シミュレーション結果の分析に関するガイドライン

シミュレーション結果を分析するための主要なツールは、Crystal Ballのグラフ、特に予測グラフです。シミュレーション中、Crystal Ballでは、予測セルごとに予測グラフが作成されます。予測グラフでは、多くの情報が狭い領域に圧縮されます。この情報をグラフィカルかつ数値的に表示できます。また、他の種類のグラフを表示することや(7章その他グラフの分析)、Microsoft Excelや他の分析ツールを使用してレポートを生成したりデータを抽出して追加処理することも可能です(8章レポートの作成およびデータの抽出)。

次の手順は、詳細や一般的な傾向にフォーカスを置くことによって分析を行う上で役立ちます:

  1. 全体像を確認します。

    高度な観点から各予測グラフを検討します。分布の形状を確認します:

    • 正規に分布していますか、または負や正に歪んでいますか?

    • 平坦ですか(平均値の両側に広がっていますか)、または先が尖っていますか(ほとんどの値が平均値の近くに集まっていますか)?

    • 最頻値(モード)(最も起こりやすい値)は1つですか、またはピークまたは隆起が複数ある二峰性ですか?

    • 値は連続していますか、または残りの値から隔離された値のグループ(場合によっては表示範囲から外れた極値)がありますか?

      この種の分析の場合、Oracle Crystal Ballリファレンスおよびサンプル・ガイドの統計概念が役立ちます。

  2. 信頼度レベル(特定の範囲内の値を達成する確率)を確認します。

    たとえば、利益を分析する場合、 $0より大きいすべての値などの範囲を入力し、この範囲(この場合は$0から正の無限大まで)に収まる信頼度を確認します。また、信頼度(75%など)を入力し、このレベルに達するために必要な値の範囲を確認することもできます(信頼度レベルの確認)。

  3. 表示範囲にフォーカスを置きます。

    表示範囲を変更し、予測グラフの別のセクションにフォーカスを置くことができます。たとえば、予測の上端または下端のみにフォーカスを置くよう表示範囲を設定できます(表示範囲のフォーカス)。

  4. 予測の別のビューを確認します。

    「表示」メニューを使用して、予測分布をグラフィカル(度数、累積度数または逆累積度数)に表示する方法または数値的(統計量、パーセンタイル、適合度データまたは工程能力指標)に表示する方法間で切り替えます。また、グラフおよび統計量を同時に表示するか個別に表示するかを選択することもできます(分布ビューの変更および統計量の解釈)。

  5. 予測グラフをカスタマイズします。

    グラフ・プリファレンスを使用して、グラフィック・プレゼンテーションを棒から面または折れ線に変更をしたり、様々な色、2次元対3次元、プロットする区間またはデータ・ポイントの増減、プレゼンテーションおよび分析用の他の表示バリエーションを試してみます(グラフ・プリファレンスの設定)。

  6. 他の種類のグラフを作成します(表2.1「Crystal Ballのグラフ」)。

    データの別のビューを選択すると、データを分析して他者に提示する上で役立ちます。

  7. グラフおよびデータを使用してレポートを作成します(レポートの作成)。

  8. 数値の分析、プレゼンテーション、または他の分析ツールへのエクスポートを目的としてシミュレーション結果をMicrosoft Excelに抽出します(データの抽出)。

  9. 様々な分析タイプに対してCrystal Ballのツールを使用します(Crystal Ballツール)。