WiFi インタフェース上の通信

IEEE 802.11 仕様では、ローカルエリアネットワークのための無線通信が定義されています。これらの仕様と、そこに記載されているネットワークはまとめて「WiFi」と呼ばれます。この用語は、Wi-Fi Alliance 業界グループによって商標登録されています。WiFi ネットワークは、プロバイダと想定クライアントの両方が比較的容易に構成できます。そのため、WiFi ネットワークはますます普及し、世界中で一般的に使用されています。WiFi ネットワークでは、携帯電話、テレビ、およびラジオと同じ電波テクノロジが使用されます。

Oracle Solaris には、システムを WiFi クライアントとして構成できる機能が含まれています。この節では、dladm コマンドの WiFi 接続オプションを使用して、ノートパソコンやホームコンピュータをローカルの WiFi ネットワークに接続する方法について説明します。

WiFi ネットワークの検索

WiFi ネットワークには通常、次の 3 種類があります。

• 商用 WiFi ネットワーク

• 自治体 WiFi ネットワーク

• プライベート WiFi ネットワーク

WiFi のサービス対象となる場所は「ホットスポット」と呼ばれます。各ホットスポットにはアクセスポイントが含まれています。「アクセスポイント」とは、インターネットへの「有線」接続 (Ethernet や DSL など) を備えたルーターのことです。インターネット接続は通常、無線インターネットサービスプロバイダ (WISP) または従来の ISP から提供されます。

商用 WiFi ネットワーク

多くのホテルやカフェには、ノートパソコンを持った顧客へのサービスとして無線インターネット接続が提供されています。これらの商用ホットスポットは、その施設内にアクセスポイントを備えています。これらのアクセスポイントは、商用の場所にサービスを提供する WISP への有線接続を備えたルーターです。標準的な WISP には、独立系のプロバイダや携帯電話会社が含まれます。

Oracle Solaris を実行するノートパソコンを使用して、ホテルやその他の商用ホットスポットによって提供される WiFi ネットワークに接続することができます。WiFi ネットワークに接続するための手順については、各ホットスポットで尋ねてください。通常、接続プロセスでは、ログイン時に起動するブラウザにキーを指定する必要があります。このネットワークを使用するには、ホテルまたは WISP への料金の支払いが必要になることがあります。

インターネットホットスポットである商用の場所は通常、この機能を利用者に通知します。また、無線ホットスポットの一覧を、さまざまな Web サイト (たとえば、Wi-FiHotSpotList.com) から検索することもできます。

自治体 WiFi ネットワーク

世界中の都市で、市民が自宅のシステムからアクセスできる無料の自治体 WiFi ネットワークが構築されてきました。自治体 WiFi は、電柱やその他の屋外の場所に設置した無線送信機を使用して、ネットワークのサービス対象地域にわたる「網の目」を形成しています。これらの送信機は、自治体 WiFi ネットワークへのアクセスポイントです。住んでいる地域が自治体 WiFi ネットワークのサービス対象になっている場合は、自宅がネットワークの網の目に含まれている可能性があります。

自治体 WiFi へのアクセスは通常、無料です。Oracle Solaris を実行する、正しく装備されたノートパソコンまたはパーソナルコンピュータから自治体ネットワークにアクセスできます。システムから自治体ネットワークにアクセスするためにホームルーターは必要ありません。ただし、自治体ネットワークからの信号が弱い地域では、ホームルーターを構成することをお勧めします。また、WiFi ネットワーク経由のセキュリティー保護された接続が必要な場合にも、ホームルーターをお勧めします。詳細は、「セキュリティー保護された WiFi 通信」を参照してください。

プライベート WiFi ネットワーク

WiFi ネットワークは構成が比較的容易であるため、企業や大学では、従業員や学生にアクセスが制限されたプライベート WiFi ネットワークが使用されています。プライベート WiFi ネットワークでは通常、接続したあと、セキュリティー保護された VPN を接続または実行するときにキーを指定する必要があります。セキュリティー機能を使用してプライベートネットワークに接続するには、Oracle Solaris を実行する、正しく装備されたノートパソコンまたは PC とアクセス権が必要です。

WiFi 通信の計画

システムを WiFi ネットワークに接続する前に、次の手順を完了してください。

システムを WiFi 通信のために準備する方法

1. サポートされている WiFi インタフェースをシステムに装備します。

   システムに、Oracle Solaris でサポートされている WiFi カード (Atheros チップセットをサポートするカードなど) が装備されている必要があります。現在サポートされているドライバとチップセットの一覧については、Wireless Networking for OpenSolaris を参照してください。

   インタフェースがまだシステム上に存在しない場合は、インタフェースカードを取り付けるための製造元の指示に従ってください。インタフェースのソフトウェアは、「WiFi ネットワークに接続する方法」の手順中に構成します。

2. システムを WiFi ネットワーク (商用、自治体、プライベートのいずれか) のサービス対象になっている場所に設置します。

   システムを、ネットワークのアクセスポイントの近くに置く必要があります。商用またはプライベートネットワークのホットスポットでは通常、この点を考慮する必要はありません。ただし、無料の自治体ネットワークの使用を計画している場合は、送信機アクセスポイントに近い場所にする必要があります。

3. (省略可能) 追加のアクセスポイントとして機能する無線ルーターを設定します。

   現在の場所で WiFi ネットワークが使用できない場合は、ユーザー独自のルーターを設定します。たとえば、DSL 回線がある場合は、その DSL ルーターに無線ルーターを接続します。それにより、その無線ルーターが無線デバイスのアクセスポイントになります。