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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B66703-06
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13 Oracle SOA Suiteコンポーネントを追加するためのドメインの拡張

この章では、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用して、第9章「エンタープライズ・デプロイメント用のドメインの作成」で作成したドメインを拡張し、Oracle SOA SuiteコンポーネントとOracle WSMポリシー・マネージャ・サーバーを追加する方法について説明します。

この章の項目は次のとおりです。


注意:

  • Oracle SOA Suiteは、エンタープライズ・デプロイメント・トポロジにOracle WebCenter Content: Imagingを追加する場合にのみ必要になります。

  • セットアップのプロセスを開始する前に、各プラットフォームのOracle Fusion Middlewareリリース・ノートを読み、インストールおよびデプロイメントに関する追加情報を確認してください。


13.1 Oracle SOA Suiteコンポーネントを追加するためのドメインの拡張の概要

この章の手順は、SOA Oracleホーム(バイナリ)がすでにインストールされていて、WCCHOST1およびWCCHOST2からアクセス可能な状態であること、さらに、管理サーバーを含むドメインが作成されていることを前提としています。このドメインを拡張して、Oracle SOA Suiteコンポーネントをサポートします。

Oracle WebLogic Serverドメインを拡張して、Oracle SOA Suiteコンポーネントを追加します。表13-1に、Oracle SOA Suiteの構成手順と、Oracle SOA Suiteコンポーネントを使用するためのドメインの拡張に必要なタスクを示します。

表13-1 Oracle SOA Suiteコンポーネントを使用するためのドメインの拡張手順

手順 説明 詳細

Oracle SOA Suiteコンポーネントを使用するためのドメインの拡張の準備

Oracle SOA Suite WebLogic Serverクラスタの各ホスト名で仮想IPアドレスのマッピングを有効にします。

第13.2項「WCCHOST1でのVIP2およびWCCHOST2でのVIP3の有効化」


Oracle SOA Suiteコンポーネントを使用するためのドメインの拡張

第9章「エンタープライズ・デプロイメント用のドメインの作成」で作成したWebLogic Serverドメインを拡張します。

第13.3項「Oracle SOA Suiteコンポーネントを使用するためのドメインの拡張」


コンポジットをデプロイするためのOracle Coherenceの構成

コンポジットのデプロイにユニキャスト通信を使用するためOracle Coherenceを構成します。

第13.5項「コンポジットをデプロイするためのOracle Coherenceの構成」


構成後タスクおよび検証タスクの実行

ホスト名の検証の無効化、ノード・マネージャの再起動、ドメイン構成の伝播、管理対象サーバーの起動と検証、GridLinkデータ・ソースの検証の手順に従います。

第13.6項「Oracle SOA Suite用の構成後タスクおよび検証タスクの実行」


Oracle Web Services Manager (Oracle WSM)を実行しているすべてのサーバー間の、Javaオブジェクト・キャッシュ(JOC)の構成

Oracle WSMのパフォーマンスを向上させるためにローカル・キャッシュを構成します。

第13.7項「Oracle Web Services Manager用のJavaオブジェクト・キャッシュの構成」


拡張したドメインでのOracle HTTP Serverの構成

管理対象サーバーとともにOracle HTTP Serverを構成し、アクセスの検証、フロントエンドHTTPのホストおよびポートの設定およびSOA_ClusterのWebLogic Serverクラスタ・アドレスの設定を行います。

第13.8項「拡張したドメインでのOracle HTTP Serverの構成」


デフォルト永続ストアの構成

トランザクション・リカバリのためのデフォルトの永続ストアを構成します。

第13.9項「トランザクション・リカバリのためのデフォルトの永続ストアの構成」


ドメインの管理対象サーバーとノード・マネージャ間通信に対するホスト名検証の構成

管理サーバーや他のサーバーとの通信には、それぞれのアドレス用の証明書を使用します。

第13.10項「WLS_SOA管理対象サーバー用のノード・マネージャの構成」


Oracle SOA Suite管理対象サーバー用のサーバー移行の構成

移行のためのOracle SOA Suite管理対象サーバー名、ホスト名およびクラスタ名を指定します。

第13.11項「WLS_SOA管理対象サーバー用のサーバー移行の構成」

Oracle SOA Suite構成のバックアップ

新しく拡張したドメイン構成をバックアップします。

第13.12項「インストールのバックアップ」



13.2 WCCHOST1でのVIP2およびWCCHOST2でのVIP3の有効化

Oracle WebCenter Contentドメインでは、Oracle SOA Suiteの管理対象サーバーのリスニング・アドレスとして仮想ホスト名を使用します。まだ対応していない場合は、VIP2からWCCHOST1のWCCHOST1VHN1に対して、またVIP3からWCCHOST2のWCCHOST2VHN1に対して仮想IPアドレスのマッピングを有効にし、トポロジで使用されるネットワーク・システムで仮想ホスト名を(DNSサーバーまたは/etc/hosts解決のいずれかで)正しく解決する必要があります。

まだ仮想IPアドレスを有効化していない場合には、第6.6項「仮想IPアドレスの有効化」で説明している手順に従ってください。これらの仮想IPアドレスおよび仮想ホスト名は、Oracle SOA Suiteサーバーでサーバー移行を有効にするときに必要となります。この後、高可用性を実現するために、Oracle SOA Suiteサーバーのサーバー移行を構成できます。サーバー移行の構成の詳細は、第17章「エンタープライズ・デプロイメント用のサーバー移行の構成」を参照してください。

13.3 Oracle SOA Suiteコンポーネントを使用するためのドメインの拡張

構成ウィザードを使用して、Oracle Web Services ManagerおよびOracle SOA Suiteコンポーネントをサポートするために、第9章「エンタープライズ・デプロイメント用のドメインの作成」で作成されたドメインを拡張します。


注意:

  • Oracle SOA Suiteは、エンタープライズ・デプロイメント・トポロジにOracle WebCenter Content: Imagingを追加する場合にのみ必要になります。

  • 第9章「エンタープライズ・デプロイメント用のドメインの作成」で作成したドメインをバックアップしていない場合は、Oracle SOA Suiteコンポーネントを使用するためのドメイン拡張を実行する前に、現在のドメインをバックアップします。ドメインの拡張時になんらかのエラーが発生した場合は、このバックアップを使用してリカバリできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の環境のバックアップに関する項を参照してください。


Oracle SOA Suiteコンポーネントを使用するためにドメインを拡張する手順は次のとおりです。

  1. リポジトリをインストールしたデータベースを実行していることを確認します。

    Oracle RACデータベースの場合は、後で実行する検証チェックの信頼性を確保するために、すべてのインスタンスを実行しておくことをお薦めします。

  2. ドメイン内のすべての管理対象サーバーを停止します。

  3. WCCHOST1で、ディレクトリをOracle Fusion Middleware構成ウィザードの場所に変更します。これはOracle共通ホーム・ディレクトリ内にあります(ドメインの拡張は、管理サーバーが存在するノードから実行します)。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
  4. 構成ウィザードを起動します。

    ./config.sh
    
  5. 「ようこそ」画面で、「既存のWebLogicドメインの拡張」を選択し、「次へ」をクリックします。

  6. 「WebLogicドメイン・ディレクトリの選択」画面で、WebLogic Serverドメイン・ディレクトリ(ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name)を選択し、「次へ」をクリックします。

  7. 「拡張ソースの選択」画面(図13-1)で、次の手順を実行します。

    1. 「以下の追加製品をサポートするために、自動的にドメインを拡張する」を選択します。

    2. 次の製品を選択します。

      • Oracle SOA Suite

      • Oracle WSMポリシー・マネージャ

      次の製品は、ドメインを作成した際(第9.3項)あるいはWebCenter Content用(第11.2項)またはInbound Refinery用(第12.2項)にドメインを拡張した際に選択している場合、グレー表示されます。

      • WebLogic Serverの基本ドメイン

      • Oracle Universal Content Management - Inbound Refinery

      • Oracle Universal Content Management - Content Server

      • Oracle Enterprise ManagerプラグインIBR用

      • Oracle Enterprise Manager

      • Oracle JRF

      図13-1 Oracle SOA Suiteの「拡張ソースの選択」画面

      図13-1の説明が続きます
      「図13-1 Oracle SOA Suiteの「拡張ソースの選択」画面」の説明

    3. 「次へ」をクリックします。

  8. このドメインではOracle JRFが定義済であることを示す「競合の検出」メッセージが表示された場合は、「既存のコンポーネントを保持する」オプションを選択して、「OK」をクリックします。

  9. 「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」画面(図13-2)で、次の手順を実行します。

    1. 「SOAインフラストラクチャ」「ユーザー・メッセージング・サービス」「OWSM MDSスキーマ」および「SOA MDSスキーマ」の各行を選択します。

    2. RAC構成については、「GridLinkへ変換」または「RACマルチ・データ・ソースへ変換」を選択できます(付録A「Oracle RACでのマルチ・データ・ソースの使用」を参照)。ここでの説明に合せて、「GridLinkへ変換」を選択します。

      RAC構成を選択すると、選択されたすべてのスキーマがグレー表示されます。

      図13-2 Oracle SOA Suiteの「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」画面

      図13-2の説明が続きます
      「図13-2 Oracle SOA Suiteの「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」画面」の説明

    3. 「次へ」をクリックします。

  10. 「GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」画面(図13-3)で、次の手順を実行します。

    1. 「SOAインフラストラクチャ」行のみを選択します。

      図13-3 Oracle SOA Suiteの「GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」画面

      図13-3の説明が続きます
      「図13-3 Oracle SOA Suiteの「GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」画面」の説明

    2. 次の各フィールドに値を入力して、RCUでシードされたGridLink RACデータベースの接続情報を指定します。

      • ドライバ: OracleのGridLink接続用のドライバ(Thin)、バージョン:10以降を選択します。

      • サービス名: Oracle RACデータベースのサービス名は小文字で入力し、ドメイン名を続けます(例: wccedg.mycompany.com)。

      • ユーザー名: 対応するコンポーネントのデータベース・スキーマの所有者の完全なユーザー名を入力します。

        このガイドでは、データベース・スキーマのユーザー名の接頭辞としてWCCを使用しています。

      • パスワード: データベース・スキーマの所有者のパスワードを入力します。

      • 「FANの有効化」を選択します。

      • SSLの有効化: このオプションは選択解除したままにします。

        SSLを選択してOracle Notification Service (ONS)の通知暗号化を有効にする場合は、「ウォレット・ファイル」および「ウォレット・パスワード」の詳細を適切に指定します。

      • サービス・リスナー: 使用するOracle RACデータベースのOracle Single Client Access Name (SCAN)のアドレスとポートを入力します。プロトコルはTCPである必要があります。

        SCANアドレスを使用してサービス・リスナー(およびOSNホスト)を指定することをお薦めします。これにより、Oracle RACノードを追加または削除しても、SCANアドレスを含むGridLinkデータ・ソースを更新する必要がありません。SCANアドレスを特定するには、データベース内のremote_listenerパラメータを問い合せます。

        SQL>show parameter remote_listener;
         
        NAME              TYPE        VALUE
        -----             ------      -------
        remote_listener   string      db-scan.mycompany.com:1521
        

        注意:

        Oracle Database 11gの場合は、次の例に示すように、各データベース・インスタンス・リスナーの仮想IPアドレスとポートを使用します。

        custdbhost1-vip.mycompany.com (port 1521) 
        
        custdbhost2-vip.mycompany.com (1521)
        

        Oracle Database 10gの場合は、マルチ・データ・ソースを使用してOracle RACデータベースに接続します。マルチ・データ・ソースの構成の詳細は、付録A「Oracle RACでのマルチ・データソースの使用」を参照してください。


      • ONSホスト: データベースによって報告されるRACデータベースのSCANアドレスとONSリモート・ポートも入力します。

        [orcl@CUSTDBHOST2 ~]$ srvctl config nodeapps -s
        ONS exists: Local port 6100, remote port 6200, EM port 2016
        

        注意:

        Oracle Database 11gの場合は、次の例に示すように、各データベースのONSサービスのホスト名とポートを使用します。

        custdbhost1.mycompany.com (port 6200)
        
        custdbhost2.mycompany.com (6200)
        

    3. 各データ・ソースを1つずつ選択し、適切な値のユーザー名とパスワードを入力します。

    4. すべてのスキーマ(SOAインフラストラクチャユーザー・メッセージング・サービスOWSM MDSスキーマおよびSOA MDSスキーマ)で、すべての値が正しいことを確認し、「次へ」をクリックします。


      注意:

      Oracle WSMポリシーを格納するには、Oracle Identity Management用のデータベースを使用することをお薦めします(第18章「Oracle Identity Managementとの統合」を参照)。そのため、(第3章「エンタープライズ・デプロイメント用のネットワークの準備」で推奨されるように)RCUでシードされたOracle Identity Managementデータベース情報を使用してWSMメタデータを格納し、この画面ではOWSM MDSスキーマ用にOracle Identity Managementデータベース情報が使用されることが予想されます。このデータベース接続情報は、その他のOracle SOA Suiteスキーマで使用されるものとは異なります。


  11. 「JDBCコンポーネント・スキーマのテスト」画面(図13-4)で、各スキーマを選択し、「接続のテスト」をクリックします。

    結果は「接続結果ログ」に表示されます。すべての接続が正常に確立したことを確認してください。正常に接続できない場合は、「前へ」をクリックして前の画面に戻り、入力内容を修正してテストを再試行します。

    図13-4 Oracle SOA Suiteの「JDBCコンポーネント・スキーマのテスト」画面

    図13-4の説明が続きます
    「図13-4 Oracle SOA Suiteの「JDBCコンポーネント・スキーマのテスト」画面」の説明

    すべての接続に成功したら「次へ」をクリックします。

  12. 「オプションの構成を選択」画面で、次のオプションを選択します。

    • JMS分散宛先

    • 管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン

    • デプロイメントとサービス

    • JMSファイル・ストア

    「次へ」をクリックします。

  13. 「JMS分散宛先タイプの選択」画面で次の操作を行います。

    • UMSJMSystemResourceのドロップダウン・リストからUDDを選択します。

    • SOAJMSModuleのドロップダウン・リストからUDDを選択します。

    • BPMJMSModuleのドロップダウン・リストからUDDを選択します。

    オーバーライドの警告が表示された場合、「OK」をクリックして、このメッセージを確認します。

  14. 「管理対象サーバーの構成」画面で、必要な管理対象サーバーを追加します。

    soa_server1というサーバーが自動的に作成されます。このサーバーの名前をWLS_SOA1に変更し、WLS_SOA2という新しいサーバーを追加します。表13-2に示す属性をこれらのサーバーに指定します。この画面に表示されている他のサーバーは変更しないでください。

    表13-2 Oracle SOA Suiteの管理対象サーバー

    名前 リスニング・アドレス リスニング・ポート SSLリスニング・ポート SSL有効

    WLS_SOA1

    WCCHOST1VHN1

    8001

    n/a

    いいえ

    WLS_SOA2

    WCCHOST2VHN1

    8001

    n/a

    いいえ


    「次へ」をクリックします。

  15. 「クラスタの構成」画面でSOA_Clusterを追加します(表13-3を参照)。

    表13-3 Oracle SOA Suiteのクラスタ構成

    名前 クラスタ・メッセージング・モード マルチキャスト・アドレス マルチキャスト・ポート クラスタ・アドレス

    SOA_Cluster

    ユニキャスト

    n/a

    n/a

    WCCHOST1VHN1:8001、WCCHOST2VHN1:8001


    「次へ」をクリックします。


    注意:

    直接バインディングを介してリクエスト/レスポンスが非同期でやり取りされるようにするため、SOAコンポジットでは、JNDIプロバイダURLを提供して、呼び出されたサービスが、コールバックするBeanを検索できるようにする必要があります。

    soa-infraの構成プロパティは指定されていないがWebLogic Serverクラスタ・アドレスが指定されている場合は、JNDIプロバイダURLのクラスタ・アドレスが使用されます。このクラスタ・アドレスには、クラスタ化されたサーバーのIPアドレスにマップする単一のDNS名、またはserver ip:portのカンマ区切りリストを使用できます。また、ユーザーが明示的に設定していれば、soa-infraの構成プロパティJndiProviderURL/SecureJndiProviderURLを同じ目的に使用することもできます。


  16. 「サーバーのクラスタへの割当」画面で、SOA_Clusterに次のサーバーを割り当てます。

      • WLS_SOA1

      • WLS_SOA2

      この画面に表示されている他の割当ては変更しないでください。

    「次へ」をクリックします。

  17. 「マシンの構成」画面で、デフォルトで表示される「LocalMachine」を削除し、「Unixマシン」タブを開いて、「次へ」をクリックします。

    ここでマシンを追加する必要はありません。第11.2項「WebCenter Contentでのドメインの拡張」の説明に従って先ほど構成したマシンは、WCCHOST1およびWCCHOST2上に構成されているすべての管理対象サーバーに使用されます。

  18. 「サーバーのマシンへの割当」画面で、マシンに次のサーバーを割り当てます。

    • ADMINVHN

      • AdminServer

    • WCCHOST1:

      • WLS_SOA1

    • WCCHOST2:

      • WLS_SOA2

    「次へ」をクリックします。

  19. 「デプロイメントのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、次のようにターゲット設定されていることを確認します。

    • usermessagingserverおよびusermessagingdriver-emailデプロイメントは、SOA_Clusterにのみターゲット設定します(usermessaging-xmppusermessaging-smppおよびusermessaging-voicexmlの各アプリケーションはオプションです)。

    • WSM-PMは、SOA_Clusterにのみターゲット設定します。

    • oracle.rules#*oracle.sdp.*およびoracle.soa.*の各デプロイメントは、SOA_Clusterのみにターゲット設定します。

    • NonJ2EEManagementアプリケーションは、AdminServerにのみターゲット設定します。

    「次へ」をクリックします。

  20. 「サービスのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、「次へ」をクリックします。

  21. 「JMSファイル・ストアの構成」画面で、第4.3項「各種ディレクトリの推奨場所について」でお薦めしているように、JMSストアに指定した共有ディレクトリの場所を入力します。例:

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/soa_cluster_name/jms
    

    「次へ」をクリックします。

  22. 「構成のサマリー」画面で、「拡張」をクリックします。

    このドメインを拡張して、Oracle SOA Suiteコンポーネントを追加します。

  23. 「ドメインの拡張」画面で、「完了」をクリックします。

13.4 管理サーバーの再起動

ドメイン拡張の変更を有効にするには、Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)でノード・マネージャのnmKillコマンドとnmStartコマンドを使用して管理サーバーを再起動する必要があります(第11.3項「管理サーバーの再起動」を参照)。管理サーバーを停止する際には、nmKillのかわりに管理コンソールを使用できます。weblogic_ecmユーザーの資格証明を使用して管理コンソールにログインします。

13.5 コンポジットをデプロイするためのOracle Coherenceの構成

コンポジットのデプロイではマルチキャスト通信がデフォルトで使用されますが、Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメントではユニキャスト通信の使用をお薦めします。セキュリティ上の理由からマルチキャスト通信を無効にしている場合は、ユニキャストを使用します。

ユニキャスト通信を使用した場合、この方法ではノードから他のクラスタ・メンバーを検出できません。したがって、クラスタに属するノードを指定する必要があります。ただし、クラスタのすべてのノードを指定する必要はありません。クラスタに追加した新しいノードから既存ノードのいずれかを検出するために必要な数のノードを指定するだけでかまいません。この結果、クラスタに追加した新しいノードからクラスタにある他のすべてのノードを検出できます。また、同じシステムで複数のIPアドレスを使用できるOracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメントなどの構成では、特定のホスト名を使用してOracle Coherenceクラスタを作成するようにOracle Coherenceを構成する必要があります。


注意:

デプロイメントに使用するOracle Coherenceフレームワークの構成が正しくないと、Oracle SOA Suiteシステムを起動できないことがあります。Oracle SOA Suiteシステムが実行されるネットワーク環境に応じてデプロイメント・フレームワークを適切にカスタマイズする必要があります。この項で説明する構成をお薦めします。


13.5.1 ユニキャスト通信を使用したデプロイメントの通信の有効化

tangosol.coherence.wkanシステム・プロパティを使用してノードを指定します(n1から9の範囲の番号)。「Well Knownアドレス」として指定できるのは9ノードまでですが、クラスタには9ノードを超えるノードを含めることができます。番号は、1から開始します。この番号付けは、連続的で間隙を含まないようにする必要があります。


ヒント:

Oracle SOA Suiteコンポジットのデプロイメント時の高可用性を保証するためには、十分なノードを指定して、いつでも最低1つのコンポジットが実行されているようにします。


また、Oracle Coherenceでクラスタを作成するために使用するホスト名をtangosol.coherence.localhostシステム・プロパティで指定します。このローカル・ホスト名には、Oracle SOA Suiteサーバーでリスナーのアドレスとして使用する仮想ホスト名を指定する必要があります(WCCHOST1VHN1とWCCHOST2VHN1)。このプロパティを設定するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールの「サーバーの起動」タブにある「引数」フィールドに-Dtangosol.coherence.localhostパラメータを追加します(図13-5を参照)。


注意:

WCCHOST1VHN1は、WCCHOST1でWLS_SOA1がリスニングする仮想IPアドレスにマップされる仮想ホスト名です。WCCHOST2VHN1は、WCCHOST2でWLS_SOA2がリスニングする仮想IPアドレスにマップされる仮想ホスト名です。


13.5.2 Oracle Coherenceで使用するホスト名の指定

管理コンソールを使用して、Oracle Coherenceで使用するホスト名を追加します。

Oracle Coherenceで使用されるホスト名を指定する手順は次のとおりです。

  1. WebLogicサーバーの管理コンソールにログインします。

  2. 左側の「ドメイン構造」ツリーで「環境」ノードを開きます。

  3. 「サーバー」をクリックします。

  4. 「サーバーのサマリー」ページでサーバー名(WLS_SOA1またはWLS_SOA2)をクリックします。これらは、表の「名前」列にハイパーリンクで表示されています。

  5. 選択したサーバーの「設定」ページで、「ロックして編集」をクリックします。

  6. 「構成」タブで、「サーバーの起動」タブをクリックします(図13-5を参照)。

  7. WLS_SOA1とWLS_SOA2について、「引数」フィールドに次のパラメータを入力します。


    注意:

    異なる-Dパラメータの間には、空白の行を入れないでください。テキストは、コピーして管理コンソールの「引数」テキスト・フィールドに貼り付けないでください。貼り付けると、Java引数にHTMLタグが挿入される可能性があります。このテキストには、前述の例に含まれているテキスト文字以外の文字を入れないでください。


    WLS_SOA1について、改行を入れず、1行で次のように入力します。

    -Dtangosol.coherence.wka1=WCCHOST1VHN1
    -Dtangosol.coherence.wka2=WCCHOST2VHN1 
    -Dtangosol.coherence.localhost=WCCHOST1VHN1
    

    WLS_SOA2について、改行を入れず、1行で次のように入力します。

    -Dtangosol.coherence.wka1=WCCHOST1VHN1
    -Dtangosol.coherence.wka2=WCCHOST2VHN1
    -Dtangosol.coherence.localhost=WCCHOST2VHN1
    

    注意:

    デプロイメントに使用されるCoherenceクラスタは、デフォルトでポート8088を使用します。このポートは、起動パラメータ-Dtangosol.coherence.wkan.portおよび-Dtangosol.coherence.localportで別なポート(8089など)を指定することで変更できます。例:

    • WLS_SOA1(「引数」フィールドに、改行なしで1行で次のテキストを入力):

      -Dtangosol.coherence.wka1=WCCHOST1VHN1
      -Dtangosol.coherence.wka2=WCCHOST2VHN1
      -Dtangosol.coherence.localhost=WCCHOST1VHN1
      -Dtangosol.coherence.localport=8089
      -Dtangosol.coherence.wka1.port=8089
      -Dtangosol.coherence.wka2.port=8089
      
    • WLS_SOA2(「引数」フィールドに、改行なしで1行で次のテキストを入力):

      -Dtangosol.coherence.wka1=WCCHOST1VHN1
      -Dtangosol.coherence.wka2=WCCHOST2VHN1
      -Dtangosol.coherence.localhost=WCCHOST2VHN1
      -Dtangosol.coherence.localport=8089
      -Dtangosol.coherence.wka1.port=8089
      -Dtangosol.coherence.wka2.port=8089
      

    Coherenceクラスタの詳細は、『Oracle Coherence開発者ガイド』を参照してください。


  8. 「保存」「変更のアクティブ化」をクリックします。


注意:

  • これらの変数が管理対象サーバーに正しく渡されることを確認する必要があります。(これらの変数はサーバーの出力ログに記録されます)。Oracle Coherenceフレームワークに問題があると、soa-infraアプリケーションを起動できないことがあります。

  • このマルチキャスト・アドレスとユニキャスト・アドレスは、WebLogic Serverクラスタでクラスタ通信に使用するものとは異なります。Oracle SOA Suiteでは、2つのエンティティ(WebLogic Serverクラスタおよびコンポジットのデプロイ先グループ)の通信プロトコルが異なる場合でも、単一のWebLogic Serverクラスタの各メンバーにコンポジットを確実にデプロイできます。


図13-5 管理コンソールの「サーバーの起動」タブを使用したホスト名の設定

図13-5の説明が続きます
「図13-5 管理コンソールの「サーバーの起動」タブを使用したホスト名の設定」の説明

13.6 Oracle SOA Suite用の構成後タスクおよび検証タスクの実行

構成ウィザードでドメインを拡張し、Oracle Coherenceを構成したら、次の手順に従って、構成後タスクと検証を行います。次の項では、Oracle SOA Suite用の構成後タスクと検証タスクを実行する方法について説明します。

13.6.1 WLS_SOAn管理対象サーバーに対するホスト名検証の無効化

このガイドで説明するエンタープライズ・デプロイメントでは、Oracle SOA Suiteを使用するためのドメイン拡張手順を実行した後、適切な証明書を設定して管理サーバーで様々なノードを認証できるようにします。WLS_SOA1およびWLS_SOA2管理対象サーバーのホスト名検証を無効化して、様々なWebLogic Serverインスタンスを管理するときにエラーが出ないようにします。詳細は、第9.4.5項「ホスト名検証の無効化」を参照してください。

エンタープライズ・デプロイメントのトポロジ構成が完了したら、ホスト名検証を再び有効化します。詳細は、第16.3項「ノード・マネージャのホスト名検証証明書の有効化」を参照してください。

13.6.2 WLS_SOA1およびWLS_SOA2へのドメイン構成の伝播

起動スクリプトとクラスパス構成を管理サーバーのドメイン・ディレクトリから管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに伝播します。

Oracle SOA Suite管理対象サーバーにドメイン構成を伝播する手順は次のとおりです。

  1. 管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリと管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリのコピーを作成します。

  2. 次のpackコマンドをWCCHOST1で実行し、テンプレート・パックを作成します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./pack.sh -managed=true -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name -template=edgdomaintemplateSOA.jar -template_name=edgdomain_templateSOA
    
  3. 次のunpackコマンドをWCCHOST1で実行して、前の手順で作成したテンプレートをWLS_SOA1ドメイン・ディレクトリに伝幡します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name -template=edgdomaintemplateSOA.jar -app_dir=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications -overwrite_domain=true
    

    注意:

    • unpackコマンドはWL_HOME/common/bin/から実行するのではなく、ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/ディレクトリから実行してください。

    • unpackを実行する前に、ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/ディレクトリが存在している必要があります。また、ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications/ディレクトリが空である必要があります。


  4. 次のコマンドをWCCHOST1で実行し、手順2で作成したテンプレート・パックをWCCHOST2にコピーします。

    scp edgdomaintemplateSOA.jar oracle@WCCHOST2:ORACLE_BASE/product/fmw/oracle_common/common/bin
    
  5. 次のunpackコマンドをWCCHOST2で実行して、伝播されたテンプレートをWLS_SOA2管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに解凍します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name -template=edgdomaintemplateSOA.jar -app_dir=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications –overwrite_domain=true
    

    注意:

    • unpackコマンドはWL_HOME/common/bin/から実行するのではなく、ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/ディレクトリから実行してください。

    • unpackを実行する前に、ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/ディレクトリが存在している必要があります。また、ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications/ディレクトリが空である必要があります。

    • unpackコマンドで-overwrite_domainオプションを使用すると、管理対象サーバーのテンプレートを、既存のドメインおよび既存のアプリケーション・ディレクトリに解凍できます。上書きされるファイルがあれば、上書き前のファイルのバックアップ・コピーが作成されます。管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリにある起動スクリプトおよびEARファイルになんらかの変更が適用されていた場合には、この解凍処理の後に起動スクリプトおよびEARファイルをリストアする必要があります。


  6. ここまでの変更を有効にするために管理サーバーを再起動します。まずnmKillコマンドまたは管理コンソールで管理サーバーを停止し、次にnmStartコマンドで起動します(第11.3項「管理サーバーの再起動」を参照)。その後weblogic_ecmユーザーの資格証明を使用して管理コンソールにログインします。

13.6.3 WLS_SOA1管理対象サーバーの起動と検証

管理コンソールを介してWLS_SOA1管理対象サーバーを起動して、検証できます。

WCCHOST1でWLS_SOA1管理対象サーバーを起動する手順は次のとおりです。

  1. http://admin.mycompany.com:7001/consoleでOracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. 次の手順に従い、WebLogic Server管理コンソールを使用してWLS_SOA1管理対象サーバーを起動します。

    1. 左側の「ドメイン構造」ツリーの「環境」ノードを開きます。

    2. 「サーバー」をクリックします。

    3. 「サマリー」ページまたは「サーバー」ページで、「制御」タブをクリックします。

    4. 表の「サーバー」列から「WLS_SOA1」を選択します。

    5. 「起動」をクリックします。

  3. 管理コンソールでサーバーの状態がRunningとして報告されていることを確認します。

  4. 次のURLにアクセスします。

    • http://WCCHOST1VHN1:8001/soa-infraにアクセスしてWLS_SOA1のステータスを確認します。

    • http://WCCHOST1VHN1:8001/wsm-pmにアクセスして、Web Services Managerのステータスを確認します。ポリシー・マネージャの検証をクリックします。データ・ストアで使用できるポリシーとアサーション・テンプレートのリストが開きます。ポリシーやアサーション・テンプレートが表示されない場合、構成は正しくありません。

    • http://WCCHOST1VHN1:8001/integration/worklistappにアクセスしてワークリスト・アプリケーションのステータスを確認します。

13.6.4 WLS_SOA2管理対象サーバーの起動と検証

WLS_SOA2管理対象サーバーを起動すると、WebLogic Server管理コンソールおよびURLを介して管理対象サーバーのステータスを確認することにより、検証できます。


注意:

WebLogic Server管理コンソールを使用してWLS_SOA2管理対象サーバーを起動する前に、ノード・マネージャが稼働していることを確認します。第19.8.1項「前提条件および手順」の手順3で、「WCCHOST2でノード・マネージャを起動」と説明しています。

ノード・マネージャが実行されていない場合は、第9.4.2項「WCCHOST1でのノード・マネージャの起動」の説明に従ってWCCHOST2で再起動します。


WLS_SOA2管理対象サーバーの起動と検証の手順は次のとおりです。

  1. 次の手順に従い、WebLogic Server管理コンソールを使用してWLS_SOA2管理対象サーバーを起動します。

    1. 左側の「ドメイン構造」ツリーの「環境」ノードを開きます。

    2. 「サーバー」をクリックします。

    3. 「サーバーのサマリー」ページで、「制御」タブを開きます。

    4. 「WLS_SOA2」を選択して、「起動」をクリックします。

  2. 管理コンソールでサーバーの状態がRunningとして報告されていることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」や「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因は、第19.13項「Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメントのトポロジのトラブルシューティング」を参照してください。

  3. 次のURLにアクセスします。

    • http://WCCHOST2VHN1:8001/soa-infraにアクセスしてWLS_SOA2のステータスを確認します。

    • http://WCCHOST2VHN1:8001/wsm-pmにアクセスして、Web Services Managerのステータスを確認します。ポリシー・マネージャの検証をクリックします。データ・ストアで使用できるポリシーとアサーション・テンプレートのリストが開きます。


      注意:

      ポリシーやアサーション・テンプレートがまったく表示されない場合は、構成が正しくありません。


    • http://WCCHOST2VHN1:8001/integration/worklistappにアクセスしてワークリスト・アプリケーションのステータスを確認します。

13.6.5 Oracle SOA SuiteのGridLinkデータ・ソースの検証

サーバーを起動したら、GridLinkデータ・ソースが正しく構成され、ONS設定が正しいことを確認します。作成されたすべてのGridLinkデータ・ソースに対して、この手順を実行します。

Oracle SOA SuiteのGridLinkデータ・ソースの構成を確認する手順は次のとおりです。

  1. WebLogicサーバーの管理コンソールにログインします。

  2. 「ドメイン構造」ツリーで「サービス」を開き、「データ・ソース」をクリックします。

  3. 作成したGridLinkデータ・ソースの名前をクリックします。

  4. 「監視」タブをクリックします。

  5. 「テスト」タブ(図13-6)をクリックし、いずれかのサーバーを選択し、「データ・ソースのテスト」をクリックします。

    図13-6 Oracle SOA SuiteのGridLinkデータ・ソースのテスト

    図13-6の説明が続きます
    「図13-6 Oracle SOA SuiteのGridLinkデータ・ソースのテスト」の説明

    構成が適切であればテストは成功します。

  6. GridLinkデータ・ソースを使用するすべてのWebLogic Serverインスタンスでテストを繰り返します。

Oracle SOA SuiteのGridLinkデータ・ソースのONSの構成を確認する手順は次のとおりです。

  1. WebLogicサーバーの管理コンソールにログインします。

  2. 「ドメイン構造」ツリーで「サービス」を開き、「データ・ソース」をクリックします。

  3. 作成したGridLinkデータ・ソースの名前をクリックします。

  4. 「監視」タブをクリックします。

  5. 「ONS」タブをクリックし、「テスト」タブ(図13-7)をクリックします。

  6. サーバーを選択し、「ONSのテスト」をクリックします。

    図13-7 Oracle SOA SuiteのONS構成のテスト

    図13-7の説明が続きます
    「図13-7 Oracle SOA SuiteのONS構成のテスト」の説明

    構成が適切であればテストは成功します。ONSテストが失敗する場合は、Oracle RACデータベース・ノード内でONSサービスが稼動していることを確認します。

    [orcl@CUSTDBHOST1 ~]$ srvctl status scan_listener
    SCAN Listener LISTENER_SCAN1 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN1 is running on node CUSTDBHOST1
    SCAN Listener LISTENER_SCAN2 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN2 is running on node CUSTDBHOST2
    SCAN Listener LISTENER_SCAN3 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN3 is running on node CUSTDBHOST2 
     
     
    [orcl@CUSTDBHOST1 ~]$ srvctl config nodeapps -s 
    ONS exists: Local port 6100, remote port 6200, EM port 2016 
     
     
    [orcl@CUSTDBHOST1 ~]$ srvctl status nodeapps | grep ONS
    ONS is enabled
    ONS daemon is running on node: CUSTDBHOST1
    ONS daemon is running on node: CUSTDBHOST2
    
  7. GridLinkデータ・ソースを使用するすべてのWebLogic ServerインスタンスでONSテストを繰り返します。

13.7 Oracle Web Services Manager用のJavaオブジェクト・キャッシュの構成

Oracle Web Services Manager (Oracle WSM)を実行しているすべてのサーバー間に、Javaオブジェクト・キャッシュ(JOC)を構成する必要があります。このローカル・キャッシュは、Oracle WSMのパフォーマンスを向上させるために用意されています。Javaオブジェクト・キャッシュは、MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.pyスクリプトを使用して構成できます。これはPythonスクリプトであり、管理対象サーバーでJOCを構成するために使用できます。このスクリプトは、WLSTオンライン・モードで実行され、管理サーバーが稼働中であることが求められます。

Oracle製品のJOCポートを構成する場合は、9988から9998の範囲のポートを使用することをお薦めします。


注意:

WLSTコマンドまたはconfigure-joc.pyスクリプトを使用してJavaオブジェクト・キャッシュを構成したら、構成を有効にするために、WebLogic Server管理コンソールを使用して、影響を受ける管理対象サーバーをすべて再起動する必要があります。


Oracle WSMのJavaオブジェクト・キャッシュを構成する手順は次のとおりです。

  1. コマンドラインのOracle WebLogic Scripting Tool (WLST)を次のように使用して、管理サーバーに接続します。

    MW_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh
    $ connect()
    

    プロンプトが表示されたら、WebLogic Server管理者のユーザー名、パスワード、サーバーURL (t3://ADMINVHN:7001)を入力します。

  2. WLSTを使用して管理サーバーに接続後、execfileコマンドを使用してスクリプトを開始します。例:

    wls:/domain_name/serverConfig>execfile("MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py")
    

特に、エンタープライズ・デプロイメント環境では、手順2で1つ目のクラスタ・オプションを使用する必要があります。エンタープライズ・デプロイメント環境でconfigure-joc.pyを使用するための処理手順を示します(次のスクリプト入力パラメータのテキストを参照)。

Execfile("MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py").
Enter Hostnames (eg host1,host2) : WCCHOST1VHN1,WCCHOST2VHN1
.
Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>y
.
Enter Cluster Name : SOA_Cluster
.
Enter Discover Port : 9991
.
Enter Distribute Mode (true|false) <true> : true
.
Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n> n

WLSTコマンドまたはconfigure-joc.pyスクリプトを使用してJavaオブジェクト・キャッシュを構成したら、構成を有効にするために、WebLogic Server管理コンソールを使用して、影響を受ける管理対象サーバーをすべて再起動します。

また、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』の説明に従って、WebLogic Server管理コンソールで「HAパワー・ツール」タブを使用してJavaオブジェクト・キャッシュ(JOC)を構成することもできます。

スクリプト入力パラメータ

入力パラメータは、スクリプトによって求められます。このスクリプトを使用すると、次のようなJOC構成を実行できます。

13.8 拡張したドメインでのOracle HTTP Serverの構成

ドメイン構成をWCCHOST2に伝播した後、拡張したドメインでOracle HTTP Serverを構成します。

この項には次のトピックが含まれます:

13.8.1 WLS_SOA管理対象サーバー用のOracle HTTP Serverの構成

WLS_SOAn管理対象サーバーが属するSOA_ClusterにOracle HTTP Serverからルーティングできるようにするには、WebLogicClusterパラメータをこのクラスタにあるノードのリストに設定する必要があります。

WLS_SOA管理対象サーバー用にOracle HTTP Serverを構成する手順は次のとおりです。

  1. WEBHOST1およびWEBHOST2上の各Webサーバーで、ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1/moduleconf/wccinternal_vh.confファイルおよびORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs2/moduleconf/wccinternal_vh.confファイルに次の行を追加します。

    # WSM-PM
    <Location /wsm-pm>
        WebLogicCluster WCCHOST1VHN1:8001,WCCHOST2VHN1:8001
        SetHandler weblogic-handler
        WLProxySSL OFF
        WLProxySSLPassThrough OFF
    </Location>
    
    # SOA soa-infra app
    <Location /soa-infra>
        WebLogicCluster WCCHOST1VHN1:8001,WCCHOST2VHN1:8001
        SetHandler weblogic-handler
        WLProxySSL OFF
        WLProxySSLPassThrough OFF
    </Location>
    
    # SOA inspection.wsil
    <Location /inspection.wsil>
        WebLogicCluster WCCHOST1VHN1:8001,WCCHOST2VHN1:8001
        SetHandler weblogic-handler
        WLProxySSL OFF
        WLProxySSLPassThrough OFF
    </Location>
    
    # Worklist
    <Location /integration/>
        WebLogicCluster WCCHOST1VHN1:8001,WCCHOST2VHN1:8001
        SetHandler weblogic-handler
        WLProxySSL OFF
        WLProxySSLPassThrough OFF
    </Location>
    
    # UMS prefs
    <Location /sdpmessaging/userprefs-ui>
        WebLogicCluster WCCHOST1VHN1:8001,WCCHOST2VHN1:8001
        SetHandler weblogic-handler
        WLProxySSL OFF
        WLProxySSLPassThrough OFF
    </Location>
    
    # Default to-do taskflow
    <Location /DefaultToDoTaskFlow/>
        WebLogicCluster WCCHOST1VHN1:8001,WCCHOST2VHN1:8001
        SetHandler weblogic-handler
        WLProxySSL OFF
        WLProxySSLPassThrough OFF
    </Location>
    
    # Workflow
    <Location /workflow>
        WebLogicCluster WCCHOST1VHN1:8001,WCCHOST2VHN1:8001
        SetHandler weblogic-handler
        WLProxySSL OFF
        WLProxySSLPassThrough OFF
    </Location>
    
    #SOA Composer
    <Location /soa/composer>
        WebLogicCluster WCCHOST1VHN1:8001,WCCHOST2VHN1:8001
        SetHandler weblogic-handler
        WLProxySSL OFF
        WLProxySSLPassThrough OFF
    </Location>
    
  2. WEBHOST1とWEBHOST2の両方でOracle HTTP Serverを起動します。

    ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohsX
    

    ias-componentに対して、WEBHOST1ではohs1を使用し、WEBHOST2ではohs2を使用します。

WebLogicClusterパラメータで指定したサーバーは、起動時のプラグインに対してのみ重要な役割を持ちます。このノードのリストには、実行しているクラスタ・メンバーを1つ以上記述しておく必要があります。記述しておかないと、このプラグインで他のクラスタ・メンバーを検出できません。Oracle HTTP Serverの起動時には、リストに記述したクラスタ・メンバーを実行している必要があります。Oracle WebLogic Serverとこのプラグインの連携により、クラスタに発生した新規のクラスタ・メンバー、失敗したクラスタ・メンバーおよびリカバリしたクラスタ・メンバーを反映してサーバーのリストが自動的に更新されます。

次に例を示します。

  • 例1: 2つのノードで構成したクラスタに3番目のメンバーを追加する場合、そのメンバーを追加するために構成を更新する必要はありません。3番目のメンバーは、実行時にその場で検出されます。

  • 例2: クラスタは3つのノードで構成されていても、構成に記述されているノードはそのうちの2つのみであるとします。Oracle HTTP Serverを起動するときにこの2つのノードが両方とも停止していると、プラグインはクラスタを検出できません。Oracle HTTP Serverを起動するときは、リストに記述したノードを1つ以上実行している必要があります。

    クラスタのメンバーをすべてリストに記述した場合は、Oracle HTTP Serverの起動時にそのうちの1つ以上を実行しておくことで、クラスタに確実に到達できます。

WebLogic Serverプラグインの構成の詳細は、『Oracle WebLogic ServerでWeb Serverプラグインを使用するOracle Fusion Middlewareのガイド』を参照してください。

13.8.2 フロントエンドHTTPホストおよびポートの設定

Oracle SOA SuiteサーバーをホスティングするOracle WebLogic Serverクラスタについて、フロントエンドHTTPのホストとポートを設定する必要があります。

Oracle SOA SuiteクラスタのフロントエンドHTTPホストとポートを設定する手順は次のとおりです。

  1. WebLogicサーバーの管理コンソールにログインします。

  2. 「チェンジ・センター」セクションに移動して、「ロックして編集」をクリックします。

  3. 左側の「ドメイン構造」ツリーの「環境」ノードを開きます。

  4. 「クラスタ」をクリックします。

  5. 「サーバーのサマリー」ページで、「SOA_Cluster」を選択します。

  6. 「HTTP」タブを開きます。

  7. 次の値を設定します。

    • フロントエンド・ホスト: wccinternal.mycompany.com

    • フロントエンドHTTPポート: 80

  8. 「保存」をクリックします。

  9. 管理コンソールの「チェンジ・センター」セクションで「変更のアクティブ化」をクリックします。

  10. WebLogic Server管理コンソールを使用してWLS_SOA1およびWLS_SOA2の管理対象サーバーを再起動し、クラスタ内のフロントエンド・ホスト・ディレクティブを有効にします。

13.8.3 ロード・バランサを介したアクセスの検証

管理コンソールでサーバーの状態がRunningとして報告されていることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」や「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因は、第19.13項「Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・トポロジのトラブルシューティング」を参照してください。

次のURLを使用し、SOA_clusterにアクセスできることを検証します。

  • http://wccinternal.mycompany.com/soa-infra

  • http://wccinternal.mycompany.com/integration/worklistapp

  • http://wccinternal.mycompany.com/sdpmessaging/userprefs-ui

  • http://wccinternal.mycompany.com/soa/composer

  • http://wccinternal.mycompany.com/wsm-pm

ロード・バランサを使用してシステム・アクセスを構成する方法の詳細については、第3.3項「ロード・バランサ」を参照してください。

13.9 トランザクション・リカバリのためのデフォルトの永続ストアの構成

各サーバーには、サーバーがコーディネートした、完了していない可能性のあるコミット済トランザクションに関する情報を格納するトランザクション・ログが用意されています。Oracle WebLogic Serverは、システム・クラッシュやネットワーク障害のリカバリでこのトランザクション・ログを使用します。クラスタ内の管理対象サーバーに対してトランザクション・リカバリ・サービスの移行機能を活用するには、サーバーとそのバックアップ・サーバーからアクセス可能な場所にトランザクション・ログを格納します。


注意:

デュアルポートのSCSIディスクまたはストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)をこの場所とすることをお薦めします。


Oracle SOA Suite管理対象サーバーのデフォルトの永続ストアの場所を設定する手順は次のとおりです。

  1. WebLogicサーバーの管理コンソールにログインします。

  2. このページの「チェンジ・センター」セクションで、「ロックして編集」をクリックします。

  3. 左側の「ドメイン構造」ツリーで、「環境」ノードを開いて「サーバー」ノードをクリックします。

  4. 「サーバーのサマリー」ページで、表の「名前」列にある(ハイパーリンクで表示されている)サーバー名WLS_SOA1をクリックします。選択したサーバーの設定ページが開き、「構成」タブがデフォルトで表示されます。

  5. 「構成」タブで「サービス」タブをクリックします(トップレベルの「サービス」タブではありません)。

  6. 表示されたページの「デフォルト・ストア」セクションで、デフォルトの永続ストアのデータ・ファイルを格納するフォルダのパスを入力します。このパスのディレクトリ構造は次のとおりです。

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/soa_cluster_name/tlogs/
    
  7. WLS_SOA2サーバーについて手順4、5、6を繰り返します。

  8. 「保存」「変更のアクティブ化」をクリックします。

  9. WebLogic Server管理コンソールを使用して、WLS_SOA1およびWLS_SOA2の管理対象サーバーを再起動します。

  10. WLS_SOA1とWLS_SOA2を再起動した後、次のディレクトリに次のDATファイルが作成されていることを確認します。

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/soa_cluster_name/tlogs/
    
    • _WLS_WLS_SOA1000000.DAT

    • _WLS_WLS_SOA2000000.DAT


注意:

トランザクション・リカバリ・サービスの移行機能を有効にするには、クラスタにある他のサーバーで使用可能な永続記憶域ソリューションの場所を指定します。WLS_SOA1とWLS_SOA2の両方からこのディレクトリにアクセスできる必要があります。また、サーバーを再起動する前に、このディレクトリは存在する必要があります。


13.10 WLS_SOA管理対象サーバー用のノード・マネージャの構成

ドメインのサーバーとノード・マネージャとの間における通信ではホスト名検証を使用することをお薦めします。管理サーバーや他のサーバーとの通信では異なるアドレスの証明書を使用することが必要です。

まだ対応していない場合は、第11.6項「管理対象サーバーのノード・マネージャの構成」の説明に従って、WLS_SOA管理対象サーバーがリスニング・アドレスとして使用するホスト名を構成します。

この時点で、Oracle SOA Suite管理対象サーバーをドメインに追加した後、Oracle SOA Suiteに対して第16.3.5項「カスタム・キーストアを使用するための管理対象サーバーの構成」の手順を実行します。

13.11 WLS_SOA管理対象サーバー用のサーバー移行の構成

サーバー移行は、WCCHOST1ノードとWCCHOST2ノードのどちらかで障害が発生した場合に、Oracle SOA Suiteコンポーネントを正しくフェイルオーバーするために必要です。詳細は、第17章「エンタープライズ・デプロイメント用のサーバー移行の構成」を参照してください。Oracle SOA Suiteに関しては、その章で次の変数の値を使用します。

13.12 インストールのバックアップ

拡張したドメインが正常に動作していることを確認した後、そのインストール内容をバックアップします。これは、以降の手順で問題が発生した場合に短時間でリストアできることを考慮した迅速なバックアップです。バックアップ先はローカル・ディスクです。エンタープライズ・デプロイメントの設定が完了すれば、このバックアップは破棄してかまいません。その時点では、デプロイメント固有の定期的なバックアップ手順とリカバリ手順を実行できるようになっています。詳細は、Oracle Fusion Middleware管理者ガイドを参照してください。バックアップおよびリストアを必要とするOracle HTTP Serverのデータの詳細は、そのガイドでOracle HTTP Serverのバックアップとリカバリの推奨事項に関する項を参照してください。コンポーネントのリカバリ方法に関する詳細は、そのガイドでコンポーネントのリカバリに関する項およびコンポーネントが失われた後のリカバリに関する項を参照してください。ホストが失われた場合のリカバリに固有の推奨事項は、そのガイドで別のホストへのOracle HTTP Serverのリカバリに関する項を参照してください。データベースのバックアップの詳細は、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ガイドを参照してください。

この時点でインストールをバックアップする手順は次のとおりです。

  1. WEBHOST1でOracle Web層をバックアップします。

    1. opmnctlを使用してインスタンスを停止します。

      ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin/opmnctl stopall
      
    2. 次のコマンドをrootとして実行して、Oracle Web層のMiddlewareホームをバックアップします。

      tar -cvpf BACKUP_LOCATION/web.tar MW_HOME
      
    3. 次のコマンドを使用して、Oracle Web層のOracleインスタンスをバックアップします。

      tar -cvpf BACKUP_LOCATION/web_instance_name.tar ORACLE_INSTANCE
      
    4. opmnctlを使用してインスタンスを起動します。

      cd ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin
      
      opmnctl startall
      
  2. データベースをバックアップします。これは、Oracle Recovery Managerを使用したデータベース全体のホット・バックアップまたはコールド・バックアップ(推奨)、または可能な場合はtarなどのオペレーティング・システム・ツールを使用したコールド・バックアップです。

  3. ドメイン構成を保存するために、管理サーバーと管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリをバックアップします。構成ファイルはすべて、ORACLE_BASE/admin/domain_nameディレクトリにあります。WCCHOST1で次のコマンドを実行して、バックアップを作成します。

    tar -cvpf edgdomainback.tar ORACLE_BASE/admin/domain_name