この項では、デスクトップクラスのインストール手順を簡単に説明します。ほとんどの手順はすべてのプラットフォームに共通で、Oracle Universal Installer (OUI)を実行して行います。プラットフォーム固有の手順を示しています。詳細は、オンライン・ヘルプまたはご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。
注意:
次の手順は、以前のOracleソフトウェアがインストールされていないホスト・コンピュータでのOUIのワークフローを示しています。ホスト・コンピュータにOracleソフトウェアがインストールされている場合は、別のワークフローとなる可能性があります。
基本インストールを実行する手順は、次のとおりです。
配布メディアからインストールする場合は、データベース用の配布メディアをご使用のコンピュータに挿入します。
オートラン機能によって、「インストールする製品の選択」ウィンドウが自動的に開きます。
OracleのWebサイトからインストール・ソフトウェアをダウンロードする場合は、Webサイトの手順に従い、Oracle Universal Installerを実行します。そうでない場合は、ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。
「次へ」をクリックして続行します。
インストール・オプションの選択ウィンドウが表示されます。
「システム・クラス」ウィンドウが表示されます。
インストールをカスタマイズする場合は、「サーバー・クラス」オプションを選択できます。たとえば、この方法を使用して、データベースのOracle Automatic Storage Managementの構成、サンプル・スキーマのインストール、自動バックアップの構成などを行います。このオプションを選択すると、このガイドでは説明していないインストール手順を確認できます。高度な選択の詳細は、「Oracle Databaseの拡張インストールについて」を参照してください。ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』も参照してください。
「次へ」をクリックします。
「標準インストール構成」ウィンドウが表示されます。
Oracleベース: Oracleベース・ディレクトリは、複数のOracleソフトウェア・インストールの編成を容易にするのに役立ちます。ORACLE_BASE
の詳細は、ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。
OUIを開始する前にORACLE_BASE
環境変数を設定しなかった場合、UNIXまたはLinuxシステムでは、/u01
から/u09の書込み可能な最初の既存ディレクトリの
app/username
/
ディレクトリにOracleベース・ディレクトリが作成され、Windowsシステムでは、使用可能な領域が最も多いディスク・ドライブにOracleベース・ディレクトリが作成されます。/u01
から/u09
がUNIXまたはLinuxシステムにない場合、デフォルトの場所はuser_home_directory
/app/
username
になります。
「参照」をクリックして、Oracleベース・ディレクトリとして使用するディレクトリを指定できます。
ソフトウェアの場所: ソフトウェアの場所は、データベース用のOracleホームです。Oracle Databaseソフトウェアを新しくインストールするたびに、新しいOracleホーム・ディレクトリを指定する必要があります。デフォルトでは、Oracleホーム・ディレクトリはOracleベース・ディレクトリのサブディレクトリになります。
「参照」をクリックして、Oracle Databaseソフトウェアのインストール先ディレクトリを指定します。
データベース・ファイルの位置: データベース・ファイルの位置は、Oracle Databaseファイルが格納される場所です。デフォルトでは、この場所はOracle_base
/oradata
になります。「参照」をクリックして、別の場所を選択できます。
データベースのエディション: 「Enterprise Edition」、「Standard Edition」、「Standard Edition One」または「Personal Edition」(Microsoft Windowsプラットフォームのみ)のいずれかを選択します。「Oracle Databaseのインストール・タイプ」を参照してください。
キャラクタ・セット: データベース内のデータの格納に使用するキャラクタ・セットを選択します。オペレーティング・システムの言語設定に基づく「デフォルト」、または「Unicode」を選択できます。
OSDBAグループ(LinuxおよびUNIXプラットフォームのみ): オペレーティング・システムのDBAグループを指定します。このグループのホスト・コンピュータ・ユーザーは、データベースの管理権限を所有しています。通常、このグループの名前はdba
です。詳細は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Linux』またはご使用のUNIX用のインストール・ガイドを参照してください。
グローバル・データベース名: 完全修飾グローバル・データベース名を入力します。グローバル・データベース名の詳細は、「Oracle Databaseのデータベース識別子」を参照してください。
管理パスワード: 管理者アカウント(SYS
、SYSTEM
などのアカウント)の初期パスワードを指定します。選択したパスワードがセキュアなパスワードでない場合は、警告メッセージが表示されます。
コンテナ・データベースとして作成: このオプションを選択すると、0、1または複数のユーザー作成のプラガブル・データベース(PDB)をサポートできるマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)としてデータベースを作成できます。
CDBの作成時にDatabase Configuration Assistant (DBCA)によってPDBが作成されるようにするには、「プラガブル・データベース名」フィールドにPDB名を指定します。
必要な情報を入力したら「次へ」をクリックします。
注意:
Microsoft Windowsオペレーティング・システム上でのみ、「Oracleホーム・ユーザーの指定」ウィンドウが表示されます。このウィンドウでは、管理者ではない権限の低いWindowsユーザー・アカウントを「Oracleホーム・ユーザー」として使用できます。このオプションは、データベースのインストールで、Oracleサービスを制限された権限で実行できるようにする場合にお薦めします。また、単一インスタンス・データベースの場合には、Oracle InstallerにOracleホームのユーザーとして使用する新しいWindowsユーザー・アカウント(ローカル・ユーザーのみ)を作成するよう選択することも可能です。
このオプションを却下すると、すべてのサービスがシステム・ユーザーとしてインストールおよび実行されます。
この機能の詳細は、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。
このサーバーにOracleソフトウェアをこれまでにインストールしたことがない場合は、インベントリの作成ウィンドウが表示されます。今回がこのサーバーでの最初のインストール試行でない場合は、前提条件チェックの実行ウィンドウが表示されます。
このコンピュータにOracleソフトウェアを初めてインストールする場合は、「インベントリ・スナップショットの作成」ウィンドウが表示されます。コンピュータにインストールされたすべてのOracleソフトウェアを追跡するためにOUIが使用するインベントリのローカル・ディレクトリを指定する必要があります。この情報は、既存のインストールにパッチを適用したり、既存のインストールをアップグレードしたり、Oracleソフトウェアを削除するときに使用します。このディレクトリは、Oracleホーム・ディレクトリとは別のディレクトリであることに注意してください。インベントリ・ディレクトリの推奨値は、Oracle_base
/../oraInventory
、またはOracleベース・ディレクトリの1つ上のレベルのoraInventory
サブディレクトリになります。Oracleベース・ディレクトリが/u01/app/oracle
の場合、Oracleインベントリ・ディレクトリのデフォルトは/u01/app/oraInventory
になります。
このウィンドウでは、インベントリ・ディレクトリへの書込み権限を持つオペレーティング・システム・グループも指定できます。これにより、他のユーザーがOracle製品インストール・ファイルを上書きするのを防止します。通常は、oinstall
グループが選択されます。
ディレクトリ・パスを入力し、オペレーティング・システム・グループを指定した後、「次へ」をクリックして続行します。
「前提条件チェックの実行」ウィンドウが表示されます。
OUIによって複数の環境チェックが実行され、チェックが成功、警告または失敗のいずれであったかが示されます。チェックの詳細は、開いているウィンドウ内に表示されます。すべての確認のステータスが「成功」または「警告」にならないと、インストールを続行できません。1つでも環境チェックが失敗すると、手動で解決する必要があります。詳細は、「Oracle Databaseのインストールの前提条件のチェック」を参照してください。
すべての前提条件チェックに成功するか、「次へ」をクリックすると、サマリー・ウィンドウが表示されます。
「インストール」ウィンドウに、インストールの進捗状況が表示されます。インストール・フェーズが完了すると、「Configuration Assistant」ウィンドウが表示されます。このウィンドウには、自動的に起動するConfiguration Assistantが表示されます。初期データベースを作成する場合は、DBCAが別のウィンドウで自動的に起動されます。
データベースの作成が完了すると、データベースの作成内容についてのサマリー・ウィンドウが表示されます。
SYS
およびSYSTEM
アカウントは、デフォルトでロック解除されます。
「構成スクリプトの実行」ウィンドウでは、新しい端末ウィンドウを開くかどうか、root
ユーザーとしてスクリプトを実行するかどうかの確認を求めるプロンプトが表示されます。スクリプトを実行した後、このウィンドウに戻り、「OK」をクリックします。
これでインストールおよびデータベースの作成は完了です。
共通のデータベース管理タスクは、Oracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)で実行できます。
「終了」ウィンドウに表示されるEM ExpressのURLを使用し、localhostではなくデータベース・ホスト名を指定して、EM Expressを起動します。EM Expressでユーザー名とパスワードの入力を求めるプロンプトが表示された場合は、DBA権限を持つユーザー(SYSTEMなど)としてログインします。
注意:
DBCAはデフォルトで、5500から5599の範囲の空きポートをEM Expressのポートとして使用するよう選択します。
EM Expressのポートとして特定のポートを使用する場合には、そのポートをOUIまたはDBCAを開始する前にDBEXPRESS_HTTPS_PORT
オペレーティング・システム環境変数を使用して指定します。
環境変数の設定の詳細は、「オペレーティング・システムの環境変数の構成」を参照してください。
関連項目:
CDBおよびPDBの詳細は、『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
日常的な管理タスクでのSYSTEM
アカウント使用の推奨代替手段の詳細は、「SYSおよびSYSTEMユーザー」を参照してください
EM Expressの使用方法の詳細は、「データベース管理の概要」を参照してください。