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Sun Storage Archive Manager 5.3 構成および管理ガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語) |
4. ネットワーク接続自動ライブラリのパラメータファイルの作成
手順 1: サーバーおよびクライアントにする予定のホストにログインする
手順 2: クライアントおよびサーバーのソフトウェアを確認する
手順 4: Sun SAM-Remote クライアント構成ファイルを作成する
Sun SAM-Remote 環境でのリサイクル (方法 1)
Sun SAM-Remote ソフトウェアには、次のような利点があります。
1 つまたは複数の Sun SAM-Remote クライアント間で、ライブラリなど、高価なリムーバブルメディアリソースをリモート側で共有するよう構成できます。
クライアントがサーバーへのデータ移行を実行できます。
複数の SAM-QFS サーバーがお互いのホストになることができます。Sun SAM-Remote 環境では、サーバーは mcf ファイルの中で ss の装置タイプで構成されたホストシステムです。
Sun SAM-Remote サーバーおよびクライアントは、2 つ以上の Oracle Solaris ホストシステム間で複数のアーカイブコピーを提供するように構成できます。たとえば、SAM-QFS ソフトウェアを実行する 2 つの Oracle Solaris システムを、互いに Sun SAM-Remote サーバーと Sun SAM-Remote クライアントの両方になるシステムとして構成できます。この構成の利点として、各サーバーごとに、相手側サーバー上のデータの追加アーカイブコピーを使用してローカルコピーを作成できます。ファイルシステムは、標準NFS を使用するサーバー間で共有できます。ローカルライブラリにアクセスできなくなった場合、Sun SAM-Remote ソフトウェアは自動的にアーカイブコピーからファイルデータを取り出します。両方のサーバーのユーザーは、プライマリストレージライブラリが使用不可能になった場合でもデータへのアクセスを中断されません。
図 18-1 それぞれが 2 つのクライアントを持つ 2 つの Sun SAM-Remote サーバー
Sun SAM-Remote 環境を構成する前に、使用する環境に次のソフトウェアとハードウェアが含まれていることを確認します。
SAM-QFS アーカイブ管理ソフトウェアパッケージがライセンスされ、インストールされ、動作可能な SPARC システムまたは x64 システム。
同一の SAM-QFS ソフトウェアのリビジョンレベルと同一のパッチコレクションがインストールされているホストシステム。一部のホストシステムをアップグレードする必要がある場合は、『Sun QFS および Sun Storage Archive Manager 5.3 インストールガイド』の第 10 章「Sun QFS と SAM-QFS のアップグレード」を参照してください。
少なくとも 1 つの SAM-QFS ファイルシステムを含む、Sun SAM-Remote サーバーとして機能する 1 つ以上のホストシステム。
クライアントとサーバーの間で TCP/IP 接続が稼働しているネットワーク接続。
SAM-QFS ソフトウェアは、リモートライブラリ内のカートリッジをローカルライブラリ内のカートリッジとまったく同じように取り扱います。ただし、次の情報は Sun SAM-Remote ソフトウェアの制限事項を示しています。
Sun SAM-Remote を使用してメディアをリサイクルする前に、使用する環境を十分にテストしてください。詳細は、「Sun SAM-Remote ソフトウェアによるリサイクル」を参照してください。
Sun SAM-Remote サーバーと通信できるのは Sun SAM-Remote クライアント上の 1 つのデーモンだけです。
SAM-QFS ソフトウェアおよび Sun SAM-Remote は、共有 Sun QFS ファイルシステム上の Sun QFS クライアントで操作できません。複数の Sun QFS ファイルシステム用のメタデータサーバーであるサーバー、およびほかの Sun QFS ファイルシステム用のクライアントで実行中の場合、SAM-QFS ソフトウェアと Sun SAM-Remote は、そのサーバーがメタデータサーバーであるファイルシステムでのみ動作します。
Sun SAM-Remote クライアントは、TCP/IP 接続を使用して Sun SAM-Remote サーバーと対話します。Sun SAM-Remote クライアント間のネットワークは、Ethernet、Fast Ethernet、ファイバチャネルなど、Oracle Solaris OS でサポートされているどのようなネットワークタイプでもかまいません。
図 18-2 Sun SAM-Remote のサーバーとクライアントの対話
Sun SAM-Remote サーバーは、全機能を備えた SAM-QFS ストレージ管理ホストと、ライブラリをクライアント間で共有するように定義する Sun SAM-Remote サーバーデーモンから構成されます。Sun SAM-Remote サーバー上には、少なくとも 1 つの SAM-QFS ファイルシステムが構成されていなければなりません。
ホストシステムを Sun SAM-Remote サーバーとして定義するには、そのサーバーシステムの /etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルに、ss の装置タイプを指定した行を追加します。それぞれのサーバーに一意のファミリセット名を指定する必要があります。1 つのデーモンにつき最大 10 クライアントを構成できます。10 を超えるクライアントを構成するには、構成する 10 クライアントごとに 1 つのリモートサーバーエントリを mcf ファイルに追加します。サーバーデーモンの詳細については、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「sam-remote(7)」を参照してください。
Sun SAM-Remote クライアントは、多数の擬似デバイスを含んでいる Sun SAM-Remote クライアントデーモンを確立する SAM-QFS ホストシステムです。
ホストシステムを Sun SAM-Remote クライアントとして定義するには、そのクライアントシステムの /etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルに、sc の装置タイプを指定した行を追加します。クライアントデーモンの詳細については、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「sam-remote(7)」を参照してください。
擬似デバイスは、Sun SAM-Remote サーバー上の実際のリムーバブルメディアデバイスへのネットワーク接続を定義します。擬似デバイスの装置タイプは rd で、これは リモートデバイス (remote device) の省略形です。擬似デバイスは、Sun SAM-Remote クライアントの /etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルで定義します。Sun SAM-Remote デーモンおよび擬似デバイスは、1 つの特定サーバーへ関連付けられます。
Sun SAM-Remote デーモンがそれぞれのクライアントごとにサポートする擬似デバイスの数に制限はありません。クライアントが実際に使用する擬似デバイスの数は、ユーザーが構成できます。構成する 1 クライアント当たりの擬似デバイス数を決めるときは、クライアントとサーバー間で発生する可能性がある同時データ転送の数をそれらのデバイス数と考えてください。定義する擬似デバイスの数が多いほど、ネットワークトラフィック全体の負荷が増える可能性が高くなります。システム管理者が、システムに必要な擬似デバイスの実際の数を決めます。
Sun SAM-Remote サーバーデーモン sam-serverd は、ポート 1000 上でクライアントを待機します。rmtsam のサービス名を使って、Oracle Solaris /etc/services ディレクトリの別のポートを構成できます。Sun SAM-Remote クライアントが Sun SAM-Remote サーバーに接続すると、sam-serverd デーモンは別のポート上で接続を確立し、そのポート番号を、定義されたポートを使用してクライアントに伝達します。ソケットサイズがクライアントへ渡されます。ソケットサイズは構成可能であり、「Sun SAM-Remote ソフトウェアの構成」に詳しい説明があります。
Sun SAM-Remote ライブラリカタログは、Sun SAM-Remote サーバー上に置かれたカタログのサブセットです。クライアントカタログはリアルタイムで更新されます。Sun SAM-Remote クライアントカタログへ割り当てられたスロットは、Sun SAM-Remote サーバーによってのみ制御されます。
システムは初期化後にクライアントカタログを作成し、Sun SAM-Remote サーバーカタログファイルからの情報に基づいて、そのカタログを Sun SAM-Remote クライアントに渡します。ホストとクライアントの間の接続が確立されたあと、クライアントから使用可能なメディアには使用可能のフラグが立ちます。クライアントとサーバーの間の接続が失われると、クライアント上のメディアには使用不可のフラグが立ちます。メディアの可用性は、samu v 表示によって表示できます。クライアント上の samu v 表示に表示される情報は、サーバー上の v 表示に表示される情報のサブセットです。適切な方法は、Sun SAM-Remote サーバー上の samu v 表示を使ってメディアカタログにアクセスすることです。Sun SAM-Remote サーバークライアントファイルの詳細については、「Sun SAM-Remote ソフトウェアの構成」を参照してください。samu オペレータユーティリティーの詳細については、『Sun QFS File System 5.3 構成および管理ガイド』の第 13 章「samu オペレータユーティリティーの使用」を参照してください。
カタログに対する変更は、必要に応じてホスト間で受け渡されます。クライアントに関連したメディアタイプを含んでいるサーバーカタログ内の変更は、そのクライアントへ渡され、クライアントカタログが更新されます。
Sun SAM-Remote のアーカイブ処理は SAM-QFS のアーカイブ処理と同じです。Sun SAM-Remote クライアントは、マウントリクエストがサーバーのマウントリクエストテーブルに追加されるようにします。そのあと、クライアントは、メディアがマウントされたことを示すサーバーからの応答メッセージを待ちます。アーカイブ処理は、メディアが使用可能になった時点で開始されます。
DIV 機能を使用できるようにするためには、Sun SAM-Remote サーバーとクライアントの defaults.conf ファイルで div が有効になっている必要があります。DIV 機能の詳細については、第 13 章SAM-QFS でのデータ整合性の検証を参照してください。