Oracle® VM Server for SPARC 3.2 リリースノート

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更新: 2015 年 5 月
 
 

移行の問題

ライブ移行によってメモリーが壊れたりカーネルパニックのクラッシュダンプが失われることがある

バグ ID 20612716: Oracle Solaris 11.2 SRU 8 を実行するゲストドメインの、ハイパーバイザ 1.14.x を基にしたファームウェアのマシンからハイパーバイザ 1.13.2 のマシンへのライブ移行によって、ゲストのリブート後にメモリーが壊れたりカーネルパニックのクラッシュダンプが失われることがあります。

    この問題は次のライブ移行に影響を与えます。

  • SPARC T4 ベースのシステムの場合、この障害は、ファームウェアバージョン 8.7.x を実行するシステムからファームウェアバージョン 8.6.x 以前を実行するシステムに移行する際に発生します。

  • SPARC T5 ベースのシステム、および 9.x ファームウェアを使用するその他のシステムの場合、この障害は、ファームウェアバージョン 9.4.x を実行するシステムからファームウェアバージョン 9.3.x 以前を実行するシステムへの移行時に発生します。


注 - 関連するバグ 20594568 のため、ハイパーバイザ 1.14.x のファームウェアを備えたシステムからハイパーバイザ 1.13.x のファームウェアを備えたシステムへのライブ移行を実行する際は、この回避方法を使用してください。
  • ファームウェアバージョン 8.7.x を実行するシステムからファームウェアバージョン 8.6.x 以前を実行するシステムへ

  • ファームウェアバージョン 9.4.x を実行するシステムからファームウェアバージョン 9.3.x 以前を実行するシステムへ


回避方法: この問題を回避するには、移行するドメイン上の /etc/system ファイルに次の行を追加します。

set retained_mem_already_checked=1

/etc/system プロパティー値の正しい作成または更新の方法については、Oracle VM Server for SPARC 3.2 管理ガイド の/etc/system ファイルのプロパティー値の更新を参照してください。

次に、ハイパーバイザバージョン 1.14.x からハイパーバイザバージョン 1.13.2 への移行を試みる前に、ドメインをリブートします。

ゲストドメインがすでにファームウェア 8.7.x から 8.6.x または 9.4.x から 9.3.x に移行済みの場合は、ゲストドメインを停止してから再起動します。例:

primary# ldm stop-domain domainname
primary# ldm start-domain domainname

Oracle Solaris 11.2 SRU 8 ゲストドメインからバージョン 1.13.1 のハイパーバイザのターゲットマシンへのライブ移行がブロックされる

バグ ID 20594568: Oracle Solaris 11.2 SRU 8 を実行するゲストドメインの、ハイパーバイザ 1.14.x を基にしたファームウェアのマシンからハイパーバイザ 1.13.1 のマシンへのライブ移行はブロックされます。

primary# ldm migrate ldg0 target-host
Target Password:
API group 0x11d v1.0 is not supported in the version of the firmware
running on the target machine.
Domain ldg0 is using features of the system firmware that
are not supported in the version of the firmware running on
the target machine.

    この問題は次のライブ移行に影響を与えます。

  • SPARC T4 ベースのシステムの場合、この障害は、ファームウェアバージョン 8.7.x を実行するシステムからファームウェアバージョン 8.5.x 以前を実行するシステムに移行する際に発生します。

  • SPARC T5 ベースのシステム、および 9.x ファームウェアを使用するその他のシステムの場合、この障害は、ファームウェアバージョン 9.4.x を実行するシステムからファームウェアバージョン 9.2.1.c 以前を実行するシステムへの移行時に発生します。


注 - 関連するバグ 20612716 のため、ハイパーバイザ 1.14.x のファームウェアを備えたシステムからハイパーバイザ 1.13.x のファームウェアを備えたシステムへのライブ移行を実行する際は、この回避方法を使用してください。
  • ファームウェアバージョン 8.7.x を実行するシステムからファームウェアバージョン 8.6.x 以前を実行するシステムへ

  • ファームウェアバージョン 9.4.x を実行するシステムからファームウェアバージョン 9.3.x 以前を実行するシステムへ


回避方法: この問題を回避するには、移行するドメイン上の /etc/system ファイルに次の行を追加します。

set retained_mem_already_checked=1

/etc/system プロパティー値の正しい作成または更新の方法については、Oracle VM Server for SPARC 3.2 管理ガイド の/etc/system ファイルのプロパティー値の更新を参照してください。

次に、ドメインをリブートし、移行を再試行します。

ターゲットシステムで有効なレイアウトの十分なメモリーが利用可能な場合でも、ドメインの移行が失敗することがある

バグ ID 20453206: ターゲットシステムで有効なレイアウトの十分なメモリーが利用可能な場合でも、移行操作が失敗することがあります。メモリー DR 操作がゲストドメインの移行をさらに難しくする可能性があります。

回避方法: ありません。

iSCSI デバイスを使用するゲストドメインのライブ移行を実行できない

バグ ID 19163498 および 16585085: iSCSI デバイスを使用する論理ドメインはライブ移行を使用できません。

カーネルゾーンによってゲストドメインのライブ移行がブロックされる

バグ ID 18289196: SPARC システムでは、Oracle VM Server for SPARC ドメイン内で実行中のカーネルゾーンによって、1 つまたは複数の「リビジョンダウン」コンポーネントを実行している場合はゲストドメインのライブ移行がブロックされます。次のエラーメッセージが表示されます。

Live migration failed because Kernel Zones are active.
Stop Kernel Zones and retry.

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

  • カーネルゾーンの実行を停止します。

    # zoneadm -z zonename shutdown
  • カーネルゾーンを中断します。

    # zoneadm -z zonename suspend

Oracle Solaris 10: 仮想 CPU が 1 つしか割り当てられていないドメインで、ライブ移行中にパニックが発生する可能性がある

バグ ID 17285751: Oracle Solaris 10 OS では、仮想 CPU が 1 つしか割り当てられていないドメインを移行すると、ゲストドメインの pg_cmt_cpu_fini() 関数でパニックが発生することがあります。

回避方法: ライブ移行を実行する前に、少なくとも 2 つの仮想 CPU をゲストドメインに割り当てます。たとえば、ldm add-vcpu number-of-virtual-CPUs domain-name コマンドを使用して、ゲストドメインに割り当てられている仮想 CPU の数を増やします。

仮想ネットワークのハングアップによってドメインの移行が妨げられる

バグ ID 17191488: SPARC T5-8 システムから SPARC T4-4 システムへのドメインの移行を試みると、次のエラーが発生します。

primary# ldm migrate ldg1 system2
Target Password:
Timeout waiting for domain ldg1 to suspend
Domain Migration of LDom ldg1 failed

回避方法: この問題を回避するには、extended-mapin-space=on を設定します。


注 - domain-nameprimary である場合は、このコマンドによって遅延再構成が開始されます。ほかのすべての場合は、このコマンドを実行する前にそのドメインを停止します。
primary# ldm set-domain extended-mapin-space=on domain-name

システムファームウェア 8.3 が実行されている SPARC T4 システムから SPARC T5、SPARC M5、または SPARC M6 システムへのドメインの移行が誤って許可されている

バグ ID 17027275: システムファームウェア 8.3 が実行されている SPARC T4 システム間のドメインの移行は、SPARC T5、SPARC M5、および SPARC M6 システムに許可されるべきではありません。移行は成功しますが、そのあとのメモリー DR 操作によってパニックが発生します。

回避方法: SPARC T4 システム上のシステムファームウェアをバージョン 8.4 に更新します。lgrp_lineage_add(mutex_enter: bad mutex, lp=10351178) 時にゲストドメインがパニックになるの回避方法を参照してください。

SPARC T5、PARC M5、または SPARC M6 システムから UltraSPARC T2 または SPARC T3 システムへの CPU 間の移行時には、ldm migrate -n が失敗するべきである

バグ ID 16864417: SPARC T5、SPARC M5、または SPARC M6 マシンと UltraSPARC T2 または SPARC T3 マシンの間で移行を試みたときに、ldm migrate -n コマンドが失敗を報告しません。

回避方法: ありません。

HIO 仮想ネットワークを持つ cpu-arch=generic が指定されたゲストドメインを移行すると、ドメインが中断されるまでの待機中にタイムアウトする

バグ ID 15825538: ハイブリッドネットワーク I/O インタフェース (mode=hybrid) と CPU 間の移行 (cpu-arch=generic) の両方が有効になるように構成されている論理ドメインでは、セキュアなライブ移行が実行された場合に (ldm migrate)、移行がタイムアウトし、ドメインが中断状態のままになることがあります。

回復方法: 論理ドメインを再起動します。

回避方法: セキュアな CPU 間のライブ移行では、ハイブリッド I/O 仮想ネットワークデバイスを使用しないでください。

ターゲットの制御ドメインでの ldm list -o status が不正な移行の進行状況を報告する

バグ ID 15819714: ldm list -o status コマンドが、制御ドメイン上の移行のステータスの監視に使用しているときに、不正な完了率を報告することがまれにあります。

この問題は、移行中のドメインや、ソースまたはターゲット制御ドメイン上の ldmd デーモンには影響を及ぼしません。

回避方法: 移行に関連するその他の制御ドメインで ldm list -o status コマンドを実行して、進行状況を監視します。

Oracle Solaris 10: ハイブリッド I/O および仮想 I/O ネットワークデバイスのあるゲストドメインのバインド解除または移行時に、primary ドメインまたはゲストドメインでパニックが発生する

バグ ID 15803617: primary ドメインまたはアクティブなゲストドメインで、ドメインがハイブリッド I/O 仮想ネットワークデバイスで構成されている場合、バインド解除操作またはライブ移行操作時にパニックが発生することがあります。

回復方法: 影響のあるドメインを再起動します。

回避方法: ハイブリッド I/O 仮想ネットワークデバイスを使用しないでください。

移行を取り消したあと、ターゲットシステム上で実行されている ldm コマンドが応答しない

バグ ID 15776752: ライブ移行を取り消した場合、ターゲット上で作成されたドメインインスタンスのメモリーの内容をハイパーバイザが「スクラブする」必要があります。このスクラブ処理はセキュリティー上の理由から実行され、この処理を完了してからでないと、そのメモリーを空きメモリーのプールに返すことができません。このスクラブの進行中に、ldm コマンドが応答しなくなります。その結果、Logical Domains Manager がハングアップしているように見えます。

回復方法: ほかの ldm コマンドを実行しようとする前に、このスクラブリクエストが終了するまで待つ必要があります。この処理には長い時間がかかることがあります。たとえば、500G バイトのメモリーを備えたゲストドメインでは、この処理の完了に SPARC T4 サーバー上では最大 7 分、SPARC T3 サーバー上では最大 25 分かかることがあります。

SPARC T4 システムへの移行時、cputrack コマンドの実行中にゲストドメインでパニックが発生する

バグ ID 15776123: ゲストドメインを SPARC T4 システムに移行中にそのドメインで cputrack コマンドが実行されている場合、移行が完了したあと、ターゲットマシン上のゲストドメインでパニックが発生することがあります。

回避方法: SPARC T4 システムへのゲストドメインの移行中に cputrack コマンドを実行しないでください。

CPU 間の移行を使用するゲストドメインが、移行の完了後、ランダムな稼働時間を報告する

バグ ID 15775055: CPU 周波数が異なる 2 台のマシン間でドメインが移行されたあと、ldm list コマンドによる稼働時間レポートが正しくないことがあります。これらの正しくない結果は、稼働時間が、そのドメインが実行されているマシンの STICK 周波数に基づいて計算されるために発生します。ソースマシンとターゲットマシンの間で STICK 周波数が異なる場合は、稼働時間が間違ってスケーリングされて表示されます。

この問題は、UltraSPARC T2、UltraSPARC T2 Plus、および SPARC T3 システムのみに当てはまります。

ゲストドメイン自体によって報告および表示される稼働時間は正確です。また、ゲストドメイン内の Oracle Solaris OS によって実行されるアカウンティングもすべて正確です。

SPARC T4-4 システムで非常に大容量のメモリーのドメインを移行すると、ターゲットシステムのドメインでパニックが発生する

バグ ID 15731303: 500G バイトを超えるメモリーが搭載されたドメインは移行しないでください。ドメインのメモリー構成を確認するには、ldm list -o mem コマンドを使用します。合計 500G バイトを超える複数のメモリーブロックを含む一部のメモリー構成では、次のようなスタックでパニックが発生する可能性があります。

panic[cpu21]/thread=2a100a5dca0:
BAD TRAP: type=30 rp=2a100a5c930 addr=6f696e740a232000 mmu_fsr=10009

sched:data access exception: MMU sfsr=10009: Data or instruction address
out of range context 0x1

pid=0, pc=0x1076e2c, sp=0x2a100a5c1d1, tstate=0x4480001607, context=0x0
g1-g7: 80000001, 0, 80a5dca0, 0, 0, 0, 2a100a5dca0

000002a100a5c650 unix:die+9c (30, 2a100a5c930, 6f696e740a232000, 10009,
2a100a5c710, 10000)
000002a100a5c730 unix:trap+75c (2a100a5c930, 0, 0, 10009, 30027b44000,
2a100a5dca0)
000002a100a5c880 unix:ktl0+64 (7022d6dba40, 0, 1, 2, 2, 18a8800)
000002a100a5c9d0 unix:page_trylock+38 (6f696e740a232020, 1, 6f69639927eda164,
7022d6dba40, 13, 1913800)
000002a100a5ca80 unix:page_trylock_cons+c (6f696e740a232020, 1, 1, 5,
7000e697c00, 6f696e740a232020)
000002a100a5cb30 unix:page_get_mnode_freelist+19c (701ee696d00, 12, 1, 0, 19, 3)
000002a100a5cc80 unix:page_get_cachelist+318 (12, 1849fe0, ffffffffffffffff, 3,
0, 1)
000002a100a5cd70 unix:page_create_va+284 (192aec0, 300ddbc6000, 0, 0,
2a100a5cf00, 300ddbc6000)
000002a100a5ce50 unix:segkmem_page_create+84 (18a8400, 2000, 1, 198e0d0, 1000,
11)
000002a100a5cf60 unix:segkmem_xalloc+b0 (30000002d98, 0, 2000, 300ddbc6000, 0,
107e290)
000002a100a5d020 unix:segkmem_alloc_vn+c0 (30000002d98, 2000, 107e000, 198e0d0,
30000000000, 18a8800)
000002a100a5d0e0 genunix:vmem_xalloc+5c8 (30000004000, 2000, 0, 0, 80000, 0)
000002a100a5d260 genunix:vmem_alloc+1d4 (30000004000, 2000, 1, 2000,
30000004020, 1)
000002a100a5d320 genunix:kmem_slab_create+44 (30000056008, 1, 300ddbc4000,
18a6840, 30000056200, 30000004000)
000002a100a5d3f0 genunix:kmem_slab_alloc+30 (30000056008, 1, ffffffffffffffff,
0, 300000560e0, 30000056148)
000002a100a5d4a0 genunix:kmem_cache_alloc+2dc (30000056008, 1, 0, b9,
fffffffffffffffe, 2006)
000002a100a5d550 genunix:kmem_cpucache_magazine_alloc+64 (3000245a740,
3000245a008, 7, 6028f283750, 3000245a1d8, 193a880)
000002a100a5d600 genunix:kmem_cache_free+180 (3000245a008, 6028f2901c0, 7, 7,
7, 3000245a740)
000002a100a5d6b0 ldc:vio_destroy_mblks+c0 (6028efe8988, 800, 0, 200, 19de0c0, 0)
000002a100a5d760 ldc:vio_destroy_multipools+30 (6028f1542b0, 2a100a5d8c8, 40,
0, 10, 30000282240)
000002a100a5d810 vnet:vgen_unmap_rx_dring+18 (6028f154040, 0, 6028f1a3cc0, a00,
200, 6028f1abc00)
000002a100a5d8d0 vnet:vgen_process_reset+254 (1, 6028f154048, 6028f154068,
6028f154060, 6028f154050, 6028f154058)
000002a100a5d9b0 genunix:taskq_thread+3b8 (6028ed73908, 6028ed738a0, 18a6840,
6028ed738d2, e4f746ec17d8, 6028ed738d4)

回避方法: 500G バイトを超えるメモリーを含むドメインの移行は実行しないでください。

ハイブリッド I/O および仮想 I/O の仮想ネットワークデバイスを持つゲストドメインの移行時に、nxge パニックが発生する

バグ ID 15710957: ハイブリッド I/O 構成が含まれた高負荷のゲストドメインを移行しようとすると、nxge パニックが発生することがあります。

回避方法: primary ドメイン、およびそのドメインのハイブリッド I/O 構成の一部であるサービスドメイン上で、/etc/system ファイルに次の行を追加します。

set vsw:vsw_hio_max_cleanup_retries = 0x200

移行に含まれる共有 NFS リソースが見つからない場合、すべての ldm コマンドがハングアップする

バグ ID 15708982: 開始された移行や進行中の移行、またはすべての ldm コマンドがいつまでもハングアップします。この状況は、移行するドメインが別のシステムの共有ファイルシステムを使用し、そのファイルシステムが共有されなくなった場合に発生します。

回避方法: 共有ファイルシステムをふたたびアクセス可能にします。

ターゲットマシン上の非アクティブなマスタードメインに依存するドメインのライブ移行を行うと ldmd で障害が発生し、セグメント例外が生成される

バグ ID 15701865: ターゲットマシン上の非アクティブなドメインに依存するドメインのライブ移行を試みると、ldmd デーモンで障害が発生してセグメント例外が生成され、ターゲットマシン上のドメインが再起動されます。それでも移行を実行できますが、それはライブ移行ではありません。

    回避方法: ライブ移行を試みる前に、次のいずれかのアクションを実行してください。

  • 移行するドメインからゲスト依存関係を削除します。

  • ターゲットマシン上のマスタードメインを起動します。

ポリシーが削除された場合やポリシーの期限が切れた場合に、移行されたドメインで DRM が仮想 CPU の数をデフォルトに戻すことができない

バグ ID 15701853: DRM ポリシーが有効な間にドメイン移行を実行し、その後、DRM ポリシーの期限が切れた場合、または移行されたドメインから DRM ポリシーが削除された場合、DRM はドメイン上の仮想 CPU の数を元の数に戻すことができません。

回避方法: DRM ポリシーがアクティブな間にドメインを移行し、その後 DRM ポリシーが削除された場合や DRM ポリシーの期限が切れた場合は、仮想 CPU の数をリセットします。ldm set-vcpu コマンドを使用し、ドメイン上の仮想 CPU の数を元の数に設定します。

システムの MAC アドレスが別の MAC アドレスと重複している場合、移行の失敗理由が報告されない

バグ ID 15699763: ドメインに重複する MAC アドレスが含まれている場合、そのドメインを移行できません。通常、この理由によって移行に失敗すると、失敗メッセージには MAC アドレスの重複が示されます。しかし、この失敗メッセージが、MAC アドレスの重複を報告しないことがまれにあります。

# ldm migrate ldg2 system2
Target Password:
Domain Migration of LDom ldg2 failed

回避方法: ターゲットマシンの MAC アドレスが一意であることを確認します。

移行処理を「反対方向」に同時に実行すると、ldm がハングアップすることがある

バグ ID 15696986: 2 つの ldm migrate コマンドを「反対方向」に同時に実行すると、その 2 つのコマンドがハングアップして完了できなくなる場合があります。反対方向の状況は、マシン A からマシン B への移行と、マシン B からマシン A への移行を同時に開始した場合に発生します。

ハングアップは、移行プロセスが –n を使用して予行演習として開始された場合でも発生します。この問題が発生した場合は、ほかの ldm コマンドもすべてハングアップする可能性があります。

回避方法: ありません。

有効なデフォルト DRM ポリシーがあるドメインをマイグレートすると、使用可能な CPU がすべてターゲットドメインに割り当てられる

バグ ID 15655513: アクティブなドメインの移行後、マイグレートしたドメインの CPU 利用率が短時間で劇的に増加することがあります。移行の時点で動的リソース管理 (Dynamic Resource Managment、DRM) ポリシーがドメインに対して有効化されている場合は、Logical Domains Manager によって CPU の追加が開始されることがあります。特に、ポリシーの追加時にプロパティー vcpu-max および attack が指定されていなかった場合は、デフォルト値 unlimited が有効になるため、ターゲットマシンのバインドされていない CPU がすべて、マイグレートされたドメインに追加されます。

回復方法: 回復させる必要はありません。CPU 利用率が、DRM ポリシーで指定された上限を下回ると、Logical Domains Manager によって自動的に CPU が削除されます。

メモリー DR が移行のキャンセル後に無効になる

バグ ID 15646293: Oracle Solaris 10 9/10 ドメインが移行操作の中で一時停止状態にされたあとで、メモリー動的再構成 (Dynamic Reconfiguration、DR) が無効になります。このアクションは、移行に成功した場合だけでなく、移行がキャンセルされて、ドメインがソースマシン上に残っている場合にも行われます。

ターゲット OS が暗号化装置の DR をサポートしていない場合、MAU を持つ移行したドメインに CPU が 1 つしか含まれない

バグ ID 15606220: Logical Domains 1.3 リリース以降では、ドメインに暗号化装置がバインドされていてもドメインを移行できます。

    次の場合には、移行の完了後、ターゲットマシンに 1 つの CPU しか含まれません。

  • ターゲットマシンで Logical Domains 1.2 が実行されている

  • ターゲットマシン上の制御ドメインが実行している Oracle Solaris OS のバージョンが、暗号化装置の DR をサポートしていない

  • 暗号化装置が含まれるドメインを移行した

移行の完了後、ターゲットドメインは正常に再開され運用されますが、CPU が 1 つのみの縮退状態になります。

回避方法: 移行前に、Logical Domains 1.3 を実行しているソースマシンから暗号化装置を削除します。

    軽減方法: この問題を回避するには、次の手順のいずれかまたは両方を実行します。

  • ターゲットマシンに最新の Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアをインストールします。

  • ターゲットマシンの制御ドメインにパッチ ID 142245-01 をインストールするか、または Oracle Solaris 10 10/09 以降の OS にアップグレードします。

明示的なコンソールグループおよびポートのバインドが移行されない

バグ ID 15527921: 移行中、明示的に割り当てられたコンソールグループおよびポートはすべて無視され、デフォルトのプロパティーを持つコンソールがターゲットドメインに作成されます。このコンソールは、コンソールグループとしてターゲットドメイン名を使用し、制御ドメインの最初の仮想コンソール端末集配信装置 (vcc) デバイスの使用可能ポートを使用して作成されます。デフォルトのグループ名と競合する場合、移行は失敗します。

回復方法: 移行後に明示的なコンソールプロパティーを復元するには、ターゲットドメインのバインドを解除し、ldm set-vcons コマンドを使用して目的のプロパティーを手動で設定します。

ターゲットのvdsdev のバックエンドが異なっていても移行が失敗しない

バグ ID 15523133: ターゲットマシンの仮想ディスクが指しているディスクバックエンドがソースマシンで使用されているものとは異なる場合は、移行されたドメインがそのディスクバックエンドを使用して仮想ディスクにアクセスすることはできません。そのドメインの仮想ディスクにアクセスすると、ハングアップする可能性があります。

現時点では、Logical Domains Manager が確認するのは仮想ディスクのボリューム名がソースマシンとターゲットマシンで一致しているかどうかだけです。このときに、ディスクのバックエンドが一致していなくてもエラーメッセージは表示されません。

回避方法: 移行されたドメインを受け取るようにターゲットドメインを構成するときに、ディスクボリューム (vdsdev) が、ソースドメインで使用されているディスクバックエンドと一致していることを確認します。

    回復方法: ターゲットマシン上の仮想ディスクデバイスが誤ったディスクバックエンドを指していることがわかった場合は、次のいずれかの処理を実行します。

  • ドメインを移行し、vdsdev を修正します。

    1. ドメインを移行してソースマシンに戻します。

    2. ターゲットの vdsdev が正しいディスクバックエンドを指すように修正します。

    3. ドメインをターゲットマシンに再度移行します。

  • ターゲットでドメインを停止し、バインドを解除して、vdsdev を修正します。OS で仮想 I/O 動的再構成がサポートされていて、誤った仮想ディスクがドメインで使用中でない場合 (つまり、ブートディスクではなくアンマウントされている場合) は、次の手順を実行します。

    1. ldm rm-vdisk コマンドを使用してディスクを削除します。

    2. vdsdev を修正します。

    3. ldm add-vdisk コマンドを使用して仮想ディスクをふたたび追加します。

ターゲットに使用可能なメモリーが十分にある場合でも、移行でメモリーのバインドに失敗することがある

バグ ID 15523120: 特定の状況では、移行が失敗し、ソースドメインに必要なメモリーをバインドできなかったことが ldmd で報告される場合があります。この状況は、ターゲットマシンで使用可能なメモリーの合計容量がソースドメインで使用されているメモリー容量より多い場合でも発生することがあります。

この障害は、ソースドメインで使用されている特定のメモリー範囲を移行するには、ターゲットでもそれに対応するメモリー範囲が使用可能である必要があるために発生します。ソースのメモリー範囲に対応するメモリー範囲が見つからない場合、移行は続行できません。Oracle VM Server for SPARC 3.2 管理ガイド のメモリーの移行要件を参照してください。

回復方法: この状況が発生した場合は、ターゲットマシンのメモリー使用量を変更すると、ドメインを移行できるようになることがあります。この操作を行うには、ターゲットでバインドされている、またはアクティブな論理ドメインのバインドを解除します。

使用可能なメモリーとその使用状況を確認するには、ldm list-devices -a mem コマンドを使用してください。また、別のドメインへのメモリーの割り当て量を減らす必要があることもあります。

vntsd を再起動しないかぎり、移行したドメインのコンソールに接続できない

バグ ID 15513998: ドメインの移行後、そのドメインのコンソールに接続できない場合があります。

回避方法: コンソールに接続できるようにするには、vntsd SMF サービスを再起動します。

# svcadm restart vntsd

注 - このコマンドは、アクティブなすべてのコンソール接続を切断します。