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Sun QFS File System 5.3 構成および管理ガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語) |
ファイルシステムの編集、割り当てファイルの作成、さまざまな割り当てコマンドの入力などの処理を通じて、割り当てを有効にできます。
割り当てを有効にする前に、各ユーザーに割り当てるディスク領域の容量と i ノード数を決める必要があります。ファイルシステムの合計領域を超過しないようにする場合は、合計サイズをユーザー数で分割します。たとえば、3 ユーザーが 100M バイトのスライスを共有し、ディスク領域のニーズが同等の場合は、各ユーザーに 33M バイトを割り当てることができます。すべてのユーザーが割り当てに達する可能性の低い環境では、加算したときにファイルシステムの合計サイズを上回るように個別の割り当てを設定することもできます。たとえば、3 ユーザーが 100M バイトのスライスを共有する場合は、各ユーザーに 40M バイトを割り当てることができます。
次の書式で割り当てコマンドを使用して、割り当て情報を表示できます。
squota コマンドは、エンドユーザーが、自分の割り当て情報をユーザー、グループ、または管理セットごとに取得できるようにします。
samquota コマンドは、システム管理者が割り当て情報を取得したり、割り当てを設定したりできるようにします。
ユーザーには、-U オプションを使用します。次に例を示します。
# samquota -U janet /mount-point
グループには、-G オプションを使用します。次に例を示します。
# samquota -G pubs /mount-point
管理には、-A オプションを使用します。次に例を示します。
# samquota -A 99 /mount-point
これから新しいファイルシステムを作成し、現在はファイルシステムにファイルが常駐していない場合は、この手順を使用します。割り当てを使用するために既存のファイルシステムを構成するには、「割り当てを使用するための既存ファイルシステムを構成する方法」を参照してください。
この手順を始める前に、samfs.cmd ファイルまたは /etc/vfstab ファイルで noquota マウントオプションを指定していないことを確認してください。
mcf ファイルの作成、マウントポイントの作成、ファイルシステムの初期化などを行うには、『Sun QFS および Sun Storage Archive Manager 5.3 インストールガイド』に記載されている手順に従うか、第 3 章mcf ファイルの例の例を使用してください。
次に例を示します。
# mount /qfs1
このコマンドの引数は、次に示すように作成する割り当てのタイプによって異なります。
管理セットの割り当てを作成するには:
# dd if=/dev/zero of=/qfs1/.quota_a bs=4096 count=1
グループの割り当てを作成するには:
# dd if=/dev/zero of=/qfs1/.quota_g bs=4096 count=1
ユーザーの割り当てを作成するには:
# dd if=/dev/zero of=/qfs1/.quota_u bs=4096 count=1
詳細は、dd(1M) のマニュアルページを参照してください。
次に例を示します。
# umount /qfs1
ファイルシステムは、マウント解除する必要があります。これにより、ファイルシステムを再マウントして、マウント時に割り当てファイルを読み込ませることができます。
次の例で、-F オプションは割り当てファイルで使用中の値をリセットします。
# samfsck -F qfs1
割り当ては、/root ディレクトリに 1 つまたは複数の割り当てファイルが検出された場合に有効になります。
注 - /etc/vfstab ファイルまたは samfs.cmd ファイルに quota マウントオプションを指定する必要はありません。quota マウントオプションはデフォルトでは mount コマンドで有効になっていて、割り当ては、割り当てファイルがあることが検出されたときに自動的に有効になります。
mount コマンドの詳細については、mount_samfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
この章のこのあとの項目では、この作業の手順と例を示します。samquota コマンドについては、samquota(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、すでにファイルが存在するファイルシステムに対して割り当てを作成する場合に使用します。割り当てを使用するために新しいファイルシステムを構成する場合は、「割り当てを使用するための新しいファイルシステムを構成する方法」を参照してください。
この手順を始める前に、samfs.cmd ファイルまたは /etc/vfstab ファイルで noquota マウントオプションを指定していないことを確認してください。
# mount
表示されたマウントリストにファイルシステムがあることを確認します。
次に例を示します。
# cd /oldfs1
.quota_u、.quota_g,、.quota_a のいずれかのファイルが存在する場合は、このファイルシステムの割り当てが有効になっています。
ファイルシステムでいずれかの割り当てタイプが設定されている場合は、ほかの割り当てタイプをあとから設定できます。新しいファイルを追加するときに、既存の割り当てファイルを変更しないように注意してください。
適用する割り当てのタイプのうち、既存のもっとも高い ID 番号を確認します。初期のゼロ割り当てファイルは、これらの ID のレコードを保持するのに十分な大きさにしてください (各割り当てファイルレコードには 128 バイトが必要です)。
たとえば、管理セットの割り当てを有効にするときに、ファイルシステムを使用しているもっとも大きな管理セット ID が 1024 である場合は、次のように計算します。
(1024 + 1) x 128 = 131200
131200/4096 = 32.031...
次のコマンドを使用します。
# dd if=/dev/zero of=/oldfs1/.quota_a bs=4096 count=33
dd コマンドについては、dd(1M) のマニュアルページを参照してください。
次に例を示します。
# umount /oldfs1
ファイルシステムは、マウント解除する必要があります。これにより、ファイルシステムを再マウントして、マウント時に割り当てファイルを読み込ませることができます。ファイルシステムのマウント解除の詳細については、『Sun QFS および Sun Storage Archive Manager 5.3 インストールガイド』の「ファイルシステムのマウント解除」を参照してください。
このコマンドは、次のように、現在の使用量情報を持つ割り当てファイルに割り当てられたレコードを更新します。
# samfsck -F /oldfs1
割り当ては、/root ディレクトリに 1 つまたは複数の割り当てファイルが検出された場合に有効になります。
/etc/vfstab ファイルまたは samfs.cmd ファイルに quota マウントオプションを指定する必要はありません。quota マウントオプションはデフォルトでは mount コマンドで有効になっていて、割り当ては、割り当てファイルがあることが検出されたときに自動的に有効になります。
注 - 割り当てファイルが存在し、割り当てを有効にしてファイルシステムがマウントされている場合、ブロックまたはファイルの割り当てや解放が行われると、割り当てレコードが実際の使用量と一致しなくなります。割り当ての設定されたファイルシステムがマウントされ、割り当てが無効の状態で動作している場合は、samfsck -F コマンドを実行して、割り当てファイルの使用量カウントを更新してから、割り当てを有効にしてファイルシステムを再マウントしてください。
mount コマンドの詳細については、mount_samfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
この章のこのあとの項目では、この作業の手順と例を示します。samquota コマンドについては、samquota(1M) のマニュアルページを参照してください。
次のように、samchaid コマンドを使用して、ディレクトリまたはファイルの管理セット ID を変更します。
ファイルまたはディレクトリの ID を設定するには、ディレクトリ名またはパスを指定します。次に例を示します。
# samchaid 100 admin.dir
ディレクトリツリーの ID を設定するには、-R オプションと、必要であれば、-h オプションを使用します。-R オプションは再帰的な操作を指定し、-h オプションはターゲットではなくリンクを変更します。次に例を示します。
# samchaid -R -h 22 /qfs1/joe /qfs1/nancee
詳細は、samchaid(1M) のマニュアルページを参照してください。
無限割り当てと設定されているユーザーは、使用可能なすべてのファイルシステムリソースへのアクセスが常に許可されます。無限割り当ての値は、ユーザー、グループ、または管理セット ID の割り当てファイルのレコード 0 に設定できます。そのあと、このレコードを、新しいユーザー、グループ、または管理セット ID のデフォルト値として使用できます。
samquota コマンドを使用して、割り当て制限値を 0 に設定できます。
次に例を示します。
# samquota -U fred -b 0:h -f 0:h /qfs1
強い制限値と弱い制限値をすべて 0 に設定することで、特定のユーザー、グループ、または管理セット ID の無限割り当てを設定できます。次の例では、無限割り当てを設定する方法を示します。
# samquota -G sam -b 0:s,h -f 0:s,h /sam6 # samquota -G sam /sam6 Online Limits Total Limits Type ID In Use Soft Hard In Use Soft Hard /sam6 Files group 101 339 0 0 339 0 0 Blocks group 101 248 0 0 2614 0 0 Grace period 0s 0s ---> Infinite quotas in effect.
samquota コマンドを使用して、ユーザー、グループ、または管理セットのデフォルトの制限値を 0 に設定することで、ユーザー、グループ、または管理セットのデフォルトの割り当て値を有効にすることができます。たとえば、次のコマンドは、すべての管理セット ID のデフォルト割り当てを設定します。
# samquota -A 0 -b 12000:s -b 15000:h -b 12G:s:t -b 15G:h:t \ -f 1000:s -f 1200:h -t 1w /qfs1
このコマンドは、すべてのユーザーの初期化されていない管理セットの割り当て制限値を次のように設定します。
オンラインブロックの弱い制限値 (-b limit:s) は、12,000 ブロックに設定されます。
オンラインブロックの強い制限値 (-b limit:h) は、15,000 ブロックに設定されます。
総ブロックの弱い制限値 (-b limit:s:t) は、12 ギガブロックに設定されます。
総ブロックの強い制限値 (-b limit:h:t) は、15 ギガブロックに設定されます。
ファイルの弱い制限値 (-f limit :s) は、1000 ファイルに設定されます。
ファイルの強い制限値 (-f limit :h) は、1200 ファイルに設定されます。
猶予期間 (-t limit) は 1 週間に設定されます。
注 - 割り当てレコードがすでに存在する場合は、既存の値が引き続き有効になります。この状況は、管理グループにすでにブロックが割り当てられている場合などに発生することがあります。
同様に、ユーザーまたはグループのデフォルト割り当ては、それぞれ -A 0 の代わりに -U 0 または -G 0 を指定することで設定できます。
samquota コマンドを使用して、特定のユーザー、グループ、または管理セットの制限値の組み合わせを有効にすることができます。たとえば、次のコマンドは、ユーザー、グループ、および管理セットの制限値をそれぞれ有効にします。
# samquota -U joe -b 15000:s -b 20000:h -b 12G:s:t -b 15G:h:t \ -f 500:s -f 750:h -t 3d /qfs1 # samquota -G proj -b 15000:s -b 20000:h -b 12G:s:t -b 15G:h:t \ -f 500:s -f 750:h -t 3d /qfs1 # samquota -A 7 -b 15000:s -b 20000:h -b 12G:s:t -b 15G:h:t \ -f 500:s -f 750:h -t 3d /qfs1
詳細は、samquota(1M) のマニュアルページを参照してください。
割り当てを設定したあとで、既存の割り当てファイルをテンプレートとして使用して、別のユーザー、グループ、または管理セットに対する制限値を作成できます。この手順を使用して、任意の割り当て設定を変更することもできます。
-e オプション、および -U user-ID、-G group-ID、または -A adminset-ID オプションの 1 つまたは複数を指定して、samquota コマンドを使用します。
次の例は、quota.group ファイルを取得してテンプレートとして使用する方法を示しています。
注 - グループ割り当てエントリをテンプレートとして使用し、ユーザー割り当てエントリを作成できます。
# samquota -G sam -e /sam6 > /tmp/quota.group # cat /tmp/quota.group # Type ID # Online Limits Total Limits # soft hard soft hard # Files # Blocks # Grace Periods # # samquota -G 102 \ -f 200:s:o -f 300:h:o -f 200:s:t -f 300:h:t \ -b 40000:s:o -b 60000:h:o -b 40000000:s:t -b 60000000:h:t \ -t 1d:o -t 1d:t /sam6
次に例を示します。
# sh -x /tmp/quota.group
-x オプションは、実行するコマンドのエコーをシェルに指示します。必要に応じて、-x オプションは省略できます。