mdnsd

- マルチキャスト DNS デーモン

形式

mdnsd [-debug]

機能説明

mdnsd は、マルチキャスト DNS および DNS サービス検出用のデーモンプログラムです。

mdnsd デーモンは、UDP ポート 5353 上でマルチキャスト DNS クエリーパケットを待機します。mdnsd は、応答できるクエリーを受信すると、適切なマルチキャスト DNS 応答パケットを発行します。

さらに、mdnsd デーモンは、クライアントプロセスに代わってマルチキャスト DNS クエリーを実行し、応答のキャッシュを維持します。

mdnsd デーモンには、ユーザーが指定可能なコマンド行引数はありません。ユーザーは mdnsd を手動で実行しないでください。mdnsd デーモンは Solaris サービス管理機能 (SMF) により管理され、その操作は svcadm(1M) コマンドにより、次の障害管理リソース識別子 (FMRI) に基づいて行われます。

svc:/network/dns/multicast:default

mdnsd の内部状態をデバッグおよび診断目的で調べるには、これに SIGUSR1 信号を送信します。これで、syslog(3C) 機能により、内部状態のスナップショットの要約が記録されます。mdnsd は、syslog 機能コードデーモンおよび情報優先度を使用します。

オプション

mdnsd デーモンは次のオプションを認識します。

-debug

デバッグモード。mdnsd デーモンは、出力を標準エラーに送信します。バックグラウンドでは実行されません。このオプションは、デーモンのデバッグ時にのみ使用します。

構成

ネームサービススイッチの構成ファイル nsswitch.conf(4) 内で mdns をホストやipnode のホストとして指定することにより、マルチキャスト DNS を使ってホスト名やホストアドレスを検索できます。マルチキャスト DNS を使用してホスト名やホストアドレスを照会する際の構成オプションは、SMF リポジトリに格納されます。この構成を変更するには、次の障害管理リソース識別子 (FMRI) を使用して svccfg(1M) コマンドを実行します。

svc:/network/dns/multicast:default

マルチキャスト DNS を使用してホスト名やホストアドレスを照会する際の構成オプションは、「nss_mdns_config」という名前のプロパティーグループに格納されます。この構成オプションを構成するプロパティーは次のとおりです。

search

ホスト名検索に使用する検索ドメインのリスト。デフォルトでは、検索ドメインは構成に含まれていません。現在のところ、検索リストは 6 つのドメインに制限されています。

valid

有効なドメインのリスト。ドメインの有効性の確認は、マルチキャスト DNS を使ってドメインのホスト名やホストアドレスを検索する前に行われます。検索リストに指定されたドメインは、常に有効なリストに含まれています。現在のところ、このリストに含めることができる有効なドメインの数は 10 個に制限されています。

これらの構成オプションは「流動的」であり、将来のリリースで変更される可能性があります。

ファイル

/usr/lib/inet/mdnsd

属性

属性についての詳細は、attributes(5) を参照してください。

関連項目

dns-sd(1M), svcadm(1M), svccfg(1M), syslog(3C),nsswitch.conf(4), attributes(5)

マルチキャスト DNS については、http://www.multicastdns.org/ を参照してください。

DNS サービス検出については、http://www.dns-sd.org/ を参照してください。