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Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71290-10
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Oracle ACFSレプリケーション

Oracle ACFSレプリケーションにより、ネットワーク経由でのOracle ACFSファイルシステムのリモート・サイトへのレプリケーションが可能になり、ファイルシステムに対する障害時リカバリ機能が提供されます。

注意:

  • Oracle ACFSレプリケーション機能は、各プライマリ・ファイルシステムの1つのスタンバイ・ファイルシステムのみをサポートします。

  • Oracle ACFSレプリケーションはプライマリ・ファイルシステムにマウントしている8以下のノードをサポートします。

  • プライマリとスタンバイ・ファイルシステムにホストしているサイトでは、同じオペレーティング・システムが実行中で、同じシステム・アーキテクチャである必要があります。

  • プライマリ・サイトおよびスタンバイ・サイトでは、同じバージョンのOracle Grid Infrastructureソフトウェアが実行中である必要があります。サイトをアップグレードする場合、最初にスタンバイ・サイトを更新します。

  • プライマリ・ファイルシステムでは、duまたはlsなどのユーザーレベル・コマンドに表示されない内部メタデータ・ファイルが必要です。プライマリ・ファイルシステムの内部記憶域の量は、各ノード当たり約1GBです。この追加の内部記憶域は、同じユーザー・ファイルを含むプライマリ・ファイルシステムとスタンドバイ・ファイルシステム間の差異の原因です。

  • プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムの構成時に、Oracleウォレットを使用して、セキュリティ資格証明を管理する必要があります。

  • Oracle ACFSでのデータベース・ファイルによるレプリケーションの使用は、サポートされていません。

  • Oracle ACFSレプリケーションは、Oracle Restartでサポートされていません。

Oracle ACFSレプリケーションのソースOracle ACFSファイルシステムはプライマリ・ファイルシステムとも呼ばれます。Oracle ACFSレプリケーションのターゲットOracle ACFSファイルシステムはスタンバイ・ファイルシステムとも呼ばれます。

サイトはプライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムの両方にホストできます。たとえば、クラスタ・サイトAおよびBがある場合、サイトAにホストされたプライマリ・ファイルシステムはサイトBのスタンバイ・ファイルシステムにレプリケートすることができます。また、サイトBにホストされたプライマリ・ファイルシステムはサイトAのスタンバイ・ファイルシステムにレプリケートすることもできます。ただし、Oracle ACFSファイルシステムは、プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムとして使用できません。

Oracle ACFSレプリケーションはプライマリ・ファイルシステムのディスクに書き込まれた変更を取得し、その変更をレプリケーション・ログと呼ばれるファイルに記録します。このログは、関連するスタンバイ・ファイルシステムをホストするサイトに転送され、そこでバックグラウンド・プロセスがログを読み取り、ログに記録された変更をスタンバイ・ファイルシステムへ適用します。レプリケーション・ログに記録された変更がスタンバイ・ファイルシステムに正常に適用された後、レプリケーション・ログはプライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムをホストしているサイトから削除されます。

プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムをホストする両方のサイトに、レプリケーション・ログを格納するのに十分なディスク容量があることが重要です。プライマリ・ファイルシステムが領域不足で実行していると、Oracle ACFSがアプリケーションによるファイルシステムの変更を取得するための新しいレプリケーション・ログを作成できないために、ファイルシステム上で実行しているアプリケーションが失敗する可能性があります。スタンバイ・ファイルシステムが領域不足で実行していると、プライマリ・ファイルシステムからの新しいレプリケーション・ログを受け入れることができず、その変更をスタンバイ・ファイルシステムに適用できません。さらに、レプリケーション・ログはプライマリ・ファイルシステムで累積され、使用可能なディスク領域を消費します。

プライマリ・ファイルシステムの使用可能なディスク領域が2 GBよりも少ない場合、Oracle ACFSではプライマリ・ファイルシステム上のレプリケーションを自動的に停止します。このアクションでは、レプリケーション操作および残っているレプリケーション・ログによってさらにディスク領域が消費されることを防止します。自動停止処理は、ほとんどの場合プライマリ・ファイルシステム空き領域の不足を防止しますが、自動停止処理が即座に実行されない可能性もあります。2GBの限度に達する前に、Oracle ACFSは、Oracle Grid Infrastructureホームのアラート・ログ内の空き領域についての警告を書き込みます。

プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムの両方を領域不足で実行しないようにする必要があります。いずれかのファイルシステムが使用可能なストレージ不足で実行する場合、ファイルシステムを拡張するか、またはファイルシステムからファイルを削除して、領域を解放する必要があります。プライマリ・ファイルシステムが領域不足で実行しており、ファイルを削除することで領域を解放する場合、レプリケートされていないファイルのみを削除する必要があります。レプリケートされているファイルの削除はレプリケーション・ログに取得されるからです。別のオプションは、Oracle ACFSスナップショットを削除することです。Oracle ACFSファイルシステムのサイズ変更の詳細は、acfsutil sizeを参照してください。

レプリケーションが休止するとレプリケーション・ログが累積するため、レプリケーションの休止後すぐにレプリケーションを再開する必要があります。レプリケーションの休止と再開の詳細は、acfsutil repl pauseおよびacfsutil repl resumeを参照してください。

ファイルシステムでレプリケーションを使用する前に、次のことを確認してください。

関連項目:

ネットワークのチューニングについては、Oracle Technology Network上のMAAリンクのドキュメントを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/database/features/availability/maa-096107.html

ネットワークの調整に関連する情報は、Data Guard REDO転送&ネットワーク構成に関するペーパーにあります。

Oracle ACFSファイルシステムのディレクトリおよびファイルには、ファイルシステム内でレプリケートするオブジェクトを選択できるようにタグを付けることができます。タグ付けの詳細は、Oracle ACFSタグ付けを参照してください。

Oracle ACFSファイルシステムをレプリケートする前に、プライマリ・ファイルシステムをホストするサイト、スタンバイ・ファイルシステムをホストするサイト、レプリケートするファイルシステム、ファイルシステムのマウント・ポイント、必要な場合にタグのリストなどの情報を識別する、レプリケーション構成を構築する必要があります。

プライマリ・サイトおよびスタンバイ・サイトでは、ファイルシステムで使用中のすべてのuidsおよびgidsなど、同じユーザーおよびグループ構成を共有する必要があります。レプリケーション・デーモンがoinstallの資格証明およびOracle ASM管理グループで実行されるため、レプリケーション・ログおよび関連ファイル用の内部の作業場所である.ACFS/replディレクトリの下のファイルへのアクセスおよびファイルの作成のために、デーモンがディレクトリのマウント・ポイントを読取りおよび横断できるように、マウント・ポイントでの権限を構成する必要があります。

LinuxでOracle ACFSレプリケーション機能を使用するには、プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムを含むディスク・グループのASMおよびADVMのディスク・グループ互換性属性が11.2.0.2以上に設定されていることが必要です。WindowsでOracle ACFSレプリケーション機能を使用するには、ASMおよびADVMのディスク・グループの互換性属性が11.2.0.3以上に設定されていることが必要です。SolarisまたはAIXでOracle ACFSレプリケーション機能を使用するには、ASMおよびADVMのディスク・グループの互換性属性が12.1以上に設定されていることが必要です。ディスク・グループの互換性の詳細は、ディスク・グループの互換性を参照してください。

Oracle ACFSレプリケーションをSolaris Sparcハードウェアを使用するには、システムをSolaris 10 Update 8以降で実行中である必要があります。

Oracle ACFSファイルシステムのレプリケーションを構成し管理するには、Oracle ACFSファイルシステムのレプリケーションおよびレプリケーション用のOracle ACFSコマンドライン・ツールで説明している、acfsutil replコマンドライン機能を使用します。