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Oracle Solaris 11 システムのインストール Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
パート I Oracle Solaris 11 のインストールオプション
6. Oracle Solaris インスタンスの構成解除または再構成
クライアント固有のインストール手順をインストールサービスに関連付ける
クライアント固有の構成手順をインストールサービスに関連付ける
AI マニフェストまたはシステム構成プロファイルをエクスポートする
AI マニフェストまたはシステム構成プロファイルの条件を変更する
インストールサーバー上のすべてのインストールサービスを一覧表示する
インストールサービスに関連付けられたクライアントを一覧表示する
特定のインストールサービスに関連付けられているクライアントを一覧表示する
すべての AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルを一覧表示する
指定したインストールサービスに関連付けられているマニフェストとプロファイルを一覧表示する
インストールサーバーに複数のインストールサービスを配置することができます。クライアントのハードウェアアーキテクチャーごとに、またインストールする異なるバージョンの Oracle Solaris 11 OS ごとに個別のインストールサービスを作成します。
installadm create-service コマンドを使用して、AI インストールサービスを作成します。意味のある名前をサービスに付け、そのサービスの作成場所となるパスを指定します。ネットワークブートイメージ (ネットイメージ) のパッケージまたは ISO ファイルのソースを指定します。
AI インストールサービスが作成されるときに、AI SMF サービス system/install/server がまだ有効になっていなければ、それが有効になります。インストールサービスイメージは /etc/netboot/svcname にマウントされます。SPARC インストールサービスでは、wanboot.conf ファイルがインストールサービスイメージのルートに置かれます。x86 インストールサービスでは、menu.lst GRUB メニューがインストールサービスイメージのルートに置かれます。
特定のアーキテクチャーの 1 番目のインストールサービスがインストールサーバーに作成されると、そのサービスの別名 default-i386 または default-sparc が自動的に作成されます。このデフォルトのサービスは、独自のマニフェストとプロファイルを備えた完全なサービスです。このデフォルトのサービスは、そのアーキテクチャーのクライアントのうち、create-client サブコマンドを使って別のインストールサービスに明示的に関連付けられなかったクライアントへのすべてのインストールで使用されます。
別名の default-arch サービスが示すサービスを変更するには、set-service サブコマンドを使用して aliasof プロパティーを設定します。どちらかのサービスに追加されたマニフェストとプロファイルは、別名のリセット後も変わりません。サービスが使用するネットイメージが変わるだけです。aliasof プロパティーの設定の詳細は、「インストールサービスのプロパティーの変更」を参照してください。
default-arch の別名が新しいインストールサービスに変更されたときに、ローカル ISC DHCP 構成が見つかった場合は、このデフォルトの別名ブートファイルが、そのアーキテクチャーのデフォルトの DHCP サーバー全体のブートファイルとして設定されます。
新しい default-arch の別名が作成されたときにローカル ISC DHCP サーバーがすでに構成されている場合は、このアーキテクチャーのデフォルトのブートファイルが、この新しい別名のブートファイルに設定されます。
default-arch サービスを含む各サービスには、imagepath/auto_install/manifest 内にデフォルトの AI マニフェストがあります。このマニフェストは別のファイルにコピーして編集できます。その後、create-manifest サブコマンドを使ってインストールサービスに追加できます。「XML AI マニフェストファイルのカスタマイズ」を参照してください。
installadm create-service コマンドでは、ポート 5555 で動作する Web サーバーでネットイメージも提供されます。たとえば、Web サーバーのアドレスは http://aiserver:5555/export/aiserver/s11-ai-x86/s11-x86 のようになります。
すべてのオプションについては、「インストールサービスを作成する」または installadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
installadm create-service [-n svcname] [-s FMRI_or_ISO] [-d imagepath]
インストールサービスの名前を指定しない場合は、デフォルトの名前が割り当てられます。
FMRI は IPS AI ネットイメージパッケージの識別子であり、Oracle Solaris 11 リリースでは install-image/solaris-auto-install になります。ISO は AI ネットイメージ ISO ファイルのパス名です。
FMRI_or_ISO を指定しない場合は、最新バージョンの install-image/solaris-auto-install パッケージが、pkg publisher リスト内のそのパッケージを提供する 1 番目の発行元からインストールされます。
別のバージョンのパッケージをインストールするか、または別の発行元からパッケージをインストールするには、FMRI にそのバージョンまたは発行元を指定します。たとえば、pkg://publisher/install-image/solaris-auto-install または pkg://publisher/install-image/solaris-auto-install@version を指定します。特定のパッケージリポジトリを指定するには、-p オプションを使用します。
imagepath は新しいインストールサービスの場所です。install-image/solaris-auto-install パッケージがこの場所にインストールされるか、または指定された ISO ファイルがこの場所で展開されます。
imagepath を指定しない場合は、サービスが /export/auto_install/svcname に作成され、自動生成された場所を使用することを確認するプロンプトが表示されます。このプロンプトを抑制するには、-y オプションを指定します。
create-service コマンドは、「ローカル DHCP を設定してインストールサービスを作成する」に示すように、AI インストールサーバーに DHCP を設定できます。別の DHCP サーバーを設定するか、または既存の DHCP サーバーを AI で使用するように設定する場合は、『Oracle Solaris の管理: IP サービス』のパート II「DHCP」を参照してください。DHCP サーバーは、インストールされるシステムに DNS 情報を提供できる必要があります。
このセクションの例では、DHCP はすでに別のサーバーに設定されているか、あとで設定します。create-service コマンドによって、ISC DHCP がこのサーバーで動作していることが検出されない場合は、そのコマンドの出力に DHCP の構成手順が表示されます。これらの例では、create-service コマンドは DHCP 構成に必要なブートファイルを提供します。
この例では、ISO ファイルのネットイメージを使用して SPARC クライアント用の AI インストールサービスを作成します。
# installadm create-service -n s11-sparc \ -s /var/tmp/images/sparc/sol-11-dev-170-ai-sparc.iso \ -d /install/images/s11-sparc Creating service: s11-sparc Setting up the target image at /install/images/s11-sparc ... Service discovery fallback mechanism set up Creating SPARC configuration file Refreshing install services Creating default-sparc alias. No local DHCP configuration found. This service is the default alias for all SPARC clients. If not already in place, the following should be added to the DHCP configuration: Boot file : http://10.80.238.5:5555/cgi-bin/wanboot-cgi Service discovery fallback mechanism set up Creating SPARC configuration file Refreshing install services
上記の installadm create-service コマンドの実行結果として、次の操作が行われます。
インストールサービスに s11-sparc という名前が付けられます。
インストールサービスのターゲットディレクトリ /install/images/s11-sparc が作成されます。
ISO ファイル /var/tmp/images/sparc/sol-11-dev-170-ai-sparc.iso がネットイメージの場所 /install/images/s11-sparc に展開されます。
このサービス用の wanboot.conf ファイルが /install/images/s11-sparc/wanboot.conf に生成されます。
/install/images/s11-sparc を /etc/netboot/s11-sparc としてマウントするように AI SMF サービス system/install/server が更新されます。
これはこのインストールサーバーで作成された最初の SPARC インストールサービスであるため、default-sparc というサービスの別名が自動的に作成されます。s11-sparc のイメージが別名によって使用されるため、/install/images/s11-sparc は /etc/netboot/default-sparc としてもマウントされます。
構成ファイル /etc/netboot/wanboot.conf が /etc/netboot/default-sparc/wanboot.conf にシンボリックリンクされます。構成ファイル /etc/netboot/system.conf が /etc/netboot/default-sparc/system.conf にシンボリックリンクされます。
DHCP 構成に必要なブートファイル http://10.80.238.5:5555/cgi-bin/wanboot-cgi が提供されます。
ローカル ISC DHCP サーバーがすでに構成されている場合は、新しい default-sparc の別名のブートファイルがすべての SPARC クライアントのデフォルトのブートファイルとして設定されます。これは、-i および -c オプションが使用されているかどうかに関係なく当てはまります。
この例では、IPS パッケージのネットイメージを使用して x86 クライアント用の AI インストールサービスを作成します。このコマンドでは、インストールサービス名のオプションしか指定されていないため、オプションが指定されないときのデフォルトの動作も示しています。このコマンドでは、DHCP 構成に必要なブートファイルに加えて、DHCP 構成に必要なブートサーバー IP も提供します。
# installadm create-service -n s11-i386 -y Creating service from: pkg:/install-image/solaris-auto-install Download: install-image/solaris-auto-install ... Done Install Phase ... Done Package State Update Phase ... Done Image State Update Phase ... Done Reading Existing Index ... Done Indexing Packages ... Done Creating service: s11-i386 Image path: /export/auto_install/s11-i386 Refreshing install services Creating default-i386 alias. No local DHCP configuration found. This service is the default alias for all PXE clients. If not already in place, the following should be added to the DHCP configuration: Boot server IP : 10.134.125.136 Boot file : default-i386/boot/grub/pxegrub Refreshing install services
上記の installadm create-service コマンドの実行結果として、次の操作が行われます。
インストールサービスに s11-i386 という名前が付けられます。
ネットイメージのソースのオプションが指定されていないため、最新バージョンの install-image/solaris-auto-install パッケージが、インストールサーバー発行元リスト内のこのパッケージを提供する 1 番目の発行元から取得されます。
-d オプションでネットイメージの宛先が指定されていないため、イメージがデフォルトのディレクトリ /export/auto_install/s11-i386 に作成されます。y オプションが指定されているため、このデフォルトの宛先が受け入れ可能であることを確認するプロンプトが抑制されます。
install-image/solaris-auto-install パッケージがネットイメージの場所 /export/auto_install/s11-i386 にインストールされます。
デフォルトでは、インストールされる install-image/solaris-auto-install パッケージの形式は AI インストールサーバーのアーキテクチャーに適合します。この例では、インストールサーバーは x86 システムです。このサーバーで SPARC インストールサービスを作成する場合は、-a オプションを使用する必要があります。-a オプションについては、「インストールサービスを作成する」を参照してください。
pxegrub メニューが /export/auto_install/s11-i386/menu.lst に作成されます。
/export/auto_install/s11-i386 を /etc/netboot/s11-i386 としてマウントするように AI SMF サービス system/install/server が更新されます。
これはこのインストールサーバーで作成された最初の x86 インストールサービスであるため、default-i386 というサービスの別名が自動的に作成されます。s11-i386 のイメージが別名によって使用されるため、/export/auto_install/s11-i386 は /etc/netboot/default-i386 としてもマウントされます。
DHCP 構成に必要なブートサーバー IP が提供されます。DHCP 構成に必要なブートファイル default-i386/boot/grub/pxegrub が提供されます。
ローカル ISC DHCP サーバーがすでに構成されている場合は、新しい default-i386 の別名のブートファイルがすべての x86 クライアントのデフォルトのブートファイルとして設定されます。これは、-i および -c オプションが使用されているかどうかに関係なく当てはまります。
installadm create-service コマンドを使用して、この AI インストールサーバーに DHCP サーバーを設定できます。次の例では、x86 クライアント用のインストールサービスを作成します。ネットワークは 1 つのサブネットで構成されています。インストールサーバーはネットワークの DHCP サーバーとしても動作し、DNS を使用してホスト名を解決します。このインストールサービスは、10.80.239.150 (-i) から始まる 20 個の IP アドレス (-c) を提供します。DHCP サーバーがまだ構成されていない場合は、ISC DHCP サーバーが構成されます。ISC DHCP サーバーがすでに構成されている場合は、その DHCP サーバーが更新されます。
-i と -c 引数が指定され、DHCP が構成されている場合は、作成されるインストールサービスと IP 範囲とのバインディングは存在しません。-i と -c が渡され、IP 範囲が設定されている場合は、必要に応じて新規 DHCP サーバーが作成され、その DHCP サーバーは使用するすべてのインストールサービスおよびすべてのクライアントで起動され、実行された状態のままです。DHCP サーバーに指定されたネットワーク情報には、作成されるサービスとの特定の関係はありません。
インストールサーバーが直接接続されているサブネット上に、要求された IP 範囲がなく、インストールサーバーがマルチホームである場合、-B オプションを使用して、ブートファイルサーバーのアドレス (通常はこのシステム上の IP アドレス) を指定します。このアドレスは、複数の IP アドレスがインストールサーバーに構成され、DHCP リレーが採用されている場合にのみ必要です。その他のすべての構成では、これはソフトウェアで自動的に決定できます。
# installadm create-service -n s11-x86 \ -s /var/tmp/images/i386/sol-11-dev-171-ai-x86.iso \ -d /install/images/s11-x86 \ -i 10.80.239.150 -c 20 Creating service from: /var/tmp/images/i386/sol-11-dev-171-ai-x86.iso Setting up the image ... Creating service: s11-x86 Image path: /install/images/s11-x86 Starting DHCP server... Adding IP range to local DHCP configuration Refreshing install services Creating default-i386 alias. Setting the default PXE bootfile in the local DHCP configuration to 'default-i386/boot/grub/pxegrub' Refreshing install services
上記の installadm create-service コマンドの実行結果として、次の操作が行われます。
インストールサービスに s11-x86 という名前が付けられます。
インストールサービスのターゲットディレクトリ /install/images/s11-x86 が作成されます。
ISO ファイル /var/tmp/images/i386/sol-11-dev-171-ai-x86.iso がネットイメージの場所 /install/images/s11-x86 に展開されます。
pxegrub メニューが /install/images/s11-x86/menu.lst に作成されます。
/install/images/s11-x86 を /etc/netboot/s11-x86 としてマウントするように AI SMF サービス system/install/server が更新されます。
これはこのインストールサーバーで作成された最初の x86 インストールサービスであるため、default-i386 というサービスの別名が自動的に作成されます。s11-x86 のイメージが別名によって使用されるため、/install/images/s11-x86 は /etc/netboot/default-i386 としてもマウントされます。
必要に応じて DHCP サービスが作成され、10.80.239.150 から 10.80.239.169 までの IP アドレスがプロビジョニングされます。このサーバーですでに DHCP サービスが設定されている場合は、-i および -c オプションによって、DHCP サーバーがこのサービスの新しい IP アドレスで更新されます。
default-i386/boot/grub/pxegrub ブートファイルが PXE クライアントのデフォルトのブートファイルとしてローカル DHCP 構成に追加されます。