Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド 11g リリース1 (11.1.1) B63031-01 |
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この序章では、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition 11g リリース1 (11.1.1)の新機能およびアップグレードの考慮事項について説明します。以前のリリースからOracle BI EEにアップグレードする場合、機能、ツール、手順などに大きな違いがあるため、次の情報をよく読んでください。
この序章には、次のトピックが含まれています。
この項の構成は、次のとおりです。
Oracle BI EE 11g リリース1(11.1.1.5)の新機能は、次のとおりです。
プロンプトのカスタム幅
このリリースでは、各列プロンプト・フィールドの幅を指定することができます。個別のプロンプトをデザインしたり、プロンプト・ページの書式オプションを指定したりする際に、幅を設定することができます。プロンプト・ページでプロンプト幅を指定する場合、すべてのプロンプトが指定した幅で表示されます。プロンプト・ページでは、列ラベルの折返しも指定することができます。
プロンプト・フィールド幅とプロンプト・ラベルの折返しの設定は、「スライダ」ユーザー入力タイプには適用されません。プロンプトの詳細は、第6章「ダッシュボードと分析でのプロンプト」を参照してください。
BI Composer
このリリースでは、操作が容易なウィザードであるBIコンポーザが導入されました。BIコンポーザは、素早く簡単に分析を作成、編集または表示でき、「分析」エディタの複雑さはありません。このリリースでは、視覚障害を持つユーザーが容易に分析の作成、編集および表示を行うことができるように、アクセシビリティ・モードでのみ使用できます(JAWSなどのスクリーン・リーダー・アプリケーションと使用するために最適化されています)。
「KPI」エディタの改良
このリリースでは、次のような「KPI」エディタの改良が含まれます。
「しきい値」ページは再設計され、「状態」ページとなりました。この再設計により、しきい値をターゲット値のパーセンテージとして指定したり、データを返さないKPIに割り当てるステータスを指定したりできます。
KPIにカスタム列を作成する「カスタム属性」という新しいページが追加されました。
Oracle Business Intelligence Mobile
このリリースでは、AppleのiPhoneやiPadなどのサポート対象モバイル機器上でOracle BI EEコンテンツを表示できるOracle Business Intelligence Mobileが導入されました。
Oracle Business Intelligence Mobileを使用して、分析およびダッシュボード、BI Publisherのコンテンツ、スコアカードのコンテンツ、エージェントから配信されるコンテンツなど、BIコンテンツの表示と分析を実行できます。
次のリストに、組織がOracle BI EE 11g リリース1(11.1.1.5)にアップグレードする際に注意が必要な事項を示します。
以前のリリース(11.1.1.5より前のリリース)で作成されたプロンプト。「以前のリリースで作成されたプロンプトのアップグレード方法」を参照してください。
Oracle BI EE 11gへのアップグレードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceアップグレード・ガイド』を参照してください。
この項の構成は、次のとおりです。
Oracle BI EE 11g リリース1(11.1.1.3)の新機能は、次のとおりです。
主な用語の変更
このリリースで、次のように用語が変更されています。
iBotは、エージェント(インテリジェント・エージェントとも呼ばれる)に変更されました
リクエスト(またはレポート)は分析に変更され、レポートという用語はBI Publisherレポートを意味するようになりました
プレゼンテーション列は、属性列に変更されました
チャートは、グラフに変更されました
セキュリティの用語とアーキテクチャが変更されています。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイドを参照してください。
ユーザー・インタフェースの大幅な改良
新しいホーム・ページや再設計されたエディタやペインなど、ユーザー・インタフェースがいくつかの点で大幅に改良されました。これらの改良は、Oracle BI EEでの操作をより容易にし、一貫性を高めるためのものです。このガイドには、様々なユーザー・インタフェースの操作の詳細が含まれています。
インタフェースは、障害を持つユーザーのニーズにより応えられるよう改良されています。詳細は、付録C「アクセシビリティ機能」を参照してください。
新しい列タイプと関連操作
以前のリリース(11gより前のリリース)では、分析にプレゼンテーション列とメジャー列を含めました。このリリースでは、プレゼンテーション列は属性列に変更され、階層列という新しい列タイプが導入されました。詳細は、「サブジェクト・エリアと列とは」を参照してください。
新しい列タイプと同時に、次のことを行う新しい方法が導入されました。
分析に表示されるデータの限定。引き続きフィルタを使用して属性列のデータを限定できます。また、選択ステップを使用してメンバーのセットの基準を指定し、列のデータを限定できます。詳細は、「データの選択の使用」を参照してください。
データのドリル。表、ピボット表、グラフ、マップなどのビューでドリルして値を展開したり縮小できます。詳細は、「ビューでのドリル」を参照してください。
データ値のソート。表、ピボット表、グラフ、マップなどのビューでメンバー、メジャーおよび行にソートを適用できます。ソートは現在デフォルトで有効です。詳細は、「ビューでのデータのソート」を参照してください。
ビューの改良
次のリストに示すように、いくつかのビュー・タイプが改良されました。
表およびピボット表が、より一貫性を持って機能し、階層列を表示するよう改良されました。ピボット表で、列を様々なエッジにドラッグ・アンド・ドロップし、ニーズに合せて表示を変えることが簡単に行えます。
詳細は、「表とピボット表の編集」を参照してください。
グラフとゲージは、機能が追加され、改良されました。たとえば、グラフとゲージにセクション・スライダを定義できます。(セクション・スライダの詳細は、「グラフとゲージのセクション・スライダの定義」を参照してください。
詳細は、「グラフ・ビューの編集」および「ゲージ・ビューの編集」を参照してください。
マップ・ビューは、空間形式でデータを表示する新しいビュー・タイプです。マップ・ビューで、ユーザーは、場所のコンテキストを介して、表やグラフでは明らかにならない地域全体のトレンドやトランザクションを見つけることができます。
詳細は、「マップ・ビューの編集」を参照してください。
ビューの改良に加え、このリリースには、それらのビューに付属する、改良された「レイアウト」ペインが含まれ、データを操作できます。詳細は、「ビューのデータのレイアウトの変更」を参照してください。
このリリースでは、特定のビュー・タイプ間にマスター詳細関係も作成できます。詳細は、「ビューのマスター詳細リンクとは」を参照してください。
計算項目とグループ
引き続き計算項目を使用して、メンバーに算術演算を行えます。以前のリリース(11gより前のリリース)では、属性列に対して計算項目を作成できました。このリリースでは、属性列または階層列のメンバーに対して計算項目を作成できます。
このリリースでは、ビューに表示するメンバーのグループを作成できます。グループは、表示に使用されるメジャー列の集計関数を継承します。
詳細は、「グループと計算項目の使用」を参照してください。
複数のサブジェクト・エリア
このリリースでは、複数のサブジェクト・エリアを使用できます。分析、フィルタまたはダッシュボード・プロンプトを新たに作成する際に選択するプライマリ・サブジェクト・エリア以外に、プライマリ・サブジェクト・エリアに関連する補助的サブジェクト・エリアを含めることができます。
詳細は、次のものを参照してください。
また、サブジェクト・エリア、フォルダ、列および階層レベルのメタデータ情報を表示できます。詳細は、「「サブジェクト・エリア」ペインからのメタデータ情報の表示」を参照してください。
他のOracle製品との相互作用
このリリースでは、次のようになります。
Oracle BI Publisherは、デフォルトで、Oracle BI EEスイートに完全に統合されたメンバーです。BI Publisherのすべての機能がOracle BI EEアプリケーション内でシームレスに表示されます。すべてのレポートと関連オブジェクトはOracle BI EE内で作成され、Oracle BIプレゼンテーション・カタログに保存されます。
詳細は、「Oracle BI EEと他の製品との対話方法」を参照してください。
Oracle Hyperion Smart ViewをOracle BI EEホーム・ページからダウンロードできます。
詳細は、「Oracle BI EEとOracle Enterprise Performance Management Systemの統合」を参照してください。
Oracle BI EEとOracle Business Intelligence Add-in for Microsoft Officeとの統合が強化されました。
詳細は、付録B「Microsoft Officeとの統合」を参照してください。
時系列計算およびレベル・ベース・メジャー用のSQL関数
次の新規SQL関数および改訂されたSQL関数を使用して、時系列計算およびレベル・ベース・メジャーを作成できます。
PERIODROLLING
は、現在の時間から数えてx単位時間前に始まり、y単位時間後に終わる期間のメジャーの合計を算出する新しい関数です。
AGGREGATE AT
は、指定されたレベルに基づいて列を集計する新しい関数です。
AGO
は、現在の時間から指定された期間までさかのぼって集計値を算出する時系列集計関数です。このリリースでは、time_level
引数はオプションで、その他にも構文の変更があります。この関数は、以前のリリース(11gより前のリリース)ではPERIODAGO
と呼ばれていました。
TODATE
は、指定された期間の始まりから現在表示されている時間までのメジャー属性を集計する時系列集計関数です。この関数の構文は、このリリースで変更されています。この関数は、以前のリリース(11gより前のリリース)ではPERIODTODATE
と呼ばれていました。
これらの関数の詳細は、「集計関数」および「カレンダ日付/時刻関数」を参照してください。
埋込みデータベース関数
Oracle Business Intelligenceからデータベース関数を直接コールして、あるいはメタデータ・リポジトリ内で論理列(論理表ソース内)を使用して、分析を作成できます。これらの関数を使用するのは、主に、式を渡して高度な計算を行ったり、ベースとなるデータベースでカスタムで記述された関数やプロシージャにアクセスするためです。サポートされている関数には、EVALUATE
、EVALUATE_AGGR
、EVALUATE_PREDICATE
などがあります。詳細は、「データベース関数」を参照してください。
書式設定の改良
このリリースでは、デフォルトの書式設定の処理方法も改良されています。条件付き書式設定は、ピボット表および階層列にも使用できるよう改良されています。詳細は、第7章「分析、ビューおよびダッシュボード・ページの書式設定」を参照してください。
Oracle BIプレゼンテーション・カタログの改良
Oracle BIプレゼンテーション・カタログは、ベースとなる強力な格納システムで、作成したオブジェクト(ダッシュボード、スコアカード、プロンプト、KPIなど)を含むディレクトリ・ベースのシステムです。BI Publisherを使用する場合、カタログにはBI Publisherのデータとオブジェクト(データ・モデル、スケジュールなど)も含まれます。カタログを使用すると、次のことが可能です。
オブジェクトやフォルダの作成、削除、コピーなどの基本的なタスクを行います。
オブジェクト固有のタスク(関連エディタを使用した設定の変更やエージェントの作成と割当てなど)を行います。
検索を実行してオブジェクトを検出します。
これらのタスク以外に、管理者は次のことができます。
システム全体のオブジェクトとユーザー・データを含むルート・フォルダにアクセスします。
ユーザーが表示できるフォルダとオブジェクトを決定するパーミッションを指定します。
フォルダを作成します。
フォルダの所有権の変更やオブジェクトの作成日の表示などのプロパティの操作を行います。
カタログ全体、フォルダまたはオブジェクトをアーカイブして別のディレクトリの場所に展開します。
詳細は、第13章「Oracle BIプレゼンテーション・カタログ内のオブジェクトの管理」を参照してください。
全文検索機能
このリリースには、Oracle BIプレゼンテーション・カタログ内のオブジェクトを検索するための全文検索に似たメカニズムが用意されています。名前や説明などの様々な属性でオブジェクトを検索できます。詳細は、「全文カタログ検索を使用した検索」を参照してください。
アクション
このリリースでは、関連コンテンツへ移動したり、外部システムで操作、関数またはプロセスを起動するアクションを作成できます。アクションは、分析、ダッシュボード・ページ、エージェント、スコアカードの目標、スコアカードのイニシアティブおよびKPIに含めることができます。エンド・ユーザーは、たとえば、分析内のデータを分析したり、ダッシュボードを表示して見通しを得る際にこれらのアクションを起動できます。詳細は、第10章「アクションの使用」を参照してください。
条件
このリリースでは、条件と呼ばれる新しいオブジェクトを作成できます。条件は、分析またはキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)の評価に基づいて1つのブール値を返します。条件を使用して、エージェントがコンテンツを配信してアクションを実行するかどうか、アクション・リンクをダッシュボード・ページに表示するかどうか、セクションとそのコンテンツをダッシュボード・ページに表示するかどうかを決めることができます。詳細は、第9章「アクションの使用」を参照してください。
エージェントの改良
このリリースでは、エージェント(以前のiBot)の機能が改良され、条件とアクションのサポートが組み込まれています。詳細は、第8章「コンテンツの配信」を参照してください。
複合レイアウトの改良
このリリースでは、複合レイアウトの使用が改良されました。詳細は、「追加複合レイアウトの作成」を参照してください。
キー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)
このリリースでは、ビジネスの尺度やメトリック(出荷数量や製造コストなど)を表すKPIを作成してモニターや改善を行ったり、組織の様々なレベルの戦略を構成する目標とイニシアティブのパフォーマンスの評価に使用できます。KPIを使用して次のタスクを行います。
カスタム・ビュー、分析、ダッシュボードなどの様々な形式でビジネス・メトリックを収集し、提示します。
ディメンションを指定して、KPIと他のメトリックの交差でデータを集計します。たとえば、製品の売上KPIは地域と会計時間でディメンション化され、地域ごと、あるいは会計四半期などの異なる期間ごとに製品の売上を表示できます。
KPIのパフォーマンスの変化に積極的に対応するには、次のものを作成します。
KPIが特定のパフォーマンスの状態(警告など)と評価されたときに通知するエージェント。
パフォーマンスの状態に関連付けられているタスクのアクション・リンク。
最も頻繁に、あるいは最も注目してモニターするKPIのKPI監視リストを作成します。
詳細は、「KPIとKPI監視リストの使用」および「KPI監視リストの作成または編集」を参照してください。
Oracle Scorecard and Strategy Management
このリリースでは、Oracle Scorecard and Strategy Managementを使用して、組織または主要なビジネス・エリアのパフォーマンスの明確化、評価(スコアカード)および展開を行えます。Oracle Scorecard and Strategy Managementを使用して、企業が機能する上で重要な戦略上のゴールと基準(目標)、およびこれらのゴールを達成するために必要なタスクとプロジェクト(イニシアティブ)の定義や記述、およびこれらの進捗のモニターを行うことができます。
詳細は、第12章「スコアカード」を参照してください。
次のリストに、組織がOracle BI EE 11g リリース1(11.1.1.3)にアップグレードする際に注意が必要な事項を示します。
以前のリリース(11gより前のリリース)で作成されたアクション。「以前のリリースで作成されたアクションのアップグレード方法」を参照してください
高度なSQLを使用し、以前のリリース(11gより前のリリース)で作成された分析。「高度なSQLを含むアップグレードされた分析の編集」を参照してください。
以前のリリース(11gより前のリリース)で作成された計算項目。「以前のリリースで作成された計算項目のアップグレード方法」を参照してください
以前のリリース(11gより前のリリース)で作成された非表示のダッシュボード。「他の名前と他の場所でのダッシュボードの保存」を参照してください。
以前のリリース(11gより前のリリース)で作成されたiBot(現在のエージェント)。「以前のリリースで作成されたiBotのアップグレード方法」を参照してください
ビューでの相互作用。「以前のリリースでビューに作成された相互作用のアップグレード方法」を参照してください
以前のリリース(11gより前のリリース)で作成されたメジャー列。「以前のリリースで作成されたメジャー列のアップグレード方法」を参照してください
以前のリリース(11gより前のリリース)で作成された合計。「以前のリリースで作成された、レポートを基準にした合計のアップグレード方法」を参照してください
以前のリリース(11gより前のリリース)で指定されたソート。「以前のリリースで作成されたソート指定のアップグレード方法」を参照してください
Oracle Business Intelligence環境にローカルに格納された、イメージやヘルプ・ファイルなどのカスタム・ファイル。「カスタム・ファイルのローカルでの格納とfmap関数を使用した参照」を参照してください。
以前のリリース(11gより前のリリース)で作成されたチャート(現在のグラフ)。「以前のリリースで作成されたチャートとの動作の違い」を参照してください
エージェント・フォルダ。アップグレード時、-ibotsという名前の非表示のフォルダはAgentsという名前に変更され、非表示でなくなります。My FoldersフォルダとShared Foldersフォルダに格納されます。
Oracle Business Intelligence 11gへのアップグレードの詳細は、Oracle Business Intelligence Oracle Fusion Middlewareアップグレード・ガイドを参照してください。