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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1.7.0)
B72923-01
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64 インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)サービスの使用

この章では、インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)サービスで提供される機能の使用方法について説明します。IMPサービスを使用すると、他の認証済アプリケーション・ユーザーのプレゼンス・ステータスを表示できます。また、インスタント・メッセージやメールなどの対話オプションに即座にアクセスできます。さらに、エンタープライズ・プレゼンスが使用できない場合は、Yahoo! Messengerなどのサード・パーティのネットワーク・プレゼンス・サービスに接続できます。

この章の内容は次のとおりです。

対象読者

この章は、インスタント・メッセージおよびプレゼンスを表示、作成および管理する認証済ユーザーを対象としています。また、Application-Manage Configuration権限を持つSpacesの管理者および自分のスペース内でインスタント・メッセージおよびプレゼンスを構成する個々のスペース・モデレータも対象としています。詳細は、第54.2.1.2項「スペース内の権限と権限モデルの理解」を参照してください。


注意:

この章で説明する各タスクは、現在のスペースでIMPサービスが有効にされていない場合は使用できません。


64.1 IMPサービスの基本

IMPサービスでは、他の認証済ユーザーのプレゼンス・ステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を監視でき、インスタント・メッセージ(IM)やメールなどの対話オプションに即座にアクセスできます。ユーザー名を持つWebCenter Portalサービスは、ディスカッション、ドキュメント、メールなどのIMPサービスと統合できます。ユーザー名が表示されている箇所(ドキュメント・ライブラリの「作成者」列など)では、そのユーザーのプレゼンス状態を示すアイコン(図64-1)を表示できます。

図64-1 オンライン・ユーザーの「プレゼンス」アイコン

「プレゼンス」アイコン(オンライン)

「プレゼンス」アイコン上にマウス・ポインタを移動すると、利用可能な場合はツールチップにそのユーザーの現在のステータス・メッセージが表示されます。ユーザーがステータス・メッセージを提供していないか、またはメッセージを取得できない場合、ツールチップにそのユーザーのプレゼンス状態(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)が表示されます。


注意:

アイドル・ステータスはありません。長時間ユーザー・アクティビティが発生しなかった場合、ステータスはオンラインとして表示されます。


また、「プレゼンス」アイコンをクリックして、コンテキスト・メニューを起動できます(図64-2)。

図64-2 「プレゼンス」アイコンのコンテキスト・メニュー

「プレゼンス」アイコンのコンテキスト・メニュー

コンテキスト・メニューから、次の手順を実行できます。


注意:

コンテキスト・メニューに表示されるオプションは、アプリケーションで使用可能なサービス、それらのサービスの構成状況およびバックエンド・プレゼンス・サーバーによってサポートされるサービスにより異なります。


64.2 優先するインスタント・メッセージ・プロバイダの識別

IMPサービスにはバックエンド・プレゼンス・サーバーが必要です。WebCenter Portalは、Microsoft Office Live Communications Server (LCS) 2005、Microsoft Office Communications Server (OCS) 2007およびMicrosoft Lync 2010で動作保証済です。プレゼンスが使用できない場合(たとえば、エンタープライズでJabber/XMPPプレゼンス・サーバーを使用していたり、アイデンティティ管理システム間でユーザーを分散させるフェデレーテッド・プレゼンス・サーバーを持っている場合)、パブリック・ネットワーク・プレゼンス・サービスに接続できます。

WebCenter Portalは、ネットワーク・プレゼンス上のYahoo! Messengerをデフォルトでサポートします。ただし、ネットワーク・プレゼンス・モデルは、ICQなどの他のプロバイダを含めるように拡張できます。これを実行するには、特定のURLからの各ユーザーのプレゼンスの処理方法を理解する、プレゼンス・ネットワーク・エージェント(PNA)を構築する必要があります。

ネットワーク・プレゼンスを有効にするには:

  1. アプリケーションの上部にある「プリファレンス」リンクをクリックします。

  2. 「プレゼンス」をクリックして、「プレゼンス・プリファレンス」ペインを開きます。

  3. プレゼンス・ステータスのIMアドレスおよび表示名を入力します(図64-3)。


    注意:

    PNAはIMアドレス上で実行されます。IMPサービスは、すべての登録済PNAに対してこのIMアドレスを処理できるかどうかを確認します。処理できる場合は、各エージェントに委任します。ドメインmydomain.comを持つすべてのユーザー・プレゼンスを識別する新しいPNAを登録する場合、PNAはXYZ@mydomain.comなどのユーザーIMアドレスのプレゼンスを処理します。


    図64-3 「プレゼンス・プリファレンス」ペイン

    「プリファレンス」ダイアログの「プレゼンス・プリファレンス」パネル
  4. 「OK」をクリックし、変更を保存して「プリファレンス」ダイアログを終了します。

そのユーザーのプレゼンス・タグは、ネットワーク・プレゼンスがオンライン(図64-4)であるかまたはオフライン(図64-5)であるかどうかを示します。

図64-4 Yahoo「プレゼンス」アイコン - オンライン

図64-4の説明が続きます
「図64-4 Yahoo「プレゼンス」アイコン - オンライン」の説明

図64-5 Yahoo「プレゼンス」アイコン - オフライン

図64-5の説明が続きます
「図64-5 Yahoo「プレゼンス」アイコン - オフライン」の説明

64.3 ネットワーク・プレゼンスの構成

Yahoo! Messengerへのプレゼンスを設定するには:

  1. アプリケーションの上部にある「プリファレンス」リンクをクリックします。

  2. 「プレゼンス」をクリックして、「プレゼンス・プリファレンス」ペインを開きます。

  3. 自分のYahoo! Messenger IDおよび表示名を入力します(図64-6)。

    図64-6 「プレゼンス・プリファレンス」ペイン

    「プリファレンス」ダイアログの「プレゼンス・プリファレンス」パネル
  4. 「OK」をクリックし、変更を保存して「プリファレンス」ダイアログを終了します。

エンタープライズ・プレゼンスに戻す場合は、ネットワークに戻る際に、「プレゼンス・プリファレンス」からこの情報を削除してください。


注意:

Yahoo! Messengerのオンライン・ユーザーにインスタント・メッセージを送信するには、Yahoo! Messengerをインストールしている必要もあります。


64.4 IMPサービス機能の使用

多くのタスク・フローには、連絡を取りたい内容のコンテキスト内から他のユーザーに連絡することができるプレゼンス機能が含まれています。たとえば、あるディスカッション・トピックの投稿を見て、その投稿の作成者と連絡が取りたい場合は、「ディスカッション」タスク・フローから直接これを実行できます。

この項の内容は次のとおりです。

64.4.1他のユーザーのステータスの表示

多くのタスク・フローでは、他のユーザーとその場で通信できます。タスク・フローに「プレゼンス」アイコン(図64-1)があれば、そのアイコンに関連付けられているユーザーとインスタント・チャットを開始したり、そのユーザーにメールを送信できます。

別のユーザーと通信する方法は、その可用性によって異なります。たとえば、ユーザーがオンラインの場合は、即座に連絡するためにインスタント・メッセージを送信できます。ただし、ユーザーがオフラインかビジーの場合は、メールの送信はおそらくよりよい選択肢です。

また、ユーザーはステータス・メッセージを提供することにより、自分のステータスに関する情報をさらに提供できます。ユーザーに対してこのようなステータス・メッセージが存在する場合、「プレゼンス」アイコン上にマウスを置くと、ツールヒントとしてそのメッセージが表示されます。ステータス・メッセージにより、連絡を取る方法に関する十分な情報に基づいた判断を行うことができます。ユーザーのステータス・メッセージがない場合は、かわりにプレゼンス状態がツールヒントに表示されます(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)。

ユーザーの現在のプレゼンス・ステータスまたはステータス・メッセージを表示するには、ユーザー名の横の「プレゼンス」アイコン上にマウスを置きます。


注意:

ユーザーのプレゼンス状態はデフォルトの失効時間の間(60秒)キャッシュに保持されます。結果として、ステータスが最初の取得時間とキャッシュ失効時間の間に変更される場合は、「プレゼンス」アイコンにユーザーの実際のステータスが反映されない場合があります。


表64-1に各「プレゼンス」アイコンが表しているプレゼンスを示します。

表64-1 「プレゼンス」アイコンのプレゼンス状態

「プレゼンス」アイコン 状態

緑のマル: ユーザーが使用可能です


関連ユーザーはオンラインです。

太い白線が記載された赤マル(エントリなし): ユーザーがビジーです


関連ユーザーはオンラインですが、多忙です。対応できません。

時計: ユーザーが退席中です


関連ユーザーはオンラインですが、席を離れています。

十字のある非表示アイコン: ユーザーはオフラインです


関連ユーザーはオフラインです。


64.4.2 「プレゼンス」アイコン・メニューからのメール・メッセージの送信

「プレゼンス」アイコンが表示されていれば、その関連ユーザーにメール・メッセージを送信できます。

メール・メッセージを送信するには:

  1. 連絡したい相手の「プレゼンス」アイコン(図64-1)を探します。

    「プレゼンス」アイコンは、たとえば、ドキュメントおよびディスカッション・トピックに関連付けられて表示されます。また、タスク・フローがIMPをサポートするように構成されているすべての場所に表示されます。

  2. 連絡したいユーザーに関連付けられた「プレゼンス」アイコンをクリックします。図64-7に示すとおり、使用可能なオプションがポップアップ表示されます。

    図64-7 「プレゼンス」アイコン

    ユーザーmontyに関連付けられた「プレゼンス」アイコン
  3. メニューから、「メールを送信」を選択します。

    ログイン・ウィンドウが表示されることもあります。その場合、お使いのメール・アプリケーションのユーザー名とパスワードを入力します。ログイン資格証明を自動的に送信するように「プリファレンス」を設定している場合は、すぐにメッセージを開始できます。ログイン資格証明とプリファレンスの詳細は、第38章「個人用プリファレンスの設定」を参照してください。

  4. メッセージを作成して、「送信」をクリックします。

64.4.3 「プレゼンス」アイコン・メニューからのインスタント・メッセージの送信

「プレゼンス」アイコンが表示されていれば、その関連ユーザーにインスタント・メッセージを送信できます。

インスタント・メッセージを送信するには、その前に、ローカル・コンピュータ上に該当するチャット・クライアント(およびそのクライアントのみ)をインストールする必要があります。クライアントは、バックエンド・プレゼンス・サーバーに接続するように構成される必要があります。Microsoft Live Communications Server (LCS) 2005、Microsoft Office Communications Server (OCS) 2007またはMicrosoft Lync 2010を使用する場合は、Microsoft Communicatorをインストールします。

インストールするクライアントまたはプレゼンス・サーバーに接続する方法がわからない場合は、管理者に連絡します。

インスタント・メッセージを送信するには:

  1. 連絡したい相手の「プレゼンス」アイコン(図64-1)を探します。

    「プレゼンス」アイコンは、たとえば、ドキュメントおよびディスカッション・トピックに関連付けられて表示されます。また、タスク・フローがIMPをサポートするように構成されているすべての場所に表示されます。

  2. 連絡したいユーザーに関連付けられた「プレゼンス」アイコンをクリックします。図64-8に示すとおり、使用可能なオプションがポップアップ表示されます。

    図64-8 「プレゼンス」アイコンのオプション

    ユーザーmontyに関連付けられた「プレゼンス」アイコン
  3. メニューから、「インスタント・メッセージの送信」を選択します。

    WebCenter Portalはインスタント・メッセージング・クライアントを起動し、選択したユーザーとチャット・セッションを開始します。