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StorageTek Tape Analytics インストールおよび構成ガイド
リリース 2.0
E53328-01
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C 構成のトラブルシューティング

STA サーバーとライブラリの間の接続をトラブルシューティングするには、この付録を使用します。


注:

この付録では、STA 通信に推奨される SNMP v3 プロトコルを使用していることを想定しています。

C.1 接続テストとデータ収集のトラブルシューティング

ライブラリ接続テスト ("ライブラリへの SNMP 接続のテスト"を参照) および「最新データの取得」要求 ("ライブラリからの最新の構成データの取得"を参照) をトラブルシューティングするには、次のセクションを使用します。

C.1.1 MIB ウォークチャネルテスト

MIB ウォークチャネルテストは、ライブラリの初期化、ネットワーク接続性、正しい SNMP クライアント設定、および正しいライブラリファームウェアを検査します。このテストが失敗した場合、次の 1 つ以上の項目が当てはまる可能性があります。

  • STA が構成されていない

  • ライブラリが初期化されていない

  • ライブラリファームウェアが STA の最小を満たしていない

  • STA サーバーとライブラリの間にネットワークの問題がある

  • 静的 IP アドレスが STA サーバーまたはライブラリに割り当てられていない

  • SNMP がライブラリで有効になっていない

  • SNMP クライアント設定が STA サーバーとライブラリの間で一致しない

障害を解決するには、次のようにして、ライブラリと STA サーバーの両方でトラブルシューティングの段階を実行します。

C.1.1.1 ライブラリでの確認項目

  1. ライブラリが完全に初期化されていることを確認します ("ライブラリが動作していることの確認"を参照)。

  2. traceroute コマンドを使用して、ライブラリとサーバーの間の通信を検査します。(このコマンドは、SL150 では使用できません。)

    1. ライブラリにログインします。

    2. 次のコマンドのいずれかを発行します。

      • SL8500 および SL3000:

        traceRoute sta_server_IP_address
        
      • SL500:

        traceroute sta_server_IP_address
        

      出力に、ホップ数と各ホップに到達するための往復時間が示されます。往復時間 (コマンド出力の最後の行) は、1 秒未満であるべきです。そうではない場合、ネットワークのパフォーマンスをネットワーク管理者と確認してください。

  3. SNMP がパブリックポートで有効になっていることを確認します ("ライブラリでの SNMP の有効化"を参照)。

  4. SNMP v2c ユーザーが 1 つのみ存在することを確認します ("SNMP v2c ユーザーの確認"を参照)。

  5. SNMP v3 ユーザーが正しく追加されたことを確認します。

    • SL500、SL3000、および SL8500 ライブラリで、snmp listUsers コマンドを使用して SNMP ユーザーのリストを表示します。SL150 ライブラリで、「SNMP」>「SNMP Users」に移動します。

    • v3 ユーザーを作成するには、"SNMP v3 ユーザーの作成"を参照してください。

  6. 静的 IP アドレスがライブラリに割り当てられていることを確認します ("ライブラリ IP アドレスの取得"を参照)。

  7. ライブラリと STA サーバーの両方でその他すべての段階を実行したあとで、SNMP v3 ユーザーを削除して再度追加することを検討してください。

C.1.1.2 サーバーでの確認項目

  1. STA サーバーが静的 IP アドレスを使用していることを確認します。

  2. traceroute コマンドを使用して、サーバーとライブラリの間の通信を検査します。

    1. STA サーバーにログインします。

    2. 次のコマンドを発行します。

      traceroute -I library_IP_address_or_name
      

      出力に、ホップ数と各ホップに到達するための往復時間が示されます。往復時間 (コマンド出力の最後の行) は、1 秒未満であるべきです。そうではない場合、ネットワークのパフォーマンスをネットワーク管理者と確認してください。

  3. プライマリ IP アドレス、および該当する場合はセカンダリ IP アドレスに ping を行うことで、STA サーバーがライブラリのパブリックポートに到達できることを検証します。

  4. STA サーバーとライブラリの間のすべてのネットワークノードで UDP ポート 161 と 162 が有効になっていることを確認します ("ライブラリとの SNMP 通信の検証"を参照)。

  5. 「STA SNMP Client Attributes」画面を表示して、設定がライブラリ上の SNMP v3 ユーザーと SNMP v3 トラップ受信者の対応する設定と完全に一致することを確認します ("STA の SNMP クライアント設定の構成"を参照)。

  6. 「STA Monitored Libraries」画面を表示して、ライブラリの設定が正しいことを確認します ("ライブラリとの SNMP 接続の構成"を参照)。

C.1.2 トラップチャネルテスト

トラップチャネルテストは、ライブラリがテストトラップ (13) を STA サーバーに送信するように要求します。テストが失敗した場合、STA は、最後のトラップ/通知を受信した日付と時間を示します。テストが失敗したか、「Unknown」と示される場合、次の 1 つ以上の項目が当てはまる可能性があります。

  • ライブラリファームウェアがテストトラップをサポートしていない可能性がある

  • STA サーバーがライブラリでトラップ受信者として正しく構成されていない可能性がある

  • 最近 STA 2.0 にアップグレードした場合、STA サーバーの IP アドレスがライブラリの接続詳細で指定されていない可能性がある。

解決するには、次の手順に従います。

  1. ライブラリが、『STA 要件ガイド』に示されている推奨される (以上の) ファームウェアを実行していることを確認します。より低いファームウェアバージョンではテストトラップ (13) がサポートされない可能性があります。

  2. STA 2.0 へのアップグレード後に、STA サーバーの IP アドレスをライブラリの接続詳細で選択したことを確認します。タスク 10"STA 2.0 の構成."を参照してください

  3. snmp engineId (SL500 ライブラリの場合) または snmp engineId print (SL3000 および SL8500 ライブラリの場合) コマンドを使用して、ライブラリエンジン ID を表示します。(SL150 ライブラリには適用されません。)

  4. STA がトラップ受信者として正しく構成されていることを確認します ("SNMP v3 トラップ受信者の作成"を参照)。

    SL500、SL3000、および SL8500 ライブラリでは、snmp listTrapRecipients コマンドを使用して、ライブラリでトラップ受信者のリストを表示します。SL150 ライブラリで、「SNMP」>「SNMP Trap Recipients」に移動します。

    • Engine Id」: 段階 3 に表示されたライブラリエンジン ID と一致する必要があります。入力には、大文字が含まれてはいけません。SL8500 および SL3000 ライブラリの場合、入力には 0x 接頭辞が含まれている必要があります (SL500 でもこの接頭辞が表示されることがあります)。

    • Host」: STA サーバーの IP アドレス。

    • Version」: 「v3」である必要があります。

    • Auth」: 「SHA」である必要があります。

    • Priv」: 「DES」である必要があります。

    • Auth Pass」および「Priv Pass」: 「STA SNMP Client Attributes」画面のパスワード、および SNMP ユーザーの作成時に指定したパスワードと一致する必要があります。SL500 ライブラリの場合、パスワードに単一引用符がテキストとして含まれていないことを確認します。

    • Trap Level」: トラップ 13 が含まれている必要があります。

  5. 段階 3 のライブラリエンジン ID が、STA UI (「Setup & Administration」>「Configuration」>「SNMP Connections」>「Monitored Libraries」) の値と一致することを確認します。一致しない場合は、次の手順に従います。

    1. 「Monitored Libraries」リストでライブラリを選択します。

    2. Edit」ボタンをクリックします。

    3. 「Library Engine ID」フィールドをクリアして、「Save」をクリックします。

    4. 接続テストを実行して、ライブラリのエンジン ID を取得します ("ライブラリへの SNMP 接続のテスト"を参照)。

C.1.3 メディア検証サポートテスト

メディア検証サポートテストは、STA でメディア検証を有効にするために正しいファームウェアと構成を検査します。ライブラリモデルがメディア検証をサポートしていない場合、テストでは「Not Applicable」と報告されます。メディア検証をサポートできるライブラリでテストが失敗した場合、次の 1 つ以上の項目が当てはまる可能性があります。

  • ライブラリファームウェアがメディア検証をサポートしていない

  • SNMP v3 が構成されていない

  • メディア検証プール内にドライブがない

  • メディア検証プール内に空のドライブまたは予約可能なドライブがない

解決するには、次の手順に従います。

  1. メディア検証に必要な最小のライブラリとドライブファームウェアについては、『STA 要件ガイド』を参照してください。

  2. ライブラリと STA サーバーの両方で SNMP v3 ユーザーが構成されていること、およびライブラリでのトラップ受信者にする STA サーバーが構成されていることを確認します。章 4章 5で SNMP の構成段階を確認してください。

メディア検証の構成の詳細は、STA ユーザーズガイドを参照してください。

C.2 失敗したトラップ処理

トラップが STA ホストによって受信されないか、トラップが STA によって処理されない場合、次の手順を実行します。

  1. STA サーバーが静的 IP アドレスを使用していることを確認します。

  2. STA サーバーの別の端末ウィンドウ内で、root として次のコマンドを入力します。

    # tcpdump -v host library-public-port
    
    • library-public-port は、ライブラリでのプライマリパブリックポートの IP アドレスです (正しい入力については、"ライブラリ IP アドレスの取得"を参照してください)。

    • 出力で、.snmptrapSNMPv3 を探します。「最新データの取得」要求のネットワークトラフィックには .snmp が含まれています。

    • ライブラリでアクティビティーがあっても、トラップが受信されない場合、ライブラリのトラップ受信者のエントリが正しいことを確認します ("トラップチャネルテスト"を参照)。

  3. SNMP ポート 162 が STA で使用可能であることを確認します。

    STA トラップリスナーは、ポート 162 を使用してトラップを処理します。このポートを介した通信をトラブルシューティングするには、次の手順を実行します。

    1. /Oracle/Middleware/user_projects/domains/tbi/servers/staAdapter/logs/staAdapter.log ファイルで次のような "SEVERE" エラーを調べます。

      "SEVERE: SNMP Trap/Inform Listener Port 162 is NOT bindable.Stop the application currently bound to that port."

    2. ポート 162 がすでに使用中の場合、これを使用しているプロセスを判別します。

      # netstat -ap |grep -I snmp
      # netstat -anp |grep ":162"
      
    3. ポートに関連するプロセスを調べるか、システムのブート中に開始された可能性があるサービスを確認します。

      # chkconfig --list
      
  4. snmpd または snmtrapd が実行中の場合、必ずこれらを永久にオフにしてください。

    1. SNMP サービスを構成解除します。

      # chkconfig snmpd off
      # chkconfig snmptrapd off
      
    2. SNMP サービスを停止します。

      # service snmptrapd stop
      # service snmpd stop
      
    3. STA サービスを停止して再起動します。

      # STA stop all
      # STA start all
      
  5. 「Notifications」画面で一部のトラップが報告される場合、ライブラリでのトラップ受信者の作成時にすべてのトラップレベルを指定したことを確認します。サポートされるトラップレベルのリストについては、"SNMP v3 トラップ受信者の作成"を参照してください。

  6. SL500 の場合、サポートされるバージョンの SL コンソールでライブラリを構成したことを確認します。前のバージョンの SL コンソールでは、入力できるトラップレベル文字の数が制限されていました。

  7. SL500 および SL150 ライブラリの場合、ボリュームラベル形式が正しく設定されていることを確認します。