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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for Microsoft Windows
B72964-07
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A スクリプトまたはレスポンス・ファイルを使用したOracle RACデータベースの作成

非対話型インストールでは、スクリプトを使用してOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースを作成できます。

注意:

Database Configuration Assistant(DBCA)によって生成されるスクリプトは、参照用です。データベース作成には、DBCAを使用することをお薦めします。

関連項目:

スクリプトの生成の詳細は、Oracle Universal Installer (OUI)ユーザーズ・ガイドを参照してください。

A.1 DBCAを使用したOracle RAC用のインストール・スクリプトの生成

Oracle RACデータベースの作成およびデータベース使用の準備を行うスクリプトを生成できます。

  1. DBCAを起動し、推奨オプションを選択してOracle RACデータベースを作成します。
    1. DBCAセッションの「作成オプション」ページで、「データベースの作成」の選択を解除します。
    2. 「データベース作成スクリプトの生成」を選択します。
    3. 「終了」をクリックします。
    スクリプトには、デフォルトの宛先ディレクトリを使用するか、または別の位置を検索して指定できます。いずれの場合も、次の手順で使用するパス名を記録しておく必要があります。

    関連項目:

    DBCAセッションの実行の詳細は、DBCAを使用したOracle RACデータベースの作成を参照してください。
  2. DBCAで作成したスクリプトが格納されているディレクトリに移動し、必要な特性でデータベースを作成する文がSQLスクリプトに含まれていることを確認します。
    必要とされる特定のデータベース特性の文がスクリプトに含まれていない場合は、スクリプトを自分で編集せずに、DBCAを再実行して、目的の構成のスクリプトを作成することをお薦めします。
  3. DBCAセッションで指定した各クラスタ・ノードで、スクリプトsid.batを実行します。sidは、DBCAの「データベース名」ページで入力したSID接頭辞です。
  4. SQL*PlusでALTER SYSTEM文を入力するか、各インスタンスのPFILEで、この初期化パラメータをコメント解除することで、SPFILEで初期化パラメータcluster_databaseTRUE値に設定します。
  5. Oracle RAC用にインストールされた構成の理解に従って、新しいデータベースおよびインスタンスをサポートするようにOracle Net Servicesを構成します。
  6. SPFILEでREMOTE_LISTENERパラメータにSCAN(簡易接続ネーミング構文scanname:scanportを使用)に設定します。それには、SQL*PlusでALTER SYSTEM文を入力するか、または各インスタンスのPFILEでこのパラメータをコメント解除します。
  7. サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)を実行して、データベースおよびインスタンス・アプリケーションを構成して、起動します(『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照)。

関連項目:

OUIを使用してOracleソフトウェアをインストールするスクリプトの作成および使用の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Microsoft Windows and UNIX Systems』を参照してください。

A.2 Oracle RACでのDBCAの非対話型(サイレント)構成の概要

Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用して、Oracle RACで非対話型(サイレント)構成を実行できます。

サイレント構成を実行するには、Oracle Grid Infrastructure (Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM))のインストールを完了している必要があります。

DBCAを使用すると、Oracle提供のテンプレート、またはユーザーが作成したテンプレートからデータベースを作成できます。このテンプレートには、特定のタイプのワークロードに最適化された設定が含まれています。

次の2つのタイプのワークロードのテンプレートが提供されています。

  • 汎用またはトランザクション処理

  • データ・ウェアハウス

より複雑な環境では、「カスタム・データベース」オプションを選択できます。このオプションはテンプレートを使用しないため、より広範囲なインストール・インタビューが行われます。これによって、データベースを作成する時間が長くなります。

A.3 Oracle RACの非対話型(サイレント)構成でのDBCAコマンドの使用

Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を非対話型モードで使用して、Oracle RACデータベースを作成できます。

例A-1 サイレント・モードでDBCAを使用したOracle RACデータベースの作成

次のコマンド構文を使用すると、汎用テンプレートを使用してOracle RACデータベースを作成し、既存のOracle ASMディスク・グループにデータ・ファイルを配置できます。ノードnode1およびnode2は、Oracle RACデータベース・インスタンスが作成されるクラスタ・ノードです。ディスク・グループ名は+ASMgrp1です。このインストールではOracleホーム・ユーザーが指定されているので、-serviceUserPasswordオプション付きで示されます。

%ORACLE_HOME%\bin\dbca -silent -createDatabase -templateName General_Purpose.dbc
-gdbName %DBNAME% -sid %ORACLE_SID% -sysPassword -systemPassword 
-sysmanPassword -dbsnmpPassword  -serviceUserPassword 
-emConfiguration LOCAL -storageType ASM -diskGroupName +ASMgrp1 
-datafileJarLocation %ORACLE_HOME%\assistants\dbca\templates 
-nodeinfo node1,node2 -characterset WE8MSWIN1252
-obfuscatedPasswords false -sampleSchema false -asmSysPassword 

このコマンドを実行した後、前述のコマンドでパスワードを値として含めなかった場合、DBCAにより、次のようにSYS、SYSTEM、SYSMAN、DBSNMP、Oracleホーム(またはOracle Service)およびSYSASMユーザーのパスワードの入力を求められます。

Enter SYS user password:
password
Enter SYSTEM user password:
password
...

関連項目:

dbcaコマンドおよびオプションの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

A.4 インストール時にレスポンス・ファイルを使用する方法の理解

Oracle Universal Installer (OUI)の起動時にレスポンス・ファイルを使用して、Oracleソフトウェアのインストールと構成を完全にまたは部分的に自動実行できます。

OUIはレスポンス・ファイルに含まれる値を使用して、一部またはすべてのインストール・プロンプトに応答します。通常、インストーラは対話型で、つまりGraphical User Interface(GUI)画面で情報の入力を求めながら動作します。この情報をレスポンス・ファイルで提供する場合は、次のいずれかのモードで、コマンド・プロンプトからインストーラを起動します。

  • サイレント

    レスポンス・ファイルにすべてのプロンプトへの応答を含め、インストーラの起動時に-silentオプションを指定すると、インストーラはサイレント・モードで動作します。サイレント・モードでのインストール中、インストーラは画面上に何も表示しません。かわりに、起動に使用した端末上に進捗情報を表示します。

  • レスポンス・ファイル

    レスポンス・ファイルに一部またはすべてのプロンプトへの応答を含めて、-silentオプションを指定しないと、インストーラはレスポンス・ファイル・モードで動作します。レスポンス・ファイル・モードでのインストール中は、レスポンス・ファイルで情報を指定した画面も、レスポンス・ファイルに必要な情報を指定しなかった画面も含めて、インストーラはすべての画面を表示します。

サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでインストールするための設定は、レスポンス・ファイルにリストされた変数に値を入力して定義します。たとえば、Oracleホームの名前を指定するには、次のように、ORACLE_HOME_NAME変数に適切な値を入力します。

ORACLE_HOME_NAME="OraDBHome1"

レスポンス・ファイルの変数設定を指定するもう1つの方法は、インストーラの起動時にコマンドライン引数として渡す方法です。次に例を示します。

 -silent "ORACLE_HOME_NAME=OraDBHome1" ...

変数名とその値は二重引用符で囲んでください。

関連項目:

レスポンス・ファイルの詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Microsoft Windows and UNIX Systems』を参照してください。

A.4.1 サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードの使用の判断

インストーラをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行するいくつかの理由があります。

表A-1 サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードを使用する理由

モード 使用する理由

サイレント

次のインストールでは、サイレント・モードを使用します。

  • オペレーティング・システム・ユーティリティを使用してスケジュールを設定し、自動インストールを実行する場合。

  • ユーザーの介入なしで、複数のシステムで同様のインストールを数回実行する場合。

  • Oracle Universal Installer (OUI)のグラフィカル・ユーザー・インタフェースを表示できないシステムにソフトウェアをインストールする場合

OUIによって起動元の端末に進捗情報が表示されますが、インストーラ画面はまったく表示されません。

レスポンス・ファイル

レスポンス・ファイル・モードは、インストーラ・プロンプトの全部ではなく一部にデフォルトの応答を提供し、複数のシステムに同様のOracleソフトウェア・インストールを行う場合に使用します。

特定のOUI画面に必要な情報をレスポンス・ファイルに指定していないと、インストーラによってその画面が表示されます。必要な情報をすべて指定した画面はOUIにより表示されません。

A.4.2 データベース・ファイルにOracle ASMを使用するデータベースのサイレント・モードでの作成

Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)を記憶域に使用するOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースの作成は、複数の手順を伴うプロセスです。

Oracle ASMを使用するデータベースを作成する前に、root.batスクリプトを実行する必要があります。このため、サイレント・モードでのインストール中に、Oracle ASMをデータベース・ファイルの記憶域オプションとして使用するデータベースを作成できません。

注意:

この制限事項は、データベース・ファイルの記憶域オプションとしてOracle Automatic Storage Managementを使用するデータベースにのみ適用されます。ファイル・システム・オプションを使用するデータベースは、サイレント・モードのインストールによって作成できます。
  1. サイレント・モードを使用して、Oracle RACのソフトウェアのみのインストールを完了します。
  2. root.batスクリプトを実行します。
  3. Oracle Net Configuration Assistantをサイレント・モードで実行します。
  4. Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)をサイレント・モードで実行します。

A.4.3 レスポンス・ファイルの使用

次に、インストーラをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで使用して、Oracle製品をインストールおよび構成する一般的な手順を示します。

注意:

インストーラをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行する前に、必要なインストール前の手順をすべて終了しておく必要があります。
  1. Windowsレジストリ・キーHKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Oracleが存在し、inst_locの値がローカル・ノード上のOracle Inventoryディレクトリの場所になっていることを確認します。

    Oracle RACをインストールするには、最初にOracle Grid Infrastructureをクラスタ・ノードにインストールしておく必要があります。Oracle Inventoryディレクトリは、Oracle Grid Infrastructureのインストール時に作成されてWindowsレジストリに追加されています。inst_locキーがWindowsレジストリに存在しない場合は、続行する前にOracle Grid Infrastructureをクラスタにインストールしてください。

    注意:

    Oracleソフトウェアのインストール後は、Windowsレジストリでinst_locの値を変更することはサポートされていません
  2. レスポンス・ファイルを準備します。
  3. インストーラをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行します。
  4. ソフトウェアのみのインストールを終了したら、次にOracle Net Configuration Assistant(NETCA)およびOracle Database Configuration Assistant (DBCA)をサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行します。

A.5 レスポンス・ファイルの準備

サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードのインストールでレスポンス・ファイルを準備する場合、次の2つの方法を使用できます。

A.5.1 レスポンス・ファイル・テンプレートについて

Oracleでは、各製品およびインストール・タイプと各構成ツールに対応する、レスポンス・ファイルのテンプレートを提供しています。

Oracle Databaseの場合、レスポンス・ファイル・テンプレートは、インストール・メディアのdatabase\responseディレクトリ、およびOracle_home\inventory\responseディレクトリにあります。Oracle Grid Infrastructureの場合、レスポンス・ファイル・テンプレートは、ソフトウェアがインストールされた後のGrid_home\install\responseディレクトリにあります。

注意:

ローカル・ディスクのディレクトリ(staging_dirディレクトリと呼ばれる)にインストール・メディアをコピーした場合、レスポンス・ファイルはstaging_dir\database\responseディレクトリにあります。

すべてのレスポンス・ファイル・テンプレートには、コメント・エントリ、サンプル・フォーマット、例およびその他の役立つ説明が含まれています。インストールをカスタマイズできるよう、レスポンス・ファイルの指示に目を通し、レスポンス・ファイルの変数の値を指定する方法を理解してください。

このソフトウェアには、次のレスポンス・ファイルが付属します。

表A-2 Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureのレスポンス・ファイル

レスポンス・ファイル 使用対象

db_install.rsp

Oracle Real Application Clustersのサイレント・インストール

dbca.rsp

Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用したOracle Databaseのサイレント作成およびサイレント構成

netca.rsp

NETCAを使用したOracle Netのサイレント構成

grid_install.rsp

Oracle Grid Infrastructureインストールのサイレント構成

注意:

レスポンス・ファイル・テンプレートを変更し、保存して使用する場合、レスポンス・ファイルに暗号化されていないパスワードが含まれている場合があります。レスポンス・ファイルの所有者はOracleソフトウェア・インストール所有者のみとし、アクセスはレスポンス・ファイルのみに制限してください。データベース管理者またはその他の管理者には、使用していないレスポンス・ファイルを削除または保護することをお薦めします。

A.5.2 レスポンス・ファイル・テンプレートの編集

Oracleでは、各製品およびインストール・タイプと各構成ツールに対応する、レスポンス・ファイルのテンプレートを提供しています。レスポンス・ファイル・テンプレートをコピーして変更できます。

  1. レスポンス・ファイル・ディレクトリからシステム上のディレクトリに、レスポンス・ファイルをコピーします。
    ローカル・ディスクのディレクトリ(staging_dirディレクトリと呼ばれる)にインストール・メディアをコピーした場合、staging_dir\database\responseディレクトリのファイルを編集できます。
  2. テキスト・エディタでレスポンス・ファイルを開きます。

    関連項目:

    レスポンス・ファイルの生成の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Microsoft Windows and UNIX Systems』を参照してください。
  3. ファイルに記載された説明に従って編集します。

    注意:

    レスポンス・ファイルを正しく構成しないと、インストーラまたはコンフィギュレーション・アシスタントが失敗します。また、レスポンス・ファイル名が.rspで終わることを確認してください。
  4. レスポンス・ファイルを保護します。
    Oracleソフトウェアをインストールしたユーザーのみがレスポンス・ファイルを表示または変更できることを確認します。インストールの正常終了後に、変更済のレスポンス・ファイルを削除することを検討してください。

    注意:

    Oracle Databaseのインストールに必要なすべての項目を指定したレスポンス・ファイルには、データベース管理アカウント用のパスワードと、オペレーティング・システム・グループのORA_DBAおよび管理者のメンバーであるユーザー用のパスワードが含まれています。データベース管理者またはその他の管理者には、使用していないレスポンス・ファイルを削除または保護することをお薦めします。

A.5.3 レスポンス・ファイルの記録

インストーラを対話モードで使用してレスポンス・ファイルに記録し、このファイルを編集して完全なサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードのインストールに使用できます。

この方法は、拡張インストールまたはソフトウェアのみのインストールに役立ちます。「サマリー」ページで「レスポンス・ファイルの保存」をクリックすると、インストール中のすべてのインストール手順をレスポンス・ファイルに保存できます。生成されたレスポンス・ファイルは、後でサイレント・インストールに使用できます。

レスポンス・ファイルを記録する際は、インストールを最後まで実行することも、またはインストーラでローカル・ディスクにソフトウェアをコピーする前に「サマリー」ページでインストーラを終了することもできます。

レスポンス・ファイル・モードのインストール中に記録モードを使用すると、インストーラは元のレスポンス・ファイルに指定されていた変数値を新しいレスポンス・ファイルに記録します。

注意:

レスポンス・ファイルの記録中は、パスワードを保存できません。
  1. 標準のインストールと同様にインストール前の作業を実行します。
    インストーラを実行してレスポンス・ファイルに記録する際、インストーラはシステムを確認してソフトウェアをインストールするための要件を満たしているかどうかを検証します。そのため、必要なすべてのインストール前作業を完了してから、インストールを実行してレスポンス・ファイルを記録することをお薦めします。
  2. Oracleインストール・ユーザーとしてログインします。Oracleインストール・ユーザーが、インストール中に指定するOracleホームのパスを作成して書き込むための権限を持っていることを確認します。
  3. インストーラを起動します。インストールの各画面で、必要な情報を指定します。
  4. インストーラの「サマリー」画面が表示されたら、次の手順を実行します。
    1. 「レスポンス・ファイルの保存」をクリックします。ポップアップ・ウィンドウで、値をレスポンス・ファイルに保存するためのファイル名と場所を指定し、「保存」をクリックします。
    2. 「終了」をクリックしてインストールを続行します。
      インストールを続行しない場合は、「取消」をクリックします。インストールは停止しますが、記録されたレスポンス・ファイルは保持されます。

      注意:

      レスポンス・ファイル名には、.rspの接尾辞を付ける必要があります。
  5. インストールを最後まで実行していない場合は、「ファイルの場所の指定」画面で指定したパスに作成されたOracleホーム・ディレクトリを削除します。
  6. 保存したレスポンス・ファイルを別のシステムで使用する前に、ファイルを編集して必要な変更を加えます。編集する際は、ファイルに記載された説明をガイドとして使用してください。

A.6 レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行

この時点で、Oracle Databaseソフトウェアをインストールするために、作成したレスポンス・ファイルを指定して、Oracle Universal Installer (OUI)をコマンドラインで実行する準備が整っています。

OUIの実行可能ファイルsetup.exeでは、いくつかのオプションを使用できます。

A.6.1 OUIのヘルプ情報の表示

Oracle Universal Installer (OUI)のすべての使用可能なオプションの詳細は、-helpオプションを指定してsetup.exeコマンドを実行します。

  • E:としてマウントしたDVDディスク・ドライブを介してインストール・ソフトウェアにアクセスする場合は、次のコマンドを使用します。
    C:\> E:
    E:\> database\setup.exe -help
  • ダウンロードしたZIPファイルからX:\staging_dirディレクトリにインストール・ソフトウェアを解凍した場合(X:はシステムのドライブ)は、次のコマンドを使用します。
    C:\> X:
    X:\> staging_dir\database\setup.exe -help

わずかに遅れて、セッション・ウィンドウ上にヘルプ情報が表示されます。

A.6.2 入力にレスポンス・ファイルを使用したインストーラの実行

インストーラでレスポンス・ファイルを使用してOracle Databaseソフトウェアをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 通常のインストールと同様にインストール前の作業を実行します。
  2. Oracleインストール・ユーザーとしてログインします。
  3. コマンドを次のように入力して、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでインストーラを起動します。
    X:\staging_dir> database\setup.exe  [-silent] [-noconfig] \
     -responseFile responsefilename

    この例の意味は次のとおりです。

    • X:\staging_dirは、インストール・メディア(DVDドライブなど)の場所またはローカル・ノード上のステージング・ディレクトリのパスです。

    • -silentは、インストーラをサイレント・モードで実行します。

    • -noconfigを指定すると、インストール中にコンフィギュレーション・アシスタントは実行されず、ソフトウェアのみのインストールが実行されます。

    • responsefilenameは、事前に構成したインストール用レスポンス・ファイルのフルパスとファイル名です。レスポンス・ファイル・テンプレートの編集を参照してください。

    注意:

    レスポンス・ファイルのパスを相対パスで指定しないでください。相対パスを指定すると、インストーラが失敗します。レスポンス・ファイルの場所をフルパスで指定してください

A.7 レスポンス・ファイルを使用したインストール後の構成

Oracleソフトウェアのインストール後に、レスポンス・ファイルによる構成を作成して実行できます。

A.7.1 インストール後の構成ファイルについて

コンフィギュレーション・アシスタントは、configToolAllCommandsというスクリプトによって起動されます。

サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードを使用してインストールを実行する場合は、使用するサーバーについての情報をレスポンス・ファイルに指定します(指定しない場合は、グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用して手動で入力します)。ただし、レスポンス・ファイルには、ソフトウェアのインストール後にコンフィギュレーション・アシスタントから要求されるユーザー・アカウントのパスワードは含まれていません。サイレント・モードでのインストールの完了後にコンフィギュレーション・アシスタントを実行する場合は、configToolAllCommandsスクリプトを実行し、コンフィギュレーション・アシスタントで使用されるパスワードをパスワード・ファイルに指定する必要があります。

パスワード・レスポンス・ファイルを使用すると、configToolAllCommandsスクリプトをサイレント・モードで実行できます。スクリプトはファイル内のパスワードを使用して、ソフトウェア構成が完了するまで連続的に構成ツールを実行します。インストールのクローニング用にパスワード・ファイルを保持する場合は、パスワード・ファイルをセキュアな場所に保存することをお薦めします。

パスワード・ファイルは、失敗したインストールを再度開始する場合にも使用できます。エラーを解決するためにインストールを中断する場合は、configToolAllCommandsおよびパスワード・レスポンス・ファイルを使用して、コンフィギュレーション・アシスタントを再実行できます。

configToolAllCommandsパスワード・レスポンス・ファイルには、次のオプションがあります。

  • internal_component_nameは、コンフィギュレーション・アシスタントで構成するコンポーネントの名前です。

  • variable_nameは、構成ファイルの変数の名前です。

  • valueは、構成に使用する値です。

コマンド構文は次のとおりです。

internal_component_name|variable_name=value

たとえば、Oracle ASMのSYSユーザーのパスワードを設定します。

oracle.assistants.asm|S_ASMPASSWORD=myPassWord

Oracle Database Configuration Assistantには、DBCAで使用するSYS、SYSTEMおよびDBSNMPのパスワードが必要です。システム構成に応じて、次の追加のパスワードを指定する必要がある場合があります。

  • データベースが記憶域にOracle ASMを使用している場合、S_ASMSNMPPASSWORD変数にパスワードを指定する必要があります。Oracle ASMを使用しない場合は、このパスワード変数には値を指定しません。

  • Oracle Enterprise Managerを構成する場合、S_HOSTUSERPASSWORD変数の値をOracleソフトウェア・インストール所有者のパスワードに設定する必要があります。Oracle Enterprise Managerを有効にしない場合は、このパスワード変数には値を指定しません。

  • 1つ以上のプラガブル・データベース(PDB)を持つマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)を作成する場合は、ORACLE.INSTALL.DB.CONFIG.STARTERDB.PASSWORD.PDBADMIN変数のパスワードを指定する必要があります。

  • Oracle DatabaseインストールにOracleホーム・ユーザーを指定した場合、oracle.assistants.server|S_WINSERVICEUSERPASSWORD変数にパスワードを指定します。

A.7.2 パスワード・レスポンス・ファイルの作成

次の手順を使用して、コンフィギュレーション・アシスタントで使用するパスワード・レスポンス・ファイルを作成します。

  1. filename.propertiesという形式の名前のレスポンス・ファイルを作成します。
  2. テキスト・エディタでこのファイルを開いて、下の例に示すように、パスワード・ファイルの例の内容を切り取って貼り付け、必要に応じて変更します。
  3. WindowsのNew Technology File System(NTFS)フォーマットのボリュームにこのファイルを格納する場合、このファイルを保護するためにセキュリティ権限を変更します。

例A-2 Oracle RACデータベースのパスワード・レスポンス・ファイルの例

次の例に、Database Configuration Assistantで使用するパスワード・レスポンス・ファイルのテンプレートを示します。

oracle.assistants.server|S_SYSPASSWORD=password
oracle.assistants.server|S_SYSTEMPASSWORD=password
oracle.assistants.server|S_DBSNMPPASSWORD=password
oracle.assistants.server|S_PDBADMINPASSWORD=password
oracle.assistants.server|S_EMADMINPASSWORD=password
oracle.assistants.server|S_ASMSNMPPASSWORD=password
oracle.assistants.server|S_WINSERVICEUSERPASSWORD=password

Oracle Enterprise ManagerまたはOracle ASMへのアクセスを有効にしない場合、これらのパスワード・フィールドは空白のままにします。

A.7.3 レスポンス・ファイルを使用したインストール後の構成の実行

configToolAllCommandsスクリプトを使用してコンフィギュレーション・アシスタントをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行するには、次の手順を実行します。

  1. %ORACLE_HOME%\cfgtoollogsに移動します。
  2. 次の構文を使用して、構成スクリプトを実行します。
    configToolAllCommands RESPONSE_FILE=\path\name.properties

例A-3 レスポンス・ファイル・モードでのコンフィギュレーション・アシスタントの実行

C:\users\oracle\dbディレクトリに、cfg_db.propertiesという名前でパスワード・レスポンス・ファイルを作成したとします。インストール後に、コンフィギュレーション・アシスタントをレスポンス・ファイル・モードで実行してOracleソフトウェアを構成するには、次のようなコマンドを入力します。

C:\> cd %ORACLE_HOME%\cfgtoollogs
C:\..\cfgtoollogs> configToolAllCommands RESPONSE_FILE=C:\users\oracle\db\cfg
_db.properties

A.8 レスポンス・ファイルを使用したコンフィギュレーション・アシスタントの実行

レスポンス・ファイル・モードでコンフィギュレーション・アシスタントを実行して、システムにインストールしたOracleソフトウェアを構成して起動できます。

コンフィギュレーション・アシスタントをレスポンス・ファイル・モードで実行するには、最初にレスポンス・ファイル・テンプレートをコピーして編集する必要があります。

注意:

ソフトウェアをハード・ディスクにコピーした場合、レスポンス・ファイル・テンプレートはX:\staging_dir\database\responseディレクトリに格納されています。

A.8.1 Database Configuration Assistantのサイレント・モード

モードをサイレントに設定するには、-silentオプションを-responseFileオプションと組み合せて使用します。

サイレント・モードでは、レスポンス・ファイルに指定した値またはコマンドライン・オプションとして指定した値がDatabase Configuration Assistantで使用され、データベースが作成されます。サイレント・モードではウィンドウやユーザー・インタフェースは表示されません。

A.8.2 Database Configuration Assistantのプログレスのみモード

モードをプログレスのみに設定するには、-progressOnlyオプションを-responseFileオプションと組み合せて使用します。

Database Configuration Assistant (DBCA)はデータベースを構成して起動しながら、状態メッセージとプログレス・バーのウィンドウを表示します。このウィンドウは、Enterprise Editionのインストールで事前構成済データベースの作成を選択したときに表示されるウィンドウと同様です。

このモードでは、レスポンス・ファイルに指定した値またはコマンドライン・オプションとして指定した値がDatabase Configuration Assistantで使用され、データベースが作成されます。

A.8.3 レスポンス・ファイル・モードでのDatabase Configuration Assistantの実行

Database Configuration Assistant (DBCA)をレスポンス・ファイル・モード(サイレント・モードまたはプログレスのみモード)で実行し、システムでOracle Databaseを構成および起動できます。

Database Configuration Assistantをレスポンス・ファイル・モードで実行するには、レスポンス・ファイル・テンプレートをコピーして編集する必要があります。
  1. インストール・メディアのresponseディレクトリに、dbca.rspという名前のレスポンス・ファイル・テンプレートが用意されています。レスポンス・ファイル・テンプレートdbca.rspを、responseファイルのディレクトリから使用するシステムのディレクトリへコピーします。
    ソフトウェアをハード・ドライブにコピーした場合は、X:\staging_dir\database\responseディレクトリのファイルを編集することもできます。

    注意:

    レスポンス・ファイル・テンプレートを編集するもう1つの方法として、DBCAを実行する際に、コマンドライン・オプションとしてすべての必要な情報を指定してデータベースを作成することもできます。サポートされるオプションのリストの詳細を参照するには、次のコマンドを入力します。
    C:\> %ORACLE_HOME%\bin\dbca -help
  2. Oracleホーム・ユーザーとしてログインします。%ORACLE_HOME%環境変数を正しいOracleホーム・ディレクトリに設定します。Windowsでの複数のOracleホーム・ディレクトリを参照してください
  3. テキスト・エディタでレスポンス・ファイルを開きます。
  4. ファイルに記載された説明に従って、ファイルを編集します。
    DBCAは、レスポンス・ファイル・モードでは、レスポンス・ファイルに指定された値またはコマンドライン・オプションとして指定された値を使用してデータベースを作成します。

    注意:

    レスポンス・ファイルを正しく構成しないと、DBCAが失敗します。
  5. コマンドライン・ウィンドウを開きます。ディレクトリをOracleホーム・ディレクトリの場所に変更します。
  6. レスポンス・ファイルを使用してサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでDBCAを実行するには、次の例のようなコマンドを使用します。
    C:\> %ORACLE_HOME%\bin\dbca {-progressOnly | -silent} -responseFile \
    local_dir\dbca.rsp

    この例の意味は次のとおりです。

    • -silentオプションは、DBCAをサイレント・モードで実行し、ユーザー・プロンプトは表示されません。

    • -progressOnlyオプションは、DBCAをレスポンス・ファイル・モードで実行します。

    • local_dirは、dbca.rspレスポンス・ファイルが格納されているディレクトリのフルパスです。

DBCAはデータベースを構成して起動しながら、状態メッセージとプログレス・バーのウィンドウを表示します。DBCAが表示するウィンドウは、Enterprise Edition、Standard EditionまたはStandard Edition 2 (SE2)のインストールで事前構成済データベースの作成を選択した際に表示されるウィンドウと同じです。

関連項目:

  • DBCAを非対話型(サイレント・モード)で使用したデータベースの作成の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle ASMCAの非対話モードでの実行の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

A.8.4 レスポンス・ファイルを使用したOracle Net Configuration Assistantの実行

サイレント・モードでOracle Net Configuration Assistant(NETCA)を実行して、システム上でOracle Net Listenerを構成して起動し、ネーミング・メソッドを構成し、Oracleネット・サービス名を構成できます。

次のresponseサブディレクトリに、netca.rspという名前のレスポンス・ファイル・テンプレートが用意されています。

  • ソフトウェアのみインストール後のOracle_home\database\inventory\responseディレクトリ

  • インストール・メディアまたはステージング領域のdatabase\responseディレクトリ

NETCAをサイレント・モードで実行するには、レスポンス・ファイル・テンプレートをコピーして編集する必要があります。

  1. レスポンス・ファイルのディレクトリからシステム上のディレクトリに、レスポンス・ファイル・テンプレートnetca.rspをコピーします。
    ソフトウェアがハード・ドライブでステージングされている場合、またはすでにインストールされている場合は、かわりにローカル・ディスクのresponseディレクトリのファイルを編集することもできます。
  2. テキスト・エディタでレスポンス・ファイルを開きます。
  3. ファイルに記載された説明に従って編集します。

    注意:

    レスポンス・ファイルを正しく構成しないと、NETCAが失敗します。
  4. Oracleホーム・ユーザーとしてログインします。%ORACLE_HOME%環境変数を正しいOracleホーム・ディレクトリに設定します。
  5. 次のようなコマンドを入力して、NETCAをサイレント・モードで実行します。
    C:\> Oracle_home\bin\netca -silent -responsefile X:\local_dir\netca.rsp

    この例の意味は次のとおりです。

    • -silentオプションは、NETCAをサイレント・モードで実行します。

    • X:\local_dirは、netca.rspレスポンス・ファイル・テンプレートをコピーしたディレクトリのフルパスです。Xはそのファイルが存在するドライブで、local_dirはそのドライブのパスです。