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Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール     Oracle Solaris Cluster (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris Cluster 構成を計画する

2.  グローバルクラスタノードへのソフトウェアのインストール

3.  グローバルクラスタの確立

新規グローバルクラスタまたは新規グローバルクラスタノードの確立

すべてのノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)

すべてのノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成する (XML)

Solaris と Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)

追加のグローバルクラスタノード用にクラスタを準備する

ノードまたはプライベートネットワークを追加するときにプライベートネットワーク構成を変更する

追加のグローバルクラスタノードとして Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)

追加のグローバルクラスタノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成する (XML)

グローバルクラスタへのノード追加後に定足数デバイスを更新する

定足数デバイスを構成する

定足数構成とインストールモードを確認する

プライベートホスト名を変更する

ノードでのリソースグループの負荷分散の設定

ノードの負荷制限を設定する

リソースグループの優先順位を設定する

リソースグループの負荷係数を設定する

リソースグループのプリエンプションモードを設定する

クラスタ内のより少ないノードに負荷を集中させる

時間情報プロトコル (NTP) を構成する

クラスタプライベートインターコネクト上で IP セキュリティーアーキテクチャー (IPSec) を構成する

クラスタの妥当性を検査する

クラスタ構成の診断データを記録する

4.  Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアの構成

5.  Veritas Volume Manager をインストールして構成する

6.  クラスタファイルシステムの作成

7.  非大域ゾーンおよびゾーンクラスタの作成

8.  Oracle Solaris Cluster モジュールの Sun Management Center へのインストール

9.  クラスタからのソフトウェアのアンインストール

A.  Oracle Solaris Cluster のインストールと構成のためのワークシート

索引

新規グローバルクラスタまたは新規グローバルクラスタノードの確立

この節では、新しいグローバルクラスタを確立したり、既存のクラスタにノードを追加したりするための情報と手順について説明します。グローバルクラスタノードは、物理マシンの場合もあれば、(SPARC 専用の) Sun Logical Domains (LDoms) I/O ドメインの場合もあれば、LDoms ゲストドメインの場合もあります。 クラスタは、これらの種類のノードを任意に組み合わせて構成できます。これらの作業を開始する前に、「ソフトウェアをインストールします」で説明した手順に従って、Oracle Solaris OS、Oracle Solaris Cluster フレームワーク、およびその他の製品用のソフトウェアパッケージをインストールしていることを確認してください。

次の作業マップに、新しいグローバルクラスタ、または既存のグローバルクラスタに追加されたノードに対して実行する作業を示します。 ここに示す順に従って手順を実行します。

表 3-1 作業マップ:新しいグローバルクラスタの確立

方法
参照先
新しいグローバルクラスタを確立するには、次のいずれかの方法を使用します。
  • scinstall ユーティリティーを使用してクラスタを確立します。
  • XML 構成ファイルを使用してクラスタを確立します。
  • JumpStart インストールサーバーを設定します。 次にインストールしたシステムのフラッシュアーカイブを作成します。最後に、scinstall JumpStart オプションを使って、各ノードにフラッシュアーカイブをインストールし、クラスタを確立します。
定足数投票権を割り当て、クラスタがまだインストールモードである場合は、インストールモードを解除します。
定足数構成の妥当性を検査します。
(省略可能) ノードのプライベートホスト名を変更します。
NTP 構成ファイルがまだ設定されていない場合は、このファイルを作成するか、または変更します。
(省略可能) プライベートインターコネクトの安全を確保するため、IPsec を設定します。
ボリュームマネージャーを使用している場合は、ボリューム管理ソフトウェアをインストールします。
必要に応じて、クラスタファイルシステムまたは高可用性ローカルファイルシステムを作成します。
(省略可能) SPARC: クラスタを監視するように Sun Management Center を構成します。
他社製のアプリケーションをインストールし、リソースタイプを登録し、リソースグループを設定し、データサービスを構成します。
『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』

アプリケーションソフトウェアで提供されるドキュメント

クラスタの妥当性を検査します。
終了したクラスタ構成の基準値の記録を取ります。

表 3-2 作業マップ:既存のグローバルクラスタにノードを追加する

方法
参照先
clsetup コマンドを使用して、クラスタ認証済みノードリストに新規ノードを追加します。 また、必要であれば、クラスタインターコネクトを設定して、プライベートネットワークアドレス範囲を再設定します。
追加したノードに対応するために、必要に応じてクラスタインターコネクトとプライベートネットワークアドレス範囲を再設定します。
既存のグローバルクラスタにノードを追加するには、次のいずれかの方法を使用します。
  • JumpStart インストールサーバーを設定します。 次にインストールしたシステムのフラッシュアーカイブを作成します。最後に、scinstall JumpStart オプションを使って、クラスタを追加するノードにフラッシュアーカイブをインストールします。
  • scinstall ユーティリティーを使用して、新しいノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成します。
  • XML 構成ファイルを使用して、新しいノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成します。
定足数構成情報を更新します。
定足数構成の妥当性を検査します。
(省略可能) ノードのプライベートホスト名を変更します。
NTP 構成を変更します。
クラスタで IPsec が構成されている場合は、追加したノードで IPsec を構成します。
ボリュームマネージャーを使用している場合は、ボリューム管理ソフトウェアをインストールします。
必要に応じて、クラスタファイルシステムまたは高可用性ローカルファイルシステムを作成します。
(省略可能) SPARC: クラスタで Sun Management Center が使用されている場合は、監視用に新しいノードに Sun Management Center ソフトウェアをインストールします。
他社製のアプリケーションをインストールし、リソースタイプを登録し、リソースグループを設定し、データサービスを構成します。
『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』

アプリケーションソフトウェアで提供されるドキュメント

クラスタの妥当性を検査します。
終了したクラスタ構成の基準値の記録を取ります。

すべてのノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)

Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをクラスタのすべてのノードで設定するには、グローバルクラスタの 1 つのノードからこの手順を実行します。


注 - この手順では、対話型の scinstall コマンドを使用します。インストールスクリプトを開発するときなど、非対話型の scinstall コマンドを使用する場合は、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。

scinstall コマンドを実行する前に、手動またはサイレントモード形式の installer コマンドを使用して、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアパッケージがノードにインストールされていることを確認してください。 installer プログラムをインストールスクリプトから実行する方法の詳細については、『Sun Java Enterprise System 5 Update 1 Installation Guide for UNIX』の第 5 章「Installing in Silent Mode」を参照してください。


始める前に

次の作業を実行します。

これらのガイドラインに従い、次に示す手順で対話式の scinstall ユーティリティーを使用します。

  1. Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール時にリモート構成を無効にした場合は、リモート構成をもう一度有効にします。

    すべてのクラスタノードで スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) またはセキュアシェル (ssh(1)) アクセス します。

  2. 新しいクラスタのプライベートインターコネクトでスイッチを使用している場合は、NDP (Neighbor Discovery Protocol) が無効になっていることを確認します。

    スイッチのドキュメントの手順に従って、NDP が有効になっているかどうかを確認し、NDP を無効にします。

    クラスタ構成中に、ソフトウェアはプライベートインターコネクトにトラフィックがないことを確認します。プライベートインターコネクトでトラフィックを確認したときに NDP がプライベートアダプタにパッケージを送信する場合、ソフトウェアはインターコネクトがプライベートではないものとみなし、クラスタ構成が中断されます。このため、クラスタ作成中は NDP を無効にしてください。

    クラスタが確立されたあと、NDP の機能を使用する場合は、プライベートインターコネクトスイッチ上でもう一度 NDP を有効にすることができます。

  3. 1 つのクラスタノードから scinstall ユーティリティーを開始します。
    phys-schost# /usr/cluster/bin/scinstall
  4. 「新しいクラスタの作成またはクラスタノードの追加」というオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。
     *** Main Menu ***
    
        Please select from one of the following (*) options:
    
          * 1) Create a new cluster or add a cluster node
          * 2) Configure a cluster to be JumpStarted from this install server
            3) Manage a dual-partition upgrade
            4) Upgrade this cluster node
          * 5) Print release information for this cluster node
     
          * ?) Help with menu options
          * q) Quit
    
        Option:  1

    「新しいクラスタとクラスタノード」メニューが表示されます。

  5. 「新しいクラスタの作成」オプションの番号を入力し、Return キーを押します。

    「通常」または「カスタム」モードメニューが表示されます。

  6. 「通常」または「カスタム」のいずれかのオプション番号を入力し、Return キーを押します。

    「新しいクラスタの作成」画面が表示されます。要件を読み、Control-D キーを押して操作を続けます。

  7. メニュープロンプトに従って、 構成計画ワークシートから回答を入力します。

    scinstall ユーティリティーは、すべてのクラスタノードのインストールを行い、クラスタを再起動します。クラスタ内ですべてのノードが正常に起動されると、クラスタが確立されます。Oracle Solaris Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。

  8. 各ノードでサービス管理機能 (Service Management Facility、SMF) のマルチユーザーサービスがオンラインになっていることを確認します。

    ノードのサービスがまだオンラインでない場合は、次のステップに進む前に状態がオンラインに変わるまで待ちます。

    phys-schost# svcs multi-user-server node
    STATE          STIME    FMRI
    online         17:52:55 svc:/milestone/multi-user-server:default
  9. 1 つのノードから、すべてのノードがクラスタに参加していることを確認します。
    phys-schost# clnode status

    出力は次のようになります。

    === Cluster Nodes ===
    
    --- Node Status ---
    
    Node Name                                       Status
    ---------                                       ------
    phys-schost-1                                   Online
    phys-schost-2                                   Online
    phys-schost-3                                   Online

    詳細は、clnode(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  10. (省略可能) ノードの自動再起動機能を有効化します。

    少なくともディスクのいずれかが、クラスタ内の別のノードからアクセス可能である場合、監視される共有ディスクパスがすべて失敗すると、この機能はノードを自動的に再起動します。

    1. 自動リブートを有効化します。
      phys-schost# clnode set -p reboot_on_path_failure=enabled
      -p

      設定するプロパティーを指定します。

      reboot_on_path_failure=enable

      監視される共有ディスクパスすべてに障害が発生する場合、自動ノードリブートを有効化します。

    2. ディスクパスの障害発生時の自動リブートが有効になっていることを確認します。
      phys-schost# clnode show
      === Cluster Nodes ===                          
      
      Node Name:                                      node
      …
        reboot_on_path_failure:                          enabled
      …
  11. 高可用性ローカルファイルシステムで Oracle Solaris Cluster HA for NFS (HA for NFS) を使用する場合は、ループバックファイルシステム (LOFS) が無効になっていることを確認します。

    LOFS を無効にするには、クラスタの各ノードの/etc/system ファイルに次のエントリを追加します。

    exclude:lofs

    /etc/system ファイルへの変更は、次のシステム再起動後に有効になります。


    注 - 高可用性ローカルファイルシステムで HA for NFS を使用し、かつ automountd を実行している場合は、LOFS を有効にすることはできません。 LOFS により、HA for NFS でスイッチオーバーの問題が発生する可能性があります。 高可用性ローカルファイルシステムに HA for NFS を追加することを選択する場合は、次のいずれかの構成変更を行う必要があります。

    ただし、クラスタで非大域ゾーンを構成する場合は、すべてのクラスタノードで LOFS を有効にする必要があります。高可用性ローカルファイルシステム上の HA for NFS が LOFS と共存する必要がある場合は、LOFS を無効にする代わりに、ほかのソリューションを使用してください。

    • LOFS を無効にします。

    • automountd デーモンを無効にします。

    • HA for NFS からエクスポートされた高可用性ローカルファイルシステムに含まれるすべてのファイルをオートマウンタマップから除外します。 この選択により、LOFS と automountd デーモンの両方を有効なままにすることができます。


    ループバックファイルシステムについては、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「ループバックファイルシステム」を参照してください。

例 3-1 すべてのノードでの Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの構成

ここでは、scinstall を使用して 2 ノードクラスタ schost で構成作業を完了したときに、ログに記録される scinstall 進行状況メッセージの例を示します。このクラスタは、「通常」モードで、scinstall ユーティリティーを使用することによって、phys-schost-1 からインストールされます。もう一つのクラスタノードは、phys-schost-2 です。アダプタ名は qfe2qfe3です。定足数デバイスの自動選択は有効です。いずれのノードもパーティション /globaldevices をグローバル-デバイス名前空間として使用します。

  Installation and Configuration

    Log file - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.24747

    Testing for "/globaldevices" on "phys-schost-1" … done
    Testing for "/globaldevices" on "phys-schost-2" … done
    Checking installation status … done

    The Sun Cluster software is already installed on "phys-schost-1".
    The Sun Cluster software is already installed on "phys-schost-2".
    Starting discovery of the cluster transport configuration.

    The following connections were discovered:

        phys-schost-1:qfe2  switch1  phys-schost-2:qfe2
        phys-schost-1:qfe3  switch2  phys-schost-2:qfe3

    Completed discovery of the cluster transport configuration.

    Started cluster check on "phys-schost-1".
    Started cluster check on "phys-schost-2".

    cluster check completed with no errors or warnings for "phys-schost-1".
    cluster check completed with no errors or warnings for "phys-schost-2".

    Removing the downloaded files … done

    Configuring "phys-schost-2" … done
    Rebooting "phys-schost-2" … done

    Configuring "phys-schost-1" … done
    Rebooting "phys-schost-1" …

Log file - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.24747

Rebooting …

注意事項

構成の失敗 – 1 つ以上のノードをクラスタに結合できなかったり、間違った構成情報が指定された場合は、まずこの手順の再実行を試みます。 それでも問題が修正されない場合は、誤った構成の各ノードで 「インストールの問題を修正するために Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成解除する」 の手順を実行して、クラスタ構成からそのノードを削除します。 Oracle Solaris Cluster ソフトウェアパッケージをアンインストールする必要はありません。それから、この手順をもう一度実行します。

次の手順

クラスタに定足数デバイスを構成する場合、「定足数デバイスを構成する」 を参照してください。

それ以外の場合は、「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。

すべてのノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成する (XML)

XML クラスタ構成ファイルを使用して新規グローバルクラスタを構成するには、以下の手順を実行します。新しいクラスタは、Oracle Solaris Cluster 3.3 5/11 ソフトウェアを実行する既存のクラスタから複製できます。

この手順では、次のクラスタ構成要素を構成します。

始める前に

次の作業を実行します。

  1. 作成するクラスタノードで Oracle Solaris Cluster 3.3 5/11 ソフトウェアがまだ設定されていないことを確認します。
    1. 新しいクラスタに設定するノードでスーパーユーザーになります。
    2. 作成するノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアがすでに構成されているか調べます。
      phys-schost# /usr/sbin/clinfo -n
      • コマンドが次のメッセージを返す場合は、手順 c に進みます。
        clinfo: node is not configured as part of acluster: Operation not applicable

        このメッセージは、作成するノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアがまだ構成されていないことを示します。

      • このコマンドでノード ID 番号が返される場合、この手順を実行しないでください。

        ノード ID が返されることは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアがすでにノードで構成されていることを示します。

        クラスタで旧バージョンの Oracle Solaris Cluster ソフトウェアが実行されていて、Oracle Solaris Cluster 3.3 5/11 ソフトウェアをインストールする場合、代わりに『Oracle Solaris Cluster Upgrade Guide』のアップグレード手順を実行します。

    3. 新しいクラスタで構成する残りの各ノードで手順 a および手順 b を繰り返します。

      作成するクラスタノードでOracle Solaris Cluster ソフトウェアがまだ構成されていない場合は、手順 2 に進みます。

  2. 新しいクラスタのプライベートインターコネクトでスイッチを使用している場合は、NDP (Neighbor Discovery Protocol) が無効になっていることを確認します。

    スイッチのドキュメントの手順に従って、NDP が有効になっているかどうかを確認し、NDP を無効にします。

    クラスタ構成中に、ソフトウェアはプライベートインターコネクトにトラフィックがないことを確認します。プライベートインターコネクトでトラフィックを確認したときに NDP がプライベートアダプタにパッケージを送信する場合、ソフトウェアはインターコネクトがプライベートではないものとみなし、クラスタ構成が中断されます。このため、クラスタ作成中は NDP を無効にしてください。

    クラスタが確立されたあと、NDP の機能を使用する場合は、プライベートインターコネクトスイッチ上でもう一度 NDP を有効にすることができます。

  3. Oracle Solaris Cluster 3.3 5/11 ソフトウェアを実行している既存のクラスタを複製する場合は、そのクラスタ内のノードを使用して、クラスタ構成 XML ファイルを作成します。
    1. 複製するクラスタの有効なメンバーでスーパーユーザーになります。
    2. 既存のクラスタの構成情報をファイルにエクスポートします。
      phys-schost# cluster export -o clconfigfile
      -o

      出力先を指定します。

      clconfigfile

      クラスタ構成 XML ファイルの名前。指定するファイル名は、既存のファイルまたはコマンドで作成される新規ファイルになります。

      詳細については、cluster(1CL)のマニュアルページを参照してください。

    3. 新しいクラスタを構成するノードに構成ファイルをコピーします。

      クラスタノードとして構成する他のホストからアクセス可能なディレクトリであれば、任意のディレクトリにファイルを格納できます。

  4. 新しいクラスタに設定するノードでスーパーユーザーになります。
  5. 必要に応じてクラスタ構成 XML ファイルを変更します。
    1. クラスタ構成 XML ファイルを編集するために開きます。
      • 既存のクラスタを複製する場合、cluster export コマンドで作成したファイルを開きます。
      • 既存のクラスタを複製しない場合は、新しいファイルを作成します。

        clconfiguration(5CL) のマニュアルページに示した要素の階層に基づいてファイルを作成して下さい。クラスタノードとして構成する他のホストからアクセス可能なディレクトリであれば、任意のディレクトリにファイルを格納できます。

    2. XML 要素の値を作成するクラスタ構成を反映するように変更します。
      • クラスタを確立するには、クラスタ構成 XML ファイルで次の構成要素が有効な値を持つ必要があります。

        • クラスタ名

        • クラスタノード

        • クラスタトランスポート

      • クラスタは、クラスタノードとして構成する各ノードに /globaldevices パーティションが存在することを前提に作成されます。このパーティションにグローバルデバイスの名前空間が作成されます。グローバルデバイスを作成する別のファイルシステム名を使用する必要がある場合は、/globaldevicesという名前のパーティションを持たない各ノードの<propertyList>要素に次のプロパティを追加します。

        …
          <nodeList>
            <node name="node" id="N">
              <propertyList>
        …
                <property name="globaldevfs" value="/filesystem-name">
        …
              </propertyList>
            </node>
        …

        その代わり、グローバル-デバイス名前空間に lofi デバイスを使用するには、globaldevfs プロパティの値をlofi に設定します。

                <property name="globaldevfs" value="lofi">
      • 既存のクラスタからエクスポートした構成情報を変更する場合、新しいクラスタを反映するために変更の必要な一部の値 (ノード名など) が複数のクラスタオブジェクトに含まれています。

      クラスタ構成 XML ファイルの構造と内容の詳細については、clconfiguration(5CL) のマニュアルページを参照してください。

  6. クラスタ構成XMLファイルを確認します。
    phys-schost# /usr/share/src/xmllint --valid --noout clconfigfile

    詳細については、xmllint() のマニュアルページを参照してください。

  7. クラスタ構成 XML ファイルの潜在ノードから、クラスタを作成します。
    phys-schost# cluster create -i clconfigfile
    -i clconfigfile

    入力ソースとして使用するクラスタ構成 XML ファイルの名前を指定します。

  8. 各ノードでサービス管理機能 (Service Management Facility、SMF) のマルチユーザーサービスがオンラインになっていることを確認します。

    ノードのサービスがまだオンラインでない場合は、次のステップに進む前に状態がオンラインに変わるまで待ちます。

    phys-schost# svcs multi-user-server node
    STATE          STIME    FMRI
    online         17:52:55 svc:/milestone/multi-user-server:default
  9. 1 つのノードから、すべてのノードがクラスタに参加していることを確認します。
    phys-schost# clnode status

    出力は次のようになります。

    === Cluster Nodes ===
    
    --- Node Status ---
    
    Node Name                                       Status
    ---------                                       ------
    phys-schost-1                                   Online
    phys-schost-2                                   Online
    phys-schost-3                                   Online

    詳細は、clnode(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  10. Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをサポートするために必要なパッチをインストールしていない場合は、これをインストールします。

    パッチおよびインストール手順の場所については、『Oracle Solaris Cluster 3.3 5/11 リリースノート』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

  11. 高可用性ローカルファイルシステムで Oracle Solaris Cluster HA for NFS (HA for NFS) を使用する場合は、ループバックファイルシステム (LOFS) が無効になっていることを確認します。

    LOFS を無効にするには、クラスタの各ノードの/etc/system ファイルに次のエントリを追加します。

    exclude:lofs

    /etc/system ファイルへの変更は、次のシステム再起動後に有効になります。


    注 - 高可用性ローカルファイルシステムで HA for NFS を使用し、かつ automountd を実行している場合は、LOFS を有効にすることはできません。 LOFS により、HA for NFS でスイッチオーバーの問題が発生する可能性があります。 高可用性ローカルファイルシステムに HA for NFS を追加することを選択する場合は、次のいずれかの構成変更を行う必要があります。

    ただし、クラスタで非大域ゾーンを構成する場合は、すべてのクラスタノードで LOFS を有効にする必要があります。高可用性ローカルファイルシステム上の HA for NFS が LOFS と共存する必要がある場合は、LOFS を無効にする代わりに、ほかのソリューションを使用してください。

    • LOFS を無効にします。

    • automountd デーモンを無効にします。

    • HA for NFS からエクスポートされた高可用性ローカルファイルシステムに含まれるすべてのファイルをオートマウンタマップから除外します。 この選択により、LOFS と automountd デーモンの両方を有効なままにすることができます。


    ループバックファイルシステムについては、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「ループバックファイルシステム」を参照してください。

  12. 既存のクラスタから定足数情報を複製するには、クラスタ構成 XML ファイルを使用して定足数デバイスを構成します。

    2 ノードクラスタを作成した場合、定足数デバイスを構成する必要があります。必要な定足数デバイスを作成するためにクラスタ構成 XML ファイルを使用しない場合は、代わりに 「定足数デバイスを構成する」に進みます。

    1. 定足数デバイスに定足数サーバーを使用する場合は、定足数サーバーが設定されて動作していることを確認します。

      「定足数サーバー ソフトウェアをインストールおよび構成する」の手順に従います。

    2. 定足数デバイスに NAS デバイスを使用している場合は、NAS デバイスが設定されて動作していることを確認します。
      1. NAS デバイスを定足数デバイスとして使用するための要件を守ってください。

        『Oracle Solaris Cluster 3.3 With Network-Attached Storage Device Manual 』を参照してください。

      2. デバイスの手順に従って、NAS デバイスを設定してください。
    3. クラスタ構成 XML ファイル内の定足数構成情報が作成したクラスタの有効な値を反映していることを確認します。
    4. クラスタ構成 XML ファイルを変更した場合は、そのファイルを確認します。
      phys-schost# xmllint --valid --noout clconfigfile
    5. 定足数デバイスを構成します。
      phys-schost# clquorum add -i clconfigfile devicename
      devicename

      定足数デバイスとして構成するストレージデバイスの名前を指定します。

  13. クラスタのインストールモードを解除します。
    phys-schost# clquorum reset
  14. 構成されたクラスタメンバーでないマシンによるクラスタ構成へのアクセスを終了します。
    phys-schost# claccess deny-all
  15. (省略可能) モニター済の共有ディスクパスがすべて失敗した場合、自動ノード再起動を有効にします。
    1. 自動リブートを有効化します。
      phys-schost# clnode set -p reboot_on_path_failure=enabled
      -p

      設定するプロパティーを指定します。

      reboot_on_path_failure=enable

      監視される共有ディスクパスすべてに障害が発生する場合、自動ノードリブートを有効化します。

    2. ディスクパスの障害発生時の自動リブートが有効になっていることを確認します。
      phys-schost# clnode show
      === Cluster Nodes ===                          
      
      Node Name:                                      node
      …
        reboot_on_path_failure:                          enabled
      …

例 3-2 すべてのノードで XML ファイルを使用して、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成する

次の例では、既存の 2 ノードクラスタのクラスタ構成と定足数構成を新しい 2 ノードクラスタに複製します。新しいクラスタには Solaris 10 OS がインストールされ、非大域ゾーンで構成されていません。クラスタ構成は、既存のクラスタノード、phys-oldhost-1 からクラスタ構成 XML ファイル clusterconf.xml にエクスポートされます。新しいクラスタのノード名は、phys-newhost-1 および phys-newhost-2 です。新しいクラスタで定足数デバイスとして構成されるデバイスは、d3 です。

この例で、プロンプト名 phys-newhost-N は、コマンドが両方のクラスタノードで実行されることを示しています。

phys-newhost-N# /usr/sbin/clinfo -n
clinfo: node is not configured as part of acluster: Operation not applicable
 
phys-oldhost-1# cluster export -o clusterconf.xml
Copy clusterconf.xml to phys-newhost-1 and modify the file with valid values
 
phys-newhost-1# xmllint --valid --noout clusterconf.xml
No errors are reported
 
phys-newhost-1# cluster create -i clusterconf.xml
phys-newhost-N# svcs multi-user-server
STATE          STIME    FMRI
online         17:52:55 svc:/milestone/multi-user-server:default
phys-newhost-1# clnode status
Output shows that both nodes are online
 
phys-newhost-1# clquorum add -i clusterconf.xml d3
phys-newhost-1# clquorum reset

注意事項

構成の失敗 – 1 つ以上のノードをクラスタに結合できなかったり、間違った構成情報が指定された場合は、まずこの手順の再実行を試みます。 それでも問題が修正されない場合は、誤った構成の各ノードで 「インストールの問題を修正するために Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成解除する」 の手順を実行して、クラスタ構成からそのノードを削除します。 Oracle Solaris Cluster ソフトウェアパッケージをアンインストールする必要はありません。それから、この手順をもう一度実行します。

次の手順

「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。

参照

クラスタが完全に確立されたら、既存のクラスタから他のクラスタ構成要素の構成を複製できます。まだ複製を実行していない場合は、複製する XML 要素の値を構成要素を追加するクラスタ構成を反映するように変更します。たとえば、リソースグループを複製している場合、ノード名が同じでない限り、<resourcegroupNodeList> エントリに複製したクラスタからのノード名でなく、新しいクラスタの有効なノード名が含まれることを確認してください。

クラスタ構成要素を複製するには、複製するクラスタ構成要素のオブジェクト指向コマンドの export サブコマンドを実行します。コマンド構文およびオプションの詳細については、複製するクラスタオブジェクトのマニュアルページを参照してください。次の表は、クラスタを確立した後にクラスタ構成 XML ファイルから作成できるクラスタ構成要素および構成要素を複製するために使用するコマンドのマニュアルページを示しています。

クラスタコンポーネント
マニュアルページ
特別な指示
デバイスグループ: Solaris ボリュームマネージャー および Veritas Volume Manager
Solaris ボリュームマネージャー の場合、最初にクラスタ構成 XML ファイルで指定するディスクセットを作成します。

VxVM の場合、 最初に VxVM ソフトウェアをインストールして設定し、クラスタ構成 XML ファイルで指定するディスクグループを作成します。

リソース
clresourceclressharedaddress、または clreslogicalhostname コマンドの -a オプションを使用して、複製するリソースに関連したリソースタイプとリソースグループを複製することもできます。

それ以外の場合は、リソースを追加する前に、まずリソースタイプとリソースグループをクラスタに追加する必要があります。

共有アドレスリソース
論理ホスト名リソース
リソースタイプ
リソースグループ
NAS デバイス
デバイスのドキュメントの手順に従って、最初に NAS デバイスを設定する必要があります。
SNMP ホスト
clsnmphost create -i コマンドでは、-f オプションでユーザーのパスワードファイルを指定する必要があります。
SNMP ユーザー
クラスタオブジェクト上のシステムリソースを監視するためのしきい値

Solaris と Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)

この手順では、カスタム JumpStart によるインストール方法であるscinstall(1M)の設定と使用方法について説明します。この方法は、Solaris OS と Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの両方をすべてのグローバルクラスタノードにインストールし、クラスタを確立します。この手順は、新規ノードを既存のクラスタに追加するときにも使用できます。

始める前に

次の作業を実行します。

これらのガイドラインに従い、次に示す手順で対話式の scinstall ユーティリティーを使用します。

  1. JumpStart インストールサーバーを設定します。

    JumpStart インストールサーバーが次の条件に適合していることを確認します。

    • インストールサーバーがクラスタノードと同じサブネットにあるか、クラスタノードが使用するサブネットに Solaris ブートサーバーがあること。

    • インストールサーバー自体はクラスタノードでないこと。

    • インストールサーバーによって、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアがサポートする Solaris OS のリリースがインストールされていること。

    • Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの JumpStart インストール用のカスタム JumpStart ディレクトリが存在すること。この jumpstart-dir ディレクトリは、次の要件を満たしている必要があります。

      • check ユーティリティーのコピーを含むこと。

      • JumpStart インストールサーバーで読み取れるように NFS エクスポートされていること。

    • 各新規クラスタノードが、Oracle Solaris Cluster インストール用に設定されたカスタム JumpStart ディレクトリを使用する、カスタムJumpStart インストールクライアントとして構成されていること。

    使用するソフトウェアプラットフォームと OS のバージョンに該当する手順に従って、JumpStart インストールサーバーを設定します。『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』の「ネットワーク上のシステム用のプロファイルサーバーの作成」を参照してください。

    setup_install_server(1M)およびadd_install_client(1M)のマニュアルページも参照してください。

  2. 既存のクラスタに新しいノードをインストールする場合、ノードを許可クラスタノードのリストに追加します。
    1. アクティブな別のクラスタノードに切り替えて、clsetup ユーティリティーを起動します。
    2. clsetup ユーティリティーを使用して、新しいノードの名前を許可クラスタノードのリストに追加します。

    詳細は、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  3. クラスタノードまたは同じサーバープラットフォームの別のマシンで、Solaris OS をまだインストールしていない場合は、Solaris OS をインストールします。

    Solaris ソフトウェアがすでにサーバーにインストールされている場合は、Solaris のインストールが Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Solaris ソフトウェアをインストールして、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの必要条件を満たす方法の詳細については、「Solaris ソフトウェアをインストールする」を参照してください。

    「Solaris ソフトウェアをインストールする」の手順に従います。

  4. (省略可能) SPARC: 上記インストールを行なったシステムで、Sun Logical Domains (LDoms) ソフトウェアのインストールとドメインの作成を行なっていない場合は、これらの作業を実行します。

    「SPARC: Sun Logical Domains ソフトウェアをインストールし、ドメインを作成する」の手順に従います。

  5. 上記インストールを行ったシステムで、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアと必要なパッチをまだインストールしていない場合は、これをインストールします。

    「Oracle Solaris Cluster フレームワークおよびデータサービスソフトウェアパッケージをインストールする 」の手順に従います。

    パッチおよびインストール手順の場所については、『Oracle Solaris Cluster 3.3 5/11 リリースノート』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

  6. 共通エージェントコンテナ デーモンがシステムのブート中に自動的に起動できるようにします。
    machine# cacaoadm enable
  7. 上記インストールを行なったシステムで、クラスタで使用されているパブリック IP アドレスすべてを使用して /etc/inet/hosts ファイルをアップデートします。

    この手順は、ネームサービスを使用しているかどうかに関わらず実行します。IP アドレスを追加する必要がある Oracle Solaris Cluster コンポーネントについては、「パブリックネットワーク IP アドレス」を参照してください。

  8. 上記インストールを行なったシステムで、Oracle Java Web Console を未構成の初期状態にリセットします。

    次のコマンドを実行すると、Web コンソールから構成情報が削除されます。構成情報の一部は、インストールシステムに固有の情報です。この情報を削除してから、フラッシュアーカイブを作成する必要があります。そのようにしないと、クラスタノードに転送される構成情報によって、Web コンソールが起動しなくなったり、クラスタノードと正しく対話できなくなる場合があります。

    # /usr/share/webconsole/private/bin/wcremove -i console

    クラスタノード上に未設定の Web コンソールをインストールし、初めて Web コンソールを起動した場合、Web コンソールは初期構成で自動的に動作し、クラスタノードからの情報が使われます。

    wcremove コマンドについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Oracle Java Web Console のユーザー ID」を参照してください。

  9. インストールしたシステムのフラッシュアーカイブを作成します。

    『Solaris 10 10/09 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)』の第 3 章「Solaris フラッシュアーカイブの作成 (作業)」の手順に従ってください。

    machine# flarcreate -n name archive
    -n name

    フラッシュアーカイブに付ける名前

    archive

    フラッシュアーカイブに付ける、フルパス付きのファイル名。規則により、ファイル名は .flar で終わります。

  10. フラッシュアーカイブが NFS でエクスポートされており、JumpStart インストールサーバーから読み取れることを確認します。

    自動ファイル共有については、『Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)』の第 4 章「ネットワークファイルシステムの管理 (概要)」を参照してください。

    また、share(1M) および dfstab(4) のマニュアルページも参照してください。

  11. JumpStart インストールサーバーで、スーパーユーザーになります。
  12. JumpStart インストールサーバーから、scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。

    メディアパスで、archsparc または x86 に置き換え、ver10 に置き換えます (Solaris 10 の場合)。

    installserver# cd /cdrom/cdrom0Solaris_arch/Product/sun_cluster/ \
    Solaris_ver/Tools/
    
    installserver# ./scinstall

    scinstall のメインメニューが表示されます。

  13. メニュー項目「このインストールサーバーから JumpStart されるようにクラスタを構成 (Configure a Cluster to be JumpStarted From This Install Server)」を選択します。

    このオプションを使用して、カスタム JumpStart 完了スクリプトを構成します。JumpStart は、これらの完了スクリプトを使用して、 Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールします。

     *** Main Menu ***
     
        Please select from one of the following (*) options:
    
          * 1) Create a new cluster or add a cluster node
          * 2) Configure a cluster to be JumpStarted from this install server
            3) Manage a dual-partition upgrade
            4) Upgrade this cluster node
          * 5) Print release information for this cluster node 
    
          * ?) Help with menu options
          * q) Quit
     
        Option:  2
  14. メニュープロンプトに従って、 構成計画ワークシートから回答を入力します。

    scinstall コマンドにより構成情報が格納され、デフォルトの class ファイルである autoscinstall.class ファイルが /jumpstart-dir/autoscinstall.d/3.2/ ディレクトリにコピーされます。このファイルは、次の例のようになります。

    install_type    initial_install
    system_type     standalone
    partitioning    explicit
    filesys         rootdisk.s0 free /
    filesys         rootdisk.s1 750  swap
    filesys         rootdisk.s3 512  /globaldevices
    filesys         rootdisk.s7 20
    cluster         SUNWCuser        add
    package         SUNWman          add
  15. 必要に応じて、フラッシュアーカイブをインストールするように JumpStart を構成するためにautoscinstall.class ファイルを変更します。
    1. 必要に応じてエントリを編集して、Solaris OS をフラッシュアーカイブマシンにインストールしたとき、あるいは scinstall ユーティリティーを実行したときに行った構成の選択に一致するようにします。

      たとえば、グローバルデバイスファイルシステムにスライス4 を割り当て、そのファイルシステムの名前が /gdevs であると scinstall に指定した場合、autoscinstall.class ファイルの /globaldevices エントリを次のように変更します。

      filesys         rootdisk.s4 512  /gdevs
    2. autoscinstall.class ファイルの次のエントリを変更します。
      置換する既存のエントリ
      追加する新規エントリ
      install_type
      initial_install
      install_type
      flash_install
      system_type
      standalone
      archive_location
      retrieval_type location

      archive_location キーワードを一緒に使用するときの retrieval_type および location の有効値については、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』の「archive_location プロファイルキーワード」の 「archive_location キーワード」を参照してください。

    3. たとえば次のような、特定のパッケージをインストールするエントリをすべて削除します。
      cluster         SUNWCuser        add
      package         SUNWman          add
    4. グローバル-デバイス名前空間に lofi デバイスを使用するには、/globaldevices パーティションのfilesys エントリを削除します。
    5. 使用する構成に追加の Solaris ソフトウェア要件がある場合は、それに応じて autoscinstall.class ファイルを変更します。

      autoscinstall.class ファイルにより、エンドユーザー Solaris ソフトウェアグループ (SUNWCuser) がインストールされます。

    6. エンドユーザー Solaris ソフトウェアグループ (SUNWCuser) をインストールする場合、autoscinstall.class ファイルに、必要に応じて任意の Solaris ソフトウェアパッケージを追加します。·

      一部の Oracle Solaris Cluster 機能のサポートに必要な Solarisパッケージを次の表に示します。これらのパッケージは、エンドユーザー Solaris ソフトウェアグループには含まれていません。詳細は、「Oracle Solaris ソフトウェアグループについて」を参照してください。


      機能
      必須の Solaris ソフトウェアパッケージ
      scsnapshot
      SUNWp15u SUNWp15v SUNWp15p
      Oracle Solaris Cluster Manager
      SUNWapchr SUNWapchu

    デフォルトの class ファイルは、次のいずれかの方法で変更できます。

    • autoscinstall.class ファイルを直接編集します。変更内容は、このカスタム JumpStart ディレクトリを使用するすべてのクラスタのすべてのノードに適用されます。

    • ほかのプロファイルを指す rules ファイルを更新後、check ユーティリティーを実行して、rules ファイルの妥当性検査を行います。

    Solaris OS のインストールプロファイルが Oracle Solaris Cluster の最小ファイルシステム割り当て要件を満たす限り、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアはインストールプロファイルのその他の変更を制限しません。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをサポートするためのパーティション分割のガイドラインと要件については、「システムディスクパーティション」を参照してください。

    JumpStart プロファイルについては、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』の第 3 章「カスタム JumpStart インストールの準備 (作業)」を参照してください。

  16. ほかのインストール後の作業を実行するには、独自の finish スクリプトを設定します。

    scinstall コマンドでインストールされる標準の finish スクリプトがインストールされた後に、ユーザー独自の finish スクリプトが実行されます。JumpStart finish スクリプトの作成方法については、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』の第 3 章「カスタム JumpStart インストールの準備 (作業)」を参照してください。

    1. デフォルトの class ファイルにより、依存性 Solaris パッケージがインストールされることを確認します。

      詳細は、手順 15 を参照してください。

    2. 完了スクリプトに finish と名前を付けます。
    3. finish スクリプトで実行するインストール後の作業用に修正を加えます。
    4. finish スクリプトをそれぞれの jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node ディレクトリにコピーします。

      クラスタ内の各ノードに 1 つの node ディレクトリを作成します。または、共有 finish スクリプトへのシンボリックリンクを作成する命名規則を使用します。

  17. JumpStart インストールサーバーを終了します。
  18. 新しいクラスタのプライベートインターコネクトでスイッチを使用している場合は、NDP (Neighbor Discovery Protocol) が無効になっていることを確認します。

    スイッチのドキュメントの手順に従って、NDP が有効になっているかどうかを確認し、NDP を無効にします。

    クラスタ構成中に、ソフトウェアはプライベートインターコネクトにトラフィックがないことを確認します。プライベートインターコネクトでトラフィックを確認したときに NDP がプライベートアダプタにパッケージを送信する場合、ソフトウェアはインターコネクトがプライベートではないものとみなし、クラスタ構成が中断されます。このため、クラスタ作成中は NDP を無効にしてください。

    クラスタが確立されたあと、NDP の機能を使用する場合は、プライベートインターコネクトスイッチ上でもう一度 NDP を有効にすることができます。

  19. クラスタ管理コンソールを使用している場合、クラスタ内にある各ノードのコンソール画面を表示します。
    • クラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアが管理コンソールにインストールされ、構成されている場合は、cconsole(1M) ユーティリティーを使用して、コンソール画面を個別に表示します。

      スーパーユーザーとして、次のコマンドを使用して、cconsole ユーティリティーを起動します。

      adminconsole# /opt/SUNWcluster/bin/cconsole clustername &

      また、cconsole ユーティリティーを使用してマスターウィンドウを開くことができます。ここでの入力を、個々のすべてのコンソールウィンドウに同時に送信できます。

    • cconsole ユーティリティーを使用しない場合は、各ノードのコンソールに個別に接続します。
  20. 各ノードを停止します。
    phys-schost# shutdown -g0 -y -i0
  21. 各ノードを起動し、JumpStart のインストールを開始します。
    • SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。
      ok boot net - install

      注 - 上記コマンド内のダッシュ記号 (-) の両側は、空白文字で囲む必要があります。


    • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。
      1. 起動シーケンスを開始するには、どれかキーを押します。
        Press any key to reboot.
        keystroke
      2. BIOS 情報画面が表示されたら、すぐに Esc+2 キーまたは F2 キーを押します。

        初期化シーケンスが完了すると、BIOS セットアップユーティリティー画面が表示されます。

      3. BIOS セットアップユーティリティーのメニューバーで、ブートメニュー項目に移動します。

        ブートデバイスの一覧が表示されます。

      4. 一覧に表示された JumpStart PXE インストールサーバーと同じネットワークに接続されている IBA を探して、ブート順の最上位に移動させます。

        IBA ブート選択肢の右の一番下の数字は、一番下の Ethernet ポート番号に対応しています。IBA ブート選択肢の右の一番上の数字は、一番上の Ethernet ポート番号に対応しています。

      5. 変更を保存し、BIOS を終了します。

        ブートシーケンスがもう一度開始されます。さらに処理が進んで、GRUB メニューが表示されます。

      6. すぐに Solaris JumpStart エントリを選択して、Enter キーを押します。

        注 - Solaris JumpStart エントリが一覧に表示される唯一のエントリである場合、代わりに選択画面がタイムアウトするのを待つこともできます。30 秒以内に応答しないと、システムは自動的にブートシーケンスを継続します。


        GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
        +-------------------------------------------------------------------------+
        | Solaris_10 Jumpstart                                                    |
        |                                                                         |
        |                                                                         |
        +-------------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
        commands before booting, or 'c' for a command-line.

        さらに処理が進んで、インストールの種類のメニューが表示されます。

      7. インストールの種類のメニューから、すぐにカスタム JumpStart の番号を入力します。

        注 - 30 秒のタイムアウト期間が終了するまでにカスタム JumpStart の番号を入力しないと、システムは自動的に Solaris の対話型のインストールを開始します。


              Select the type of installation you want to perform:
        
                 1 Solaris Interactive
                 2 Custom JumpStart
                 3 Solaris Interactive Text (Desktop session)
                 4 Solaris Interactive Text (Console session)
                 5 Apply driver updates
                 6 Single user shell
        
                 Enter the number of your choice.
        2

        JumpStart が Solaris OS と Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを各ノードにインストールします。インストールが正常に完了すると、各ノードは新しいクラスタノードとして完全にインストールされます。Oracle Solaris Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log. N ファイルに記録されます。

      8. BIOS 画面がもう一度表示されたら、すぐに Esc+2 キーを押すか、F2 キーを押します。

        注 - この時点でインストールを中断しない場合、自動的にインストールの種類のメニューに戻ります。そこで 30 秒以内に入力しない場合、システムは自動的に対話型のインストールを開始します。


        さらに処理が進んだ後、BIOS セットアップユーティリティーが表示されます。

      9. メニューバーで、ブートメニューに進みます。

        ブートデバイスの一覧が表示されます。

      10. ハードディスクドライブのエントリに進み、ブート順の最上位に戻します。
      11. 変更を保存し、BIOS を終了します。

        ブートシーケンスがもう一度開始されます。GRUB メニューでクラスタモードへの起動を完了するために必要な操作はこれ以上ありません。

  22. 各ノードでサービス管理機能 (Service Management Facility、SMF) のマルチユーザーサービスがオンラインになっていることを確認します。

    ノードのサービスがまだオンラインでない場合は、次のステップに進む前に状態がオンラインに変わるまで待ちます。

    phys-schost# svcs multi-user-server node
    STATE          STIME    FMRI
    online         17:52:55 svc:/milestone/multi-user-server:default
  23. 既存のクラスタに新しいノードをインストールする場合、新しいノード上で、既存のすべてのクラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。
    1. クラスタ内にある別のアクティブなノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。
      phys-schost# mount | grep global | egrep -v node@ | awk '{print $1}'
    2. クラスタに追加したノード上で、クラスタ内にある各クラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。
      phys-schost-new# mkdir -p mountpoint

      たとえば、マウントコマンドが戻したファイルシステム名が /global/dg-schost-1 である場合、クラスタに追加するノード上で mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。


      注 - 手順 28で、クラスタを再起動後にマウントポイントがアクティブになります。


    3. Veritas Volume Manager (VxVM) がクラスタ内にあるノードにすでにインストールされている場合は、VxVM がインストールされた各ノードで vxio 番号を参照します。
      phys-schost# grep vxio /etc/name_to_major
      vxio NNN
      • VxVM がインストールされている各ノード上で同じ vxio 番号が使用されていることを確認します。

      • VxVM がインストールされていない各ノード上で vxio 番号が使用できることを確認してください。

      • VxVM がインストールされていないノード上ですでに vxio 番号が使用されている場合、そのノードで該当番号を解放します。また、/etc/name_to_major エントリは、別の番号に変更してください。

  24. (省略可能) Sun Enterprise 10000 サーバで動的再構成を使用するには、クラスタ内の各ノード上の /etc/system ファイルに次のエントリを追加します。
    set kernel_cage_enable=1

    このエントリは、次のシステム再起動後に有効になります。Oracle Solaris Cluster 構成で、動的再構成の作業を実行するための手順については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』を参照してください。 動的再構成の詳細については、サーバーのドキュメントを参照してください。

  25. 高可用性ローカルファイルシステムで Oracle Solaris Cluster HA for NFS (HA for NFS) を使用する場合は、ループバックファイルシステム (LOFS) が無効になっていることを確認します。

    LOFS を無効にするには、クラスタの各ノードの/etc/system ファイルに次のエントリを追加します。

    exclude:lofs

    /etc/system ファイルへの変更は、次のシステム再起動後に有効になります。


    注 - 高可用性ローカルファイルシステムで HA for NFS を使用し、かつ automountd を実行している場合は、LOFS を有効にすることはできません。 LOFS により、HA for NFS でスイッチオーバーの問題が発生する可能性があります。 高可用性ローカルファイルシステムに HA for NFS を追加することを選択する場合は、次のいずれかの構成変更を行う必要があります。

    ただし、クラスタで非大域ゾーンを構成する場合は、すべてのクラスタノードで LOFS を有効にする必要があります。高可用性ローカルファイルシステム上の HA for NFS が LOFS と共存する必要がある場合は、LOFS を無効にする代わりに、ほかのソリューションを使用してください。

    • LOFS を無効にします。

    • automountd デーモンを無効にします。

    • HA for NFS からエクスポートされた高可用性ローカルファイルシステムに含まれるすべてのファイルをオートマウンタマップから除外します。 この選択により、LOFS と automountd デーモンの両方を有効なままにすることができます。


    ループバックファイルシステムについては、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「ループバックファイルシステム」を参照してください。

  26. クラスタインターコネクトに次のアダプタのいずれかを使用する場合、各ノード上で /etc/system ファイルの関連エントリのコメントを解除します。
    アダプタ
    エントリ
    ipge
    set ipge:ipge_taskq_disable=1
    ixge
    set ixge:ixge_taskq_disable=1

    このエントリは、次のシステム再起動後に有効になります。

  27. x86: デフォルトのブートファイルを設定します。

    この値を設定すると、ログインプロンプトにアクセスできないときにノードを再起動できます。

    grub edit> kernel /platform/i86pc/multiboot kmdb
  28. クラスタの再起動が必要な作業を実行したら、次の手順に従って、クラスタを再起動してください。

    再起動が必要な作業には、次のものがあります。

    • 既存のクラスタへの新しいノードの追加

    • ノードまたはクラスタの再起動が必要なパッチのインストール

    • 有効にするために再起動の必要な構成の変更

    1. 1 つのノードで、スーパーユーザーになります。
    2. クラスタを停止します。
      phys-schost-1# cluster shutdown -y -g0 clustername

      注 - クラスタがシャットダウンするまで、最初にインストールしたクラスタノードを再起動しないでください。クラスタのインストールモードが無効になるまでは、最初にインストールした (つまり、クラスタを構築した) ノードだけが定足数投票権を持ちます。まだインストールモードにある確立されたクラスタで、最初にインストールしたノードを再起動する前にクラスタをシャットダウンしていない場合、残りのクラスタノードが定足数を獲得できません。クラスタ全体が停止します。

      clsetup コマンドを初めて実行するまで、クラスタノードは、インストールモードのままになります。「定足数デバイスを構成する」の手順の間にこのコマンドを実行します。


    3. クラスタ内にある各ノードを再起動します。
      • SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。
        ok boot
      • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。

        GRUB メニューが表示された時点で、適切な Solaris エントリを選択し Enter キーを押します。GRUB メニューは次のようになっています。

        GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
        +-------------------------------------------------------------------------+
        | Solaris 10 /sol_10_x86                                                  |
        | Solaris failsafe                                                        |
        |                                                                         |
        +-------------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
        commands before booting, or 'c' for a command-line.

        GRUB ベースの起動についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「GRUB を使用して x86 システムをブートする (作業マップ)」を参照してください。

    scinstall ユーティリティーは、すべてのクラスタノードのインストールを行い、クラスタを再起動します。クラスタ内ですべてのノードが正常に起動されると、クラスタが確立されます。Oracle Solaris Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。

  29. (省略可能) 手順 28 を実行してノードを再起動しなかった場合、各ノードで Oracle Java Web Console Web サーバーを手動で起動します。
    phys-schost# smcwebserver start

    詳細については、smcwebserver(1M)のマニュアルページを参照してください。

  30. 1 つのノードから、すべてのノードがクラスタに参加していることを確認します。
    phys-schost# clnode status

    出力は次のようになります。

    === Cluster Nodes ===
    
    --- Node Status ---
    
    Node Name                                       Status
    ---------                                       ------
    phys-schost-1                                   Online
    phys-schost-2                                   Online
    phys-schost-3                                   Online

    詳細は、clnode(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  31. (省略可能) 各ノード上で、監視される共有ディスクパスがすべて失敗した場合、自動ノード再起動を有効にします。
    1. 自動リブートを有効化します。
      phys-schost# clnode set -p reboot_on_path_failure=enabled
      -p

      設定するプロパティーを指定します。

      reboot_on_path_failure=enable

      監視される共有ディスクパスすべてに障害が発生する場合、自動ノードリブートを有効化します。

    2. ディスクパスの障害発生時の自動リブートが有効になっていることを確認します。
      phys-schost# clnode show
      === Cluster Nodes ===                          
      
      Node Name:                                      node
      …
        reboot_on_path_failure:                          enabled
      …

次の手順

2 ノードクラスタにノードを追加した場合は、「グローバルクラスタへのノード追加後に定足数デバイスを更新する」に進みます。

それ以外の場合は、次の該当する手順に進みます。

注意事項

無効な scinstall オプションscinstall コマンドの JumpStart オプションの前にアスタリスクがない場合、このオプションは無効です。これは、JumpStart の設定が完了していないか、セットアップでエラーが発生したことを意味します。この条件を修正するには、まず scinstall ユーティリティーを終了します。手順 1 から手順 16 までを繰り返して JumpStart の設定を修正し、scinstall ユーティリティーを再起動します。

追加のグローバルクラスタノード用にクラスタを準備する

以下の手順を実行して、既存のグローバルクラスタノードで新しいクラスタノードを追加するためにクラスタを準備します。

始める前に

次の作業を実行します。

  1. クラスタコントロールパネル (CCP) を使用している場合は、管理コンソールの構成ファイルを更新します。
    1. /etc/clusters ファイルのクラスタのエントリに追加するノードの名前を追加します。
    2. /etc/serialports ファイルに新しいノード名、ノードのコンソールアクセスデバイスのホスト名、およびポート番号を持つエントリを追加します。
  2. 新しいノードの名前をクラスタの承認済みノードリストに追加します。
    1. 任意のノードで、スーパーユーザーになります。
    2. clsetup ユーティリティーを起動します。
      phys-schost# clsetup

      メインメニューが表示されます。

    3. メニュー項目「新規ノード (New Nodes)」を選択します。
    4. メニュー項目「追加されるマシンの名前を指定 (Specify the Name of a Machine Which May Add Itself)」を選択します。
    5. プロンプトに従って、ノードの名前を認識されているマシンのリストに追加します。

      clsetup ユーティリティーは、作業がエラーなしで完了した場合、「コマンドが正常に完了しました」というメッセージを表示します。

    6. clsetup ユーティリティーを終了します。
  3. 単一ノードクラスタにノードを追加する場合、インターコネクト構成を表示して、2 つのクラスタインターコネクトがすでに存在することを確認します。
    phys-schost# clinterconnect show

    少なくとも 2 つのケーブルまたは 2 つのアダプタを構成しなければなりません。

    • 出力に 2 つのケーブルまたは 2 つのアダプタの構成情報が表示される場合は、手順 4 に進んでください。
    • 出力にケーブルまたはアダプタの構成情報が表示されない場合、または 1 つのケーブルまたはアダプタだけの構成情報が表示される場合は、新しいクラスタインターコネクトを構成してください。
      1. 1 つのノードで、clsetup ユーティリティーを開始します。
        phys-schost# clsetup
      2. メニュー項目「クラスタインターコネクト (Cluster Interconnect)」を選択します。
      3. メニュー項目「トランスポートケーブルを追加 (Add a Transport Cable)」を選択します。

        指示通りにクラスタに追加するノードの名前、トランスポートアダプタの名前、およびトランスポートスイッチを使用するかどうかを指定します。

      4. 必要に応じて、手順 c を繰り返して、2 番目のクラスタインターコネクトを設定します。
      5. 完了後 clsetup ユーティリティーを終了します。
      6. クラスタに 2 つのクラスタインターコネクトが設定されていることを確認します。
        phys-schost# clinterconnect show

        コマンド出力は、少なくとも 2 つのクラスタインターコネクトの構成情報を表示する必要があります。

  4. プライベートネットワーク構成で、追加するノードおよびプライベートネットワークをサポートできることを確認します。
    1. 現在のプライベートネットワーク構成がサポートするノード、プライベートネットワーク、およびゾーンクラスタの最大数を表示します。
      phys-schost# cluster show-netprops

      次に出力例を示します。

      === Private Network ===                        
      
      private_netaddr:                                172.16.0.0
        private_netmask:                                255.255.240.0
        max_nodes:                                      64
        max_privatenets:                                10
        max_zoneclusters:                               12
    2. 現在のプライベートネットワークで非大域ゾーンおよびプライベートネットワークを含めたノードの数の増加に対応できるかどうかを判断します。

次の手順

新しいクラスタノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成します。「追加のグローバルクラスタノードとして Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)」 または「追加のグローバルクラスタノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成する (XML)」に進みます。

ノードまたはプライベートネットワークを追加するときにプライベートネットワーク構成を変更する

このタスクを実行してグローバルクラスタのプライベート IP アドレス範囲を変更し、次の 1 つまたは複数のクラスタコンポーネントにおける増加に対応します。

また、この手順を使用して、プライベート IP アドレスの範囲を小さくすることもできます。


注 - この手順では、クラスタ全体をシャットダウンする必要があります。 ゾーンクラスタのサポートの追加など、ネットマスクだけを変更する必要がある場合、この手順は実行しないでください。 その代わり、ゾーンクラスタの予想数を指定するため、クラスタモードで動作しているグローバルクラスタノードから次のコマンドを実行します。

phys-schost# cluster set-netprops num_zoneclusters=N

このコマンドはクラスタのシャットダウンを要求しません。


始める前に

すべてのクラスタノードで スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) またはセキュアシェル (ssh(1)) アクセス が有効になっていることを確認します。

  1. 各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。
  2. 1 つのノードから、clsetup ユーティリティーを起動します。
    # clsetup

    clsetup のメインメニューが表示されます。

  3. 各リソースグループをオフラインに切り替えます。

    ノードに非大域ゾーンが含まれている場合は、ゾーン内にあるリソースグループもすべてオフラインに切り替わります。

    1. リソースグループのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

      リソースグループメニューが表示されます。

    2. リソースグループのオンライン/オフライン化、またはスイッチオーバーを行うオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。
    3. プロンプトに従って、リソースグループをすべてオフラインにして、管理されていない状態にします。
    4. すべてのリソースグループがオフラインになったら、q を入力して「リソースグループメニュー」に戻ります。
  4. クラスタ内のすべてのリソースを無効にします。
    1. 「リソースを有効化または無効化」というオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。
    2. 無効にするリソースを選択し、プロンプトの指示に従います。
    3. 無効にするリソースごとに上記の手順を繰り返します。
    4. すべてのリソースが無効になったら、q を入力して「リソースグループメニュー」に戻ります。
  5. clsetup ユーティリティーを終了します。
  6. すべてのノード上のすべてのリソースが Offline になっており、そのすべてのリソースグループが Unmanaged 状態であることを確認します。
    # cluster status -t resource,resourcegroup
    -t

    指定したクラスタオブジェクトへの出力を制限します

    resource

    リソースを指定します

    resourcegroup

    リソースグループを指定します

  7. ノードのどれか 1 つでクラスタを停止します。
    # cluster shutdown -g0 -y
    -g

    待機時間を秒単位で指定します。

    -y

    シャットダウンの確認を促すプロンプトを発生させないようにします。

  8. 各ノードを非クラスタモードで起動します。
    • SPARC ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。
      ok boot -x
    • x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
      1. GRUB メニューで矢印キーを使用して該当する Solaris エントリを選択し、e と入力してコマンドを編集します。

        GRUB メニューは次のようになっています。

        GNU GRUB version 0.97 (639K lower / 1047488K upper memory)
        +----------------------------------------------------------------------+
        | Solaris 10 /sol_10_x86                                               | 
        | Solaris failsafe                                                     |
        |                                                                      |
        +----------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
        commands before booting, or 'c' for a command-line.

        GRUB ベースの起動についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「GRUB を使用して x86 システムをブートする (作業マップ)」を参照してください。

      2. ブートパラメータ画面で矢印キーを使用して kernel エントリを選択し、e と入力してエントリを編集します。

        GRUB ブートパラメータの画面は、次のような画面です。

        GNU GRUB version 0.97 (639K lower / 1047488K upper memory)
        +----------------------------------------------------------------------+
        | root (hd0,0,a)                                                       | 
        | kernel /platform/i86pc/multiboot                                     | 
        | module /platform/i86pc/boot_archive                                  | 
        |+----------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the
        boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line
        after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the
        selected line, or escape to go back to the main menu.
      3. コマンドに -x を追加して、システムが非クラスタモードで起動するように指定します。
        [ Minimal BASH-like line editing is supported. For the first word, TAB
        lists possible command completions. Anywhere else TAB lists the possible
        completions of a device/filename. ESC at any time exits. ]
        
        grub edit> kernel /platform/i86pc/multiboot -x
      4. Enter キーを押して変更を承諾し、ブートパラメータ画面に戻ります。

        画面には編集されたコマンドが表示されます。

        GNU GRUB version 0.97 (639K lower / 1047488K upper memory)
        +----------------------------------------------------------------------+
        | root (hd0,0,a)                                                       |
        | kernel /platform/i86pc/multiboot -x                                  |
        | module /platform/i86pc/boot_archive                                  |
        +----------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the
        boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line
        after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the
        selected line, or escape to go back to the main menu.-
      5. b と入力して、ノードを非クラスタモードで起動します。

        注 - カーネル起動パラメータコマンドへのこの変更は、システムを起動すると無効になります。次にノードを再起動する際には、ノードはクラスタモードで起動します。非クラスタモードで起動するには、上記の手順を実行してもう一度カーネルのブートパラメータコマンドに -x オプションを追加してください。


  9. 1 つのノードから、clsetup ユーティリティーを起動します。

    非クラスタモードで動作している場合、clsetup ユーティリティーは非クラスタモード動作用のメインメニューを表示します。

  10. IP アドレス範囲を変更するためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは現在のプライベートネットワーク構成を表示し、この構成を変更するかどうかを尋ねます。

  11. プライベートネットワーク IP アドレスか IP アドレス範囲のいずれかを変更するには、「yes」と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーはデフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスである 172.16.0.0 を表示し、このデフォルトをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。

  12. プライベートネットワーク IP アドレスを変更するか、そのまま使用します。
    • デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスをそのまま使用し、IP アドレス範囲の変更に進むには、「yes」と入力し、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、デフォルトのネットマスクをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。次の手順に進み、応答を入力します。

    • デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスを変更するには、次のサブステップを実行します。
      1. clsetup ユーティリティーの、デフォルトのアドレスをそのまま使用してもよいかどうかに関する質問に対しては「no」と入力し、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーは、新しいプライベートネットワーク IP アドレスを入力するプロンプトを表示します。

      2. 新しい IP アドレスを入力し、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーはデフォルトのネットマスクを表示し、デフォルトのネットマスクをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。

  13. デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレス範囲を変更するか、そのまま使用します。

    デフォルトのネットマスクは 255.255.240.0 です。このデフォルトの IP アドレス範囲は、クラスタ内で最大 64 のノード、最大 12 のゾーンクラスタ、および最大 10 のプライベートネットワークをサポートします。

    • デフォルトの IP アドレス範囲をそのまま使用するには、「yes」と入力して、Return キーを押します。

      続いて、次の手順に進みます。

    • IP アドレス範囲を変更するには、次のサブステップを実行します。
      1. clsetup ユーティリティーの、デフォルトのアドレス範囲をそのまま使用してもよいかどうかに関する質問に対しては「no」と入力し、Return キーを押します。

        デフォルトのネットマスクを使用しない場合、clsetup ユーティリティーは、ユーザーがクラスタで構成する予定のノード、プライベートネットワーク、およびゾーンクラスタの数を入力するプロンプトを表示します。

      2. クラスタで構成する予定のノード、プライベートネットワーク、およびゾーンクラスタの数を入力します。

        これらの数から、clsetup ユーティリティーは 2 つの推奨ネットマスクを計算します。

        • 第一のネットマスクは、ユーザーが指定したノード、プライベートネットワーク、およびゾーンクラスタの数をサポートする、最低限のネットマスクです。

        • 第二のネットマスクは、将来ありうる成長に対応するため、ユーザーが指定したノード、プライベートネットワーク、およびゾーンクラスタの数の 2 倍をサポートします。

      3. 計算されたネットマスクのいずれかを指定するか、ノード、プライベートネットワーク、およびゾーンクラスタの予定数をサポートする別のネットマスクを指定します。
  14. 更新の継続に関する clsetup ユーティリティーの質問に対しては、「yes」と入力します。
  15. 完了後 clsetup ユーティリティーを終了します。
  16. 各ノードを再起動してクラスタに戻します。
    1. 各ノードを停止します。
      # shutdown -g0 -y
    2. 各ノードをクラスタモードで起動します。
      • SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。
        ok boot
      • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。

        GRUB メニューが表示された時点で、適切な Solaris エントリを選択し Enter キーを押します。GRUB メニューは次のようになっています。

        GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
        +-------------------------------------------------------------------------+
        | Solaris 10 /sol_10_x86                                                  |
        | Solaris failsafe                                                        |
        |                                                                         |
        +-------------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
        commands before booting, or 'c' for a command-line.

        GRUB ベースの起動についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「GRUB を使用して x86 システムをブートする (作業マップ)」を参照してください。

  17. 1 つのノードから、clsetup ユーティリティーを起動します。
    # clsetup

    clsetup のメインメニューが表示されます。

  18. すべての無効リソースを再度有効にします。
    1. リソースグループのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

      リソースグループメニューが表示されます。

    2. 「リソースを有効化または無効化」というオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。
    3. 有効にするリソースを選択し、プロンプトの指示に従います。
    4. 無効になっている各リソースに対して、この手順を繰り返します。
    5. すべてのリソースが再び有効になったら、 q を入力して「リソースグループメニュー」に戻ります。
  19. 各リソースグループをオンラインに戻します。

    ノードに非大域ゾーンが含まれる場合は、それらのゾーン内にあるリソースグループもすべてオンラインにします。

    1. リソースグループのオンライン/オフライン化、またはスイッチオーバーを行うオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。
    2. プロンプトに従って、各リソースグループを管理状態におき、リソースグループをオンラインに戻します。
  20. すべてのリソースグループがオンラインに戻ったら、clsetup ユーティリティーを終了します。

    q を入力して各サブメニューを取り消すか、Ctrl-C を押してください。

次の手順

既存のクラスタにノードを追加するには、次のいずれかの手順に進みます。

クラスタノード上に非大域ゾーンを作成するには、「グローバルクラスタノード上での非大域ゾーンの設定」に進みます。

追加のグローバルクラスタノードとして Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)

この手順を実行して、新しいノードを既存のグローバルクラスタに追加します。この手順の代わりに JumpStart を使用して新しいノードを追加するには、「Solaris と Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)」を参照してください。


注 - この手順では、対話型の scinstall コマンドを使用します。インストールスクリプトを開発するときなど、非対話型の scinstall コマンドを使用する場合は、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。

scinstall コマンドを実行する前に、手動またはサイレントモード形式の installer コマンドを使用して、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアパッケージがノードにインストールされていることを確認してください。 installer プログラムをインストールスクリプトから実行する方法の詳細については、『Sun Java Enterprise System 5 Update 1 Installation Guide for UNIX』の第 5 章「Installing in Silent Mode」を参照してください。


始める前に

次の作業を実行します。

これらのガイドラインに従い、次に示す手順で対話式の scinstall ユーティリティーを使用します。

  1. 構成するクラスタノードで、スーパーユーザーになります。
  2. scinstall ユーティリティーを起動します。
    phys-schost-new# /usr/cluster/bin/scinstall

    scinstall のメインメニューが表示されます。

  3. 「新しいクラスタの作成またはクラスタノードの追加」というオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。
      *** Main Menu ***
    
        Please select from one of the following (*) options:
    
          * 1) Create a new cluster or add a cluster node
            2) Configure a cluster to be JumpStarted from this install server
            3) Manage a dual-partition upgrade
            4) Upgrade this cluster node
          * 5) Print release information for this cluster node
    
          * ?) Help with menu options
          * q) Quit
    
        Option:  1

    「新しいクラスタとクラスタノード」メニューが表示されます。

  4. 「このマシンを既存のクラスタ内にノードとして追加」オプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。
  5. メニュープロンプトに従って、 構成計画ワークシートから回答を入力します。

    scinstall ユーティリティーがノードを構成し、クラスタのノードを起動します。

  6. DVD-ROM ドライブから DVD-ROM を取り出します。
    1. DVD-ROM が使用されていないことを確認し、DVD-ROM 上にないディレクトリに移動します。
    2. DVD-ROM を取り出します。
      phys-schost# eject cdrom
  7. 他のノードでもこの手順を繰り返して、すべての追加ノードの構成が完了するまでクラスタに追加します。
  8. 各ノードでサービス管理機能 (Service Management Facility、SMF) のマルチユーザーサービスがオンラインになっていることを確認します。

    ノードのサービスがまだオンラインでない場合は、次のステップに進む前に状態がオンラインに変わるまで待ちます。

    phys-schost# svcs multi-user-server node
    STATE          STIME    FMRI
    online         17:52:55 svc:/milestone/multi-user-server:default
  9. 有効なクラスタメンバーから、他のノードがクラスタに参加するのを防ぎます。
    phys-schost# claccess deny-all

    あるいは、clsetup ユーティリティーも使用できます。手順については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  10. 1 つのノードから、すべてのノードがクラスタに参加していることを確認します。
    phys-schost# clnode status

    出力は次のようになります。

    === Cluster Nodes ===
    
    --- Node Status ---
    
    Node Name                                       Status
    ---------                                       ------
    phys-schost-1                                   Online
    phys-schost-2                                   Online
    phys-schost-3                                   Online

    詳細は、clnode(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  11. 必要なパッチがすべてインストールされていることを確認します。
    phys-schost# showrev -p
  12. (省略可能) モニター済の共有ディスクパスがすべて失敗した場合、自動ノード再起動を有効にします。
    1. 自動リブートを有効化します。
      phys-schost# clnode set -p reboot_on_path_failure=enabled
      -p

      設定するプロパティーを指定します。

      reboot_on_path_failure=enable

      監視される共有ディスクパスすべてに障害が発生する場合、自動ノードリブートを有効化します。

    2. ディスクパスの障害発生時の自動リブートが有効になっていることを確認します。
      phys-schost# clnode show
      === Cluster Nodes ===                          
      
      Node Name:                                      node
      …
        reboot_on_path_failure:                          enabled
      …
  13. 高可用性ローカルファイルシステムで Oracle Solaris Cluster HA for NFS (HA for NFS) を使用する場合は、ループバックファイルシステム (LOFS) が無効になっていることを確認します。

    LOFS を無効にするには、クラスタの各ノードの/etc/system ファイルに次のエントリを追加します。

    exclude:lofs

    /etc/system ファイルへの変更は、次のシステム再起動後に有効になります。


    注 - 高可用性ローカルファイルシステムで HA for NFS を使用し、かつ automountd を実行している場合は、LOFS を有効にすることはできません。 LOFS により、HA for NFS でスイッチオーバーの問題が発生する可能性があります。 高可用性ローカルファイルシステムに HA for NFS を追加することを選択する場合は、次のいずれかの構成変更を行う必要があります。

    ただし、クラスタで非大域ゾーンを構成する場合は、すべてのクラスタノードで LOFS を有効にする必要があります。高可用性ローカルファイルシステム上の HA for NFS が LOFS と共存する必要がある場合は、LOFS を無効にする代わりに、ほかのソリューションを使用してください。

    • LOFS を無効にします。

    • automountd デーモンを無効にします。

    • HA for NFS からエクスポートされた高可用性ローカルファイルシステムに含まれるすべてのファイルをオートマウンタマップから除外します。 この選択により、LOFS と automountd デーモンの両方を有効なままにすることができます。


    ループバックファイルシステムについては、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「ループバックファイルシステム」を参照してください。

例 3-3 追加ノードでの Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの構成

次の例は、クラスタ schost に追加されたノード phys-schost-3 を示しています。スポンサーノードは、phys-schost-1 です。

*** Adding a Node to an Existing Cluster ***
Fri Feb  4 10:17:53 PST 2005


scinstall -ik -C schost -N phys-schost-1 -A trtype=dlpi,name=qfe2 -A trtype=dlpi,name=qfe3 
-m endpoint=:qfe2,endpoint=switch1 -m endpoint=:qfe3,endpoint=switch2


Checking device to use for global devices file system ... done

Adding node "phys-schost-3" to the cluster configuration ... done
Adding adapter "qfe2" to the cluster configuration ... done
Adding adapter "qfe3" to the cluster configuration ... done
Adding cable to the cluster configuration ... done
Adding cable to the cluster configuration ... done

Copying the config from "phys-schost-1" ... done

Copying the postconfig file from "phys-schost-1" if it exists ... done
Copying the Common Agent Container keys from "phys-schost-1" ... done


Setting the node ID for "phys-schost-3" ... done (id=1)

Setting the major number for the "did" driver ... 
Obtaining the major number for the "did" driver from "phys-schost-1" ... done
"did" driver major number set to 300

Checking for global devices global file system ... done
Updating vfstab ... done

Verifying that NTP is configured ... done
Initializing NTP configuration ... done

Updating nsswitch.conf ... 
done

Adding clusternode entries to /etc/inet/hosts ... done


Configuring IP Multipathing groups in "/etc/hostname.<adapter>" files

Updating "/etc/hostname.hme0".

Verifying that power management is NOT configured ... done

Ensure that the EEPROM parameter "local-mac-address?" is set to "true" ... done
The "local-mac-address?" parameter setting has been changed to "true".

Ensure network routing is disabled ... done

Updating file ("ntp.conf.cluster") on node phys-schost-1 ... done
Updating file ("hosts") on node phys-schost-1 ... done

Rebooting ... 

注意事項

構成の失敗 – 1 つ以上のノードをクラスタに結合できなかったり、間違った構成情報が指定された場合は、まずこの手順の再実行を試みます。 それでも問題が修正されない場合は、誤った構成の各ノードで 「インストールの問題を修正するために Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成解除する」 の手順を実行して、クラスタ構成からそのノードを削除します。 Oracle Solaris Cluster ソフトウェアパッケージをアンインストールする必要はありません。それから、この手順をもう一度実行します。

次の手順

定足数デバイスを使用する既存のクラスタにノードを追加した場合は、「グローバルクラスタへのノード追加後に定足数デバイスを更新する」に進みます。

それ以外の場合は、「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。

追加のグローバルクラスタノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成する (XML)

XML クラスタ構成ファイルを使用して新規グローバルクラスタノードを構成するには、以下の手順を実行します。新しいクラスタは、Oracle Solaris Cluster 3.3 5/11 ソフトウェアを実行する既存のクラスタから複製できます。

この手順では、次のクラスタ構成要素を構成します。

始める前に

次の作業を実行します。

  1. クラスタを追加するノード上で Oracle Solaris Cluster ソフトウェアがまだ構成されていないことを確認します。
    1. 作成するノード上でスーパーユーザーになります。
    2. 作成するノードで Oracle Solaris Cluster ソフトウェアがすでに構成されているか調べます。
      phys-schost-new# /usr/sbin/clinfo -n
      • コマンドが失敗する場合は、手順 2 に進みます。

        Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは、ノードでまだ構成されていません。クラスタにノードを追加できます。

      • このコマンドでノード ID 番号が返される場合は、手順 c に進みます。

        Oracle Solaris Cluster 3.2 ソフトウェアは、ノードですでに構成されています。別のクラスタにノードを追加する前に、既存のクラスタ構成情報を削除する必要があります。

    3. 作成するノードを非クラスタモードで起動します。
      • SPARC ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。
        ok boot -x
      • x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
        1. GRUB メニューで矢印キーを使用して該当する Solaris エントリを選択し、e と入力してコマンドを編集します。

          GRUB メニューは次のようになっています。

          GNU GRUB version 0.97 (639K lower / 1047488K upper memory)
          +----------------------------------------------------------------------+
          | Solaris 10 /sol_10_x86                                               | 
          | Solaris failsafe                                                     |
          |                                                                      |
          +----------------------------------------------------------------------+
          Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
          Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
          commands before booting, or 'c' for a command-line.

          GRUB ベースの起動についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「GRUB を使用して x86 システムをブートする (作業マップ)」を参照してください。

        2. ブートパラメータ画面で矢印キーを使用して kernel エントリを選択し、e と入力してエントリを編集します。

          GRUB ブートパラメータの画面は、次のような画面です。

          GNU GRUB version 0.97 (639K lower / 1047488K upper memory)
          +----------------------------------------------------------------------+
          | root (hd0,0,a)                                                       | 
          | kernel /platform/i86pc/multiboot                                     | 
          | module /platform/i86pc/boot_archive                                  | 
          |+----------------------------------------------------------------------+
          Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
          Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the
          boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line
          after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the
          selected line, or escape to go back to the main menu.
        3. コマンドに -x を追加して、システムが非クラスタモードで起動するように指定します。
          [ Minimal BASH-like line editing is supported. For the first word, TAB
          lists possible command completions. Anywhere else TAB lists the possible
          completions of a device/filename. ESC at any time exits. ]
          
          grub edit> kernel /platform/i86pc/multiboot -x
        4. Enter キーを押して変更を承諾し、ブートパラメータ画面に戻ります。

          画面には編集されたコマンドが表示されます。

          GNU GRUB version 0.97 (639K lower / 1047488K upper memory)
          +----------------------------------------------------------------------+
          | root (hd0,0,a)                                                       |
          | kernel /platform/i86pc/multiboot -x                                  |
          | module /platform/i86pc/boot_archive                                  |
          +----------------------------------------------------------------------+
          Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
          Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the
          boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line
          after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the
          selected line, or escape to go back to the main menu.-
        5. b と入力して、ノードを非クラスタモードで起動します。

          注 - カーネル起動パラメータコマンドへのこの変更は、システムを起動すると無効になります。次にノードを再起動する際には、ノードはクラスタモードで起動します。非クラスタモードで起動するには、上記の手順を実行してもう一度カーネルのブートパラメータコマンドに -x オプションを追加してください。


    4. Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを作成するノードから削除します。
      phys-schost-new# /usr/cluster/bin/clnode remove
  2. Oracle Solaris Cluster 3.3 5/11 ソフトウェアを実行するノードを複製する場合は、クラスタ構成 XML ファイルを作成します。
    1. 複製するクラスタノードでスーパーユーザーになります。
    2. 既存のノードの構成情報をファイルにエクスポートします。
      phys-schost# clnode export -o clconfigfile
      -o

      出力先を指定します。

      clconfigfile

      クラスタ構成 XML ファイルの名前。指定するファイル名は、既存のファイルまたはコマンドで作成される新規ファイルになります。

      詳細は、clnode(1CL) のマニュアルページを参照してください。

    3. クラスタ構成 XML ファイルを新しいクラスタノードとして構成するノードにコピーします。
  3. 作成するノード上でスーパーユーザーになります。
  4. 必要に応じてクラスタ構成 XML ファイルを変更します。
    1. クラスタ構成 XML ファイルを編集するために開きます。
      • 既存のノードを複製する場合、clnode export コマンドで作成したファイルを開きます。
      • 既存のノードを複製しない場合は、新しいファイルを作成します。

        clconfiguration(5CL)のマニュアルページに示した要素の階層に基づいてファイルを作成して下さい。このファイルは任意のディレクトリに格納できます。

    2. XML 要素の値を作成するノード構成を反映するように変更します。

      クラスタ構成 XML ファイルの構造と内容の詳細については、clconfiguration(5CL)のマニュアルページを参照してください。

  5. クラスタ構成XMLファイルを確認します。
    phys-schost-new# xmllint --valid --noout clconfigfile
  6. 新しいクラスタノードを構成します。
    phys-schost-new# clnode add -n sponsornode -i clconfigfile
    -n sponsornode

    既存のクラスタメンバーの名前を新しいノードのスポンサーの役割を果たすように指定します。

    -i clconfigfile

    入力ソースとして使用するクラスタ構成 XML ファイルの名前を指定します。

  7. (省略可能) 監視される共有ディスクパスがすべて失敗した場合、自動ノード再起動を有効にします。
    1. 自動リブートを有効化します。
      phys-schost# clnode set -p reboot_on_path_failure=enabled
      -p

      設定するプロパティーを指定します。

      reboot_on_path_failure=enable

      監視される共有ディスクパスすべてに障害が発生する場合、自動ノードリブートを有効化します。

    2. ディスクパスの障害発生時の自動リブートが有効になっていることを確認します。
      phys-schost# clnode show
      === Cluster Nodes ===                          
      
      Node Name:                                      node
      …
        reboot_on_path_failure:                          enabled
      …

注意事項

構成の失敗 – 1 つ以上のノードをクラスタに結合できなかったり、間違った構成情報が指定された場合は、まずこの手順の再実行を試みます。 それでも問題が修正されない場合は、誤った構成の各ノードで 「インストールの問題を修正するために Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを構成解除する」 の手順を実行して、クラスタ構成からそのノードを削除します。 Oracle Solaris Cluster ソフトウェアパッケージをアンインストールする必要はありません。それから、この手順をもう一度実行します。

次の手順

定足数デバイスを使用する既存のクラスタに新しいノードを追加した場合は、「グローバルクラスタへのノード追加後に定足数デバイスを更新する」に進みます。

それ以外の場合は、「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。

グローバルクラスタへのノード追加後に定足数デバイスを更新する

グローバルクラスタにノードを追加したら、共有ディスク、NAS デバイス、定足数サーバー、またはこれらの組み合わせのどれを使用しているかに関わらず、定足数デバイスの構成情報を更新する必要があります。これを行うには、定足数デバイスをすべて削除して、グローバルデバイスの名前空間を更新します。必要に応じて、使用を継続する定足数デバイスを再構成することもできます。これにより、それぞれの定足数デバイスに新しいノードが登録され、クラスタ内の新しいノード数に基づいて、定足数デバイスの票数が再計算されます。

新しく構成された SCSI 定足数デバイスは、SCSI-3 予約に設定されます。

始める前に

追加されたノードへの Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストールが完了したことを確認します。

  1. クラスタの任意のノードで、スーパーユーザーになります。
  2. クラスタノードがすべてオンラインであることを確認します。
    phys-schost# cluster status -t node
  3. 現在の定足数構成を表示します。

    コマンド出力にそれぞれの定足数デバイスとノードの一覧が表示されます。次の出力例は、現在の SCSI 定足数デバイス d3 を示しています。

    phys-schost# clquorum list
    d3
    …
  4. それぞれの定足数デバイスの名前が表示されていることに注意してください。
  5. 元の定足数デバイスを削除します。

    構成する定足数デバイスごとにこの手順を実行します。

    phys-schost# clquorum remove devicename
    devicename

    定足数デバイスの名前を指定します。

  6. 元の定足数デバイスがすべて削除されたことを確認します。

    定足数デバイスの削除が成功した場合、定足数デバイスの一覧は表示されません。

    phys-schost# clquorum status
  7. グローバルデバイスの名前空間を更新します。
    phys-schost# cldevice populate

    注 - この手順はノードのパニックを防ぐために必要です。


  8. 各ノードで、定足数デバイスを追加する前に cldevice populate コマンドが処理を完了していることを確認します。

    cldevice populate コマンドは、1 つのノードからのみ発行されても、リモートからすべてのノードで実行されます。 cldevice populate コマンドが処理を終了したかどうかを確認するには、クラスタの各ノードで次のコマンドを実行します。

    phys-schost# ps -ef | grep scgdevs
  9. (省略可能) 定足数デバイスを追加します。

    もともと定足数デバイスとして構成されていたデバイスと同じデバイスを構成するか、構成する新しい共有デバイスを選択することができます。

    1. (省略可能) 新しい共有デバイスを選択して、定足数デバイスとして構成する場合、システムがチェックするすべてのデバイスを表示します。

      それ以外の場合は、手順 c に進みます。

      phys-schost# cldevice list -v

      出力は次のようになります。

      DID Device          Full Device Path
      ----------          ----------------
      d1                  phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0
      d2                  phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t6d0
      d3                  phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0
      d3                  phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0 
      …
    2. この出力から、定足数デバイスとして構成する共有デバイスを選択します。
    3. この共有デバイスを定足数デバイスとして構成します。
      phys-schost# clquorum add -t type devicename
      -t type

      定足数デバイスの種類を指定します。このオプションを指定しない場合、デフォルトの種類である shared_disk が使用されます。

    4. 構成する定足数デバイスごとにこの手順を繰り返します。
    5. 新しい定足数構成を確認します。
      phys-schost# clquorum list

      出力には、それぞれの定足数デバイスとノードの一覧が表示されるはずです。

例 3-4 2 ノードクラスタへのノードの追加後に SCSI 定足数デバイスを更新する

次の例では、元の SCSI 定足数デバイス d2 を特定し、この定足数デバイスを削除し、使用できる共有デバイスの一覧を表示し、グローバルデバイスの名前空間を更新し、d3 を新しい SCSI 定足数デバイスとして構成して、新しいデバイスを検証します。

phys-schost# clquorum list
d2
phys-schost-1
phys-schost-2

phys-schost# clquorum remove d2
phys-schost# clquorum status
…
--- Quorum Votes by Device ---

Device Name       Present      Possible      Status
-----------       -------      --------      ------

phys-schost# cldevice list -v
DID Device          Full Device Path
----------          ----------------
…
d3                  phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0
d3                  phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0
…
phys-schost# cldevice populate
phys-schost# ps -ef - grep scgdevs
phys-schost# clquorum add d3
phys-schost# clquorum list
d3
phys-schost-1
phys-schost-2

次の手順

「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。

定足数デバイスを構成する


注 - 次の場合は定足数デバイスを構成する必要はありません。

代わりに、「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。


次の手順は、新しいクラスタが完全に形成された後に一度だけ実行します。この手順で定足数投票を割り当て、クラスタのインストールモードを解除します。

始める前に

  1. 次の条件のいずれも適用される場合、各クラスタノード上でパブリックネットワークのネットマスクファイルのエントリを修正します。
    • 定足数サーバーを使用する場合。

    • パブリックネットワークが、classless inter domain routing (CIDR) とも称せられる可変長のサブネットマスキングを使用する場合。

    定足数サーバーを使用するが、パブリックネットワークが RFC 791 で定義されたようにクラスフルサブネットを使用する場合、このステップを実行する必要はありません。

    1. /etc/inet/netmasks ファイルにクラスタが使用する各パブリックサブネットのエントリを追加します。

      パブリックネットワークの IP アドレスとネットマスクを含むエントリ例は、次のとおりです。

      10.11.30.0    255.255.255.0
    2. それぞれの /etc/hostname.adapter ファイルに netmask + broadcast + を追加します。
      nodename netmask + broadcast +
  2. 1 つのノードで、スーパーユーザーになります。
  3. クラスタがすべてオンラインであることを確認します。
    phys-schost# cluster status -t node
  4. 共有ディスクを定足数デバイスとして使用するには、デバイスのクラスタノードへの接続を確認し、構成するデバイスを選択します。
    1. クラスタの 1 つのノードから、システムがチェックするすべてのデバイスの一覧を表示します。

      このコマンドを実行するために、スーパーユーザーとしてログインする必要はありません。

      phys-schost-1# cldevice list -v

      出力は次のようになります。

      DID Device          Full Device Path
      ----------          ----------------
      d1                  phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0
      d2                  phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t6d0
      d3                  phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0
      d3                  phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0
      …
    2. 出力にクラスタノードとストレージデバイス間のすべての接続が表示されていることを確認します。
    3. 定足数デバイスとして構成する各共有ディスクのグローバルデバイス ID 名を決定します。

      注 - 共有ディスクを選択した場合は、その共有ディスクが定足数デバイスとして使用する権限を持つ必要があります。定足数デバイスの選択の詳細については、「定足数デバイス」を参照してください。


      手順 ascdidadm コマンドの出力を使用して、定足数デバイスとして構成する各共有ディスクのデバイス ID 名を識別します。たとえば、手順 a の出力はグローバルデバイス d3phys-schost-1phys-schost-2 によって共有されていることを示しています。

  5. SCSI プロトコルをサポートしない共有ディスクを使用する場合は、その共有ディスクに対してフェンシングが無効になっているか確認してください。
    1. 個々のディスクのフェンシング設定が表示されます。
      phys-schost# cldevice show device
      
      === DID Device Instances ===
      DID Device Name:                                      /dev/did/rdsk/dN
      …
        default_fencing:                                     nofencing
      • ディスクのフェンシングが nofencing または nofencing-noscrub に設定されている場合は、そのディスクのフェンシングは無効化されます。手順 6 に進みます。
      • ディスクのフェンシングが pathcount または scsi に設定されている場合は、そのディスクのフェンシングを無効化します。手順 c に進みます。
      • ディスクのフェンシングが global に設定されている場合は、フェンシングもグローバルに無効化するかどうかを決定します。手順 b に進みます。

        代わりに、単に各ディスクのフェンシングを無効化することもできます。これにより、global_fencing プロパティーにどのような値を設定しても、そのディスクのフェンシングが上書きされます。手順 c に進んで、各ディスクのフェンシングを無効化します。

    2. フェンシングをグローバルに無効化するかどうかを決定します。
      phys-schost# cluster show -t global
      
      === Cluster ===
      Cluster name:                                         cluster
      …
         global_fencing:                                      nofencing
      • グローバルフェンシングが nofencing または nofencing-noscrub に設定されている場合は、default_fencing プロパティーが global に設定されている共有ディスクのフェンシングが無効化されます。手順 6 に進みます。
      • グローバルフェンシングが pathcount または prefer3 に設定されている場合は、共有ディスクのフェンシングを無効化します。手順 c に進みます。

      注 - 各ディスクの default_fencing プロパティーが global に設定されている場合は、クラスタ全体の global_fencing プロパティーが nofencing または nofencing-noscrub に設定されている場合にのみ、各ディスクのフェンシングが無効化されます。global_fencing プロパティーをフェンシングを有効化する値に変更すると、default_fencing プロパティーが global に設定されているすべてのディスクのフェンシングが有効化されます。


    3. 共有ディスクのフェンシングを無効化します。
      phys-schost# cldevice set \
      -p default_fencing=nofencing-noscrub device
    4. 共有ディスクのフェンシングが無効になっていることを確認します。
      phys-schost# cldevice show device
  6. clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    「初期クラスタ設定」画面が表示されます。


    注 - 代わりに「メインメニュー」が表示された場合は、クラスタの初期設定はすでに正しく行われています。手順 11にスキップします。


  7. 定足数ディスクを追加しますか ?」というプロンプトに答えます。
    • クラスタが 2 ノードクラスタの場合、1 つ以上の共有定足数デバイスを構成する必要があります。1 つ以上の定足数デバイスを構成するには、「Yes」 と入力します。
    • クラスタに 3 つ以上のノードがある場合、定足数デバイス構成は省略可能です。
      • 追加の定足数デバイスを構成しない場合は、「No」 と入力します。次に、 手順 10にスキップします。
      • 1 つ以上の定足数デバイスを構成するには、「Yes」 と入力します。次に 手順 8に進みます。
  8. 定足数デバイスとして構成するデバイスの種類を指定します。
    定足数デバイスの種類
    説明
    shared_disk
    以下の共有 LUN
    • 共有 SCSI ディスク

    • Serial Attached Technology Attachment (SATA) ストレージ

    • Sun NAS

    • Sun ZFS Storage Appliance

    quorum_server
    定足数サーバー
    netapp_nas
    ネットワークアプライアンス NAS
  9. 定足数デバイスとして構成するデバイスの名前を指定します。
    • 定足数サーバーの場合、次の情報も指定します。

      • 定足数サーバーのホストコンピュータの IP アドレス

      • クラスタノードとやり取りする際に定足数サーバーが使用するポート番号

    • Network Appliance NAS デバイスの場合、次の情報も指定します。

      • NAS デバイスの名前

      • NAS デバイスの LUN ID

  10. 「「Install mode」をリセットしますか?」というプロンプトで、「Yes」を入力します。

    clsetup ユーティリティーによって、クラスタの定足数構成と投票数が設定されたあと、「クラスタの初期化は完了しました。」というメッセージが表示されます。ユーティリティーは、「メインメニュー」に戻ります。

  11. clsetup ユーティリティーを終了します。

次の手順

定足数構成とインストールモードが無効になっていることを確認します。「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。

注意事項

中断された clsetup 処理 - 定足数設定プロセスが中断されるか、完了に失敗した場合は、clsetup を再実行してください。

定足投票数の変更 – 定足数デバイスに対するノード接続の数をあとで増減させる場合、定足数が自動的に再計算されることはありません。 各定足数デバイスを一度に 1 つずつ取り外してもう一度構成に追加することにより、正しい定足数投票をもう一度確立できます。2 ノードクラスタの場合、定足数デバイスを取り外して、もとの定足数デバイスに戻す前に一時的に新しい定足数デバイスを追加します。次に一時的に追加した定足数デバイスを取り外します。『Oracle Solaris Cluster システム管理』の第 6 章「定足数の管理」の「定足数デバイスのノードリストを変更する」手順を参照してください。

到達不可能な定足数デバイス – クラスタノードで定足数デバイスが到達不可能というメッセージが表示される場合、またはクラスタノードで「CMM: 定足数デバイスを獲得できません」というエラーメッセージが表示される場合、定足数デバイスまたは定足数デバイスへのパスに問題がある可能性があります。定足数デバイスおよび定足数デバイスへのパスが機能していることを確認してください。

引き続き問題が発生する場合、別の定足数デバイスを使用します。また、同じ定足数デバイスを使用する場合は、定足数のタイムアウトを次のように高い値に増やします。


注 - Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC) の場合、25 秒というデフォルトの定足数のタイムアウトは変更しないでください。一部のスプリットブレーンシナリオでは、タイムアウト時間を長くすると、VIP リソースのタイムアウトが原因で Oracle RAC VIP フェイルオーバーが失敗する可能性があります。使用している定足数デバイスがデフォルトの 25 秒のタイムアウトに適合しない場合は、別の定足数デバイスを使用します。


定足数構成とインストールモードを確認する

定数が構成され、そのクラスタイントールモードが無効である場合、定数構成が正常に完了したことを確認するために、この手順を実行します。

これらのコマンドを実行するために、スーパーユーザーである必要はありません。

  1. 任意のグローバルノードから、デバイスとノードの定足数構成を確認します。
    phys-schost% clquorum list

    出力には、それぞれの定足数デバイスとノードの一覧が表示されます。

  2. 任意のモードから、クラスタのインストールモードが無効になっていることを確認します。
    phys-schost% cluster show -t global | grep installmode
      installmode:                                    disabled

    クラスタのインストールと作成が完了しました。

次の手順

次のリストから、ご使用のクラスタ構成に次に適用するタスクを決めます。このリストから複数のタスクを実行する必要がある場合は、このリストのそれらのタスクのうち最初のタスクに進みます。

参照

クラスタ構成のバックアップを取ります。

クラスタ構成のバックアップを保存しておけば、クラスタ構成の回復がより簡単になります。詳細は、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「クラスタ構成をバックアップする」を参照してください。

プライベートホスト名を変更する

次の作業は、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール中に割り当てられるデフォルトのプライベートホスト名 (clusternodenodeid-priv) を使用しない場合に実行します。


注 - この手順は、アプリケーションとデータサービスの構成および起動後には実行しないでください。アプリケーションやデータサービスは、名前の変更後も引き続き古いプライベートホスト名を使用することがあり、この手順を実行するとホスト名の衝突が発生します。アプリケーションやデータサービスが実行中の場合は、この手順を実行する前に停止しておいてください。


クラスタの 1 つのアクティブなノードで次の手順を実行します。

  1. グローバルクラスタノード上でスーパーユーザーになります。
  2. clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    clsetup のメインメニューが表示されます。

  3. 「プライベートホスト名」オプションの番号を入力し、Return キーを押します。

    「プライベートホスト名」メニューが表示されます。

  4. 「プライベートホスト名の変更」オプションの番号を入力し、Return キーを押します。
  5. プロンプトに従って、プライベートホスト名を変更します。

    変更するプライベートホスト名ごとに繰り返します。

  6. プライベートホスト名を確認します。
    phys-schost# clnode show -t node | grep privatehostname
      privatehostname:                                clusternode1-priv
      privatehostname:                                clusternode2-priv
      privatehostname:                                clusternode3-priv

次の手順

次のリストから、ご使用のクラスタ構成に次に適用するタスクを決めます。このリストから複数のタスクを実行する必要がある場合は、このリストのそれらのタスクのうち最初のタスクに進みます。

ノードでのリソースグループの負荷分散の設定

負荷制限を設定することによって、ノードまたはゾーンのリソースグループの負荷の自動分散を有効にできます。 リソースグループに負荷係数を割り当てると、その負荷係数はノードの定義済み負荷制限に対応します。

デフォルトの動作では、リソースグループの負荷は使用可能なすべてのノードに均等に分散されます。 各リソースグループは、そのノードリストのノードで起動されます。 Resource Group Manager (RGM) により、設定された負荷分散ポリシーをもっとも満たすノードが選択されます。 RGM によってリソースグループがノードに割り当てられると、各ノードのリソースグループの負荷係数が合計され、合計負荷が算出されます。 次に、合計負荷がそのノードの負荷制限と比較されます。

負荷制限は、グローバルクラスタまたはゾーンクラスタで設定できます。

各ノードの負荷分散を制御するために設定する要素には、負荷制限、リソースグループの優先順位、およびプリエンプションモードがあります。 グローバルクラスタでは、Concentrate_load プロパティーを設定して優先される負荷分散ポリシーを選択できます。これにより、負荷制限を超えずにリソースグループの負荷をできるだけ少ないノードに集中させたり、使用可能なすべてのノードにできるだけ均等に負荷を分散させたりすることができます。 デフォルトの動作では、リソースグループの負荷は分散されます。 各リソースグループは、負荷係数や負荷制限の設定にかかわらず、ノードリストにあるノードのみに実行が制限されます。


注 - リソースグループの負荷分散を設定するには、コマンド行、Oracle Solaris Cluster Manager インタフェース、または clsetup ユーティリティーを使用します。 次の手順は、clsetup ユーティリティーを使用してリソースグループの負荷分散を設定する方法を示したものです。 コマンド行を使用してこれらの手順を実行する手順については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「負荷制限の設定」を参照してください。


ここでは、次の手順について説明します。

ノードの負荷制限を設定する

各クラスタノードまたはゾーンに、一連の負荷制限をそれぞれ設定することができます。 リソースグループに負荷係数を割り当てると、その負荷係数はノードの定義済み負荷制限に対応します。 弱い負荷制限 (超えることができる) または強い負荷制限 (超えることができない) を設定できます。

  1. クラスタのアクティブノードの 1 つでスーパーユーザーになります。
  2. clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    clsetup のメニューが表示されます。

  3. メニュー項目「その他のクラスタ作業 (Other Cluster Tasks)」を選択します。

    「その他のクラスタ作業メニュー (Other Cluster Tasks Menu)」が表示されます。

  4. メニュー項目「リソースグループの負荷分散の管理 (Manage Resource Group Load Distribution)」を選択します。

    「リソースグループの負荷分散の管理メニュー (Manage Resource Group Load Distribution Menu)」が表示されます。

  5. メニュー項目「負荷制限の管理 (Manage Load Limits)」を選択します。

    「負荷制限の管理メニュー (Manage load limits Menu)」が表示されます。

  6. yes と入力し、Return キーを押して続行します。
  7. 実行する操作に対応するオプション番号を入力し、Return キーを押します。

    負荷制限の作成、変更、または削除が可能です。

  8. 負荷制限の作成を選択した場合は、負荷制限を設定するノードに対応するオプション番号を選択します。

    2 番目のノードに負荷制限を設定する場合は、2 番目のノードに対応するオプション番号を選択し、Return キーを押します。 負荷制限を設定するすべてのノードを選択したら、q と入力し、Return キーを押します。

  9. yes と入力し、Return キーを押して、手順 8 で選択したノードを確認します。
  10. 負荷制限の名前を入力し、Return キーを押します。

    たとえば、負荷制限の名前として mem_load を入力します。

  11. yes または no と入力して弱い制限値を指定し、Return キーを押します。

    yes と入力した場合は、弱い制限値を入力し、Enter を押します。

  12. yes または no を入力して強い制限値を指定し、Return キーを押します。

    yes と入力した場合は、強い制限値を入力し、Enter を押します。

  13. yes と入力し、Return キーを押して負荷制限の作成を進めます。
  14. yes と入力して更新を進め、Return キーを押します。

    選択したノードの弱い負荷制限および強い負荷制限とともに、「コマンドが正常に完了しました (Command completed successfully)」というメッセージが表示されます。 Return キーを押して続行します。

  15. 負荷制限は、clsetup ユーティリティーのプロンプトに従って、変更または削除できます。

    q を入力して前のメニューに戻り、Return キーを押します。

リソースグループの優先順位を設定する

高い優先度を持つようにリソースグループを設定すると、特定のノードから移動させられる可能性が低くなります。 負荷制限を超えた場合は、優先順位の低いリソースグループが強制的にオフラインになることがあります。

  1. クラスタのアクティブノードの 1 つでスーパーユーザーになります。
  2. clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    clsetup のメニューが表示されます。

  3. メニュー項目「その他のクラスタ作業 (Other Cluster Tasks)」を選択します。

    「その他のクラスタ作業メニュー (Other Cluster Tasks Menu)」が表示されます。

  4. メニュー項目「リソースグループの負荷分散の管理 (Manage Resource Group Load Distribution)」を選択します。

    「リソースグループの負荷分散の管理メニュー (Manage Resource Group Load Distribution Menu)」が表示されます。

  5. メニュー項目「リソースグループごとの優先順位の設定 (Set Priority Per Resource Group)」を選択します。

    「リソースグループの優先順位の設定メニュー (Set the Priority of a Resource Group Menu)」が表示されます。

  6. yes と入力し、Return キーを押します。
  7. リソースグループに対応するオプションを入力し、Return キーを押します。

    既存の優先順位値が表示されます。 デフォルトの優先順位値は 500 です。

  8. 新しい優先順位値を入力し、Return キーを押します。
  9. yes と入力して入力内容を確認し、Return キーを押します。
  10. Return キーを押して前のメニューに戻ります。

    「リソースグループの負荷分散の管理メニュー (Manage Resource Group Load Distribution Menu)」が表示されます。

リソースグループの負荷係数を設定する

負荷係数は、負荷制限で負荷に割り当てる値です。 負荷係数はリソースグループに割り当て、それらの負荷係数はノードの定義済み負荷制限に対応します。

  1. クラスタのアクティブノードの 1 つでスーパーユーザーになります。
  2. clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    clsetup のメニューが表示されます。

  3. メニュー項目「その他のクラスタ作業 (Other Cluster Tasks)」を選択します。

    「その他のクラスタ作業メニュー (Other Cluster Tasks Menu)」が表示されます。

  4. メニュー項目「リソースグループの負荷分散の管理 (Manage Resource Group Load Distribution)」を選択します。

    「リソースグループの負荷分散の管理メニュー (Manage Resource Group Load Distribution Menu)」が表示されます。

  5. メニュー項目「リソースグループごとの負荷係数の設定 (Set Load Factors Per Resource Group)」を選択します。

    「リソースグループの負荷係数の設定メニュー (Set the load factors of a Resource Group Menu)」が表示されます。

  6. yes と入力し、Return キーを押します。
  7. リソースグループのオプション番号を入力し、Return キーを押します。
  8. 希望の負荷係数を入力します。

    たとえば、mem_load@50 と入力することによって、選択したリソースグループに mem_load という負荷係数を設定できます。 完了したら、Ctrl-D を押します。

  9. Return キーを押して更新を進めます。
  10. Return キーを押して前のメニューに戻ります。

    「リソースグループの負荷分散の管理メニュー (Manage Resource Group Load Distribution Menu)」が表示されます。

リソースグループのプリエンプションモードを設定する

preemption_mode プロパティーは、ノードの過負荷が原因でリソースグループが優先順位の高いリソースグループによってノードからプリエンプトされるかどうかを判定します。 このプロパティーは、あるノードから別のノードへのリソースグループの移動のコストを示します。

  1. クラスタのアクティブノードの 1 つでスーパーユーザーになります。
  2. clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    clsetup のメニューが表示されます。

  3. メニュー項目「その他のクラスタ作業 (Other Cluster Tasks)」を選択します。

    「その他のクラスタ作業メニュー (Other Cluster Tasks Menu)」が表示されます。

  4. メニュー項目「リソースグループの負荷分散の管理 (Manage Resource Group Load Distribution)」を選択します。

    「リソースグループの負荷分散の管理メニュー (Manage Resource Group Load Distribution Menu)」が表示されます。

  5. メニュー項目「リソースグループごとのプリエンプションモードの設定 (Set Preemption Mode per Resource Group)」を選択します。

    「リソースグループのプリエンプションモードの設定メニュー (Set the Preemption Mode of a Resource Group Menu)」が表示されます。

  6. yes と入力し、Return キーを押して続行します。
  7. リソースグループのオプション番号を入力し、Return キーを押します。

    リソースグループにプリエンプションモードが設定されている場合、それは次のように表示されます。

    The preemption mode property of "rg11" is currently set to the following: preemption mode:  Has_Cost
  8. 目的のプリエンプションモードのオプション番号を入力し、Return キーを押します。

    Has_costNo_costNever の 3 つの選択肢があります。

  9. yes と入力して更新を進め、Return キーを押します。
  10. Return キーを押して前のメニューに戻ります。

    「リソースグループの負荷分散の管理メニュー (Manage Resource Group Load Distribution Menu)」が表示されます。

クラスタ内のより少ないノードに負荷を集中させる

Concentrate_load プロパティーを false に設定すると、クラスタはリソースグループの負荷を使用可能なすべてのノードに均等に分散します。 このプロパティーを True に設定すると、クラスタはリソースグループの負荷を負荷制限を超えずにできるだけ少ないノードに集中させようとします。 デフォルトでは、Concentrate_load プロパティーは False に設定されています。 グローバルクラスタでは、Concentrate_load プロパティーのみを設定できます。ゾーンクラスタではこのプロパティーは設定できません。 ゾーンクラスタでは、デフォルトの設定は常に False です。

  1. クラスタのアクティブノードの 1 つでスーパーユーザーになります。
  2. clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    clsetup のメニューが表示されます。

  3. メニュー項目「その他のクラスタ作業 (Other cluster tasks)」を選択します。

    「その他のクラスタ作業メニュー (Other Cluster Tasks Menu)」が表示されます。

  4. メニュー項目「クラスタの concentrate_load プロパティーの設定 (Set the concentrate_load Property of the Cluster)」を選択します。

    「クラスタの負荷の集中プロパティーの設定メニュー (Set the Concentrate Load Property of the Cluster Menu)」が表示されます。

  5. yes と入力し、Return キーを押します。

    現在の値として TRUE または FALSE が表示されます。

  6. yes と入力して値を変更し、Return キーを押します。
  7. yes と入力して更新を進め、Return キーを押します。
  8. Return キーを押して前のメニューに戻ります。

    「その他のクラスタ作業メニュー (Other Cluster Tasks Menu)」が表示されます。

時間情報プロトコル (NTP) を構成する


注 - Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールする前に独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしてある場合は、この手順を実行する必要はありません。次の手順を決めます。


次のいずれかの作業を実行した後で NTP 構成ファイルを作成または修正するには、この作業を実行します。

単一ノードのクラスタにノードを追加した場合、使用する NTP 構成ファイルがもとのクラスタノードおよび新しいノードにコピーされていることを確認します。

  1. クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。
  2. 独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルがある場合は、そのファイルをクラスタの各ノードにコピーします。
  3. インストールする /etc/inet/ntp.conf ファイルがない場合は、 /etc/inet/ntp.conf.cluster ファイルを NTP 構成ファイルとして使用します。

    注 - ntp.conf.cluster ファイルの名前を ntp.conf に変更してはいけません。


    ノード上に /etc/inet/ntp.conf.cluster ファイルが存在しない場合、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの初期インストールに /etc/inet/ntp.conf ファイルが存在する可能性があります。ノード上に /etc/inet/ntp.conf ファイルが存在しない場合、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは NTP 構成ファイルとして /etc/inet/ntp.conf.cluster ファイルを作成します。この場合、その ntp.conf ファイルを次のように編集します。

    1. 任意のテキストエディタを使用して、クラスタの 1 つのノードで、NTP 構成ファイルを編集するために開きます。
    2. 各クラスタノードのプライベートホスト名用のエントリが存在することを確認します。

      ノードのプライベートホスト名を変更した場合、新しいプライベートホスト名が NTP 構成ファイルに存在することを確認します。

    3. 必要であれば、各自の NTP 条件に適合するように NTP 構成ファイルを変更します。
    4. クラスタ内にあるすべてのノードに NTP 構成ファイルをコピーします。

      NTP 構成ファイルの内容は、すべてのクラスタノードで同じである必要があります。

  4. 各ノードで NTP デーモンを停止します。

    各ノードでコマンドが正しく完了するのを待ってから、手順 5 に進みます。

    phys-schost# svcadm disable ntp
  5. 各ノード上で、NTP デーモンを再起動します。
    • ntp.conf.cluster ファイルを使用する場合、次のコマンドを実行します。
      phys-schost# /etc/init.d/xntpd.cluster start

      xntpd.cluster 起動スクリプトは最初に、/etc/inet/ntp.conf ファイルを検索します。

      • ntp.conf ファイルが存在する場合、スクリプトは NTP デーモンを起動することなくすぐに終了します。

      • ntp.conf ファイルは存在しないが、ntp.conf.cluster ファイルは存在する場合、スクリプトは NTP デーモンを起動します。この場合、スクリプトは ntp.conf.cluster ファイルを NTP 構成ファイルとして使用します。

    • ntp.conf ファイルを使用する場合、次のコマンドを実行します。
      phys-schost# svcadm enable ntp

次の手順

次のリストから、ご使用のクラスタ構成に次に適用するタスクを決めます。このリストから複数のタスクを実行する必要がある場合は、このリストのそれらのタスクのうち最初のタスクに進みます。

クラスタプライベートインターコネクト上で IP セキュリティーアーキテクチャー (IPSec) を構成する

クラスタインターコネクトに安全な TCP/IP 通信を提供するには、clprivnetインタフェースに IP セキュリティアーキテクチャー (IPsec) を構成します。

IPsec の詳細については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』のパート IV「IP セキュリティー」と、ipsecconf(1M)のマニュアルページを参照してください。clprivnet インタフェースの詳細については、clprivnet(7)のマニュアルページを参照してください。

IPsec を構成するグローバルクラスタ投票ノードごとに、この手順を実行します。

  1. スーパーユーザーになります。
  2. 各ノードで、ノードの clprivnet インタフェースの IP アドレスを決定します。
    phys-schost# ifconfig clprivnet0
  3. 各ノード上で、 /etc/inet/ipsecinit.conf ポリシーファイルを構成し、IPsec を使用するプライベートインターコネクトの IP アドレスの各ペア間にセキュリティーアソシエーション (Security Association、SA) を追加します。

    『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「IPsec で 2 つのシステム間のトラフィックを保護するには」の手順に従ってください。それに加えて、次のガイドラインも参照してください。

    • 対象アドレスの構成パラメータの値が、すべてのパートナーノードで一貫性があることを確認します。

    • 構成ファイルで、独立した行として各ポリシーを構成します。

    • 再起動せずに IPsec を実装するには、「リブートせずに IPsec でトラフィックを保護する」の手順例に従ってください。

    sa unique ポリシーの詳細については、ipsecconf(1M)マニュアルページを参照してください。

    1. 各ファイルで、IPsec を使用するクラスタ内の各 clprivnet の IP アドレスにエントリを 1 つ追加します。

      ローカルノードの clprivnet IP アドレスを含めます。

    2. VNIC を使用する場合は、VNIC で使用される各物理インタフェースの IP アドレスにもエントリを 1 つ追加します。
    3. (省略可能) すべてのリンク上でデータのストライプ化を有効にするため、エントリに sa unique ポリシーを含めます。

      この機能を使用すると、ドライバはクラスタプライベートネットワークの帯域を最適に利用することができるようになるため、高い分散粒度が実現し、スループットも向上します。clprivnet インタフェースは、トラフィックをストライプ化するため、パケットのセキュリティーパラメータインデックス (Security Parameter Index、SPI) を使用します。

  4. 各ノードで、/etc/inet/ike/config ファイルを編集して p2_idletime_secs パラメータを設定します。

    クラスタトランスポート用に構成されたポリシールールに、このエントリを追加します。この設定により、クラスタノードを再起動したときに再生成されるセキュリティーアソシエーションの時間が指定され、再起動したノードがクラスタを再結合できる速度が制限されます。値は 30 秒が適切です。

    phys-schost# vi /etc/inet/ike/config
    …
    {
        label "clust-priv-interconnect1-clust-priv-interconnect2"
    …
    p2_idletime_secs 30
    }
    …

次の手順

次のリストから、ご使用のクラスタ構成に次に適用するタスクを決めます。このリストから複数のタスクを実行する必要がある場合は、このリストのそれらのタスクのうち最初のタスクに進みます。

再起動しない場合、すべてのハードウェアおよびソフトウェアのインストールと構成の作業を完了したら、クラスタを確認します。「クラスタの妥当性を検査する」に進みます。

クラスタの妥当性を検査する

クラスタのすべての構成を完了したら、cluster check コマンドを使用して、クラスタの構成と機能の妥当性を検査します。詳細については、cluster(1CL)のマニュアルページを参照してください。


ヒント - 今後の参照またはトラブルシューティングが容易になるように、実行する妥当性の検査ごとに、-o outputdir オプションを使用してログファイルのサブディレクトリを指定します。既存のサブディレクトリ名を再使用すると、そのサブディレクトリにある既存のファイルすべてが削除されます。そのため、今後の参照のためにログファイルを使用できるようにするには、実行するクラスタチェックごとに固有のサブディレクトリ名を指定します。


始める前に

ファームウェアやパッチなど、クラスタ内のハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントすべてのインストールと構成を完了したことを確認します。

  1. 各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。
  2. 最新のチェックがあることを確認します。

    My Oracle Support の「パッチと更新」タブを参照します。詳細検索の場合、製品として「Solaris Cluster」を選択し、「説明」フィールドで「チェック」を指定して、チェックを含む Oracle Solaris Cluster パッチを検索します。まだクラスタにインストールされていないすべてのパッチを適用します。

  3. 基本の妥当性検査を実行します。
    # cluster check -v -o outputdir
    -v

    冗長モード

    -o outputdir

    outputdir サブディレクトリに出力をリダイレクトします。

    このコマンドによって、すべての使用可能な基本検査が実行されます。クラスタ機能には影響はありません。

  4. インタラクティブな妥当性検査を実行します。
    # cluster check -v -k interactive -o outputdir
    -k interactive

    実行するインタラクティブな妥当性検査を指定します。

    このコマンドで、すべての使用可能なインタラクティブ検査が実行され、クラスタについて必要な情報の入力が求められます。クラスタ機能には影響はありません。

  5. 機能の妥当性検査を実行します。
    1. 非冗長モードですべての使用可能な機能検査一覧が表示されます。
      # cluster list-checks -k functional
    2. どの機能検査が、本稼働環境でクラスタの可用性またはサービスを中断する可能性がある処理を実行するかを判断してください。

      たとえば、機能検査によって、ノードパニックまたは他のノードへのフェイルオーバーがトリガーされる可能性があります。

      # cluster list-checks -v -C checkID
      -C checkID

      特定の検査を指定します。

    3. クラスタの機能を中断するような機能検査を実行する場合、クラスタが本稼働状態から除外されるようにします。
    4. 機能検査を開始します。
      # cluster check -v -k functional -C checkid -o outputdir
      -k functional

      実行する機能の妥当性検査を指定します。

      検査の実行に必要な情報を確認し、実行に必要な情報または操作を求めるプロンプトに入力を行います。

    5. 実行する残りの機能検査ごとに、手順 c手順 d を繰り返します。

      注 - 記録を保存するために、実行する検査ごとに固有の outputdir サブディレクトリ名を指定します。outputdir 名を再利用する場合、新しい検査の出力によって、再利用した outputdir サブディレクトリの既存の内容が上書きされます。


例 3-5 インタラクティブな妥当性検査のリスト

クラスタで実行するために使用できるすべてインタラクティブな妥当性検査の例を以下に示します。出力例に、使用できる検査の例を示します。実際に使用できる検査は、構成によって異なります。

# cluster list-checks -k interactive
 Some checks might take a few moments to run (use -v to see progress)...
 I6994574  :   (Moderate)   Fix for GLDv3 interfaces on cluster transport vulnerability applied?

例 3-6 機能の妥当性検査の実行

まず、次の例は機能検査の詳細なリストを示します。検査 F6968101 の詳細な説明が表示されます。この説明で、検査によってクラスタサービスが中断されることがわかります。クラスタは稼働状態ではなくなります。機能検査が実行され、funct.test.F6968101.12Jan2011 サブディレクトリに詳細な出力が記録されます。出力例に、使用できる検査の例を示します。実際に使用できる検査は、構成によって異なります。

# cluster list-checks -k functional
 F6968101  :   (Critical)   Perform resource group switchover
 F6984120  :   (Critical)   Induce cluster transport network failure - single adapter.
 F6984121  :   (Critical)   Perform cluster shutdown
 F6984140  :   (Critical)   Induce node panic
…

# cluster list-checks -v -C F6968101
 F6968101: (Critical) Perform resource group switchover
Keywords: SolarisCluster3.x, functional
Applicability: Applicable if multi-node cluster running live.
Check Logic: Select a resource group and destination node. Perform 
'/usr/cluster/bin/clresourcegroup switch' on specified resource group 
either to specified node or to all nodes in succession.
Version: 1.2
Revision Date: 12/10/10 

Take the cluster out of production

# cluster check -k functional -C F6968101 -o funct.test.F6968101.12Jan2011
F6968101 
  initializing...
  initializing xml output...
  loading auxiliary data...
  starting check run...
     pschost1, pschost2, pschost3, pschost4:     F6968101.... starting:  
Perform resource group switchover           


  ============================================================

   >>> Functional Check <<<

    'Functional' checks exercise cluster behavior. It is recommended that you
    do not run this check on a cluster in production mode.' It is recommended
    that you have access to the system console for each cluster node and
    observe any output on the consoles while the check is executed.

    If the node running this check is brought down during execution the check
    must be rerun from this same node after it is rebooted into the cluster in
    order for the check to be completed.

    Select 'continue' for more details on this check.

          1) continue
          2) exit

          choice: 1


  ============================================================

   >>> Check Description <<<
…
Follow onscreen directions

次の手順

クラスタを稼動させる前に、将来の診断のためにクラスタ構成の基準値レコードを作成します。「クラスタ構成の診断データを記録する」に進みます。

クラスタ構成の診断データを記録する

グローバルクラスタの構成が完了したら、本番稼動させる前に、Oracle Explorer ユーティリティーを使用して、クラスタに関するベースライン情報を記録します。このデータは、将来クラスタの問題を解決する場合に使用できます。

  1. スーパーユーザーになります。
  2. Oracle Explorer ソフトウェアがまだインストールされていない場合は、インストールします。

    Services Tools Bundle には、Oracle Explorer パッケージの SUNWexploSUNWexplu が含まれています。ソフトウェアのダウンロードとインストールについては、http://www.oracle.com/us/support/systems/premier/services-tools-bundle-sun-systems-163717.html を参照してください。

  3. クラスタ内の各ノードで explorer ユーティリティーを実行します。

    プラットフォームに適したコマンドを使用します。


    サーバー
    コマンド
    Sun Fire 3800 潤オ 6800
    # explorer -i -w default,scextended
    Sun Fire V1280 および E2900
    # explorer -i -w default,1280extended
    Sun Fire T1000 および T2000
    # explorer -i -w default,Tx000
    Sun Fire X4x00 および X8x00
    # explorer -i -w default,ipmi
    その他すべてのプラットフォーム
    # explorer -i

    詳細は、/opt/SUNWexplo/man/man1m/ ディレクトリにある explorer (1M) のマニュアルページおよび『Oracle Explorer User’s Guide』を参照してください。

    explorer の出力ファイルは、/opt/SUNWexplo/output/ ディレクトリに explorer.hostid.hostname-date.tar.gz として保存されます。

  4. クラスタ全体が停止した場合は、ファイルをアクセスできる場所に保存します。
  5. すべての explorer ファイルを電子メールでお住まいの地域の Oracle Explorer データベースのエイリアスに送信します。

    Oracle Explorer データベースは、ユーザーのクラスタの技術的な問題を診断するためにデータが必要な場合に、ユーザーの explorer 出力を Oracle の技術サポートが使用できるようにします。


    場所
    電子メールアドレス
    北米、中米、および南米 (AMER)
    explorer-database-americas@sun.com
    ヨーロッパ、中東、およびアフリカ (EMEA)
    explorer-database-emea@sun.com
    アジア、オーストラリア、ニュージーランド、および太平洋 (APAC)
    explorer-database-apac@sun.com

    また、FTP または HTTPS を使用して Oracle Explorer ファイルを送信する場合は、『Oracle Explorer User’s Guide』を参照してください。