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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド
12cリリース2 (12.1.0.2)
B65086-07
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3 使用の開始

この章では、Enterprise Manager 12cリリース1 (12.1.0.1)を12cリリース2 (12.1.0.2)にアップグレードするための高度なプロセスについて説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。


警告:

旧リリースからの2システム・アップグレードが進行中の間はEnterprise Manager Cloud Control 12cリリース1 (12.1.0.1)をアップグレードしないでください。アップグレードが進行中の間はステータスが保留中状態のスタンドアロン管理エージェントが存在する可能性があるため、アップグレードが完全に終わるまで待機します。



注意:

アップグレードを開始する前に知っておくべき重要な事項が記載された、My Oracle Supportノート1494890.1を読んでおくことをお薦めします。

プライマリEnterprise Managerのアップグレード

表3-1に、プライマリEnterprise Managerサイトを12cリリース2 (12.1.0.2)にアップグレードする手順を示します。

表3-1 プライマリEnterprise Managerサイトのアップグレード

手順番号 手順 プロシージャ

手順1

準備


(a)

1システム・アップグレード方式について学習します。

12cリリース1 (12.1.0.1) [バンドル・パッチ1を適用済または未適用]から12cリリース2 (12.1.0.2)へのアップグレード


(b)

開始する前に理解しておく必要のある重要事項を確認します。

第2章


手順2

Oracle Management ServiceおよびOracle Management Repositoryのアップグレード


(a)

次の前提条件を満たします。

  • Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』のEnterprise Manager Cloud Controlのインストールに関する章で説明されているOracle Management Service関係の前提条件を満たします。

  • 「アップグレードでサポートされているプラットフォーム」で示されている、サポートされているプラットフォームのみでアップグレードを行うようにします。

  • Enterprise Managerで使用されるポートが、1024以下の値に設定されていないことを確認します。この値以下に設定されている場合、アップグレードは失敗します。1024以下のポートは、一般にルート・ユーザー(スーパー・ユーザー)用に予約されています。このため、ポートは1024より大きくしてください。

  • Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース1 (12.1.0.1)で実行するようにBI Publisher 11.1.1.5がインストール済の場合は、WebLogic管理コンソールを使用してBIPという名前のBI Publisher管理対象サーバーを停止します。手順については、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

  • OMS (ミドルウェア・ホームおよびインベントリ)、管理リポジトリおよびソフトウェア・ライブラリをバックアップします。アップグレードが失敗した場合、常にバックアップを使用してリストアできます。

    バックアップの手順は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。


(b)

未処理のデータベース・サービスのインスタンス作成リクエストがあるか確認します。進行中のリクエストがある場合は、完了するまで待ちます。スケジュールされているリクエストについては、一時停止します。

これを行うには、次の手順を実行します。

  1. Cloud Controlで、「エンタープライズ」メニューから、「インフラストラクチャ・クラウド」「セルフ・サービス・ポータル」の順に選択します。

  2. インフラストラクチャ・クラウド・セルフ・サービス・ポータル・ページで、ページ・タイトルのすぐ下で、「マイ・データベース」を選択してデータベース・リクエストのみを参照します。

  3. 「リクエスト」表で、進行中のリクエストについては完了するまで待ちます。スケジュールされているリクエストについては、一時停止します。

    スケジュールされたリクエストを一時停止するには、リクエスト名をクリックします。「デプロイ」タブをクリックします。そこにリストされたデプロイメント・プロシージャをクリックして、一時停止します。


(c)

管理リポジトリ内の表でスナップショットが作成されていないことを確認します。

これを確認するには、管理リポジトリにSYSMANユーザーとしてログインし、次のSQL問合せを実行します。

select master , log_table from all_mview_logs where log_owner='<EM_REPOS_USER>

次に例を示します。

select master , log_table from all_mview_logs where log_owner='SYSMAN'

作成されたスナップショットが表にある場合、マスター表およびスナップショットの詳細が表示されます。次に例を示します。

SQL> master log_table

em-violations em$violation_log

スナップショットがある場合は、SYSMANユーザーとして次のコマンドを実行して削除します。

SQL> Drop snapshot log on <master>

次に例を示します。

SQL> Drop snapshot log on em-violations

(d)

既存のOMSから既存の管理リポジトリにemkeyをコピーします。これを実行するには、アップグレードしようとしている古いOMSホームで次のコマンドを実行します。

$<OMS_HOME>/bin/emctl config emkey -copy_to_repos [-sysman_pwd <sysman_pwd>]

emkeyがコピーされているかどうか検証するには、次のコマンドを実行します。

<OMS_HOME>/bin/emctl status emkey

emkeyがコピーされている場合、次のメッセージが表示されます。

The EMKey  is configured properly, but is not secure.
Secure the EMKey by running "emctl config emkey -remove_from_repos".

(e)

これからアップグレードするOMSを停止します。また、これに接続されているその他のOMSインスタンスも停止します。

  • グラフィック・モードでアップグレードする場合は、「グラフィック・モードでのOMSおよび管理リポジトリのアップグレード」の手順(12)の説明に従って、後からOMSを停止できます。

  • ソフトウェアのみをインストールし、後からグラフィカル・モードでアップグレードする場合は、「構成およびアップグレード」の手順(4)に従って後からOMSを停止できます。

  • サイレント・モードでアップグレードする場合は、OMSをただちに停止します。

    最初に、アップグレードするOMSで、次のコマンドを実行してOMSを停止します。このコマンドはOMSのみを停止し、管理サーバーやその関連コンポーネントは停止しません。管理サーバーおよびその他の関連コンポーネントは、WebLogic Server資格証明を検証できるように、実行中である必要があります。

    $<OMS_HOME>/bin/emctl stop oms

    次に、その他すべての追加OMSインスタンスで、次のコマンドを実行します。このコマンドは、アップグレードを正常に終了するため停止する必要がある、OMSおよびその他のコンポーネント(ノード・マネージャなど)を停止します。

    $<OMS_HOME>/bin/emctl stop oms -all


(f)

管理エージェントがメトリック収集のために管理リポジトリに接続しないように、「管理サービスとリポジトリ」ターゲットを監視する管理エージェントを停止します。この管理エージェントを停止しないと、OMSアップグレードが失敗する可能性があります。


(g)

OMSと管理リポジトリをアップグレードします。グラフィック・モードとサイレント・モードのどちらでアップグレードするかを選択できます。ある時点でソフトウェア・バイナリをインストールし、後でグラフィック・モードまたはサイレント・モードでアップグレードすることも選択できます。

emkeyをコピーしていないことを示すエラー・メッセージが表示される場合は、次の手順を実行します。

  1. 古いOMSから古い管理リポジトリにemkeyをコピーします。これを実行するには、アップグレードしようとしている古いOMSホームから次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emctl config emkey -copy_to_repos_from_file -repos_conndesc <conndesc> -repos_user <username> [-repos_pwd <pwd>] -emkey_file <OMS_HOME>/sysman/config/emkey.ora

    注意: ここで、管理リポジトリの詳細は、アップグレードしようとしている既存の管理リポジトリの詳細です。<OMS_HOME>は、アップグレードしようとしているOMSホームです。

  2. OMSおよび管理リポジトリのアップグレードを再試行します。

重要: 古いOMSをアップグレードした後すぐに、古いOMSとともにインストールされた管理エージェント(つまり中央エージェント)をアップグレードしてください。

単一OMS環境の場合は、「グラフィック・モードでのOMSおよび管理リポジトリのアップグレード」「サイレント・モードでのOMSおよび管理リポジトリのアップグレード」「グラフィック・モードでソフトウェアのみをインストールして後でアップグレード」、または「サイレント・モードでソフトウェアのみをインストールして後でアップグレード」を参照してください。

複数OMS環境(追加のOMSインスタンスあり)の場合は、「複数OMS環境のアップグレード」を参照してください。

(h)

Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース1 (12.1.0.1)で実行するようにBI Publisher 11.1.1.5.0 (手順2 (a)で停止済)がインストール済の場合は、BI Publisher 11.1.1.6.0をインストールしてこれにアップグレードすることが必要です。手順については、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。


手順3

Oracle Management Agentのアップグレード


(a)

管理エージェントのアップグレードを開始する前に理解しておく必要のある重要事項を確認します。

始める前に


(b)

前提条件を満たします。

前提条件


(c)

管理エージェントをアップグレードします。

重要: 古いOMSをアップグレードした後すぐに、古いOMSとともにインストールされた管理エージェント(つまり中央エージェント)をアップグレードしてください。

アップグレード手順


手順4

アップグレード後のタスクの実行


(a)

アップグレード後のタスクを実行します。

一般的なアップグレード後の手順の実行


(b)

遅延データ移行ジョブのステータスを追跡します。

遅延データ移行ジョブのステータスの追跡


(c)

([バンドル・パッチ1が適用されたまたは適用されていない]12cリリース1 (12.1.0.1)から2012年10月にリリースされた12cリリース2 (12.1.0.2)パッチ・セット1にアップグレードし、Oracle Databaseプラグインを12.1.0.2のあるリビジョンから別のリビジョンにアップグレードする場合(12.1.0.2から12.1.0.2 [u120804]、または12.1.0.2 [u120427]から12.1.0.2 [u120804]など)にのみ適用可能です)。

既存のデータベース・プラグインのリビジョンを最新リビジョンにアップグレードします。

Oracle Databaseプラグインのアップグレード


(d)

アプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)・エンジンと、JVM診断(JVMD)エンジンをアップグレードします。

第6章



スタンバイEnterprise Managerのアップグレード

表3-2に、スタンバイEnterprise Managerサイトを12cリリース2 (12.1.0.2)にアップグレードする手順を示します。

表3-2 スタンバイEnterprise Managerサイトのアップグレード

手順番号 手順 プロシージャ

手順1

スタンバイEnterprise Managerの削除


(a)

すべての追加スタンバイOMSインスタンスを削除します。

『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』「追加のスタンバイOMSインスタンスの削除」に関する項

(b)

最初のスタンバイOMSを削除します。

『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』「最初のスタンバイOMSの削除」に関する項

手順2

プライマリEnterprise Managerのアップグレード



プライマリEnterprise Managerサイト、OMSおよび管理エージェントの両方をアップグレードします。

プライマリEnterprise Managerのアップグレード


手順3

スタンバイEnterprise Managerの再デプロイ



スタンバイOMSインスタンス(最初のインスタンスおよび必要に応じて追加のインスタンス)を再作成します。

重要: プライマリ・サイトおよび古いスタンバイ・サイトに使用したものとは別のドメイン名で再作成してください。

『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』「高可用性の設定」