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Sun QFS File System 5.3 構成および管理ガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語) |
割り当てを使用するための新しいファイルシステムを構成する方法
ディレクトリとファイルへの管理セット ID を割り当てる方法
既存の割り当てファイルを使用してユーザー、グループ、または管理セットの制限値を有効化または変更する方法
ファイルシステム割り当ては、特定のユーザー、ユーザーグループ、または管理セットと呼ばれるサイトで決められたユーザーグループが使用できるオンラインおよび総ディスク領域の容量を制御します。
割り当ては、各ユーザーが使用できる領域の容量や i ノード数を制限することで、ファイルシステムのサイズを制御するときに役立ちます。割り当てが特に有効なのは、ユーザーのホームディレクトリを含むファイルシステムの場合です。割り当てを有効にしてから、利用状況を監視して、ニーズの変化に応じて調整できます。
ファイルシステムは、データのブロックとファイルの i ノードをユーザーに提供します。各ファイルは 1 つの i ノードを使用し、ファイルデータはディスク割り当て単位 (DAU) で格納されます。DAU のサイズは、ファイルシステムの作成時に決まります。割り当ては、512 バイトの倍数でディスクに設定します。
割り当ては、ユーザー ID、グループ ID、または管理者のサイト固有のグループに従って設定できます。このサイト固有のグループ化は、「管理セット ID」と呼ばれます。たとえば、管理セット ID を使用して、ファイルシステムの割り当てを適用するプロジェクトに関わるユーザーの集合を識別できます。
quota マウントオプションが有効で、ファイルシステムのルートディレクトリに 1 つまたは複数の割り当てファイルがあることが検出された場合に、割り当ては有効になります。quota マウントオプションはデフォルトで有効です。noquota を有効にしてファイルシステムをマウントした場合、割り当ては無効になります。マウントオプションの詳細は、mount_samfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
各割り当てファイルには一連のレコードが含まれます。レコード 0 は、システム管理者の割り当ておよびリソース使用率のためのレコードです。システム管理者の割り当てが適用されることはありませんが、割り当てファイルの後続レコードのテンプレートとして、システム管理者のレコードを含む任意のレコードを使用できます。この方法の詳細については、「既存の割り当てファイルを使用してユーザー、グループ、または管理セットの制限値を有効化または変更する方法」を参照してください。
レコード 1 は、割り当てファイルのタイプによって異なりますが、ユーザー 1、グループ 1、または管理セット ID 1 のための割り当てファイル内のレコードです。さまざまなユーザーのさまざまな割り当てを設定するために、レコード 1 およびそれ以降のすべてのレコードを編集することができます。次の表で、割り当てファイル名と、それらが /root で有効にする割り当てを示します。
表 6-1 割り当てファイル名
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割り当てファイルのレコード 0 を編集し、それらをほかのすべてのユーザーの初期割り当てとして使用することで、ユーザーに対してデフォルトの割り当て制限値を設定できます。デフォルトでは、ユーザー割り当てが特に設定されない場合は、レコード 0 の値が使用されます。
割り当てファイルには、1 つあたり 128 バイトの容量が必要です。初期の 0 割り当てファイルに必要なサイズを計算するには、次の式を使用してください。
(*highest-ID* + 1) x 128 = xx / 4096 = 0 割り当てファイルのサイズ
弱い制限値と強い制限値を両方設定できます。強い制限値では、使用可能なシステムリソースの容量を設定します。ユーザーはこの制限値を超えることはできません。弱い制限値では、一時的に強い制限値まで超過できるシステムリソース使用量のレベルを設定します。弱い制限値は、強い制限値よりも高く設定しないでください。
ユーザーが強い制限値を超えてリソースを割り当てようとすると、操作は失敗し、EDQUOT エラーが発生します。
ユーザーが弱い制限値を超えると、タイマーが開始され、猶予期間に入ります。タイマーが作動している間、ユーザーは弱い制限値を超えて操作できます。弱い制限値を下回ると、タイマーはリセットされます。猶予期間が終了し、ユーザーが弱い制限値を下回ることなくタイマーが停止すると、弱い制限値が強い制限値として適用されます。
たとえば、ユーザーの弱い制限値が 10,000 ブロックで、強い制限値が 12,000 ブロックであると仮定します。ユーザーのブロック使用量が 10,000 ブロックを超えて、タイマーが猶予期間を過ぎると、このユーザーは、使用量が 10,000 ブロックの弱い制限値を下回るまでは、そのファイルシステム上にそれ以上のディスクブロックを割り当てられなくなります。
管理者は、samquota コマンドを使用してタイマー値を設定できます。squota コマンドは、ユーザーバージョンの samquota コマンドです。squota ユーザーコマンドには、ユーザーが自分の割り当てに関する情報を得るために指定できるオプションがあります。
ユーザーは、すべての空のファイルを作成することで、ブロックを使用しなくても i ノード割り当てを超過する可能性があります。また、ユーザーは、ユーザーの割り当てのすべてのデータブロックを使用するのに十分な大きさのファイルを作成することで、1 つの i ノードしか使用しなくてもブロック割り当てを超過する可能性があります。
ファイルシステム割り当ては、ユーザーが割り当てることのできる 512 バイトのブロックの数で表されます。ただし、ディスク領域は、DAU の数でユーザーファイルに割り当てられます。DAU 設定は、sammkfs コマンドの -a allocation-unit オプションによって指定されます。ブロック割り当ては、ファイルシステムの DAU の倍数になるように設定することをお勧めします。そうしないと、ユーザーが割り当てる最大ブロック数は、もっとも近い DAU 数に切り捨てられます。ブロック割り当ての設定方法については、「デフォルトの割り当て値を有効にする」を参照してください。