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Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71290-10
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acfsutil snap create

目的

Oracle ACFSファイルシステムまたは既存のスナップショットの、読取り専用または読取り-書込みスナップショットを作成します。

構文および説明

acfsutil snap create -h
acfsutil snap create [-r|-w] [-p parent_snapshot] snapshot mount_point

acfsutil snap create -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表16-98に、acfsutil snap createコマンドで使用可能なオプションを示します。

表16-98 acfsutil snap createコマンドのオプション

オプション 説明

-r

読取り専用スナップショットを作成します。これがデフォルトの設定です。

-w

読取り-書込みスナップショットを作成します。

snapshot

スナップショットの名前を指定します。名前は有効なディレクトリ名である必要があります。.ACFS/snapsディレクトリ自体はスナップできません。

-p parent_snapshot

Oracle ACFSファイルシステム内の既存のスナップショット・イメージの名前を指定します。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。

acfsutil snap createは、mount_pointにマウントされているOracle ACFSファイルシステムの読取り専用または読取り-書込みスナップショットを作成するか、-pオプションが指定されている場合は既存のスナップショットのスナップショットを作成します。読取り専用には-rを、読取り-書込みには-wを指定できます。-r-wのどちらも指定しなければ、読取り専用がデフォルトで指定されます。

読取り-書込みスナップショットでは、イメージスナップショット画像をホストしているOracle ACFSファイルシステムの状態に影響を与えずに、読取りと書込みの両方が可能なOracle ACFSスナップショット画像を高速で作成できます。読取り-書込み機能は、アプリケーション・ソフトウェアの新しいバージョンをテストするために、または元のファイルシステムを変更せずに本番ファイル・データ上でテスト・シナリオを実行するために使用できます。

スナップショットは、別のファイルシステムではありません。スナップショットは.ACFS/snaps/snapshot ディレクトリに格納され、スナップショット・コマンドが発行された時点での最初のファイルシステムの完全なレプリカです。読取り専用スナップショットは、最初のpoint-in-timeビューの保持を継続します。読取り-書込みスナップショットは、.ACFS/snaps/snapshot階層内のファイルに直接書き込まれる更新によって変更できます。

シンボリック・リンク(symlink)ファイルは、symlinkが作成される時点で指定されるパスへのポインタです。afsutil snap createコマンドのソースにある既存のsymlinkの場合、新しいリンクがスナップショットに作成されます。ただし、symlinkターゲットへのストアド・パスは、スナップ作成中に変更されません。リンクのターゲットとして絶対パスが使用される場合、スナップショットのリンク・ターゲットは、新しく作成されたスナップショット・ネームスペースの外部の絶対パスを参照したままです。スナップショットsymlinkによって、今後、スナップショット・ネームスペース内の新しいターゲットではなく、ターゲット・ファイルへの変更が発生することがあります。スナップショットの外部で、ターゲット・ファイルの内容も変更できます。この動作により、同じファイルシステム内にあるすべてのsymlinkに対して、相対パス・ターゲットを使用する必要があります。

どのユーザーでも、パス名を指定することでスナップショットディレクトリにアクセスできます。ただし、.ACFSディレクトリ自体は、ファイルシステムのルートを一覧表示しているディレクトリから非表示になります。これでrm -rfまたはacfsutil tag set -rなどの再帰的なコマンドが、ファイルシステムのルートのスナップショットファイル上で誤って操作されることを防止します。

スナップショットは通常、ファイルが変更されるまでは元のファイルシステムとファイルシステム・ブロックを共有するため、使用する記憶域が当初は非常に少なくてすみます。

duなどのツールにより、スナップショットを作成したファイルのディスク領域の合計使用量が報告されます。これには、ファイルの元のバージョンと共有される記憶域も含まれます。スナップショットに使用される合計領域を確認するには、acfsutil snap infoまたはacfsutil info fsコマンドを使用します。acfsutil info fsを参照してください。

Oracle ACFSスナップショットは、作成後すぐに使用可能になります。スナップショットは、元のファイルシステムがマウントされると、.ACFS/snapsディレクトリで常にオンラインになります。それらをマウントするために個別のコマンドは必要ありません。

クラスタがローリング移行状態にある場合、acfsutil snap createの操作は失敗します。

次のものがある場合、既存のスナップショットからの作成は許可されません。

  • ADVM互換性を12.1未満に設定して作成されたファイルシステム内に存在するスナップショット

  • ADVM互換性を12.1に設定した後でも、11.2のスナップショットが存在しているときに作成されたファイルシステムのスナップショット

  • 上記の状態のスナップショット削除クリーンアップ操作が、バックグラウンドでまだ実行中である

    acfsutil snap infoコマンドで、保留中のスナップショット操作を表示できます。詳細は、acfsutil snap infoを参照してください。

このコマンドを使用するには管理者権限か、Oracle ASM管理者グループのメンバーであることが必要です。

Oracle ACFSスナップショットの詳細は、Oracle ACFSスナップショットについてを参照してください。サポートされているスナップショット数の詳細は、Oracle ACFSディスク領域使用量を参照してください。

例16-92に、Linuxプラットフォーム上でスナップショットを作成するためのacfsutil snap createコマンドの使用方法を示します。

例16-92 Linuxでのacfsutil snap createコマンドの使用方法

$ acfsutil snap create -w midday_test1 /acfsmounts/critical_apps

$ acfsutil snap create -w midday_test2 /acfsmounts/critical_apps

$ /sbin/acfsutil snap create payroll_report1 /acfsmounts/critical_apps

$ /sbin/acfsutil snap create payroll_report2 /acfsmounts/critical_apps

$ ls /acfsmounts/critical_apps/.ACFS/snaps
midday_test1  midday_test2  payroll_report1  payroll_report2

例16-93に、Windowsプラットフォーム上でスナップショットを作成するためのacfsutil snap createコマンドの使用方法を示します。この例では、既存のスナップショットからのスナップショットの作成を示します。

例16-93 Windowsでのacfsutil snap createコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil snap create /w snap_1 e:

$ /sbin/acfsutil snap create /w snap_1-1 /p snap_1 e: