プロファイルと構成ツール

プロファイルのカスタマイズに使用するツールは、アクティブなプロファイルに依存します。アクティブなプロファイルが Automatic などのリアクティブプロファイルである場合は、netcfg および netadm コマンドを使用してプロファイルを構成および監視します。アクティブなプロファイルが DefaultFixed などの固定プロファイルである場合は、dladm および ipadm コマンドを使用します。

dladm および ipadm コマンドはアクティブなプロファイルに対してのみ有効です。したがって、これらのコマンドを使用する前に、次を確認する必要があります。

適切なコマンドを使用して正しいターゲットプロファイルに対して変更を行えるよう、どのプロファイルがアクティブであるかを知る。
コマンド使用後に予期しない構成動作が発生しないように、ターゲットプロファイルがリアクティブ、固定のいずれであるかを知る。リアクティブプロファイルは、固定プロファイルと異なる方法でネットワーク構成を管理します。したがって、変更実装時の 2 つのプロファイルの動作も異なります。

注 - dladm および ipadm コマンドの -t オプションを使用して一時的な設定を作成できるのは、固定プロファイルの場合だけです。リアクティブプロファイルでは、このオプションはサポートされません。

dladm および ipadm コマンドをプロファイル上で正しく使用するには、次の 2 つの手順に従います。

ネットワーク管理モードを判定する方法

Automatic などのリアクティブ NCP がシステムでアクティブな NCP である場合、システムのネットワーク管理モードは自動です。ネットワーク構成を実行する前に、次の手順に従ってネットワーク管理モードを判定してください。この手順により、正しいコマンドを使用して、適切なプロファイル上で構成を実装していることを確認できます。

システム内のプロファイルを一覧表示します。
```
# netadm list -x
TYPE        PROFILE        STATE          AUXILIARY STATE
ncp         Automatic      online         active
ncu:phys    net0           online         interface/link is up
ncu:ip      net0           online         interface/link is up
ncu:phys    net1           online         interface/link is up
ncu:ip      net1           offline*       waiting for IP address to be set
ncp         testcfg        disabled       disabled by administrator
loc         Automatic      offline        conditions for activation are unmet
loc         NoNet          offline        conditions for activation are unmet
loc         Lab            online         active
loc         User           disabled       disabled by administrator
```
出力には、次の 2 種類の情報が示されます。
- netadm list コマンドは、ネットワーク管理モードが自動の場合にのみサポートされます。このため、プロファイルリストが生成されるということは、ネットワーク管理が自動モードであることを示します。そうでない場合、netadm list コマンドは次のメッセージを生成して、代わりに DefaultFixed プロファイルがアクティブであることを示します。
```
netadm: DefaultFixed NCP is enabled; automatic network management is not available.
'netadm list' is only supported when automatic network management is active.
```
- プロファイルリストが生成される場合には、リアクティブ NCP の online 状態により、どの NCP が有効であるかも示されます。サンプル出力は、既存のリアクティブ NCP は Automatic NCP のみであることを示しています。ユーザーが作成したほかの NCP がシステムに存在する場合には、それらもリストに含まれます。
使用する構成ツールに対して、適切なプロファイルがアクティブになっていることを確認してください。
たとえば、dladm および ipadm コマンドは、DefaulfFixed プロファイルでのみ使用できます。ただし、netcfg コマンドを使用できるのは、ネットワーク管理が自動モードである Automatic などのリアクティブなプロファイルに対してだけです。
選択した構成ツールで変更するプロパティーを含むプロファイルがアクティブでない場合は、次の手順に進んで、適切なプロファイルを有効にしてください。該当するプロファイルがアクティブな場合は、ツールの使用を開始して、ネットワークを構成できます。
たとえば、ネットワーク管理を自動モードにせずに、dladm や ipadm などのコマンド行を使ってデータリンクおよびインタフェースを手動で構成する場合を考えましょう。手順 1 の出力は、Automatic プロファイルが有効であることを示します。このため、コマンド行を使用してネットワーク構成を行う場合は、DefaultFixed プロファイルを有効にする必要があります。

別のプロファイルを構成する場合は、次のように入力してそのプロファイルを有効にします。

# netadm enable -p ncp profile-name

例:

# netadm enable -p ncp defaultfixed

ネットワーク管理が自動モードで、別のリアクティブ NCP を使用する場合にも、同じコマンド構文を使用します。手順 1 のサンプル出力に基づき、Automatic の代わりに、ユーザー作成の NCP testcfg をアクティブにするとしましょう。その場合、次のように入力します。

# netadm enable -p ncp testcfg

注意 - このコマンドはアクティブなプロファイルを切り替えます。アクティブなプロファイルを切り替えると、既存のネットワーク構成は削除され、新しい構成が作成されます。以前アクティブだった NCP 上で実装された永続的な変更はすべて、新しいアクティブな NCP では除外されます。

ナビゲーションリンクをスキップ
印刷ビューの終了
	Oracle Solaris 管理: ネットワークインタフェースとネットワーク仮想化 Oracle Solaris 11 Information Library (日本語)