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StorageTek Tape Analytics インストールおよび構成ガイド
リリース 2.0
E53328-01
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2 STA のインストール

この章では、STA のダウンロードおよびインストールプロセスの詳細について説明し、STA をはじめてインストールすることを想定しています。STA 1.0.x から 2.0 にアップグレードする場合は、章 9, "STA のアップグレード" を参照してください (Oracle では、最新バージョンの STA のインストールまたは最新バージョンへのアップグレードをお勧めします)。STA をアンインストールまたは再インストールする必要がある場合、章 10, "STA のアンインストールと再インストール."を参照してください


注:

STA が STA 専用のサーバーにインストールされている場合のみ、Oracle はサポートを提供します。

2.1 インストールチェック

STA インストーラは、環境で次の条件が当てはまることを検査します。これらの項目のステータスがわからない場合は、Linux 管理者に問い合わせてください。

  • 既存のソフトウェアが削除されている

    インストーラは、環境で既存のソフトウェアと設定を検査します。

    • インストーラが /Oracle/Middleware ディレクトリでソフトウェアを検出した場合、インストーラは削除して再インストールできます。

    • インストーラが既存の MySQL インストールを検出した場合、インストーラは削除できます。

    • 既存のファイルを上書きするよう求められた場合、インストーラはこれを行うことができます。


    注意:

    既存のソフトウェアを永久に削除または置換することを選択する前に、必要に応じてファイルをバックアップしてください。

  • 64 ビットの Linux が、必要なパッケージとともにインストールされている

    サポートされるオペレーティングシステムについては、『STA 要件ガイド』を参照してください。インストーラは、章 1, "Linux のインストール."に示されている必要な Linux パッケージの有無も検査します

  • SELinux が無効になっている

    Oracle では、STA をインストールする前に SELinux を無効にすることを強くお勧めします。章 1, "Linux のインストール,"の指示に従って Linux をインストールした場合、SELinux はすでに無効になっているはずです。

  • Linux ファイアウォール (IPTables) が停止している

    Oracle では、STA をインストールする前に IPTables を停止することを強くお勧めします。章 1, "Linux のインストール,"の指示に従って Linux をインストールした場合、IPTables はすでに停止しているはずです。STA をインストールし、ライブラリを構成して、STA がライブラリを正常にモニターしていることを確認したあとで、IPTables を有効にできます。次に、IPTables を有効にしたあとで、STA がライブラリを正常にモニターしていることを確認します。

  • SNMP サービスが構成解除され、停止している

    ネットワークポートの衝突とその他の問題を回避するために、STA プラットフォームではその他の SNMP サービスを実行してはいけません。

    • インストーラは、snmpd と snmptrapd がシステムで実行中かどうかを検査します。STA をインストールする前に、これらのサービスを停止して構成解除する必要があります。

    • また、インストーラは、UDP ポート 161 (SNMP) と 162 (SNMPTRAP) が使用可能であることを検査します。そうではない場合、インストーラは終了します。

    通常の SNMP デーモンと SNMP トラップデーモンサービスのステータスの確認、構成解除、および停止を行うには、次のコマンドを発行します。

    • SNMP サービスのステータスを確認します。

      # service snmpd status 
      # service snmptrapd status 
      # chkconfig --list snmpd 
      # chkconfig --list snmptrapd 
      
    • SNMP サービスを構成解除します。

      # chkconfig snmpd off 
      # chkconfig snmptrapd off 
      
    • SNMP サービスを停止します。

      # service snmptrapd stop 
      # service snmpd stop 
      

    注:

    「service stop」コマンドの実行時に「FAILED」エラーが表示されたら、これらの SNMP サービスはすでに停止している可能性があります。

2.2 ユーザーアカウント

STA のインストール中には、次のアカウントが必要であり、設定されます。これらのアカウントユーザー名は STA 固有であり、Linux/Unix ユーザーではありません。インストール後に、章 6, "ユーザーと電子メールの構成."の説明に従って、割り当て可能な役割を持つ追加のユーザーアカウントを STA UI 内で作成できます

WebLogic アカウント (表 2-1) は、Web ブラウザを使用して WebLogic 管理コンソールまたは STA UI のいずれかにアクセスするために使用されるのに対して、データベースアカウント (表 2-2) は、STA データベースを管理するために STA によって使用されます。

ユーザー名の要件

  • 1 文字以上、最大 16 文字

  • すべてのユーザー名が一意である必要があります

パスワードの要件

  • 7 文字以上、32 文字未満にする必要があります

  • 空白を含めることはできません

  • 次のものを除く、1 文字以上の数値または特殊文字を含める必要があります。

    & ( ) < > ? {}*\`"

表 2-1 WebLogic アカウント

アカウント
説明
ユーザー名
パスワード

管理コンソールログイン


WebLogic Console にログインして、WebLogic 環境を変更するために使用します (たとえば、WebLogic を LDAP または RACF サーバーに接続するため)。

注意: 管理コンソールログインのユーザー名とパスワードは取得できません。これらの資格証明を失った場合、STA を再インストールする必要があります。



STA GUI ログイン

STA GUI アプリケーションにログインするために使用します。




表 2-2 MySQL データベースアカウント

アカウント
説明
ユーザー名
パスワード

root アカウント

MySQL データベースを所有し、ルート DB インストールを作成するために使用されます。事前設定されたユーザー名は root で、変更できません。

注意: データベース root アカウントのパスワードは取得できません。

root


アプリケーションアカウント


STA がデータベースに接続するために使用するユーザー定義の MySQL ユーザー名 (たとえば、staapp)。データ表で特権を作成、更新、削除、および読み取るために必要です。



レポートアカウント


STA 以外のアプリケーションとサードパーティーのアプリケーションがデータベースに接続するために使用する場合があるユーザー定義の MySQL ユーザー名 (たとえば、starpts)。これは、特定のデータベース表に対する読み取り専用アクセスを持っています。



DBA アカウント

STA 管理者とモニタリングユーティリティーがデータベースに接続して、スケジュールされたバックアップを主に構成および実行するために使用するユーザー定義の MySQL ユーザー名 (たとえば、stadba)。「付与オプション」を除く、すべてのデータベース表に対するすべての DBA 特権を持っています。




2.3 ポート構成

STA は、次のポートを使用して、データを取得および受信します。インストール中に、次で説明する構成可能ポートの値を選択するよう求められます。すべてのポート値が一意である必要があります。


注意:

STA のインストール中に構成可能ポートの値を選択したあとは、STA のアンインストールと再インストールを行わずに値を変更することはできません。選択するポート番号が不明な場合は、ネットワーク管理者に問い合わせてください。

構成解除可能な外部ポート

これらのポート (表 2-3) は、STA サーバーとその他のネットワークエンティティーの間の通信に使用され、インストール中に変更できません。

ファイアウォール/ルーター構成: STA サーバーとバックアップサーバー (SSH の場合) および STA サーバーとライブラリ (SNMP および SNMPTRAP の場合) の間でオープンです。

表 2-3 構成解除可能な外部ポート

ポート
プロトコル
説明および目的

22

SSH

セキュアシェル。STA データベースバックアップ。ライブラリログイン。

161

SNMP

Simple Network Management Protocol (SNMP)。SNMP 要求の送信のため。

162

SNMPTRAP

SNMP 通知 (トラップ) の受信のため。


構成可能な外部ポート

これらのポート (表 2-4) は、STA サーバーとその他のネットワークエンティティーの間の通信に使用され、STA のインストール中に変更できます。使用可能で、STA 専用のままにする必要があります。

ファイアウォール/ルーター構成: STA サーバーと、STA GUI が実行されているクライアントの間でオープンです。

表 2-4 構成可能な外部ポート脚注 1 

デフォルトポート
使用するポート
プロトコル
説明および目的

7001


HTTP

WebLogic 管理コンソールへのアクセス、セキュアではない

7002


HTTPS

WebLogic 管理コンソールへのアクセス、セキュア

7021


HTTP

staUi 管理対象サーバー。STA GUI へのアクセス、セキュアではない。

7022


HTTPS

staUi 管理対象サーバー。STA GUI へのアクセス、セキュア。


脚注 1 これらのポートは、標準ポート 80 と 8080 (HTTP) および 443 (HTTPS) と同等の構成可能ポートであり、ネットワーク上のその他の HTTP および HTTPS ポートとは異なる必要があります。

構成可能な内部ポート

これらのポート (表 2-5) は、STA によって内部で使用され、STA のインストール中に変更できます。

ファイアウォール/ルーター構成: 該当なし

表 2-5 構成可能な内部ポート

デフォルトポート
使用するポート
プロトコル
説明および目的

7023


HTTP

staEngine 管理対象サーバー。基本的な STA 内部、セキュアではない。

7024


HTTPS

staEngine 管理対象サーバー。基本的な STA 内部、セキュア。

7025


HTTP

staAdapter 管理対象サーバー。SNMP 通信、セキュアではない。

7026


HTTPS

staAdapter 管理対象サーバー。SNMP 通信、セキュア。


2.4 STA のダウンロード

  1. 次の Oracle Software Delivery Cloud Web サイトにアクセスします。

    http://edelivery.oracle.com/

  2. サインイン/登録」をクリックします。

  3. Oracle サポートから提供されたユーザー ID とパスワードを入力するか、新しいアカウントを作成します。

  4. 「条件および規制」画面で、ライセンス契約と輸出規制への同意を示すボックスを選択し、「続行」をクリックします。

  5. 「メディア・パック検索」画面で次の段階を実行します。

    1. 「製品パックを選択」メニューで、「Oracle StorageTek Products」を選択します。

    2. 「プラットフォーム」メニューで、「Linux x86-64」を選択します。

    3. 実行」をクリックします。

  6. Oracle StorageTek Tape Analytics 2.0 のラジオボタンを選択して、「続行」をクリックします。

  7. 2 つのメディアパック ZIP ファイルごとに「ダウンロード」をクリックして、少なくとも 4G バイトの空き領域がある場所に ZIP ファイルを保存します。

  8. ZIP ファイルをコピーして、ターゲットシステム上の任意の場所 (たとえば、/root) に移動します。

  9. 解凍ツールを使用して、各 ZIP ファイルから STA TAR ファイルを抽出します。


    注:

    ZIP ファイルの 1 つに、STA のリリースノート PDF が含まれています。STA をインストールして使用する前に、このドキュメントをお読みください。

  10. 正しいファイル所有権/権限を保持するには、次のコマンドを使用して、STA サーバーで各 TAR アーカイブを展開します。

    # tar xvf STA_filename.tar
    

2.5 STA のインストール

グラフィカルインストーラ (推奨) またはコンソールインストーラを使用して STA をインストールできます。


注:

インストール前に、"インストールチェック."を参照してください。

  1. グラフィカルインストーラを使用する場合、DISPLAY 環境変数を設定します。ssh -X または ssh -Y を使用してサーバーに接続した場合、DISPLAY 変数はすでに設定されているはずです。

    # export DISPLAY=hostname:0.0
    
  2. Disk1 ディレクトリに移動します。

    # cd Disk1
    
  3. root として次のいずれかのコマンドを使用してインストーラを起動します。

    • グラフィカルインストーラ:

      # ./install
      
    • コンソールインストーラ:

      # ./install -i console
      
  4. ウィザードの指示に従って、「Next」をクリックする (グラフィカルインストーラ) か Enter を押して (コンソールインストーラ) 段階を進めて、STA をインストールします。次のことに留意してください。

    • 前の段階に戻るには、「Previous」をクリックする (グラフィカルインストーラ) か、back を入力します (コンソールインストーラ)。インストールを取り消すには、「Cancel」をクリックする (グラフィカルインストーラ) か、quit と入力します (コンソールインストーラ)。

    • インストーラによって、複数の STA ユーザーアカウントとパスワードを作成するように求められます。"ユーザーアカウント."に説明があります

    • インストーラによって、内部および外部の両方の STA サーバー通信のために複数のポートを選択するように求められます。"ポート構成."に説明があります。指定したポート値は、ネットワークで使用中ではないことを確認するために検査されます。

    • インストーラによって、Remote Diagnostics Agent (RDA) を構成するために会社のドメイン名を入力するように求められます。RDA の説明は、『StorageTek Tape Analytics 管理ガイド』内の「ロギング」章にあります。

    • 「Pre-Installation Summary」画面で「Install」をクリックする (グラフィカルインストーラ) か、Enter を押す (コンソールインストーラ) まで、システムの変更は実装されません。

  5. インストールが完了して、STA インストーラを閉じるときに、次のコマンドを使用してすべてのサービスが実行中であることを確認します。

    # STA status all
    

    STA コマンドの使用方法の説明は、『StorageTek Tape Analytics 管理ガイド』内の「サーバー管理」章にあります。