この章では、Oracle Enterprise Manager Cloud Control(Cloud Control)を使用して、10gおよび11gリリース1用のOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)をプロビジョニングする方法について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。
この項では、この章に取り組むための手引きとして、10gおよび11gリリース1用のOracle RACのプロビジョニング手順の概要を説明します。この項は、10gおよび11gリリース1用のOracle RACのプロビジョニングを成功させるために必要な一連の処理を理解するためのドキュメント・マップと考えてください。各手順の参照リンクをクリックすると、詳細情報が説明されている関連セクションが表示されます。
表9-1 Oracle RACのプロビジョニングの概要
ステップ | 説明 | 参照リンク |
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ステップ1 |
プロビジョニングされたコンポーネントの理解 プロビジョニングされたコア・コンポーネントについて理解します。 |
プロビジョニングされたコア・コンポーネントの詳細は、第9.2項を参照してください。 |
ステップ2 |
ユースケースの選択 ここでは、Oracle RACのプロビジョニングのユースケースのいくつかを説明します。ご自身の要件に最適なユースケースを選択してください。 |
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ステップ3 |
前提条件の確認 デプロイメント・プロシージャを実行する前に、プロビジョニング環境の設定、必須パッチの適用およびOracleソフトウェア・ライブラリの設定などの前提条件を満たす必要があります。 |
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ステップ4 |
デプロイメント・プロシージャの実行 デプロイメント・プロシージャを実行してOracle RACを正常にプロビジョニングします。 |
Oracle RACをプロビジョニングする場合、基本的に、デプロイメント・プロシージャは次のコア・コンポーネントをデプロイします。
Oracle Clusterware
Oracle RACデータベース
オプションで自動ストレージ管理 (ASM)
Oracle RACデータベース用と同じOracleホームにASMをデプロイすることも、完全に異なるOracleホームにデプロイする(推奨)こともできます。
注意: デプロイメント・プロシージャを実行して共有ファイル・システム上にOracle RACをデプロイする場合、ソフトウェア・バイナリは共有された場所にインストールされますが、構成はすべてのノード上で行われます。新規ノードを構成するには、「ワンクリックでクラスタ・データベース拡張」プロシージャを実行して、Oracle RACスタックを別のノードに拡張します。 |
この項では、Cloud Controlにより監視されるホストで実行中の既存のOracle RACインストールをクローニングする方法について説明します。
この項の内容は次のとおりです。
デプロイメント・プロシージャを実行する前に、次の前提条件を満たしている必要があります。
設計者に対する前提条件
第2章に示されている前提条件を満たしていることを確認します。
Solarisプラットフォーム上でOracle RAC 11gリリース1 (11.1.0.6)をクローニングする場合、クローニングする必要のあるOracleホームにパッチ番号6486988を適用します。
Oracle RACに必要なハードウェアおよびソフトウェアが、ターゲット・ホストに存在することを確認します。ハードウェア要件には、次の設定が含まれます。
プライベート・ネットワーク: 各ノードにネットワーク・インタフェース・カードがインストールされており、互いに接続されている必要があります。
ノード間の共有記憶域: 共有記憶域は、OCR、投票ディスクおよびデータファイルで必要です。
仮想IPがDNSで設定されていることを確認します。仮想IPをローカルに設定するように選択した場合は、デプロイメント・プロシージャを使用してIPアドレスを指定できます。この場合、プロシージャによって仮想IPが自動的に設定されます。
カスタム・テンプレートを使用してデータベースの構造を作成するには、テンプレート(.dbt
ファイル)を作成し、ターゲット・ホストからアクセスできる場所にこれを格納します。このファイルは、ターゲット・ホストに格納することも共有場所に格納することもできます。テンプレートの作成の詳細は、第4.3.8項「データベース・テンプレートの作成」を参照してください。
oracleおよびcrsuserなどのオペレーティング・システム・ユーザーが、クラスタのすべてのノードで使用可能であることを確認します。これらのユーザーはdbaおよびoinstallなどの関連するオペレーティング・システム・グループの一部である必要があります。
詳細は、次で使用可能な『Oracle Clusterwareインストレーション・ガイド』を参照してください。
オペレーティング・システム・ユーザーのユーザーIDとオペレーティング・システム・グループのグループIDが、クラスタのすべてのノードで同一であることを確認します。
オペレータに対する前提条件
NISベースのオペレーティング・システム・ユーザーは使用しないでください。
ターゲット・ホストでデプロイメント・プロシージャおよびそのコマンドを実行する権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーを使用していることを確認します。これを行う権限がない、つまり、ロックされたアカウントを使用している場合は、デプロイメント・プロシージャを別のユーザーとして実行できるように、または特別な権限を必要とする手順は無視できるように、管理者(設計者)にデプロイメント・プロシージャのカスタマイズを依頼します。カスタマイズの詳細は、第51章を参照してください。
ソース・ホストとターゲット・ホストの構成を比較し、両者の構成が同じであることを確認します。構成が異なる場合は、システム管理者に連絡し、不一致を修正してから、デプロイメント・プロシージャを実行します。
ホストの構成を比較するには、Cloud Controlで「ターゲット」、「ホスト」の順にクリックします。「ホスト」ページで、ソース・ホスト名をクリックしてその「ホーム」ページにアクセスし、「ホスト」メニューから、「構成」、「比較」の順にクリックします。
ソースの選択時に、sqlnet.ora
を「除外するファイル」に示されたファイルのリストから削除することを忘れないでください。
ターゲット・ホストのumask値が022であることを確認します。
既存のOracle RACインストールをクローニングするには、次の手順に従います。
「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」、「データベースのプロビジョニング」の順に選択します。
「データベースのプロビジョニング」ページで次のうちのいずれかを選択し、「起動」をクリックします。
デプロイメント・プロシージャをUNIXプラットフォームで実行するには、「Oracleクラスタウェアのプロビジョニング / UNIXとRDBMSバージョン10g/11g用のRAC」を選択します。
デプロイメント・プロシージャをMicrosoft Windowsプラットフォームで実行するには、「Oracleクラスタウェアのプロビジョニング / WindowsとRDBMSバージョン10g/11g用のRAC」を選択します。
デプロイメント・プロシージャの「ソースの選択」ページが表示されます。
「ソースの選択」ページで、次を実行します。
「ソースの選択」セクションで、「既存のインストールからの選択」を選択します。「参照ホスト」に対して懐中電灯アイコンをクリックして、既存のOracle RACインストールが実行しているホストを選択します。参照ホストを選択すると、アプリケーションは自動的に作業ディレクトリと選択したOracle ClusterwareおよびOracle Databaseの詳細を表示します。
選択したOracle ClusterwareおよびOracle Databaseをゴールド・イメージとしてソフトウェア・ライブラリに保存する場合、「ソフトウェア・ライブラリに保存」をクリックします。Oracle Clusterwareはクラスタウェア・クローン・コンポーネント・タイプとして、Oracle Databaseはデータベース・クローン・コンポーネント・タイプとして、それぞれ保存されます。
注意:
|
「次へ」をクリックします。
「ホストの選択」ページで、次を実行します。
「クラスタに含めるホスト」セクションで、Addをクリックし、クラスタを形成するターゲット・ホストを選択します。選択したホストの詳細を表示するには、「オプションの表示」をクリックします。
注意: 「追加」をクリックすると、「ターゲットの選択」ポップアップ・ウィンドウが表示されます。このページでは、デフォルトで「適切なホストを表示」オプションが選択されており、プロビジョニングに最適なホストのみが表に示されています。追加するホストが見つからない場合、「すべてのホストを表示」を選択して、全部のホストのリストを表示します。 |
デフォルトでは、「プライベート・ホスト名」および「仮想ホスト名」に自動的に値が事前に入力されています。これらを編集し、環境に合った値を指定します。オプションで、IPアドレスを指定することもできます。
これらの詳細をクラスタ構成ファイルに格納した場合、「ファイルからインポート」をクリックして、そのクラスタ構成ファイルを選択します。通常、このファイルには、追加される新しいホストの情報が含まれます。クラスタ構成ファイルの内容を理解するには、第9.5.2.1項「クラスタ構成ファイルのサンプル」を参照してください。
プライベートおよびパブリック・ネットワーク・インタフェースを構成するには、「インタフェースの選択」をクリックします。デフォルトでは、選択したターゲット・ホスト用の同じ名前とサブネットのあるインタフェースが表示されます。しかし、選択したターゲット・ホスト用のすべてのインタフェースを表示するように選択することもできます。既存のインタフェースのいずれかを選択することも、または使用したいインタフェースが存在しない場合は新しいインタフェースを指定することもできます。
「ネットワーク・インタフェース構成」セクションで、プライベートおよびパブリック・インタフェースの詳細を確認します。
「次へ」をクリックします。
「資格証明/スケジュール」ページで、次の手順を実行します。
「参照ホスト資格証明」セクションで、デフォルトの選択(「優先資格証明の使用」)を保持します。
注意: これらの優先資格証明をオプションでオーバーライドできます。ここで指定した資格証明は、プロビジョニング操作を実行するデプロイメント・プロシージャによって使用されます。この環境が安全であり、ロックされたアカウントがある場合は、次の点を確認してください。
詳細は、第51章を参照してください。 |
「ホスト資格証明」リストから、各Oracleホームごとに異なるオペレーティング・システム資格証明を使用する場合には「各Oracleホームごとに個別」を選択し、すべてのOracleホームで同じ資格証明を使用する場合には「すべてのOracleホームで同一」を選択します。選択に基づき、資格証明を指定します。ユーザーが同じグループ(dba/oinstall)に属していることを確認してください。
「ターゲット・ホスト資格証明」セクションで、手順6 (a)で説明したとおりに資格証明を入力します。
注意: ベンダー・クラスタウェアを使用している場合、root およびオペレーティング・システム・ユーザー(クラスタウェアや様々なOracleホームを所有しているoracle やcrsuser など)は、ベンダー・クラスタウェアによって規定されているオペレーティング・システム・グループに含まれている必要があります。
たとえば、High Availability Cluster Multiprocessing (HACMP)クラスタウェアをシステムで使用している場合、 詳細は、『Oracle ClusterwarおよびOracle Real Application Clustersインストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。 |
「スケジュール」セクションで、デプロイメント・プロシージャを即時または後で実行するようにスケジュールします。
「次へ」をクリックします。
「クラスタの構成」ページで、次を実行します。
「クラスタの名前と場所」セクションでは、OracleクラスタウェアおよびOracle RACデータベースで指定されているデフォルト名とロケーション詳細を確認します。デフォルト値の保持をお薦めしますが、編集してカスタム値を指定することもできます。
セキュリティ上の目的のため、クラスタウェア構成により、Oracleクラスタウェア・ホームとその親ディレクトリがrootに所有されるよう設定されます。このため、OracleクラスタウェアはOracle RACホームのOracleベース外部にインストールすることをお薦めします。
ここに表示されるデフォルトのクラスタ名は、クラスタに管理エージェントをデプロイする際にCloud Controlでエージェント・デプロイ・アプリケーションに指定したホスト・クラスタ名に基づいています。ここに表示されるスクラッチ場所は、Oracle RACをプロビジョニングおよび構成する前に一時ファイルを置く、ターゲット・ホスト上の一時的な場所です。
「追加パラメータ」には、Oracleクラスタウェアをインストールする際に実行する追加パラメータを指定します。たとえば、-debug
と指定します。
このプロビジョニング操作に使用できるOracle Universal Installer (OUI)パラメータはすべて指定可能です。このようなパラメータを使用して、データベースのインストール・タイプも変更できます。たとえば、INSTALL_TYPE=SE
と指定します。パラメータは必ず空白で区切ります。
注意:
|
「データベースの詳細」セクションでは、初期データベースの作成に使用するデフォルトの選択を保持します。
注意: デプロイメント・プロシージャでデータベース作成ステップが無効化されている場合、このセクションは表示されません。 |
汎用データベースを作成する場合は、このセクションのフィールドをすべて空白のままにします。それ以外の場合は、このステップで説明する詳細を指定します。
オプションが有効化されているカスタム・レスポンス・ファイルがある場合は、「レスポンス・ファイルを使用してデータベースを作成してください」を選択し、そのファイルのある場所への完全パスを指定します。ファイルはターゲット・ホスト、ターゲット・ホストからアクセス可能な共有の場所、ソフトウェア・ライブラリまたは既存のデータベースが実行されている場所にあります。
注意: ソフトウェア・ライブラリまたは既存のデータベースが実行されている場所から、.dbt テンプレート・ファイルを使用できます。ただし、ターゲット・ホストまたは共有の場所からは、すべてのテンプレート・ファイルを使用できます。 |
カスタム・レスポンス・ファイルがない場合は、「レスポンス・ファイルを使用しないでください」を選択し、グローバル・データベース名、資格証明、初期データベース作成時に実行する追加パラメータを指定します。
注意: 指定するデータベース名は、database_name.database_domainの形式にしてください。これには1から8までの英数字を使用します。たとえば、orcl.mydomain.comなどです。また、指定した資格証明は、SYS、SYSTEM、SYSMANおよびDBSNMPアカウントに使用されます。 |
既存のデータベースの構造を使用し、カスタム・テンプレートで新規データベースを構成する場合は、「データベースのテンプレート・ファイル」でテンプレート・ファイルを使用できる場所への完全パスを指定します。このファイルは、ターゲット・ホストまたはターゲット・ホストからアクセス可能な共有の場所にあります。
注意: レスポンス・ファイルとテンプレートを一元的な場所に保存しない場合は、常にデプロイメント・プロシージャをカスタマイズし、データベース作成の構成ツールを起動する前に、レスポンス・ファイルまたはテンプレートをターゲット・ホストにコピーする別のステップを追加できます。 |
「バックアップとリカバリの詳細」セクションでは、バックアップをとらない場合に「自動バックアップを使用しません」というデフォルトの選択を保持します。
一方、自動バックアップを有効にする場合は、「自動バックアップを使用します」を選択し、バックアップ・ファイルをリカバリするディレクトリの場所への完全パスを指定し、バックアップ・ジョブを実行するオペレーティング・システム資格証明を指定します。ファイルがバックアップされる場所とリカバリされる場所は同じであるため、リカバリ場所とバックアップ場所は同じになります。
「ASMインスタンスの詳細」セクション(ASMのデプロイを選択した場合にのみ表示されます)では、「ASMインスタンスの作成」というデフォルトの選択を保持し、資格証明、使用する追加ASMパラメータ、およびASMディスク文字列を指定します。
重要: Oracle Database 10gおよびOracle ASM 10gをプロビジョニングする場合は、ASMと同様に、データベースに同じパスワードを指定します。 |
カスタム・レスポンス・ファイルのオプションが有効化されている場合は、「レスポンス・ファイルを使用してASMデータベースを作成してください」を選択し、ファイルを使用できる場所への完全パスを指定します。このファイルは、ターゲット・ホストまたはターゲット・ホストからアクセス可能な共有の場所にあります。
レスポンス・ファイルを使用しない場合は、「レスポンス・ファイルを使用しないでください」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「記憶域」ページで、次を実行します。
「共有ストレージの構成」セクションで、ストレージ・デバイスの詳細を入力し、「次へ」をクリックします。パーティション名とマウント位置を指定し、マウント対象のフォーマットおよび、データを保存するストレージ・デバイスを選択します。パーティション名はデバイスをインストールする場所へのパスであり、マウント位置はパーティションの場所を表すマウント・ポイントです。
ストレージ・デバイスを構成する際には、少なくともOCR、投票ディスクおよびデータ・ファイルに使用するパーティションが必要です。複数のパーティションに同じストレージ・デバイスは指定できません。
OCRデバイスとOCRミラー・デバイスは別のパーティションに指定することをお薦めします。同様に、投票ディスク、投票ディスク1、投票ディスク2を異なるパーティションに指定することをお薦めします。
「次へ」をクリックする前に、次を実行してください。
- クラスタを作成および構成する前に、選択したRAWデバイスのデータをクリアする場合は、「RAWデバイスのクリア」を選択します。
- 少数のストレージ・デバイス用としてのみ構成してある場合は、プロビジョニングしないストレージ・デバイスに対して「ストレージをプロビジョニングしない」を選択します。
- 使用するASMディスク文字列を指定します。
「オプション」セクションでASM冗長性モードを選択します。デフォルトは「なし」で、7 GBの容量が必要です。「標準」では16 GB、「高」では32 GBの容量が必要です。
(オプション)「拡張構成」ページで、次を実行します。
注意: デプロイメント・プロシージャで構成ステップが無効化されている場合、このページは表示されません。 |
「結合インタフェース(プライベート相互接続)」セクションでは、結合インタフェースを構成する場合に「結合インタフェースの構成」を選択します。インタフェースをバインドするには、表9-2で説明している詳細を指定します。
「Sysctlファイル構成」セクションでは、sysctl.confファイルを構成する場合に「Sysctlの構成」を選択します。システム構成ファイルを編集するモード、およびカーネル・パラメータの編集に使用される参照システム構成ファイルの場所を指定します。
デフォルトのモードはappendです。ただし、変更する場合はedit、現在のsysctl.confファイルを置換する場合はreplaceを選択できます。
指定した参照ファイルは、Oracle Management Serviceからアクセス可能な共有場所で使用できる必要があります。
「確認」ページで、Oracle RACをプロビジョニングするために指定した詳細を確認し、「発行」をクリックします。入力した詳細がこのページにない場合、付録F「問題のトラブルシューティング」で説明している回避策を参照してください。
デプロイメント・プロシージャが正常に終了した後、構成情報を収集するようにデータベースをインストゥルメント化します。
この項では、Oracle RACのゴールド・イメージをプロビジョニングする方法について説明します。
注意: RACデータベースのOracleホームを使用して作成したゴールド・イメージを使用することを確認します。スタンドアロン・データベースのOracleホーム・ディレクトリを使用して作成したゴールド・イメージは使用できません。 |
この項の内容は次のとおりです。
デプロイメント・プロシージャを実行する前に、次の前提条件を満たしている必要があります。
設計者に対する前提条件
第2章に示されている前提条件を満たしていることを確認します。
既存のOracle RACデータベースおよびOracle Grid Infrastructureのゴールド・イメージを作成することを確認します。
ゴールド・イメージの作成方法を理解するには、第4.3項「データベース・プロビジョニングの設定」を参照してください。
Oracle RACに必要なハードウェアおよびソフトウェアが、ターゲット・ホストに存在することを確認します。ハードウェア要件には、次の設定が含まれます。
プライベート・ネットワーク: 各ノードにネットワーク・インタフェース・カードがインストールされており、互いに接続されている必要があります。
ノード間の共有記憶域: 共有記憶域は、OCR、投票ディスクおよびデータファイルで必要です。
仮想IPがDNSで設定されていることを確認します。仮想IPをローカルに設定するように選択した場合は、デプロイメント・プロシージャを使用してIPアドレスを指定できます。この場合、プロシージャによって仮想IPが自動的に設定されます。
カスタム・テンプレートを使用してデータベースの構造を作成するには、テンプレート(.dbt
ファイル)を作成し、ターゲット・ホストからアクセスできる場所にこれを格納します。このファイルは、ターゲット・ホストに格納することも共有場所に格納することもできます。
テンプレートが作成され、データベースの作成に使用される方法を理解するには、第4.3.8項「データベース・テンプレートの作成」を参照してください。
oracleおよびcrsuserなどのオペレーティング・システム・ユーザーが、クラスタのすべてのノードで使用可能であることを確認します。これらのユーザーはdbaおよびoinstallなどの関連するオペレーティング・システム・グループの一部である必要があります。
詳細は、次で使用可能な『Oracle Clusterwareインストレーション・ガイド』を参照してください。
オペレーティング・システム・ユーザーのユーザーIDとオペレーティング・システム・グループのグループIDが、クラスタのすべてのノードで同一であることを確認します。
オペレータに対する前提条件
NISベースのオペレーティング・システム・ユーザーは使用しないでください。
ターゲット・ホストでデプロイメント・プロシージャおよびそのコマンドを実行する権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーを使用していることを確認します。これを行う権限がない、つまり、ロックされたアカウントを使用している場合は、デプロイメント・プロシージャを別のユーザーとして実行できるように、または特別な権限を必要とする手順は無視できるように、管理者(設計者)にデプロイメント・プロシージャのカスタマイズを依頼します。カスタマイズの詳細は、第51章を参照してください。
ソースの選択時に、sqlnet.ora
を「除外するファイル」に示されたファイルのリストから削除することを忘れないでください。
ターゲット・ホストのumask値が022であることを確認します。
Oracle RACインストールのゴールド・イメージをプロビジョニングするには、次の手順に従います。
「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」、「データベースのプロビジョニング」の順に選択します。
「データベースのプロビジョニング」ページで次のうちのいずれかを選択し、「起動」をクリックします。
デプロイメント・プロシージャをUNIXプラットフォームで実行するには、「Oracleクラスタウェアのプロビジョニング / UNIXとRDBMSバージョン10g/11g用のRAC」を選択します。
デプロイメント・プロシージャをMicrosoft Windowsプラットフォームで実行するには、「Oracleクラスタウェアのプロビジョニング / WindowsとRDBMSバージョン10g/11g用のRAC」を選択します。
デプロイメント・プロシージャの「ソースの選択」ページが表示されます。
「ソースの選択」ページで、次を実行します。
「ソースの選択」セクションで、「ソフトウェア・ライブラリからの選択」を選択します。
「クラスタウェアのソース」セクションで、懐中電灯アイコンをクリックし、Oracle Clusterwareのゴールド・イメージを含む汎用コンポーネントを選択します。「準備完了」のコンポーネントのみを選択してください。コンポーネント名を選択すると、コンポーネントの場所にアプリケーションが自動的に表示されます。
「RACのソース」セクションで、懐中電灯アイコンをクリックし、Oracle Databaseのゴールド・イメージを含む汎用コンポーネントを選択します。「準備完了」のコンポーネントのみを選択してください。コンポーネント名を選択すると、コンポーネントの場所にアプリケーションが自動的に表示されます。
(オプション)「ASMのソース」セクションで、次のいずれかを実行します。
ASMをデプロイしない場合は、デフォルトで選択されている「ASMをプロビジョニングしない」を保持します。
Oracle RACと同じOracleホームにASMをデプロイする場合、RACホームと同じソースを使用を選択します。または、「コンポーネントの選択」を選択し、ソフトウェア・ライブラリからASMコンポーネントをアップロードします。
「次へ」をクリックします。
「ホストの選択」ページで、次を実行します。
「クラスタに含めるホスト」セクションで、Addをクリックし、クラスタを形成するターゲット・ホストを選択します。選択したホストの詳細を表示するには、「オプションの表示」をクリックします。
注意: 「追加」をクリックすると、「ターゲットの選択」ポップアップ・ウィンドウが表示されます。このページでは、デフォルトで「適切なホストを表示」オプションが選択されており、プロビジョニングに最適なホストのみが表に示されています。追加するホストが見つからない場合、「すべてのホストを表示」を選択して、全部のホストのリストを表示します。 |
デフォルトでは、「プライベート・ホスト名」および「仮想ホスト名」に自動的に値が事前に入力されています。これらを編集し、環境に合った値を指定します。オプションで、IPアドレスを指定することもできます。
これらの詳細をクラスタ構成ファイルに格納した場合、「ファイルからインポート」をクリックして、そのクラスタ構成ファイルを選択します。通常、このファイルには、追加される新しいホストの情報が含まれます。クラスタ構成ファイルの内容を理解するには、第9.5.2.1項に示すサンプル・ファイルを参照してください。
プライベートおよびパブリック・ネットワーク・インタフェースを構成するには、「インタフェースの選択」をクリックします。デフォルトでは、選択したターゲット・ホスト用の同じ名前とサブネットのあるインタフェースが表示されます。しかし、選択したターゲット・ホスト用のすべてのインタフェースを表示するように選択することもできます。既存のインタフェースのいずれかを選択することも、または使用したいインタフェースが存在しない場合は新しいインタフェースを指定することもできます。
「ネットワーク・インタフェース構成」セクションで、プライベートおよびパブリック・インタフェースの詳細を確認します。
「次へ」をクリックします。
「資格証明/スケジュール」ページで、次の手順を実行します。
「ターゲット・ホスト資格証明」セクションで、デフォルトの選択(「優先資格証明の使用」)を保持します。
注意: これらの優先資格証明をオプションでオーバーライドできます。ここで指定した資格証明は、プロビジョニング操作を実行するデプロイメント・プロシージャによって使用されます。この環境が安全であり、ロックされたアカウントがある場合は、次の点を確認してください。
詳細は、第51章を参照してください。 |
「ホスト資格証明」リストから、各Oracleホームごとに異なるオペレーティング・システム資格証明を使用する場合には「各Oracleホームごとに個別」を選択し、すべてのOracleホームで同じ資格証明を使用する場合には「すべてのOracleホームで同一」を選択します。選択に基づき、資格証明を指定します。ユーザーが同じグループ(dba/oinstall)に属していることを確認してください。
注意: ベンダー・クラスタウェアを使用している場合、root およびオペレーティング・システム・ユーザー(クラスタウェアや様々なOracleホームを所有しているoracle やcrsuser など)は、ベンダー・クラスタウェアによって規定されているオペレーティング・システム・グループに含まれている必要があります。
たとえば、High Availability Cluster Multiprocessing (HACMP)クラスタウェアをシステムで使用している場合、 詳細は、『Oracle ClusterwarおよびOracle Real Application Clustersインストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。 |
「スケジュール」セクションで、デプロイメント・プロシージャを即時または後で実行するようにスケジュールします。
「次へ」をクリックします。
「クラスタの構成」ページで、次を実行します。
「クラスタの名前と場所」セクションでは、OracleクラスタウェアおよびOracle RACデータベースで指定されているデフォルト名とロケーション詳細を確認します。デフォルト値の保持をお薦めしますが、編集してカスタム値を指定することもできます。
セキュリティ上の目的のため、クラスタウェア構成により、Oracleクラスタウェア・ホームとその親ディレクトリがrootに所有されるよう設定されます。このため、OracleクラスタウェアはOracle RACホームのOracleベース外部にインストールすることをお薦めします。
ここに表示されるデフォルトのクラスタ名は、クラスタに管理エージェントをデプロイする際にCloud Controlでエージェント・デプロイ・アプリケーションに指定したホスト・クラスタ名に基づいています。ここに表示されるスクラッチ場所は、Oracle RACをプロビジョニングおよび構成する前に一時ファイルを置く、ターゲット・ホスト上の一時的な場所です。
「追加パラメータ」には、Oracleクラスタウェアをインストールする際に実行する追加パラメータを指定します。たとえば、-debug
と指定します。
このプロビジョニング操作に使用できるOracle Universal Installer (OUI)パラメータはすべて指定可能です。このようなパラメータを使用して、データベースのインストール・タイプも変更できます。たとえば、INSTALL_TYPE=SE
と指定します。パラメータは必ず空白で区切ります。
「データベースの詳細」セクションでは、初期データベースの作成に使用するデフォルトの選択を保持します。
注意: デプロイメント・プロシージャでデータベース作成ステップが無効化されている場合、このセクションは表示されません。 |
汎用データベースを作成する場合は、このセクションのフィールドをすべて空白のままにします。それ以外の場合は、このステップで説明する詳細を指定します。
オプションが有効化されているカスタム・レスポンス・ファイルがある場合は、「レスポンス・ファイルを使用してデータベースを作成してください」を選択し、そのファイルのある場所への完全パスを指定します。ファイルはターゲット・ホスト、ターゲット・ホストからアクセス可能な共有の場所、ソフトウェア・ライブラリまたは既存のデータベースが実行されている場所にあります。
注意: ソフトウェア・ライブラリまたは既存のデータベースが実行されている場所から、.dbt テンプレート・ファイルを使用できます。ただし、ターゲット・ホストまたは共有の場所からは、すべてのテンプレート・ファイルを使用できます。 |
カスタム・レスポンス・ファイルがない場合は、「レスポンス・ファイルを使用しないでください」を選択し、グローバル・データベース名、資格証明、初期データベース作成時に実行する追加パラメータを指定します。
注意: 指定するデータベース名は、database_name.database_domainの形式にしてください。これには1から8までの英数字を使用します。たとえば、orcl.mydomain.comなどです。また、指定した資格証明は、SYS、SYSTEM、SYSMANおよびDBSNMPアカウントに使用されます。 |
既存のデータベースの構造を使用し、カスタム・テンプレートで新規データベースを構成する場合は、「データベースのテンプレート・ファイル」でテンプレート・ファイルを使用できる場所への完全パスを指定します。このファイルは、ターゲット・ホストまたはターゲット・ホストからアクセス可能な共有の場所にあります。
注意: レスポンス・ファイルとテンプレートを一元的な場所に保存しない場合は、常にデプロイメント・プロシージャをカスタマイズし、データベース作成の構成ツールを起動する前に、レスポンス・ファイルまたはテンプレートをターゲット・ホストにコピーする別のステップを追加できます。 |
「バックアップとリカバリの詳細」セクションでは、バックアップをとらない場合に「自動バックアップを使用しません」というデフォルトの選択を保持します。
一方、自動バックアップを有効にする場合は、「自動バックアップを使用します」を選択し、バックアップ・ファイルをリカバリするディレクトリの場所への完全パスを指定し、バックアップ・ジョブを実行するオペレーティング・システム資格証明を指定します。ファイルがバックアップされる場所とリカバリされる場所は同じであるため、リカバリ場所とバックアップ場所は同じになります。
「ASMインスタンスの詳細」セクション(ASMのデプロイを選択した場合にのみ表示されます)では、「ASMインスタンスの作成」というデフォルトの選択を保持し、資格証明、使用する追加ASMパラメータ、およびASMディスク文字列を指定します。
重要: Oracle Database 10gおよびOracle ASM 10gをプロビジョニングする場合は、ASMと同様に、データベースに同じパスワードを指定します。 |
カスタム・レスポンス・ファイルのオプションが有効化されている場合は、「レスポンス・ファイルを使用してASMデータベースを作成してください」を選択し、ファイルを使用できる場所への完全パスを指定します。このファイルは、ターゲット・ホストまたはターゲット・ホストからアクセス可能な共有の場所にあります。
レスポンス・ファイルを使用しない場合は、「レスポンス・ファイルを使用しないでください」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「記憶域」ページで、次を実行します。
「共有ストレージの構成」セクションで、ストレージ・デバイスの詳細を入力し、「次へ」をクリックします。パーティション名とマウント位置を指定し、マウント対象のフォーマットおよび、データを保存するストレージ・デバイスを選択します。パーティション名はデバイスをインストールする場所へのパスであり、マウント位置はパーティションの場所を表すマウント・ポイントです。
ストレージ・デバイスを構成する際には、少なくともOCR、投票ディスクおよびデータ・ファイルに使用するパーティションが必要です。複数のパーティションに同じストレージ・デバイスは指定できません。
OCRデバイスとOCRミラー・デバイスは別のパーティションに指定することをお薦めします。同様に、投票ディスク、投票ディスク1、投票ディスク2を異なるパーティションに指定することをお薦めします。
「次へ」をクリックする前に、次を実行してください。
- クラスタを作成および構成する前に、選択したRAWデバイスのデータをクリアする場合は、「RAWデバイスのクリア」を選択します。
- 少数のストレージ・デバイス用としてのみ構成してある場合は、プロビジョニングしないストレージ・デバイスに対して「ストレージをプロビジョニングしない」を選択します。
- 使用するASMディスク文字列を指定します。
「オプション」セクションでASM冗長性モードを選択します。デフォルトは「なし」で、7 GBの容量が必要です。「標準」では16 GB、「高」では32 GBの容量が必要です。
(オプション)「構成」ページで、次を実行します。
注意: デプロイメント・プロシージャで構成ステップが無効化されている場合、このページは表示されません。 |
「結合インタフェース(プライベート相互接続)」セクションでは、結合インタフェースを構成する場合に「結合インタフェースの構成」を選択します。インタフェースをバインドするには、表9-2で説明している詳細を指定します。
「Sysctlファイル構成」セクションでは、sysctl.confファイルを構成する場合に「Sysctlの構成」を選択します。システム構成ファイルを編集するモード、およびカーネル・パラメータの編集に使用される参照システム構成ファイルの場所を指定します。
デフォルトのモードはappendです。ただし、変更する場合はedit、現在のsysctl.confファイルを置換する場合はreplaceを選択できます。
指定した参照ファイルは、Oracle Management Serviceからアクセス可能な共有場所で使用できる必要があります。
「確認」ページで、Oracle RACをプロビジョニングするために指定した詳細を確認し、「発行」をクリックします。入力した詳細がこのページにない場合、付録Fで説明している回避策を参照してください。
デプロイメント・プロシージャが正常に終了した後、構成情報を収集するようにデータベースをインストゥルメント化します。
この項では、インストール・メディアで使用可能なものと同じOracle RACをプロビジョニングする方法について説明します。
この項の内容は次のとおりです。
アーカイブ・ソフトウェア・バイナリを使用してOracle Real Application Clustersをプロビジョニングするための前提条件
アーカイブ・ソフトウェア・バイナリを使用してOracle Real Application Clustersをプロビジョニングする手順
デプロイメント・プロシージャを実行する前に、次の前提条件を満たしている必要があります。
設計者に対する前提条件
第9章で説明している前提条件を必ず満たしてください。
既存のOracle RACデータベースおよびOracle Grid Infrastructureのソフトウェア・バイナリをソフトウェア・ライブラリにアップロードすることを確認してください。
Oracle RACに必要なハードウェアおよびソフトウェアが、ターゲット・ホストに存在することを確認します。ハードウェア要件には、次の設定が含まれます。
プライベート・ネットワーク: 各ノードにネットワーク・インタフェース・カードがインストールされており、互いに接続されている必要があります。
ノード間の共有記憶域: 共有記憶域は、OCR、投票ディスクおよびデータファイルで必要です。
仮想IPがDNSで設定されていることを確認します。仮想IPをローカルに設定するように選択した場合は、デプロイメント・プロシージャを使用してIPアドレスを指定できます。この場合、プロシージャによって仮想IPが自動的に設定されます。
カスタム・テンプレートを使用してデータベースの構造を作成するには、テンプレート(.dbt
ファイル)を作成し、ターゲット・ホストからアクセスできる場所にこれを格納します。このファイルは、ターゲット・ホストに格納することも共有場所に格納することもできます。
どのようにテンプレートが作成され、データベースの作成に使用されるかを理解するには、第4.3.8項を参照してください。
oracleおよびcrsuserなどのオペレーティング・システム・ユーザーが、クラスタのすべてのノードで使用可能であることを確認します。これらのユーザーはdbaおよびoinstallなどの関連するオペレーティング・システム・グループの一部である必要があります。
詳細は、次で使用可能な『Oracle Clusterwareインストレーション・ガイド』を参照してください。
オペレーティング・システム・ユーザーのユーザーIDとオペレーティング・システム・グループのグループIDが、クラスタのすべてのノードで同一であることを確認します。
オペレータに対する前提条件
NISベースのオペレーティング・システム・ユーザーは使用しないでください。
ターゲット・ホストでデプロイメント・プロシージャおよびそのコマンドを実行する権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーを使用していることを確認します。これを行う権限がない、つまり、ロックされたアカウントを使用している場合は、デプロイメント・プロシージャを別のユーザーとして実行できるように、または特別な権限を必要とする手順は無視できるように、管理者(設計者)にデプロイメント・プロシージャのカスタマイズを依頼します。カスタマイズの詳細は、第51章を参照してください。
ターゲット・ホストのumask値が022であることを確認します。
新しいOracle RACインストールをプロビジョニングするには、次の手順に従います。
「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」、「データベースのプロビジョニング」を選択します。
「データベースのプロビジョニング」ページで次のうちのいずれかを選択し、「起動」をクリックします。
デプロイメント・プロシージャをUNIXプラットフォームで実行するには、「Oracleクラスタウェアのプロビジョニング / UNIXとRDBMSバージョン10g/11g用のRAC」を選択します。
デプロイメント・プロシージャをMicrosoft Windowsプラットフォームで実行するには、「Oracleクラスタウェアのプロビジョニング / WindowsとRDBMSバージョン10g/11g用のRAC」を選択します。
デプロイメント・プロシージャの「ソースの選択」ページが表示されます。
「ソースの選択」ページで、次を実行します。
「ソースの選択」セクションで、「ソフトウェア・ライブラリからの選択」を選択します。
「クラスタウェアのソース」セクションで、懐中電灯アイコンをクリックし、Oracle Clusterwareのソフトウェア・バイナリを含む汎用コンポーネントを選択します。「準備完了」のコンポーネントのみを選択してください。コンポーネント名を選択すると、コンポーネントの場所にアプリケーションが自動的に表示されます。
「RACのソース」セクションで、懐中電灯アイコンをクリックし、Oracle Databaseのソフトウェア・バイナリを含む汎用コンポーネントを選択します。「準備完了」のコンポーネントのみを選択してください。コンポーネント名を選択すると、コンポーネントの場所にアプリケーションが自動的に表示されます。
(オプション)「ASMのソース」セクションで、次のいずれかを実行します。
ASMをデプロイしない場合は、デフォルトで選択されている「ASMをプロビジョニングしない」を保持します。
Oracle RACと同じOracleホームにASMをデプロイする場合、RACホームと同じソースを使用を選択します。または、「コンポーネントの選択」を選択し、ソフトウェア・ライブラリからASMコンポーネントをアップロードします。
「次へ」をクリックします。
「ホストの選択」ページで、次を実行します。
「クラスタに含めるホスト」セクションで、Addをクリックし、クラスタを形成するターゲット・ホストを選択します。選択したホストの詳細を表示するには、「オプションの表示」をクリックします。
注意: 「追加」をクリックすると、「ターゲットの選択」ポップアップ・ウィンドウが表示されます。このページでは、デフォルトで「適切なホストを表示」オプションが選択されており、プロビジョニングに最適なホストのみが表に示されています。追加するホストが見つからない場合、「すべてのホストを表示」を選択して、全部のホストのリストを表示します。 |
デフォルトでは、「プライベート・ホスト名」および「仮想ホスト名」に自動的に値が事前に入力されています。これらを編集し、環境に合った値を指定します。オプションで、IPアドレスを指定することもできます。
これらの詳細をクラスタ構成ファイルに格納した場合、「ファイルからインポート」をクリックして、そのクラスタ構成ファイルを選択します。通常、このファイルには、追加される新しいホストの情報が含まれます。クラスタ構成ファイルの内容を理解するには、第9.5.2.1項に示すサンプル・ファイルを参照してください。
プライベートおよびパブリック・ネットワーク・インタフェースを構成するには、「インタフェースの選択」をクリックします。デフォルトでは、選択したターゲット・ホスト用の同じ名前とサブネットのあるインタフェースが表示されます。しかし、選択したターゲット・ホスト用のすべてのインタフェースを表示するように選択することもできます。既存のインタフェースのいずれかを選択することも、または使用したいインタフェースが存在しない場合は新しいインタフェースを指定することもできます。
「ネットワーク・インタフェース構成」セクションで、プライベートおよびパブリック・インタフェースの詳細を確認します。
「次へ」をクリックします。
「資格証明/スケジュール」ページで、次の手順を実行します。
「ターゲット・ホスト資格証明」セクションで、デフォルトの選択(「優先資格証明の使用」)を保持します。
注意: これらの優先資格証明をオプションでオーバーライドできます。ここで指定した資格証明は、プロビジョニング操作を実行するデプロイメント・プロシージャによって使用されます。この環境が安全であり、ロックされたアカウントがある場合は、次の点を確認してください。
詳細は、第51章を参照してください。 |
「ホスト資格証明」リストから、各Oracleホームごとに異なるオペレーティング・システム資格証明を使用する場合には「各Oracleホームごとに個別」を選択し、すべてのOracleホームで同じ資格証明を使用する場合には「すべてのOracleホームで同一」を選択します。選択に基づき、資格証明を指定します。ユーザーが同じグループ(dba/oinstall)に属していることを確認してください。
注意: ベンダー・クラスタウェアを使用している場合、root およびオペレーティング・システム・ユーザー(クラスタウェアや様々なOracleホームを所有しているoracle やcrsuser など)は、ベンダー・クラスタウェアによって規定されているオペレーティング・システム・グループに含まれている必要があります。
たとえば、High Availability Cluster Multiprocessing (HACMP)クラスタウェアをシステムで使用している場合、 詳細は、『Oracle ClusterwarおよびOracle Real Application Clustersインストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。 |
「スケジュール」セクションで、デプロイメント・プロシージャを即時または後で実行するようにスケジュールします。
「次へ」をクリックします。
「クラスタの構成」ページで、次を実行します。
「クラスタの名前と場所」セクションでは、OracleクラスタウェアおよびOracle RACデータベースで指定されているデフォルト名とロケーション詳細を確認します。デフォルト値の保持をお薦めしますが、編集してカスタム値を指定することもできます。
セキュリティ上の目的のため、クラスタウェア構成により、Oracleクラスタウェア・ホームとその親ディレクトリがrootに所有されるよう設定されます。このため、OracleクラスタウェアはOracle RACホームのOracleベース外部にインストールすることをお薦めします。
ここに表示されるデフォルトのクラスタ名は、クラスタに管理エージェントをデプロイする際にCloud Controlでエージェント・デプロイ・アプリケーションに指定したホスト・クラスタ名に基づいています。ここに表示されるスクラッチ場所は、Oracle RACをプロビジョニングおよび構成する前に一時ファイルを置く、ターゲット・ホスト上の一時的な場所です。
「追加パラメータ」には、Oracleクラスタウェアをインストールする際に実行する追加パラメータを指定します。たとえば、-debug
と指定します。
このプロビジョニング操作に使用できるOracle Universal Installer (OUI)パラメータはすべて指定可能です。このようなパラメータを使用して、データベースのインストール・タイプも変更できます。たとえば、INSTALL_TYPE=SE
と指定します。パラメータは必ず空白で区切ります。
「データベースの詳細」セクションでは、初期データベースの作成に使用するデフォルトの選択を保持します。
注意: デプロイメント・プロシージャでデータベース作成ステップが無効化されている場合、このセクションは表示されません。 |
汎用データベースを作成する場合は、このセクションのフィールドをすべて空白のままにします。それ以外の場合は、このステップで説明する詳細を指定します。
オプションが有効化されているカスタム・レスポンス・ファイルがある場合は、「レスポンス・ファイルを使用してデータベースを作成してください」を選択し、そのファイルのある場所への完全パスを指定します。ファイルはターゲット・ホスト、ターゲット・ホストからアクセス可能な共有の場所、ソフトウェア・ライブラリまたは既存のデータベースが実行されている場所にあります。
注意: ソフトウェア・ライブラリまたは既存のデータベースが実行されている場所から、.dbt テンプレート・ファイルを使用できます。ただし、ターゲット・ホストまたは共有の場所からは、すべてのテンプレート・ファイルを使用できます。 |
カスタム・レスポンス・ファイルがない場合は、「レスポンス・ファイルを使用しないでください」を選択し、グローバル・データベース名、資格証明、初期データベース作成時に実行する追加パラメータを指定します。
注意: 指定するデータベース名は、database_name.database_domainの形式にしてください。これには1から8までの英数字を使用します。たとえば、orcl.mydomain.comなどです。また、指定した資格証明は、SYS、SYSTEM、SYSMANおよびDBSNMPアカウントに使用されます。 |
既存のデータベースの構造を使用し、カスタム・テンプレートで新規データベースを構成する場合は、「データベースのテンプレート・ファイル」でテンプレート・ファイルを使用できる場所への完全パスを指定します。このファイルは、ターゲット・ホストまたはターゲット・ホストからアクセス可能な共有の場所にあります。
注意: レスポンス・ファイルとテンプレートを一元的な場所に保存しない場合は、常にデプロイメント・プロシージャをカスタマイズし、データベース作成の構成ツールを起動する前に、レスポンス・ファイルまたはテンプレートをターゲット・ホストにコピーする別のステップを追加できます。 |
「バックアップとリカバリの詳細」セクションでは、バックアップをとらない場合に「自動バックアップを使用しません」というデフォルトの選択を保持します。
一方、自動バックアップを有効にする場合は、「自動バックアップを使用します」を選択し、バックアップ・ファイルをリカバリするディレクトリの場所への完全パスを指定し、バックアップ・ジョブを実行するオペレーティング・システム資格証明を指定します。ファイルがバックアップされる場所とリカバリされる場所は同じであるため、リカバリ場所とバックアップ場所は同じになります。
「ASMインスタンスの詳細」セクション(ASMのデプロイを選択した場合にのみ表示されます)では、「ASMインスタンスの作成」というデフォルトの選択を保持し、資格証明、使用する追加ASMパラメータ、およびASMディスク文字列を指定します。
重要: Oracle Database 10gおよびOracle ASM 10gをプロビジョニングする場合は、ASMと同様に、データベースに同じパスワードを指定します。 |
カスタム・レスポンス・ファイルのオプションが有効化されている場合は、「レスポンス・ファイルを使用してASMデータベースを作成してください」を選択し、ファイルを使用できる場所への完全パスを指定します。このファイルは、ターゲット・ホストまたはターゲット・ホストからアクセス可能な共有の場所にあります。
レスポンス・ファイルを使用しない場合は、「レスポンス・ファイルを使用しないでください」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「記憶域」ページで、次を実行します。
「共有ストレージの構成」セクションで、ストレージ・デバイスの詳細を入力し、「次へ」をクリックします。パーティション名とマウント位置を指定し、マウント対象のフォーマットおよび、データを保存するストレージ・デバイスを選択します。パーティション名はデバイスをインストールする場所へのパスであり、マウント位置はパーティションの場所を表すマウント・ポイントです。
ストレージ・デバイスを構成する際には、少なくともOCR、投票ディスクおよびデータ・ファイルに使用するパーティションが必要です。複数のパーティションに同じストレージ・デバイスは指定できません。
OCRデバイスとOCRミラー・デバイスは別のパーティションに指定することをお薦めします。同様に、投票ディスク、投票ディスク1、投票ディスク2を異なるパーティションに指定することをお薦めします。
「次へ」をクリックする前に、次を実行してください。
- クラスタを作成および構成する前に、選択したRAWデバイスのデータをクリアする場合は、「RAWデバイスのクリア」を選択します。
- 少数のストレージ・デバイス用としてのみ構成してある場合は、プロビジョニングしないストレージ・デバイスに対して「ストレージをプロビジョニングしない」を選択します。
- 使用するASMディスク文字列を指定します。
「オプション」セクションでASM冗長性モードを選択します。デフォルトは「なし」で、7 GBの容量が必要です。「標準」では16 GB、「高」では32 GBの容量が必要です。
(オプション)「構成」ページで、次を実行します。
注意: デプロイメント・プロシージャで構成ステップが無効化されている場合、このページは表示されません。 |
「結合インタフェース(プライベート相互接続)」セクションでは、結合インタフェースを構成する場合に「結合インタフェースの構成」を選択します。インタフェースをバインドするには、表9-2で説明している詳細を指定します。
「Sysctlファイル構成」セクションでは、sysctl.confファイルを構成する場合に「Sysctlの構成」を選択します。システム構成ファイルを編集するモード、およびカーネル・パラメータの編集に使用される参照システム構成ファイルの場所を指定します。
デフォルトのモードはappendです。ただし、変更する場合はedit、現在のsysctl.confファイルを置換する場合はreplaceを選択できます。
指定した参照ファイルは、Oracle Management Serviceからアクセス可能な共有場所で使用できる必要があります。
「確認」ページで、Oracle RACをプロビジョニングするために指定した詳細を確認し、「発行」をクリックします。入力した詳細がこのページにない場合、付録F「問題のトラブルシューティング」で説明している回避策を参照してください。
デプロイメント・プロシージャが正常に終了した後、構成情報を収集するようにデータベースをインストゥルメント化します。
表9-2 「構成」ページ - 「要素の説明」
要素 | 説明 |
---|---|
結合デバイス名 |
作成する結合名を指定します。たとえば、bond0などです。 |
サブネット・マスク |
IPアドレスのサブネット・マスクを指定します。たとえば、255.255.255.0などです。 |
デフォルトのゲートウェイ |
結合デバイスのデフォルト・ゲートウェイを指定します。たとえば、10.1.2.3などです。 |
DNSサーバー |
結合デバイスのドメイン・ネーム・サーバー(DNS)のリストを指定します。DNSサーバーが複数ある場合は、値をカンマで区切る必要があります。デフォルト値は、/etc/resolv.confファイルから取得されます。ここで指定するエントリが追加されます。 |
スレーブ・デバイス・リスト |
結合デバイスのスレーブ・デバイスのリストを指定します。複数のスレーブ・デバイスの場合、値をカンマで区切る必要があります。たとえば、eth1,eth2,eth3などです。 |
結合モード |
結合モジュールに適用可能な4つのポリシーの1つを指定します。このパラメータに使用可能な値は、次のとおりです。
|
ドメイン名 |
割り当てられたホスト名のドメイン名を指定します。たとえば、foo.comなどです。 |
プライマリ・スレーブ・デバイス |
プライマリ・デバイスのインタフェース名(eth0など)を指定します。プライマリ・デバイスは最初に使用される結合インタフェースで、停止するまで中止されません。この設定は、結合インタフェースの1つのNICが他より高速で、処理できる負荷の量が大きい場合に特に便利です。この設定は、結合インタフェースがアクティブ・バックアップ・モードの場合にのみ有効です。 |
ARP間隔 |
ARP監視を実行する頻度を指定します(ミリ秒単位)。モードが0または2 (2つのロード・バランシング・モード)の際にこの設定を使用する場合には、NIC全体に均一にパケットを配布するためにネットワーク・スイッチを構成する必要があります。値はデフォルトで、これを無効化する0に設定されています。 |
MII間隔 |
MIIリンクの監視を実行する頻度を指定します(ミリ秒単位)。MIIを使用して、NICがアクティブであることおよび特定のNIC用のドライバでMIIツールがサポートされていることを検証するために高可用性が要求される場合に便利です。高可用性を実現するために結合インタフェースを使用している場合には、各NICのモジュールでMIIをサポートする必要があります。値を0 (デフォルト)に設定すると、この機能は無効化されます。この設定を構成する場合、このパラメータを100に設定することをお薦めします。 |
MII間隔ダウン遅延 |
リンク障害後にリンクを無効化するまでに待機する期間を指定します(ミリ秒単位)。値は、miimonパラメータで指定した値の倍数である必要があります。値はデフォルトで、これを無効化する0に設定されています。 |
MII間隔アップ遅延 |
リンクを有効化するまでに待機する期間を指定します(ミリ秒単位)。値は、miimonパラメータで指定した値の倍数である必要があります。値はデフォルトで、これを無効化する0に設定されています。 |
NTPサーバー |
割り当てられたホスト名のNTPサーバーを指定します。たとえば、1.2.3.4などです。 |
一般的なクラスタ構成ファイルの内容は次のとおりです。
# Cluster Configuration file # Node information
# Public Node Name
|
Private Node Name
|
Private IP (Optional)
|
Virtual Host Name
|
Virtual IP (Optional)
|
node1.domain.com |
node1-priv.domain.com |
- |
node1-vip.domain.com |
- |
node2.domain.com |
node2-priv.domain.com |
10.2.109.103 |
node2-vip.domain.com |
134.2.109.103 |
Oracle RACデータベースのプロビジョニングでは、非root資格証明がサポートされています。この機能を使用するには、次の手順を実行します。
「OSユーザーの指定」ページで、「優先資格証明の上書き」を指定します。表示された「OSユーザーの指定」ダイアログ・ボックスで、通常の名前の資格証明を作成して、「実行権限」を「なし」に設定します。「OK」をクリックします。
通常ユーザーと特権ユーザーの両方に対して、通常の名前の新しい資格証明を選択します。
「送信」をクリックします。
データベースのプロビジョニング・プロセスがroot資格証明を必要とするステップに到達したら、プロセスが停止します。この場合、コマンドラインを手動で実行する必要があります。これを実行するには、環境を$AGENT_HOME,
に設定し、次の3つのステップで「方法」フィールドからコマンドラインのコピーを実行します。
修正の手動による実行
rootスクリプトの手動による実行(CRSインストール・フェーズ時)
rootスクリプトの手動による実行(RACデータベースのインストール・フェーズ時)
各ステップでrootユーザーを使用してコマンドラインを手動で実行したら、「確認」をクリックします。これで、データベースのプロビジョニング・プロセスが、完了するまで続行されます。