Oracle® Solaris 11.2 でのネットワーク管理のトラブルシューティング

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更新: 2014 年 7 月
 
 

6to4 リレールーターへのトンネルを作成するときのセキュリティー問題

    本来、6to4 ルーターと 6to4 リレールーター間のトンネルは安全ではありません。次のタイプのセキュリティーの問題は、このようなトンネルに固有のものです。

  • 6to4 リレールーターはパケットのカプセル化とカプセル化の解除を行いますが、パケット内に含まれるデータのチェックは行いません。

  • アドレスのスプーフィングは、6to4 リレールーターとの間で構築されるトンネルにおける際立った問題です。着信トラックについては、6to4 ルーターはリレールーターの IPv4 アドレスを送信元の IPv6 アドレスと対応させることができないという問題があります。このため、IPv6 ホストのアドレスは簡単にスプーフィングされかねません。6to4 リレールーターのアドレスもスプーフィングの可能性があります。

  • デフォルトでは、6to4 ルーターと 6to4 リレールーターの間に信頼できるメカニズムは存在しません。そのため、6to4 ルーターは 6to4 リレールーターが信頼できるものであるかどうかや、場合によっては、それが正規の 6to4 リレールーターであるかどうかさえ識別できません。6to4 サイトと IPv6 宛先の間に信頼できる関係が存在する必要があります。そうでない場合は、両方のサイトが、可能性のある攻撃に無防備なままになります。

これらの問題や 6to4 リレールーターに固有のその他のセキュリティーの問題は、RFC 3964, Security Considerations for 6to4 で説明されています。6to4 の使用に関する更新された情報については、RFC 6343, Advisory Guidelines for 6to4 Deployment も参照してください。

    一般には、6to4 リレールーターのサポートは次のような場合だけ検討してください。

  • 信頼できるプライベートな IPv6 ネットワークとの間で 6to4 サイトが通信を行う場合。たとえば、独立した 6to4 サイトとネイティブ IPv6 サイトから構成されるキャンパスネットワーク上などでこのサポートを有効にすると便利かもしれません。

  • ビジネス上の理由で、6to4 サイトと特定のネイティブ IPv6 ホストとの通信を避けることができない場合。

  • 6to4 に関するセキュリティー上の考慮事項 および6to4 配備に関するアドバイザリガイドライン で推奨されているチェックおよび信頼モデルを実装している場合。