エンティティについては、補助元帳レベル報告通貨によって、補助元帳仕訳、GL仕訳および残高がすでにUSDで保持されています。取引または仕訳は入力されるたびに補助元帳レベル報告通貨に換算されるため、換算は不要です。
ステップ2a: 連結のニーズが簡単なため残高転送連結が不要な場合は、連結目的で元帳セットを定義できます。この元帳セットには、次の元帳と報告通貨を含める必要があります。
米国の法的エンティティの主要元帳
カナダの法的エンティティのUSD残高レベル報告通貨
英国の法的エンティティのUSD残高レベル報告通貨
ブラジルの法的エンティティのUSD補助元帳レベル報告通貨
連結元帳
ステップ2b: 連結目的で残高を転送する場合は、連結元帳に残高を転送します。
GL連結を使用して、USD残高を元帳または個別の法的エンティティの報告通貨から連結元帳に転送します。
米国の法的エンティティ: 米国の法的エンティティの主要元帳の残高を連結元帳に転送します。
カナダの法的エンティティ: 残高レベル報告通貨の換算済残高を連結元帳に転送します。
英国の法的エンティティ: 残高レベル報告通貨の換算済残高を連結元帳に転送します。
ブラジルの法的エンティティ: 補助元帳レベル報告通貨の残高を連結元帳に転送します。
ステップ3: 連結元帳に連結修正を入力します。
ステップ4: 連結レポートを準備します。
財務諸表生成プログラムを使用して連結財務諸表を作成して発行します。
米国を拠点にした衣料の小売業者であるOutdoor Outfitters社は、Oracle Applicationsの単一インスタンスを使用しています。
次の表に、この会社の米国オペレーションに対する会計設定を示します。
パラメータ | 説明 |
---|---|
法的エンティティ | 米国東部: 「割り当てられた貸借一致セグメント値」: 01 米国西部: 「割り当てられた貸借一致セグメント値」: 11 |
主要元帳 | Outdoor Outfitters(USD) 「勘定体系」: 「社内」 「会計カレンダ」: 「社内」 「通貨」: USD 「補助元帳会計処理基準」: 「標準見越」 |
Outdoor Outfitters社は、管理報告と分析の目的で追加の元帳を保守することを決定し、この決定を米国オペレーションにのみ適用することを望んでいます。同社は米国の部門マネージャがこの元帳を使用して、財務諸表に公開されない内部管理修正を記帳することを望んでいます。
この項の内容は、次のとおりです。
Outdoor Outfitters社は、現在、次の勘定体系構造を使用しており、部門セグメントをコスト・センターと管理セグメントの両方に指定しています。
注意: 管理セグメントは、既存の勘定体系に対していつでも使用可能にできます。
次の表で、勘定体系を説明します。
セグメント番号 | セグメント名 | セグメント・クオリファイア |
---|---|---|
1 | 法的エンティティ | 貸借一致セグメント |
2 | 部門 | コスト・センターおよび管理セグメント |
3 | 勘定科目 | 勘定科目 |
4 | 製品 | |
5 | 将来使用 |
次の図と表に、米国マネージャのみを対象とした部門階層を示します。
CEO: Steve Jones | マネージャ | 親値 | 子値 |
---|---|---|---|
Linda W. | 100財務 | 101-199 | |
Bernie L | 200営業 300マーケティング | 201- 299 301-399 | |
Steve S. | 400コンサルティング | 401-499 |
通常業務の過程で、4つの部門にわたって取引が入力されます。たとえば、各部門には経費が入力されます。Outdoor Outfitters社は、部門マネージャが担当部門以外のデータを表示または入力することを望んでいません。
米国の法的エンティティの既存の会計設定には、修正のみの副元帳を割り当てることができます。これは、Outdoor Outfitters社では、特定の法的エンティティまたは同じ会計設定で表示される法的エンティティのグループに対して入力する必要があるのは、管理修正のみであるためです。
注意: 管理修正と報告用に割り当てられた法的エンティティがない別の会計設定を作成することもできます。これは、複数の会計設定で元帳間の管理修正を記帳する必要がある場合に適しています。詳細は、「法的エンティティが割り当てられていない会計設定」を参照してください。
次の表に、副元帳が追加された会計設定の構成方法の例を示します。
パラメータ | 説明 |
---|---|
法的エンティティ | 米国東部: 「貸借一致 セグメント値」: 01 米国西部: 「貸借一致 セグメント値」: 11 |
主要元帳 | Outdoor Outfitters(USD) 「勘定体系」: 「社内」 「会計カレンダ」: 「社内」 通貨: USD 「補助元帳会計処理基準」: 「標準見越」 |
副元帳(修正のみ) | 管理元帳(USD) 「勘定体系」: 「社内」 「会計カレンダ」: 「社内」 通貨: USD |
主要元帳は、日常の取引を保持し、修正のみの副元帳は管理修正を保持します。この副元帳自体は、会計の全体像を表すことはできません。保持できるのは管理修正のみです。これによって、管理修正を日常の取引から完全に分離できます。管理の全体像を取得するには、元帳セット内の両方の元帳をグループ化し、組み合せた結果を表示する必要があります。
管理結果を取得するには、次の表で説明する元帳セットを作成します。
パラメータ | 説明 |
---|---|
元帳セット | 米国管理セット |
摘要 | 米国管理報告用の元帳セット |
勘定体系 | 社内 |
カレンダ/期間タイプ | 社内/月次 |
元帳 |
|
部門マネージャによる他の部門のデータへのアクセスを防ぐために、Outdoor Outfitters社では、管理セグメント値のアクセス・セット・タイプを使用するデータ・アクセス・セットを作成する必要があります。
各部門には、次の表で説明するような親値があると仮定します。
値 | 部門 |
---|---|
100 | 財務 |
200 | 営業 |
300 | マーケティング |
400 | コンサルティング |
3つの部門マネージャのそれぞれのデータを保護するには、少なくとも3つの異なるデータ・アクセス・セットを作成し、それぞれを米国の各部門マネージャに割り当てる必要があります。
次の表で、マネージャの職責ごとに作成する必要のある3つのデータ・アクセス・セットを説明します。元帳セットが割り当てられ、連結先セグメント値によってデータ・アクセス・セットの作成と保守が容易になります。
パラメータ | 値 |
---|---|
データ・アクセス・セット#1 | 財務へのアクセス |
摘要 | 財務部門へのアクセス |
勘定体系 | 社内 |
カレンダ/期間タイプ | 社内/月次 |
元帳セット | 米国管理セット |
アクセス・セット・タイプ | 管理セグメント値 |
管理セグメント値 | 100 |
権限 | 読取りおよび書込み |
パラメータ | 値 |
---|---|
データ・アクセス・セット#2 | 営業へのアクセス |
摘要 | 営業部門とマーケティング部門へのアクセスのみ |
勘定体系 | 社内 |
カレンダ/期間タイプ | 社内/月次 |
元帳セット | 米国管理セット |
アクセス・セット・タイプ | 管理セグメント値 |
管理セグメント値 | 200, 300 |
権限 | 読取りおよび書込み |
パラメータ | 値 |
---|---|
データ・アクセス・セット#3 | コンサルティングへのアクセス |
摘要 | コンサルティング部門へのアクセスのみ |
勘定体系 | 社内 |
カレンダ/期間タイプ | 社内/月次 |
アクセス・セット・タイプ | 管理セグメント値 |
元帳セット | 米国管理セット |
管理セグメント値 | 400 |
権限 | 読取りおよび書込み |
1番目のデータ・アクセス・セットは、財務のマネージャであるLindaの職責に割り当てられています。Lindaは、他の部門の情報にアクセスすることはできませんが、親値100に割り当てられている情報にはアクセスできます。
2番目のデータ・アクセス・セットは、営業とマーケティングのマネージャであるBernieの職責に割り当てられています。Bernieには、担当部門に対する読取りおよび書込みアクセス権のみが付与されています。
3番目のデータ・アクセス・セットは、コンサルティングのマネージャであるSteveの職責に割り当てられています。Steveには、担当部門に対するアクセス権のみが付与されています。
管理部長には、管理元帳に対する完全な読取りおよび書込みアクセス権を備えた別のデータ・アクセス・セットが必要です。管理部長は、部門全体の会計情報を表示したり、完全な元帳アクセス権が必要な期間のオープンとクローズ、予算や要約勘定科目の作成などの特定の操作を実行できます。データ・アクセス・セットに元帳セットを割り当てることで、管理部長は、両方の元帳の期間を同時にオープンおよびクローズできます。
次の表で、4番目のデータ・アクセス・セットを説明します。
パラメータ | 値 |
---|---|
データ・アクセス・セット#4 | 米国管理元帳へのアクセス |
摘要 | 米国管理元帳への完全アクセス |
勘定体系 | 社内 |
カレンダ/期間タイプ | 社内/月次 |
元帳セット | 米国管理セット |
アクセス・セット・タイプ | 全元帳 |
権限 | 読取りおよび書込み |
すべてのマネージャが同じ元帳に対して管理修正を入力しているため、それぞれのマネージャは、互いの定型仕訳、一括配賦、FSGレポートなどの定義にアクセスできます。あるマネージャが、別のマネージャによって作成された定義を変更、表示または使用できないようにするには、定義アクセス・セットを使用して各マネージャの職責に割り当てる必要があります。