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Zero Data Loss Recovery Applianceオーナーズ・ガイド
リリース12.1
E57738-09
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10 Recovery Applianceラックの構成

この章では、Recovery Applianceラックのハードウェア・コンポーネントの構成方法について説明します。内容は次のとおりです。

注意:

この章の手順では、Oracle Exadata Deployment Assistantにより生成されるファイルを使用します。このユーティリティは、この章の手順を開始する前に実行する必要があります。

10.1 自動サービス・リクエストのサポート

自動サービス・リクエストはRecovery Applianceのオプション・コンポーネントです。自動サービス・リクエストのためにRecovery Applianceを構成するには、最初にASRマネージャをインストールする必要があります。

10.1.1 自動サービス・リクエストを使用するための前提条件

Oracle Exadata Deployment Assistantで使用することを目的として自動サービス・リクエストが選択されていることを確認します。Recovery ApplianceはOracle Advanced Support GatewayまたはOracle Platinum Gatewayとともに使用することはできません。

ASRマネージャ・ホストのIPアドレスおよびルート・パスワードを知っている必要があります。

10.1.2 既存のASRマネージャのインストールの確認

ASRマネージャがすでにサイトで動作している場合、バージョンが4.5以上であることを確認します。それ以外の場合、アップグレードする必要があります。

ASRマネージャのバージョン番号を取得する手順:

  • Linuxシステムの場合:

    # rpm -qa | grep SUNWswasr
    SUNWswasr-2.7-1
    
  • Solarisシステムの場合:

    # pkginfo -l SUNWswasr
    PKGINST: SUNWswasr
    NAME: SASM ASR Plugin
    CATEGORY: application
    ARCH: all
    VERSION: 2.6
    BASEDIR: /
    VENDOR: Sun Microsystems, Inc.
         .
         .
         .
    

これらの例の出力は、ASRマネージャを4.5以上に更新する必要があることを示しています。

10.1.3 ASRマネージャのインストール

ASRマネージャがまだインストールされていない場合、「自動サービス・リクエストの設定」の手順に従います。ASRマネージャをOracle ASRバックエンドに登録した後、Recovery Applianceを構成するためにこれらの手順に戻ります。

10.2 テープ・ハードウェアの設置

Oracle Secure Backupのテープ・バックアップは、Recovery Applianceのオプションです。QLogic ZLE8362ファイバ・カードおよびトランシーバをサイトにインストールする必要があります。これらは出荷前に工場ではインストールされません。

QLogicファイバ・カードはラックに同梱してOracleから出荷されます。トランシーバはサプライヤから直接出荷されます。

テープ・ネットワーキング・ハードウェアをインストールする手順:

  1. 各計算サーバーのPCIeスロット1にファイバ・カードを挿入します。
  2. カードが正しく設置されていることを確認し、隣接するカードとの位置を合せます。
  3. トランシーバをSANスイッチまたはテープ・ライブラリに挿入し、これらをケーブルでファイバ・カードに接続します。

    SANスイッチまたはテープ・ライブラリがまだインストールされていない場合は、サプライヤに連絡します。

関連項目:

PCIeカードの交換の完全な手順については、Oracle SupportのドキュメントID 1592317.1を参照してください。

10.3 ネットワークへのRecovery Applianceの接続

Recovery Applianceラックの個々のデバイスを構成する前に、ラックの工場出荷時の設定と既存のネットワークの間に、IPアドレスの競合がないことを確認します。

Recovery Applianceラックの構成準備をするには、次のようにします。

  1. Recovery Applianceラックをデータ・センターのネットワークに接続します。
  2. Oracle Exadata Deployment Assistantを実行したシステムか、生成されたファイルをコピーした別のシステムにログインします。そのシステムは、Recovery Applianceと同じサブネットに存在する必要があります。

    Oracle Exadata Deployment Assistantを実行していない場合は、「Deployment Assistantの使用」を参照してください。

  3. 次のようなコマンドを使用して、checkipスクリプトを実行します。
    # ./customer_name-rack_name-checkip.sh -cf configuration_file.xml
    

    このコマンドのconfiguration_fileは、Oracle Exadata Deployment Assistantで生成されるXML構成ファイルの名前です。一部のプラットフォームでは、スクリプトのファイル名の拡張子が.cmdになります。

  4. レポートされたすべての競合を解決し、checkipスクリプトを再度実行して、競合が残っていないことを確認します。

    解決できない競合がある場合は、ネットワークに接続せずに、この章の手順を実行できます。ただし、ドメイン・ネーム・システム(DNS)やネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)などのサービスへの接続の試行がタイムアウトするため、この方法では完了までにより多くの時間がかかります。

  5. 構成するユニットにラップトップを接続し、この章の説明に従ってラック・ユニットを構成します。
  6. 構成するデバイスにラップトップを接続して、この章の構成手順を完了します。

10.4 InfiniBandスイッチの構成

Recovery Applianceでは、Sun Datacenter InfiniBand Switch 36の2つのリーフ・スイッチは、ibaおよびibbと識別されます。両方のスイッチに、次の構成手順を実行します。

10.4.1 InfiniBandスイッチの構成

U20のリーフ・スイッチ1のデフォルトの識別子はiba、U22のリーフ・スイッチ2のデフォルトの識別子はibbです。

Sun Datacenter InfiniBand Switch 36スイッチを構成するには、次のようにします。

  1. 1つのラック設置の場合、InfiniBandリーフ・スイッチ上のポート8BからInfiniBandケーブルを抜きます。これが邪魔にならないように吊るすには、フック・アンド・ループ・テープを使用します。

    このケーブルは、マルチラック設置の場合にスパイン・スイッチに接続するために事前に設置されています。ただし、1つのラック設置の場合、これはモニタリング・ソフトウェアではダウンリンクとして表示される可能性があります。

  2. ラップトップとInfiniBandスイッチのUSBシリアル・アダプタの間をシリアル・ケーブルで接続します。必要に応じて、次の端末設定を使用します。
    TERM=vt100; export TERM
    
  3. Oracle ILOMにログインします。
    localhost: ilom-admin
    password: welcome1
    
  4. ファームウェアのバージョンが2.1.5-1以上であることを確認します。
    -> version
    

    スイッチのバージョンが2.1.5-1より前のものである場合は、Oracleサポート・サービスに連絡してください。

  5. ドメイン名なしで、スイッチのホスト名を設定します。次の例では、名前ra1swを1つ目のゲートウェイ・スイッチ(iba)に割り当てています。
    -> set /SP hostname=ra1sw-iba
    -> show /SP hostname
    /SP
    Properties:
    hostname = ra1sw-iba
    

    スイッチの名前は、インストレーション・テンプレートを参照してください。

  6. DNSサーバー名とドメイン名を設定します。次の構文では、希望する検索順序で、IP_addressesに最大3つのIPアドレスをカンマで区切って指定できます。
    -> set /SP/clients/dns auto_dns=enabled
    -> set /SP/clients/dns nameserver=IP_addresses
    -> set /SP/clients/dns searchpath=domain_name
    
  7. 設定を確認します。
    -> show /SP/clients/dns
    /SP/clients/dns
    Targets:
    Properties:
    auto_dns = enabled
    nameserver = 10.196.23.245, 138.2.202.15
    retries = 1
    searchpath = example.com
    timeout = 5
         .
         .
         .
    
  8. スイッチ管理ネットワークの設定を構成します。次のコマンドで、pending_ippending_gwおよびpending_nmはネットワーク管理者によって定義されたIPアドレスです。
    -> cd /SP/network
    -> set pendingipaddress=pending_ip
    -> set pendingipgateway=pending_gw
    -> set pendingipnetmask=pending_nm
    -> set pendingipdiscovery=static
    -> set commitpending=true
    
  9. 設定を確認します。
    -> show
    /SP/network
    Targets:
    test
    Properties:
    commitpending = (Cannot show property)
    dhcp_server_ip = none
    ipaddress = 10.196.16.152
    ipdiscovery = static
    ipgateway = 10.196.23.254
    ipnetmask = 255.255.248.0
    macaddress = 00:E0:4B:38:77:7E
    pendingipaddress = 10.196.16.152
    pendingipdiscovery = static
    pendingipgateway = 10.196.23.254
    pendingipnetmask = 255.255.248.0
    state = enabled
         .
         .
         .
    
  10. いずれかの値が正しくない場合は、set pendingipparameterコマンド、commitpending=trueコマンドの順に繰り返します。

10.4.2 InfiniBandスイッチでの時間の設定

InfiniBandスイッチで時間を設定するには、次のようにします。

  1. インストレーション・テンプレートに表示されている値を使用して、タイムゾーンを設定します。次のコマンドでは、現在の設定の表示、タイムゾーンの変更、新しい設定の確認を行っています。
    -> show /SP/clock 
    -> set /SP/clock timezone=zone identifier
    -> show /SP/clock
    

    インストレーション・テンプレートは、Oracle Exadata Deployment Assistantによって生成されます。「構成ファイルの概要」を参照してください。

  2. SPクロックを現在時刻に設定します。使用する時間の形式はMMddHHmmCCyyで、月、日にち、時間、分、世紀および年を示しています。次のコマンドでは、現在の設定の表示、時間の変更、新しい設定の確認を行っています。
    -> show /SP/clock
    -> set /SP/clock datetime=MMddHHmmCCyy
    -> show /SP/clock
    
  3. NTPを構成します。次のコマンドは、プライマリ(1)とセカンダリ(2)の両方のNTPサーバーを構成しています。
    -> set /SP/clients/ntp/server/1 address=IP_address
    -> set /SP/clients/ntp/server/2 address=IP_address
    -> set /SP/clock usentpserver=enabled
    

    注意:

    ネットワークでNTPが使用されていない場合は、「Recovery Applianceソフトウェアのインストール」でソフトウェアをインストールする前に、1台目の計算サーバー(U16)をNTPサーバーとして構成します。

  4. プライマリNTPサーバーのIPアドレスを確認します。
    -> show /SP/clients/ntp/server/1
    /SP/clients/ntp/server/1
       Targets:
    
       Properties:
          address = 10.204.74.2
    
       Commands:
          cd
          set
          show
    
  5. セカンダリNTPサーバーのIPアドレスを確認します。
    -> show /SP/clients/ntp/server/2
    /SP/clients/ntp/server/2
       Targets:
    
       Properties:
          address = 10.196.16.1
         .
         .
         .
    
  6. 時間を確認します。
    -> show /SP/clock
    /SP/clock
       Targets:
    
       Properties:
          datetime = Mon Nov 04 11:53:19 2013
          timezone = EST (US/Eastern)
          usentpserver = enabled
         .
         .
         .

10.4.3 スパイン・スイッチでのシリアル番号の設定

マルチラック構成で、スパイン・スイッチのILOMでラック・マスター・シリアル番号を設定します。リーフ・スイッチを構成する場合は、この手順をスキップします。

スパイン・スイッチでシリアル番号を設定する手順:

  1. システム識別子を40文字以下に設定します。
    -> set /SP system_identifier="Oracle ZDLRA X5 serial_number"
    

    無効なプロパティ値に関するエラーは、文字数が多すぎることを示します。

  2. 値が設定されていることを検証します。
    -> show /SP system_identifier
         /SP
           Properties:
             system_identifier = Oracle ZDLRA X5 AK012345678

10.4.4 InfiniBandスイッチの状態の確認

InfiniBandスイッチの状態を確認するには、次のようにします。

  1. ファブリック管理シェルを開きます。

    -> show /SYS/Fabric_Mgmt
    NOTE: show on Fabric_Mgmt will launch a restricted Linux shell.
    User can execute switch diagnosis, SM Configuration and IB
    monitoring commands in the shell. To view the list of commands,
    use "help" at rsh prompt.
    Use exit command at rsh prompt to revert back to
    ILOM shell.
    FabMan@hostname->
    

    プロンプトが->からFabMan@hostname->に変わります

  2. スイッチの全般的な状態を確認します。

    FabMan@ra1sw-iba-> showunhealthy
    OK - No unhealthy sensors
    
  3. 環境全般を確認します。

    FabMan@ra1sw-iba-> env_test
    NM2 Environment test started:
    Starting Voltage test:
    Voltage ECB OK
    Measured 3.3V Main = 3.28 V
    Measured 3.3V Standby = 3.42 V
    Measured 12V = 12.06 V
         .
         .
         .
    

    レポートには、ファン1、2、3があり、ファン0と4がないことが表示されます。「All OK and Passed」という結果は、環境が正常であることを示します。

  4. スイッチのInfiniBandサブネット・マネージャの現在の優先度を確認します。リーフ・スイッチのsmpriorityの値は5、スパイン・スイッチのsmpriorityの値は8である必要があります。次に示すサンプル出力は、リーフ・スイッチの優先度が正しいことを示しています。

    FabMan@ra1sw-iba-> setsmpriority list
    Current SM settings:
    smpriority 5
    controlled_handover TRUE
    subnet_prefix 0xfe80000000000000
    
  5. 優先度の設定が正しくない場合は、リセットします。

    1. サブネット・マネージャを無効にします。

      FabMan@ra1sw-iba->disablesm
      Stopping partitiond daemon.             [ OK ]
      Stopping IB Subnet Manager..            [ OK ]
      
    2. 優先度をリセットします。この例では、リーフ・スイッチに優先度を設定しています。

      FabMan@ra1sw-iba->setsmpriority 5
      Current SM settings:
      smpriority
      5 controlled_handover TRUE
      subnet_prefix 0xfe80000000000000
      
    3. サブネット・マネージャを再起動します。

      FabMan@ra1sw-iba->enablesm
      Starting IB Subnet Manager.             [ OK ]
      Starting partitiond daemon.             [ OK ]
      
  6. ファブリック管理シェルとOracle ILOMシェルからログアウトします。

    FabMan@ra1sw-iba-> exit
    -> exit
    
  7. Linuxにrootとしてログインし、スイッチを再起動します。

    localhost: root
    password: welcome1
    [root@localhost ~]# reboot
    
  8. ラップトップをInfiniBandスイッチから取り外します。

  9. 2つ目のInfiniBandリーフ・スイッチで、この手順を繰り返します。

10.4.5 サブネット・マネージャ・マスターとしてのスパイン・スイッチの設定

ラック・ユニット1 (U1)にあるInfiniBandスイッチは、スパイン・スイッチと呼ばれます。Recovery Applianceでスパイン・スイッチを使用できるのは、別のRecovery Applianceに接続している場合のみです。ラックの基本コンポーネントには含まれていません。

ラックを配線した後、次の手順を実行します。

スパイン・スイッチはInfiniBandサブネットのサブネット・マネージャ・マスターです。サブネット・マネージャ・マスターの優先度は8です。

スパイン・スイッチの優先度の設定を確認するには、次のようにします。

  1. rootユーザーとしてスパイン・スイッチにログインします。

  2. setsmpriority listコマンドを実行します。

    このコマンドにより、smpriorityの値は8であることが示されます。smpriorityの値が異なる場合は、次のようにしてください。

    1. disablesmコマンドを使用して、サブネット・マネージャを停止します。

    2. setsmpriority 8コマンドを使用して優先度を8に設定します。

    3. enablesmコマンドを使用して、サブネット・マネージャを再起動します。

他の2つのInfiniBandスイッチはリーフ・スイッチです。リーフ・スイッチは、ラック・ユニット20および22 (U20とU22)にあります。これらは、優先度が5のスタンバイ・サブネット・マネージャです。ステータスは、前述の手順22.bのコマンドに値5を代入して確認できます。

サブネット・マネージャ・マスターを確認するには、次のようにします。

  1. 任意のInfiniBandスイッチにrootユーザーとしてログインします。

  2. サブネット・マネージャ・マスターの場所が表示されます。

    # getmaster
    20100701 11:46:38 OpenSM Master on Switch : 0x0021283a8516a0a0 ports 36 Sun DCS 36
    QDR switch ra01sw-ib1.example.com enhanced port 0 lid 1 lmc 0
    

    前述の出力は、適切な構成を示しています。サブネット・マスター・マネージャは、スパイン・スイッチra01sw-ib1.example.comで実行されます。

スパイン・スイッチがサブネット・マネージャ・マスターではない場合、サブネット・マネージャ・マスターをリセットします。

  1. getmasterコマンドを使用して、サブネット・マネージャ・マスターの現在の場所を確認します。

  2. サブネット・マネージャ・マスターのリーフ・スイッチにrootユーザーとしてログインします。

  3. スイッチのサブネット・マネージャを無効にします。サブネット・マネージャ・マスターが別のスイッチに移動します。

    関連項目:

    次のWebサイトの『Sun Datacenter InfiniBand Switch 36 User's Guide』のサブネット・マネージャの無効化に関する項を参照してください。

    http://docs.oracle.com/cd/E19197-01/835-0784-05/z4001de61813698.html#z40003f12047367

  4. getmasterコマンドを使用して、サブネット・マネージャ・マスターの現在の場所を確認します。スパイン・スイッチがサブネット・マネージャ・マスターではない場合、スパイン・スイッチがサブネット・マネージャ・マスターになるまで手順23を繰り返します。

  5. この手順の実行中に無効になったリーフ・スイッチのサブネット・マネージャを有効にします。

    関連項目:

    次のWebサイトの『Sun Datacenter InfiniBand Switch 36 User's Guide』のサブネット・マネージャの有効化に関する項を参照してください。

    http://docs.oracle.com/cd/E19197-01/835-0784-05/z4001de61707660.html#z40003f12047359

注意:

4つ以上のラックを配線してInfiniBandネットワークを構成している場合、スパイン・スイッチでのみ、サブネット・マネージャを実行します。リーフ・スイッチのサブネット・マネージャは無効化します。

10.5 Ciscoイーサネット・スイッチの構成

Recovery Applianceに付属するCisco Catalyst 4948イーサネット・スイッチには、IPBASEK9-MZファームウェアが内蔵されています。インストール中にスイッチの最低限の構成が行われます。次の手順では、Ciscoイーサネット・スイッチを構成して1つの大規模な仮想LANにします。

Ciscoイーサネット・スイッチの構成の内容および手順は、次のとおりです。

10.5.1 構成の範囲

最小構成では、IPルーティングが無効になり、次の設定が行われます。

  • ホスト名

  • IPアドレス

  • サブネット・マスク

  • デフォルトのゲートウェイ

  • ドメイン名

  • ネーム・サーバー

  • NTPサーバー

  • 時刻

  • タイムゾーン

10.5.2 イーサネット・スイッチを構成するための前提条件

カスタマ・ネットワークの切断を避けるため、次の前提条件を満たす必要があります。

  • ネットワーク管理者が実行構成を検証して必要な変更を行うまで、Ciscoイーサネット・スイッチを接続しないでください。

  • Recovery Applianceの全コンポーネントのIPアドレスが構成されるまで、Ciscoイーサネット・スイッチを接続しないでください。この順序を守ることにより、工場出荷時の設定が原因で発生することのある重複IPアドレスの競合を避けられます。

  • Ciscoイーサネット・スイッチはネットワーク管理者と一緒に構成してください。

関連項目:

10.5.3 データ・センター・ネットワークでのイーサネット・スイッチの構成

次の手順は、Ciscoイーサネット・スイッチの構成方法を示しています。構成はネットワーク管理者と一緒に行う必要があります。

  1. Ciscoスイッチ・コンソールからラップトップまたは類似する装置にシリアル・ケーブルを接続します。RJ45-DB9シリアル・ケーブルがCiscoドキュメント・パッケージに付属しています。デフォルトのシリアル・ポートの速度は9600ボー、8ビット、パリティなし、1ストップ・ビットおよびハンドシェイクなしです。

    スイッチにステータス・ライトが表示され、次のプロンプトが表示されます。

    Switch con0 is now available
    Press RETURN to get started.
    
  2. enableモードに変更します。
    Switch> enable
    Password: welcome1
    
  3. Oracleで使用されている現在のファームウェア・バージョンがスイッチで実行されていることを確認します。
    Switch# show version
    Cisco IOS Software, Catalyst 4500 L3 Switch Software (cat4500e-
    IPBASEK9-M), Version 15.2(1)E2, RELEASE SOFTWARE (fc1)
    Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport
    Copyright (c) 1986-2014 by Cisco Systems, Inc.
    Compiled Tue 11-Mar-14 18:28 by prod_rel_team
    
    ROM: 12.2(44r)SG12
    ra1sw-ip uptime is 2 weeks, 6 hours, 9 minutes
    System returned to ROM by power-on
    System restarted at 13:06:29 EDT Tue Oct 29 2013
    System image file is "bootflash:cat4500e-ipbasek9-mz.152-1.E2.bin"
    Hobgoblin Revision 22, Fortooine Revision 1.40
         .
         .
         .
    

    この出力には、現在のバージョンであるIPBASE9-Mが表示されています。完全なリリース・バージョンの名前はcat4500e-ipbasek9-mz.152-1.E2.binです。

  4. 単一のVLANのネットワークを構成します。次の例では、スイッチのIPアドレスが10.7.7.34で、ネットマスクが255.255.255.0です。
    Switch# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    Switch(config)# interface vlan 1
    Switch(config-if)# ip address 10.7.7.34 255.255.255.0
    Switch(config-if)# end
    Switch# *Sep 15 14:12:06.309:%SYS-5-CONFIG_I:Configured from console by console
    Switch# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2474 bytes to 1066 bytes [OK ]
    
  5. データ・センターのネットワークではIPルーティングが不要な場合は、デフォルトのIPルーティング設定を無効にして、デフォルト・ゲートウェイを構成します。10.7.7.1を、インストールのゲートウェイのIPアドレスと置き換えます。
    Switch# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    Switch(config)# no ip routing
    Switch(config)# ip default-gateway 10.7.7.1
    Switch(config)# end 
    *Sep 15 14:12:46.309:%SYS-5-CONFIG_I:Configured from console by console
    Switch# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2492 bytes to 1070 bytes [OK ]
    
  6. IPルーティングが必要な場合は、デフォルトのIPルーティング設定をそのまま使用し、デフォルトのゲートウェイを構成します。10.7.7.1を、インストールのゲートウェイのIPアドレスと置き換えます。
    Switch# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    Switch(config)# ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 10.7.7.1
    Switch(config)# end
    *Sep 15 14:13:26.013:%SYS-5-CONFIG_I:Configured from console by console
    Switch# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2502 bytes to 1085 bytes [OK ]
    
  7. スイッチのホスト名を設定します。この例では、名前がra1sw-ipに設定されています。
    Switch# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    Switch(config)# hostname ra1sw-ip
    rasw-ip(config)# end
    rasw-ip# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 3789 bytes to 1469 bytes [OK ]
    

    システムのホスト名がプロンプトに表示されます。

  8. 最大3つのDNSサーバーを構成します。この例で使用されているドメイン名とIPアドレスを、インストールの値に置き換えます。
    rasw-ip# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    rasw-ip(config)# ip domain-name example.com
    rasw-ip(config)# ip name-server 10.7.7.3
    rasw-ip(config)# ip name-server 129.148.5.5
    rasw-ip(config)# ip name-server 10.8.160.1
    rasw-ip(config)# end 
    *Sep 15 14:26:37.045:%SYS-5-CONFIG_I:Configured from console by console
    rasw-ip# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2603 bytes to 1158 bytes [OK ]
    

    DNSサービスを使用できない場合は、ドメイン名のみを設定し、SSHキーを構成できるようにします。

  9. 工場出荷時に設定されていない場合は、一時的なパスワードを設定します。
    rasw-ip# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    rasw-ip(config)# enable password password
    rasw-ip(config)# enable secret password 
    rasw-ip(config)# end
    rasw-ip# write memory 
    *Sep 15 14:25:05.893:%SYS-5-CONFIG_I:Configured from console by console
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2502 bytes to 1085 bytes [OK ]
    

10.5.4 Telnet接続の無効化

Telnetは安全ではないため、やむを得ない理由がないかぎり、有効にしないでください。Telnetを有効にするには、パスワードを設定します。無効にするには、パスワードを削除します。

Telnet接続を無効にする手順:

  1. Telnetが無効であることを確認します。
    ra1sw-ip# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
    ra1sw-ip(config)# line vty 0 15
    ra1sw-ip(config-line)# login
    % Login disabled on line 1, until 'password' is set
    % Login disabled on line 2, until 'password' is set
         .
         .
         .
    % Login disabled on line 16, until 'password' is set
    % end
    

    この例は、パスワードが設定されていないため、Telnetが無効であることを示しています。

  2. Telnetのパスワードが設定されている場合、ログインを無効にします。
    ra1sw-ip(config-line)# no password
    ra1sw-ip(config-line)# end
    ra1sw-ip# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 3786 bytes to 1468 bytes[OK]

10.5.5 イーサネット・スイッチでのSSHの構成

イーサネット・スイッチでセキュア・シェル(SSH)を構成する手順:

  • 次の例に示すコマンドを入力します。

    ra1sw-ip# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
    ra1sw-ip(config)# crypto key generate rsa
    % You already have RSA keys defined named ra1sw-ip.example.com.
    % Do you really want to replace them? [yes/no]: yes
    Choose the size of the key modulus in the range of 360 to 2048 for
    your General Purpose Keys. Choosing a key modulus greater than 512
    may take a few minutes.
    How many bits in the modulus [512]: 768
    
    % Generating 768 bit RSA keys, keys will be non-exportable...[OK]
    ra1sw-ip(config)# username admin password 0 welcome1
    ra1sw-ip(config)# line vty 0 15
    ra1sw-ip(config-line)# transport input ssh
    ra1sw-ip(config-line)# exit
    ra1sw-ip(config)# aaa new-model
    
    ra1sw-ip(config)# ip ssh time-out 60
    ra1sw-ip(config)# ip ssh authentication-retries 3
    ra1sw-ip(config)# ip ssh version 2
    ra1sw-ip(config)# end
    *Sep 15 14:26:37.045: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console
    ra1sw-ip# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2603 bytes to 1158 bytes[OK]

10.5.6 イーサネット・スイッチでのクロックおよびタイムゾーンの設定

Ciscoイーサネット・スイッチで時間を設定する手順は、次のとおりです。

  1. クロックとタイムゾーンを設定します。スイッチは、協定世界時(UTC)形式の内部時間を維持します。
    • クロック時間をUTCに設定するには、次のようにします。

      no clock timezone global configuration
      
    • タイムゾーンを使用するようにクロックを設定するには、次のようにします

      clock timezone zone hours-offset [minutes-offset]
      

      前述のコマンドのzoneは有効な標準時を表示するタイムゾーン、hours-offsetはUTCからの時間オフセット、minutes-offsetはUTCからの分オフセットです。

    • 夏時間を設定するには、次のようにします。

      clock summer-time zone recurring [week day month hh:mm week day month \
      hh:mm [offset]]
      

      このコマンドのzoneはサマータイムが有効な場合に使用するタイムゾーンで、weekは月の週(1から5の数値またはlast)、dayは週の曜日、monthは月、hh:mmは24時間形式の時間、offsetはサマータイム中に追加する分数です。デフォルトのオフセットは、60分です。

    • クロックを任意の時刻に手動で設定するには、次のようにします。

      clock set hh:mm:ss month day year
      

      前述のコマンドのhh:mm:ssは24時間形式の時間、dayは月単位の日、monthは月、yearは年です。時間は、構成したタイムゾーンに対応します。

    ローカル時間およびタイムゾーンを設定する場合、順序が重要です。次の例では、ローカル時間をアメリカ東部タイムゾーンに設定しています。

    Switch# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    rasw-ip(config)# clock timezone EST -5 
    rasw-ip(config)# clock summer-time EDT recurring
    rasw-ip(config)# end
    rasw-ip# clock set 21:00:00 July 17 2014
    rasw-ip# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 3784 bytes to 1465 bytes [OK ]
    rasw-ip# show clock
    21:00:06.643 EST Thu Jul 17 2014
    
  2. 最大2台のNTPサーバーを構成します。この例で使用されているIPアドレスを、インストールの値に置き換えます。
    rasw-ip# configure terminal
    Enter configuration commands,one per line. End with CNTL/Z.
    rasw-ip(config)# ntp server 10.7.7.32 prefer
    rasw-ip(config)# ntp server 129.148.9.19
    rasw-ip(config)# end
    *Sep 15 14:51:08.665:%SYS-5-CONFIG_I:Configured from console by console
    rasw-ip# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2654 bytes to 1163 bytes [OK ]
    rasw-ip# show ntp status
         .
         .
         .
    rasw-ip# show clock
    20:59:06.643 EST July 17 2014
    

    Ciscoスイッチがネットワークに接続してNTPにアクセスできる場合、NTPサーバーがローカル時間と同期化します。show clockの前に表示される記号は、その時間が次のものであることを意味します。

    • * 正式ではありません

    • . 正式ですが、NTPが同期されていません。

    • 正式です(空白)。

10.5.7 イーサネット・スイッチでのスパニング・ツリーの無効化

デフォルトでは、Ciscoスイッチでスパニング・ツリーは有効になっています。スパニング・ツリーが有効なスイッチをネットワークに追加すると、ネットワーク問題が発生する可能性があります。防止策として、スイッチをネットワークに接続する前に、アップリンク・ポートのVLANからスパニング・ツリーを無効にすることができます。または、ネットワークへの接続の前後に、特定のプロトコル設定を使用してスパニング・ツリー・プロトコルをオンにすることもできます。

アップリンク・ポートのVLANでスパニング・ツリーを無効にする手順:

  1. アップリンク・ポートのVLANのスパニング・ツリーを無効にします。
    rasw-ip# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
    rasw-ip(config)# no spanning-tree vlan 1
    rasw-ip(config)# end
    rasw-ip# write memory
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2654 bytes to 1163 bytes[OK]
    
  2. スパニング・ツリーが無効であることを確認します。
    rasw-ip# show spanning-tree vlan 1
    Spanning tree instance(s) for vlan 1 does not exist.
    

デフォルトのプロトコル設定を使用してスパニング・ツリー・プロトコルを再度有効にする手順:

  • 次の例に示すコマンドを使用します。

    ra1sw-ip# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
    ra1sw-ip(config)# spanning-tree vlan 1
    ra1sw-ip(config)# end
    ra1sw-ip# write memory

関連項目:

データ・センターのイーサネット・ネットに必要な特定のプロトコル設定を使用したスパニング・ツリー・プロトコルの有効化方法の詳細は、『Cisco Switch Configuration Guide』を参照してください。

10.5.8 イーサネット構成の確認

イーサネット構成を確認するには、次のようにします。

  1. 構成を確認します。
    rasw-ip# show running-config
    Building configuration...
    Current configuration : 3923 bytes
    !
    version 15.2
    no service pad
    service timestamps debug datetime msec
    service timestamps log datetime msec
    no service password-encryption
    service compress-config
         .
         .
         .
    
  2. 設定が正しくない場合は、適切なコマンドを繰り返します。設定を消去するには、同じコマンドの前にnoと入力します。たとえば、次のコマンドでは、デフォルトのゲートウェイ設定が消去されます。
    rasw-ip# no ip default-gateway 10.7.7.1
    rasw-ip# end
    rasw-ip# write memory
    
  3. 現在の構成を保存します。
    rasw-ip# copy running-config startup-config
    Destination filename [startup-config]?
    Building configuration...
    Compressed configuration from 2654 bytes to 1189 bytes[OK]
    
  4. セッションを終了します。
    rasw-ip# exit
    rasw-ip con0 is now available
    Press RETURN to get started.
    
  5. Ciscoコンソールからケーブルを取り外します。
  6. (オプション)ラップトップをポート48に接続し、内部管理ネットワークのスイッチのIPアドレスをpingします。スイッチを管理ネットワークに接続しないでください。

10.6 配電ユニットの構成

配電ユニット(PDU)を静的IPアドレスで構成して、モニタリング・ネットワークに接続します。

10.6.1 PDUへのネットワーク・アドレスの割当て

PDUネットワーク・アドレスを構成する手順:

  1. RS-232ケーブルを使用して、ラップトップをCiscoイーサネット・スイッチのSER MGTポートに接続します。
  2. 次の設定を使用するようラップトップの端末エミュレータを構成します。
    • 9600ボー

    • 8ビット

    • 1ストップ・ビット

    • パリティ・ビットなし

    • フロー制御なし

  3. パスワードwelcome1を使用してadminユーザーとしてPDUメーター・ユニットにログインします。

    ネットワークの構成後にこのパスワードを変更します。

  4. IPアドレス、サブネット・マスクおよびデフォルトのゲートウェイに関するネットワーク設定を入力します。
    pducli -> set net_ipv4_dhcp=Off
    set OK
    pducli -> set net_ipv4_ipaddr=ip_address
    set OK
    pducli -> set net_ipv4_subnet=subnet_mask
    set OK
    pducli -> set net_ipv4_gateway=default_gateway
    set OK
    
  5. (オプション)DNSサーバーのIPアドレスを使用してPDUを構成します。
    pducli -> set net_ipv4_dns1=domain_name_1
    set OK
    pducli -> set net_ipv4_dns2=domain_name_2
    set OK
    
  6. PDUメーター・ユニットをリセットします。
    pducli -> reset=yes
    set OK
    
  7. RS-232ケーブルをSER MGTポートから削除します。
  8. これらの手順を2つ目のPDUメーター・ユニットで繰り返します。

10.6.2 PDUシステム時間設定の構成

PDUを構成する手順:

  1. ラップトップをイーサネット・スイッチに接続します。
  2. ブラウザを開き、PDUのIPアドレスを使用してPDUに接続します。
    https://pdu_ip_address
    

    セキュリティに関する注意事項に同意します。メーター概要ページが表示されます。

  3. 左上のネット構成をクリックし、ユーザーadminとしてパスワードwelcome1を使用してログインします。
  4. システム時間タブを選択します。
  5. 現在の日時を使用して手動設定を構成し、「送信」をクリックします。
  6. NTPサーバー設定を構成し、「送信」をクリックします。
    • 「有効化」オプションを選択します。

    • インストール・テンプレートにリストされているNTPサーバーのIPアドレスを入力します。

    • メニューから「タイムゾーン」を選択します。

  7. PDU情報タブを選択します。
  8. 次の各値を入力し、「送信」をクリックします。
    • 名前: インストール・テンプレートにリストされているPDUホスト名(ra5sw-pdua0など)

    • 製品識別子(大/小文字を区別): ZDLRA X5

    • ラックのシリアル番号: AK12345678のようなシリアル番号

    • 場所 (オプション): サイト識別子

  9. メーター概要ページで、モジュール情報を選択します。
  10. ファームウェア・バージョンが2.01以上であることを確認します。そうでない場合は、この手順が終了した後にファームウェアをアップグレードします。
  11. 「ログアウト」をクリックし、PDUからログアウトします。
  12. これらの手順を2つ目のPDUメーター・ユニットで繰り返します。
  13. Ciscoイーサネット・スイッチからPDUメーター・ユニットの接続を解除し、データ・センター管理ネットワークに接続します。

10.6.3 PDUファームウェアのアップグレード

PDUファームウェアが古い(2.01より前のバージョンである)場合、現在のバージョンをダウンロードしてインストールします。

PDUファームウェアをアップグレードする手順:

  1. 拡張PDUの現在のバージョンをMy Oracle Supportからラップトップにダウンロードします。
  2. ラップトップでダウンロードしたファイルを解凍します。
  3. ブラウザを開き、PDUのIPアドレスを使用してPDUに接続します。
    https://pdu_ip_address
    

    セキュリティに関する注意事項に同意します。メーター概要ページが表示されます。

  4. 左上のネット構成をクリックし、ユーザーadminとしてパスワードwelcome1を使用してログインします。
  5. ファームウェア更新タブを選択します。
  6. 「参照」をクリックし、ラップトップでダウンロードして解凍したファームウェアからMKAPP_V2.x.DLを選択します。
  7. 「送信」をクリックし、ファームウェアを更新します。

    更新が完了すると、PDUが自動的に再起動します。

  8. ブラウザをPDUに再接続します。
  9. メーター概要ページでモジュール情報をクリックし、ファームウェアが正常に機能されたことを確認します。
  10. 「ログアウト」をクリックし、PDUからログアウトします。
  11. これらの手順を2つ目のPDUメーター・ユニットで繰り返します。

10.7 計算サーバーの状態の確認

U16およびU17の2台の計算サーバーを確認するには、次のようにします。

  1. 両方の計算サーバーがまだ起動していない場合はこれらの電源をオンにし、BIOSが初期化され、Linuxオペレーティング・システムがロードされるのを待機します。

  2. シリアル・ケーブルを使用して、ラップトップを1台目の計算サーバーのシリアルMGTポートに接続します。

  3. 次の設定を使用するようラップトップの端末エミュレータを構成します。

    • 9600ボー

    • 8ビット

    • 1ストップ・ビット

    • パリティ・ビットなし

    • ハンドシェークなし

    • フロー制御なし

  4. パスワードにwelcome1を使用して、rootユーザーとしてログインします。

    • 1台目の計算サーバー(ラップトップに接続されているもの)で、Oracle ILOMコンソールを開き、ログインします。

      -> start /SP/console
      
    • 2台目の計算サーバーで、SSHを使用してログインします。デフォルトの工場出荷時のIPアドレスは192.168.1.109です。

  5. ラック・マスターとホストのシリアル番号が正しく設定されていることを確認します。最初の番号はラックのシリアル番号と一致する必要があり、2番目の番号はサーバーの前面のSysSNラベルと一致する必要があります。

    # ipmitool sunoem cli "show /System" | grep serial
         serial_number = AK12345678
         component_serial_number = 1234NM567H
    
  6. モデルとラックのシリアル番号が正しく設定されていることを確認します。

    # ipmitool sunoem cli "show /System" | grep model
         model = ZDLRA X5
    # ipmitool sunoem cli "show /System" | grep ident
         system_identifier = Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance X5 AK12345678
    
  7. 管理ネットワークが動作していることを検証します。

    # ethtool eth0 | grep det
    Link detected: yes
    
  8. ILOM管理ネットワークが動作していることを検証します。

    # ipmitool sunoem cli 'show /SP/network' | grep ipadd
    ipaddress = 192.168.1.108
    pendingipaddress = 192.168.1.108
    
  9. Oracle ILOMがオプションのQLogic PCIeカード(設置されている場合)を検出できることを確認します。

    # ipmitool sunoem cli "show /System/PCI_Devices/Add-on/Device_1"
    Connected. Use ^D to exit.
    -> show /System/PCI_Devices/Add-on/Device_1
      /System/PCI_Devices/Add-on/Device_1
      Targets:
    
      Properties:
        part_number = 7101674
        description = Sun Storage 16 Gb Fibre Channel PCIe Universal FC HBA,
                      Qlogic
        location = PCIE1 (PCIe Slot 1)
        pci_vendor_id = 0x1077
        pci_device_id = 0x2031
        pci_subvendor_id = 0x1077
        pci_subdevice_id = 0x024d
    
      Commands:
        cd
        show
    
    -> Session closed
    Disconnected
    

    QLogic PCIeカードの詳細は、「テープ・ハードウェアの設置」を参照してください。

  10. すべてのメモリー(256GB)が存在することを確認します。

    # grep MemTotal /proc/meminfo
    MemTotal: 264232892 kB
    [

    値は、BIOSのバージョンに応じて若干異なる可能性があります。ただし、値がこれより小さい場合は、Oracle ILOMイベント・ログを使用して、問題のあるメモリーを特定します。

  11. 4台のディスクが表示されていて、オンラインであり、スロット0からスロット3の番号が付いていることを確認します。

    # cd /opt/MegaRAID/MegaCli/
    # ./MegaCli64 -Pdlist -a0 | grep "Slot\|Firmware state"
    Slot Number: 0
    Firmware state: Online, Spun Up
    Slot Number: 1
    Firmware state: Online, Spun Up
    Slot Number: 2
    Firmware state: Online, Spun Up
    Slot Number: 3
    Firmware state: Online, Spun Up
    
  12. ハードウェアの論理ボリュームが正しく設定されていることを確認します。4台のディスクがありホット・スペアのないRAID5として仮想ディスク0を探します。

    [root@db01 ~]# cd /opt/MegaRAID/MegaCli
    [root@db01 MegaCli]# ./MegaCli64 -LdInfo -lAll -a0
    Adapter 0 -- Virtual Drive Information:
    Virtual Drive: 0 (Target Id: 0)
    Name :DBSYS
    RAID Level : Primary-5, Secondary-0, RAID Level Qualifier-3
    Size : 1.633 TB
    Physical Sector Size: 512
    Logical Sector Size : 512
    VD has Emulated PD : No
    Parity Size : 557.861 GB
    State : Optimal
    Strip Size : 1.0 MB
    Number Of Drives : 4
    Span Depth : 1
         .
         .
         .
    
  13. ハードウェア・プロファイルが正しく動作していることを確認します。

    # /opt/oracle.SupportTools/CheckHWnFWProfile
    [SUCCESS] The hardware and firmware matches supported profile for
    server=ORACLE_SERVER_X5-2
    

    この出力は、動作が正しいことを示します。ただし、次のように表示された場合は、続行する前に修正する必要がある問題があることを示します。

    [WARNING] The hardware and firmware are not supported. See details below
    [InfinibandHCAPCIeSlotWidth]
    Requires:
    x8
    Found:
    x4
    [WARNING] The hardware and firmware are not supported. See details above
    

    より詳細な出力を取得するなど、使用可能なオプションをレビューするには、--help引数を使用します。

  14. 1台目の計算サーバーに接続している場合のみ:

    1. 1台目の計算サーバーのIPアドレスを確認します。

      # ifconfig eth0
      eth0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:10:E0:3C:EA:B0
           inet addr:172.16.2.44 Bcast:172.16.2.255 Mask:255.255.255.0
           inet6 addr: fe80::210:e0ff:fe3c:eab0/64 Scope:Link
           UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
           RX packets:7470193 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
           TX packets:4318201 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
           collisions:0 txqueuelen:1000
           RX bytes:872195171 (831.7 MiB) TX bytes:2444529519 (2.2 GiB)
      
    2. 2台目の計算サーバーのIPアドレスを確認します。

      # ibhosts
      Ca : 0x0010e0000159c61c ports 2 "node4 elasticNode 172.16.2.40,172.16.2.40 ETH0"
      Ca : 0x0010e000015a46f0 ports 2 "node10 elasticNode 172.16.2.46,172.16.2.46 ETH0"
      Ca : 0x0010e0000159d96c ports 2 "node1 elasticNode 172.16.2.37,172.16.2.37 ETH0"
      Ca : 0x0010e0000159c51c ports 2 "node2 elasticNode 172.16.2.38,172.16.2.38 ETH0"
      Ca : 0x0010e000015a5710 ports 2 "node8 elasticNode 172.16.2.44,172.16.2.44 ETH0"
  15. サーバーから切断します。

    • 1台目の計算サーバー: exit

    • 2台目の計算サーバー: logout

  16. 2台目の計算サーバーで、これらの手順を繰り返します。

10.8 ストレージ・サーバーの状態の確認

Recovery Appliance X5のラックには3台から18台までのストレージ・サーバー、Recovery Appliance X4のラックには3台から14台までのストレージ・サーバーを設置できます。ラックの一番下の段から開始して、各サーバーを確認します。

ストレージ・サーバーを確認するには、次のようにします。

  1. すべてのストレージ・サーバーの電源がオンでない場合はこれらをオンにし、BIOSが初期化され、Linuxオペレーティング・システムがロードされるのを待機します。
  2. SSHを使用して、ラップトップを1台目のストレージ・サーバーのシリアルMGTポートに接続します。工場出荷時のIPアドレスを使用します。
  3. パスワードにwelcome1を使用して、rootユーザーとしてログインします。

    端末エミュレーション設定は、計算サーバーの場合と同じです。「計算サーバーの状態の確認」を参照してください。

  4. ラック・マスターとホストのシリアル番号が正しく設定されていることを確認します。最初の番号はラックのシリアル番号と一致する必要があり、2番目の番号はサーバーの前面のSysSNラベルと一致する必要があります。
    # ipmitool sunoem cli "show /System" | grep serial
         serial_number = AK01234567
         component_serial_number = 1234NM5678
    
  5. モデルとラックのシリアル番号が正しく設定されていることを確認します。
    # ipmitool sunoem cli "show /System" | grep model
         model = ZDLRA X5
    # ipmitool sunoem cli "show /System" | grep ident
         system_identifier = Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance X5 AK01234567
    
  6. 管理ネットワークが動作していることを検証します。
    # ethtool eth0 | grep det
    Link detected: yes
    
  7. ILOM管理ネットワークが動作していることを検証します。
    # ipmitool sunoem cli 'show /SP/network' | grep ipadd
    ipaddress = 192.168.1.101
    pendingipaddress = 192.168.1.101
    
  8. すべてのメモリー(96GB)が存在することを確認します。
    # grep MemTotal /proc/meminfo
    MemTotal: 98757064 kB
    [

    値がこれより小さい場合は、Oracle ILOMイベント・ログを使用して、問題のあるメモリーを特定します。

  9. ハードウェア・プロファイルが正しく動作していることを確認します。
    # /opt/oracle.SupportTools/CheckHWnFWProfile
    [SUCCESS] The hardware and firmware matches supported profile for
    server=ORACLE_SERVER_X5-2L_EXADATA_HIGHCAPACITY
    

    この出力は、動作が正しいことを示します。ただし、次のように表示された場合は、続行する前に修正する必要がある問題があることを示します。

    [WARNING] The hardware and firmware are not supported. See details below
    [InfinibandHCAPCIeSlotWidth]
    Requires:
    x8
    Found:
    x4
    [WARNING] The hardware and firmware are not supported. See details above
    

    より詳細な出力を取得するなど、使用可能なオプションをレビューするには、--help引数を使用します。

  10. 12台のディスクが表示されていて、オンラインであり、スロット0からスロット11の番号が付いていることを確認します。
    # cd /opt/MegaRAID/MegaCli
    # ./MegaCli64 -Pdlist -a0 | grep "Slot\|Firmware state" 
    Slot Number: 0
    Firmware state: Online, Spun Up
    Slot Number: 1
    Firmware state: Online, Spun Up
         .
         .
         .
    
  11. 4台のNVME論理デバイスがあることを確認します。
    # ls -l /dev | grep nvme | grep brw
    brw-rw---- 1 root disk 259, 0 Nov 12 19:10 nvme0n1
    brw-rw---- 1 root disk 259, 1 Nov 12 19:10 nvme1n1
    brw-rw---- 1 root disk 259, 2 Nov 12 19:10 nvme2n1
    brw-rw---- 1 root disk 259, 3 Nov 12 19:10 nvme3n1
    
  12. AICカードの正常なステータスを確認します。
    # nvmecli --identify --all | grep -i indicator
    Health Indicator      : Healthy
    Health Indicator      : Healthy
    Health Indicator      : Healthy
    Health Indicator      : Healthy
    
  13. ブート順がUSB (Oracle Unigen)、RAIDおよびPXEの順であることを確認します。
    [# ubiosconfig export all > /tmp/bios.xml
    [# grep -m1 -A20 boot_order /tmp/bios.xml
    <boot_order>
      <boot_device>
        <description>USB:USBIN0:ORACLE SSM UNIGEN-UFD PMAP</description>
        <instance>1</instance>
      </boot_device>
      <boot_device>
        <description>RAID:PCIE6:(Bus 50 Dev 00)PCI RAID Adapter</description>
        <instance>1</instance>
      </boot_device>
      <boot_device>
        <description>PXE:NET0:IBA XE Slot 3A00 v2320</description>
        <instance>1</instance>
      </boot_device>
      <boot_device>
        <description>PXE:NET1:IBA XE Slot 4001 v2196</description>
        <instance>1</instance>
      </boot_device>
    
  14. ブート順が正しくない場合は、サーバーを再起動し、BIOS設定でブート順を修正します。
    # ipmitool chassis bootdev bios
    # shutdown -r now
    
  15. SSHを終了するかログアウトします。
  16. 次のストレージ・サーバーでこれらの手順を繰り返し、すべてのストレージ・サーバーの確認が完了するまで続けます。

10.9 InfiniBandネットワークの確認

InfiniBandネットワークを検証する手順:

  1. ラック内のすべてのInfiniBandケーブル接続を視覚的に確認します。ポート・ライトが点灯し、LEDの電源が投入されていることを確認します。各コネクタを押して接続を確認しないでください。
  2. ラック内の任意のシステムに対してrootユーザーとしてログインします。
  3. InfiniBandトポロジを確認します。
    # cd /opt/oracle.SupportTools/ibdiagtools
    # ./verify-topology]
    
    [DB Machine Infiniband Cabling Topology Verification Tool ]
    Every node is connected to two leaf switches in a single rack........[SUCCESS]
    Every inter-leaf switch link is connected correctly in a single rack.[SUCCESS]
    Every leaf switch in an interconnected quarter rack is correctly connected to
    other rack in a multi-rack group...... [NOT APPLICABLE]
    Every leaf switch is connected to every spine switch in a multi-rack
    group.......................................... [SUCCESS]
    Every rack has balanced inter-leaf-and-spine switch links in a multi-rack
    group..................................... [NOT APPLICABLE]
    No spine switch is connected to another spine switch in a multi-rack
    group.......................................... [NOT APPLICABLE]
    Every spine switch is connected to two external spine switches in a multi-rack
    group................................ [NOT APPLICABLE]
    No external spine switch is connected to a leaf switch in a multi-rack
    group........................................ [NOT APPLICABLE]
    No external spine switch is connected to another external spine switch in a
    multi-rack group........................ [NOT APPLICABLE]
    

    このサンプル出力は、ネットワーク・コンポーネントが正しく配線されており、各チェックのステータスがSUCCESSまたはNOT APPLICABLEであることを示しています。問題がある場合は、チェックがFAILEDとして追加の診断情報とともに表示されます。

10.10 サーバーのIPアドレスの構成

Recovery Applianceソフトウェアをインストールする前に、正しいIPアドレスで計算サーバーおよびストレージ・サーバーを構成するスクリプトを実行する必要があります。それ以外の場合、install.shスクリプトがネットワークを構成しようとしたときに失敗します。

My Oracle SupportのドキュメントID 1953915.1の手順に従い、IPアドレスを構成します。