9 Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用したトポロジのモニタリング

Oracle WebLogic Server Management Pack Enterprise Editionの機能を備えたOracle Enterprise Manager Cloud Control 12cには、物理的および仮想的なExalogic Elastic Cloud環境にデプロイされたOracleソフトウェアを管理およびモニターするためのExalogic Elastic Cloud固有の管理ツールが含まれています。

これらの監視機能は、次のような既存のOracle WebLogic Serverの管理機能を拡張するものです。

• アプリケーション・パフォーマンスの管理

• 構成の管理

• サービス・レベルの管理および操作

Exalogic Elastic Cloud特有の機能により、管理者は次のことが可能になります。

• Oracle Exalogic Elastic Cloudターゲットの専用ダッシュボードからすべての管理機能にアクセスして、簡単に、全体の健全性、可用性、パフォーマンスをモニターし、Oracle Exalogic Elastic Cloud上で実行されているホスト、Oracle WebLogicドメイン、アプリケーション・デプロイメント、CoherenceクラスタなどのExalogicのハードウェアおよびソフトウェアを管理します。

• アプリケーション・デプロイメントにドリルダウンして、メトリックを識別し、しきい値を設定します。

• Exalogic Elastic Cloud環境全体のアラート、ステータス、およびインシデント階層を表示し、サービス・レベルやしきい値に関連する通知を操作者に提供します。

• Exalogic Elastic Cloudダッシュボードおよびその基礎となるメニューから、詳細なコンポーネントおよびJVMレベルのパフォーマンス・メトリック、構成管理、およびプロビジョニングやクローニングへとドリルダウンでき、操作者や管理者はエンドツーエンドの管理を行えます。

• Exalogic Elastic Cloudシステムを構成するコンポーネント、中間層プラットフォーム、および基礎となるホストやハードウェアの層間の関係を即時に特定するには、Exalogic Topology Viewを使用します。

• 次のような追加のExalogicダッシュボードの拡張機能を活用してください。

  • 統合されたハードウェアとソフトウェアの構成図

  • ハードウェア-ソフトウェア・トポロジ・ビュー

  • ハードウェア・ターゲットのモニタリング(計算、ZFAアプライアンス、Infinibandファブリック、ILOM)

  • Oracle Traffic Director(OTD)のモニタリング

  • 仮想および非仮想構成のサポート

  • Exalogic vServerのゲスト仮想マシン(VM)のモニタリング

  • ヘルス・チェック

  • Trustedパーティション/Virtual Central Processing Unit(vCPU)ライセンス・レポート

  • パフォーマンスおよびフィルタリングの最適化

• Enterprise Manager Cloud Controlのインシデント管理システムを使用して、単一のガラス状のペインから、ハードウェア・アラームやEnterprise Manager Ops Centerからのアラートなどのハードウェアおよびソフトウェアのインシデントを管理します。

この章には次のトピックが含まれます:

• Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cへのアクセス
  Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cへのアクセス方法は、この項を参照してください。
• Oracle Exalogic Elastic Cloudターゲットの検出
  Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cを使用してOracle Exalogic Elastic Cloudマシンをモニターおよび管理するには、検出するExalogic Elastic Cloud環境を準備して、関連するシステム・ターゲットを検出する必要があります。
• Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cでのExalogic固有ページの使用
  Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cのExalogic Elastic Cloud固有のページに移動する手順は、この項を参照してください。

9.1 Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cへのアクセス

Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cへのアクセス方法は、この項を参照してください。

すでにOracle Enterprise Manager Cloud Control 12cの実装がある場合は、次のURLに移動してアクセスできます。実装の構成によって、ポートを指定する必要のある場合と、指定する必要のない場合があります。ご使用の環境のURL(https://hostname.domain[:port]/em)については、Enterprise Manager管理者に問い合せてください。

例:

https://exalogicem.mycompany.com:1159/em

1. まだ、Enterprise Manager Cloud Control 12cの実装がない場合は、次のリソースを参照してください。
   • Oracle Enterprise Manager 12cドキュメント。

     • Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド

     • Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーション・ガイド

   • Oracle Technology Network(OTN)のOracle Enterprise ManagerリソースOracle Technology Network(OTN)のOracle Enterprise Managerリソース。

2. Exalogic Elastic Cloudの管理にEnterprise Manager Cloud Control 12cの機能を使用できるかどうかは、Enterprise Managerシステムの可用性を確保することに依存します。
   詳細は、次のリソースを参照してください。

   • Enterprise Managerの最大可用性アーキテクチャ(MAA)のベスト・プラクティス。

   • EM運用上の考慮事項およびトラブルシューティング・ホワイト・ペーパー・マスター索引。

   注意:

   マスター・ノートを開くには、次の手順を実行します。

   • My Oracle SupportのドキュメントIDを選択して、[Ctrl]キーを押しながら[F9]キーを押します。「Attributes」ダイアログが開きます。

   • 「Url」属性の「Attribute Value」フィールドに、次のURLを入力します。

     https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=note_id

   • 画面の上部にある検索フィールドに、ノートIDまたはキーワードを入力します。

   • 「Set Value」をクリックします。

9.2 Oracle Exalogic Elastic Cloudターゲットの検出

Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cを使用してOracle Exalogic Elastic Cloudマシンをモニターおよび管理するには、検出するExalogic Elastic Cloud環境を準備して、関連するシステム・ターゲットを検出する必要があります。

準備と検出の手順は、Oracle Exalogic Elastic Cloudマシンが物理または仮想構成のどちらにインストールされているかによって異なります。

1. 構成が物理的である場合は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control Exalogic Elastic Cloud Machineの管理とモニタリング』の「Exalogicマシンの検出 - 物理構成」の手順に従ってください
2. 構成が仮想的である場合は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control Exalogic Elastic Cloud Machineの管理とモニタリング』の「Exalogicマシンの検出 - 仮想構成」の手順に従ってください。

9.3 Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cでのExalogic固有ページの使用

Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cのExalogic Elastic Cloud固有のページに移動する手順は、この項を参照してください。

検出するExalogic Elastic Cloudターゲットを準備する手順を完了したら、次の手順に従ってOracle Enterprise Manager Cloud Control 12cのExalogic Elastic Cloud固有ページに移動します。

1. Oracle Enterprise Manager Cloud ControlのWebインタフェースにログインします。
   ホームページが表示されます。
2. ホームページで、「Targets」→「Systems」と選択します。
   「システム」ページが表示されます。
3. 「Systems」ページで、Oracle Exalogic Elastic Cloudマシンのターゲット名(Exalogic Enterprise Deploymentなど)を選択します。これは、「Oracle Exalogic Elastic Cloudターゲットの検出」で作成したターゲットです。

   Oracle Exalogic Elastic Cloudのホームページが表示されます。これは、Exalogic Elastic Cloud固有のモニタリングおよび制御操作(構成、アプリケーション・デプロイメント、WebLogicドメインおよびメトリック・ページを含む)すべてのランディング・ページです。

Oracle Enterprise Managerは、Oracle Exalogicの包括的なメトリックを表示します。これらのメトリックは表形式で表示され、それらは昇順または降順にソートできます。この機能によって、最大値および最小値を簡単に見つけることができます。

この項の内容は次のとおりです。

• Exalogic構成のための管理およびモニター機能
  Exalogic Elastic Cloudメニューから直接ソフトウェア・コンポーネントを選択し、メンバーを選択してからハードウェア・コンポーネントにアクセスできます。
• Exalogic仮想構成の管理およびモニター機能
  Enterprise Manager Cloud Control 12cには、仮想構成のExalogic Elastic Cloud用の追加のモニタリングおよび管理機能があります。

9.3.1 Exalogic構成のための管理およびモニター機能

Exalogic Elastic Cloudメニューから直接ソフトウェア・コンポーネントを選択し、メンバーを選択してからハードウェア・コンポーネントにアクセスできます。

Oracle Exalogic Elastic Cloudのホームページから、次の図に示すように「Exalogic Elastic Cloud」メニューを使用して、Exalogic Elastic Cloud Dashboardなどの目的の機能にアクセスできます。

図9-1 「Exalogic Elastic Cloud」メニュー

Exalogic Elastic Cloud Dashboardは、「Software」タブと「Hardware」タブの2つのタブで構成されています。

次の図に示す「Software」タブには、Exalogic Elastic Cloudターゲットのアラートやキー・パフォーマンス・メトリックなどのステータス情報が表示されます。

• アプリケーション・デプロイメント

• WebLogicドメイン

• Coherenceクラスタ

• ホスト

各リージョンには、サマリー、ステータス、関連するインシデント、およびその他の関連情報が含まれ、展開や縮小ができます。特定のリージョンに多数のターゲットが存在する可能性があり、各リージョンをフィルタリングして目的のターゲットのみを表示でき、詳細を調べるためにドリルダウンできます。

図9-2 Exalogic Elastic Cloud Dashboardの「Software」タブ

次の図に示す「Hardware」タブでは、ステータス、インシデント、Exalogic Elastic Cloudの構成図、およびExalogic Elastic Cloudのハードウェアとインフラストラクチャに関するその他の情報(構成図を含む)が表示されます。

図9-3 Exalogic Elastic Cloud Dashboardの「Hardware」タブ

Exalogicの構成図の例を次の図に示します。情報はリージョンに分割され、各リージョンは展開または縮小できます。「Software」タブで、ドリルダウンして詳細を調べることができます。

図9-4 Exalogic Elastic Cloudの構成図

• Exalogic Elastic Cloud Dashboardの詳細、および次の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control Oracle Exalogic Elastic Cloud Machineの管理とモニタリング』の「Exalogicの監視と管理」を参照してください。

  • Exalogic Elastic Cloudのハードウェア・コンポーネントのモニタリング

  • Exalogicのソフトウェアおよびハードウェア・コンポーネントの関係の可視化

  • コンポーネント障害の影響の分析

• 次の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control Oracle Exalogic Elastic Cloud Machineの管理とモニタリング』の「ホストおよびアプリケーションの監視」を参照してください。

  • ホストの表示

  • アプリケーション・デプロイメントの表示

  • WebLogicドメインの表示

  • Coherenceクラスタの表示

  • Exalogicレポートの作成

9.3.2 Exalogic仮想構成の管理およびモニター機能

Enterprise Manager Cloud Control 12cには、仮想構成のExalogic Elastic Cloud用の追加のモニタリングおよび管理機能があります。

• 次の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control Oracle Exalogic Elastic Cloud Machineの管理とモニタリング』のExalogic仮想構成での監視タスクに関する項を参照してください。

  • Exalogic Controlスタックのモニタリング

  • Exalogic使用量トラッキングの表示および管理

  • Cloud ControlのインシデントとしてOps Center内にExalogicシステム用に作成されたインシデントおよびステータス変更の表示

  • vCPU使用量レポートの表示

  • リソース使用量トレンドの表示

  • vCPU使用量レポートのエクスポート

• 次の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control Oracle Exalogic Elastic Cloud Machineの管理とモニタリング』のExalogic仮想構成での監視タスクに関する項を参照してください。

  • Exalogicゲスト・ベース・テンプレートの構成

  • Exalogic ControlのVMの作成

  • Exalogicネットワークの構成