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Zero Data Loss Recovery Applianceオーナーズ・ガイド
リリース12.1
E57738-09
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6 設置場所へのRecovery Applianceの設置

この章では、Recovery Applianceの開封から電源を入れるまで、ハードウェアの移動および設置方法について説明します。この章では、次の内容を説明します。

6.1 安全ガイドラインの確認

Recovery Applianceラックが到着する前に、次の安全上の注意を参照して、設置場所が安全で搬入可能であることを確認してください。これらの注意を遵守しないと、外傷、機器の損傷または故障につながる可能性があります。

  • 換気口をふさがないでください。

  • 直射日光が当たる場所や、熱を発生する可能性があるデバイスの側にRecovery Applianceラックを設置しないでください。

  • ほこりの多い場所、腐食性ガスが発生する場所、潮風が当たる場所にはRecovery Applianceラックを設置しないでください。

  • 振動の多い場所にRecovery Applianceラックを設置しないでください。平らな場所に設置してください。

  • 適切な接地の電源コンセントを使用してください。共用接地を使用する場合、接地抵抗を10オーム以下にする必要があります。必ず施設管理者または資格を持つ電気技師が、建物の接地方法の検証および接地作業を行うようにしてください。

  • Recovery Applianceに使用されているアース線が、Recovery Applianceにのみ使用されていることを確認してください。機器のラベルに示されている取扱いの注意、警告および指示を遵守してください。

  • ケーブルを機器の下に設置したり、強く引っ張りすぎたりしないでください。

  • 電源が投入されている間に電源コードを機器から取り外さないでください。

  • LANケーブルを抜くときにコネクタのロック部に届かない場合は、マイナス・ドライバでロック部を押してケーブルを抜いてください。隙間に無理やり指を入れると、システム・ボードが破損する可能性があります。

  • Recovery Applianceラックの上には何も置かず、ラックの真上で作業をしないでください。

  • 特に冬に、室温を急激に上げないでください。急激な温度変化は、Recovery Applianceラック内に結露が発生する原因になります。操作の前に十分なウォームアップ時間を設けてください。

  • コピー機、空調装置、溶接機など、大きな電気的ノイズが発生する機器の近くにRecovery Applianceラックを設置しないでください。

  • 設置場所で静電気が発生しないようにしてください。静電気がRecovery Applianceに移ると故障の原因になります。多くの場合、静電気はカーペットで発生します。

  • 供給電力と周波数が、Recovery Applianceに指定されている電気定格と一致していることを確認してください。

  • ドキュメントの手順で特に指定されていないかぎり、Recovery Applianceラックの開口部には何も挿入しないでください。

    警告:

    Recovery Applianceには電圧が高い部分があります。ラックの開口部に金属製の物体や他の導体が挿入されると、回路がショートする可能性があります。これにより、人的傷害、火事、感電および機器の損傷を招くおそれがあります。

  • 単相の配電ユニット(PDU)を使用する場合は、次のようにして接続してください。

    • PDU Aの入力0およびPDU Bの入力2を同じ位相にする必要があります。

    • PDU Aの入力1およびPDU Bの入力1を同じ位相にする必要があります。

    • PDU Aの入力2およびPDU Bの入力0を同じ位相にする必要があります。

    PDUの外部への入力は分類されます。説明どおりに配線すると、フェイルオーバーの際にAおよびBの位相のバランスを維持できます。

関連項目:

6.2 Recovery Applianceの開封

設置場所の計画プロセス中に開封場所を決定する必要があります。「Recovery Applianceの設置場所の要件」を参照してください。

図6-1に、Recovery Applianceの輸送用の箱を示します。

図6-1 Recovery Applianceの輸送用の箱

図6-1の説明を次に示します
「図6-1 Recovery Applianceの輸送用の箱」の説明

関連項目:

ラックの開封の詳細は、Sun Rack II開封ガイドを参照してください。ガイドは次のWebサイトから入手できます。

http://docs.oracle.com/cd/E19844-01/index.html

6.2.1 発送キットの内容

発送キットには、Recovery Applianceラックを設置および修理する次の工具および機器が含まれます。

  • 16mmのねじ(Phillipsの2番)

  • T30 Torxクランク・レンチ

  • T25 Torxクランク・レンチ

  • 6mmの六角アレン・レンチ

  • SW 12mmの片口レンチ

  • 4個のM5 Torxねじを使用する2つの四角のジャンパ金具

  • 4個のばねナットを使用する2つのケーブル管理フック

  • サイド・パネルの取外し工具

  • 前部ドア、後部ドア、サイド・パネルのロック部の鍵

  • 32個のM6ケージ・ナット

  • 32個のM6ねじ

  • ケージ・ナットの取付け工具

  • SW 17mmレンチ

注意:

発送キットに含まれていない、次のものも必要です。

  • プラス・ドライバ(Phillipsの2番)

  • 静電気除去リスト・ストラップ

6.2.2 輸送用の箱からのRecovery Applianceの取出し

注意:

Recovery Applianceの開封および設置は、専門の配送業者に依頼することを強くお薦めします。

関連項目:

梱包品に付属するSun Rack IIの開封手順

Recovery Applianceを開封するには、次のようにします。

  1. 次に示すように、梱包材および発送用パレットから慎重にRecovery Applianceを開封します。

    1. 発送用の段ボールのひもを取り外します。

    2. 黄色の留具と上部の段ボールを取り外します。

    3. 側面および内側上部の段ボールを取り外します。

    警告:

    ラックを揺らしたり傾けたりすると、ラックが倒れて大けがや死に至る危険性があります。

  2. 発送キットを取り外します。

  3. 傾斜台を発送用パレットにつなぎます。

    1. パレットの側面から傾斜台を取り外します。

    2. キャビネットから部品バッグを出します。

    3. 傾斜台の水平ボルトを調整し、傾斜台をパレットのホイール・トラックにつなぎます。

  4. Recovery Applianceラックを発送用パレットから慎重に動かします。

    1. パレットから外側の取付け金具を外します。

    2. パレットから内側の取付け金具を外します。Recovery Applianceラックの下から取付け金具を外す際は注意してください。内側の取付け金具に届かない場合があります。

    3. キャビネットを傾斜路で床レベルまで移動します。ラックを傾斜路で移動する際は3人で行うことをお薦めします。両サイドに1人ずつ、もう1人が後ろでラックを移動します。

  5. 発送用パレットにラックを固定している取付け金具を保存します。

    注意:

    これらの取付け金具を使用すると、設置場所の床にRecovery Applianceラックを恒久的に固定できます。交換金具は注文できないので、取付け金具を捨てないでください。

  6. 梱包品を適切に再利用します。地域の法律およびガイドラインに従って、梱包材を廃棄します。

6.3 用意した場所へのRecovery Applianceの設置

この項では、Recovery Applianceラックを配置、固定および接地する方法について説明します。この項には次のトピックが含まれます:

6.3.1 Recovery Applianceの移動

Recovery Applianceラックを移動するには、次のようにします。

  1. ドアが閉じていて、固定されていることを確認します。
  2. ラックの水平調整および固定脚が上がって邪魔にならないことを確認します。
  3. 設置場所までRecovery Applianceラックを背後から押します。

    Recovery Applianceの前方のキャスタは回転しないため、後方のキャスタを動かして進む必要があります。慎重に押すことで、Recovery Applianceラックを安全に移動できます。

    図6-2 Recovery Applianceラックを後ろから慎重に押す

    図6-2の説明が続きます。
    「図6-2 Recovery Applianceラックを後ろから慎重に押す」の説明

    ラックの移動は2人で行うことをお薦めします。1人が前で、もう1人が後ろでラックを移動します。ラックをある場所から別の場所へ移動する場合は、0.65メートル/秒(2フィート/秒)以下の速度でゆっくりと動かすよう注意してください。

    移動経路を慎重に確認してください。突然の停止や衝撃を与える可能性のある出入口やエレベータ入口などの障害を回避します。円滑な移動を可能にする傾斜台またはリフトを使用して、障害を回避します。

警告:

  • Recovery Applianceのサイド・パネルを押して移動させないでください。サイド・パネルを押すと、ラックが倒れる可能性があります。これにより、機器が損傷するだけでなく、人的傷害や死に至る危険性があります。

  • 倒れる可能性があるため、Recovery Applianceを傾けたり、揺らしたりしないでください。

6.3.2 Recovery Applianceラックの固定

Recovery Applianceを設置場所に移動したら、ラックを固定して、動いたり倒れたりしないようにします。ラックの水平調節脚および取付け金具を使用すると、恒久的にラックを固定できます。

4本の水平調節脚で、少なくとも1つの他の支えとラックの負荷を分散できるようにしてください。ラックの負荷を分散するには、次の方法も可能です。

  • キャスタと水平調整脚

  • キャスタと取付け金具

  • キャスタ、水平調節脚および取付け金具

6.3.2.1 水平調整脚によるRecovery Applianceラックの固定

床に固定する場合でも、ラックには4本の水平調整脚があり、高さを下げてラックを安定させられます。

水平調整脚を調整するには、次のようにします。

  1. ラックの四隅にある4本の水平調整脚を探します。
  2. SW 12mmレンチを使用して、図6-3に示されているように、水平調節脚を床まで下げて各キャスタに負荷を分散します。

図6-3 水平調整脚によるRecovery Applianceラックの固定

図6-3の説明が続きます。
「図6-3 水平調整脚によるRecovery Applianceラックの固定」の説明

6.3.2.2 取付け金具によるRecovery Applianceラックの固定

ラックは、発送用パレットにラックを固定していたのと同じ4つの取付け金具を使用して、床に取り付けることができます。

取付け金具を設置するには、次のようにします。

  1. 床に取付け用の穴を空けます。図6-4に、取付け金具の場所および寸法を示します。

    図6-4 ラックの取付け金具の場所

    図6-4の説明が続きます。
    「図6-4 ラックの取付け金具の場所」の説明
  2. ラックを床に取り付けるための、4本のボルトと座金を用意します。取付け金具のボルトの穴の直径は、10.0mmです。必要なボルトの種類と強度が床によって異なるため、取付けボルトは提供していません。場所に適切なボルトを選択してください。
  3. 事前に開けた穴の上にラックを配置します。図6-5に、Recovery Applianceラックの底面図、取付け穴の場所、および床の切抜き部分の寸法を示します。

    図6-5 Recovery Applianceラックの底面図

    図6-5の説明が続きます
    「図6-5 Recovery Applianceラックの底面図」の説明
    • 1: 取付け金具からラックの端までの長さは113mm(4.45インチ)です。

    • 2: 取付け穴の中心と中心の長さは374mm(14.72インチ)です。

    • 3: 取付け金具からラックの端までの長さは113mm(4.45インチ)です。

    • 4: 正面の取付け穴の中心と背面の取付け穴の中心の長さは1120mm(44.1インチ)です。

    • 5: ケーブル配線用の床の切抜き部分の奥行きは330mm(13インチ)です。

    • 6: 床の切抜き部分からラックの端までの長さは160mm(6.3インチ)です。

    • 7: ケーブル配線用の床の切抜き部分の幅は280(11インチ)です。

    データ・コードまたはPDU電源コードをラックの底を通して配線する場合は、設置場所の床に穴を開ける必要があります。ラックの後部、2つの後部キャスタの間かつ後部RETMA (Radio Electronics Television Manufacturers Association)レールの後ろ側の下に四角い穴を開けます。

    注意:

    ラックのキャスタまたは水平調整脚の取付け金具の位置に、穴を開けないでください。

    図6-6に、下から見たラックの基底位置を示します。

  4. Recovery Applianceラックの前と後のドアを開けます。
  5. 6mmの六角アレン・レンチを使用して、図6-7に示されているように、ラックに取付け金具を設置します。

    図6-7 取付け金具によるRecovery Applianceラックの固定

    図6-7の説明が続きます
    「図6-7 取付け金具によるRecovery Applianceラックの固定」の説明
  6. 設置場所に適切なボルトと座金を使用して、図6-7に示されているように4本の取付け金具でシステムを床に恒久的に取り付けます。

    注意:

    ラックを床に固定するために必要なボルトは、設置場所によって異なります。場所に適切なボルトを選択してください。

  7. ラックおよび床に取付け金具を固定しているすべてのボルトをしっかりと締めます。
  8. ラックを別のRecovery Applianceラックに追加する場合は、「別のラックの追加によるラックの拡張」を参照してください。

6.3.3 接地ケーブルの接続(オプション)

配電ユニット(PDU)は、電源コードで接地を行います。電源コードをコンセントに接続する場合、接地用端子から最終的にシャーシの接地が行われます。他にも接地を行う場合は、Recovery Applianceラックにシャーシ接地ケーブルを取り付けます。接地点の追加により、漏電電流を効率的に分散できます。

警告:

PDU電源入力リード線および接地ケーブルを使用するには、一般的な接地を基準にする必要があります。そうしないと、接地電位の違いが発生する場合があります。施設のPDUソケットの接地がわからない場合、適切なPDUソケットの接地があることを確認するまで接地ケーブルを設置しないでください。接地電位の違いが明白な場合は、訂正処理を行う必要があります。

接地ケーブルを取り付けるには、次のようにします。

  1. 接地ケーブルを用意します。システムには同梱されていません。
  2. 設置場所でデータ・センターの電源が適切に接地されていることを確認します。施設のPDUには接地が必要です。
  3. 高くした床や電源ソケットなどのすべての接地点で施設の接地を基準としていることを確認します。
  4. この設置に直接の金属間接触が行われていることを確認します。製造時に接地ケーブルの接続部分が塗装またはコーティングされている場合があります。
  5. 図6-8に示されているように、システム・フレームの背面下部にあるいずれかの接続ポイントに接地ケーブルを接続します。接続ポイントは、キャビネットの背面の内側にある調整可能なボルトです。

    図6-8 接地接続ボルトの場所

    図6-8の説明が続きます
    「図6-8 接地接続ボルトの場所」の説明

6.4 ファイバ・チャネル・アダプタの設置

オプションのQLogicファイバ・チャネル・アダプタは、Recovery Applianceラックとは別に出荷されます。Recovery Applianceで、バックアップにオラクル社のテープ・システムを使用する場合にのみ設置してください。

ファイバ・チャネル・アダプタは、各計算サーバーの最初のPCIeスロットに設置します。

関連項目:

スロット1にPCIカードを設置する手順は、Oracle Server X5-2サービス・マニュアルを参照してください。

http://docs.oracle.com/cd/E41059_01/html/E48312/napsm.z40007611438967.html#scrolltoc

6.5 システムへの初めての電源投入

システムに初めて電源を投入する前に、ラックを点検して電源コードを接続する必要があります。この項には次のトピックが含まれます:

注意:

Recovery Applianceに電源を投入したら、「Recovery Applianceラックの構成」の説明に従って構成します。

6.5.1 設置後のRecovery Applianceの点検

Recovery Applianceを設置したら、電源を供給する前に、その物理的システムを点検する必要があります。

Recovery Applianceラックを点検するには、次のようにします。

  1. 損傷がないか、ラックを確認します。

  2. ねじの緩みまたは欠落がないか、ラックを確認します。

  3. ラックが注文した構成かどうかを確認します。梱包品の側面のCustomer Information Sheet(CIS)を参照してください。

  4. すべてのケーブル接続がしっかりと固定されていることを確認します。

    1. 電力ケーブルを確認します。データ・センター施設の電源に適した種類のコネクタであることを確認します。

    2. ネットワーク・データ・ケーブルを確認します。

  5. ケーブル・アクセスと通気のために設置場所のタイルの配置を確認します。

  6. ラックの前面に流入するデータ・センターの通気を確認します。

6.5.2 電源コードの接続

警告:

電力コードを接続する前に、すべてのブレーカ・スイッチがオフになっていることを確認してください。オフ(0)である場合、ブレーカはPDUの側面から突き出しています。

グループごとに1つのスイッチ、およびPDUごとに6つのスイッチがあります。

Recovery Applianceラックに電源コードを接続するには、次のようにします。

  1. キャビネットの後部ドアを開けます。
  2. 正しい電源コネクタが用意されていることを確認します。
  3. 電源コード・ケーブル・タイをほどきます。タイは発送にのみ使用され、今後は必要ありません。
  4. 図6-9に示されているように、床の下を通して電源コードを施設のソケットまで配線します。
  5. 図6-9に示されているように、電源コードをまとめて固定します。
  6. 電力ケーブルを接続する前に、ブレーカ・スイッチがオフになっていることを確認します。
  7. PDU電源コード・コネクタを施設のソケットに接続します。

図6-9 電源コード配線の例

図6-9の説明が続きます
「図6-9 電源コード配線の例」の説明

6.5.3 Recovery Applianceへの電源投入

計算サーバーは、通常のBIOS POSTテストを使用した起動に最大15分かかる場合があります。

Recovery Applianceに電源を投入するには、次のようにします。

  1. 一度に1つずつPDU Bブレーカの電源を投入します。PDU Bは、背面から見てラックの右側にあります。図6-10に示されているように、ブレーカはキャビネットの背面にあります。トグル・スイッチのON(|)を押すと、PDU側でブレーカーが光ります。

    図6-10 PDUスイッチの場所

    図6-10の説明が続きます
    「図6-10 PDUスイッチの場所」の説明
  2. 所定の電源LEDがオンになっていることを確認します。LEDの場所は次のとおりです。
    • 計算サーバー: 右のLED

    • ストレージ・サーバー: 上のLED

    • Ciscoスイッチ(前から見た場合): 左のLEDが緑で、他のLEDは赤

    • InfiniBandスイッチ(前から見た場合): 左のLEDのラベルはPS0、または右のLEDのラベルはPS1

  3. 電力ケーブルをPDU Aに接続します。電力ケーブルを接続する前に、ブレーカ・スイッチがOFFになっていることを確認します。

    関連項目:

    単相PDUおよび配線の詳細は、「安全ガイドラインの確認」を参照してください

  4. 一度に1つずつPDU Aブレーカの電源を投入します。
  5. 所定のLEDがオンになっていることを確認します。
  6. ラックのすべてのケーブル接続を目視で確認します。各コネクタを押して接続を確認しないでください。
  7. すべてのシステムの「OK」のLEDがスタンバイで点滅していることを確認します。スタンバイ・モードの場合、「OK」のLEDは3秒に1回点滅します。スタンバイ・モードになる前に、Oracle ILOMを起動している間は、2から3分光りません。