プロファイル情報についてシステムに問い合わせる

現在のスコープまたは指定されたスコープで存在するプロファイル、プロパティー値のペア、およびリソースをすべて一覧表示するには、list サブコマンドとともに netcfg コマンドを使用します。すべてのプロファイルに関する一般的な情報についてシステムに問い合わせたり、特定のプロファイルに関する具体的な情報を取得したりするには、list サブコマンドを使用します。list サブコマンドは、対話型モードまたはコマンド行モードで使用できます。

プロファイルおよびその現在の状態に関する情報を取得する必要がある場合は、list? サブコマンドとともに netadm? コマンドを使用します。詳細は、「プロファイルの現在の状態を表示する」を参照してください。

システム上のプロファイルをすべて一覧表示する

netcfg list コマンドは、システム上のすべてのシステム定義およびユーザー定義のプロファイルを一覧表示します。オプションを付けないで list サブコマンドを使用すると、システム上にあるすべての最上位プロファイルが表示されます。このコマンドでは、各プロファイルの状態は一覧表示されません。プロファイルおよびその状態 (オンラインまたはオフライン) のリストを表示するには、netadm list コマンドを使用します。

システム上のすべての最上位プロファイルを一覧表示するには、次のコマンドを入力します。

$ netcfg list
NCPs:
        Automatic
        User
Locations:
        Automatic
        NoNet
        home
        office
ENMs:
        myvpn
        testenm
WLANs:
        workwifi
        coffeeshop
        homewifi

この例では、次のプロファイルが一覧表示されます。

NCP

システム定義のプロファイルである Automatic NCP と、User という名前のユーザー定義の NCP の 2 つの NCP が一覧表示されます。
場所

2 つのシステム定義 (Automatic と NoNet) および 2 つのユーザー定義 (home と office) の 4 つのプロファイルが一覧表示されます。
ENM

インストールおよび構成された VPN アプリケーション用に 1 つの ENM、およびテスト用に 1 つの ENM の 2 つの ENM が一覧表示されます。
WLAN

勤務先用に 1 つの WLAN、地元のコーヒーショップ用に 1 つの WLAN、およびユーザーの自宅の無線ネットワーク用に 1 つの WLAN の 3 つの WLAN が一覧表示されます。

注 - 作成、変更、または削除できるのは、ユーザー定義のプロファイルのみです。

特定のプロファイルのプロパティー値をすべて一覧表示する

指定されたプロファイルのすべてのプロパティー値を一覧表示するには、list サブコマンドとともに netcfg コマンドを使用します。

list サブコマンドの構文は、次のとおりです。

$ netcfg list [ object-type [ class ] object-name ]

例 4-11 NCU のプロパティー値をすべて一覧表示する

たとえば、User NCP で IP NCU のすべてのプロパティー値を一覧表示するには、次のコマンドを入力します。

$ netcfg "select ncp User; list ncu ip net0"
NCU:net0
        type                    interface
        class                   ip
        parent                  "User"
        enabled                 true
        ip-version              ipv4
        ipv4-addrsrc            dhcp
        ipv6-addrsrc            dhcp,autoconf

例 4-12 ENM のプロパティー値をすべて一覧表示する

次の例では、myenm という名前の ENM のすべてのプロパティーが一覧表示されます。

$ list enm myenm
ENM:myenm
activation-mode manual
enabled         true
start           "/usr/local/bin/myenm start"
stop            "/bin/alt_stop"

この例では、list サブコマンドの出力に次の情報が表示されます。

この ENM の activation-mode プロパティーは manual に設定されています。
ENM は有効になっています。
FMRI を使用するのではなく、start および stop メソッドプロパティーが指定されています。

特定のプロパティーの値を取得する

get サブコマンドとともに netcfg コマンドを使用すると、指定されたプロパティーの特定の値を取得できます。このサブコマンドは、対話型モードまたはコマンド行モードで使用できます。

get サブコマンドの構文は、次のとおりです。

netcfg get [ -V ] prop-name

User NCP の一部である myncu という名前の NCU の ip-version プロパティーの値を取得するには、次のコマンドを入力します。例:

$ netcfg "select ncp User; select ncu ip myncu; get -V ip-version"
ipv4

-V オプションとともに get サブコマンドを使用すると、ここで示すようにプロパティー値だけが表示されます。

netcfg:ncp:User:ncu:net0> get -V activation-mode
manual

それ以外の場合、プロパティーとその値の両方が表示されます。たとえば:

netcfg:ncp:User:ncu:net0> get activation-mode
activation-mode        manual

単一プロパティー値を対話形式で取得する方法

この手順では、netcfg get コマンドを netcfg 対話型モードで使用して、単一プロパティー値を取得する方法について説明します。この特定の手順のいくつかの例では、User NCP で NCU の単一プロパティー値を取得する方法を示しています。これらの例は、デモ目的でのみ使用されます。このコマンドの使用時に指定する情報は、取得を試みるプロファイルおよびプロパティー値によって異なります。

プロファイルのプロパティー値をすべて表示する場合は、代わりに walkprop サブコマンドを使用できます。このサブコマンドでは、特定のプロファイルのすべてのプロパティーが 1 つずつ調査されるため、プロファイルのプロパティーの 1 つまたはすべてを変更できます。詳細は、「walkprop サブコマンドを使用して、プロパティー値を対話形式で表示および変更する」を参照してください。

netcfg 対話型セッションを開始します。
```
$ netcfg
netcfg>
```
取得するプロパティー値が含まれるプロファイルまたは構成オブジェクトを選択します。
```
netcfg> select object-type [ class ] object-name
```
注 - class パラメータは、NCP を選択している場合にのみ適用可能です。また、phys と ip の両方のクラスの NCU が同じ名前を共有する場合、class パラメータを指定する必要があります。ただし、NCU 名が一意の場合は、class パラメータは必要ありません。

たとえば、User NCP を選択するには、次のように入力します。
```
netcfg> select User NCP
```
この例では、User NCP を選択することで、選択したオブジェクトのスコープに対話型セッションが移動します。
(省略可能) プロファイルのコンポーネントを表示します。
```
netcfg:ncp:User> list
NCUs:
        phys    net0
        ip      net0
```
取得するプロパティー値が含まれるオブジェクトを選択します。
次の例では、User NCP でリンク (phys) NCU net0 が選択されます。
```
netcfg:ncp:User> select ncu phys net0
```
NCU net0 を選択すると、該当オブジェクトのスコープに対話型セッションが移動し、NCU の現在のプロパティーがメモリーから読み込まれます。
指定されたプロパティー値を取得します。
```
netcfg:ncp:User:ncu:net0> get property-value
```
たとえば、activation-mode プロパティーの値を取得するには、次のように入力します。
```
netcfg:ncp:User:ncu:net0> get activation-mode
        activation-mode         manual
```

次の手順

この時点で、set サブコマンドを使用してプロパティーに新しい値を設定したり、変更を行わずに対話型セッションを終了したりできます。対話型モードでプロパティー値を変更する場合は、commit または exit サブコマンドを使用して、変更を保存する必要があることに注意してください。netcfg 対話型モードでのプロパティー値の設定については、「プロファイルのプロパティー値を設定および変更する」を参照してください。

`walkprop` サブコマンドを使用して、プロパティー値を対話形式で表示および変更する

walkprop サブコマンドを使用すると、プロファイルのプロパティーを対話形式で表示できます。このサブコマンドでは、プロファイルのプロパティーが 1 つずつ調査され、プロパティーごとに名前と現在の値が表示されます。指定されたプロパティーの現在の値を変更するために使用可能な対話型コマンドプロンプトも表示されます。複数の値が含まれるプロパティーの区切り文字は、コンマ (,) です。指定されたプロパティーの各値にコンマが含まれている場合は、前にバックスラッシュ (\) を付ける必要があります。単一の値のみが含まれるプロパティー内のコンマは、区切り文字とは解釈されないため、前にバックスラッシュを付ける必要はありません。

注 - walkprop サブコマンドは、対話型モードで使用する場合にのみ有効です。

例 4-13 特定のプロファイルのプロパティー値を表示および変更する

次の例では、場所 foo の activation-mode プロパティーを表示してから、walkprop サブコマンドを使用して変更します。walkprop サブコマンドを使用するときは、set サブコマンドを使用してプロパティー値を設定する必要がないことに注意してください。

$ netcfg
netcfg> select loc foo
netcfg:loc:foo> list
loc:foo
        activation-mode                 manual
        enabled                         false
        nameservices                    dns
        nameservices-config-file        "/etc/nsswitch.dns"
        dns-nameservice-configsrc       dhcp
        nfsv4-domain                    "Central.oracle.com"
netcfg:loc:foo> walkprop
activation-mode (manual) [manual|conditional-any|conditional-all]> conditional-all
conditions> advertised-domain is oracle.com 
nameservices (dns) [dns|files|nis|ldap]>
nameservices-config-file ("/etc/nsswitch.dns")>
dns-nameservice-configsrc (dhcp) [manual|dhcp]>
nfsv4-domain ("Central.oracle.com")>
ipfilter-config-file>
ipfilter-v6-config-file>
ipnat-config-file>
ippool-config-file>
ike-config-file>
ipsecpolicy-config-file>
netcfg:loc:foo> list
loc:foo
        activation-mode                 conditional-all
        conditions                      "advertised-domain is oracle.com"
        enabled                         false
        nameservices                    dns
        nameservices-config-file        "/etc/nsswitch.dns"
        dns-nameservice-configsrc       dhcp
        nfsv4-domain                    "Central.oracle.com"
netcfg:loc:foo> commit
Committed changes
netcfg:loc:foo> end
netcfg> exit
$

注 - 関連するプロパティーのみが調査されます。たとえば、ipv4-addrsrc プロパティーが static に設定されている場合は、ipv4-addr プロパティーが調査に含まれます。ただし、ipv4-addrsrc が dhcp に設定されている場合は、ipv4-addr プロパティーは調査されません。

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