Oracle Solaris 11.2 SRU 14 以降では、ホストと ILOM の相互接続を介した Oracle ILOM サービスプロセッサ (SP) へのアクセスを容易にするために使用されるホスト資格キャッシュ機能が無効にされています。ilomconfig create credential コマンドでは、Oracle ILOM のユーザー名とパスワードの情報を格納するためにホストに資格キャッシュファイルが作成されなくなります。既存の資格キャッシュも、Oracle ILOM SP にアクセスする Oracle Hardware Management Pack コマンドで使用されません。
この変更は、Oracle ILOM 3.2.4 より前のバージョンのシステムでのみ、システムのローカル SP にアクセスする一部の Oracle Hardware Management Pack コマンド (fwupdate、ilomconfig、ubiosconfig など) が発行される動作に影響します。これらのシステムの場合、LAN インタフェース (ホストと ILOM の相互接続または Ethernet ネットワーク接続) を使用するには、SP にアクセスするコマンドに -H および -U オプションを使用して資格情報を手動で含める必要があります。資格情報を指定しない場合、これらのコマンドはデフォルトの低速なローカル KCS インタフェースを使用してローカルの Oracle ILOM SP にアクセスします。
Oracle ILOM バージョン 3.2.4 以降のシステムの場合は、ホストと ILOM の相互接続を介してローカルの SP にアクセスするコマンドを実行するときに、資格情報を含める必要はありません。ネットワーク接続を使用して SP にアクセスするコマンドを実行するときは、資格情報を手動で含める (-H および -U オプションを使用) 必要があります。
以前に保存されたホスト資格キャッシュを削除する機能は、ilomconfig delete credential コマンドを使用することによって引き続きサポートされます。
回避方法
ローカルの Oracle ILOM SP (3.2.4 より前のバージョン) にアクセスする Oracle Hardware Management Pack コマンドにより高速な LAN インタフェースを使用するには、コマンド行で必要なユーザー資格情報を手動で入力する必要があります。必要なパスワードは、stdin にパイプしてスクリプトで使用することもできます。
例:
ilomconfig list system-summary --remote-hostname=sp_ip --remote-username=username
cat passwd.file | fwupdate list all --remote-hostname=sp_ip --remote-username=username
ここで、sp_ip は Oracle ILOM SP の IP アドレス、username は root 権限を持つ Oracle ILOM のユーザーアカウント、および passwd.file はユーザーが作成した、Oracle ILOM ユーザーアカウントのパスワードが含まれているファイルです。