7複数のビジネス・ユニット
この章の内容は次のとおりです。
ビジネス・ユニットについて
アプリケーションの企業体系の一部として、ビジネス・ユニット(BU)は主に、設定データと参照データを分離または共有するために使用できるコンテナまたは構成部品として機能します。ビジネス・ユニットは、通常、1つ以上のビジネス機能を実行し、組織階層で特定の位置に置かれます。通常、各ビジネス・ユニットにはマネージャ、戦略目標、自律レベルがあり、損益に対する責任を担います。
ビジネス・ユニットでは、次のことが可能です。
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トランザクション・データをセグメント化して他のビジネス・ユニットから分離します。たとえば、営業ビジネスをマーケティング・ビジネスから分離して行っている場合、営業ビジネス・データをセグメント化してマーケティング従業員がアクセスできないようにします。
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トランザクションについてレポートします。
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アプリケーション間で参照データ・セットを共有します。ビジネス・ユニットは、会社全体のビジネス・ルールおよびポリシーを反映する参照データ・セットを使用して、トランザクションを処理します。ビジネス・ユニット間で支払条件やトランザクション・タイプなどの参照データを共有できます。または、共通ポリシーを強制するレベルに応じて、各ビジネス・ユニットにそれ自体のセットを管理させることもできます。
ビジネス・ユニットの用語
複数のビジネス・ユニットを実装および操作する場合は、次の用語に注意してください。
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マスター・データ: グローバルに管理され、どのBUにも固有ではないデータ。次に例を示します。
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アカウント: 顧客アカウントはBUでセグメント化できません。
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ユーザー: ユーザーは、リソース組織メンバーシップを介してBUに関連付けることができますが、通常はグローバルに管理されます。
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製品: BUごとに異なる製品が販売される場合もありますが、製品の定義はグローバルです。
注意: アカウントや担当者などのマスター・データへのアクセスは、テリトリ・ベースの割当を介して制御する必要があります。マスター・データはビジネス・ユニット別に分離できません。 -
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参照データ: リードや商談などのトランザクション・オブジェクトで使用されるデータです。参照データはBU間で異なる場合もあれば、BU間で共通の場合もあります。参照データは、セットとも呼ばれる参照データ・セットに編成され、それぞれが一意のセットIDを持ちます。次に例を示します。
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参照タイプ(商談およびリードの複数のフィールドに値リストを提供する参照タイプなど)
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商談販売方法(販売方法設定ページで変更可能)
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トランザクション・データ: 一般的な営業プロセス中に作成されるリード、商談および契約に関連付けられたデータなどの営業ユーザー・データです。
営業の複数のビジネス・ユニットの概要
複数のビジネス・ユニット(BU)を使用して企業体系を設定すると、異なるビジネス機能を実行したり、管理階層にロールアップできる個別のユニットを設定できます。
営業アプリケーションでは、次のビジネス・オブジェクトで複数のBUの使用をサポートしています。
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契約
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リード
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商談
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リソース組織
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テリトリ
複数のBUを使用する利点
複数BUモデルを実装する前に、複数のBUを実装することで組織が得られる利点について検討してください。各組織で独自の評価を行いますが、次のような考慮事項があります。
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BU全体の顧客データへのアクセス: すべてのBUにわたる顧客とその相互作用の詳細を単一のビューで参照できるようにします。
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グローバルなレポートおよび予測: 主要な利害関係者およびエグゼクティブに関する会社全体の分析を取得します。予測およびパイプライン管理はグローバルに実行できます。
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ビジネス・プロセスの標準化: ベスト・プラクティスを使用し、企業全体の営業プロセスを標準化します。
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コラボレーションの向上: 同じ顧客との取引においてBU全体の営業チームが連携し、類似製品の競合を回避して、クロスセルおよびアップセル商談を改善できます。
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統合コストとデータ重複の削減: 営業システムとERPシステムとの間で必要な統合が少なくなり、営業システムのデータ品質が向上します。
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重複開発の削減: 実装およびコンサルティング・リソースの所有コストを削減します。設定および会社定義の開発アーティファクトの重複を回避します。
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サブスクリプション・コストの削減: 異なるBUをサポートするユーザーが、個別のライセンスを必要とする複数のシステムにサインオンする必要がなくなります。
複数のBUの利点
営業アプリケーションでは、ビジネス・ニーズに応じて、複数のBUをサポートする営業ビジネス・オブジェクト内で、複数のBUを使用して企業を構築することが有益です。
次の表に、実装で複数のBUを使用することで利点を得る方法をいくつか示します。
| ビジネス・オブジェクト | 用途または利点 | 詳細情報 |
|---|---|---|
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契約 |
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『企業契約の実装』ガイドの契約条件ライブラリのビジネス・ユニットの設定に関するトピックを参照してください。 |
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リード |
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この章の次のトピックを参照してください。
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商談 |
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この章の次のトピックを参照してください。
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リソース組織 |
営業リソースおよびリソース組織をBUに関連付けることで、営業リソースがアクセスできるデータのセットを制限できます。 |
この章の次のトピックを参照してください。
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テリトリ |
BUを選択することで、営業テリトリのカバレッジを定義できます。定義済BUで識別されたリードおよび商談がテリトリに割り当てられます。 |
参照:
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複数のビジネス・ユニットに関連付けられた様々なデータ・タイプの図を次に示します。この図には、BUに関連付けられたデータとは別に、顧客データ、製品およびユーザーなどのマスター・データが示されています。BUに関連付けられたデータには、参照データ、トランザクション・データ、リソース組織およびリソース・ユーザー・データがあります。

複数BUのユースケース
ここで説明するユースケースは、複数のBUに関連付けられた概念を理解するために役立ちます。
このユース・ケースのVision Enterprisesはグローバルなハイテク企業で、Vision Corp.とVision Systemsという2つのディビジョンがあり、前者はソフトウェアに焦点を当て、後者はハードウェアとソフトウェアを単一のスタックで組み合せたハイエンド・サーバーと設計システムを販売しています。いずれのディビジョンも北米、ヨーロッパおよびアジア太平洋地域を横断してグローバルに活動するため、これらの地域ごとにBUを作成します。
この図は、ユースケースを示しています。この図には、Vision Corp.とVision Systemsの2つのディビジョンを含むVision Enterprisesが示されています。図にはVision Corp.とVision Systemsの2つのディビジョンが示され、それぞれに北米、ヨーロッパ、アジア太平洋の3つのBUが含まれています。

営業管理者および複数のBU
デフォルトでは、営業管理者は自分が関連付けられているBUで使用可能なデータにのみアクセスできることに注意してください。ただし、組織階層やデフォルト・ビジネス・ユニットなど、管理者が自分のBU外の商談にアクセスできるアクセス・パスがいくつかあります。
設定タスク
複数のビジネス・ユニットの設定ステップの概要
営業アプリケーションで複数のビジネス・ユニット(BU)の実装を開始する前に、すべてのステップおよび使用可能なオプションを考慮する必要があります。
営業で複数BU機能を設定するステップの概要と、各ステップの詳細の参照先を次に示します。複数BUのサポートに対して有効にする製品またはビジネス・オブジェクトに応じて、これらすべてのステップが必要な場合もあれば必要でない場合もあります。
| ステップ | 説明 | 詳細の参照先 |
|---|---|---|
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複数BU機能を有効にするための営業プロファイル・オプションの設定 |
複数BU機能を有効にするには、2つのプロファイル・オプションを設定します。 |
「営業のビジネス・ユニット・プロファイル・オプションの設定」のトピックを参照してください |
|
追加のBUの作成 |
「設定と保守」作業領域で追加のビジネス・ユニットを定義します。企業設定の一環としてすでにこれを実行している場合は、このステップをスキップできます。 |
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ビジネス・ユニット機能の設定 |
ビジネス機能は、ビジネス・ユニットがどのように使用されるかを示します。ビジネス・ユニット機能を設定する必要があります。ビジネス・ユニット設定の一環としてすでにこれを実行している場合は、このステップをスキップできます。 |
「ビジネス・ユニット機能の設定」のトピックを参照してください |
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セット対応参照データの作成 |
BU別に参照データをパーティション化する場合は、オブジェクトのセット対応属性に対して追加の参照データ・セットを作成する必要があります。 |
次のトピックを参照:
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ビジネス・ユニットへのデフォルトの参照データ・セットの割当 |
データをパーティション化するBUごとに、デフォルトの参照データ・セットを割り当てます。 |
「ビジネス・ユニット・セット割当の指定」のトピックを参照してください |
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リソース組織を使用した営業リソースとBUの関連付け |
ほとんどの営業リソースは単一のBUに関連付けられますが、オーバーレイ・チームでは複数のBUの操作が必要になることがあります。営業チーム・メンバーを1つ以上のBUに関連付けることができます。 |
次のトピックを参照:
|
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BUとテリトリの関連付け |
テリトリ内の営業チーム・メンバーをBU別に割り当てる場合は、ビジネス・ユニット・ディメンションをテリトリに割り当てることができます。 |
次のトピックを参照:
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リードおよびパートナによる複数BUの使用の有効化 |
リード属性および一部のパートナ属性をBUレベルで指定できます。 アプリケーション・コンポーザを使用して、リードUIの「ビジネス・ユニット」フィールドを有効にします。 |
次のトピックを参照:
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商談による複数BUの使用の有効化 |
BUレベルで商談属性を指定します。 アプリケーション・コンポーザを使用して、商談UIの「ビジネス・ユニット」フィールドを有効にします。 |
次のトピックを参照:
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会社定義のBU固有のビジネス・プロセスおよびUIレイアウトの実装 |
Oracle Application Composerを使用して、様々なBUのUIレイアウト、ワークフロー、検証およびトリガーを定義および管理します。 |
『アプリケーション・コンポーザを使用したアプリケーションの構成』ガイドおよびこのガイドのビジネス・オブジェクトの拡張に関する章を参照してください |
営業のビジネス・ユニット・プロファイル・オプションの設定
営業で複数のビジネス・ユニット(BU)を有効にするには、2つのプロファイル・オプションを設定する必要があります。
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複数ビジネス・ユニット使用可能(HZ_ENABLE_MULTIPLE_BU_CRM): このプロファイル・オプションを「はい」に設定します。デフォルト値は、Noです。
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顧客関係管理ビジネス・ユニット・デフォルト(HZ_DEFAULT_BU_CRM): これをデフォルトの営業ビジネス・ユニットに設定します。
プロファイル・オプションを設定するには:
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「設定と保守」で、次の場所に移動します。
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オファリング: 販売
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機能領域: 会社プロファイル
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タスク: 共通CRMビジネス・ユニット・プロファイル・オプションの管理
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「共通CRMビジネス・ユニット・プロファイル・オプションの管理」ページで、HZ_ENABLE_MULTIPLE_BU_CRMプロファイル・オプションを選択し、「はい」に設定します。
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「保存して閉じる」をクリックします。
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HZ_DEFAULT_BU_CRMプロファイル・オプションを選択し、デフォルトの営業ビジネス・ユニットに設定します。
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「保存して閉じる」をクリックします。
企業設定の概要
営業アプリケーションを初めて設定したときに、単一のビジネス・ユニット(BU)が作成されます。必要に応じて、追加のBUを定義できます。企業設定の一環としてすでにこれを実行している場合は、このステップをスキップできます。
ビジネス・ユニットの設定は、企業体系の設定の一部です。この表は、企業体系の設定に必要な作業を示しています。営業の複数BUを設定するには、法的エンティティ、法的ディビジョンおよび組織を含む会社の基本的な企業体系をすでに設定してあることが前提となります。
| ステップ | 説明 |
|---|---|
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企業の定義 |
企業を定義して、当該企業の名前および本社の所在地を取得します。このステップは、初期設定の一部として完了しています。詳細は、『CX Sales実装スタート・ガイド』を参照してください。 |
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企業体系の定義 |
共通の管理下にある1つ以上の法的エンティティを持つ組織を表す企業構造を定義します。企業内の各ビジネス・エリアを表す組織を定義します。 |
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管轄区域および認証当局の定義 |
ある管轄区域内で運営している所轄機関の情報を定義します。 |
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法的エンティティの定義 |
Oracleクラウド・アプリケーションによって処理されるビジネス・アクティビティの法的エンティティおよび法的レポート・ユニットを定義します。 |
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ビジネス・ユニットの定義 |
管理階層にまとめることができる、1つまたは多数のビジネス機能を実行する企業のビジネス・ユニットを定義します。 |
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財務レポート体系の定義 |
組織体系、勘定体系、組織階層、カレンダ、通貨とレート、元帳および会社の財務データの編成に使用される文書連番など、財務レポート体系を定義します。 |
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勘定体系の定義 |
法的エンティティ、コスト・センター、勘定科目およびその他のセグメント・レベルでの財務トランザクションの追跡およびレポートを可能にするための階層および値を含む勘定体系を定義します。 |
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元帳の定義 |
プライマリ会計元帳と、財務データの代替会計表示を提供するセカンダリ元帳を定義します。一部の営業実装では会計トランザクションを記録する必要がないため、元帳は必要ありません。 |
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会計構成の定義 |
組織の財務レコードの保守方法のフレームワークである会計構成を定義します。 |
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施設の定義 |
在庫残高を会社で追跡する場合は在庫組織として、施設で使用され残高では使用されない品目のみを会社で追跡する場合は品目組織として、製造および保管施設を定義します。 |
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参照データ共有の定義 |
アプリケーション内の参照データをパーティション化および共有する方法を定義します。 |
企業体系の実装の詳細な概念は、Oracle Help Centerで入手可能な『Oracle Applications Cloud企業体系の理解』を参照してください。「営業の複数のビジネス・ユニット: 概要」のトピックのユース・ケースがサンプルの構成に役立ちます。
追加のビジネス・ユニットを作成する手順は、「ビジネス・ユニットの定義: 手順」のトピックを参照してください。
ビジネス・ユニットの定義
「設定と保守」作業領域でビジネス・ユニットを定義します。企業体系の設定時にビジネス・ユニットをすでに作成している場合は、このステップをスキップできます。
追加のビジネス・ユニットを作成する方法を次に示します。
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「設定と保守」で、次の場所に移動します。
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オファリング: 販売
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機能領域: 会社プロファイル
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タスク: ビジネス・ユニットの管理
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「ビジネス・ユニットの管理」ページで、「作成」アイコンを選択するか、「アクション」メニューから「作成」を選択します。
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「ビジネス・ユニットの作成」ページで、「名前」フィールドにBUの名前を入力します。
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必要に応じて、マネージャおよび場所を入力します。
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「アクティブ」チェック・ボックスが選択されていることを確認します。
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BUのデフォルト・セットを選択します。これは、BUが使用する参照データ・セットです。
参照データ・セットの詳細は、参照データ・セットに関するトピックを参照してください。
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「保存して閉じる」をクリックします。
ビジネス・ユニット機能の設定
ビジネス・ユニットは、多くのビジネス機能を実行できます。ビジネス機能は、ビジネス・ユニット内で作業する個人によって実行可能なビジネス・プロセスまたはアクティビティを表します。これは、ビジネス・ユニットがどのように使用されるかを示します。ビジネス・ユニット機能は、「設定と保守」作業領域で設定する必要があります。ビジネス・ユニット設定の一環としてすでにこれを実行している場合は、このステップをスキップできます。
ビジネス・ユニット機能を設定するには:
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設定ユーザーまたは営業管理者としてサインインします。
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「設定と保守」で、次の場所に移動します。
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オファリング: 販売
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機能領域: 会社プロファイル
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タスク: ビジネス・ユニットへのビジネス機能の割当
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「ビジネス・ユニットへのビジネス機能の割当」タスクを選択した後、2つのラジオ・ボタンを示す「スコープの選択」ダイアログ・ウィンドウが表示された場合は、「ビジネス・ユニットへのビジネス機能の割当」オプションを選択します。
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「ビジネス・ユニット」フィールドで矢印を選択します。
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「選択して追加」オプションをクリックします。
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「適用してタスクに進む」をクリックします。
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「選択して追加: ビジネス・ユニット」ページで、機能を割り当てるBUを検索して選択します。
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ダイアログ・ウィンドウで「選択して追加」をクリックします。
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BUを選択すると、「ビジネス機能の割当」ページが表示されます。「ビジネス・ユニット機能」リストで、ビジネス・ユニットに適用する機能を選択します。
ビジネス・ユニット機能の詳細は、「ビジネス機能」のトピックを参照してください。
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「保存して閉じる」をクリックします。
参照データ管理の概要
参照データは、リードや商談などのトランザクション・オブジェクトに関連付けられているデータです。参照データは参照データ・セットに編成されます。参照データ・モデルを使用すると、企業は、トランザクション・データを分離して、複数のビジネス・ユニット(BU)をまたいで、または特定のBUに対してのみ使用できるようにすることができます。共通セットと呼ばれるデータ・セットは、アプリケーションで事前定義されています。ビジネス・ユニット間で共有する参照データに共通セットを使用できます。会社定義のセットを作成および保守し、それらを特定のBUに割り当てることもできます。
参照データの例としては、商談の受注/失注事由値リスト、商談販売方法リスト、商談営業ステージ・リスト、価格表などの値リストがあります。
すべての参照データは、セットIDと呼ばれる構成IDでタグ付けされます。たとえば、商談の値リスト内のそれぞれの値にセットIDのタグが付けられます。
ビジネス・ユニットごとに個別のセットおよびサブセットを作成できます。あるいは、共通セットまたはサブセットを追加作成して、参照データを複製せずに複数のビジネス・ユニット間で参照データを共有できるようにすることもできます。
この図は、共通セットに含まれる参照データと、APACというセットに含まれる別の参照データの例を示しています。共通セットに割り当てられているBUに関連付けられたユーザーは、その共通セットに関連付けられているデータにアクセスできますが、APAC BUに関連付けられているデータには、その参照データに割り当てられているBUの一部でないかぎりアクセスできません。

「設定と保守」の「ビジネス・ユニット・セット割当の管理」ページで、参照データ・セットをセット対応属性に割り当てます。データ・セットをセット対応データに割り当てる手順は、「ビジネス・ユニット・セット割当の指定」のトピックを参照してください。
参照データ・セットの作成
参照データは参照データ・セットに編成されます。参照データセットは、「設定と保守」の「参照データ・セットの管理」ページで作成します。
次の手順を使用して、参照データ・セットを作成します。後のステップで、それらをビジネス・ユニットに割り当てます。すでに参照データ・セットを作成している場合は、このステップをスキップできます。
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設定ユーザーまたは営業管理者としてサインインします。
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「設定と保守」で、「販売」オファリングに移動し、「参照データ・セットの管理」タスクを検索します。
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「新規」アイコンをクリックするか、「処理」メニューの「新規」を選択します。
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「参照データ・セットの管理」ページで、次のフィールドに適切なデータを入力します。
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セット・コード: 一意のコードを入力します。
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セット名: セットの名前を入力します。
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摘要: セットの説明を入力します。
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「保存して閉じる」をクリックします。
ビジネス・ユニット・セット割当の指定
異なるビジネス・ユニット(BU)がそれぞれ異なるデータ・セットを使用できるように参照データをパーティション化する場合は、各ビジネス・ユニットにデフォルト・セットを割り当てる必要があります。BUの設定時に、すでにこれを実行している場合があります。その場合は、このステップをスキップできます。ここの説明に従ってセット割当を指定すると、これらの設定によってビジネス・ユニット編集ページの設定が上書きされます。
次の手順を使用して、参照データ・セットをビジネス・ユニットに割り当てます。
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「設定と保守」で次に進みます。
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オファリング: 販売
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機能領域: 会社プロファイル
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タスク: ビジネス・ユニット・セット割当の管理
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「ビジネス・ユニット・セット割当の管理」ページで、参照データ・オブジェクトごとに、ビジネス・ユニットに割り当てるセットを選択します。
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「保存して閉じる」をクリックします。
営業リソースおよび複数のビジネス・ユニット
営業リソースおよび複数のビジネス・ユニットの概要
営業ユーザーのトランザクション・データへの可視性を規制するために、複数のビジネス・ユニット(BU)をリソース組織にマップできます。トランザクション・データとは、商談、リード、契約などのビジネス・オブジェクトにあるデータです。
トランザクション・データへの営業ユーザー・アクセス
オブジェクトのトランザクション・データに対する営業ユーザーのアクセス権は、複数BU環境でも単一BU環境でも同じです。つまり、営業ユーザーは、オブジェクトに対する有効なアクセス権を持っていれば(テリトリまたはチーム・メンバーシップを通じて、リソース階層を通じて、またはオブジェクトに対する完全なアクセス権を付与されて)、ビジネス・ユニット間の境界をまたいでオブジェクト・データにアクセスできます。たとえば、営業担当は、自分が関連付けられているBUに関係なく、チームおよびテリトリ・メンバーシップによって決定されたデータにアクセスできます。
ただし、ビジネス・ユニットの割当は、オブジェクトのトランザクション・データに対するユーザーのアクセスに間接的に影響します。複数ビジネス・ユニット環境では、ビジネス・ユニットをテリトリ・ディメンションとして使用でき、トランザクション割当のためにテリトリ・カバレッジ定義の一部に含めることができます。営業ユーザーは、テリトリ・メンバーシップを通じてオブジェクト・データへのアクセス権を取得します。BUがテリトリ・ディメンションとして指定されている場合、データへのユーザーのアクセスは、作成時にユーザーのテリトリ・チームに割り当てられたものと同じBUに割り当てられたオブジェクトに制限されます。データ・アクセスおよびユーザーの詳細は、『CX SalesおよびB2Bサービスの保護』ガイドの「複数のビジネス・ユニットおよびデータ・アクセス」のトピックを参照してください。
営業管理者によるビジネス・ユニットへのアクセス
組織のリソースとして作成された営業管理者は、関連付けられているBUで使用可能なすべてのデータにアクセスできます。
ビジネス・ユニットをまたぐリソースがあるユースケース
場合によっては、特定のタイプのユーザーにBU全体のデータが表示されるようにできます。たとえば、オーバーレイ営業担当にすべてのBUへのアクセス権を付与できます。次に例を示します。
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オーバーレイ営業担当をすべてのビジネス・ユニットに関連付け、テリトリ・ディメンション(職責の地理的地域など)を使用して区別します。
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営業業務担当者と営業管理者を1つ、複数またはすべてのビジネス・ユニットに関連付けます。
このユース・ケースのVision Enterprisesはグローバルなハイテク企業で、Vision Corp.とVision Systemsという2つのディビジョンがあり、前者はソフトウェアに焦点を当て、後者はハードウェアとソフトウェアを単一のスタックで組み合せたハイエンド・サーバーと設計システムを販売しています。いずれのディビジョンも北米、ヨーロッパおよびアジア太平洋地域を横断してグローバルに活動するため、これらの地域ごとにBUを作成します。
次の図にユースケースを示します。この図には、Vision Corp.とVision Systemsの2つのディビジョンを含むVision Enterprisesが示されています。図にはVision Corp.とVision Systemsの2つのディビジョンが示され、それぞれに北米、ヨーロッパ、アジア太平洋の3つのBUが含まれています。この図は、両方のディビジョンのすべてのBUにアクセスできるタイプのユーザー(営業オーバーレイ・チーム、営業業務および営業管理者)を示しています。

テリトリの複数のビジネス・ユニット
ビジネス・ユニットで定義されたテリトリ
テリトリ設定でビジネス・ユニット・ディメンションを使用して、テリトリ・カバレッジを定義できます。テリトリの管轄区域には、1つ、複数またはすべてのビジネス・ユニット(BU)を含めることができます。商談およびリード割当では、商談またはリードに関連付けられたBUがテリトリにマップされたBUと一致すると、そのテリトリ内の営業チーム・メンバーがリードまたは商談製品に割り当てられます。
テリトリを実装する場合は、ビジネス・ユニット・ディメンションを有効にします。テリトリ階層を構築する場合、テリトリ・カバレッジでビジネス・ユニット・ディメンションを使用できます。テリトリ階層は常に1つのみで、最上位テリトリを1つ指定します。一般的な複数のビジネス・ユニット実装では、第1レベルのテリトリをビジネス・ユニット別に定義します。
ビジネス・ユニット・ディメンションは、BUによってパーティション化されたテリトリ・メトリックのロードを容易にするためにも役立ちます。
ユースケース
このユースケースには、1つの最上位テリトリを持つ1つのテリトリ階層があります。Vision Enterprisesテリトリの構造は、次のとおりです。
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すべての製品とすべての地理を含む1つのオーバーレイ・テリトリ。子テリトリを追加すると、オーバーレイ・チーム・メンバー職責を製品または地理別にさらに詳細に記述できます。
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各ビジネス・ユニットのテリトリ。子テリトリは、製品または地理によって定義されます。
このチャートは、ユースケースを示しています。Vision Enterprisesには、Vision CorporationとVision Systemsという2つのディビジョンがあります。各ディビジョンには3つのビジネス・ユニットがあるため、これらのビジネス・ユニットによって定義された第1レベルのテリトリが3つあります。オーバーレイ・テリトリは、すべてのビジネス・ユニットと、Vision Corp NA BUによって定義されたVision Corporation North Americaテリトリで定義されます。Vision Systems North AmericaテリトリはVision Systems NA BUによって定義されます。Vision Corp NAテリトリには、地理別に定義された子テリトリがあります。Vision Systems NAテリトリには、地理および製品別に定義された子テリトリがあります。

リードの複数のビジネス・ユニット
リードの複数のビジネス・ユニットの概要
リードで複数のビジネス・ユニット(BU)を使用すると、ユーザーのBUに応じて異なるバージョンのリードUIを提供できます。あるBUのユーザーに適切なアクセス権がない場合、そのユーザーに別のBUのリードは表示されません。ただし、異なるBUのリード用に別のドロップダウン・リストが表示されるようにできます。
リードの複数のビジネス・ユニットのユース・ケース
会社に2つのディビジョンがあり、それぞれに、ビジネスを行う地理的地域の3つのBU (北米、ヨーロッパおよびアジア)があるとします。3つのビジネス・ユニット間で営業プロセスは異なっています。それぞれのビジネス・ユニットに基づいてリード・ページを調整できます。
たとえば、北米BUでリードが作成された場合、営業担当には、そこから選択する限定された値セットが「リード却下事由」ドロップダウン・リストに表示されます。対照的に、ヨーロッパBUで作業する営業担当には、リードを拒否する様々な事由があるため、ビジネス・ユニットに固有の値を使用する必要があります。
セットID参照タイプ
特定のBUのドロップダウン・リストで様々な値を有効にするには、提供されているリード用のセットID対応参照タイプを使用します。
この表は、リードのセットID参照タイプ、値および摘要を示しています。リードに関連する参照タイプにアクセスするには、「設定と保守」作業領域から「セットが使用可能な参照の管理」タスクを使用します。
| 参照タイプ | 参照値 | 説明 |
|---|---|---|
|
リード評価予算ステータス |
|
顧客予算の承認ステータス。データは、リード評価ステータスの査定に使用されます。 |
|
リード・ランク |
|
リード品質および優先順位付けのメジャーとして使用されるリード・ランク値。 |
|
リード再割当事由 |
|
リードの再割当に指定される可能な事由。 |
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リード却下事由 |
|
リードの却下に指定される可能な事由。却下されたリードは、再割当または取下げを行うことができます。 |
|
リード取下げ事由 |
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リードの取下げの可能な事由。取り下げられたリードはクローズ済リードとみなされます。 |
|
リード登録タイプ |
|
パートナに使用可能なリードのタイプ。 |
|
リード・ソース・チャネル |
|
リード生成の責任を負うソース・チャネル。 |
|
リード時間枠 |
|
オファーされる製品およびサービスの一般的な営業サイクル期間と通常一致するリード・サイクル期間。 |
リードUIのビジネス・ユニット
一部のユーザー、たとえば様々な営業チームのメンバーである営業担当などは、複数のBUでトランザクションを実行できます。これらのユーザーは、リードの作成時に必要なBUを選択できますが、リードの作成後はビジネス・ユニットを変更できないことに注意してください。セットID対応参照タイプは、選択したBUに基づいて表示されます。
ビジネス・ユニット別の追加のリード変更
特定のリード要件に応じてBUを変更できます。たとえば、次のことが可能です。
-
リードに使用する割当ルール、使用するリード・アセスメント・テンプレートなどを選択します。
-
リードの検索時に「フィールドの追加」UIに表示されるようにBU属性を設定します。
-
単一BUのデプロイメントのBU属性をすべてのトランザクションおよび検索UIで非表示にします。
-
複数BUのデプロイメントのBU属性を、1つのBUでのみトランザクションを実行するユーザーに対して非表示にします。
リードのビジネス・ユニット・プロパティの設定
複数のリード設定をビジネス・ユニット(BU)レベルで設定できます。ルールやテンプレートなどのオプションをBUレベルで設定すると、オプション設定は指定したBUに対してのみ有効になります。リードのBUレベルのオプションは、「営業ビジネス機能プロパティの指定」ページの「リード設定」セクションで設定します。
リードのビジネス・ユニット・プロパティを指定する方法を次に示します。
-
「設定と保守」作業領域で、次の場所に移動します。
-
オファリング: 販売
-
機能領域: 会社プロファイル
-
タスク: 営業ビジネス機能プロパティの指定
-
-
BUがタスクに関連付けられていない場合は、BUを選択するよう求められます。「スコープの選択」ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスで、次の手順を実行します。
-
「営業ビジネス機能プロパティの指定」オプションを選択します。
-
「ビジネス・ユニット」値リストで、「選択して追加」をクリックし、BUを追加します。
-
BUを選択した後、「適用してタスクに進む」をクリックします。
-
-
「営業ビジネス機能プロパティの指定」ページの「リード設定」セクションで、次のオプションを設定します。
-
リード・テンプレート
-
リード変換マッピング
-
-
変更内容を保存します。
BU対応リード・プロファイル・オプション
この表では、リード・テンプレートおよびコピー・マップBU対応プロファイル・オプションとそのデフォルト値(ある場合)について説明しています。
| プロファイル・オプション | 説明 | デフォルト値 |
|---|---|---|
|
評価アセスメント・テンプレート |
リードの評価に使用する評価テンプレートを指定します。 |
なし |
|
直接リードから商談へのコピー・マップ |
アプリケーション・コンポーザ、「マップのコピー」で作成されたマッピング・ファイル名を指定します。このファイルは、直接リードを商談に変換する際にオブジェクトおよび属性のマップに使用されます。 |
なし |
|
パートナ・リードから商談へのコピー・マップ |
アプリケーション・コンポーザ、「マップのコピー」で作成されたマッピング・ファイル名を指定します。このファイルは、パートナ・リードを商談に変換する際にオブジェクトおよび属性のマップに使用されます。 |
なし |
リードへのビジネス・ユニット・フィールドの追加
BU機能が有効化されると、ビジネス・ユニット(BU)をリードに関連付けることができます。Oracle Application Composerを使用して、リードUIにビジネス・ユニット・フィールドを追加します。これにより、「ビジネス・ユニット」フィールドのドロップダウン・リストに限定された値リストを表示できます。
ビジネス・ユニット・フィールドの追加
「ビジネス・ユニット」フィールドを「リードの編集」ページに追加する方法を次に示します。
-
作業するサンドボックスを作成してアクティブ化します。
-
「アプリケーション・コンポーザ」に移動します。
-
「アプリケーション・コンポーザ」ページで、「営業」を選択してオブジェクト検索をフィルタします。
-
「標準オブジェクト」を展開し、「営業リード」→「ページ」にナビゲートします。「営業リード: ページ」ページが表示されます。
-
「営業リード: ページ」ページで、「アプリケーション・ページ」タブがアクティブであることを確認します。
-
「詳細ページ・レイアウト」リージョンで、「レイアウトの複製」アイコンをクリックして既存のレイアウトを複製および編集します。
「レイアウトの複製」ダイアログ・ウィンドウが表示されます。デフォルトのレイアウトとは異なるレイアウトを使用している場合があることに注意してください。その場合は、適切なレイアウトを選択します。
-
「レイアウトの複製」ダイアログ・ウィンドウで、新しいレイアウト名を入力し、複製する既存のページ・レイアウトを選択します。
-
「保存して編集」をクリックします。
「詳細レイアウト: デフォルト・カスタム・レイアウト」ページが表示され、ページ・タイトルに新しいレイアウトの名前が表示されます。
-
「要約」サブタブ・リージョンで、「編集」アイコンをクリックします。
「詳細レイアウト: デフォルト・カスタム・レイアウト: 要約の編集」ページが表示されます。
-
「詳細レイアウト: デフォルト・カスタム・レイアウト: 要約の編集」ページの「詳細フォームの構成」リストで、「ビジネス・ユニット」フィールドを見つけます。フィールドを「使用可能なフィールド」リストから「選択したフィールド」リストに移動します。
-
「保存して閉じる」をクリックします。
-
「詳細レイアウト: デフォルト・カスタム・レイアウト」ページで「完了」をクリックします。
-
「リードの編集」ページに移動して変更を検証し、「ビジネス・ユニット」フィールドが表示されることを確認します。
-
サンドボックスを公開します。
これで、リードの編集ページで営業ユーザーが「ビジネス・ユニット」フィールドを使用できるようになりました。
テリトリ割当へのリード・ビジネス・ユニットのマップ
ビジネス・ユニット(BU)は、営業、サービス、マーケティングなどの特定のビジネス機能を実行する企業のユニットを表します。このトピックは、テリトリ割当の処理中にBUを使用するリード割当設定に適用できます。これを行うには、リードBUフィールドとBUテリトリ・ディメンションの間の割当マッピングを設定する必要があります。
たとえば、次のような組織のシナリオがあるとします。
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テリトリが定義された複数のビジネス・ユニットがある
-
ビジネス・ユニットに基づいて営業リードを割り当てる
リードがBU1に含まれている場合、テリトリ割当が、照合するディメンションとともにBU1テリトリとのみ一致するように、割当マッピングを設定します。たとえば、照合するディメンションには、地理、製品、アカウント・タイプ、販売チャネルなどが含まれます。
リードのビジネス・ユニット・フィールドのアクティブ設定
ビジネス・ユニット・マッピングをアクティブに設定する方法を次に示します。
-
「設定と保守」作業領域で、次の場所に移動します。
-
オファリング: 販売
-
機能領域: リード
-
タスク: 営業リード割当オブジェクトの管理
-
-
「営業リード割当オブジェクトの管理」ページの「名前」列で、「営業リード」を見つけて選択します。
-
「営業リード: 詳細」リージョンで、「候補」タブを選択します。
-
「営業リード・テリトリ」候補を選択します。
-
「営業リード・テリトリ: マッピング・セット」タブを選択します。
-
「名前」列で、営業リード・オブジェクトの、次のいずれかのアクティブなマッピング・セットを選択します。
-
マッピング・セット1
-
マッピング・セット2
-
マッピング・セット3
-
マッピング・セット4
-
マッピング・セット5
-
-
「マッピング・セット: マッピング」リージョンで、
BUnitディメンション機能コードを見つけて選択します。 -
「非アクティブ」チェック・ボックスの選択を解除して、機能コードをアクティブにします。
-
営業リードのマッピング・セットごとに、ステップ2から4を繰り返します。
-
「保存および公開」をクリックします。
-
ページをモニターおよびリフレッシュして、公開プロセスが成功したことを確認します。
これで、営業リード割当処理で、テリトリの割当時にアクティブなBU情報を使用する準備が整いました。
商談の複数のビジネス・ユニット
商談の複数のビジネス・ユニットの概要
商談で複数のビジネス・ユニットを使用すると、ユーザーは商談および関連属性を特定のビジネス・ユニット(BU)に関連付け、BU別にデータについてレポートできます。
ビジネス・ユニットおよび商談属性
商談自体をBUに関連付けるだけでなく、複数の商談属性をビジネス・ユニットに関連付けることもできます。
次の商談属性はセット対応であるため、ビジネス・ユニットおよび参照データ・セットとの関連付けが可能です。参照データ・セットを使用すると、オブジェクトはBU間で参照データを共有できます。たとえば、商談の「受注/失注事由」参照タイプをBU間で共有するように選択したり、各BUで独自に管理するように選択できます。販売方法などの参照データ・オブジェクトに参照データ・セットを割り当てることもできます。
-
商談の参照タイプ:
-
受注/失注事由(MOO_SETID_WIN_LOSS_REASON)
-
戦略的値(MOO_SETID_STRATEGIC_VALUE)
-
商談アセスメント上書き事由(MOO_SETID_ASSESS_OVRRIDE_RSN)
-
決定レベル(MOO_SETID_DECISION_LEVEL)
-
見積ディール期間(MOO_SETID_DEAL_HORIZION)
-
リスク・レベル(MOO_SETID_RISK_LEVEL)
-
販売売上カテゴリ(MOO_SETID_REVN_CATEGORY)
-
販売売上タイプ(MOO_SETID_REVENUE_TYPE)
-
-
販売方法
-
営業ステータス
セットID参照タイプを使用可能にする場合は、「設定と保守」作業領域の「セットが使用可能な参照の管理」ページで、それらをビジネス・ユニットに割り当てる必要があります。このページを検索するには、次の手順を実行します。
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設定ユーザーまたは営業管理者としてサインインします。
-
「設定と保守」で次に進みます。
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オファリング: 販売
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機能領域: 商談
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タスク: セットが使用可能な参照の管理
-
詳細は、関連トピック「セット対応参照の管理: 例」を参照してください。
参照データ・セットの詳細は、「ビジネス・ユニットと参照データ・セット: 連携」のトピックを参照してください。また、キーワード「参照データ」を使用して、オンライン・ヘルプを参照してください。
複数の商談プロファイル・オプションをビジネス・ユニット・レベルで設定したり、ビジネス・ユニットのデフォルト販売方法を指定できます。詳細は、「営業ビジネス機能プロパティの指定: 手順」のトピックを参照してください。
商談のビジネス・ユニット・プロパティの設定
デフォルト販売方法のオプションなど、いくつかの商談プロファイル・オプションをビジネス・ユニット(BU)レベルで設定できます。BUレベルでプロファイル・オプションを設定すると、そのプロファイル・オプション設定は指定したBUに対してのみ有効になります。商談のBUレベルのプロファイル・オプションは、「営業ビジネス機能プロパティの指定」ページで設定します。
商談のビジネス・ユニット・プロパティを指定する方法を次に示します。
-
「設定と保守」作業領域で、次の場所に移動します。
-
オファリング: 販売
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機能領域: 会社プロファイル
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タスク: 営業ビジネス機能プロパティの指定
-
-
BUがタスクに関連付けられていない場合は、BUを選択するよう求められます。「スコープの選択」ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスで、次の手順を実行します。
-
「営業ビジネス機能プロパティの指定」オプションを選択します。
-
「ビジネス・ユニット」値リストで、「選択して追加」をクリックし、BUを追加します。
-
BUを選択した後、「適用してタスクに進む」をクリックします。
-
-
「営業ビジネス機能プロパティの指定」ページで、「BU対応プロファイル・オプション」の項の概要に従って、必要なプロファイル・オプションを設定します。
-
変更内容を保存します。
BU対応プロファイル・オプション
この表は、商談のBU対応プロファイル・オプションの概要を示しています。
| プロファイル・オプション | 説明 | デフォルト値 |
|---|---|---|
|
販売方法 |
商談が最初に作成されたときにアプリケーションが選択するデフォルトの販売方法を決定します。 |
標準営業プロセス |
|
受注/失注事由が必要 |
商談をクローズするときに、ユーザーが受注/失注事由を入力する必要があるかどうかを決定します。商談レベルと売上品目レベルの両方で適用されます。 |
はい |
|
競合相手が必要 |
商談をクローズするときに、ユーザーが競合相手を入力する必要があるかどうかを決定します。商談レベルと売上品目レベルの両方で適用されます。 |
はい |
|
テリトリ・ベースのリソース割当スタイル |
テリトリのすべてのメンバーを商談チームに追加するか、所有者のみを追加するかを決定します。または、すべて(テリトリの所有者およびメンバー)を商談チームから除外する必要があるかどうかを決定します。次に例を示します。
注意: プロファイル・オプションをBUレベルで設定した場合、そのプロファイル・オプション設定がBUに対して優先されます。
|
すべて |
商談へのビジネス・ユニット・フィールドの追加
営業チームがビジネス・ユニットを商談に関連付けることができるようにするには、商談UIで「ビジネス・ユニット」値リストを有効にします。
ビジネス・ユニット・フィールドの追加
アプリケーション・コンポーザを使用して「ビジネス・ユニット」フィールドを商談UIに追加すると、使用可能なすべてのビジネス・ユニットが「ビジネス・ユニット」フィールドのドロップダウン・リストに表示されます。
-
作業するサンドボックスを作成してアクティブ化します。
-
「アプリケーション・コンポーザ」に移動します。
-
「標準オブジェクト」を展開し、「商談」→「ページ」にナビゲートします。「商談: ページ」ページが表示されます。
-
「商談: ページ」ページで、「アプリケーション・ページ」タブがアクティブであることを確認します。
-
「詳細ページ・レイアウト」リージョンで、表内の標準レイアウトを選択し、「複製」アイコンをクリックします。「レイアウトの複製」ダイアログ・ボックスが表示されます。
デフォルトのレイアウトとは異なるレイアウトを使用している場合があることに注意してください。その場合は、適切なレイアウトを選択します。
-
新しいレイアウトの名前を入力し、「保存して編集」をクリックします。
-
「要約」サブタブ・リージョンで、「編集」アイコンをクリックします。
-
「詳細レイアウト: デフォルト・レイアウト: 要約の編集」ページの「詳細フォームの構成」リストで、「ビジネス・ユニット」フィールドを見つけます。フィールドを「使用可能なフィールド」リストから「選択したフィールド」リストに移動します。
-
「保存して閉じる」をクリックします。
-
「詳細レイアウト: デフォルト・レイアウト」ページで「完了」をクリックします。
-
「商談の編集」ページに移動し、「商談の編集」ページで「ビジネス・ユニット」フィールドが表示されていることを確認して、変更を検証します。
変更を検証するためにサインインに使用するユーザーは、営業リソース組織に属している必要があります。たとえば、営業担当としてサインインする必要があります。
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サンドボックスを公開します。
-
これで、商談の編集アプリケーション・ページで営業ユーザーが「ビジネス・ユニット」フィールドを使用できるようになりました。
ビジネス・ユニット別の商談テリトリ割当の有効化
ビジネス・ユニット(BU)は、営業、サービス、マーケティングなどの特定のビジネス機能を実行する企業のユニットを表します。BUに基づいて商談を割り当てるようにアプリケーションを構成できます。テリトリ割当時にBUを使用するには、商談売上BUフィールドとBUテリトリ・ディメンションの間の割当マッピングをアクティブ化する必要があります。
このトピックの手順では、次のような組織のシナリオで必要な設定について概要を示します。
-
テリトリが定義された複数のBUがある
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BUに基づいて商談を割り当てる
たとえば、商談がBU1に含まれている場合、テリトリ割当が、照合するディメンションとともにBU1テリトリとのみ一致するように、割当マッピングを設定します。照合するディメンションには、地理、製品、アカウント・タイプおよび販売チャネルが含まれる可能性があります。
商談売上BUフィールドのアクティブ設定
商談売上BUフィールドをアクティブに設定する方法を次に示します。
-
「設定と保守」作業領域で、次の場所に移動します。
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オファリング: 販売
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機能領域: 商談
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タスク: 営業割当マネージャ・オブジェクトの管理
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-
「営業割当マネージャ・オブジェクトの管理」ページの「名前」列で、「売上」を見つけて選択します。
-
「売上: 詳細」リージョンで、「候補」タブを選択します。
-
「テリトリ」候補を選択します。
-
「テリトリ: マッピング・セット」タブを選択します。
-
「名前」列で、Sales Account Mapping Setを選択します。
-
「Sales Account Mapping Set: マッピング」リージョンで、
BUnitディメンション機能コードを見つけて選択します。 -
表の「編集」アイコンをクリックして編集モードにします。
「マッピングの編集」ウィンドウが表示されます。
-
「非アクティブ」チェック・ボックスの選択を解除して、機能コードをアクティブにします。「OK」をクリックします。
-
「保存および公開」をクリックします。
-
ページをモニターおよびリフレッシュして、公開プロセスが成功したことを確認します。
これで、商談割当処理で、テリトリの割当時にBU情報を使用する準備が整いました。
商談のサブセットのビジネス・ユニットの変更
営業担当は商談のビジネス・ユニットを更新できます。また、商談および売上明細のセット対応参照値も更新できます。
このトピックでは、販売方法およびステージに新しい特定のセット値または共通のセット値を追加する方法について説明します。次の既存の参照値を有効化または無効化する方法も説明します。
-
次の商談タスクのセット対応参照:
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リスク・レベルの管理
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戦略的値の管理
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決定レベルの管理
-
ディール期間の管理
-
受注/失注事由の管理
-
商談売上タイプの管理
-
-
営業ステータス参照値
-
特定の販売方法およびその販売方法の営業ステージ
参照値は、「商談管理参照の定義」ページで使用可能な関連タスクから設定します。このページには、「販売」オファリング作業領域からアクセスできます。
商談のBU設定の変更
商談の特定の値を作成したり、既存の参照値を有効または無効にする方法を次に示します。変更を適用するビジネス・ユニットを選択する前に、営業ステータス、販売方法および営業ステージも設定します。
-
「設定と保守」作業領域で、次の場所に移動します。
-
オファリング: 販売
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機能領域: 商談
-
タスク: 商談管理参照の定義
-
-
「商談管理参照の定義」ページで、必要な商談タスクを選択します。
-
新しいセット対応参照値を追加するか、既存の参照値を有効または無効にします。
-
タスク参照の設定が完了したら、「設定と保守」作業領域にナビゲートし、次の場所に移動します。
-
オファリング: 販売
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機能領域: 商談
-
タスク: 販売ステータスの管理
-
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「販売ステータスの管理」ページの「営業ステータス」セクションで、新しい営業ステータスを追加するか、既存の営業ステータスに対して「アクティブ」を選択するか、選択を解除します。
-
次に、「販売方法および営業ステージの管理」タスクに移動します。
-
新しい販売方法と必要な販売方法の営業ステージを追加します。
-
参照、営業ステータス、販売方法および営業ステージに関連する設定を完了したら、「ビジネス・ユニットの定義」タスクにナビゲートします。
-
「ビジネス・ユニット・セット割当の管理」タスクをクリックします。
-
「参照データ・セット・コード」列で、オブジェクトごとにビジネス・ユニットを設定します。
-
「保存して閉じる」をクリックします。
追加した新しい個々のビジネス・ユニットごとに、これらのステップを繰り返します。
その他の実装概念
参照データ・セット
参照データ・セットとは、ビジネス・コンテキストに応じて、様々なトランザクション・エンティティで使用できる参照データの論理グループのことです。実装要件に応じて、共通参照データ・セットまたは企業セットのいずれかを使用できます。共通参照データ・セットを引き続き使用する一方で、追加の参照データ・セットを作成して保守することもできます。
次のシナリオについて考えてみます。企業は、法人ポリシーの一部の側面のみがすべてのビジネス・ユニットに影響を与えるように決定できます。残りの側面は、実装するビジネス・ユニット・マネージャの裁量に委ねます。これにより、企業が各ビジネス・ユニットの自律性と制御のバランスを保つことができます。たとえば、企業において、ビジネス・ユニット・マネージャをその損益の責任者とし、運転資本要件については企業レベルで管理するとします。これにより、マネージャ自身が営業方法を定義するようにし、支払条件については一元的に定義できます。結果として、営業方法については、各ビジネス・ユニットがそれぞれ独自の参照データ・セットを持ち、支払条件については、一元化された1つの参照データ・セットがすべてのビジネス・ユニットに割り当てられることになります。
パーティション化
参照データをパーティション化し、データ・セットを作成することによって、参照データを柔軟に扱ってビジネス要件を満たすことができます。モジュール情報およびデータ処理オプションは、ビジネス・ユニット間で簡単に共有できます。ビジネス・ユニットごとに個別のセットおよびサブセットを作成できます。あるいは、共通セットまたはサブセットを作成して、参照データを複製せずに複数のビジネス・ユニット間で参照データを共有できるようにすることもできます。
次の図は、参照データの共有方法を示しています。ユーザーは、特定のビジネス・ユニットの特定のセットに割り当てられているデータにアクセスすることも、共通セットに割り当てられているデータにアクセスすることもできます。

ビジネス・ユニットと参照データ・セットの連携の仕組み
参照データ共有を使用すると、セット対応参照データ(ジョブや等級など)をグループ化して、組織の様々な部分でデータを共有できます。また、セットによって参照データをトランザクション・レベルでフィルタ処理できるため、特定のセットに割り当てられたデータのみを選択可能にできます。Oracle Fusion Human Capital Management (HCM)アプリケーションは参照データをフィルタ処理するために、トランザクションでビジネス・ユニットを使用します。Oracle Fusion HCMで参照データ共有を設定するには、ビジネス・ユニットおよびセットを作成し、そのセットをビジネス・ユニットに割り当てます。
共通セットと特定セット
組織内の一部の参照データがグローバルと見なされる場合、そのデータを企業全体で使用できるようにする必要があります。このタイプのデータは、事前定義済セットである共通セットに割り当てることができます。トランザクションでどのようなビジネス・ユニットが使用されるかに関係なく、トランザクションで使用されるビジネス・ユニットに対応するセットに割り当てられた参照データに加えて、共通セットに割り当てられた参照データも常に使用可能です。
それ以外のタイプの参照データは特定のビジネス・ユニットに固有のものである場合が多いため、データの使用をそれらのビジネス・ユニットに限定できます。この場合は、そのタイプのデータ専用のセットを作成し、そのセットをビジネス・ユニットに割り当てます。
ビジネス・ユニットへのセットの割当
参照データ・セットをビジネス・ユニットに割り当てる際には、すべての参照データ・タイプで使用されるデフォルト参照データ・セットをビジネス・ユニットに割り当てます。1つ以上のデータ・タイプについてセットの割当を上書きできます。
例: ビジネス・ユニットへのセットの割当
InFusion Corporationには、LightingとSecurityという2つのディビジョンがあり、各ディビジョンにはそれぞれ2つの事業所があります。各事業所には1つ以上のビジネス機能があります。
次の図は、InFusion Corporationの体系を示しています。

InFusion社はビジネス・ユニットの作成方法を選択する際に、「国およびビジネス機能」レベルで作成することに決定しました。したがって、次のビジネス・ユニットを作成しました。
-
Sales_Japan
-
Marketing_Japan
-
Sales_US
-
Sales_UK
-
Marketing_India
-
Sales_India
事業所、部門および等級は各ビジネス・ユニットに固有なので、InFusion社はこれらのタイプの参照データをビジネス・ユニット間で共有することは望みません。したがって、これらのタイプのデータを個別に設定できるように、各ビジネス・ユニットに対応する参照データ・セットを作成します。営業ビジネス機能内のジョブは複数の事業所で同じであるため、InFusionは「Jobs」という1つの追加セットを作成することにします。そして、Jobs参照データ・グループのセット割当を上書きし、それをJobsセットに割り当てます。これらの要件に基づいて、次のセットが作成されます。
-
Sales_Japan_Set
-
Mktg_Japan_Set
-
Sales_US_Set
-
Sales_UK_Set
-
Mktg_India_Set
-
Sales_India_Set
-
Grades_Set
次の表に、InFusionの各ビジネス・ユニットに対するデフォルトのセット割当およびセット割当の上書きを示します。
| ビジネス・ユニット | デフォルトのセット割当 | セット割当の上書き |
|---|---|---|
|
Sales_Japan |
Sales_Japan_Set(等級、部門および事業所用) |
Jobsセット(ジョブ用) |
|
Marketing_Japan |
Mktg_Japan_Set(等級、部門および事業所用) |
なし |
|
Sales_US |
Sales_US_Set(等級、部門および事業所用) |
Jobsセット(ジョブ用) |
|
Sales_UK |
Sales_UK_Set(等級、部門および事業所用) |
Jobsセット(ジョブ用) |
|
Marketing_India |
Mktg_India_Set(等級、部門および事業所用) |
なし |
|
Sales_India |
Sales_India_Set(等級、部門および事業所用) |
Jobsセット(ジョブ用) |
InFusionは、ビジネス・ユニットの等級、部門および事業所を設定する際に、データを各ビジネス・ユニットのデフォルト・セットに割り当てます。ジョブを設定する際には、Jobsセットを割り当てて、組織全体で使用される可能性があるジョブには共通セットを割り当てます。
等級、部門および事業所をトランザクション・レベルで使用する場合、ユーザーは、トランザクションに入力したビジネス・ユニットに対応するセットからのデータに加え、共通セットに割り当てられたデータを選択できます。たとえば、Marketing_Japanビジネス・ユニットに関するトランザクションの場合は、Mktg_Japan_Setと共通セットから等級、事業所および部門を選択できます。
ジョブをトランザクション・レベルで使用する場合、ユーザーは、Salesビジネス・ユニットをトランザクションに入力するときにJobsセットと共通セットからジョブを選択できます。たとえば、マネージャがSales_Indiaビジネス・ユニットの従業員を雇用する場合は、Jobsセットと共通セットからのジョブが表示されるようにジョブ・リストがフィルタ処理されます。
次の図は、マネージャが従業員の割当を作成するときにどのジョブ・セットにアクセスできるかを示しています。

参照オブジェクトへの参照データ・セットの割当
「参照データセット割当の管理」ページを使用して、参照データ・セットを参照オブジェクトに割り当てることができます。複数の割当の場合は、異なる参照データ・セット・タイプをグループに分類し、それらを参照エンティティ・オブジェクトに割り当てることができます。割当では、決定要因タイプ、決定要因および参照グループ(存在する場合)が考慮されます。
決定要因タイプ
パーティション化された参照データは、決定要因タイプ.と呼ばれるビジネス・コンテキスト設定に基づいて共有されます。決定要因タイプは、データ割当プロセスで使用される参照場所です。次の表に、参照データの割当で使用される決定要因タイプを示します。
| 決定要因タイプ | 説明 |
|---|---|
|
資産台帳 |
元帳またはビジネス・ユニットに属する資産の取得、減価償却および除・売却に関する情報。 |
|
ビジネス・ユニット |
企業内の部門または組織。 |
|
原価組織 |
企業内の様々な在庫ならびにコスト・センターに関する原価会計および報告で使用される組織。 |
|
プロジェクト・ユニット |
一貫したプロジェクト管理プラクティスの適用の責任を負う企業内の論理組織。 |
|
参照データ・セット |
共有される他の参照データ・セットへの参照。 |
決定要因
決定要因(決定要因値とも呼ばれる)は、選択する決定要因タイプに対応する値です。決定要因は、適切な参照データ・セットの選択基準の1つになります。
参照グループ
トランザクション・エンティティは複数の参照エンティティ(通常は設定データとみなされる)を持つ場合があります。ただし、いずれの参照エンティティも、ビジネス・ポリシーと法的ルールを同様に実装することから、すべて同じように扱われます。アプリケーション内のこのような参照エンティティは、参照グループと呼ばれる論理ユニットにグループ化されます。たとえば、販売オーダー・タイプ詳細を定義するすべての表およびビューは、同じ参照グループに属することがあります。参照グループは、参照グループ表で事前定義されています。
セット対応参照の例
新しいセット対応参照の作成は、標準参照の作成と似ていますが、参照コードの参照データ・セットの決定要因をさらに指定する必要があります。特定の参照タイプの参照コードを作成または編集できるのは、構成レベルがその操作をサポートしている場合のみです。
セットが使用可能な参照コードの参照データ・セットは外部キーの一部です。これは、他のセットが使用可能なエンティティとは異なります。参照データ・セット割当を定義および管理するには、「セット割当の管理」タスクを使用します。
セットが使用可能な参照タイプに対する参照グループの選択
セット対応参照タイプに参照グループを指定することで、その参照コードで使用できる参照データ・セット割当を指定します。たとえば、COLORS参照タイプをセット対応参照タイプとして使用し、USおよびEU参照データ・セット割当を含む国参照グループを対象とすることができます。
セットが使用可能な参照に対する参照データ・セットの選択
参照データ・セットによって、値リストに含まれる参照コードが決定します。たとえば、2つの参照データ・セットがあり、一方がUS用、もう一方がEU用であるとします。COLORS参照タイプにRED、YELLOW、ORANGEおよびGREEN参照コードが含まれている場合、一方のRED参照コードはUS参照データ・セットから有効にし、もう一方のRED参照はEU参照データから有効にして、各参照コードにそれぞれ異なる意味を持たせることができます。
次の表に、これらの2つの参照データ・セット(USおよびEU)に、共通ではあるがそれぞれの参照の意味では異なる1つの参照コードを含める方法の例を示します。
| 参照データ・セット | 参照コード | 参照の意味 |
|---|---|---|
|
US |
RED |
赤 |
|
US |
YELLOW |
黄 |
|
US |
GREEN |
緑 |
|
EU |
RED |
紅色 |
|
EU |
ORANGE |
オレンジ |
一部の参照コードはいずれかの参照データ・セットに固有である可能性があります。この例では、ORANGE参照はEU参照データ・セットに固有です。
次の表に示す別の例では、HOLD_REASONという参照タイプは、契約更改を保留にする事由のリストを提供しています。参照データ・セットによって、保留事由の値リストに含まれるコードが決定します。
| 参照データ・セット | 参照コード | 参照の意味 |
|---|---|---|
|
US |
SEC |
SECコンプライアンス・レビュー |
|
US |
DIR |
ディレクタの承認必須 |
|
US |
VP |
バイス・プレジデントの承認必須 |
|
CHINA |
CSRC |
中国証券監督管理委員会のレビューが保留中 |
|
CHINA |
PR |
プレジデントの承認必須 |
|
COMMON |
REQUESTED |
顧客要求 |
表の例では、エンド・ユーザーが米国ビジネス・ユニットで契約を保留する際には、USセットにある3つの事由コードを使用できます。中国ビジネス・ユニットで契約を保留にする際には、Chinaセットにある2つのコードを使用できます。
デフォルト参照データ・セットの定義
デフォルトの参照データ・セットを新しいビジネス・ユニットに割り当てます。このデフォルト・セットは、買掛/未払金支払条件や売掛/未収金会計基準など、ビジネス・ユニットのすべての参照データ・オブジェクトに割り当てられます。デフォルト・セットを割り当てるには、既存の参照データ・セットを選択するか、新しい参照データ・セットを作成します。
ビジネス・ユニットのデフォルト参照データ・セットの作成
「ビジネス・ユニットの作成」または「ビジネス・ユニットの編集」ページを使用して、参照データ・セットを作成します。
既存のビジネス・ユニットの参照データ・セットを作成しても、以前にビジネス・ユニットに割り当てられた実際のセットには影響しません。新規に作成したセットを既存のビジネス・ユニットに使用する場合は、「セット割当の管理」タスクを使用して、変更する各参照データ・オブジェクトにセットを割り当てます。
企業体系コンフィギュレータでの参照データ・セットの作成方法
ビジネス・ユニットを自動で作成した場合は、企業体系コンフィギュレータによって参照データ・セットが自動的に作成されます。企業体系コンフィギュレータは、各ビジネス・ユニットに対して参照データ・セットを1つずつ作成します。さらにセットを追加することは可能ですが、自動作成されたセットを削除することはできません。
企業セットと呼ばれる標準セットが事前定義されています。
共通セット
共通セットは、ビジネス・ユニット間で参照データの共有を可能にする事前定義済セットです。セット対応データをトランザクション・レベルで選択した場合、値リストには次のものに含まれるデータが表示されます。
-
共通セット
-
トランザクションのビジネス・ユニットのデータ型に関連付けられたセット
たとえば、アサイメントを作成した場合、等級の値リストには次のものに含まれる等級が表示されます。
-
共通セット
-
アサイメントを作成するビジネス・ユニットの等級に割り当てられたセット