目的
構文および説明
acfsutil snap create -h acfsutil snap create [-r|-w] [-p parent_snapshot] snapshot mount_point
acfsutil
snap
create
-h
は、ヘルプ・テキストを表示して終了します。
表16-98に、acfsutil
snap
create
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-98 acfsutil snap createコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
読取り専用スナップショットを作成します。これがデフォルトの設定です。 |
|
読取り-書込みスナップショットを作成します。 |
|
スナップショットの名前を指定します。名前は有効なディレクトリ名である必要があります。 |
|
Oracle ACFSファイルシステム内の既存のスナップショット・イメージの名前を指定します。 |
|
このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。 |
acfsutil
snap
create
は、mount_point
にマウントされているOracle ACFSファイルシステムの読取り専用または読取り-書込みスナップショットを作成するか、-p
オプションが指定されている場合は既存のスナップショットのスナップショットを作成します。読取り専用には-r
を、読取り-書込みには-w
を指定できます。-r
と-w
のどちらも指定しなければ、読取り専用がデフォルトで指定されます。
読取り-書込みスナップショットでは、イメージスナップショット画像をホストしているOracle ACFSファイルシステムの状態に影響を与えずに、読取りと書込みの両方が可能なOracle ACFSスナップショット画像を高速で作成できます。読取り-書込み機能は、アプリケーション・ソフトウェアの新しいバージョンをテストするために、または元のファイルシステムを変更せずに本番ファイル・データ上でテスト・シナリオを実行するために使用できます。
スナップショットは、別のファイルシステムではありません。スナップショットは.ACFS/snaps/
snapshot
ディレクトリに格納され、スナップショット・コマンドが発行された時点での最初のファイルシステムの完全なレプリカです。読取り専用スナップショットは、最初のpoint-in-timeビューの保持を継続します。読取り-書込みスナップショットは、.ACFS/snaps/
snapshot
階層内のファイルに直接書き込まれる更新によって変更できます。
シンボリック・リンク(symlink)ファイルは、symlinkが作成される時点で指定されるパスへのポインタです。afsutil
snap
create
コマンドのソースにある既存のsymlinkの場合、新しいリンクがスナップショットに作成されます。ただし、symlinkターゲットへのストアド・パスは、スナップ作成中に変更されません。リンクのターゲットとして絶対パスが使用される場合、スナップショットのリンク・ターゲットは、新しく作成されたスナップショット・ネームスペースの外部の絶対パスを参照したままです。スナップショットsymlinkによって、今後、スナップショット・ネームスペース内の新しいターゲットではなく、ターゲット・ファイルへの変更が発生することがあります。スナップショットの外部で、ターゲット・ファイルの内容も変更できます。この動作により、同じファイルシステム内にあるすべてのsymlinkに対して、相対パス・ターゲットを使用する必要があります。
どのユーザーでも、パス名を指定することでスナップショットディレクトリにアクセスできます。ただし、.ACFS
ディレクトリ自体は、ファイルシステムのルートを一覧表示しているディレクトリから非表示になります。これでrm
-rf
またはacfsutil
tag
set
-r
などの再帰的なコマンドが、ファイルシステムのルートのスナップショットファイル上で誤って操作されることを防止します。
スナップショットは通常、ファイルが変更されるまでは元のファイルシステムとファイルシステム・ブロックを共有するため、使用する記憶域が当初は非常に少なくてすみます。
du
などのツールにより、スナップショットを作成したファイルのディスク領域の合計使用量が報告されます。これには、ファイルの元のバージョンと共有される記憶域も含まれます。スナップショットに使用される合計領域を確認するには、acfsutil
snap
info
またはacfsutil
info
fs
コマンドを使用します。「acfsutil info fs」を参照してください。
Oracle ACFSスナップショットは、作成後すぐに使用可能になります。スナップショットは、元のファイルシステムがマウントされると、.ACFS/snaps
ディレクトリで常にオンラインになります。それらをマウントするために個別のコマンドは必要ありません。
クラスタがローリング移行状態にある場合、acfsutil
snap
create
の操作は失敗します。
次のものがある場合、既存のスナップショットからの作成は許可されません。
ADVM
互換性を12.1未満に設定して作成されたファイルシステム内に存在するスナップショット
ADVM
互換性を12.1
に設定した後でも、11.2のスナップショットが存在しているときに作成されたファイルシステムのスナップショット
上記の状態のスナップショット削除クリーンアップ操作が、バックグラウンドでまだ実行中である
acfsutil
snap
info
コマンドで、保留中のスナップショット操作を表示できます。詳細は、「acfsutil snap info」を参照してください。
このコマンドを使用するには管理者権限か、Oracle ASM管理者グループのメンバーであることが必要です。
Oracle ACFSスナップショットの詳細は、「Oracle ACFSスナップショットについて」を参照してください。サポートされているスナップショット数の詳細は、「Oracle ACFSディスク領域使用量」を参照してください。
例
例16-92に、Linuxプラットフォーム上でスナップショットを作成するためのacfsutil
snap
create
コマンドの使用方法を示します。
例16-92 Linuxでのacfsutil snap createコマンドの使用方法
$ acfsutil snap create -w midday_test1 /acfsmounts/critical_apps $ acfsutil snap create -w midday_test2 /acfsmounts/critical_apps $ /sbin/acfsutil snap create payroll_report1 /acfsmounts/critical_apps $ /sbin/acfsutil snap create payroll_report2 /acfsmounts/critical_apps $ ls /acfsmounts/critical_apps/.ACFS/snaps midday_test1 midday_test2 payroll_report1 payroll_report2
例16-93に、Windowsプラットフォーム上でスナップショットを作成するためのacfsutil
snap
create
コマンドの使用方法を示します。この例では、既存のスナップショットからのスナップショットの作成を示します。
例16-93 Windowsでのacfsutil snap createコマンドの使用方法
$ /sbin/acfsutil snap create /w snap_1 e: $ /sbin/acfsutil snap create /w snap_1-1 /p snap_1 e: