netadm

- ネットワーク構成プロファイルの管理

形式

netadm enable [ -p profile-type ] [ -c ncu-class ] profile-name

netadm disable [ -p profile-type ] [ -c ncu-class ] profile-name

netadm list [ -x ] [ -p profile-type ] [ -c ncu-class ]
     [ profile-name ]

netadm show-events

netadm scan-wifi linkname

netadm select-wifi linkname

netadm help

機能説明

netadm ユーティリティーは、ネットワークプロファイルを管理し、NWAM デーモンを操作するために使用します。

ネットワークプロファイルには、ネットワーク構成プロファイル (NCP)、場所、および外部ネットワーク修飾子 (ENM) の 3 つのタイプがあります。

システムには常に、1 つのアクティブな NCP と 1 つのアクティブな場所があります。別の NCP または場所を有効にすると (activation-mode が manual)、現在アクティブな NCP または場所が暗黙的に無効になります。現在の場所 (その activation-mode が manual である場合) を無効にすることもできます。ただし、この効果は、ネームサービスなど、システムのネットワーキング機能の一部を「無効」にすることです。NCP を無効にすると、事実上、システムの基本ネットワーク接続がシャットダウンされるので、明示的な無効化は許可されていません。NCP は、別の NCP が有効になったときにのみ暗黙的に無効になります。

逆に、ENM は、常に 0 個以上をアクティブにすることができます。したがって、1 つの ENM を有効または無効にしても、ほかのアクティブな ENM には影響しません。

NCU は個別に有効にしたり無効にしたりすることもできます。指定された NCU は、現在アクティブになっている NCP の一部である必要があり、その activation-mode は manual に設定されている必要があります。NCU クラスが指定されない場合、指定された名前を持つすべての NCU (1 つのリンクまたは 1 つのインタフェース、あるいはその両方) が有効化または無効化されます。

オブジェクトの有効化と無効化は非同期に実行されます。したがって、有効化または無効化の要求は成功しても、操作自体が失敗する場合があります。この種の失敗はオブジェクト状態に反映されます。maintenance 状態は、最後に行われた操作が失敗したことを示します。

サブコマンド

次のサブコマンドがサポートされています。

enable [ -p profile-type ] [ -c ncu-class ] profile-name

指定されたプロファイルを有効にします。プロファイル名が一意でない場合、有効にするプロファイルを識別するためにプロファイルタイプを指定する必要があります。プロファイルタイプが NCU であり、名前が一意でない (つまり、同じ名前のリンク NCU とインタフェース NCU の両方がある) 場合、-c オプションを使用して NCU クラスを指定しないかぎり、両方の NCU が有効化されます。プロファイルタイプは、ncp、ncu、loc、または enm のいずれかにする必要があります。NCU クラスは、phys または ip のどちらかにする必要があります。

disable [ -p profile-type ] [ -c ncu-class ] profile-name

指定されたプロファイルを無効にします。プロファイル名が一意でない場合、無効にするプロファイルを識別するためにプロファイルタイプを指定する必要があります。プロファイルタイプが NCU であり、名前が一意でない (つまり、同じ名前のリンク NCU とインタフェース NCU の両方がある) 場合、-c オプションを使用して NCU クラスを指定しないかぎり、両方の NCU が無効化されます。プロファイルタイプは、ncu、loc、または enm のいずれかにする必要があります。NCU クラスは、phys または ip のどちらかにする必要があります。

list [ -x ] [ -p profile-type ] [ -c ncu-class ] [ profile-name ]

すべての使用可能なプロファイルとその現在の状態を一覧表示します。名前によって特定のプロファイルが指定された場合、そのプロファイルの現在の状態のみが一覧表示されます。プロファイル名が一意でない場合、指定された名前を持つすべてのプロファイルが一覧表示されます。プロファイルタイプまたは NCU クラス、あるいはその両方を含めると、特定のプロファイルを識別できます。タイプだけが指定された場合、そのタイプのすべてのプロファイルが一覧表示されます。アクティブな NCP を一覧表示すると、その NCP を構成する NCU が表示されます。

-x オプションを使用すると、list サブコマンドは、デフォルトの表示に含まれる最初の 3 つの列ヘッダー TYPE、PROFILE、および STATE のあとに、ヘッダー AUXILIARY STATE の付いた 4 列目の出力を表示します。AUXILIARY STATE 列には、プロファイルが指定された状態にある理由が表示されます。

考えられる STATE 値は次のとおりです。

disabled

まだアクティブ化されていない、手動でアクティブ化されるプロファイル。

offline

まだアクティブ化されていない、条件またはシステムによってアクティブ化されるプロファイル。その条件が満たされていなかったために、アクティブになっていない可能性があります。または、より具体的な条件が満たされている別のプロファイルが存在し、これが代わりにアクティブ化されている可能性もあります (場所など、一度にひとつずつアクティブ化する必要があるプロファイルタイプの場合)。

online

条件が満たされアクティブ化に成功した、条件またはシステムによってアクティブ化されるプロファイル。または、ユーザーの要求でアクティブ化に成功した、手動でアクティブ化されるプロファイル。

maintenance

プロファイルのアクティブ化が試行されましたが、失敗しました。

initialized

このプロファイルは、操作がまだ行われていない有効な構成オブジェクトを表します。

uninitialized

このプロファイルは、削除された物理リンクに対応する NCU など、システムに存在しない構成オブジェクトを表します。

show-events

NWAM デーモンからイベントのストリームを待機し、それらを表示します。

scan-wifi linkname

リンク linkname に対して無線スキャンを開始します。

select-wifi linkname

リンク linkname に対するスキャン結果から、接続する無線ネットワークを選択します。必要に応じて、選択や WiFi キーなどの入力が求められます。

help

各サブコマンドの簡単な説明を含む使用法に関するメッセージを表示します。

使用例

例 1 ユーザー指定の場所の有効化

次のコマンドは、ユーザー指定の場所を有効にします。

# netadm enable -p loc office
Disabled loc 'home'.
Enabled loc 'office'

例 2 ENM の無効化

次のコマンドは ENM を無効にします。

# netadm disable -p enm myvpn
Disabled enm 'myvpn'.

例 3 すべての NCP の一覧表示

次のコマンドはすべての NCP を一覧表示します。

# netadm list -xp ncp
TYPE         PROFILE        STATE          AUXILIARY STATE
ncp          Automatic      disabled       disabled by administrator
ncp          User           online         active
ncu:phys     nge0           online         interface/link is up
ncu:ip       nge0           online         interface/link is up
ncu:phys     nge1           offline        interface/link is down
ncu:ip       nge1           offline        conditions for activation are
                                           unmet

例 4 アクティブな NCP の NCU の一覧表示

次のコマンドは、アクティブな NCP 内のすべての ip NCU を一覧表示します。

# netadm list -c ip
TYPE        PROFILE        STATE
ncu:ip      bge0           online
ncu:ip      bge1           disabled

例 5 スキャンの強制

次のコマンドは、無線インタフェース wpi0 に対してスキャンを強制します。

# netadm scan-wifi wpi0

例 6 WiFi ネットワークの選択

次のコマンドは、ESSID をブロードキャストしている WiFi ネットワークを選択します。

# netadm select-wifi wpi0
1: ESSID testing BSSID 0:40:96:29:e9:d8
2: ESSID sunwifi BSSID 0:b:e:9f:b5:80
3: ESSID sunwifi BSSID 0:b:e:85:26:c0
4: ESSID sunwifi BSSID 0:b:e:49:2f:80
5: Other

Choose WLAN to connect to [1-5]: 2
#

例 7 WiFi ネットワークの選択 (代替)

次のコマンドは、ESSID をブロードキャストしていない WiFi ネットワークを選択します。

# netadm select-wifi wpi0
1: ESSID testing BSSID 0:40:96:29:e9:d8
2: ESSID sunwifi BSSID 0:b:e:85:26:c0
3: ESSID sunwifi BSSID 0:b:e:9f:b5:80
4: ESSID sunwifi BSSID 0:b:e:49:2f:80
5: ESSID sunwifi BSSID 0:b:e:49:62:c0
6: Other

Choose WLAN to connect to [1-6]: 6

Enter WLAN name: oraclewifi
1: None
2: WEP
3: WPA
Enter security mode: 2

Enter WLAN key for ESSID oraclewifi: 123456

Enter key slot [1-4]: 1
#

例 8 nwamd の監視

次のコマンドは、場所を切り換えるときに nwamd(1M) を監視します。

# netadm show-events
EVENT           DESCRIPTION
OBJECT_ACTION   loc Automatic -> action refresh
OBJECT_STATE    loc Automatic -> state offline*, method/service executi
OBJECT_STATE    loc Automatic -> state online, active
OBJECT_ACTION   loc home -> action refresh
OBJECT_ACTION   loc NoNet -> action refresh
OBJECT_ACTION   loc User -> action refresh
OBJECT_ACTION   loc home -> action enable
OBJECT_STATE    loc home -> state offline*, method/service executing
OBJECT_STATE    loc Automatic -> state offline, conditions for activati
OBJECT_STATE    loc home -> state online, active
^C
#

属性

次の属性についての詳細は、attributes(5) を参照してください。

関連項目

netcfgd(1M), netcfg(1M), nwamd(1M), attributes(5)

JDS/GNOME マニュアルページコレクションで利用可能な nwam-manager(1M) も参照してください。