Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド 12c リリース1 (12.1) for Microsoft Windows B72964-07 |
|
前 |
次 |
非対話型インストールでは、スクリプトを使用してOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースを作成できます。
注意:
Database Configuration Assistant(DBCA)によって生成されるスクリプトは、参照用です。データベース作成には、DBCAを使用することをお薦めします。関連項目:
スクリプトの生成の詳細は、Oracle Universal Installer (OUI)ユーザーズ・ガイドを参照してください。Oracle RACデータベースの作成およびデータベース使用の準備を行うスクリプトを生成できます。
関連項目:
OUIを使用してOracleソフトウェアをインストールするスクリプトの作成および使用の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Microsoft Windows and UNIX Systems』を参照してください。Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用して、Oracle RACで非対話型(サイレント)構成を実行できます。
サイレント構成を実行するには、Oracle Grid Infrastructure (Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM))のインストールを完了している必要があります。
DBCAを使用すると、Oracle提供のテンプレート、またはユーザーが作成したテンプレートからデータベースを作成できます。このテンプレートには、特定のタイプのワークロードに最適化された設定が含まれています。
次の2つのタイプのワークロードのテンプレートが提供されています。
汎用またはトランザクション処理
データ・ウェアハウス
より複雑な環境では、「カスタム・データベース」オプションを選択できます。このオプションはテンプレートを使用しないため、より広範囲なインストール・インタビューが行われます。これによって、データベースを作成する時間が長くなります。
Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を非対話型モードで使用して、Oracle RACデータベースを作成できます。
例A-1 サイレント・モードでDBCAを使用したOracle RACデータベースの作成
次のコマンド構文を使用すると、汎用テンプレートを使用してOracle RACデータベースを作成し、既存のOracle ASMディスク・グループにデータ・ファイルを配置できます。ノードnode1
およびnode2
は、Oracle RACデータベース・インスタンスが作成されるクラスタ・ノードです。ディスク・グループ名は+ASMgrp1
です。このインストールではOracleホーム・ユーザーが指定されているので、-serviceUserPassword
オプション付きで示されます。
%ORACLE_HOME%\bin\dbca -silent -createDatabase -templateName General_Purpose.dbc -gdbName %DBNAME% -sid %ORACLE_SID% -sysPassword -systemPassword -sysmanPassword -dbsnmpPassword -serviceUserPassword -emConfiguration LOCAL -storageType ASM -diskGroupName +ASMgrp1 -datafileJarLocation %ORACLE_HOME%\assistants\dbca\templates -nodeinfo node1,node2 -characterset WE8MSWIN1252 -obfuscatedPasswords false -sampleSchema false -asmSysPassword
このコマンドを実行した後、前述のコマンドでパスワードを値として含めなかった場合、DBCAにより、次のようにSYS、SYSTEM、SYSMAN、DBSNMP、Oracleホーム(またはOracle Service)およびSYSASMユーザーのパスワードの入力を求められます。
Enter SYS user password: password Enter SYSTEM user password: password ...
関連項目:
dbcaコマンドおよびオプションの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』
を参照してください。Oracle Universal Installer (OUI)の起動時にレスポンス・ファイルを使用して、Oracleソフトウェアのインストールと構成を完全にまたは部分的に自動実行できます。
OUIはレスポンス・ファイルに含まれる値を使用して、一部またはすべてのインストール・プロンプトに応答します。通常、インストーラは対話型で、つまりGraphical User Interface(GUI)画面で情報の入力を求めながら動作します。この情報をレスポンス・ファイルで提供する場合は、次のいずれかのモードで、コマンド・プロンプトからインストーラを起動します。
サイレント
レスポンス・ファイルにすべてのプロンプトへの応答を含め、インストーラの起動時に-silentオプションを指定すると、インストーラはサイレント・モードで動作します。サイレント・モードでのインストール中、インストーラは画面上に何も表示しません。かわりに、起動に使用した端末上に進捗情報を表示します。
レスポンス・ファイル
レスポンス・ファイルに一部またはすべてのプロンプトへの応答を含めて、-silentオプションを指定しないと、インストーラはレスポンス・ファイル・モードで動作します。レスポンス・ファイル・モードでのインストール中は、レスポンス・ファイルで情報を指定した画面も、レスポンス・ファイルに必要な情報を指定しなかった画面も含めて、インストーラはすべての画面を表示します。
サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでインストールするための設定は、レスポンス・ファイルにリストされた変数に値を入力して定義します。たとえば、Oracleホームの名前を指定するには、次のように、ORACLE_HOME_NAME
変数に適切な値を入力します。
ORACLE_HOME_NAME="OraDBHome1"
レスポンス・ファイルの変数設定を指定するもう1つの方法は、インストーラの起動時にコマンドライン引数として渡す方法です。次に例を示します。
-silent "ORACLE_HOME_NAME=OraDBHome1" ...
変数名とその値は二重引用符で囲んでください。
関連項目:
レスポンス・ファイルの詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Microsoft Windows and UNIX Systems』を参照してください。インストーラをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行するいくつかの理由があります。
表A-1 サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードを使用する理由
モード | 使用する理由 |
---|---|
サイレント |
次のインストールでは、サイレント・モードを使用します。
OUIによって起動元の端末に進捗情報が表示されますが、インストーラ画面はまったく表示されません。 |
レスポンス・ファイル |
レスポンス・ファイル・モードは、インストーラ・プロンプトの全部ではなく一部にデフォルトの応答を提供し、複数のシステムに同様のOracleソフトウェア・インストールを行う場合に使用します。 特定のOUI画面に必要な情報をレスポンス・ファイルに指定していないと、インストーラによってその画面が表示されます。必要な情報をすべて指定した画面はOUIにより表示されません。 |
Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)を記憶域に使用するOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースの作成は、複数の手順を伴うプロセスです。
Oracle ASMを使用するデータベースを作成する前に、root.bat
スクリプトを実行する必要があります。このため、サイレント・モードでのインストール中に、Oracle ASMをデータベース・ファイルの記憶域オプションとして使用するデータベースを作成できません。
注意:
この制限事項は、データベース・ファイルの記憶域オプションとしてOracle Automatic Storage Managementを使用するデータベースにのみ適用されます。ファイル・システム・オプションを使用するデータベースは、サイレント・モードのインストールによって作成できます。root.bat
スクリプトを実行します。サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードのインストールでレスポンス・ファイルを準備する場合、次の2つの方法を使用できます。
Oracleでは、各製品およびインストール・タイプと各構成ツールに対応する、レスポンス・ファイルのテンプレートを提供しています。
Oracle Databaseの場合、レスポンス・ファイル・テンプレートは、インストール・メディアのdatabase\response
ディレクトリ、およびOracle_home\inventory\response
ディレクトリにあります。Oracle Grid Infrastructureの場合、レスポンス・ファイル・テンプレートは、ソフトウェアがインストールされた後のGrid_home\install\response
ディレクトリにあります。
注意:
ローカル・ディスクのディレクトリ(staging_dirディレクトリと呼ばれる)にインストール・メディアをコピーした場合、レスポンス・ファイルはstaging_dir\database\response
ディレクトリにあります。すべてのレスポンス・ファイル・テンプレートには、コメント・エントリ、サンプル・フォーマット、例およびその他の役立つ説明が含まれています。インストールをカスタマイズできるよう、レスポンス・ファイルの指示に目を通し、レスポンス・ファイルの変数の値を指定する方法を理解してください。
このソフトウェアには、次のレスポンス・ファイルが付属します。
表A-2 Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureのレスポンス・ファイル
レスポンス・ファイル | 使用対象 |
---|---|
|
Oracle Real Application Clustersのサイレント・インストール |
|
Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用したOracle Databaseのサイレント作成およびサイレント構成 |
|
NETCAを使用したOracle Netのサイレント構成 |
|
Oracle Grid Infrastructureインストールのサイレント構成 |
注意:
レスポンス・ファイル・テンプレートを変更し、保存して使用する場合、レスポンス・ファイルに暗号化されていないパスワードが含まれている場合があります。レスポンス・ファイルの所有者はOracleソフトウェア・インストール所有者のみとし、アクセスはレスポンス・ファイルのみに制限してください。データベース管理者またはその他の管理者には、使用していないレスポンス・ファイルを削除または保護することをお薦めします。
Oracleでは、各製品およびインストール・タイプと各構成ツールに対応する、レスポンス・ファイルのテンプレートを提供しています。レスポンス・ファイル・テンプレートをコピーして変更できます。
インストーラを対話モードで使用してレスポンス・ファイルに記録し、このファイルを編集して完全なサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードのインストールに使用できます。
この方法は、拡張インストールまたはソフトウェアのみのインストールに役立ちます。「サマリー」ページで「レスポンス・ファイルの保存」をクリックすると、インストール中のすべてのインストール手順をレスポンス・ファイルに保存できます。生成されたレスポンス・ファイルは、後でサイレント・インストールに使用できます。
レスポンス・ファイルを記録する際は、インストールを最後まで実行することも、またはインストーラでローカル・ディスクにソフトウェアをコピーする前に「サマリー」ページでインストーラを終了することもできます。
レスポンス・ファイル・モードのインストール中に記録モードを使用すると、インストーラは元のレスポンス・ファイルに指定されていた変数値を新しいレスポンス・ファイルに記録します。
注意:
レスポンス・ファイルの記録中は、パスワードを保存できません。この時点で、Oracle Databaseソフトウェアをインストールするために、作成したレスポンス・ファイルを指定して、Oracle Universal Installer (OUI)をコマンドラインで実行する準備が整っています。
OUIの実行可能ファイルsetup.exe
では、いくつかのオプションを使用できます。
-help
オプションを指定してsetup.exe
コマンドを実行します。 Oracleソフトウェアのインストール後に、レスポンス・ファイルによる構成を作成して実行できます。
configToolAllCommands
というスクリプトを使用して起動されます。 configToolAllCommands
スクリプトを使用してコンフィギュレーション・アシスタントをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行するには、次の手順を実行します。コンフィギュレーション・アシスタントは、configToolAllCommands
というスクリプトによって起動されます。
サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードを使用してインストールを実行する場合は、使用するサーバーについての情報をレスポンス・ファイルに指定します(指定しない場合は、グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用して手動で入力します)。ただし、レスポンス・ファイルには、ソフトウェアのインストール後にコンフィギュレーション・アシスタントから要求されるユーザー・アカウントのパスワードは含まれていません。サイレント・モードでのインストールの完了後にコンフィギュレーション・アシスタントを実行する場合は、configToolAllCommands
スクリプトを実行し、コンフィギュレーション・アシスタントで使用されるパスワードをパスワード・ファイルに指定する必要があります。
パスワード・レスポンス・ファイルを使用すると、configToolAllCommands
スクリプトをサイレント・モードで実行できます。スクリプトはファイル内のパスワードを使用して、ソフトウェア構成が完了するまで連続的に構成ツールを実行します。インストールのクローニング用にパスワード・ファイルを保持する場合は、パスワード・ファイルをセキュアな場所に保存することをお薦めします。
パスワード・ファイルは、失敗したインストールを再度開始する場合にも使用できます。エラーを解決するためにインストールを中断する場合は、configToolAllCommands
およびパスワード・レスポンス・ファイルを使用して、コンフィギュレーション・アシスタントを再実行できます。
configToolAllCommands
パスワード・レスポンス・ファイルには、次のオプションがあります。
internal_component_nameは、コンフィギュレーション・アシスタントで構成するコンポーネントの名前です。
variable_nameは、構成ファイルの変数の名前です。
valueは、構成に使用する値です。
コマンド構文は次のとおりです。
internal_component_name|variable_name=value
たとえば、Oracle ASMのSYSユーザーのパスワードを設定します。
oracle.assistants.asm|S_ASMPASSWORD=myPassWord
Oracle Database Configuration Assistantには、DBCAで使用するSYS、SYSTEMおよびDBSNMPのパスワードが必要です。システム構成に応じて、次の追加のパスワードを指定する必要がある場合があります。
データベースが記憶域にOracle ASMを使用している場合、S_ASMSNMPPASSWORD
変数にパスワードを指定する必要があります。Oracle ASMを使用しない場合は、このパスワード変数には値を指定しません。
Oracle Enterprise Managerを構成する場合、S_HOSTUSERPASSWORD
変数の値をOracleソフトウェア・インストール所有者のパスワードに設定する必要があります。Oracle Enterprise Managerを有効にしない場合は、このパスワード変数には値を指定しません。
1つ以上のプラガブル・データベース(PDB)を持つマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)を作成する場合は、ORACLE.INSTALL.DB.CONFIG.STARTERDB.PASSWORD.PDBADMIN
変数のパスワードを指定する必要があります。
Oracle DatabaseインストールにOracleホーム・ユーザーを指定した場合、oracle.assistants.server|S_WINSERVICEUSERPASSWORD
変数にパスワードを指定します。
次の手順を使用して、コンフィギュレーション・アシスタントで使用するパスワード・レスポンス・ファイルを作成します。
filename.properties
という形式の名前のレスポンス・ファイルを作成します。例A-2 Oracle RACデータベースのパスワード・レスポンス・ファイルの例
次の例に、Database Configuration Assistantで使用するパスワード・レスポンス・ファイルのテンプレートを示します。
oracle.assistants.server|S_SYSPASSWORD=password oracle.assistants.server|S_SYSTEMPASSWORD=password oracle.assistants.server|S_DBSNMPPASSWORD=password oracle.assistants.server|S_PDBADMINPASSWORD=password oracle.assistants.server|S_EMADMINPASSWORD=password oracle.assistants.server|S_ASMSNMPPASSWORD=password oracle.assistants.server|S_WINSERVICEUSERPASSWORD=password
Oracle Enterprise ManagerまたはOracle ASMへのアクセスを有効にしない場合、これらのパスワード・フィールドは空白のままにします。
configToolAllCommands
スクリプトを使用してコンフィギュレーション・アシスタントをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行するには、次の手順を実行します。
例A-3 レスポンス・ファイル・モードでのコンフィギュレーション・アシスタントの実行
C:\users\oracle\db
ディレクトリに、cfg_db.properties
という名前でパスワード・レスポンス・ファイルを作成したとします。インストール後に、コンフィギュレーション・アシスタントをレスポンス・ファイル・モードで実行してOracleソフトウェアを構成するには、次のようなコマンドを入力します。
C:\> cd %ORACLE_HOME%\cfgtoollogs C:\..\cfgtoollogs> configToolAllCommands RESPONSE_FILE=C:\users\oracle\db\cfg _db.properties
レスポンス・ファイル・モードでコンフィギュレーション・アシスタントを実行して、システムにインストールしたOracleソフトウェアを構成して起動できます。
コンフィギュレーション・アシスタントをレスポンス・ファイル・モードで実行するには、最初にレスポンス・ファイル・テンプレートをコピーして編集する必要があります。
注意:
ソフトウェアをハード・ディスクにコピーした場合、レスポンス・ファイル・テンプレートはX:\staging_dir\database\response
ディレクトリに格納されています。-silent
オプションを-responseFile
オプションと組み合せて使用します。 -progressOnly
オプションを-responseFile
オプションと組み合せて使用します。モードをサイレントに設定するには、-silent
オプションを-responseFile
オプションと組み合せて使用します。
サイレント・モードでは、レスポンス・ファイルに指定した値またはコマンドライン・オプションとして指定した値がDatabase Configuration Assistantで使用され、データベースが作成されます。サイレント・モードではウィンドウやユーザー・インタフェースは表示されません。
モードをプログレスのみに設定するには、-progressOnly
オプションを-responseFile
オプションと組み合せて使用します。
Database Configuration Assistant (DBCA)はデータベースを構成して起動しながら、状態メッセージとプログレス・バーのウィンドウを表示します。このウィンドウは、Enterprise Editionのインストールで事前構成済データベースの作成を選択したときに表示されるウィンドウと同様です。
このモードでは、レスポンス・ファイルに指定した値またはコマンドライン・オプションとして指定した値がDatabase Configuration Assistantで使用され、データベースが作成されます。
Database Configuration Assistant (DBCA)をレスポンス・ファイル・モード(サイレント・モードまたはプログレスのみモード)で実行し、システムでOracle Databaseを構成および起動できます。
関連項目:
DBCAを非対話型(サイレント・モード)で使用したデータベースの作成の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
Oracle ASMCAの非対話モードでの実行の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
サイレント・モードでOracle Net Configuration Assistant(NETCA)を実行して、システム上でOracle Net Listenerを構成して起動し、ネーミング・メソッドを構成し、Oracleネット・サービス名を構成できます。
次のresponse
サブディレクトリに、netca.rsp
という名前のレスポンス・ファイル・テンプレートが用意されています。
ソフトウェアのみインストール後のOracle_home\database\inventory\response
ディレクトリ
インストール・メディアまたはステージング領域のdatabase\response
ディレクトリ
NETCAをサイレント・モードで実行するには、レスポンス・ファイル・テンプレートをコピーして編集する必要があります。