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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1.7.0)
B72923-01
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27 複数言語ポータルの使用

ポータルが1つ以上の国のユーザーに表示される場合、ユーザーが選択した言語とロケールに基づいてローカライズされたコンテンツを表示するようにポータルを構成できます。たとえば、ページがイタリアで表示されることがわかっている場合、(ブラウザ、ユーザー・プリファレンス、スペースまたはアプリケーション設定で)イタリア語が選択されたときに、ページのテキストの文字列がイタリア語で表示されるように、ページをローカライズできます。

また、ロケールの選択では、選択されたロケールに適用可能な書式に関する特別な考慮事項も適用されます。たとえば、情報が一般的に左から右または右から左のどちらで表示されるか、数字がどのように表現されるか(金銭に関する情報など)などです。

この章の内容は次のとおりです。

27.1 Spacesの言語の基本

Spacesに表示されるものには、次の3つの主要なタイプの情報があります。

翻訳に関しては、情報のタイプごとに、次のように異なる処理が行われます。

情報の翻訳および複数言語ポータルのサポートの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』を参照してください。

27.1.1 表示言語の優先順位

翻訳された情報がブラウザでレンダリングされる際の言語は、表示言語によって制御されます。

インターネットでは通常、ユーザーがアクセスする各種のWebサイトで使用される表示言語は、ブラウザの設定によって制御されます。ただし、Spacesには、アプリケーション・レベル、スペース・レベルおよびユーザー・レベルでの言語選択について追加の制御機能が用意されています。Spacesの表示言語設定についての優先順位は、最下位から最上位の順で次のようになっています。

  • ブラウザ設定—これは、ユーザーのブラウザのプリファレンスで選択された言語です。この設定の変更方法はブラウザのドキュメントに説明されています。

  • パブリックCookie—これは、パブリック・ユーザー—つまりSpacesにログインしていないユーザー—が、ポータルの「ようこそ」ページで選択できるセッション言語です。セッション言語は、Cookieの有効期間の間保持されます。ユーザーがブラウザのCookieを消去すると、セッション言語も消去されます。

  • アプリケーション設定—これは、Spaces管理者により構成されたアプリケーションのデフォルト言語です(詳細は、第5.2項「デフォルト表示言語の選択」を参照してください)。

  • ユーザー・プリファレンスの設定—これは、ユーザーが個人のプリファレンスの設定を介して選択する言語です(詳細は、第38.2項「優先表示言語の選択」を参照してください)。

  • 現在のスコープ—これは、スペース・モデレータが所定のスペースに設定する言語です(詳細は、第53.4.15項「スペースの表示言語の設定」)を参照してください。


注意:

Spacesが実行されているサーバーで、Spacesで設定されている言語プリファレンスのキャラクタ・セットがサポートされていない場合は、スペースに関連する出力情報は、文字化けするか疑問符として表示されます。

この問題を回避するため、ユーザーはセッション言語またはユーザー個人の言語プリファレンスをEnglishに変更できます。これにより、新しいログ・ファイル情報が作成されます。このログ・ファイルは、通常、$WC_DOMAIN/servers/WLS_Spaces/logsにあります。


27.1.2 Spacesでデフォルトでサポートされる言語

Spacesには、27の言語および100のロケール用のランタイム翻訳が用意されています。

表27-1 Spacesで利用可能な言語

AからFi FrからNo PからT

アラビア語

フランス語

ポーランド語

ポルトガル語(ブラジル)

ドイツ語

ポルトガル語

中国語(簡体字)

ギリシャ語

ルーマニア語

中国語(繁体字)

ヘブライ語

ロシア語

チェコ語

ハンガリー語

スロバキア語

デンマーク語

イタリア語

スペイン語

オランダ語

日本語

スウェーデン語

英語

韓国語

タイ語

フィンランド語

ノルウェー語

トルコ語


表27-1のリストには、Spacesでデフォルトで使用可能なすべての言語が含まれています。ユーザーは、特定の言語に関連付けられたロケールを選択することもできます。たとえば、言語をアラビア語に変更して、この言語グループ内でアルジェリア、バーレーン、ジブチなど20の異なるロケールから選択できます。


注意:

Oracle Enterprise Managerなどのツールのように、サービスをSpacesに提供する管理層も、Spacesで利用可能な言語の一部を提供しています。次にこれを示します。

  • 英語

  • ポルトガル語(ブラジル)

  • 中国語(簡体字)

  • 中国語(繁体字)

  • フランス語

  • ドイツ語

  • イタリア語

  • 日本語

  • 韓国語

  • スペイン語

ディスカッション・サービスは、Jiveアプリケーションを使用します。WebCenter PortalにバンドルされているJiveアプリケーションは、デフォルトで、英語とスペイン語をサポートします。 表27-1に記載されている以外の言語はサポートしません。ただし、Jiveはユーザー独自の翻訳ファイルを受け入れます。詳細は、Jiveのドキュメント・サイトを参照してください。この情報は、Jiveアプリケーションのユーザー・インタフェースに明示されています。


27.2 言語オプションの構成

この項では、Spacesで使用可能な言語オプションの構成方法について説明します。内容は次のとおりです。

27.3 ユーザーによる言語選択の有効化

この項では、ユーザーが「言語の変更」コンポーネントをページに追加することにより言語を選択できるようにする方法について説明します。内容は次のとおりです。

27.3.1 「言語の変更」タスク・フローのページへの追加

「言語の変更」タスク・フローを任意のページ(ホーム・スペースのページ、スペースのページ、またはビジネス・ロール・ページ)に追加することで、UIを表示する際の言語をユーザーが選択できるようになります。

「言語の変更」タスク・フローをページに追加するには、次の手順を実行します。

  1. タスク・フローを追加するページに移動して、そのページを編集モードで開きます。


    関連項目:

    詳細は、第18.1項「コンポーザの開始および終了」を参照してください。


  2. 「コンテンツの追加」をクリックして、リソース・カタログを開きます。

  3. 「言語の変更」タスク・フローをリソース・カタログで見つけます。


    注意:

    詳細は、第16章「リソース・カタログの使用」、特に第16.3.1.2項「リソースの追加」 を参照してください(「リソース・カタログ・アイテムの追加」ダイアログで、「Web開発」を選択し、「言語の変更」にスクロールします)。


  4. 「言語の変更」タスク・フローの横の「追加」 をクリックし、「閉じる」をクリックしてリソース・カタログを終了します。

  5. 「保存」「閉じる」をクリックします。

27.3.2 「言語の変更」タスク・フロー・プロパティの設定

「言語の変更」タスク・フローには、関連するプロパティがあります。このプロパティには、十分な権限を持つユーザーがコンポーザの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログからアクセスできます(図27-4)。

図27-4 「言語の変更」タスク・フロー - 「コンポーネント・プロパティ」

「言語の変更」タスク・フローのコンポーネント・プロパティ

「コンポーネント・プロパティ」ダイアログへのアクセスの詳細は、第18.6.2項「コンポーネントのプロパティの設定」を参照してください。

次の項では、「言語の変更」タスク・フローのプロパティについての情報を提供し、「パラメータ」タブのプロパティについて説明します。

27.3.2.1 「言語の変更」タスク・フロー・プロパティの基本

デフォルトのタスク・フロー・コンテンツは、「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの「パラメータ」タブ上のプロパティによって制御されます。このタブのパラメータの詳細は、第27.3.2.2項「「言語の変更」タスク・フロー・パラメータの変更」を参照してください。タスク・フローによっては、このタブのパラメータによって、タスク・フローとページ・パラメータおよびページ定義変数を簡単に結び付けることができます。ページとコンポーネントの結付けの詳細は、第22章「ページ、タスク・フロー、ポートレットおよびUIコンポーネントの結付け」を参照してください。

「表示オプション」タブ、「スタイル」タブおよび「コンテンツ・スタイル」タブのプロパティを変更すると、タスク・フローの外観と動作に影響します。これらのプロパティは、すべてのタスク・フローに共通しています。詳細は、第18.6.4項「コンポーネントの表示オプションの使用」および第18.6.6項「スタイル・プロパティおよびコンテンツ・スタイル・プロパティの使用」を参照してください。

「イベント」タブの内容は、タスク・フローでサポートされているイベントによって異なります。詳細は、第18.6.7項「コンポーネントのコンテキスト・イベントの使用」を参照してください。

「パラメータ」タブと「表示オプション」タブのすべてのプロパティから式言語(EL)エディタにアクセスできます。ELエディタを使用すると、定数値のかわりに変数値を選択または指定できます。エディタを開くには、プロパティ・フィールドの横にある「編集」アイコンをクリックします。エディタの使用の詳細および一般的なEL式の説明は、付録B「式言語(EL)式」を参照してください。


注意:

「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの汎用の「表示オプション」タブでELを入力すると、入力内容が自動的に検証されます。EL構文が無効な場合、エラーが表示され、値は適用も保存もされません。汎用の表示オプションとは、表18-1に掲載されているオプションです。

汎用以外の表示オプションには、ELの検証は行われません。


27.3.2.2「言語の変更」タスク・フロー・パラメータの変更

表27-1は、「言語の変更」タスク・フローに固有のパラメータについて説明しています。

表27-2 「言語の変更」タスク・フロー・パラメータの変更

パラメータ 説明

Display Detailed List

ロケールを含む、言語の詳細リストを表示します。

デフォルト: 未選択

Persist Change to Preferences

ユーザーの言語選択を、ユーザーのプリファレンスに永続化します。

デフォルト: 未選択

Scope

この言語選択を適用するスコープの名前またはGUID。

デフォルトでは、言語選択は現在のスコープに適用されます。これは、ホーム・スペースのページに配置された「言語の変更」コンポーネントはアプリケーション全体に影響し、特定のスペースに配置された「言語の変更」コンポーネントは、そのスペースのみに影響することを意味します。

言語選択を現在のスペース以外のスペースに制限するには、これを対象とするスペースのGUIDに設定します。スペースのGUID取得の詳細は、第51.6項「スペースに関する情報の表示」を参照してください。