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Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール     Oracle Solaris Cluster (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris Cluster 構成を計画する

Oracle Solaris Cluster のインストール作業の確認

Oracle Solaris OS の計画

Oracle Solaris のインストール方法を選択する際のガイドライン

Oracle Solaris OS の機能制限

Oracle Solaris ソフトウェアグループについて

システムディスクパーティション

ルート (/) ファイルシステムのガイドライン

/globaldevices ファイルシステムのガイドライン

ボリューム管理ソフトウェアの必要条件

例 - ファイルシステムの割り当て

グローバルクラスタ内の非大域ゾーンのガイドライン

SPARC: クラスタでの Sun Logical Domains のガイドライン

Oracle Solaris Cluster 環境の準備

ライセンス

ソフトウェアのパッチ

パブリックネットワーク IP アドレス

コンソールアクセスデバイス

論理アドレス

パブリックネットワーク

定足数サーバー

NFS ガイドライン

サービスの制限

時間情報プロトコル (NTP)

Oracle Solaris Cluster の構成可能なコンポーネント

グローバルクラスタ名

グローバルクラスタ投票ノードの名前とノード ID

ゾーン名

プライベートネットワーク

プライベートホスト名

クラスタインターコネクト

トランスポートアダプタ

トランスポートスイッチ

グローバルフェンシング

定足数デバイス

ゾーンクラスタ

グローバルクラスタの要件とガイドライン

ゾーンクラスタの要件とガイドライン

ゾーンクラスタでの Trusted Extensions のガイドライン

グローバルデバイス、デバイスグループ、およびクラスタファイルシステムの計画

グローバルデバイス

デバイスグループ

クラスタファイルシステム

クラスタファイルシステムのマウントオプションの選択

UFS クラスタファイルシステム

VxFS クラスタファイルシステム

クラスタファイルシステムのマウント情報

ボリューム管理の計画

ボリューム管理ソフトウェアのガイドライン

Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアのガイドライン

Veritas Volume Manager ソフトウェアのガイドライン

ファイルシステムのロギング

ミラー化に関するガイドライン

多重ホストディスクのミラー化

ルートディスクのミラー化

2.  グローバルクラスタノードへのソフトウェアのインストール

3.  グローバルクラスタの確立

4.  Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアの構成

5.  Veritas Volume Manager をインストールして構成する

6.  クラスタファイルシステムの作成

7.  非大域ゾーンおよびゾーンクラスタの作成

8.  Oracle Solaris Cluster モジュールの Sun Management Center へのインストール

9.  クラスタからのソフトウェアのアンインストール

A.  Oracle Solaris Cluster のインストールと構成のためのワークシート

索引

Oracle Solaris Cluster 環境の準備

この節では、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストールと構成の計画と、次のコンポーネントの準備について説明します。

Oracle Solaris Cluster コンポーネントについては、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』を参照してください。

ライセンス

ソフトウェアのインストールを開始する前に、必要なすべてのライセンス証明書を用意しておきます。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアにはライセンス証明書は必要ありませんが、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアがインストールされる各ノードが、Oracle Solaris Cluster ソフトウェア使用許諾契約書に準拠している必要があります。

ボリューム管理ソフトウェアやアプリケーションソフトウェアのライセンス必要条件については、該当する製品のインストールドキュメントを参照してください。

ソフトウェアのパッチ

各ソフトウェア製品をインストールした後に、必要なパッチもインストールする必要があります。クラスタが適切に動作するためには、必ずすべてのクラスタノードが同じパッチレベルになるようにしてください。

パブリックネットワーク IP アドレス

クラスタによるパブリックネットワークの使用については、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』の「Public Network Adapters and IP Network Multipathing」を参照してください。

クラスタ構成によっては、Oracle Solaris Cluster のさまざまなコンポーネントに多数のパブリックネットワーク IP アドレスを設定します。クラスタ構成内の各 Solaris ホストには、サブネットの同じセットのパブリックネットワーク接続が少なくとも 1 つ必要です。

次の表に、パブリックネットワーク IP アドレスの割り当てが必要なコンポーネントの一覧を示します。これらの IP アドレスを、次の場所に追加してください。

表 1-3 パブリックネットワーク IP アドレスを使用する Oracle Solaris Cluster コンポーネント

コンポーネント
必要な IP アドレス
管理コンソール
サブネットごとに 1 つ
グローバルクラスタノード
サブネットごとのノードあたり 1 つ
ゾーンクラスタノード
サブネットごとのノードあたり 1 つ
ドメインコンソールネットワークインタフェース (Sun Fire 15000)
ドメインごとに 1 つ
(省略可能) 非大域ゾーン
サブネットごとに 1 つ
コンソールアクセスデバイス
1 つ
論理アドレス
サブネットごとの論理ホストリソースあたり 1 つ

IP アドレスの計画については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の第 2 章「TCP/IP ネットワークの計画 (手順)」を参照してください。

コンソールアクセスデバイス

すべてのクラスタノードにはコンソールアクセスが必要です。クラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアを管理コンソールにインストールする場合、クラスタノードと通信するために使用されるコンソールアクセスデバイスのホスト名とポート番号を提供する必要があります。

コンソールアクセスについては、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide 』を参照してください。

または、管理コンソールを直接クラスタノードに接続しているか、管理ネットワーク経由で接続している場合、管理コンソールまたは管理ネットワークへの接続に使用される各グローバルクラスタノードのホスト名およびシリアルポート番号を提供してください。

論理アドレス

論理アドレスを使用する各データサービスリソースグループには、論理アドレスへのアクセス元となる各パブリックネットワークに指定されているホスト名を設定する必要があります。

詳細は、『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide 』を参照してください。 データサービスとリソースについては、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』も参照してください。

パブリックネットワーク

パブリックネットワークはクラスタの外部と通信します。パブリックネットワーク構成を計画する際は、次のことを考慮してください。

パブリックネットワークインタフェースの詳細は、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide 』を参照してください。

定足数サーバー

Oracle Solaris Cluster 定足数サーバーソフトウェアを使用してマシンを定足数サーバーとして構成し、続いて定足数サーバーをクラスタの定足数デバイスとして構成することができます。共有ディスクおよび NAS ファイラの代わりとして、またはそれらに加えて定足数サーバーを使用できます。

Oracle Solaris Cluster 構成で定足数サーバーを使用する場合は、次の点に注意してください。

NFS ガイドライン

Oracle Solaris Cluster 構成で NFS (Network File System) を使用する場合は、次の点に注意してください。

サービスの制限

Oracle Solaris Cluster 構成の次のサービスの制限を守ってください。

時間情報プロトコル (NTP)

NTP では、次のガイドラインに従ってください。

クラスタの時刻についての詳細は、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide 』を参照してください。 NTP を Oracle Solaris Cluster 構成用に構成する場合の詳細なガイドラインについては、/etc/inet/ntp.cluster テンプレートファイルを参照してください。

Oracle Solaris Cluster の構成可能なコンポーネント

この節では、構成する Oracle Solaris Cluster コンポーネントのガイドラインについて説明します。

適当な構成計画ワークシートに、次の情報を追加してください。

グローバルクラスタ名

グローバルクラスタ名は、Oracle Solaris Cluster の構成時に指定します。グローバルクラスタ名は、企業内でグローバルに一意である必要があります。

ゾーンクラスタの命名方法については、「ゾーンクラスタ」を参照してください。

グローバルクラスタ投票ノードの名前とノード ID

グローバルクラスタ内の投票ノードの名前は、Solaris OS でインストールしたときに物理ホストまたは仮想ホストに割り当てた名前と同じです。命名の要件の詳細については、hosts(4)のマニュアルページを参照してください。

単一ホストクラスタのインストールでは、デフォルトのクラスタ名は投票ノードの名前になります。

Oracle Solaris Cluster の構成中に、グローバルクラスタでインストールするすべての投票ノード名を指定します。

ノード番号は、イントラクラスタ用の各クラスタノードに番号 1 から割り当てられます。 ノード ID 番号は、ノードがクラスタメンバーになる順序で各クラスタノードに割り当てられます。 1 回の操作ですべてのクラスタノードを構成する場合、scinstall ユーティリティーを実行するノードは、最後にノード ID 番号が割り当てられたノードです。 ノード ID 番号は、クラスタノードに割り当てたあとで変更することはできません。

クラスタメンバーになるノードには、使用可能なノード ID 番号のうち、もっとも小さい番号が割り当てられます。 ノードをクラスタから削除すると、そのノード番号は新しいノードに割り当てることができるようになります。 たとえば、4 ノードクラスタで、ノード ID 3 が割り当てられているノードを削除し、新しいノードを追加すると、その新しいノードには、ノード ID 5 ではなくノード ID 3 が割り当てられます。

割り当てるノード ID 番号を特定のクラスタノードに対応させる場合は、一度に 1 ノードずつ、ノード ID 番号を割り当てる順にクラスタノードを構成します。 たとえば、クラスタソフトウェアがノード ID 1phys-schost-1 に割り当てるようにするには、そのノードをクラスタのスポンサーノードとして構成します。 次に phys-schost-1 によって確立されたクラスタに phys-schost-2 を追加する場合、phys-schost-2 はノード ID 2 に割り当てられます。

ゾーンクラスタ内のノード名については、「ゾーンクラスタ」を参照してください。

ゾーン名

ブランド native の非大域ゾーンは、リソースグループノードリストの有効な潜在ノードです。 nodename :zonename という命名規則を使用して、Oracle Solaris Cluster コマンドに非大域ゾーンを指定します。

大域ゾーンを指定する場合、投票ノード名を指定するだけで済みます。

非大域ゾーンのクラスタについては、「ゾーンクラスタ」を参照してください。

選択した非大域ゾーンのクラスタ機能は無効にできます。 これらのゾーンのいずれかにログインしたルートユーザーが、クラスタの動作を検出したり中断させたりすることはできません。 手順については、

プライベートネットワーク


注 - 単一ホストのグローバルクラスタの場合、プライベートネットワークを構成する必要はありません。scinstall ユーティリティーは、クラスタでプライベートネットワークが使用されていなくても、自動的にデフォルトのプライベートネットワークアドレスとネットマスクを割り当てます。


Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアで管理されるノード間および非大域ゾーン間の内部通信にプライベートネットワークを使用します。Oracle Solaris Cluster 構成では、プライベートネットワーク上のクラスタインターコネクトへの接続が少なくとも 2 つ必要です。 クラスタの最初のノードに Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成するときに、次のいずれかの方法でプライベートネットワークアドレスとネットマスクを指定します。

デフォルト以外のネットマスクを使用することを選択すると、scinstall ユーティリティーから、IP アドレス範囲でサポートするノードの数とプライベートネットワークの数を指定するように求められます。このユーティリティーから、サポートするゾーンクラスタの数を指定するように求められます。 指定するグローバルノードの数には、プライベートネットワークを使用する、クラスタ化されていない非大域ゾーンの予測される数も含めるようにしてください。

このユーティリティーは、指定したノード、ゾーンクラスタおよびプライベートネットワークの数に対応する最小 IP アドレス範囲のネットマスクを計算します。計算されたネットマスクは、指定したノード (非大域ゾーンを含む)、ゾーンクラスタおよびプライベートネットワークの数よりも多くの数をサポートする場合があります。scinstall ユーティリティーはさらに、2 倍の数のノード、ゾーンクラスタおよびプライベートネットワークをサポートするための最低限のネットマスクとなる 2 番目のネットマスクも計算します。この 2 番目のネットマスクにより、クラスタは IP アドレス範囲を再構成する必要なしに、将来のノードとプライベートネットワークの数の増加に対応できます。

ユーティリティーから、どちらのネットマスクを選択するかを聞かれます。計算されたネットマスクのいずれかを選択するか、それ以外のネットマスクを指定することができます。指定するネットマスクは、最低でもユーティリティーに指定したノードとプライベートネットワークの数をサポートする必要があります。


注 - 投票ノード、非大域ゾーン、ゾーンクラスタ、プライベートネットワークなどの追加に対応するには、クラスタのプライベート IP アドレス範囲の変更が必要になる場合があります。

クラスタの確立後にプライベートネットワークアドレスとネットマスクを変更する方法については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「既存のクラスタのプライベートネットワークアドレスまたはアドレス範囲を変更する」を参照してください。 これらの変更を行うには、クラスタを停止させる必要があります。

ただし、cluster set-netprops コマンドを使用してネットマスクのみを変更する場合は、クラスタはクラスタモードのままにしておくことができます。 クラスタですでに構成されているゾーンクラスタの場合は、そのゾーンに割り当てられているプライベート IP サブネットとプライベート IP アドレスも更新されます。


デフォルト以外のプライベートネットワークアドレスを指定する場合は、アドレスは次の条件を満たす必要があります。

プライベートネットワークについては、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の第 2 章「TCP/IP ネットワークの計画 (手順)」を参照してください。

プライベートホスト名

プライベートホスト名とは、プライベートネットワークインタフェースを介したノード間の通信に使用される名前のことです。プライベートホスト名は、グローバルクラスタまたはゾーンクラスタの Oracle Solaris Cluster の構成中に自動的に作成されます。これらのプライベートホスト名は、clusternodenodeid -priv という命名規則に従います (nodeid は、内部ノード ID の数値です)。ノード ID 番号は、Oracle Solaris Cluster の構成中に各投票ノードがクラスタメンバーとなる際に、自動的に各ノードに割り当てられます。グローバルクラスタの投票ノードとゾーンクラスタのノードは、どちらも同じプライベートホスト名を持ちますが、ホスト名はそれぞれ異なるプライベートネットワーク IP アドレスに解決されます。

グローバルクラスタの構成後に、clsetup(1CL)ユーティリティーを使用してプライベートホスト名を変更できます。この時点では、ゾーンクラスタノードのプライベートホスト名は変更できません。

非大域ゾーンのプライベートホスト名の作成は省略可能です。非大域ゾーンのプライベートホスト名の作成には、命名規則はありません。

クラスタインターコネクト

クラスタインターコネクトは、クラスタノード間のプライベートネットワーク通信にハードウェアパスを提供します。各インターコネクトは、次のいずれかの方法で接続されるケーブルで構成されます。

クラスタインターコネクトの目的と機能については、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』の「Cluster Interconnect」を参照してください。


注 - 単一ホストのクラスタの場合、クラスタインターコネクトを構成する必要はありません。ただし、単一ホストのクラスタ構成にあとから投票ノードを追加する可能性がある場合は、将来の使用のためにクラスタインターコネクトを構成することもできます。


Oracle Solaris Cluster の構成時に、1 つまたは 2 つのインターコネクトの構成情報を指定します。

クラスタインターコネクトの確立後に、clsetup(1CL)ユーティリティーを使用して、追加のインターコネクトを合計 6 つまで構成できます。

クラスタインターコネクトハードウェアのガイドラインについては、『Oracle Solaris Cluster 3.3 Hardware Administration Manual』の「Interconnect Requirements and Restrictions」を参照してください。 クラスタインターコネクトに関する一般情報については、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』の「Cluster Interconnect」を参照してください。

トランスポートアダプタ

ネットワークインタフェースのポートなどのトランスポートアダプタ用に、トランスポートアダプタ名とトランスポートの種類を指定します。構成が 2 ホストクラスタの場合は、インターコネクトをポイントツーポイント接続 (アダプタからアダプタ) するか、トランスポートスイッチを使用するかも指定します。

次のガイドラインと制限を考慮してください。

特定のトランスポートアダプタに関する詳細については、scconf_trans_adap_*(1M) のマニュアルページを参照してください。

トランスポートスイッチ

ネットワークスイッチなどのトランスポートスイッチを使用する場合は、インターコネクトごとにトランスポートスイッチの名前を指定します。デフォルト名の switchN (ここで、N は、構成中に自動的に割り当てられた数) を使用するか、別の名前を作成できます。

また、スイッチのポート名を指定するか、デフォルト名をそのまま使用します。デフォルトのポート名は、ケーブルのアダプタ側が接続されている Solaris ホストの内部ノード ID 番号と同じです。ただし、特定の種類のアダプタではデフォルトのポート名は使用できません。


注 - 3 つ以上の投票ノードを持つクラスタでは、必ずトランスポートスイッチを使用してください。投票クラスタノード間の直接接続は、2 ホストクラスタの場合だけサポートされています。


2 ホストクラスタが直接接続されている場合でも、インターコネクトのトランスポートスイッチを指定できます。


ヒント - トランスポートスイッチを指定すると、あとでクラスタに別の投票ノードを追加しやすくなります。


グローバルフェンシング

フェンシングは、スプリットブレーン状態のクラスタが共有ディスクのデータ完全性の保護のために使用する機構です。デフォルトでは、標準モードの scinstall ユーティリティーでグローバルフェンシングが有効になっており、構成内の各共有ディスクでデフォルトのグローバルフェンシング設定 pathcount が使用されます。pathcount 設定では、各共有ディスクのフェンシングプロトコルは、ディスクに接続されている DID パスの数に基づいて選択されます。

カスタムモードの場合は、scinstall ユーティリティーからグローバルフェンシングを無効にするかどうかを尋ねられます。通常は、No と入力してグローバルフェンシングを有効にしておきます。ただし、次のような場合は、グローバルフェンシングを無効にすることができます。


注意

注意 - 次の場合以外でグローバルフェンシングを無効にすると、アプリケーションのフェイルオーバー時にデータ破壊が生じる可能性があります。フェンシングの無効化を検討する場合には、データ破損の可能性を十分に調査してください。


クラスタ構成時にグローバルフェンシングを無効にすると、クラスタ内のすべての共有ディスクのフェンシングが無効になります。クラスタを構成したあとで、グローバルフェンシングプロトコルを変更したり、個々の共有ディスクのフェンシングプロトコルを置き換えたりできます。ただし、定足数デバイスのフェンシングプロトコルを変更するには、最初に定数数デバイスの構成を解除します。次に、ディスクの新しいフェンシングプロトコルを設定し、それを定足数デバイスとして再構成します。

フェンシングの動作については、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』の「Failfast Mechanism」を参照してください。 個々の共有ディスクのフェンシングプロトコルの設定については、cldevice(1CL)のマニュアルページを参照してください。グローバルフェンシングの設定については、cluster(1CL)のマニュアルページを参照してください。

定足数デバイス

Oracle Solaris Cluster 構成では、定足数 (quorum) デバイスを使用して、データとリソースの整合性を保持します。クラスタが投票ノードとの接続を一時的に失っても、定足数デバイスによって、投票クラスタノードがクラスタに再結合しようとしたときの amnesia や split-brain といった問題を防止できます。定足数デバイスの目的と機能については、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』の「Quorum and Quorum Devices」を参照してください。

Oracle Solaris Cluster の 2 ホストクラスタのインストール時に、scinstall ユーティリティーを使用して、構成内で使用可能な共有ディスクを定足数デバイスとして自動構成することもできます。 共有ディスクには、共有ディスクとして使用するために構成された Sun NAS デバイスが含まれます。scinstall ユーティリティーは、使用可能なすべての共有ディスクが定足数デバイスとして利用できるものと見なします。

定足数サーバーの Oracle Sun Storage 7000 Unified Storage System NAS デバイスまたは Network Appliance NAS デバイスを定足数デバイスとして使用する場合は、scinstall の処理後に構成します。

インストール後は、clsetup(1CL) ユーティリティーを使用して、定足数デバイスを追加で構成することもできます。


注 - 単一ホストのクラスタの場合、定足数デバイスを構成する必要はありません。


クラスタ構成に他社製の共有ストレージデバイスが含まれており、そのストレージデバイスの定足数デバイスとしての使用がサポートされていない場合、clsetup ユーティリティーを使用して、定足数を手作業で構成する必要があります。

定足数デバイスを計画する際は、次の点を考慮してください。

定足数デバイスについては、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』の「Quorum and Quorum Devices」を参照してください。

ゾーンクラスタ

ゾーンクラスタは、Solaris Container の非大域ゾーンのクラスタです。 ゾーンクラスタのノードは、すべて cluster ブランドの非大域ゾーンとして構成されます。ゾーンクラスタでは、その他のブランドタイプは許可されていません。Solaris ゾーンで提供される分離を含めて、グローバルクラスタと同様にゾーンクラスタでサポートされるサービスを実行できます。

ゾーンクラスタの作成を計画する場合、次の点に注意してください。

グローバルクラスタの要件とガイドライン

ゾーンクラスタの要件とガイドライン

ゾーンクラスタでの Trusted Extensions のガイドライン

ゾーンクラスタで Oracle Solaris の Trusted Extensions 機能を使用する場合は、次の点に注意してください。