19福利厚生補償範囲

この章の内容は次のとおりです。

福利厚生管理者とマネージャは、「プラン構成」作業領域で次のタスクを使用して、福利厚生レートと補償範囲を作成し、管理します。

  • 福利厚生レートの管理

  • 福利厚生プラン補償範囲の管理

このトピックでは、レートと補償範囲に関連する、次の主要な福利厚生用語について説明します。

  • レート

  • 補償範囲

  • 計算方法

  • 変動レートと変動補償範囲

  • 最終計算

レート

レートは、福利厚生補償範囲(生命保険や健康保険など)を購入するための原価を決定します。レートでは通常、次の当事者によって支払われる金額が決定されます。

  • 従業員

  • 事業主

  • これら両方の組合せ

またレートでは、事業主から従業員に分配される金額も決定できます(授業料返還など)。

補償範囲

補償範囲は、要求があった場合に、登録済の加入者に提供される金額を定義します(医療費など)。

計算方法

標準レートと補償範囲は、あらかじめ用意された各種の計算方法(補償範囲の定数や乗数など)を使用して計算できます。計算Formulaを作成して計算することもできます。

変動レートと補償範囲

レートや補償範囲を基準によって変えたい場合は、標準のレート計算や補償範囲計算を調整または置換する、変動レートや変動補償範囲のプロファイルを関連付けることができます。

例: 事業所、勤続期間、加入者の年齢などの基準に基づいて、レートを調整することもできます。

最終計算

レートや補償範囲の最終計算を導出するために、限度や端数処理ルールを適用できます。

補償範囲は、定義した値と、加入者が登録時に入力した値に計算方法を適用して計算します。

補償範囲計算に影響する設定

補償範囲の計算に使用できるのは、次の決定ルールです。

計算方法 説明

定数

定数は事前定義されるか、登録時に入力されます。

固定範囲

定数は事前定義された範囲内である必要があります。

定数+報酬の乗数

補償範囲を、定数+報酬の乗数として計算します。

定数+報酬範囲の乗数

補償範囲を、定数+事前定義された範囲内での報酬の乗数として計算します。

報酬の乗数

補償範囲を、報酬の乗数として計算します。

報酬の乗数+固定範囲

補償範囲を、報酬の乗数+事前定義された範囲内の定数として計算します。

報酬範囲の乗数

報酬範囲の乗数は事前定義された範囲内である必要があります。

標準値不使用

変動補償範囲プロファイルで定義された補償範囲を使用します。

年間選択アクティビティと同じレート

年間選択アクティビティと同じレートを補償範囲に使用します。

登録後計算Formula

定義したFormulaを使用して、登録時に入力された選択情報に基づいて補償範囲を計算します。

最終的な補償範囲は、選択した計算方法と他の設定との連携を通じて計算します。

条件 関連する構成

乗数を使用した計算方法

操作を指定します(シンプルな乗算、パーセント、100当たり、1,000当たりなど)。

報酬に基づく計算

報酬計算のベースを定義する報酬導出要因を指定します。

端数処理

端数処理ルールを選択します。

限度

上限と下限を定義します。

登録時に加入者入力を有効にした場合

有効範囲とデフォルト値を設定できます。デフォルト値は、補償範囲を再計算する際、ユーザー入力値が使用できない場合に使用されます。

変動補償範囲

変動補償範囲プロファイルを基本補償範囲に添付します。

補償範囲の計算方法

補償範囲がいつどのような方法で計算されるかは、補償範囲に対して定義された計算方法とその他の設定によって決まります。

たとえば、補償範囲が計算されるタイミングとしては、登録前、登録時、または登録完了後が考えられます。

例: 報酬の乗数

計算への入力値 計算されたレート 計算の詳細

乗数: 2

演算子: 乗算

報酬額: 25,000 (「年俸」「報酬要因」を適用して導出された値)

50,000

2 * 25,000

例: 報酬範囲の乗数

計算への入力値 計算された補償範囲 計算の詳細

最小: 2

最大: 6

増加単位数: 2

デフォルト値: 4

演算子: 乗算

報酬額: 25,000 (「年俸」「報酬要因」を適用して導出された値)

100,000 (デフォルトを使用)

4 * 25,000

例: 定数+報酬の乗数

計算への入力値 計算された補償範囲 計算の詳細

定数: 50,000

乗数: 2

演算子: 乗算

報酬額: 25,000 (「年俸」「報酬要因」を適用して導出された値)

100,000

50,000 + (2 *25,000)

例: 定数+報酬範囲の乗数

計算への入力値 計算された補償範囲 計算の詳細

定数: 50,000

最小: 2

最大: 6

増加単位数: 2

デフォルト値: 4

演算子: 乗算

報酬額: 25,000 (「年俸」「報酬要因」を適用して導出された値)

150,000 (デフォルトを使用)

50,000 + (4 *25,000)

例: 報酬の乗数+固定範囲

計算への入力値 計算された補償範囲 計算の詳細

最小: 30,000

最大: 50,000

デフォルト値: 40,000

増加単位数: 10,000

乗数: 2

演算子: 乗算

報酬額: 50,000 (「年俸」「報酬要因」を適用して導出された値)

140,000 (デフォルトを使用)

40,000 + (2 *50,000)

加入者がプログラム内でプラン・タイプをまたいで選択できる補償範囲の総額を制限できます。「プラン構成」作業領域の「複数プラン・タイプ間の補償範囲の管理」タスクを使用します。

シナリオ

次の表は、プログラム内の2つのプラン・タイプに対する最大の生命保険補償範囲を示したものです。

プラン・タイプ 最大補償範囲(米ドル)

補足生命保険

2x支給項目(最大200,000)

定期生命保険

120,000

合計

320,000

最大補償範囲の合計を300,000に制限するには:

  1. 補償範囲制限に名前を付け、プログラムとプラン・タイプをリストします。

  2. 最大補償範囲額として300,000を入力します。最小補償範囲額を入力することもできます。

プラン・タイプ間の最大補償範囲制限は、プラン・タイプ内のプランの中で最も低い最大補償範囲を下回ることはできません。この例で言うと、最大補償範囲制限を120,000米ドルよりも低くすることはできません。

補償範囲に関するFAQ

次のステップに従います。

  1. プログラム構成プロセスの登録ステップで、階層のプログラム・レベル行を選択します。

  2. 「一般」タブで、次の各フィールドにパーセントを入力します。

    • 配偶者保険補償範囲最大

    • 扶養家族保険補償範囲最大

  3. 登録ステップで、プログラム階層から適切な保険プラン・タイプ行を選択し、下にスクロールしてプラン・タイプのさらなる詳細を表示します。

  4. 「一般」タブの登録セクションで、次の両方のチェック・ボックスをオンにします。

    • 扶養家族最大%保険補償範囲

    • 配偶者最大%保険補償範囲

前のレートや補償範囲の終了ルールが「1つ前」というフレーズで始まっている場合、レートや補償範囲の期間は、後続の期間が開始される前日に終了します。たとえば、前の補償範囲の終了が「1つ前または四半期末」で、補償範囲の開始が「次月の初日」である場合、前の補償範囲は当月の最終日に終了します。

補償範囲の開始を指定しなかった場合や、次に開始されるレートまたは補償範囲がない場合は、ルールの第2部分が有効になります。このケースでは、前の補償範囲は四半期の最終日に終了します。たとえば、レートの開始や補償範囲の開始が関連付けられていない退職ライフ・イベントが発生した場合、既存のレートや補償範囲は四半期の最終日に停止されます。

制限値は、標準レートまたは補償範囲に対して加算、減算、または乗算される前の、変動レートまたは補償範囲額の最小値と最大値を設定するものです。

最終制限値は、標準レート額に対して加算、減算、または乗算された後の、変動レートまたは補償範囲額の最小値と最大値を設定するものです。たとえば、「加算」取扱ルールを選択した場合、最終上限値は、絶対最大レート額を設定します。このルールでは、変動レートの計算結果を標準レート計算に加算します。