InfiniBandを使用した収集は、2015年3月以降のリリースを実行する計算サーバーでデータベースにパッチ12.1.0.2 DBBP4を適用した場合にのみサポートされています。
この章の構成は、次のとおりです。
Recovery Applianceはイーサネット・ネットワークを介してすべてのOracle Exadata Database Machineラックからバックアップを受信することをお薦めします。この構成は、「Recovery Applianceのネットワーク接続の例」で示すように、多数の保護されたデータベースを同等にサポートしています。それでも、InfiniBandネットワークを介してRecovery Applianceに対してバックアップするようにローカルのOracle Exadata Database Machineラックを構成できます。この構成により、ローカルのExadataラックにRecovery Applianceへの優先アクセスが提供されます。保護されたデータベースからのREDOおよびSQL*Net制御情報は、引き続き10Gbイーサネット・ネットワークを介して送信されます。
注意:
InfiniBandネットワークをREDOトランスポートに使用しないでください(この構成がサポートされていないためです)。InfiniBandを使用して収集を構成するには、次のようにします。
InfiniBandを使用した収集を構成する場合、次の方法のいずれかを使用すると、Recovery Applianceを1つ以上のローカルのOracle Exadata Database Machineラックに接続できます。
Recovery Applianceラックにスパイン・スイッチがある場合、適切な数のラックにマルチラック配線表を使用します。「複数ラック配線表」を参照してください。
Recovery Applianceラックにスパイン・スイッチがない場合、複数のOracle Exadata Database Machineクォーター・ラックを一緒に配線する場合と同様の方法で配線できます。
図9-1に、Recovery ApplianceラックとOracle Exadata Database Machineクォーター・ラック間のケーブル接続を示します。各ラック内のリーフ・スイッチで既存の7つの接続を保持します。外部接続用に用意されたポートを使用して、リーフ・スイッチをそれぞれ2つのリンクでラックと相互接続します。
図9-2に、Recovery ApplianceからOracle Exadata Database Machineハーフ・ラックまたはフル・ラックへのケーブル接続を示します。各ラック内のリーフ・スイッチで既存の7つの接続を保持します。外部接続用に用意されたポートを使用して、リーフ・スイッチをそれぞれ2つのリンクでラックと相互接続します。
図9-2 Exadataハーフ・ラックまたはフル・ラックに接続したRecovery Appliance
図9-3に、Recovery Applianceから2つ以上のExadataラックへのケーブル接続を示します。すべてのOracle Exadata Database Machineラックはハーフ・ラックまたはフル・ラックである必要があり、Fat-Treeトポロジを使用して相互接続する必要があります。
各Recovery Applianceのリーフ・スイッチには、Exadataラック内のスパイン・スイッチへの2つのリンクがあります。5台以上のラックを接続する場合、1つのリンクをスパイン・スイッチに使用します。
Recovery Applianceラックを1つ以上のOracle Exadata Database Machineラックに配線した後、仮想IPアドレス(VIP)をRecovery Appliance InfiniBandネットワークに追加する必要があります。
VIPを追加するには、次のようにします。
Recovery Applianceでは、バックアップをアプライアンスに受信する際に、優先ネットワークとデフォルト・ネットワークを認識します。デプロイメント手順では、デフォルト・ネットワークとして10Gbイーサネット・ネットワークを構成します。InfiniBandネットワークが優先ネットワークになります。保護されたデータベースが優先ネットワークと接続できる場合はこれを使用し、それ以外の場合はデフォルト・ネットワークを使用します。
次の手順では、「Recovery Appliance InfiniBandネットワークへのVIPの追加」で作成したVIPでOracle Databaseの表を更新します。
Recovery Applianceを仮想IPで更新するには、次のようにします。
Recovery Applianceはディスパッチャを使用してデータベースのバックアップおよびリストア・リクエストを処理します。ディスパッチャは、アプライアンス・データベースへの専用接続数が多くなりすぎないようにします。
init.ora
ファイルは、次の例に示すように、デフォルトの収集ネットワーク用のディスパッチャを定義します。
*.dispatchers='' ra1.dispatchers='(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=raingest01-vip.example.com))(SDU=65536))(SERVICE=ZDLRAXDB)(DISPATCHERS=4)' ra2.dispatchers='(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=raingest02-vip.example.com))(SDU=65536))(SERVICE=ZDLRAXDB)(DISPATCHERS=4)'
SQL ALTER SYSTEM
コマンドを使用すると、InfiniBandネットワーク用のディスパッチャをinit.ora
パラメータ設定に追加できます。
InfiniBand用のディスパッチャを追加するには、次のようにします。
引き続きOracle DatabaseにRASYS
として接続している場合、次の例のように、InfiniBand VIP用のディスパッチャを構成します。
SQL> ALTER SYSTEM SET dispatchers= '(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP) (HOST=raadm01-priv-vip.example.com))(SDU=65536)) (SERVICE=ZDLRAXDB)(DISPATCHERS=4)' SCOPE=BOTH SID='ra1'; SQL> ALTER SYSTEM SET dispatchers= '(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP) (HOST=raadm02-priv-vip.example.com))(SDU=65536)) (SERVICE=ZDLRAXDB)(DISPATCHERS=4)' SCOPE=BOTH SID='ra2';