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Zero Data Loss Recovery Applianceオーナーズ・ガイド
リリース12.1
E57738-09
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9 InfiniBandを使用した収集の構成

収集ネットワークは、同じデータ・センター内でバックアップを行うために、保護されたOracleデータベース・サーバーをRecovery Applianceに接続します。オプションで、プライベート高速イーサネット・ネットワークのかわりに、または追加で、InfiniBandを使用した収集ネットワークを構成できます。

InfiniBandを使用した収集は、2015年3月以降のリリースを実行する計算サーバーでデータベースにパッチ12.1.0.2 DBBP4を適用した場合にのみサポートされています。

この章の構成は、次のとおりです。

9.1 InfiniBandを使用した収集について

Recovery Applianceはイーサネット・ネットワークを介してすべてのOracle Exadata Database Machineラックからバックアップを受信することをお薦めします。この構成は、「Recovery Applianceのネットワーク接続の例」で示すように、多数の保護されたデータベースを同等にサポートしています。それでも、InfiniBandネットワークを介してRecovery Applianceに対してバックアップするようにローカルのOracle Exadata Database Machineラックを構成できます。この構成により、ローカルのExadataラックにRecovery Applianceへの優先アクセスが提供されます。保護されたデータベースからのREDOおよびSQL*Net制御情報は、引き続き10Gbイーサネット・ネットワークを介して送信されます。

注意:

InfiniBandネットワークをREDOトランスポートに使用しないでください(この構成がサポートされていないためです)。

InfiniBandを使用して収集を構成するには、次のようにします。

  1. InfiniBandファブリック内のすべてのラックが同じサブネットに存在し、一意のIPアドレスを持つことを確認します。IPアドレスはDNSに登録できますが、必須ではありません。

    新しいRecovery Applianceラックをデプロイする場合、Oracle Exadata Database Machineと同じサブネットを特定し、Oracle Exadata Deployment Assistant内の一意の範囲のIPアドレスを指定します。

    デプロイ後、サブネットまたはIPアドレスの問題を修正します。InfiniBandのIPアドレスおよびホスト名の変更の詳細は、『Oracle Exadata Database Machineメンテナンス・ガイド』を参照してください。

  2. InfiniBandファブリック内のすべてのサーバーの/etc/hostsファイルを編集して、すべてのIPアドレスおよびホスト名をリストします。
  3. Recovery Applianceラック内の計算サーバーごとにVIP IPアドレスを作成します。
  4. Recovery ApplianceとOracle Exadata Database Machineラックを配線します。

9.2 Recovery ApplianceとOracle Exadata Database Machineの配線

InfiniBandを使用した収集を構成する場合、次の方法のいずれかを使用すると、Recovery Applianceを1つ以上のローカルのOracle Exadata Database Machineラックに接続できます。

  • Recovery Applianceラックにスパイン・スイッチがある場合、適切な数のラックにマルチラック配線表を使用します。「複数ラック配線表」を参照してください。

  • Recovery Applianceラックにスパイン・スイッチがない場合、複数のOracle Exadata Database Machineクォーター・ラックを一緒に配線する場合と同様の方法で配線できます。

図9-1に、Recovery ApplianceラックとOracle Exadata Database Machineクォーター・ラック間のケーブル接続を示します。各ラック内のリーフ・スイッチで既存の7つの接続を保持します。外部接続用に用意されたポートを使用して、リーフ・スイッチをそれぞれ2つのリンクでラックと相互接続します。

図9-1 Exadataクォーター・ラックに接続したRecovery Appliance

図9-1の説明が続きます
「図9-1 Exadataクォーター・ラックに接続したRecovery Appliance」の説明

図9-2に、Recovery ApplianceからOracle Exadata Database Machineハーフ・ラックまたはフル・ラックへのケーブル接続を示します。各ラック内のリーフ・スイッチで既存の7つの接続を保持します。外部接続用に用意されたポートを使用して、リーフ・スイッチをそれぞれ2つのリンクでラックと相互接続します。

図9-2 Exadataハーフ・ラックまたはフル・ラックに接続したRecovery Appliance

図9-2の説明が続きます
「図9-2 Exadataハーフ・ラックまたはフル・ラックに接続したRecovery Appliance」の説明

図9-3に、Recovery Applianceから2つ以上のExadataラックへのケーブル接続を示します。すべてのOracle Exadata Database Machineラックはハーフ・ラックまたはフル・ラックである必要があり、Fat-Treeトポロジを使用して相互接続する必要があります。

各Recovery Applianceのリーフ・スイッチには、Exadataラック内のスパイン・スイッチへの2つのリンクがあります。5台以上のラックを接続する場合、1つのリンクをスパイン・スイッチに使用します。

図9-3 複数のExadataラックに接続したRecovery Appliance

図9-3の説明が続きます
「図9-3 複数のExadataラックに接続したRecovery Appliance」の説明

9.3 Recovery Appliance InfiniBandネットワークへのVIPの追加

Recovery Applianceラックを1つ以上のOracle Exadata Database Machineラックに配線した後、仮想IPアドレス(VIP)をRecovery Appliance InfiniBandネットワークに追加する必要があります。

VIPを追加するには、次のようにします。

  1. Recovery Appliance計算サーバーにログインします。
  2. Recovery Appliance InfiniBandネットワークのサブネット情報を確認します。
    $ oifcfg iflist -p -n | grep PRIVATE
    eth0 10.10.40.0 PRIVATE 255.255.248.0
    ib0 192.168.40.0 PRIVATE 255.255.248.0
    ib1 192.168.40.0 PRIVATE 255.255.248.0
    bondeth0 10.10.62.0 PRIVATE 255.255.255.0
    bondeth1 10.10.241.192 PRIVATE 255.255.255.192
     
  3. rootユーザーに変更します。
  4. 新しいネットワークをOracle Cluster Ready Services (CRS)に追加します。
    # srvctl add network -k 3 -S 192.168.40.0/255.255.248.0/ib0\|ib1
    

    注意:

    InfiniBandを使用した収集を構成するには、ネットワーク#3(「-k 3」オプションを使用)を指定する必要があります。
  5. 新しいネットワークが正しく接続されていることを確認します。
    # srvctl config network -k 3 
    Network 3 exists 
    Subnet IPv4: 192.168.40.0/255.255.248.0/ib0:ib1, static 
    Subnet IPv6: 
    Ping Targets: 
    Network is enabled 
    Network is individually enabled on nodes: 
    Network is individually disabled on nodes:
     
  6. VIPを新しいCRSネットワークに追加します。
    # srvctl add vip -n raadm01 -A raadm01-priv-vip.example.com/255.255.248.0/ib0\|ib1 -k 3 
    #
    # srvctl add vip -n raadm02 -A raadm02-priv-vip.example.com/255.255.248.0/ib0\|ib1 -k 3
     
  7. Recovery Appliance InfiniBandネットワーク上でVIPを起動します。
    # srvctl start vip -i raadm01-priv-vip.example.com 
    # srvctl start vip -i raadm02-priv-vip.example.com
     
  8. oracleユーザーに変更します。
  9. VIPが動作していることを確認します。
    $ srvctl status vip -vip raadm01-priv-vip.example.com
    VIP 192.168.40.79 is enabled
    VIP 192.168.40.79 is running on node: raadm01
    
    $ srvctl status vip -vip raadm02-priv-vip.example.com
    VIP 192.168.40.80 is enabled
    VIP 192.168.40.80 is running on node: raadm02

9.4 「InfiniBand用の新しいVIPでのRecovery Applianceの更新」

Recovery Applianceでは、バックアップをアプライアンスに受信する際に、優先ネットワークとデフォルト・ネットワークを認識します。デプロイメント手順では、デフォルト・ネットワークとして10Gbイーサネット・ネットワークを構成します。InfiniBandネットワークが優先ネットワークになります。保護されたデータベースが優先ネットワークと接続できる場合はこれを使用し、それ以外の場合はデフォルト・ネットワークを使用します。

次の手順では、「Recovery Appliance InfiniBandネットワークへのVIPの追加」で作成したVIPでOracle Databaseの表を更新します。

Recovery Applianceを仮想IPで更新するには、次のようにします。

  1. Recovery Applianceラックの計算サーバーにログインする際に、SQL*Plusを開き、RASYSとして接続します。
  2. RAI_HOST表の現在の値を表示します。
    SQL> SELECT * FROM rai_host
    
    NODE_NAME            ADMIN_IP_ADDRESS  BACKUP_IP_ADDRESS  
    -------------------  ----------------  --------------------------  
    raadm01.example.com  10.10.40.171      10.10.62.139
    raadm02.example.com  10.10.40.172      10.10.62.140
     
     
    REPLICATION_IP_ADDRESS
    -----------------------
    10.10.241.204
    10.10.241.205
     
  3. 各ホストのInfiniBandネットワークに関連付けられたVIPでBACKUP_IP_ADDRESS列を更新します。インストール時のIPアドレスの適切な値および計算サーバー(ノード)名を使用します。
    SQL> UPDATE rai_host
         SET backup_ip_address='192.168.40.79,'|| backup_ip_address 
         WHERE node_name = 'raadm01.example.com';
     
    SQL> UPDATE rai_host
         SET backup_ip_address='192.168.40.80,'||backup_ip_address 
         WHERE node_name = raadm02.example.com'
     
  4. 変更を表に保存します。
    SQL> commit;
    
  5. RAI_HOSTに問い合せて、設定が正しいことを確認します。
    SQL> SELECT * FROM rai_host;
     
    NODE_NAME            ADMIN_IP_ADDRESS  BACKUP_IP_ADDRESS  
    -------------------  ----------------  --------------------------  
    raadm01.example.com  10.10.40.171      192.168.40.79,10.10.62.139
    raadm02.example.com  10.10.40.172      192.168.40.80,10.10.62.140
    
    REPLICATION_IP_ADDRESS
    -----------------------
    10.10.241.204
    10.10.241.205

9.5 データベース初期化パラメータの更新

Recovery Applianceはディスパッチャを使用してデータベースのバックアップおよびリストア・リクエストを処理します。ディスパッチャは、アプライアンス・データベースへの専用接続数が多くなりすぎないようにします。

init.oraファイルは、次の例に示すように、デフォルトの収集ネットワーク用のディスパッチャを定義します。

*.dispatchers=''
ra1.dispatchers='(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=raingest01-vip.example.com))(SDU=65536))(SERVICE=ZDLRAXDB)(DISPATCHERS=4)'
ra2.dispatchers='(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=raingest02-vip.example.com))(SDU=65536))(SERVICE=ZDLRAXDB)(DISPATCHERS=4)'

SQL ALTER SYSTEMコマンドを使用すると、InfiniBandネットワーク用のディスパッチャをinit.oraパラメータ設定に追加できます。

InfiniBand用のディスパッチャを追加するには、次のようにします。

  • 引き続きOracle DatabaseにRASYSとして接続している場合、次の例のように、InfiniBand VIP用のディスパッチャを構成します。

    SQL> ALTER SYSTEM SET dispatchers=
    '(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)
    (HOST=raadm01-priv-vip.example.com))(SDU=65536))
    (SERVICE=ZDLRAXDB)(DISPATCHERS=4)' SCOPE=BOTH SID='ra1';
     
    SQL> ALTER SYSTEM SET dispatchers=
    '(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)
    (HOST=raadm02-priv-vip.example.com))(SDU=65536))
    (SERVICE=ZDLRAXDB)(DISPATCHERS=4)' SCOPE=BOTH SID='ra2';