この章では、ポータルで使用可能なデフォルトのシステム・ページとそのカスタマイズ方法について説明します。
注意: システム管理者がシステム・ページにアプリケーション・レベルで行った変更は、すべてのポータルの対応するシステム・ページに反映されます。たとえば、アプリケーション・レベルの「お知らせ」システム・ページにイメージを追加した場合は、すべてのポータルのポータル・レベルの「お知らせ」システム・ページにそのイメージが表示されます。また、デバイス・グループが使用するシステム・ページのページ・バリアントは、システム管理者がアプリケーション・レベルでのみ作成することが可能で、すべてのポータルに公開されます。ポータル・レベルのシステム・ページまたはページ・バリアントに行った変更は、関連付けられたポータルにのみ反映されます。ポータルでシステム・ページを表示するとき、WebCenter Portalでは、アプリケーション・レベルで行ったすべてのカスタマイズを適用してから、ポータル・レベルで行ったカスタマイズを適用します。 |
この章の内容は、次のとおりです。
権限: この章のタスクを実行するには、ポータルの 権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。 |
システム・ページはデフォルトで用意されており、特定の目的を満たすように設計されています。たとえば、ポータルへのアクセス時にログインしていないユーザーには、パブリックの「ようこそ」ページが表示されます。
システム・ページには、会社のブランドを反映し、役立つヒントを提供し、または必要な他の拡張機能を表示するようにカスタマイズできる様々なユーティリティ・ページが含まれています。これにより、ポータルの迅速な開発をサポートし、紹介ページの提供から、動的に生成され、個々のユーザーに合せたコンテンツを提供するページ(「アクティビティ・ストリーム」ページ)に至るまで、様々なニーズを満たしています。
システム・ページは、予想される対象読者をターゲットにしたページ・アクセスの設定を使用して事前構成されます。たとえば、「ようこそ」ページはanonymous-role
をターゲットにするよう構成されており、「アクティビティ・ストリーム」ページは各ユーザーに合せた動的コンテンツを使用して個々のユーザーをターゲットにしています。この事前構成があるため、システム・ページのセキュリティ設定を変更することはできません。
ただし、システム・ページをカスタマイズすることは可能です。カスタマイズにより、システム・ページのシード済コンテンツを拡張することで、会社のブランドを適用し、ヒントのテキストを追加し、その他の機能(タスク・フロー、ポートレットなど)を提供することなどが可能になります。
システム・ページにより、タスク・フローのカスタマイズも可能です。システム・ページの「タスク・フロー・エディタ」は、指定された範囲内のシード済タスク・フローのすべてのインスタンスを、1回の操作でカスタマイズする環境を提供します。(「アセット」ページまたは「共有アセット」ページを使用して作成したカスタム・タスク・フローは、このページでは編集できません。)権限を持つユーザーは、シード済タスク・フローをこのページに追加し、そのタスク・フローのすべてのインスタンスをカスタマイズできます。詳細は、第10章「ポータルのタスク・フローのカスタマイズ」を参照してください。
表8-1は、ポータルにおいてデフォルトで使用可能なシステム・ページをリストして説明するほか、システム・ページを表示するコンテキストについて説明しています。
表8-1 ポータルのシード済システム・ページ
ページ | 説明 | コンテキスト |
---|---|---|
アクティビティ・ストリーム |
ポータルに、「ピープル・コネクション」サービスからの「パブリッシャ」タスク・フローと「アクティビティ・ストリーム」タスク・フローを表示します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「ポータル・アクティビティの追跡」の章を参照してください。 |
デフォルトで、権限を持つすべての(ログイン)ユーザーのホーム・ポータルに表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
お知らせ |
「お知らせマネージャ」タスク・フローを表示します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「お知らせの使用」の章を参照してください。 |
多数のデフォルトのポータル・テンプレートにデフォルトで表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
ディスカッション |
「ディスカッション・フォーラム・マネージャ」タスク・フローを表示します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「ディスカッションの表示と参加」の章を参照してください。 |
多数のデフォルトのポータル・テンプレートにデフォルトで表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
ドキュメント |
「ドキュメント・エクスプローラ」タスク・フローを表示します。 2つの「ドキュメント」システム・ページがあります。1つはホーム・ポータル用で現在のユーザーの個人用ドキュメントを表示し、もう1つはポータル用でそのポータルにアップロードされたドキュメントを表示します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「ドキュメントの作成および管理」の章を参照してください。 |
多数のデフォルトのポータル・テンプレートにデフォルトで表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
イベント |
「イベント」タスク・フローを表示します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「カレンダとイベントの使用」の章を参照してください。 |
多数のデフォルトのポータル・テンプレートにデフォルトで表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
リスト |
「リスト・マネージャ」タスク・フローを表示します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「リストの使用」の章を参照してください。 |
多数のデフォルトのポータル・テンプレートにデフォルトで表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
メンバー |
ポータルのメンバーを管理する機能が用意されています。詳細は、第30章「ポータル内のメンバーの管理およびロールの割当て」を参照してください。 |
デフォルトのナビゲーションに、一部のシード済ポータル・テンプレートの「メンバー」ページとして表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
いずれのページにもアクセスできません |
いずれのページにもアクセスできないことをユーザーに通知するメッセージを表示します。 |
ユーザーが移動したポータルで、ポータルのページにアクセス権限を持たない場合に表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
ページ・ビューア |
外部Webサイト(google.comなど)が、ページ・テンプレートで囲まれてポータルに表示されます。詳細は、第22.2.3項「ナビゲーション・モデルへのリソースの追加」を参照してください。 |
外部URLアイテム(ターゲットの同じページを持つ)が含まれるナビゲーション・モデルを作成する際に使用されます。ユーザーがナビゲーションでそのようなリンクをクリックすると、「ページ・ビューア」が使用されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
プロファイル |
現在のユーザーの「プロファイル・ギャラリ」に表示されます。これには、「アクティビティ・ストリーム」、「コネクション」、「ドキュメント」、組織チャート(「組織」)、およびユーザーのプロフィール詳細(「バージョン情報」)向けサブページが含まれます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「プロファイルの管理」の章および「ドキュメントの作成および管理」の章を参照してください。 |
デフォルトで、権限を持つすべての(ログイン)ユーザーのホーム・ポータルに表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
リソース・ビューア |
ポータルのリソースが、ページ・テンプレートで囲まれて表示されます。詳細は、第22.2.3項「ナビゲーション・モデルへのリソースの追加」を参照してください。 |
リソース・アイテム(ターゲットの同じページを持つ)が含まれるナビゲーション・モデルを作成する際に使用されます。ユーザーがナビゲーションでそのようなリンクをクリックすると、「リソース・ビューア」が使用されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
検索 |
「検索結果」を表示します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のWebCenter Portalでの検索に関する項を参照してください。 |
動的にレンダリングして、検索結果を表示します。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
セルフサービス・メンバーシップ |
サブスクリプションによるメンバーシップを許可するように構成されたポータルにサブスクリプションの手段を提供します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のポータルへの参加に関する項を参照してください。 |
ユーザーがポータルへのサブスクリプションを開始すると表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
タグ・センター |
「タグ・センター」タスク・フローを表示します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「タグおよびブックマークの使用」の章を参照してください。 |
複数のメソッドの1つによりユーザーがタグ・センターに移動すると表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
タスク・フロー・エディタ |
指定された範囲内のシード済タスク・フローのすべてのインスタンスを、1回の操作でカスタマイズする環境を提供します。(「アセット」ページまたは「共有アセット」ページを使用して作成したカスタム・タスク・フローは、このページでは編集できません。)詳細は、第10章「ポータルのタスク・フローのカスタマイズ」を参照してください。 |
権限を持つユーザーにより、シード済タスク・フローを追加し、そのタスク・フローのすべてのインスタンスをカスタマイズできます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
タスク・フロー・ビューア |
ポータルのタスク・フローが、ページ・テンプレートで囲まれて表示されます。詳細は、第22.2.3項「ナビゲーション・モデルへのリソースの追加」を参照してください。 |
タスク・フロー・アイテム(ターゲットの同じページを持つ)が含まれるナビゲーション・モデルを作成する際に使用されます。ユーザーがナビゲーションでそのようなリンクをクリックすると、「タスク・フロー・ビューア」が使用されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
未許可 |
ユーザーがポータルまたはページにアクセスする権限を持っていないことを通知するメッセージを表示します。 |
ユーザーがアクセス権限を持たないポータルまたはページに移動すると表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
使用不可 |
ポータルが使用不可であることをユーザーに通知するメッセージを表示します。 |
ユーザーがオフラインのポータルに移動すると表示されます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
ユーザー・プロファイル |
現在のユーザー以外のユーザーのプロファイル・ギャラリを表示します。デフォルトでは、現在のユーザーのプロファイル・ギャラリと同じサブページおよびタスク・フローが表示されます。他のユーザーに関連付けられている情報が表示される点が異なります。 |
現在のユーザーが別のユーザーのプロファイルにアクセスすると、動的にレンダリングされます。 アプリケーション・レベルとポータル・レベルの両方のシステム・ページが使用できます。 |
デフォルトのシステム・ページをカスタマイズして、ポータルのルック・アンド・フィールに調和させることができます。既存のコンポーネントを削除し、新しいコンポーネントを追加し、ページ・レイアウトを変更できます。ただし、システム・ページの入力フィールドやボタンを編集または削除することはできません。
デバイス・グループで使用するシステム・ページのページ・バリアントがシステム管理者によってアプリケーション・レベルで作成されている場合は、現在のポータルに固有のページ・バリアントをカスタマイズすることもできます。
ポータル・レベルのシステム・ページまたはページ・バリアントをカスタマイズするには:
ポータル管理(第7.1項「ポータル管理へのアクセス」を参照)で、左側のナビゲーション・ペインの「システム・ページ」(図8-1)をクリックします。
ブラウザで次のURLを入力して、「システム・ページ」ページに直接移動することもできます。
http://
host:port
/webcenter/portal/
portalName
/admin
/systempages
システム・ページの横にある「カスタマイズ」リンクをクリックして、コンポーザで開きます(図8-1)。
デバイス・グループ(システム管理者がアプリケーション・レベルで作成)のシステム・ページのバリアントをカスタマイズするには、システム・ページのバリアントのアイコンを開いて、カスタマイズするデバイス・グループの「カスタマイズ」(図8-2)をクリックします。
ページをカスタマイズして保存します。
すべてのページ・カスタマイズを削除して、システム・ページまたはページ・バリアントをデフォルトの状態に戻すことができます。
注意: このプロセスでは、タスク・フローのカスタマイズは削除されません。タスク・フローのカスタマイズを削除するには、システム・ページの目的のタスク・フローを変更する必要があります。詳細は、第10章「ポータルのタスク・フローのカスタマイズ」を参照してください。 |
システム・ページまたはページ・バリアントからすべてのカスタマイズを削除するには:
ポータル管理(第7.1項「ポータル管理へのアクセス」を参照)で、左側のナビゲーション・ペインの「システム・ページ」(図8-3)をクリックします。
ブラウザで次のURLを入力して、「システム・ページ」ページに直接移動することもできます。
http://
host:port
/webcenter/portal/
portalName
/admin
/systempages
システム・ページまたはページ・バリアントの横にある「デフォルトに戻す」リンクをクリックします。
表示される確認ダイアログで、「復元」をクリックします。
すべてのカスタマイズが、選択したシステム・ページまたはページ・バリアントから永続的に削除されます。