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Sun Storage Archive Manager 5.3 構成および管理ガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語) |
解放処理と書き込み処理は、相補的なプロセスです。アーカイブ済みのファイルをオンラインディスクキャッシュから完全に解放したり、サイト内のファイルの先頭 (スタブ) をディスクキャッシュに残して残りの部分を解放するように指定したりできます。ファイルを部分的に解放すると、ファイルの書き込みをすることなく、ファイルスタブ内のデータにすぐにアクセスできます。ファイルシステムをマウントするときにオンライン状態のままとするスタブのデフォルトの部分的解放サイズと最大サイズの両方を指定できます。
これらは、mount コマンドを使用して、または SAM-QFS Manager で、部分的解放と書き込みの値を介して設定できます。詳細は、SAM-QFS Manager のオンラインヘルプを参照してください。
mount コマンドのオプションは、次のとおりです。
-o partial= n オプション - オンライン状態のままとするファイルスタブのデフォルトサイズ (n) を設定します。-o partial= n の設定値は、-o maxpartial= n の設定値と同じか、またはそれ以下である必要があります。
-o maxpartial= n オプション - オンライン状態のままとするファイルスタブの最大サイズ (n) を設定します。
release コマンドに --p オプションを指定するか、sam_release ライブラリルーチンに -p オプションを指定することによって、ファイルのデフォルトのスタブサイズを指定できます。種類の異なるファイルまたは異なるアプリケーションに対してさまざまなサイズのファイルスタブを指定するには、release コマンドに --s オプションを指定するか、sam_release ライブラリルーチンに -s オプションを指定します。-s 値と s 値は、ファイルシステムのマウント時に mount コマンドに使用した -o maxpartial 値未満である必要があります。
注 - 部分的に解放されたファイルは、DAU 1 つ分のディスク容量を占めます。たとえば、部分的解放ファイルスタブが 16K に設定され、DAU のサイズが 256K の場合、ファイルによって消費されるディスク上の実際の容量は 256K です。
ファイルの残り部分の書き込みを行う前に部分的解放スタブ内のどのくらいの量を読み取るかを設定するには、マウントオプション -o partial_stage= n を使用します。-o partial_stage= n で指定したサイズを超える読み取りにより、ファイルの書き込みが開始されます。
デフォルトでは、-o partial_stage= n オプションは、部分的解放スタブのサイズに設定されます。この値を変更すると、ファイルの書き込みは次のような影響を受けます。
-o partial_stage= n オプションが部分的解放スタブのサイズに設定されている場合は、デフォルトの動作により、アプリケーションが部分的解放スタブの終わりに達するまでファイルの書き込みは行われません。スタブの終わりに達するまで待機すると、ファイルの残りの部分へのアクセスに遅延が生じます。
-o partial_stage= n オプションが部分的解放スタブより小さい値に設定されている場合は、アプリケーションが -o partial_stage= n オプションで設定されたしきい値を超えたあとでファイルの書き込みが行われます。この結果、残りのファイルデータへのアクセスに遅延が生じる確率が減少します。
例 14-1 部分的書き込み
この例では、あるサイトに次のオプションが設定されています。
-o partial_stage=16 (16K バイト)
-o partial=2097152 (2G バイト)
-o maxpartial=2097152 (2G バイト)
filemgr プログラムは、ファイルの先頭 8K バイトを読み取ります。ファイルの書き込みは行われません。
ビデオオンデマンドアプリケーションが同じファイルを読み取ります。読み取りがファイルの先頭 16K バイトを超えると、ファイルの書き込みが行われます。アプリケーションは読み取りを継続し、アーカイブテープがマウントされて位置付けられます。
ビデオオンデマンドアプリケーションは、ファイルデータの読み取りが 2G バイトを超えると、書き込みアクティビティーのすぐあとを追跡して読み取ります。アプリケーションが部分的なファイルデータを読み取っているときにテープのマウントと位置付けが行われるので、アプリケーションが待機状態となることはありません。
ファイルが部分的解放対象としてマークできるかどうかを制御するコマンド行オプションがいくつかあります。システム管理者が使用可能とするオプションと、個々のユーザーが使用可能にできるオプションがあります。このあとの項では、システム管理者や個々のユーザーが設定できる解放特性について説明します。
システム管理者は、ファイルシステムをマウントするときに、部分的解放の最大値とデフォルト値を変更できます。次の表に、部分的解放に影響を与える mount オプションを示します。mount コマンドの詳細は、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「mount_samfs(1M)」 を参照してください。
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ユーザーは、ファイルが解放されたあとでディスクキャッシュに残すことができるファイルスタブのサイズの最大値とデフォルト値を設定できます。また、特定のファイルシステムに対して部分的解放機能が使用可能にするかどうかも決定できます。
ただし、ユーザーは release コマンドと sam_release ライブラリルーチンを使用して、ほかの解放属性を設定したり、部分的解放の対象としてマークするファイルを指定したりできます。次の表に、部分的解放の属性を決定するコマンドおよびライブラリのオプションを示します。詳細は、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「release(1)」 および『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「sam_release(3)」 を参照してください。
表 14-1 ユーザー解放オプション
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