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Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository管理者ガイド
12c リリース 1 (12.1.3)
E59479-02
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8 自動収集の構成および使用

この章では、ハーベスタの使用を開始する方法について説明します。Oracle Enterprise Repositoryへのデータの移入に使用するツールはハーベスタと呼ばれています。ハーベスタを使用して、Oracle製品および標準ベースのファイルからメタデータを読み取ります。これには、Oracle SOA Suite、Oracle Service Bus、Oracle BPAによって生成されたコンポジット、標準BPEL、WSDL、XSD、XSLT、BPMN 2.0およびWS-Policyファイルが含まれます。

ハーベスタによって、アセットの作成、アセット・メタデータの移入、およびアーティファクト・ファイルの情報に基づいたリレーション・リンクの生成が自動的に実行されます。

ファイルは、実行時環境にデプロイされたときに収集されます。ハーベスタは、コマンド行から使用することも、AntやWeblogic Scripting Tool (WLST)内で使用することもできます。

この章は次の項で構成されています。

8.1 ハーベスタの使用の開始

この項では、ハーベスタの使用を開始する方法および高レベルな各種ユースケースでのハーベスタの使用について説明します。

この項には次のトピックが含まれます:

8.1.1 前提条件

ハーベスタを使用する前に、次の前提条件を実行する必要があります。

  • 必要なアセット・タイプおよびリレーションシップを含むHarvester Solution PackをOracle Enterprise Repositoryにインポートします。<OER_Home>/modules/tools/solutions/12.1.3.0.0-OER-Harvester-Solution-Pack.zipファイルをインポートします。

    Oracle Enterprise Repositoryソリューション・パックのインポートの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repositoryインストレーション・ガイド』を参照してください。

  • Oracle Service Busから収集する場合、Oracle Service Busのインストール場所と同じFMW_HOMEまたはOracle Service Busインストールにアクセス可能な共有ファイル・システムに、ハーベスタをインストールします。詳細は、8.2.2.2項「コマンド行で収集するアーティファクトの選択」を参照してください。


    注意:

    Oracle Service Busからプロジェクトを収集する場合は、通常のハーベスタ・ユーティリティharvest.batまたはharvest.shのかわりに、osb-harvest.batまたはosb-harvest.shユーティリティを使用する必要があります。これには、Oracle Service Bus 12cがインストールされている必要があります。OSBハーベスタの詳細は、第8章「Oracle Service BusからのWebサービスの収集」を参照してください。

  • デプロイしたアプリケーション(Oracle SOA Suite、Oracle Service Busなど)またはWebサービスからアセットを収集する場合は、アプリケーションをWebLogic 11g以上にデプロイする必要があります。

  • Oracle Application Integration Architectureからの収集の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Application Integration Architecture Foundation Pack開発者ガイドのOracle AIAのコンテンツ収集に関する項を参照してください。

  • ハーベスタを使用するには、Java SDKバージョン6以上が必要です。

8.1.2 ハーベスタの機能

ハーベスタを使用すると、次の処理を行うことができます。

  • SCAコンポジット、BPEL、WSDL、WADL、XSD、XSLT、BPMN 2.0、WS-Policy (オラクル社およびその他のベンダーからのもの)などの標準SOAアーティファクトをOracle Enterprise Repositoryに公開します。

  • WSDLおよびWADLサービスを完全なSCAモデルではなく単一のAPIアセットとして公開し、制御が必要なアセットの数を大幅に削減します。WSDLまたはWADLを収集するときに、-simple_modelハーベスタ・オプション(表8-4の説明を参照)を使用して単一のAPIアセットを作成します。

  • 影響分析用にアーティファクト間の依存関係を取得します。

  • ネストされたWSDLおよびXSDファイルを処理します。

  • 抽象インタフェース・アセットと具象デプロイメント/エンドポイントを作成します。

  • BPELパートナ・リンクの依存関係を取得し、インタフェースに関連付けます。

  • 変換に対するBPEL PMの依存関係を取得します。

  • 再利用のためにアーティファクト・コンテンツをOracle Enterprise Repositoryに格納し、参照します。

  • アーティファクトのSoftware File ID (SFID)を計算して重複を検出します。

  • ネストされたディレクトリ、リモート・サーバー、zipファイル、jarファイル、SOAコンポジットまたはOracle BPELスーツケースからアーティファクトを公開します。

  • トランザクション形式でアーティファクトを公開します。

  • アーティファクトをコマンド行から公開したり、ハーベスタのAntタスクを使用した自動Antビルド・プロセスから公開します。

  • プロキシ・サービス、ビジネス・サービス、XQuery、MFL、XSLT、WS-PolicyなどのOracle Service Busプロジェクト・アーティファクトを公開します。

  • 収集プロセスをWLSTデプロイメント・スクリプトの一部として統合します。

  • SSLを有効化したSOAサーバーに収集します。SOAサーバーでSSLを有効化し、証明書をエクスポートしてクライアントにインポートする方法の詳細は、Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイドを参照してください。


注意:

証明書のインポート/エクスポートの詳細は、次の場所に用意されているセキュリティ・ガイドを参照してください。

http://download.oracle.com/docs/cd/E15523_01/index.htm


8.1.3 アーティファクト/製品のバージョン・マトリックス

表8-1に、ハーベスタでサポートされているアーティファクト/製品のバージョン・マトリックスを示します。

表8-1 アーティファクト/製品のバージョン・マトリックス

アーティファクト/製品 バージョン

BPEL

1.1および2.0

WSDL

1.1

WADL

1.1.5

SCA

0.95

JCAアダプタ

1.5

XSD

1.0

XSLT

1.0

Oracle BPEL PM

10.1.3.4

Oracle SOA Suite

11gおよび12c (12.1.3および12.2.1)

WS-Policy

1.2

Oracle Service Bus

11gおよび12c (12.1.3および12.2.1)

WebLogic Webサービス

11gおよび12c (12.1.3および12.2.1)

BPMN

2.0



注意:

Oracle SOA SuiteおよびService Busでは、12.2.1で導入されたエンドツーエンドJSONまたはネイティブのRESTサービスの収集をハーベスタがサポートしません。これらの製品の12.2.1リリース以降のその他のアーティファクトに関しては、収集をサポートしています。

8.2 ハーベスタの構成

この項では、ハーベスタを構成し、統合開発環境内で使用する方法について説明します。

この項には次のトピックが含まれます:

8.2.1 ハーベスタの入手

ハーベスタは、Oracle Enterprise Repositoryをインストールするときに次のディレクトリに自動的に解凍されます。

  • <FMW_HOME>/oer/tools/harvester

  • <FMW_HOME>/oer/tools/osbharvester

ハーベスタは、Oracle Enterprise Repository 12cインストールにバンドルされた12.1.3.0.0-OER-Harvester.zipにも含まれています。このファイルの場所は次のとおりです。

<FMW_HOME>/oer/modules/tools/solutions/12.1.3.0.0-OER-Harvester.zip

OSBハーベスタは、Oracle Enterprise Repository 12cインストールにバンドルされた12.1.3.0.0-OSB12c-Harvester.zipにも含まれています。このファイルの場所は次のとおりです。

<FMW_HOME>/oer/modules/tools/solutions/12.1.3.0.0-OSB12c-Harvester.zip

このマニュアルでは、<FMW_HOME>/oer/tools/harvesterまたは<FMW_HOME>/oer/tools/osbharvester<Harvester Home>ディレクトリとして表しています。どちらのディレクトリが該当するかは、実行しているハーベスタによって決まります。

表8-2に、製品および対応するバージョンの関係マトリックスを示します。

表8-2 ハーベスタの製品およびバージョンのマトリックス

製品およびバージョン 収集 IDE検索、参照および使用

Service Bus 11gおよび12c (12.1.3および12.2.1)

OER 12c

はい

SOA Suite 11gおよび12c (12.1.3および12.2.1)

OER 12c

はい

AIA Foundation Pack 11g

AIA

いいえ

標準ベースのアーティファクト(WSDL 1.1、XSD、BPEL、XSLT、BPMN 2.0)

OER 12c

状況により異なる



注意:

Oracle SOA SuiteおよびService Busでは、12.2.1で導入されたエンドツーエンドJSONまたはネイティブのRESTサービスの収集をハーベスタがサポートしません。これらの製品の12.2.1リリース以降のその他のアーティファクトに関しては、収集をサポートしています。

Harvester Solution Packで使用されるparameter.properties

Oracle Enterprise Repositoryへのインポート操作時のHarvester Solution Packの動作は、parameter.propertiesファイルによって決まります。このファイルは変更または修正できません。ソリューション・パック内のオブジェクトは、次のリストに示されている動作に従ってインポートされます。

  • Harvester Solution Packの/META-INF/parameter.properties

    PreserveUUIDs=true
    Standard.saver.assettype.props.duplicate.handling=Merge
    Standard.saver.assettype.props.duplicate.matching=UUID
    Standard.saver.relationshiptype.props.duplicate.handling=Overwrite
    Standard.saver.metadata.props.duplicate.handling=ignore
    Standard.saver.metadataentrytype.props.duplicate.handling=ignore
    
  • Harvester Solution Packの動作の概要

    • アセット

      Oracle Enterprise Repositoryにすでに存在するアセット(UUIDが同じもの)はマージされます。

      アセットは、インポート・バンドル内で指定されたUUIDを使用して追加されます。

    • アセット・タイプ

      UUIDがOracle Enterprise Repositoryにすでに存在するアセット・タイプは重複とみなされます。

      ソリューション・パック内のアセット・タイプに新しい要素やタブが追加されている場合は、Oracle Enterprise Repository内の既存のアセット・タイプにそれらの要素やタブが追加されます。

      インポート・バンドル内の新しいアセット・タイプはOracle Enterprise Repositoryに追加されます。

    • リレーションシップ・タイプ

      名前と方向が同じリレーションシップ・タイプは、Oracle Enterprise Repositoryでインポート・バンドル内の情報に置き換えられます。

    • カテゴリ分けタイプ

      同名のカテゴリ分けタイプがOracle Enterprise Repository内に存在する場合、新しいカテゴリ分けエントリは、インポート・バンドル内の情報を使用してそのタイプに追加されます。

      新しいカテゴリ分けタイプはOracle Enterprise Repositoryに追加されます。

    • 受入れ可能な値リスト(AVL)

      同名のAVLがOracle Enterprise Repository内に存在する場合、新しい値は、インポート・バンドル内の情報を使用してそのAVLに追加されます。

      新しいAVLはOracle Enterprise Repositoryに追加されます。

    • CMFメタデータ・エントリ・タイプ

      重複するメタデータ・エントリ・タイプ(UUIDが同じもの)は無視されます。(ソリューション・パック内のエンティティは無視されます。)

      新しいメタデータ・エントリ・タイプはOracle Enterprise Repositoryに追加されます。

    • CMFメタデータ・エントリ

      重複するメタデータ・エントリ(UUIDが同じもの)は無視されます。(ソリューション・パック内のエンティティは無視されます。)

      新しいメタデータ・エントリはOracle Enterprise Repositoryに追加されます。

    parameter.propertiesの詳細は、5.2.2項「parameter.propertiesファイル」を参照してください。

8.2.2 コマンド行用のハーベスタの構成

ハーベスタは、コマンド行から実行するように構成できます。組織は、そのエンタープライズ・リポジトリを、コマンド行からハーベスタを使用して簡単にブートストラップできます。コマンド行収集では次のものを収集できます。

  • 個々のファイル

  • ファイルのディレクトリ

  • リモート・ファイル

  • アーティファクト・ストアに存在するファイル

  • Oracle MetaData Store (MDS)に存在するファイル

この項では、コマンド行用にハーベスタを構成するために実行が必要なタスクについて説明します。

8.2.2.1 コマンド行用のリポジトリ接続情報の設定

<Harvester Home>にあるXMLファイルHarvesterSettings.xmlを開き、ハーベスタが正しい資格証明を使用してOracle Enterprise Repositoryインスタンスを指すように次のXMLを変更します。

<repository>
  <uri>http://localhost:7101/oer</uri>
  <credentials>
    <user>smith</user>
    <password>*****</password>
     //To ensure security, the password must be encrypted.
     //The password encryption tool (encrypt.bat/encrypt.sh) allows you to encrypt
     // the passwords that are stored in the Harvester configuration
     // (HarvesterSettings.xml) file.
  </credentials>
  <timeout>30000</timeout>
</repository>

注意:

アセットに対する基本アクセス(表示、編集、受入れ、登録)が設定されたユーザーとしてハーベスタを実行することをお薦めします。

8.2.2.2 コマンド行で収集するアーティファクトの選択

ハーベスタは、コマンド行からharvest.batまたはharvest.shユーティリティを使用して実行できます。


注意:

Oracle Service Busからプロジェクトを収集する場合は、OSBハーベスタを使用する必要があります。OSBハーベスタは、<FMW_HOME>/oer/tools/osbharvesterディレクトリにインストールされており、osb-harvest.batまたはosb-harvest.shユーティリティを使用して実行できます。OSBハーベスタは、OSB 12cのインストール先と同じFMW_HOMEにインストールされている必要があります。

OSBハーベスタの使用方法の詳細は、8.2.5.3項「Oracle Service BusからのWebサービスの収集」を参照してください。


harvest.batおよびharvest.shユーティリティは、Oracle Enterprise Repositoryがインストールされているサーバーから実行できます。別のクライアントからハーベスタを実行する場合は、<FMW_HOME>/oer/modules/tools/solutionsディレクトリから12.1.3.0.0-OER-Harvester.zipファイルを取得し、有効なJAVA_HOME環境変数(表8-3を参照)が設定された任意のクライアントにそのzipファイルを解凍します。

osb-harvest.batおよびosb-harvest.shユーティリティは、Oracle Enterprise Repositoryがインストールされているサーバーから実行できます。別のクライアントからハーベスタを実行する場合は、次の操作を行います。

  • Oracle Service Busをクライアント・マシン上の<FMW_HOME>ディレクトリにインストールします。

  • クライアント・マシンでJAVA_HOME環境変数が表8-3に示すように設定されていることを確認します。

  • Oracle Enterprise Repositoryがインストールされているマシン上の<FMW_HOME>/oer/modules/tools/solutionsディレクトリから12.1.3.0.0-OSB12c-Harvester.zipファイルを取得します。そのファイルをターゲット・マシン上の<FMW_HOME>/oer/toolsディレクトリに解凍します。ファイル解凍後のハーベスタのフルパスは、<FMW_HOME>/oer/tools/osbharvesterになっている必要があります。OSBハーベスタは、OSB 12cのインストール先と同じFMW_HOMEにインストールされている必要があります。

harvest.batharvest.shosb-harvest.batまたはosb-harvest.shを実行する前に、表8-3に示す環境変数が設定されていることを確認してください。Windowsでは、コマンド・ウィンドウで「set X」と入力すると変数Xの値が表示され、「set X=abc」と入力するとXの値が「abc」に設定されます。

表8-3コマンド行スクリプト

環境変数 説明

JAVA_HOME

JAVA_HOME環境変数がインストール済のJavaランタイム(JRE)またはSDKを指していることを確認します。Oracle Service Busイントロスペクションの場合は、Javaバージョン6以上である必要があります。

BEA_HOME

Oracle Service Busからプロジェクトを収集する場合にのみ、BEA_HOME環境変数がOracle Service Busサーバーを含むインストール・ディレクトリを指していることを確認します。たとえば、C:\beaです。

JAVA_OPTS

オプションでJAVA_OPTSパラメータを設定して、必要なその他のjavaパラメータを追加します。たとえば、HTTPプロキシ・サーバーを使用する必要がある場合は、値を-Dhttp.proxyHost=www-proxy.yourhost.com -Dhttp.nonProxyHosts= "*.yourhost.com |localhost"に設定します。

関連項目: http://java.sun.com/javase/6/docs/technotes/guides/net/proxies.html


表8-4に、ハーベスタのコマンド行ユーティリティで指定できるオプションを示します。

表8-4 ハーベスタのコマンド行オプション

ハーベスタのオプション 説明

-settings<file>

構成設定XMLファイルを指定します。

-url <URL>

Oracle Enterprise RepositoryのURLを指定します。

-user <OER/OAC User Name>

Oracle Enterprise Repositoryユーザーのユーザー名を指定します。

-asset_version

モデルに作成されたすべてのアセットに適用するバージョンを指定します。

-artifact_store

検索対象のOracle Enterprise Repositoryアーティファクト・ストアの名前を指定します。アーティファクト・ストアは、Oracle Enterprise Repositoryのアセット・エディタで事前に作成しておく必要があります。指定した場合、-file引数はアーティファクト・ストアのURLに対する相対パスとして解決されます。

アーティファクト・ストアに対する相対URIを指定する場合、そのURIは.wsdl、.zipなどのファイルに解決される必要があります。directoriesを指すURIはサポートされていません。

アーティファクト・ストアの詳細は、8.2.3.2項「ネストされた要素としてのパラメータの指定」を参照してください。

-file <filename or URL>

収集するファイルまたはディレクトリを指定します。ファイル名またはファイルのURLを指定できます。

-file_type <type>

収集するファイルのファイル・タイプを指定します。指定しなかった場合は、ファイル拡張子からタイプが導出されます。config/pluginsフォルダ内のファイル・タイプのいずれかに対応している必要があります。デフォルトでは、.bpel、.mfl、.policy、.wsdl、.xsd、.xquery、.xsltがサポートされています。

-remote_url <URL>

ファイルではなく、リモート・プロジェクトの収集元となる実行中のサーバーを指定します。

-remote_username <username>

リモート・サーバーへの接続に使用するユーザー名を指定します。

-remote_server_type <type>

リモート・サーバーのタイプを指定します。リモート・サーバーとして、SOASuiteSOASuite11gOSBWLSのいずれかを指定できます。

注意: SOA Suite 11gサーバーに対して実行する場合は、SOASuite11gを使用してください。SOA Suite 12cサーバーに対して実行する場合は、SOASuiteを使用してください。

-remote_project <type>

収集対象として、ファイルではなく、リモート・プロジェクトの名前を指定します。省略した場合は、サーバー上のすべてのプロジェクトが収集されます。Oracle SOA Suiteの場合は、コンポジットの名前にリビジョンを付加したもの(MyComposite_rev1など)を指定する必要があります。WLSの場合は、WebLogic管理コンソールおよびEnterprise Managerに表示されるアプリケーション名を指定する必要があります。

-soa_partition <type>

Oracle SOA Suite用のパーティションの名前を指定します。デフォルトでは、soaのdefaultパーティションが使用されます。

-mds_settings <file>

MDSを初期化するためのadf-config.xmlファイルの場所を指定します。省略した場合は、ハーベスタに付属のadf-config.xmlファイルがデフォルトで使用されます。

-deployment_status <status>

作成されたアセットに設定されるデプロイメント・ステータスを指定します。設計時の値または実行時の値のいずれかを指定します。

-version

出力バージョン情報を指定します。

-preview

ハーベスタをプレビュー・モードで実行できるようにするかどうかを指定します。trueに設定した場合、ハーベスタはプレビュー・モードで実行されます。成否に関する詳細情報がロギングされ、変更がOracle Enterprise Repositoryにコミットされることはありません。

falseに設定するか、値を指定しなかった場合、ハーベスタは本番モードで実行されます。成否に関する詳細情報がロギングされ、変更がOracle Enterprise Repositoryにコミットされます。

-producing_project <project>

ハーベスタから作成されたすべてのアセットをこの作成するプロジェクトに適用します。

プロジェクトはOERにすでに存在している必要があります。

-registration_status

OERに作成されたアセットに設定される登録ステータスを指定します。受入れ可能な値は、UnsubmittedPendingReviewUnderReviewおよびRegisteredです。

-simple_model

trueに設定した場合、単一アセット・モデルが作成されます。この場合、APIアセット・タイプが必要になります。

-apply_registrtion_status_to_existing_assets

trueに設定した場合、登録ステータスがイントロスペクト済モデル内の既存のアセットに適用されます。

-categorization_type

イントロスペクションから作成されたアセットに適用するカテゴリ分けタイプを指定します。カテゴリ分けを指定する必要もあります。

-categorization

イントロスペクションから作成されたアセットに適用するカテゴリ分けを指定します。カテゴリ分けタイプを指定する必要もあります。

-apply_categorization_to_existing_assets

trueに設定した場合、指定したカテゴリ分けがイントロスペクト済モデル内の既存のアセットに適用されます。

-help

ハーベスタのコマンド行ユーティリティのオンライン・ヘルプを表示します。


次に、リモート収集の例を示します。

harvest.bat -remote_url mysoasuiteserver:8001 -remote_username weblogic -remote_server_type SOASuite -remote_project MyComposite_rev1.0 -soa_partition department1

セキュリティを確実にするために、パスワードはコマンド行では渡さず、暗号化する必要があります。Oracle Enterprise Repositoryおよびリモート・サーバーのパスワードを設定する唯一の方法は、ハーベスタ構成(HarvesterSettings.xml)ファイルにパスワードを格納することです。パスワード暗号化ツール(encrypt.bat/encrypt.sh)を使用すると、ファイルに格納されているパスワードを暗号化できます。パスワードの暗号化の詳細は、第12章「パスワードの暗号化」を参照してください。

図8-1に、harvest.bat -helpコマンドによって表示されるコマンド行ユーティリティ・オプションおよびオンライン・ヘルプを示します。

図8-1 ハーベスタのコマンド行ユーティリティ・オプション

図8-1の説明が続きます
「図8-1 ハーベスタのコマンド行ユーティリティ・オプション」の説明

コマンド行オプションは、Oracle SOA Suite 11gサーバーから収集する場合にのみ必要です。その場合、-remote_server_type SOASuite11gオプションの指定が必要になります。詳細は、8.2.5.1項「Oracle SOA Suiteサーバーからの収集」を参照してください。

オプションを省略した場合は、harvest.batが存在する<Harvester Home>ディレクトリにあるHarvesterSettings.xmlファイル内の情報が使用されます。コマンド行で指定したオプションは、HarvesterSettings.xml内の設定よりも優先されます。

<Harvester Home>にあるHarvesterSettings.xmlファイルを使用して収集対象アーティファクトを指定するには、次のXMLを変更します。

<query>
  <fileQuery>
     <rootDir>C:\samples</rootDir>
     <files>BPEL</files>
  </fileQuery>
</query>

または

<query>
  <fileQuery>
     <files>http://remote/server/my_generated_wsdl</files>
     <fileType>.wsdl</fileType>
  </fileQuery>
</query>

8.2.3 Repository.Submit Antタスクを使用したハーベスタの起動

ハーベスタをAntタスクとして起動すると、デプロイメント時にすべてのデプロイメント情報がOracle Enterprise Repositoryに格納されます。ハーベスタに付属のrepository.submit Antタスクを使用すると、メタデータを収集してOracle Enterprise Repositoryにインポートできます。このタスクは、<Harvester Home>ディレクトリ(12.1.3.0.0-OER-Harvester.zipを解凍したディレクトリ)にあるharvest-tasks.xmlファイルで定義できます。

この項には次のトピックが含まれます:

8.2.3.1 repository.submit Antタスクのパラメータの指定

表8-5に、harvest-tasks.xmlファイルでrepository.submit Antタスク用に指定できるパラメータを示します。

表8-5 repository.submit Antタスクのパラメータ

属性 説明 必須

repositoryURL

接続先のリポジトリ・インスタンスです。

はい(プロパティで指定した場合を除く)。

repositoryUsername

Oracle Enterprise Repositoryにログインするユーザー名です。

はい(プロパティで指定した場合を除く)。

repositoryPassword

Oracle Enterprise Repositoryにログインするパスワードです。

セキュリティを確実にするために、パスワードを暗号化する必要があります。

Oracle Enterprise RepositoryのWebコンソールには、パスワードを暗号化するための次のツールが用意されています。

http://<host>:<port>/<domain>/diag/encryptstrings.jsp

はい(プロパティで指定した場合を除く)。

timeout

Oracle Enterprise Repositoryのコールがタイムアウトするまでの秒数です。

いいえ。デフォルト値は300秒(5分)です。

failOnError

Oracle Enterprise Repositoryの操作によりエラーが発生した場合に、ビルド・スクリプト全体が失敗します。

いいえ。デフォルト値はtrueです。

errorProperty

リポジトリの操作によりエラーが発生した場合に設定するAntプロパティの名前です。failOnErrorをfalseに設定した場合にのみ有効です。エラーが発生した場合、指定したプロパティがtrueに設定されます。それ以外の場合、指定したプロパティは未設定のままになります。

いいえ。

debug

Antの-debug設定に関係なく、Oracle Enterprise Repositoryタスクからのデバッグ情報を表示します。デバッグ情報は、-debugパラメータをAntランタイムに渡した場合にも表示されます。

いいえ。デフォルト値はtrueです。

description

Oracle Enterprise Repositoryに作成された各アセットに関連付けるハーベスタの説明です。これはハーベスタ・プロパティに表示されます。ハーベスタ・プロパティの詳細は、A.7項「ハーベスタ・プロパティ」を参照してください。

いいえ。

namespace

Oracle Enterprise Repositoryに作成された各アセットに接頭辞として追加するネームスペースです。

いいえ。

version

Oracle Enterprise Repositoryに作成された各アセットに関連付けるハーベスタ・バージョンです。これは"ハーベスタ・プロパティ"に表示されます。

いいえ。

beaHome

インストールされているOracle Service BusサーバーのBEA_HOMEディレクトリです。

はい(Oracle Service Busプロジェクトjarを収集する場合)。

settingsFile

設定XMLファイルの場所です。BPEL_Harvester_Settings.xsdに準拠している必要があります。このファイルでは、ハーベスタ・クラスとファイル・タイプとのマッピング、およびエンティティやリレーションシップとOracle Enterprise Repository内のタイプとのマッピングが構成されます。オプションでこの属性またはsettingsURL属性のいずれかを指定できますが、両方は指定できません。

いいえ。デフォルト値はAntタスクにバンドルされている設定XMLです。

settingsURL

設定XMLファイルの場所です。BPEL_Harvester_Settings.xsdに準拠している必要があります。このファイルでは、ハーベスタ・クラスとファイル・タイプとのマッピング、およびエンティティやリレーションシップとOracle Enterprise Repository内のタイプとのマッピングが構成されます。オプションでこの属性またはsettingsFile属性のいずれかを指定できますが、両方は指定できません。

いいえ。デフォルト値はAntタスクにバンドルされている設定XMLです。

preview

このオプションは、ハーベスタをプレビュー・モードに設定します。ハーベスタによって、作成または変更対象のすべてのアセットが表示されますが、トランザクションはコミットされません。有効にするには、値をtrueに設定します。

いいえ。デフォルト値はfalseです。


8.2.3.2 ネストされた要素としてパラメータの指定

FileSet

FileSetは、収集するファイルのセットを選択するために使用します。1つ以上のfileSetを指定する必要があります。ハーベスタでは、.zip形式のファイル(.zip、.jar、.earファイルなど)を含め、fileSetで選択したすべてのファイルが確認されます。例8-1に示すAnt repository.submitタスクでは、fileSetディレクトリ(/tmp/componentsディレクトリ)の下位にあるすべてのファイルおよびディレクトリが確認され、これらがOracle Enterprise Repositoryにインポートされます。

URI

URIは、イントロスペクト対象のファイルを識別するために使用します。1つ以上のURIを指定できます。リモート・ファイルを指すhttp: URL、ローカル・ファイルを指すfile: URL、またはjavaでサポートされているその他のURLを指定できます。単一のファイルを指定することも、zip形式(zip、jar、earを含む)のファイルを指定することもできます。エクスポートされたOracle Service Busプロジェクトjarも含めることができます。Oracle Service Busプロジェクトは、Oracle Service Bus WorkshopからExport|Oracle Service Bus|Configuration Jarコマンドを使用してエクスポートできます。artifactStore属性は、検索対象のOracle Enterprise Repositoryアーティファクト・ストアの名前です。アーティファクト・ストアは、Oracle Enterprise Repositoryのアセット・エディタで事前に作成しておく必要があります。指定した場合、URIはアーティファクト・ストアのURLに対する相対パスとして解決されます。アーティファクト・ストアに対する相対URIを指定する場合、そのURIは.wsdl.zipなどのファイルに解決される必要があります。ディレクトリを指すURIはサポートされていません。fileType属性では、収集するファイルのファイル・タイプを指定します。指定しなかった場合は、ファイル拡張子からタイプが導出されます。config/pluginsフォルダ内のファイル・タイプのいずれかに対応する値を指定する必要があります。デフォルトでは、.bpel.mfl.policy.wsdl.xsd.xquery.xsltがサポートされています。

例8-1 Ant repository.submitタスクで収集するファイルの指定

<repository.submit repositoryurl="http://server.example.com:8080/oer"
                   repositoryusername="myuser"
                   registrypassword="*****"
registrationStatus="Registered"
applyRegistrationStatusToExistingAssets="true"
     //To ensure security, the password must be encrypted.
     //The password encryption tool (encrypt.bat/encrypt.sh) allows you to encrypt
     // the passwords that are stored in the Harvester configuration
     // (HarvesterSettings.xml) file.
                   settingsFile="../MyCustomSettings.xml">
  <fileset dir="/tmp/components/">
    <include name="**/*"/>
  </fileset>
<applyCategorization type="Classification" value="Raw"
applyToExistingAssets="false" />
<applyCategorization type="AssetFunction" value="XML Standards"
applyToExistingAssets="true" />
  <uri filetype=".wsdl">http://remote/server/my_generated_wsdl</uri>
</repository.submit>

登録ステータスおよびカテゴリ分け

HarvesterSettings.xmlファイルでは、ハーベスタから作成されたアセットの登録ステータスを指定できます。受入れ可能な値は次のとおりです。

  • 未発行

  • 発行済 - レビュー保留

  • 発行済 - レビュー中

  • 登録済


注意:

収集されたアセットのregistrationStatusHarvesterSettings.xmlファイルで設定する際に受入れ可能な値は、コマンド行から収集する場合に使用される受入れ可能な値とは異なります。表8-4-registration_statusエントリを参照してください。

デフォルトでは、登録ステータスは新規に作成されたアセットに適用されます。同じアーティファクトの前回の収集から作成されたアセットの登録ステータスを指定することもできます。有効にするには、例8-1に示すように、applyRegistrationStatusToExistingAssetstrueに設定します。

ハーベスタから作成されたアセットにカテゴリ分けを適用できます。そのためには、アセット・エディタのカテゴリ分けの構成タブに表示されるカテゴリ分けタイプの内部名を把握しておく必要があります。必須の値は要素名です。

  1. アセット・エディタを開きます。

  2. 「アクション」→カテゴリ分けの構成を選択します。

  3. カテゴリ分けタイプを選択し、「編集」を選択します。要素名フィールドに値が表示されます(例8-2を参照)。

図8-2 カテゴリ分けの編集

図8-2の説明が続きます
「図8-2 カテゴリ分けの編集」の説明

要素名は、アセット・エディタのカテゴリ分けの構成ウィンドウにあるフィールドを指しています。このフィールドの値をHarvesterSettings.xmlで使用します。

登録ステータスとカテゴリ分けはコマンド行でも適用できます。コマンド行パラメータは、-registration_status、-apply_registration_status_to_existing_assets、-categorization_typeおよび-categorizationです。

RemoteProject

RemoteProjectでは、ハーベスタがファイルではなくリモート・サーバーのプロジェクトを読み取るように指定します。uri属性では、リモート・プロジェクトの収集元となる実行中のサーバーを指定します。usernameおよびpassword属性では、リモート・サーバーに対するログイン情報を指定します。

serverType属性では、リモート・サーバーのタイプとして、SOASuite、Oracle Service Bus、WebLogic Serverのいずれかを指定します。projectName要素では、収集対象として、ファイルではなく、リモート・プロジェクトの名前を指定します。省略した場合は、サーバー上のすべてのプロジェクトが収集されます。Oracle SOA Suiteの場合は、コンポジットの名前にリビジョンを付加したもの(MyComposite_rev1など)を指定する必要があります。WLSの場合は、WebLogic管理コンソールおよびEnterprise Managerに表示されるアプリケーション名を指定する必要があります。

例8-2 ネストされた要素としてのパラメータの指定 - RemoteProject

<repository.submit repositoryurl="http://server.example.com:8080/oer"
                   repositoryusername="myuser"
                   registrypassword="*****"
     //To ensure security, the password must be encrypted.
     //The password encryption tool (encrypt.bat/encrypt.sh) allows you to encrypt
     // the passwords that are stored in the Harvester configuration
     // (HarvesterSettings.xml) file.
                   settingsFile="../MyCustomSettings.xml">
  <remoteProjects uri="http://mywlsserver:7001" username="admin" password="*****"
 serverType="SOASuite" soaPartition="${partiton}">
     //To ensure security, the password must be encrypted.
     //The password encryption tool (encrypt.bat/encrypt.sh) allows you to encrypt
     // the passwords that are stored in the Harvester configuration
     // (HarvesterSettings.xml) file.
     <projectName>MySOAComposite1_rev1.0</projectName>
     <projectName>MySOAComposite3_rev2.0</projectName>
  </remoteProjects>
</repository.submit>

作成するプロジェクト

ハーベスタから作成されたすべてのアセットについて、作成するプロジェクトとしてタグ付けされた複数のプロジェクトを指定できます。プロジェクトはOERにすでに存在している必要があります。

<repository.submit>要素の中に次の要素を追加してください。

  • <producingProject name="MyProjectName"/>

  • <producingProject name="MyOtherProjectName"/>

作成するプロジェクトは、HarvesterSettings.xmlファイル内でも同様に設定できます。

8.2.3.3 Antからのハーベスタの実行

ハーベスタのAntタスクをインポートするには、Ant XMLに次の行を追加します。

<taskdef file=${harvester.dir}/harvest-tasks.xml/>

harvester.dirは、12.1.3.0.0-OER-Harvester.zipを解凍した<harvester home>ディレクトリです。

コマンド行から実行する場合は、Antのクラスパスに対してハーベスタのライブラリが利用可能になっていることを確認します。ハーベスタには、antのクラスパスを正しく設定できるrunantというスクリプトが用意されています。ハーベスタのantタスクを使用する場合は、このスクリプトを使用してantを起動する必要があります。次に例を示します。

runant -f mybuild.xml

ここで、mybuild.xmlはantのビルドXMLです。

runantに渡した引数はすべてantにも渡されます。harvest.batまたはharvest.shを実行する前に、必要な環境変数が設定されていることを確認します。設定が必要な環境変数のリストは、表8-6を参照してください。

表8-6コマンド行スクリプト

環境変数 説明

JAVA_HOME

JAVA_HOME環境変数がインストール済のJavaランタイム(JRE)またはSDKを指していることを確認します。Oracle Service Busイントロスペクションの場合は、Javaバージョン6以上である必要があります。

ANT_HOME

ANT_HOME環境変数がApache Antバージョン1.6.2以上のインストールを指していることを確認します。Oracle Service Busイントロスペクションの場合は、Antバージョンが1.6.5以上であることを確認します。

BEA_HOME

Oracle Service Busからプロジェクトを収集する場合は、BEA_HOME環境変数がOracle Service Busサーバーを含むインストール・ディレクトリを指していることを確認します。たとえば、C:\beaです。

JAVA_OPTS

オプションでJAVA_OPTSパラメータを設定して、必要なその他のjavaパラメータを追加します。たとえば、HTTPプロキシ・サーバーを使用する必要がある場合は、値を-Dhttp.proxyHost=www-proxy.yourhost.com -Dhttp.nonProxyHosts= "*.yourhost.com |localhost"に設定します。

関連項目: http://java.sun.com/javase/6/docs/technotes/guides/net/proxies.html


8.2.3.4 サード・パーティ・タスクの使用

runantスクリプトでは、antのランチャ(org.apache.tools.ant.Main)が使用されます。ランチャではURIClassLoaderインタフェースが使用され、これによりOracle Service BusのカスタムURIStreamHandlersの使用が妨げられます。

旧antランチャでは、ant/libディレクトリ内のカスタムantタスクの自動検出はサポートされていません。<taskdef>を使用してカスタム・タスクを定義する場合は、classpath属性を指定する必要があります。

たとえば、次の例は<taskdef>の定義方法として不適切です。

<taskdef id="ant-contrib" resource="net/sf/antcontrib/antcontrib.properties"/>

次の例は<taskdef>の定義方法として適切です。

<taskdef id="ant-contrib" resource="net/sf/antcontrib/antcontrib.properties" classpath="${ant.home}\lib\ant-contrib.jar"/>

8.2.4 WLSTからのハーベスタの起動

WLST (WebLogic Scripting Tool)は、システム管理者がWebLogic Serverインスタンスを管理するために使用できるコマンド行スクリプト・インタフェースです。WLSTでは、Oracle Service Bus 10gおよびSOA Suite 11gがサポートされています。WLSTの詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。ハーベスタをWLSTから起動すると、デプロイメント時にすべてのデプロイメント情報がOracle Enterprise Repositoryに格納されます。ハーベスタをWLSTから起動するには、次の手順を実行します。

  1. ハーベスタのインストール・フォルダにあるoer.pyファイルを<BEA_HOME>\wlserver\common\wlst\libディレクトリにコピーします。

  2. コマンド・ウィンドウで、次のコマンドを入力します。

    • WLSTクラスパスを初期化します。<BEA_HOME>\wlserver\server\bin\setWLSEnv.cmdを実行します。

    • ハーベスタ・クラスパスを初期化します。<harvester>フォルダに移動し、<harvester>\setenv.batを実行します。

    • WLSTを起動します。java weblogic.WLST<scriptname>を実行します。

  3. WLSTをantから起動するには、次の手順を実行します。

    • コマンド・プロンプトで、cdコマンドを使用して<harvester>ディレクトリに移動します。

    • runant.bat -f<antscriptname>を入力します。このantスクリプトによりantの<java>タスクを使用してweblogic.WLST javaクラスが起動されます。

    • <java>タスクでは、fork=trueに設定する必要があります。

    • <java>タスクには、環境のCLASSPATHが含まれている必要があります(runant.batによりハーベスタ・クラスを扱うようにCLASSPATHが設定されます)。

    • <java>タスクでは、WLSTスクリプトで参照されているライブラリをクラスパスに追加する必要もあります。

    次に、antスクリプトの例を示します。

    <property environment="env"/> 
    <target name="harvest"> 
    <java classname="weblogic.WLST" fork="true">
    <arg line="${domain.import.script}"/>
    <arg line="${import.config.file}"/>
    <classpath refid="extra.class.path"/> <!--extra jars used by WLST script, e.g.
     OSB jars-->
    <classpath path="${env.CLASSPATH}"/>
    </java>
    </target>
    

    oer.harvest()メソッドは、1つの引数としてコマンド行パラメータのディクショナリを受け取ります。これらのパラメータはハーベスタのコマンド行から使用できるものと同じです。

    ハーベスタをコマンド行から使用する方法の詳細は、8.2.2.2項「コマンド行で収集するアーティファクトの選択」を参照してください。

    次に、使用方法の例を示します。

    argMap = {}
    argMap['-harvester_home'] = '.'
    argMap['-bea_home'] = 'c:/bea'
    argMap['-remote_url'] = 'http://mywlsserver:7001'
    argMap['-remote_username'] = 'admin'
    argMap['-remote_password'] = '*****'
    //To ensure security, the password must be encrypted.
    //The password encryption tool (encrypt.bat/encrypt.sh) allows you to encrypt
    // the passwords that are stored in the Harvester configuration
    // (HarvesterSettings.xml) file.
    argMap['-remote_server_type] = 'SOASuite'
    argMap['-remote_project] = 'MySOAComposite_rev1.0'
    argMap['-soa_partition'] = 'department1'
    oer.harvest(argMap)
    

    -harvester_home引数では、ハーベスタがインストールされている場所を指定する必要があります。-bea_home引数は、Oracle Service Busから収集する場合に必要になります。

8.2.5 実行時収集の詳細

アセットが開発環境からテスト環境、ステージング環境および本番環境へと移るときに、これらのアセットをOracle Enterprise Repositoryに収集し、Oracle Enterprise Repositoryに最新のエンドポイントが含まれるようにすることができます。Oracle Enterprise Repositoryでは、新しいエンドポイントが既存のアセットに関連付けられます。アセットがそのライフサイクル内を移動する際にWSDLが変更された場合は、更新版のWSDLもOracle Enterprise Repository内の既存のアセットに関連付けられます。

この項では、様々なサーバーの実行時収集について詳しく説明します。この項には次のトピックが含まれます:

8.2.5.1 Oracle SOA Suiteサーバーからの収集

Oracle SOA Suiteサーバーから収集する場合は、次のWLSセキュリティ・ロールが必要です。

  • 管理

  • オペレータ

  • モニター

-remote_urlパラメータでは、soa-infra管理対象サーバーのポートを指定する必要があります。Oracle SOA Suiteでのデフォルト値は8001です。

soa-infra管理対象サーバーが稼働中である必要があります。収集はリモート収集の一環としてMDSデータベースに接続します。MDSデータベースが稼働しており、収集を実行しているマシンからアクセス可能である必要があります。

SSL/HTTPプロトコルがサポートされています。ハーベスタはt3プロトコルを介してサーバーMBeansに接続します。

ハーベスタにより、実行時サーバーから収集されたアセットのDeployment URIプロパティに、-remote_urlの値が自動的に保存されます。

次に、Oracle SOA Suite 12cサーバーから収集する場合の例を示します。

harvest.bat -remote_url mysoasuiteserver:8001 -remote_username weblogic -remote_server_type SOASuite -remote_project MyComposite_rev1.0 -soa_partition default

次に、Oracle SOA Suite 11gサーバーから収集する場合の例を示します。

harvest.bat -remote_url mysoasuiteserver:8001 -remote_username weblogic -remote_server_type SOASuite11g -remote_project MyComposite_rev1.0 -soa_partition default

セキュリティを確実にするために、パスワードはコマンド行では渡さず、暗号化する必要があります。Oracle Enterprise Repositoryおよびリモート・サーバーのパスワードを設定する唯一の方法は、ハーベスタ構成(HarvesterSettings.xml)ファイルにパスワードを格納することです。パスワード暗号化ツール(encrypt.bat/encrypt.sh)を使用すると、ファイルに格納されているパスワードを暗号化できます。パスワードの暗号化の詳細は、第12章「パスワードの暗号化」を参照してください。

Oracle SOA Suiteサーバーには、実行時にコンポジットをさらにカテゴリ分けするためのパーティションも実装されています。そのため、ハーベスタでコンポジット名とともに、使用するパーティションを選択できます。HarvesterSettings.xmlファイル内のパラメータ名はsoaPartitionです。次に、HarvesterSettings.xmlファイルの例を示します。

<remoteQuery>
       <serverType>SOASuite</serverType>
       <projectName>MyComposite_rev1.0</projectName>
       <uri>http://remotehost:8001/</uri>
       <credentials>
         <user>weblogic</user>
         <password>password</password>
       </credentials>
       <soaPartition>partition_name</soaPartition>
</remoteQuery>

注意:

Oracle SOA Suite 11gの場合は、<servertype>要素をSOASuite11gに設定する必要があります。さらに、Oracle SOA Suite 11gサーバーから収集する場合は、-remote_server_type SOASuite11gコマンド行引数の指定も必要です。


注意:

パーティションは、バージョン11g R1 PS2以上のSOAサーバーでのみ使用してください。PS2より前のバージョンを使用している場合は、soaPartition要素をコメント化してください。

デフォルトでは、ハーベスタは、defaultに設定されたpartition_nameオプションを使用して収集します。指定されていない場合、SOAデプロイメントにより、パーティションdefaultがすぐに使用できます。


クラスタ内のSOA Suiteコンポジットの収集

OHSサーバーは、Web層ラベルの一部としてミドルウェア・ホームにデプロイされ、このミドルウェア・ホーム内に構成されているドメインにも関連付けられます。

一般に多くのURIがOHSサーバーのmod_wl_2x.so HTTPサーバー・モジュールに割り当てられます。次に、その一部を示します(OHS mod_wl_ohs.confファイルの抜粋であり、外部使用を目的として汎用的に示すために変更されています)。

LoadModule weblogic_module

"/opt/Oracle/Middleware/wlserver_10.3/server/plugin/linux/x86_64/mod_wl_22.so"
<IfModule weblogic_module>
    ConnectTimeoutSecs 10
    ConnectRetrySecs 2
    Debug ALL
    WLLogFile /tmp/weblogic.log
    DebugConfigInfo ON
    WLSocketTimeoutSecs 2
    WLIOTimeoutSecs 300
    Idempotent ON
    FileCaching ON
    KeepAliveSecs 20
    KeepAliveEnabled ON
    DynamicServerList ON
    WLProxySSL OFF
</IfModule>
<Location /soa-infra>
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicCluster slc01ese.example.com:23049,wls02.example.com:15980
</Location>
<Location  ~ "/bea_wls_internal/iiop/Client*">
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicCluster wls01.example.com:23049,wls02.example.com:15980
</Location>
<Location  ~ "/bea_wls_internal/HTTPClnt*">
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicCluster wls01.example.com:23049,wls02.example.com:15980
</Location>
<Location /console>
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicHost wls01.example.com
    WebLogicPort 19617
</Location>
<Location /em>
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicHost wls01.example.com
    WebLogicPort 19617
</Location>
<Location /bea_wls_internal>
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicHost wls01.example.com
    WebLogicPort 19617
</Location>
<Location /jndi>
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicHost wls01.example.com
    WebLogicPort 23049
</Location>
<Location /HTTPClnt>
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicHost wls01.example.com
    WebLogicPort 23049
</Location>

このような特殊なURIパターンを使用すると、JMSリクエストやJMXリクエストをOHS WebLogicモジュールを介してルーティングできます。

これらは、コードに独自に適用した変更を除き、SOAクラスタ・インストールに適用されている唯一のカスタマイズです。

8.2.5.2 WebLogic ServerからのWebサービスの収集

WebLogic Serverから収集する場合は、WebLogic Serverセキュリティ・ロールは不要です。

-remote_urlパラメータは、WLS管理サーバーのポートを指している必要があります。Weblogicでのデフォルト値は7001です。WLS管理サーバーが稼働中である必要があります。SSL/HTTPプロトコルがサポートされています。ハーベスタはt3プロトコルを介してサーバーMBeansに接続します。

ハーベスタにより、実行時サーバーから収集されたアセットのDeployment URIプロパティに、-remote_urlの値が自動的に保存されます。

8.2.5.3 Oracle Service BusからのWebサービスの収集

Oracle Service BusからWebサービスを収集する場合は、WLSセキュリティ・ロール「管理」が必要です。

Oracle Service Bus 12cサーバーからWebサービスを収集する場合は、OSBハーベスタを使用する必要があります。OSBハーベスタは<FMW_HOME>/oer/tools/osbharvesterディレクトリにインストールされています。

OSBハーベスタは、コマンド行からosb-harvest.batまたはosb-harvest.shユーティリティを使用して実行できます。OSBハーベスタの構成の詳細は、8.2.2項「コマンド行用のハーベスタの構成」を参照してください。

Service Bus 11gサーバーから単純でないアセットを収集する場合は、Service Bus 11gに付属のハーベスタを使用できます。次のノートでは、Service Bus 11gサーバーから単純なモデルAPIアセット(表8-4で示すように、simple_modelプロパティを設定することから生じる)を収集するプロセスを説明します。


注意:

osb-harvest.bat/.shユーティリティを使用してService Bus 11gサーバーから単純モデル・アセットを収集する場合、Service Bus 12cがインストールされている同じミドルウェア・ホームからService Busハーベスタを実行する必要があります。Service Busサーバーが11gであっても、ハーベスタにはService Bus 12cライブラリが必要です。これを実行するには様々な方法がありますが、最も簡単な方法は、Service Busハーベスタを既存のService Bus 12cサーバーにコピーすることです。

Service Bus 12cが別のクライアントまたは別のミドルウェア・ホームにインストールされている場合、この場所を記述するsetenv.shまたはsetenv.batスクリプトを更新できます。


-remote_urlパラメータは、Oracle Service Busドメイン用のWLS管理サーバーのポートを指している必要があります。Weblogicでのデフォルト値は7001です。WLS管理サーバーが稼働中である必要があります。SSL/HTTPプロトコルがサポートされています。ハーベスタはt3プロトコルを介してサーバーMBeansに接続します。

ハーベスタにより、実行時サーバーから収集されたアセットのDeployment URIプロパティに、-remote_urlの値が自動的に保存されます。

次に、Oracle Service BusからWebサービスを収集する場合の例を示します。

osb-harvest.bat -remote_url myosbserver:7001 -remote_username weblogic -remote_server_type OSB -remote_project MyOSBProject

セキュリティを確実にするために、パスワードはコマンド行では渡さず、暗号化する必要があります。Oracle Enterprise Repositoryおよびリモート・サーバーのパスワードを設定する唯一の方法は、ハーベスタ構成(HarvesterSettings.xml)ファイルにパスワードを格納することです。パスワード暗号化ツール(encrypt.bat/encrypt.sh)を使用すると、ファイルに格納されているパスワードを暗号化できます。パスワードの暗号化の詳細は、第12章「パスワードの暗号化」を参照してください。

8.2.5.4 デプロイ済サービスの収集

SOA SuiteおよびService BusからのAPIの収集に加えて、デプロイ済WSDLファイルへのURLを使用してデプロイ済サービスを収集することもできます。次の例では、インターネットから気象サービスを収集しています。

./harvest.sh -file "http://example.com/WeatherWebService/Weather.asmx?WSDL"

このメソッドを使用すると、Oracle API Gateway (OAG)からセキュアなエンドポイントを収集できます。OAGからWSDL URLを取得するには、Webサービスのサービス・ハンドラで、WSDLのタブにあるゲートウェイからクライアントへのWSDLの公開を許可するチェック・ボックスを選択し、OAG Policy Studioからクライアントに対してWSDLが公開されるようにします。

8.2.6 オプションのハーベスタ構成の実行

<Harvester Home>ディレクトリにあるXMLファイルHarvesterSettings.xmlでは、さらに次の構成設定をオプションで変更できます。

  • <harvesterDescription>: 実行する収集に関する説明です。この情報は、Oracle Enterprise Repositoryに作成されたアセットのハーベスタ・プロパティに格納されます。

  • <harvesterVersion>: 実行する収集のバージョンです。この情報は、Oracle Enterprise Repositoryに作成されたアセットのハーベスタ・プロパティに格納されます。

  • <namespace>: 収集中に作成された抽象(非アーティファクト) Oracle Enterprise Repositoryアセットに追加されるネームスペースです。ネームスペースは重複検出で使用されます。空のままにした場合は、Oracle SOA SuiteおよびOracle Service Busプロジェクトからの情報に基づいて設定されます(使用可能な場合)。一般的にはそれがベスト・プラクティスであるため、独自にオーバーライドする場合は注意してください。

  • <workDir>: zipファイルやjarファイルの解凍先となる一時ディレクトリです。デフォルトでは、システムの一時ディレクトリが使用されます。

  • <triggerEvent>: ワークフローで使用されるOracle Enterprise Repositoryイベントの状態です。trueにした場合は、ワークフローで使用されるOracle Enterprise Repositoryイベントがトリガーされます。

ハーベスタ・プロパティの詳細は、A.7項「ハーベスタ・プロパティ」を参照してください。

8.2.6.1 Oracle Metadata ServiceのURL

ハーベスタでは、OracleのMDS (Metadata Service)からのファイルの読取りがサポートされています。MDSは、SOA Suite 11gでSOA Suiteフレームワーク・スキーマ、共有ポリシー、デプロイ済コンポジットなどの共有データを格納するために使用されます。

Oracle MDSファイルはoramds: URLプロトコルを介して参照されます。ハーベスタには、MDSへの接続を構成するためのadf-config.xmlファイルが用意されています。このファイルは、JDeveloperでフレームワーク・スキーマ用に使用されているローカルMDSストアを指すことができます。また、デプロイ済コンポジット、共有ポリシーおよびフレームワーク・スキーマにアクセスするためにリモートMDSストアを指すこともできます。ハーベスタに付属のadf-config.xmlファイルには、両方の使用例が含まれています。

ローカルMDSの場合、adf-config.xml内のmetadata-pathプロパティを変更し、JDeveloperがインストールされている場所に合うように値を設定します。リモートMDSの場合、adf-config.xml内のfile store (JDev)というセクションをコメント化し、DB store (SOA Suite server)というセクションを非コメント化します。また、Oracle SOA SuiteサーバーのMDSデータベースを指すようにjdbc-urljdbc-useridおよびjdbc-passwordプロパティを変更します。

次の例に示すように、コマンド行から収集することもできます。

harvest.bat -file oramds:/policies/oracle/wsmtom_policy

Oracle JDeveloper 11gは、MDS内のコンテンツを表示できるブラウザベースのアプリケーションです。JDeveloperで、「ファイル」「新規」の順にクリックします。「新規ギャラリ」ダイアログで、「接続」SOA-MDS接続の順にクリックして、MDS接続を表示します。

また、HarvesterSettings.xmlまたはハーベスタのantタスクの<mdsSettingsFile>要素を使用すると、ハーベスタが別のadf-config.xmlファイルを指すようにすることもできます。

MDSの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のOracle ADF XMLファイルに関する項を参照してください。

8.2.6.2 クラスパスURL

ハーベスタでは、javaクラスパスからのファイルの読取りがサポートされています。これらのファイルはclasspath: URLプロトコルを介して参照されます。これらのファイルは、ハーベスタのクラスパスにあるjarファイルまたはディレクトリ内にあります。たとえば、classpath:/META-INF/wsdl/ServiceException.wsdlです。

8.2.7 ハーベスタのロギングの構成

ハーベスタでは、log4jを使用してタスク実行が詳細にロギングされ、ログ・ファイルが<Harvester Home>ディレクトリに格納されます。ロギング・オプションを変更するには、<Harvester Home>ディレクトリにあるlog4fl.propertiesファイルを更新します。

8.2.8 ハーベスタでのトランザクション処理

デフォルトでは、ハーベスタによるOracle Enterprise Repositoryに対するすべての変更が単一のトランザクションで行われます。ハーベスタ機能でのトランザクション操作は次のルールに従います。

  • Oracle Enterprise Repository 12cサーバーでは、一度に1つのトランザクションのみがサポートされます。トランザクションを開始できない場合は、ハーベスタから通知されます。

  • トランザクションには一連のタイムアウトが関連付けられます。タイムアウトを超えると、ハーベスタ操作が停止されます。

    • 設定cmee.extframework.impexp.monitor.rex.maxidleでは、クライアントとの接続が失われた場合にトランザクションが維持される最長時間を指定します。これにより、クライアント側のハーベスタ・プロセスが中断された場合にトランザクションを取り消すことができます。

    • 設定cmee.extframework.impexp.monitor.maxruntimeでは、トランザクション全体に許容される最長時間を指定します。

    単一の操作がcmee.extframework.impexp.monitor.rex.maxidle (maxidle)の設定を超え、後続の操作がすべて失敗する可能性があります。その場合、ログ内の最後のエラーとして「トランザクションが開始されていないため、ロールバックしようとしたときにエラーが発生しました」が記録されます。これは、文がmaxidleを超えたときにトランザクションが自動的にロールバックしましたが、クライアント・アプリケーションが強制ロールバックを試行したときにはトランザクションがもう存在しておらず、エラーを検出したことが原因です。結果として、ハーベスタ操作によるデータは、Oracle Enterprise Repositoryに追加されません。

8.2.9 拡張構成

この項では、ハーベスタの拡張構成オプションについて説明します。

アダプタおよびアプリケーション

ハーベスタには、サポート対象とするアダプタ・アセットおよびアプリケーション・アセットを制御するための構成ファイルadapters.xmlが用意されています。構造は次のとおりです。

  • adapter

    <adapter name="AQ Adapter" 
     jcaSpecBinding="oracle.tip.adapter.aq.inbound.AQDequeueActivationSpec"/>
    <adapter name="AQ Adapter"
     jcaSpecBinding="oracle.tip.adapter.aq.outbound.AQEnqueueInteractionSpec"/>
    <adapter name="PeopleSoft Adapter" 
     jcaSpecBinding="com.ibi.afjca.cci.IWAFInteractionSpec"
     jcaCSAdapterName="PeopleSoft"/>
    <adapter name="PeopleSoft Adapter"
     namespace="http://xmlns.oracle.com/Enterprise/"/>
    <adapter name="PeopleSoft Adapter" namespace="http://peoplesoft.com/"/>
    
  • adapterAsset

    <adapterAsset name="AQ Adapter">
    </adapterAsset>
    <adapterAsset name="PeopleSoft Adapter" applicationName="PeopleSoft
     Application">
    </adapterAsset>
    

    adapterAsset要素は、Oracle Enterprise Repositoryに存在するアダプタ・アセットまたはアプリケーション・アセット(あるいはその両方)に対応している必要があります。ハーベスタでは、アダプタ・アセットまたはアプリケーション・アセットは作成されません。これらは、Oracle Enterprise Repositoryソリューション・パックからインポートするか、Oracle Enterprise Repositoryで手動で作成する必要があります。12.1.3.0.0-OER-Harvester-Solution-Pack.zipには、デフォルトのadapters.xmlファイルに構成されているすべてのアダプタ・アセットおよびアプリケーション・アセットが含まれています。各adapter要素は、作成されるアダプタ構成アセットまたはアプリケーション・デプロイメント・アセット(あるいはその両方)を示しています。name属性は、対応するadapterAsset要素の名前と一致している必要があります。各adapter要素には、jcaSpecBinding属性またはnamespace属性のいずれかが存在する必要があります。

  • jcaSpecBinding

    jcaSpecBinding属性は、Oracle SOA Suiteにより作成されるWSDLにあるJCA interactionSpecまたはactivationSpecクラスの完全修飾クラス名に対応しています。jcaSpecBindingが存在する場合は、アダプタ構成アセットが作成されます。


    注意:

    対応するadapterAsset要素にapplicationName属性が存在する場合は、アプリケーション・デプロイメント・アセットも作成されることがあります。

  • jcaCSAAdapterName

    jcaCSAAdapterName属性はオプションです。JCA interactionSpec/activationSpecのみではアダプタ・タイプを十分に識別できない場合に指定できます。指定する場合は、WSDLのjca:addressセクションにあるcs.AdapterName属性と一致している必要があります。

  • namespace

    namespace属性は、Oracle BSEフレームワークを使用してOracle SOA Suiteにより作成されたWSDLのtargetNamespaceに対応しています。namespaceが存在する場合は、アダプタ構成アセットは作成されず、アダプタ・デプロイメントのみが作成されます。

    アダプタまたはアプリケーションに可能性のあるJCAクラスまたはXMLネームスペースが複数存在する場合は、複数のadapter要素が1つのadapterAssetに対応していることがあります。各adapterAsset要素は、作成されるアダプタ・アセットまたはアプリケーション・アセット(あるいはその両方)を示しています。name属性は、対応するadapter要素の名前と一致している必要があります。Oracle Enterprise Repositoryには、adapterAsset要素ごとに1つのアダプタ・アセットまたはアプリケーション・アセット(あるいはその両方)が作成されます。

  • applicationName

    applicationName属性が存在する場合は、アプリケーション・アセットの作成も必要であることを示しています。各プロパティ要素によって、指定されたデータが、作成されるアダプタ・アセットのハーベスタ・プロパティ・セクションに設定されます。

ハーベスタ・プロパティの詳細は、A.7項「ハーベスタ・プロパティ」を参照してください。

8.3 アーティファクトの収集

この項では、ハーベスタを構成し、統合開発環境内で使用する方法について説明します。

この項には次のトピックが含まれます:

8.3.1 アーティファクトの収集

メタデータは、コマンド行またはAntタスクを使用してOracle Enterprise Repositoryに発行できます。

ハーベスタによりアーティファクトがスキャンおよび収集され、それらのアーティファクト間の依存関係が検出されます。次の項では、アーティファクトについて説明します。

ハーベスタによりこれらのアーティファクトのエンティティがOracle Enterprise Repositoryに作成され、それらの間のリレーションシップが確立されます。

Oracle Enterprise Repositoryに作成されたアーティファクトは、作成されたアセットのファイル情報に格納されます。収集されたアーティファクトがローカルに格納される場合は、Oracle Enterprise Repositoryに物理ファイルが格納されます。それに対し、収集されたファイルがリモートに格納される場合(http://)、Oracle Enterprise Repositoryは、そのアーティファクトのURLの場所を指します。収集されたアーティファクトのうちローカルに格納されたものは、デフォルトではExchange UtilityによりOSRに公開されません。リモートに格納されたアーティファクトのみが公開されます。

図8-3に、ハーベスタにより作成されるアセット・タイプとそれらのアセット間のリレーションシップを示します。また、図8-4に、アセット・モデル図の例を示します。


注意:

リレーションシップ・ロール名は、プライマリ・ロール、セカンダリ・ロールの順に示されています。

それに続く図では、プライマリ・ロールが各矢印の始点に、セカンダリ・ロールが各矢印の終点に配置されています。


図8-3 ハーベスタにより作成されるアセット・タイプ

図8-3の説明が続きます
「図8-3 ハーベスタにより作成されるアセット・タイプ」の説明

8.3.1.1 BPEL

BPELアーティファクトがOracle Enterprise Repositoryに発行されると、Oracle Enterprise Repositoryで次の処理が行われます。

  • ビジネス・プロセス・アセット(タイプBusiness Process:BPEL)がタイプArtifact:BPELのアーティファクト・アセットに直接関連付けられます。

  • BPELアーティファクト・コンテンツを含むBPELアーティファクト・アセット(タイプArtifact:BPEL)が作成されます。

  • Defined byリレーションシップを使用して、ビジネス・プロセスがBPELアーティファクト・アセットに関連付けられます。

  • BPELフロー内の各パートナ・リンクについて、ビジネス・プロセスがインタフェース・アセット(タイプInterface)にも関連付けられます。

  • BPELアーティファクト・アセットがWSDLアーティファクト・アセットおよびXSLTアーティファクト・アセット(フロー内で変換が行われた場合)に関連付けられます。これらのWSDLには、ビジネス・プロセスのパートナ・リンクおよびエントリ・ポイントの定義が含まれています。

図8-4 アセット・モデル

図8-4の説明が続きます
「図8-4 アセット・モデル」の説明

8.3.1.2 WSDL

WSDLアーティファクトがOracle Enterprise Repositoryに発行されると、Oracle Enterprise Repositoryで次の処理が行われます。

  • WSDLにサービスが含まれている場合は、サービス・アセット(タイプService)が作成されます。

  • ポート・タイプに対してインタフェース・アセット(タイプInterfaces)が作成されます。

  • Contains interfaceリレーションシップを使用して、サービスがインタフェース・アセットに関連付けられます。

  • ポートに対してエンドポイント・アセットが作成されます。

  • Deployed toリレーションシップを使用して、サービス・アセットがエンドポイント・アセットに関連付けられます。

  • WSDLアーティファクト・コンテンツを含むWSDLアーティファクト・アセット(タイプArtifact:WSDL)が作成されます。

  • WSDLアーティファクトによりWSDLがインポートされ、XSDがインポートされるか含まれている場合は、Referencesリレーションシップを使用してそれらのWSDLおよびXSDアーティファクト・アセットに関連付けられます。

8.3.1.3 WADL

WADLアーティファクトがOracle Enterprise Repositoryに発行されると、Oracle Enterprise Repositoryで次の処理が行われます。

  • WADLにサービスが含まれている場合は、サービス・アセット(タイプService)が作成されます。

  • ポート・タイプに対してインタフェース・アセット(タイプInterfaces)が作成されます。

  • Contains interfaceリレーションシップを使用して、サービスがインタフェース・アセットに関連付けられます。

  • ポートに対してエンドポイント・アセットが作成されます。

  • Deployed toリレーションシップを使用して、サービス・アセットがエンドポイント・アセットに関連付けられます。

  • WADLアーティファクト・コンテンツを含むWADLアーティファクト・アセット(タイプArtifact:WADL)が作成されます。

  • WADLアーティファクトによりWSDLがインポートされ、XSDがインポートされるか含まれている場合は、Referencesリレーションシップを使用してそれらのWSDLおよびXSDアーティファクト・アセットに関連付けられます。

8.3.1.4 XSD

XSDアーティファクトがOracle Enterprise Repositoryに発行されると、Oracle Enterprise Repositoryで次の処理が行われます。

  • XSDアーティファクト・コンテンツを含むXSDアーティファクト・アセット(タイプArtifact:XSD)が作成されます。

  • XSDアーティファクトによりXSDがインポートされるか含まれている場合は、Referencesリレーションシップを使用してそれらのXSDアーティファクト・アセットに関連付けられます。

8.3.1.5 XSL

XSLアーティファクトがOracle Enterprise Repositoryに発行されると、Oracle Enterprise Repositoryで次の処理が行われます。

  • XSLアーティファクト・コンテンツを含むXSLアーティファクト・アセット(タイプArtifact:XSL)が作成されます。

  • XSLアーティファクトにより変換のソースおよびターゲットとしてXSDおよびWSDLが参照されている場合は、Referencesリレーションシップを使用してそれらのXSDおよびWSDLアーティファクト・アセットに関連付けられます。

8.3.1.6 Oracle SOA Suiteの収集

この項では、Oracle SOA Suiteプロジェクトの収集について説明します。

  • コンポジット: Oracle SOA Suiteプロジェクト・フォルダまたはcomposite.xmlファイルがイントロスペクトされると、Oracle Enterprise Repositoryで次の処理が行われます。

    • コンポジット・アセットが作成されます。

    • コンポジットによってサービスが公開されている場合は、Oracle Enterprise Repositoryにコンポジット・サービス・アセットが作成されます。これらは、Sync-ExposesServiceリレーションシップを使用してコンポジットに関連付けられます。

    • コンポジットによって参照が公開されている場合は、Oracle Enterprise Repositoryにコンポジット参照アセットが作成されます。これらは、Sync-ExposesReferenceリレーションシップを使用してコンポジットに関連付けられます。

    • composite.xmlファイルは、Artifact: Compositeタイプのアセットになり、Sync-Definesリレーションシップを使用してコンポジットに関連付けられます。

  • コンポジット・デプロイメント: Oracle SOA Suiteプロジェクト・フォルダまたはcomposite.xmlファイルがイントロスペクトされると、Oracle Enterprise Repositoryで次の処理が行われます。

    • コンポジット・デプロイメント・アセットが作成されます。

    • コンポジット・デプロイメントによってサービスが公開されている場合は、Oracle Enterprise Repositoryにコンポジット・デプロイメント・サービス・アセットが作成されます。これらは、Sync-ExposesServiceリレーションシップを使用してコンポジット・デプロイメントに関連付けられます。

    • コンポジットによって参照が公開されている場合は、Oracle Enterprise Repositoryにコンポジット・デプロイメント参照アセットが作成されます。これらは、Sync-ExposesReferenceリレーションシップを使用してコンポジット・デプロイメントに関連付けられます。

    • コンポジット・デプロイメントは、Deployment-Deploysリレーションシップを使用してコンポジットに関連付けられます。

  • コンポーネント・レベルのアーティファクト: 次のコンポジット・コンポーネントが作成され、Sync-Containsリレーションシップを使用してコンポジットに関連付けられます。

    • BPELプロセスが存在する場合は、Business Process:BPELアーティファクトが作成されます。

      • これはSync-Definesリレーションシップを使用してArtifact:BPELアーティファクトに関連付けられます。これは依存アーティファクトに関連付けられます(8.3.1.1項「BPEL」を参照)。

    • メディエータが存在する場合は、サービス・タイプ属性がMEDIATORに設定されたサービス・アセットが作成されます。

      • これはSync-Definesリレーションシップを使用してArtifact:MPlanアーティファクトに関連付けられます。これはArtifact-Referencesリレーションシップを使用して依存Artifact:XSLTアーティファクトに関連付けられます。

      img_mediator.gifの説明が続きます
      図img_mediator.gifの説明

    • ヒューマン・タスクが存在する場合は、ヒューマン・タスク・アセットが作成されます。

      • これはSync-Definesリレーションシップを使用してArtifact:Taskアーティファクトに関連付けられます。これはArtifact-Referencesリレーションシップを使用して依存Artifact:XSDアーティファクトに関連付けられます。

        img_hutask.gifの説明が続きます
        図img_hutask.gifの説明

    • ビジネス・ルールが存在する場合は、ビジネス・ルール・アセットが作成されます。

      • これはSync-Definesリレーションシップを使用してArtifact:Decsアーティファクトに関連付けられます。これはArtifact-Referencesリレーションシップを使用して依存Artifact:Rulesアーティファクトに関連付けられます。Artifact:Rulesアーティファクトは、Artifact-Referencesリレーションシップを使用して依存Artifact:XSDアーティファクトに関連付けられます。

        img_busrule.gifの説明が続きます
        図img_busrule.gifの説明

    • Springコンテキスト・コンポーネントが存在する場合は、Springコンテキスト・アセットが作成されます。

      • これはSync-Definesリレーションシップを使用してArtifact:SpringBeansアーティファクトに関連付けられます。これは"Artifact-References"リレーションシップを使用して他のArtifact:SpringBeansアーティファクトに関連付けられます。

        img_spring.gifの説明が続きます
        図img_spring.gifの説明

  • コンポーネント・レベルのリレーションシップ:

    • コンポーネントによってコンポーネント・サービスが提供されている場合は、インタフェース・アセットが作成されます。これはBPEL-Entry pointリレーションシップを使用してコンポーネント・レベルのアセットに関連付けられます(メディエータについては例外で、Service-Interfaceリレーションシップを使用して関連付けらます)。

      • composite.xml<interface.ws>と定義されている場合は、サービスはインタフェース・アセットに関連付けられます。composite.xml<interface.java>と定義されている場合は、サービスはインタフェース・タイプ属性がJavaに設定されたインタフェースに関連付けられます。

      • コンポーネント・サービスがコンポジット・レベルにプロモートされると、サービス・アセットはComposite-Promotesリレーションシップを使用して対応するコンポジット・サービス・アセットに関連付けられます。

      • コンポーネント・サービスでWebサービスまたはWSIFバインディングが使用されるようにcomposite.xmlに定義されている場合は、エンドポイントWebサービス・アセットが作成されます。この場合、バインディング・タイプ属性がWeb ServiceまたはWSIFに設定されます。サービスがプロモートされると、これはComposite-Promotesリレーションシップを使用してコンポジット・デプロイメント・サービス・アセットに関連付けられます。

      • コンポーネント・サービスでEJBまたはADFバインディングが使用されるようにcomposite.xmlに定義されている場合は、エンドポイント・アセットが作成されます。この場合、バインディング・タイプ属性がADF ServiceまたはEJB Serviceに設定されます。サービスがプロモートされると、これはComposite-Promotesリレーションシップを使用してコンポジット・デプロイメント・サービス・アセットに関連付けられます。

      • コンポーネント・サービスでJCAまたはB2Bアダプタが使用される場合は、アダプタ構成アセットが作成されます。JCAアダプタの場合、これは対応するArtifact: JCAアセットに関連付けられます。これは対応するアダプタ・アセットに関連付けられます。サービスがプロモートされると、アダプタ構成はComposite-Promotesリレーションシップを使用してコンポジット・デプロイメント・サービス・アセットに関連付けられます。

    • コンポーネントでプロモートされないコンポーネント参照が使用されている場合は、インタフェース・アセットが作成されます。コンポーネント参照に対しては新しいサービスは作成されません。ただし、対応するサービス・アセットがOracle Enterprise Repositoryまたは現在のイントロスペクションにすでに存在する場合は、コンポーネント参照に関連付けられます。このルールにより、参照プロジェクトとそれを公開するプロジェクトの両方のネームスペースにサービス・アセットが重複して作成されることがなくなります。これはPartner-Link pointリレーションシップを使用してコンポーネント・レベルのアセットに関連付けられます(メディエータについては例外で、Service-Frontsリレーションシップを使用して関連付けらます)。

      • プロモートされるコンポーネント参照については、対応するサービス・アセットがOERに存在する場合は、そのサービス・アセットがComposite-Promotesリレーションシップを使用して対応するコンポジット参照アセットに関連付けられます。

      • デプロイ済のプロモートされるコンポーネント参照でWebサービスまたはWSIFバインディングが使用されており、対応するエンドポイントWebサービスがOERに存在する場合は、それがComposite-Promotesリレーションシップを使用してコンポジット・デプロイメント参照アセットに関連付けられます。

      • デプロイ済のプロモートされるコンポーネント参照でADFまたはEJBバインディングが使用されており、対応するエンドポイントがOERに存在する場合は、それがComposite-Promotesリレーションシップを使用してコンポジット・デプロイメント参照アセットに関連付けられます。

      • デプロイ済のプロモートされるコンポーネント参照でJCAまたはB2Bアダプタが使用されており、対応するアダプタ構成アセットがOERに存在する場合は、それがComposite-Promotesリレーションシップを使用してコンポジット・デプロイメント・サービス・アセットに関連付けられます。

8.3.1.7 JCAアダプタ

JCAアダプタ拡張を使用するOracle SOA SuiteまたはOracle Service BusからWSDLが収集されると、Oracle Enterprise Repositoryで次の処理が行われます。

  • ハーベスタのadapters.xmlファイルに構成されているアダプタ・アセットがOracle Enterprise Repository内で検索されます。

  • 特定のサービスで使用されているバインディングおよび接続情報を含むアダプタ構成アセットが作成されます。

    • アダプタ・アセットに関連付けられます。

    • アダプタ構成を使用しているサービス・アセットに関連付けられます。

  • ハーベスタのadapters.xmlファイルに構成されているアプリケーション・アセットがOracle Enterprise Repository内で検索されます。

    • アプリケーション・アセットは、次のすべてのアダプタに対してデフォルトでサポートされています。

      • Oracle Applications (別名E-Business Suite)

      • PeopleSoft

      • Siebel

      • SAP

      • JDE One World

  • サービスにエンドポイントが存在する場合は、アプリケーション・デプロイメント・アセットが作成されます。

    • アプリケーション・アセットに関連付けられます。

    • エンドポイント・アセットに関連付けられます。

    img_adap.gifの説明が続きます
    図img_adap.gifの説明

8.3.1.8 Oracle BSE (WSDL/SOAP)を使用するアプリケーション

BSE (Business Service Engine)を使用して外部アプリケーションに接続するBPELプロセスまたはアプリケーションが収集されると、Oracle Enterprise Repositoryで次の処理が行われます。

  • ハーベスタのadapters.xmlファイルに構成されているアプリケーション・アセットがOracle Enterprise Repository内で検索されます。

  • サービスにエンドポイントが存在する場合は、アプリケーション・デプロイメント・アセットが作成されます。

    • アプリケーション・アセットに関連付けられます。

    • エンドポイント・アセットに関連付けられます。

      img_soap.gifの説明が続きます
      図img_soap.gifの説明

8.3.1.9 プロキシ・サービスまたはビジネス・サービス

プロキシ・サービスまたはビジネス・サービスがOracle Enterprise Repositoryに発行されると、Oracle Enterprise Repositoryで次の処理が行われます。

  • サービス・タイプがProxy ServiceまたはBusiness Serviceのサービス・アセットが作成されます。

  • リレーションシップContains interfaceを使用して、サービスがインタフェース・アセットに関連付けられます。

  • プロキシ・サービスまたはビジネス・サービスがOracle Service BusのWeb Serviceタイプである場合、次のようになります。

    • ポート・タイプに対してInterfaceアセットが作成されます。

    • ポートに対してEndpointアセットが作成されます。

      • これにより、Oracle Enterprise Repository Web UIの「概要」セクションにEndpointURIプロパティが表示されるようになります。

    • リレーションシップDeployed toを使用して、サービス・アセットがEndpointアセットに関連付けられます。

    • WSDLアーティファクト・コンテンツを含むWSDLアーティファクト・アセット(タイプArtifact:WSDL)が作成されます。

  • プロキシ・サービスまたはビジネス・サービスがOracle Service BusのWeb Serviceタイプではない場合、次のようになります。

    • ポート・タイプに対してインタフェース・アセットが作成されます。

    • ポートに対してエンドポイント・アセットが作成されます。

      • これにより、Oracle Enterprise Repository Web UIのハーベスタ・プロパティ・セクションにEndpointURIプロパティが表示されるようになります。ハーベスタ・プロパティの詳細は、A.7項「ハーベスタ・プロパティ」を参照してください。

    • リレーションシップDeployed toを使用して、サービス・アセットがエンドポイント・アセットに関連付けられます。

    • このサービスに関連付けられているWSDLはありません。したがって、RR-XUユーティリティを使用してUDDIと統合できません。また、Oracle Enterprise Repository Web UIのUse|Download機能やOracle Eclipse Workshopのサービス使用フレームワーク機能でWSDLを利用できません。

  • WSDLアーティファクトによりWSDLがインポートされ、XSDがインポートされるか含まれている場合は、リレーションシップReferencesを使用してそれらのWSDLおよびXSDアーティファクト・アセットに関連付けられます。

  • Frontsリレーションシップを使用して、プロキシ・サービスがその後ろにあるビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスに関連付けられます。

  • Invokesリレーションシップを使用して、ビジネス・サービスがそれによって起動される外部サービスおよびフローに関連付けられます。

  • Defined byリレーションシップを使用して、Oracle Service Busのインタフェースを定義するアーティファクト(Artifact:WSDLArtifact:XSDまたはArtifact:MFL)がインタフェース・アセットに関連付けられます。

  • "Artifact-References"リレーションシップを使用して、Oracle Service Busにサービスを実装するために使用されるアーティファクト(Artifact:XQueryArtifact:XSLTArtifact:MFLまたはArtifact:WS-Policy)がArtifact:ProxyアセットまたはArtifact:Bizアセットに関連付けられます。

8.3.1.10 Oracle Service Bus (OSB)プロジェクト

Oracle Service Busプロジェクトは、コマンド行からOracle Enterprise Repositoryに発行できます。OSBからの収集の詳細は、8.2.5.3項「Oracle Service BusからのWebサービスの収集」を参照してください。

ハーベスタによって、プロキシ・サービス、ビジネス・サービスおよびフローが処理されます。また、BPEL、WSDL、XSD、XSLT、XQuery、WS-Policy、MFLなどのアーティファクトも処理され、これらのアーティファクトが収集されてこれらの間にある依存関係が検出されます。ハーベスタによりエンティティがOracle Enterprise Repositoryに作成され、それらの間のリレーションシップが確立されます。

img_osb.gifの説明が続きます
図img_osb.gifの説明


注意:

収集時には、収集対象となるコンテンツにより適したハーベスタを使用してください。たとえば、Oracle Service Busプロジェクトを収集する場合は、Oracle Service Busハーベスタを使用してください。

8.3.1.11 BPMN

BPMNアーティファクトがOracle Enterprise Repositoryに発行されると、Oracle Enterprise Repositoryで次の処理が行われます。

  • ビジネス・プロセス・アセット(タイプBusiness Process:BPMN)がタイプArtifact:BPMNのアーティファクト・アセットに直接関連付けられます。

  • BPMNアーティファクト・コンテンツを含むBPMNアーティファクト・アセット(タイプArtifact:BPMN)が作成されます。

  • "Defined by"リレーションシップを使用して、ビジネス・プロセスがBPMNアーティファクト・アセットに関連付けられます。

8.3.2 重複するアーティファクトの検出

ハーベスタにより、WSDL、BPEL、BPMN、XSDなどのファイルに関する情報が、アーティファクトとしてOracle Enterprise Repositoryに格納されます。同じアーティファクト・ファイルが2回格納されることがないように、アーティファクトの格納時に、各アーティファクトについてSoftware File ID (SFID)が計算されます。新しいアーティファクトが発行される前に、そのSFIDがリポジトリ内の既存のSFIDと比較され、重複していないかチェックされます。

SFIDはMD5ハッシュとして計算されます。SFIDを計算する前にある程度の正規化が行われます。特に、アーティファクト・ファイルがXMLである場合は、Apache XML SecurityライブラリのCanonicalizerクラスを使用して正規化されます。この正規化は、W3C Canonical XML標準(www.w3.org/TR/xml-c14nを参照)に従って行われ、テキスト・エンコーディング、改行、空白、コメントおよび属性順序の正規化が含まれます。W3C標準に規定されていないいくつかの追加の正規化も行われます。たとえば、ネームスペース接頭辞の正規化、WSDLの要素の順序の正規化、ドキュメント要素の削除、包含/インポートされたファイルのインライン化などです。

8.3.3 収集されたアーティファクトのダウンロード

ハーベスタでは、収集されたアセットからダウンロードできるアーティファクト・バンドルが作成されます。これらのアセットのアーティファクト・バンドルはzipファイルに格納されます。たとえば、エンドポイントの場合、WSDLファイルとそれに関連付けられているXSDファイルがzipペイロード内の相対位置に格納されます。

アーティファクトが別のアーティファクトをインポートする場合(WSDLによるXSDのインポートなど)、アーティファクトは常に親アーティファクトに対して相対的な子アーティファクトを参照します。たとえば、MyWSDL.wsdlがc:\tempにあり、インポート対象の子XSDがc:\temp\schemas\MyXSD.xsdにある場合、親のMyWSDL.wsdlでは、相対パス./schemas/MyXSD.xsdを使用して子がインポートされます。バンドルのダウンロード時には、親が子を解決できるように、親に対して相対的なschemasというフォルダに子アーティファクトが作成される必要があります。

アセットの使用/ダウンロードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository開発者ガイド』のアセットの使用/ダウンロードに関する項を参照してください。

8.3.4 収集されたアセットの検索

次の2つの方法のいずれかを使用して、収集されたアセットを検索できます。

8.3.4.1 使用方法の使用

収集されたサービスを使用方法に基づいて検索できます。図8-5に示すように、基本検索セクションの使用方法リストからWSDLポートを選択すると、WSDLサマリーおよびWSDLに定義されたエンドポイントを持ち、スコープがglobalに設定されているサービスが返されます。このリストは、詳細な検索オプションでも使用できます。

図8-5 「アセット」ペイン - 使用方法

図8-5の説明が続きます
「図8-5 「アセット」ペイン - 使用方法」の説明

8.3.4.2 メタデータの使用

ハーベスタでは、問合せに使用できるプロパティが各アセットにタグ付けされます。

図8-6に、書込み操作を起動するビジネス・プロセスを問い合せる方法を示します。検索画面を表示するには、Oracle Enterprise Repository Webコンソールのメイン・ページで「詳細な検索オプション」をクリックします。詳細な検索オプション・ダイアログで、次の手順を実行します。

  • 追加基準によるフィルタ: オプションを選択します。

  • フィールドの選択: リストからinternal.introspector.storeを選択します。

  • XPathの入力: テキスト・フィールドに「/」を入力します。使用可能なフィールドのリストが表示されます。

図8-6 Oracle Enterprise Repositoryの詳細な検索オプション・ダイアログの表示

図8-6の説明が続きます
「図8-6 Oracle Enterprise Repositoryの詳細な検索オプション・ダイアログの表示」の説明

次の検索基準を指定できます。

  • ハーベスタ説明

  • ハーベスタ・バージョン

  • ハーベスタ・ネームスペース

  • 収集者

  • ビジネス・プロセスにより起動された操作

8.3.5 ハーベスタでの作成対象アセットのプレビュー

ハーベスタでは、プレビュー機能を使用して作成対象アセットを確認できます。プレビュー機能は次のいずれかの方法で使用できます。

コマンド行の使用

コマンド行またはantタスクで-preview trueを追加すると、ハーベスタが実行され、作成対象のすべてのアセットのリストが表示されます。この段階では、変更は実際にはコミットされません。

HarvesterSettings.xmlファイルの使用

HarvesterSettings.xmlファイルで次のようにプレビュー・モードを設定することもできます。

<introspection preview="true">
       <reader>com.oracle.oer.sync.plugin.reader.file.FileReader</reader>
       <writer>com.oracle.oer.sync.plugin.writer.oer.OERWriter</writer>
</introspection>

8.3.6 ベスト・プラクティス

この項では、ハーベスタを使用する際のベスト・プラクティスについて説明します。内容は次のとおりです。

8.3.6.1 収集に推奨される権限

Oracle Enterprise Repository内のすべてのアセットの表示権限を持つレジストラまたは個人のみがアセットを収集する必要があります。リポジトリ内のすべてのアセットの表示権限を持っていない場合、すでに存在するアセットを収集することにより意図せずにアセットを重複させてしまう可能性があります。

8.3.6.2 ネームスペース・パラメータのオーバーライド回避

ハーベスタには、収集対象のアセットに対してプロジェクト・ネームスペースを設定するための機能が用意されています。ネームスペースが異なればアセットも異なるため、プロジェクト・ネームスペースを使用して重複するアセットを検出できます。ほとんどの場合、このパラメータをオーバーライドすることはお薦めしません。

ただし、Oracle SOA SuiteまたはOracle Service Bus製品から収集する場合は、そのプロジェクト名に基づいてプロジェクト・ネームスペースが自動的に設定されます(推奨される動作)。

複数のソースから同じプロジェクトおよびリビジョンを収集する場合は特にこのことに従うことが重要です。ネームスペースを変更したり、オーバーライドすると、OER内のアセットが重複してしまいます。

8.3.6.3 WSDLファイル内のネームスペース

収集するWSDLファイルでは、一意のインタフェース、サービスおよびエンドポイントごとに一意のネームスペースを使用することをお薦めします。

Oracle Enterprise Repository内の既存のアセットとの相関はQNameを介して行われるため、インタフェース、サービスまたはエンドポイントの各アセットに重要な変更を加え、QNameを変更しない場合は、既存のアセットを変更後のアセットで上書きすることになります。

表8-7に、Oracle Enterprise RepositoryのアセットとWSDL構造の相関を示します。

表8-7 Oracle Enterprise RepositoryのアセットとWSDL構造の相関

リポジトリ・アセット WSDL構造

サービス

/definition/service/@name

エンドポイント

/definition/service/port/@name

インタフェース

/definition/portType/@name


8.3.6.4 完了した作業の収集

完了した作業または完了間近の作業のみを収集することをお薦めします。開発環境から定期的に収集する場合は、Oracle Enterprise Repositoryに古いバージョンのアセットが散乱する可能性があります。

Oracle Enterprise Repositoryでは、エンドポイントおよびホストされたWSDLを持つサービスのみがOracle Service Registryにプロモートされます。加えて、具象WSDLを持つサービスのみが、JDeveloperを介して使用可能です。実行時環境から収集して、エンドポイントとWSDLの場所を取得することをお薦めします。

8.3.6.5 XSDの収集およびメンテナンス・リリース

一部のスキーマ開発パターンには、不具合の修正や重要度の低い構造の追加を行うものの、スキーマのネームスペースの変更は行わないスキーマのメンテナンス・リリースが含まれます。わずかに変更されたスキーマ・アーティファクトをその後収集すると、リポジトリ内に膨大な数の新規アーティファクト・アセットが作成される可能性があることを認識しておく必要があります。Oracle Enterprise Repositoryでは、各アーティファクト・アセットはアーティファクト・コンテンツのハッシュまたはSoftware File ID (SFID)に基づいて相互に関連付けられます。SFIDは、すべてのインポートおよび包含のインライン化が終了した後で、各アーティファクト・コンテンツに対して計算されます。そのため、WSDLによってインポートされるXSDを変更した場合、新規XSDアーティファクトと新規WSDLアーティファクトの両方が作成されます。

企業全体で広範に使用されているスキーマを検討している場合は特にこの点に留意することが重要です。たとえば、他のスキーマ、WSDL、XSLT、BPELによって幅広くインポートされる下位レベル・スキーマ(customer.xsdなど)を検討します。customer.xsdに重要な変更を加え、後で企業の全アーティファクトを再収集した場合(一種の定期バッチ収集など)、customer.xsdを直接的または間接的に参照する多数の類似アーティファクト・アセットがリポジトリに作成されます。

8.3.6.6 アセット・ライフサイクル全体でのメタデータの収集

ハーベスタはアセット・ライフサイクル中のいくつかの時点で起動でき、起動するたびに異なるソースからアーティファクトおよびメタデータが収集されます。次のリストに、アセット・ライフサイクル中にハーベスタを使用してOracle Enterprise Repositoryを最新の状態に保つ方法に関する推奨事項を示します。

  1. デプロイメント時

    デプロイメント直後に、アセットをOracle Enterprise Repositoryに公開する必要があります。デプロイメント時には、本番エンドポイントが収集され、アセットのメタデータがそのエンドポイント情報で更新されます。組織には、開発、テスト、ステージングおよび本番環境をサポートしている複数のエンドポイントがある場合があります。エンドポイントは、Oracle Enterprise Repositoryに収集される際にガバナンス・プロセスを経ることもあります。たとえば、開発エンドポイントとテスト・エンドポイントはコンシューマ・コミュニティ全体に提供できますが、本番エンドポイントについては、サービス・プロバイダおよびサービス・コンシューマがサービス契約を結ぶまで提供できません。

    推奨アプローチ: デプロイメント・スクリプト(WLST、antまたはコマンド行)からハーベスタを起動します。

    デプロイメントの終了時にハーベスタを起動します。-remote_server引数を使用して、デプロイされたアーティファクトを実行中のサーバーから収集します。

  2. 実行時

    プロジェクトがデプロイされて実行されると、ランタイム・メトリックが収集されてOracle Enterprise Repositoryのアセットに関連付けられます。ランタイム・メトリックを収集するためのオプションはいくつかあります。1つ目のオプションは、EM-Integrationを使用してEnterprise Managerからランタイム・メトリックを収集し、Oracle Enterprise Repositoryを更新することです。詳細は、『Oracle Enterprise Manager Connectors統合ガイド』を参照してください。

    もう1つのオプションは、サード・パーティのランタイム監視ツールを使用してランタイム・メトリックをUDDIレジストリに公開することです。UDDIレジストリに公開されたメトリックは、Oracle Registry Repository Exchange Utilityを使用してOracle Enterprise Repositoryに伝播できます。

8.3.6.7 WSDLアーティファクトのダウンロード

Oracle Enterprise Repository内のWSDLアーティファクトを使用する場合、WSDLファイルをダウンロードできます。多くの場合、このファイルはリモートの場所にあります。また、このファイルのURLの末尾に?wsdlが付いている場合があります。このような場合、WSDLを保存すると、ブラウザによりファイル拡張子としてデフォルトで.xmlが付加されます。後で.xml.wsdlに置き換える必要があります。WSDLファイルはHTTP/HTTPSまたはFTPサーバーでホストできます。

8.3.6.8 リタイア済エンドポイントの収集

エンドポイントを変更した場合(リタイアさせるか、別の場所に移動した場合)、Oracle Enterprise Repositoryからエンドポイントをリタイアさせ、Oracle Service Registryからエンドポイントを削除することをお薦めします。その後、新しいエンドポイントを持つ同一のWSDLサービスを再収集してください。


注意:

Exchange Utilityパブリッシャを再実行しても、リタイア済のエンドポイントがOracle Service Registryから削除されることはありません。

8.3.6.9 SOAプロジェクトの収集

SOAライフサイクルのベスト・プラクティスとして、SOAプロジェクトをOracle Enterprise Repositoryに収集し、SOAサーバーにデプロイし、Exchange Utilityを実行してOracle Service Registryに公開し、公開されたアセットをOracle Enterprise RepositoryまたはOracle Service Registryから使用することをお薦めします。

8.3.6.10 ハーベスタ・フォルダ内のファイルの収集

未解凍のハーベスタ・フォルダ(12.1.3.0.0-OER-Harvester.zip)内にあるファイルは収集しないことをお薦めします。これは現在サポートされていません。

8.3.6.11 同一コンピュータでのハーベスタおよびExchange Utilityの実行

サービスをOracle Service Registryに公開する際には、Exchange Utilityとハーベスタを同一コンピュータで実行して、それらが同じURLに解決されるようにすることをお薦めします。WSDL内のアクセス・ポイントの整形が不完全な別々のコンピュータでこれらを実行することもできますが、両方のコンピュータ上の同じURLに解決されるようにする必要があります。アクセス・ポイントがハーベスタとExchange Utilityで異なるURLに解決される場合は、サービスの公開がエラーにより失敗します。

8.3.6.12 コンポジット・サービスWSDLの収集

公開されたコンポジット・サービスのWSDLはそれ単体では収集しないことをお薦めします。必ずコンポジット・プロジェクト全体を収集し、完全かつ正確なSOAアセット・モデルがOracle Enterprise Repositoryに格納されるようにすることをお薦めします。

8.3.6.13 アセットのバージョニングについて

収集方針を定義する際には、異なるハーベスタを使用すると異なる結果が得られることを理解することが重要です。次に例を示します。

  • 実行中のSOAインフラまたはSOAコンポジット(MDS)でOERハーベスタを使用すると、完全なコンポジットとリレーションシップが得られます。

  • OSBでOSBハーベスタを使用すると、プロキシ・サービスとバックエンド・ビジネス・サービスのリレーションシップが得られます。

サービスを複数回収集する場合は、OERにより、そのサービスが前回収集されたものと同一かどうかの確認が試みられます。Oracle Enterprise Repository 12cでは、2つのエンティティは次の場合に同一とみなされます。

  • 名前とバージョンのペアが同じコンポジットは同一とみなされます(同一コンポジットに対して新しいリレーションシップやデプロイメントなどが追加される場合があります)。

  • イントロスペクトされるWSDLに指定されている同じQNameを共有するサービスは同一とみなされます(WSDLに指定されているバージョン番号による影響はありません)。

  • WSDL、XSD、composite.xmlファイルおよびその他のファイル・タイプが同じSFIDフィンガープリントを持つ場合、それらは同一アーティファクトとみなされます(SFIDは正規化されたアーティファクトに対して計算されます)。

収集時にOERで一致が検出された場合は、エンティティがすでに存在するものとみなされます(最新状態に保つために、説明が上書きされ、他のエンティティにリレーションシップが追加される場合もあります)。OERで一致が検出されなかった場合は、エンティティは固有の新規エンティティとみなされます(アーティファクトの名前が同じでコンテンツが異なる場合は、新しいアセット名が一意になるように-1が付加されることがあります)。

重要度の低いバグ修正や強化などのために同じアセットをリフレッシュすることが目的の場合の推奨事項は次のとおりです。

  • エンドポイント・アドレスを同じに保つか、同じサービスに新しいインタフェース用のポート・タイプを追加します。

  • WSDLでサービスのQNameを同じに保ちます。

  • コンポジットの名前とバージョンのペアを同じに保ちます(また、SOA Suiteで新しいコンポジット・リビジョンを発行しません)。


注意:

変更されたアーティファクトは、関連するエンドポイントに単に増分的に追加されていき、最新のアーティファクトがエンドポイントのコンシューマに提供されます。名前が同じアーティファクトが他に存在する場合は、OERによって新しいアーティファクト名に-1が付加されます。ユーザーが特定のサービス・エンドポイントのWSDLを使用する場合は、該当するエンドポイント用に最後に発行されたアーティファクトが取得されます。

新しいアセットを新しいバージョン番号で発行してアセットのバージョニングを行うことが目的の場合は、次のことをお薦めします。

  • オプションで、同じサービスに新しいインタフェース用のPortTypeを追加します。

  • オプションで、前/次のリレーションシップを作成します。

  • オプションで、前/次のリレーションシップに対して通知を有効化します。

  • コンシューマが移行するまでサイドバイサイドで実行します。古いアセットを非アクティブにしてリタイアさせます。

推奨されるベスト・プラクティスは、アセット・コンシューマに設定した想定内容に応じて、リフレッシュおよびバージョニングの両方を組み合せて使用することです。

8.3.7 既知の問題

この項では、ハーベスタに関する既知の問題について説明します。

8.3.7.1 システムにアセット・タイプが存在する必要がある

ハーベスタの機能を使用するための前提条件として、システムにアセット・タイプが存在している必要があります。必要なアセット・タイプは12.1.3.0.0-OER-Harvester-Solution-Pack.zipとともにインストールされます。

8.3.7.2 2つのバージョンのアセット・タイプ

Oracle Enterprise Repository内の既存のアセット・タイプの中に、12.1.3.0.0-OER-Harvester-Solution-Pack.zipとともにインストールされるアセット・タイプと名前が同じものが存在する場合は、ハーベスタによりそれらのアセット・タイプにバージョン番号が付加されます。これはハーベスタのアセット・タイプの機能には影響せず、ハーベスタではこれらのアセット・タイプはUUIDに基づいて参照されます。

8.3.7.3 収集されたアセット内のハーベスタ固有のメタデータ・エントリを削除しない

ハーベスタによる収集プロセスでアセットが作成されると、メタデータ・エントリ・タイプがinternal.inspector.storeおよびinternal.harvester.manifest.storeのアセットにメタデータ・エントリがアタッチされます。これらのメタデータ・エントリは変更も削除もしないでください。このような操作を行うと、想定外のシステム動作が生じる可能性があります。

Oracle Enterprise Repositoryユーザー・インタフェースではこれらのメタデータ・エントリを削除できません。

8.3.7.4 サポートされているリモート・サーバー・タイプ

現在、ハーベスタでは、Oracle SOA Suiteプロジェクト、Oracle Service Busプロジェクト、およびWebLogic 11gまたは12cで実行されているWebLogic Serverプロジェクトへのリモート接続のみがサポートされています。

8.3.7.5 不正な暗号化パスワードの使用

HarvesterSettings.xmlファイルに不正な暗号化パスワードを構成すると、次のような長いスタック・トレースが表示されます。

log4j:WARN No appenders could be found for logger
(org.apache.axis.i18n.ProjectResourceBundle).
log4j:WARN Please initialize the log4j system properly.
@ com.oracle.oer.sync.framework.MetadataIntrospectionException:
@ com.oracle.oer.sync.framework.MetadataIntrospectionException: Unable to read
plugin file:
C:\Drive-E\XU-harvest-tools\dec16\OER-Harvester\.\plugins\biz.introspector
        at
@ com.oracle.oer.sync.framework.MetadataManager.init(MetadataManager.java:308)
@         at com.oracle.oer.sync.framework.Introspector.<init>
Introspector.java:188)
        at
@ com.oracle.oer.sync.framework.Introspector.main(Introspector.java:395)
@ Caused by: com.oracle.oer.sync.framework.MetadataIntrospectionException:
Unable
to read plugin file:
C:\Drive-E\XU-harvest-tools\dec16\OER-Harvester\.\plugins\biz.introspector
        at
@ com.oracle.oer.sync.framework.impl.DefaultPluginManager.processIntrospector(De
faultPluginManager.java:127)
        at
@ com.oracle.oer.sync.framework.impl.DefaultPluginManager.<init>(DefaultPluginMa
nager.java:73)
        at
@ com.oracle.oer.sync.framework.MetadataManager.init(MetadataManager.java:306)
        ... 2 more
Caused by: java.lang.IllegalArgumentException: The char '0x12' in
'java.lang.Ill
egalArgumentException: The char '0x12' in 'E/?&#8597;?&#8597;H?rd' is not a
valid XML character.' is not a valid XML character.
        at
@ org.apache.axis.components.encoding.AbstractXMLEncoder.encode(Abstrac
tXMLEncoder.java:110)
        at org.apache.axis.utils.XMLUtils.xmlEncodeString(XMLUtils.java:131)
        at org.apache.axis.AxisFault.dumpToString(AxisFault.java:366)
        at org.apache.axis.AxisFault.printStackTrace(AxisFault.java:796)
        at
com.oer.log4j.spi.ThrowableInformation.getThrowableStrRep(Throw
ableInformation.java:42)
        at
com.oer.log4j.spi.LoggingEvent.getThrowableStrRep(LoggingEvent.java:217)
        at
com.oer.log4j.WriterAppender.subAppend(WriterAppender.java:298)
        at
com.oer.log4j.RollingFileAppender.subAppend(RollingFileAppender.java:294
)
        at com.oer.log4j.WriterAppender.append(WriterAppender.java:157)
        at
com.oer.log4j.AppenderSkeleton.doAppend(AppenderSkeleton.java:251)
        at
com.oer.log4j.helpers.AppenderAttachableImpl.appendLoopOnAppenders(Appen
derAttachableImpl.java:57)
        at com.oer.log4j.Category.callAppenders(Category.java:255)
        at com.oer.log4j.Category.forcedLog(Category.java:445)
        at com.oer.log4j.Category.log(Category.java:882)
        at
@ com.oracle.oer.sync.framework.logger.DefaultMetadataLogger.error(DefaultMetada
taLogger.java:98)
        at
@ com.oracle.oer.sync.plugin.writer.oer.OERConnectionCache.getAuthToken(OERCon
nectionCache.java:138)
        at
@ com.oracle.oer.sync.plugin.writer.oer.OERAssetQueries.getToken(OERAssetQueri
es.java:82)
        at
@ com.oracle.oer.sync.plugin.writer.oer.OERAssetQueries.assetTypeQueryByUUID(AL
ERAssetQueries.java:159)
        at
@ com.oracle.oer.sync.framework.MetadataManager.putAssetType(MetadataManager.jav
a:204)
        at
@ com.oracle.oer.sync.framework.impl.DefaultPluginManager.processIntrospector(De
faultPluginManager.java:104)
        ... 4 more

8.3.7.6 「リポジトリ内の表示」オプション

Oracle JDeveloperで「リポジトリ内の表示」オプションをクリックすると、JDeveloperでアセットの詳細が開きますが、この詳細は読取り専用になっており、このページ内のリンクは動作しない場合があります。

回避方法として、Oracle Enterprise Repositoryコンソールにログインし、リンクをクリックして詳細情報を表示する必要があります。